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宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第17回) 議事録

1.日時

平成27年12月10日(木曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 15階特別会議室

3.議題

  1. H-ⅡAロケット29号機の打上げ結果について
  2. ロケット打上げ安全対策の評価プロセスとロケット安全確認業務の振り返りについて
  3. ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全対策の評価基準の見直しについて
  4. その他

4.出席者

委員

主査  中島 俊
専門委員  飯田 光明
専門委員  折井 武
専門委員  門脇 直人
専門委員  鈴木 和幸
臨時委員  田村 圭子
専門委員  馬嶋 秀行
専門委員  渡邉 篤太郎

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課企画官  奥野 真

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 第一宇宙技術部門 
  鹿児島宇宙センター所長 藤田 猛
  打上安全評価ユニット長 鳥井 義弘
  宇宙輸送安全計画ユニット長 加納 康臣
  鹿児島宇宙センター射場安全グループ長 船川 隆
  宇宙輸送安全計画ユニット技術領域リーダ 原島 治
三菱重工業株式会社 
 執行役員フェロー 防衛・宇宙ドメイン 技師長  二村 幸基

5.議事録

【中島主査】 それでは,定刻になりましたので,ただいまから調査・安全小委員会の第17回の会合を開催したいと思います。
 まずは事務局から,本日の会議に関します事務的な確認をお願いいたします。

【事務局(奥野企画官)】 本日は,本小委員会御所属の10名の委員のうち,8名,過半数を超える委員の出席を頂いておりますので,運営規則に定めております定足数の要件を満足しております。よって,本日の会議が成立していることを御報告申し上げます。
 2点目,本日の会議の非公開についてでございます。
 本日の議題のうち,(4)の議題につきましては,その審議事項の一部にロケットの打上げ等に係る機微情報を含む案件がございますので,当該議題につきましては,運営規則に基づき,非公開にて実施させて頂きます。委員の皆様並びに傍聴の皆様の御理解とご協力を頂きますよう,お願い申し上げます。
 最後に,本日の資料については,お手元の議事次第の4.記載の資料をお手元に配付してございます。過不足等ございましたら,適宜,事務局までお申しつけください。
 事務連絡は以上でございます。

【中島主査】 ありがとうございました。

(1)H-ⅡAロケット29号機の打上げ結果について

【中島主査】  それでは,さっそく1番目の議事に入りたいと思います。
 議題は,H-ⅡAロケット29号機の打上げ結果についてです。H-ⅡAロケット29号機の打上げに係る安全対策の妥当性につきましては,7月31日開催の第15回調査・安全小委員会におきまして調査検討を実施し,11月24日に打上げに成功しております。本日はその実施結果につきまして,JAXAさんから御説明をお願いいたします。

【JAXA(藤田所長)】 より資料17-1に基づき説明を行った。

【中島主査】 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして,御意見,御質問があれば,お願いいたします。

【折井専門委員】質問させて頂きます。今回の打上げは成功裏に終わって,私ども大変うれしく,よく頑張られたと思います。その中で注目点は,今回4本のSRB-Aを装着したH-ⅡAは初めてなのかな,2回目ですか。それと4Sタイプというノーズフェアリングとの組合せは初めての形態でよろしいでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 固体ロケット4本付きで,4Sタイプというのが初めてでございます。

【折井専門委員】 初めてでよろしいのですね。そういう仕様に対して,うまくいったというのは非常に良いことだと思います。私は個人的にはちょっと心配していたことがあったんですけれども,そのほかに何か気になるようなこと,ここで報告できることが何かありましたら,是非聞かせていただきたい。毎回質問しております。

【JAXA(藤田所長)】 まず,JAXAの方としましては,報告の中にもございましたけれども,高度化機体ということで,長秒時の慣性飛行を行っております。2段ロケットで静止軌道,高度3万6,000Kmの近くまで衛星を運んで3回目の着火をするということで,通常ですと30分程度で終わるロケットの作業になりますけれども,それが4時間半ほどあったということで,安全監理業務としても,その間もモニターするといったようなことが必要になりますので,そういったことへ対応してきたというのが,従来とは変わったところかと思います。
 機体の関係につきましては,三菱重工さんの方からお話しいただけますか。

【三菱重工(二村技師長)】 はい。三菱重工の二村でございます。よろしくお願いいたします。
 今御質問いただきました件につきましては,お話がありましたように,この204タイプと言っておりますけれども,固体ロケットを4本抱いたタイプのH-ⅡAですが,実は9年ぶりの打上げということでございまして,実際には202タイプという固体ロケットを2本つけたタイプとやることはそんなに変わりませんが,いつもの基軸とは違う方向に2本,固体ロケットがついているということで,設備とのインターフェースとか,そういったものを9年ぶりに行うという意味では,非常に慎重にその辺は扱ってきたという面はございます。それ以外に特段気にしたこと,あるいは気になったことというのはございませんでした。

