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宇宙開発利用部会(第43回) 議事録

1.日時

平成30年8月2日(木曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 16階科学技術・学術政策研究所 会議室

3.議題

  1. H-ⅡAロケット40号機打上げに係る安全対策について
  2. X線分光撮像衛星(XRISM)プロジェクト移行審査の結果について
  3. 小型月着陸実証機(SLIM)の計画見直しについて
  4. 研究開発ミッション(デブリ除去技術実証、ライダー観測技術、再使用型宇宙輸送システム)の検討状況について
  5. その他

4.出席者

委員

部会長    白石 隆
部会長代理 青木 節子
臨時委員  井川 陽次郎
臨時委員  芝井 広
臨時委員  白井 恭一
臨時委員  高薮 縁
臨時委員  永原 裕子
臨時委員  林田 佐智子
臨時委員  横山 広美
臨時委員  米本 浩一
調査・安全小委員会 主査 渡邉 篤太郎

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課長  藤吉 尚之
研究開発局宇宙開発利用課企画官  山之内 裕哉
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 佐々木 裕未