【中島主査】 よろしいですか。

【折井専門委員】 はい,ありがとうございました。

【中島主査】 ほかにございませんでしょうか。

【鈴木専門委員】 ただいまのところですが,こういう形でうまくいったという,成功理由を是非おまとめ頂いて,次回に反映頂いたらと,思いました。こういうことをやったのでうまくいったという事項です。
 別件で質問させて頂きます。
 先ほど所長から,海上警戒区域内に船舶が見つかったということでございますが,これは,もともと通知はあって入ってしまったのか,それとも通知がなされなくて入ったのか,その点を教えていただけますでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 従来と同様に通知はしてございます。

【鈴木専門委員】 そうすると,通知はしてあるけれども,入ってしまったと。

【JAXA(藤田所長)】 そうです。

【鈴木専門委員】 そうすると,その船舶は,その通知のことを知っていたかどうかということが重要になるかと思いますが,いかがでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 その点も含めて,今回,当日の対応等を検証しまして,対策を立てていきたいというふうに考えております。

【鈴木専門委員】 そのときに知っていたかどうかということが重要ですが,知っていましたでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 これから検証していく範囲かなというふうに思っております。

【鈴木専門委員】 その調査は,これからということでございますですか。通知が出ていたけれども,本人がそれを気がついてないということもあるかとも思います。そうすると,その通知の仕方というのは本当に適切だったかどうかというか,そういう視点も,是非検討いただければと思います。

【JAXA(藤田所長)】 確たるところをこれから詰めてまいりますけれども,現時点で入っている情報からしますと,通知は伝わっていて,承知していました。ただ,当日,先ほども御説明しましたように,海上の状況が非常に悪くて,当初その警戒区域外にいたんですけれども,海流の状況などで,知らないうちに流されていたというのではないかということで今,聞いております。

【鈴木専門委員】 はい。是非,今回応急対策という形で,すばらしいと思いますので,再発に関しまして,徹底いただければと思います。

【中島主査】 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 それでは,12月16日の打上安全監理完了確認会の結果につきましては,次回の調査・安全小委員会での御報告をよろしくお願いいたします。

(2)ロケット打上げ安全対策の評価プロセスとロケット安全確認業務の振り返りについて

【中島主査】  それでは,2番目の議題に入ります。
 議題は,ロケット打上げ安全対策の評価プロセスとロケット安全確認業務の振り返りについてです。第13回,第15回の小委員会におきまして,打上げに係る安全対策についての評価を頂いた際に,PDCAプロセスがどのように回っているのかを確認し,年1回程度議論した方がよいという御意見をいただきましたので,安全評価をどのように実施し,打上安全監理業務をどのようなPDCAプロセスになっているかをまとめた資料を,JAXAさんに御準備いただきました。
 御説明いただきました後に,議論させていただきたいと考えております。
 今回の議論は,何か結論を得るということを目的といたしてはおりませんが,今後の評価方法等で工夫すべきことがあれば,反映していきたいと考えております。
 それでは,JAXAさんから御説明をお願いいたします。

【JAXA(鳥井ユニット長,藤田所長)】 より資料17-2-1,17-2-2に基づき説明を行った。

【中島主査】 ありがとうございます。 ただいまの御説明に関しまして,御意見,御質問があれば,お願いいたします。

【鈴木専門委員】 御説明ありがとうございました。2番目の資料の一番後のヒヤリハットに関して質問させて頂きます。
 先ほど目安箱ということを御説明いただきましたけれども,ヒヤリハットが入ってくるルートとしては,その目安箱だけということでございますでしょうか。例えば,1回打上げのプロジェクトがありますと,そのプロジェクトに対して,どういうヒヤリハットがあったかという,そのような収集というのも必要ではないかと思われますが,いかがでしょうか。

【JAXA(船川グループ長)】 ヒヤリハットに関しましては,いつでも情報をいただけるようにということで,まず目安箱というものを設置させておいています。
 それから,打上げごとにということになりますと,打上げがある年,ない年,ばらばらになってしまいますので,どちらかというと,何か月かに一度,安全パトロールを定期的にやるようにしていまして,その安全パトロールの中で気づいたものもヒヤリハットとして挙げるということにしています。

【鈴木専門委員】 そうですか。例えばこの一番後の6番目の事例は,実際,停電になったわけです。そうすると,この停電というものに対しては,これが目安箱に入るものなのか,それとも,組織として停電になったということは把握しておかなければいけないものではないかと私は思いますが,このような問題がきちんと吸い上げられる仕組みができていらっしゃるかどうかという質問です。

【JAXA(船川グループ長)】 この停電に関しましては,起こった時点で,本当はあってはいけないことを起こしてしまったということで,すぐ担当部局から上がってくるようになっています。

【鈴木専門委員】 これは,目安箱ではありませんね。

【JAXA(船川グループ長)】目安箱ではありません。

【鈴木専門委員】 そうですか。そういたしますと,毎年毎年,こういうヒヤリハットは何件,例えば今年度何件,上がっていらっしゃいますでしょうか。

【JAXA(船川グループ長)】 通常ですと,ここ最近,大体20件から30件ぐらいです。

【鈴木専門委員】 毎年ですか。

【JAXA(船川グループ長)】 はい,毎年。20件程度が多いです。

【鈴木専門委員】 なるほど,そうですか。そうすると,それは目安箱のところから20件,先ほど申し上げたこの6番目のものはそれ以外となる訳ですね。

【JAXA(船川グループ長)】こちらで管理しているトータルの件数として年間20件程度となります。

【鈴木専門委員】 その数は,結果としては大きくないけれども,やっぱりそれが今一歩間違えば大変なことになるという,そういうものが必ずあるかと思われます。そういうものをしっかりと収集できる仕組みになっているか,どうかということが一番大切なことではないかと思います。

【JAXA(船川グループ長)】 はい。

【中島主査】 打上げ後の確認会議等でも,それは当然吸い上げているわけですよね。

【JAXA(船川グループ長)】 はい,そうですね。

【鈴木専門委員】はい,わかりました。そうすると,その分析はいかがですか。分析,例えばこの6番目の事例を拝見させて頂きますと,ここにあるトグルスイッチに関しては,こういう対策がなされたということは,はっきりよくわかりますが,類似のスイッチに関して,こういうようなおそれがないのかどうか,類似のものへの水平展開をするべきところになさったかどうかということです。

【JAXA(船川グループ長)】 今この表でいきますと,右から2つ目の管理的要素とか影響とかいうところで,大体手順が不備だったのか,ヒューマンエラーだった,何だったのかという項目的な分析もするようにしております。
 もともとヒヤリハットの報告書を上げるときに,どういう分類で行ったのかという原因の絞り込み,身体的な負担があったんじゃないかとか,そういう分類も全部記入して,提出して頂いています。

【中島主査】 今の御質問で,一番ポイントは,水平展開していますかという点です。

【JAXA(船川グループ長)】はい。水平展開を行っています。

【JAXA(鳥井ユニット長)】 この件に関しましては,手順がわかりづらかったということと,作業者がなれていて,その手順も余りきちんと遵守していなかったということがポイントになっておりまして,その観点から,ほかの類似の手順書であるとかで,そういう手順がわかりづらいところはないかとか,ちゃんと文字だけではなくて図でわかるようにしようとか,そういう観点で全て,個々関係しているメーカーさん,あるいは関連メーカーさんの方に展開しております。

【鈴木専門委員】 そうですか。是非,明確に対策を行ったということがわかる資料にしていただきたいと思います。

【中島主査】 それでは,それがわかるように修正をしていただくようお願いします。

【JAXA(鳥井ユニット長)】 はい,わかりました。

【鈴木専門委員】 ありがとうございます。

【中島主査】 ほかにございませんか。

【馬嶋専門委員】 説明どうもありがとうございました。今までわからなかったことが,整理されており理解が進みました。
 資料17-2-2の2ページは,非常にわかりやすい図だと思うのですが,打上げ最終準備状況確認会の青いタグでは,MHIと共同開催と書いてあります。それから,次の3ページのNo4では,JAXA-MHI間で解析条件確認会を開催したと対策内容に書いてあります。要するに2ページの図では,MHIと共同開催というのは,最終準備状況確認会の一つのみとなるのかと言う質問です。
それから,安全対策,飛行安全のところでも,ロケットの動作が正常な状態となっているかなど,MHIさんだけが知るようなこともあるかと思います。そういう情報を共有する話合いはないのでしょうか。この図では一つしかMHIさんが出てこないのでこのような質問となっています。いかがでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 まず,このチェックとしてのオフィシャルなプロセスの場としては,この共同開催というのは,最後のここで記載しているところだけになります。ただ,機体側の準備ですとか,その手前に例えば工場出荷する段階ですとか,機体を組み立てる前,それから打上げを終わった後,それぞれMHIさんとして,いろんなゲートを設けられていて,私どものこの確認会もそうなんですけれども,そこは相互にオブザーバーという形で出席をしていて,情報は常に共有して,何かあればお互いそこは共有するなり,必要なことがあれば意見を言うなり,そういう仕組みにはなってございます。

【馬嶋専門委員】 それでお互いに理解し合うというか,確認することは非常に大事だと思うのですが,オブザーバーと言っても,必ずどなたかおられるんではないんですか。オブザーバーというのは,出席しなくてもしてもいいようなふうに聞こえるんですけれども,必ずこういう方が入っているというふうなことにした方が,むしろよろしいんではないでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 役割の分担は,やはりある仕事として,組織体としての責任を持つということですので,オブザーバーという形は,飽くまでオブザーバーという形になりますけれども,必ず誰かは出席しています。それは,主に責任者クラス,マネージャークラスが誰か出席するような形をとってきております。

【渡邉専門委員】 私は答える立場ではないんですが,オブザーバーという言葉は契約上の責任がそれぞれ,企業に託したことは企業が責任を持っていただくということがありますので,それにJAXAが参加するということでオブザーバーという用語を使っています。実際にそういった会議の指摘表の件数で見ると,むしろ決してオブザーバーは言葉どおりのオブザーバー的な少ない指摘件数ではなく,もっと大量に出ており,そこは実態として同じ場所でやっているから,ちょっと説明すると難しくなるのではないかと思うのです。情報のコミュニケーションを図りつつ,審査の責任関係の切り分けをしていると,そういうことではないかと思います。いかがですか。

【JAXA(藤田所長)】 おっしゃるとおりです。数については,いろんな段階で様々ですけれども,オブザーバーだからといって座っているだけというのは当然ございませんで,意見を述べることがあり,それに対し改善が必要であれば双方で話し合って取り組むということで,そこのところをきちんと進められているというふうに思っております。

【中島主査】 表現だけの問題だと思うんですけれども,指摘表を出すということは,同じ立場で実施していると理解してよろしいかと思います。

【馬嶋専門委員】 繰り返しになりますが,MHIさんが一つしか出てこないことが気になります。外部から見るとと,ここにだけしか入らないということになってしまうので,実際はそのようなことはないと言うのであれば,むしろここにだけ出てくることが,ちょっと問題ではないかなと思います。まるで実態を知らない人が見れば,ここしか入ってないんだというふうに思ってしまうと思うのですね。

【JAXA(藤田所長)】 形式上,共同開催とオフィシャルにうたっているのが,この場だけでして,ほかの場に全てMHIさんは出席頂いていますので,それがわかるように,ここを修正したいと思います。

【中島主査】 ほかにございませんか。

【折井専門委員】 一つ確認させていただきたい。教えていただきたいことがあります。
 資料17-2-1の5ページに安全審査委員会,それから打上安全評価ユニットというのがありますけれども,ここでの審査委員とか評価員のことについての質問ですが,特に安全審査委員会の委員の中に,各部門長,委員長が指名するものと記載されています。これは,例えば下のユニットの評価員,状況をよく知っている人などが,この委員として入るようになっているのか,それとも全く切り離して,各委員会,評価ユニットとは別の部署の人により審議されているのか,そこら辺の仕組みを聞かせていただければと思います。

【JAXA(鳥井ユニット長)】 まず安全審査委員会の委員長が指名するものというのは,通常,安全審査委員会は組織的な決定機関ですので,トップである副理事長以下,理事が委員として参加して審議いただく,組織的な観点も含めて審議していただくのが趣旨になっております。委員長が指名するものというのは,特に何か専門性の高い判断をしたりであるとか,何か特に意見を聞きたい人がいた場合に委員にできるようにということで,入れてあるものです。
 それに対して,打上安全評価ユニットというのは,どちらかというと,このユニット長が指名して定める人というのが大勢を占めていまして,どちらかというと打上安全評価ユニットは事務局的な仕事が多くなります。もちろん安全の評価も行うんですけれども,ただし構造であるとかアビオニクス(電気)であるとか,そういう専門部分については,やはりその専門の人の意見も必要になりますので,指名することにしております。
 すみません,回答になりますでしょうか。

【折井専門委員】 よくわかりました。そういう仕組みで,この安全審査というのがきちんと問題なく運営されているということがわかりました。

【中島主査】 よろしいですか。ほかにございますでしょうか。

【門脇専門委員】 打上げ全体からと考えると,ペイロード側の準備状況等も当然あると思いますけれども,このロケット側の打上げの作業の関連の情報と,それからペイロード側,例えば衛星側の準備状況などの情報の共有は,されているとは思うのですが,責任分担ははっきりしているのでここに書かれてないのかと思います。実際は,そういうこともお互いの情報を共有するというようなことは,されているのですよね。

【JAXA(藤田所長)】 はい,それはやっています。最終的に,この最後の共同開催の中で,MHIさんはペイロードも含めて,準備の状況を報告されるということになります。日々の中で常に,何かあればお互い情報交換するという,共有するということで,進めてきてはいます。

【門脇専門委員】 そういう場は常にあるということですね。

【JAXA(藤田所長)】 あります,はい。

【馬嶋専門委員】 わかりました。

【田村臨時委員】 遅れてきまして,すみませんでした。多分いろんな委員の方が御質問されていることと重複しまうかもしれないんですけれども,この間だったと記憶しているんですけれども,MHIの事故対策本部の本部長の書き方について議論があったと思うのですけれども,ふだんはお仕事を一体化してやられているということの実態は重々承知もしておりますし,問題はないのかなと思うところです。
 それからヒヤリハットについても,こんなにちゃんと取り組んでおられるので,本日は問題はないのではないかと思うのですけれども,ただ,資料としてお示し頂いたときに,その二つが一体的にどういうふうにされているのかということがやはりわかりにくいから,そういう質問が出るのではないでしょうか。
 ふだんのお仕事は,こういう流れで,こういう責任でやっていて,危機が起こったときも同じような体制でやっていて,何か起こればお互いの責任分担の範囲で,お互いがオブザーバー出席してということだと思います。共同開催は,きっと理由があると思うのですけれども,その理由が,実は若干よくわかりませんでした。各々の分担のところで行うものなのか,そういうところの全体の流れが一つお示しいただく体制図がないから,一つ一つの記述を捉まえて皆さん不安に思って,現場を見ているわけじゃないので,本当に参加しているのかという御質問になるんだというふうに思います。
 それから1点,前回のMHIさんとJAXAの体制を見ていて,危機対策のマネジメント側から言うと,実は組織名とかが若干違います。しつこく私が質問していたのは,今の資料がない中で申し上げて申し訳ないですけれども,誰が何の役割をしているかが,いわゆる役割名からはうかがい知ることができない。同じことを言っているんですけれども,全体の体制がどうなっていて,お互いの危機対応の組織というものがどうなっていて,その役割分担がふだんのお仕事の中でどう機能しているかというのを示していただけると,みんなすごく安心するのだと思います。
 細かい実態はわかりました。

【中島主査】 実施していることは皆さんに御理解頂きましたので,本日の議論の反映として,それがわかるような資料に工夫して見直していただけないでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 はい,そのようにさせていただきたいと思います。ちょっと中で検討させて頂いて,お示しさせていただければと思います。

【中島主査】 それでよろしいでしょうか。

【田村臨時委員】 是非お願いします。

【中島主査】 ほかにございませんか。

【鈴木専門委員】 大変恐縮ですが,よろしいでしょうか。
 最初に質問させていただきましたヒヤリハットに関連した打上げ後のレビューで出されてきた次回へ向けての検討事項ということにつきまして,大体1回の打上げで,何件ぐらいの件数がディスカッションに上がりますでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 ちょっとすみません,具体的な数字は記憶が定かではありませんけれども,その時々によって出てきますので,数件から10件を超えるといったようなことはあるかと思います。

【鈴木専門委員】ロケットの打上げに携わる方は,大体オーダー的には数百人という規模でしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 JAXAの関係者で言えば,100人規模ですね。あと,ロケット製造の関係者を含めると,相当の規模になります。

【鈴木専門委員】 そうすると,私たち,ものづくりをやっているときに,その結果には出ていないけれども,例えば設計の時とか,いろんな形でヒヤリハットは発生していると思います。そうすると,先ほどの20件という,年間20件というのが本当に重要なものが抽出できる仕組みになっているかどうか。いわゆる目安箱ということは重要だと思われますけれども,もっと何か,本当に将来重要になるヒヤリハットがちゃんと吸い上げられるような,そのような仕組みが必要ではないかと私は考えます。いかがでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 すみません,私が典型的な仕組みとして目安箱と申し上げましたが,作業について言えば,何百という作業がこれは積み重なって,準備段階なり打上げの作業のタスクと呼んでいますけれども,積み重なって最後打上げまで向かうわけです。その作業ごとにタスクの始まりと終わりに,ブリーフィングとレビューとをやります。ブリーフィングの際には,前号機はどうであったかとか,これまで起きたような異常なことというのはどんなことであったかというのを再確認して,レビューはその結果を踏まえて,もちろん機能性能上の技術的な話もありますけれども,安全上の話ですとか,次につなげる話というのは,レビューの場で出てきますので,そこでもいわゆる抽出されて,必要があればヒヤリハットなり何なりという形で,報告は上がるような仕組みになっております。

【鈴木専門委員】 そうですか。そういった仕組みがあり,徹底して頂いているということでわかりました。

【馬嶋専門委員】 JAXAさんとMHIさんが一緒になって全部行っているということはよく理解できたわけですけれども,ヒヤリハットが発生したときには,MHIの方と,それからJAXA側と同じところに上げるんでしょうか。それから,それの対処は別々にされるんでしょうか。
例えばの話として,病院のことを申し上げますと,ドクターと看護師さんとの関係です。医療の場では,やっぱりドクターがいろいろ指示をしてやることがあるのですけれども,リスクマネジメントに関しては,看護師さんも対等な立場で行っています。随分飛躍してしまうのかもしれませんけれども。だから,お互いにやっぱり同じ視点で見るということは,十分必要なことではないかと思うのです。いかがでしょうか。

【JAXA(藤田所長)】 仕事をしていく上で,各組織の責任というのはございますので,あるところで物事が起きれば,まずはその組織でもってどういう対処をするかというのは話し合われて対応が決められますので,それが例えばJAXAであってMHIさんに伝えないといけないと,彼らの責任としてやってもらわないといけないこと,あるいはその逆であったりということは,それぞれお互いに話し合うということで進めていきます。まずはその組織で起きたことに対してどういう対処をするかというのは,そこで取り組みを決めるということで進めるものかと思っています。お答えになっていますでしょうか。

【馬嶋専門委員】そのようにおっしゃっておられるのですけれども,実際のところは,どちらかが上下ということではなく,同じものを扱っているわけですから,そういう意味では,リスクマネジメントに関しては,やっぱり対等でなくてはいけないなと思うのです。

【JAXA(藤田所長)】 それは,おっしゃるとおり対等で,どっちが上とか下とかということはありません。ただ,その担保すべき部署というか組織体はどっちですかということになれば,そういうことで仕切っていくということを申し上げただけですので,どっちが上とか下とかと,そういう話は一切これまでやったこともありませんし,これからもないと思っています。

【中島主査】 よろしいでしょうか。
 先ほどありましたとおり,ちゃんとやっておられるということはわかりましたので,それを資料を見てそれがわかるというようなことを,ちょっと工夫していただけたらと思います。よろしくお願いします。

(3)ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全対策の評価基準の見直しについて

【中島主査】 それでは,3番目の議題に入ります。議題は,ロケットによる人工衛星等の打上げに係る安全対策の評価基準の見直しについてです。
 渡邉委員から,ISSとの干渉回避に関する事項を評価基準に入れてはいかがかという御意見がございまして,今回御確認をいただくものです。事務局が改定案を作成しておりますので,改定案の説明の後に,JAXAより現在実施しているISSとの干渉回避に関する作業の概要を説明していただきたいと思います。
 それでは,続けて御説明をお願いいたします。

【事務局(奥野企画官)】 より資料17-3に基づき説明を行った。

【JAXA(加納ユニット長)】 より参考1に基づき説明を行った。 

【中島主査】 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして,御意見,御質問があれば,お願いいたします。

【馬嶋専門委員】 非常に細かいところなんですけれども,ここの「米印等とはSouyzを指す」と括弧書きになっているんですけれども,ソユーズだけではないので,余りこれは必要ないんじゃないかと思ったんですけれども,いかがでしょう。

【JAXA(加納ユニット長)】 今,有人飛行物体で考えられるのは,ISSももちろんですが,ソユーズと中国の有人宇宙船なんですけれども,もちろん軌道情報がわかれば,我々は衝突回避をやります。ただ,わからない場合はやりようがないということにも陥りまして,そのときどうするかというのは,今までそういうことには遭遇していませんので,別途ありますが,とにかく有人の飛行物体に対しては,打ち上げる側は衝突を回避するように打つというのが基本方針です。

【中島主査】 よろしいですか。現状はそうですけれども,将来のことを考えると,今後何が出てくるかわからないので,ソユーズだけと記載するのはいかがかと思います。

【JAXA(加納ユニット長)】ソユーズ等と書いておきます。すみません。

【折井専門委員】 御説明ありがとうございました。基本的な質問です。なぜ有人という言葉をつけるのかなということです。これは軌道上にある人に害を加わせないように有人という,実際に飛んでいるものに対しての話だと思うんですけれども,打ち上げるサイドに立ってみると,ロケットには貴重な品物を載せて打ち上げますよね。そのときに,無人の飛行物体にぶち当たるということはありますよね,今度はロケット側は。ということを考えると,あえて有人というのをつけなくてもいいんじゃないかと思いますが,いかがなもんでしょう。

【中島主査】 それは,先ほどお話があったと思うのですけれども。

【事務局(奥野企画官)】 まず,この会の安全の監理という考え方につきましては,やはり第一義的には,我々ミッションのコンプリートという観点と,やはり安全の監理という観点とを明確に峻別する必要があると考えております。
 当然ミッションのコンプリートという観点においては,ミッションを実施する側としては,当該ミッションを成功させるために,当然その軌道上のそういった障害物等を避けるというのはミッションのコンプリートの側としてございます。安全を確保させる側として,やはり第一義的には,先ほど申しました生命,身体,財産等の保護というような観点から,やはり有人の宇宙物体というものに関しては,やはり特段の対応が必要という一定の規範性というのが確立してきているのではないかと考えられます。
 一方で,当事者として,そういったことを実施すると同時に,国としてこの打上げ実施者に対して,どこまでの義務を課すのかという考え方は現在二つの考え方がございまして,基本的に最初に申し上げました地上,海上,航空機等につきましては,基本的にはいわゆる無過失の責任を負うというような観点から,やはり地上の財産等を含めて,万全の対策を講じるという形にはなってございます。軌道上の物体に関しましては,やはり第一義的には当事者間が一定の注意義務をそれぞれが果たして実施するという考え方がございますので,先ほどの中国の例等も出ましたけれども,やはり有人の物体に関しては,国際的に打上げ等において,そういった形の注意義務というような規範性というのが認め得るのではないかと考えます。
 一方で,無人の飛翔体ですとかスペースデブリ,そういったものを回避してロケットそのもののミッションをコンプリートするという点に関しては,むしろミッションを行う側がミッションを行う側の責任でもって実施する事項として,国として,そういった点についても,この事業実施者に対して安全確保としての注意義務として課するようなところまでは,現時点においては,まだそこまでのいわゆる注意義務に関する規範というのが確立していないのではないかと考えられます。
 したがって,宇宙空間におけるこういったスペーストラフィックの観点から,まずは有人の飛行宇宙物体を回避するという点を,注意義務として国の側として明示的に打上げ実施者に示すという点を鑑みたところでございます。今後,国際的にそういった宇宙空間での安全確保の観点の中で,第三者としての無人の宇宙物体等に関するスペーストラフィックの考え方等がより進展してくれば,それに合わせて全体の規範としての考え方というのを捉えていっていいのではないかと考えております。

【中島主査】 よろしいですか。

【折井専門委員】 おっしゃる趣旨はわかっておりますが,十分な条件ということはわかりますけれども,それでは,その最大公約数というか,このように書くのであれば,日本がリードする意味でも,言い切ってもよいのではないかと私は個人的には思います。何でそこを踏み切らないのかなというのは,少しありますけれども。それは文科省さんのお考えですから,それで駄目だとは言えませんけれども,もう少し範囲を広げてもいいんじゃないかなという気がします。

【中島主査】 これは,安全基準ですから。

【折井専門委員】 はい安全基準ですよね。

【中島主査】 無人の宇宙飛行物体まで広げることはいかがなものかと思います。

【折井専門委員】 いや,ロケット側は困るのではないかということです。打上げ側が。

【中島主査】 それは打ち上げる側が当然検討すべきことです。

【折井専門委員】 なぜ有人に限定するかというと,それは,わかるんですよ。でも,それを無人についてまで広げる。今まで,飛行機とか船舶とかへの影響を考えているんで,有人というのもをつけ加えた訳だから,もう少し拡大して,打ち上げるロケットが無人のものに衝突する可能性もあるわけなので,だけど,今回は有人に絞ってやりましょうということですか。

【中島主査】 違います。それは,打ち上げるべきサイドが考えることであって,国が確認すべきことではないと言うことです。

【折井専門委員】 国が確認すべきでないのであれば,それはどこか規定を今後していくということですか。

【渡邉専門委員】 よろしいですか。私がちょっと気になったので,これを提案致しました。まず一つは,これは安全基準なので,何の安全をきちんと確保すべきかといいますと,人は宇宙にもいるので,有人飛行物体となっていますが,そこに乗っている人に被害が及ばないことということが私の提案の趣旨です。自分がそう考える背景には,無人のものとの衝突なども考えると,無人の物体と打ち上げたロケットが衝突してデブリがふえて,それが有人システムに影響するとか,そういうことも原理的には考えられるんですが,無人の物体は今非常に数が多くて,この計算を全部についてやるというのは今の技術ではちょっと無理だと思うのです。
 それから,もう一つ非常に難しいのは,相手方の軌道が正確にわかっていなければならない,それから相手方が,この軌道情報を入手した後,マヌーバー等をやられては駄目なのです。そういうことが保証されているもので現実的に対応しなければならないというのは,有人施設の中にいる人だと思います。
 それを拡張するというのは,今ちょっと技術的には無理なので,長い意味の研究課題というふうには考えておく方がいいだろうと思うのです。私はそう思って,有人飛行物体というよりは,宇宙にいる人にという,したがいまして,一時的に人がいるシステムも現にあるわけですけれども,中国のがそうですね。これは人が実際いるときには,この範疇に入れて考えてあげなければいけないというふうに私は思うんですが,そうでないときは,技術的に難しければ…

【中島主査】 私の認識は,この基準自体が人に対して被害を及ぼさないようにいろいろ考えるという基準だと考えております。ですから,宇宙空間にいる有人の飛翔体に対して被害を及ぼさないような事項を入れたらどうかということです。

【渡邉専門委員】 はい,私も同じ考えです。一言でまとめていただけました。

【事務局(奥野企画官)】 1点だけ。今の御指摘の点に関しましては,基準の読み方としては,ロケットと軌道上の有人飛行物体と書いてございます。したがって,ISS等というのは例示でございますから,御指摘のとおり,有人の状態のこの書き方をいたしますと,その時点で有人の飛行物体であればISSに限定されず,ソユーズだけではなく,この読み方をすれば中国の有人の物体に対してもJAXA側においては回避義務が発生いたしますので,そういった前提でご審議いただくことになろうかと思います。
 基準(案)ですと,有人の飛行物体と書いてございますので,状態として有人の飛行物体に関しては,今後,打上げの準備において回避義務が発生してきます。

【田村臨時委員】 すごくよくわかりました。例えばロケットの打上げに際しては,ロケットが軌道上の有人に被害を与える可能性を排除するために,有人飛行物体との衝突の可能性がないことについて特に配慮するぐらいの,ちょっと説明をもう少し書いていただくと良いと思います。これだと多分,一般の方を想定しますと,皆さん,無人はいいのって必ず聞くと思うのです。よって,軌道上の有人に配慮して,そこで事故が起こる可能性を排除するために論理的に今のところ,有人飛行物体との衝突の可能性を排除するんだと,少し丁寧に書くというのでいかがでございましょうか。それだと多分,問題は生じないんじゃないかと思います。

【中島主査】 それでは,御指摘を受けて,表現を見直してみましょうか。

【渡邉専門委員】 表現で,ちょっと質問をさせて頂いていいでしょうか。このJAXAの説明にもありますように,打上げ予備日を含んで1週間とかいう,時間の期限がありますね。ロケットも推進機能がなくなりますので,この先ずっとまだかなり長期間,宇宙空間を周回しているわけですが,その間は現実には何ともやりようがないわけですので,これを許容してもらえないと現実的には何もできなくなると思うのです。今のこの文章で,ロケットの打上げに際してはというところを,相手方の個々の特性等もありますから,一律1週間というような書き方はここで余り適当でないと思いますが,この打上げに際してということで,法律的な観点からその時間は限られるということが,理解されるものなんでしょうか。

【事務局(奥野企画官)】 御指摘の点も踏まえまして,ちょっと表現ぶり,ほかの記述等で,御指摘のように,これの打上げに際して有人飛翔物体との衝突の可能性というのが,軌道上に残された上段部が将来的にぶつかる点まで回避する義務があるとすれば,それは御指摘のとおり実行不可能となりますので,そのように解釈する余地がないように,改めて確認いたします。

【中島主査】 よろしいでしょうか。

(4)その他

【中島主査】 それでは,その他の項に入りますけれども,その他の非公開審議に入る前に,事務局から連絡事項があれば,お願いいたします。

【事務局(奥野企画官)】 それでは,会議資料と議事録の公開についてでございますが,従前どおり,運営規則に基づきまして,会議資料は非公開審議資料を除き,文部科学省のホームページに掲載する方式で公開いたします。
 議事録も同様の方式により公開いたしますので,後ほど委員の皆様に議事録の内容等について御確認いただくことになりますので,よろしくお願いいたします。

【中島主査】 それでは,非公開審議に移りたいと思いますので,プレスの方及び一般傍聴者の方は御退席をお願いいたします。

(プレス・一般傍聴者 退室)

以上

(説明者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成28年02月 --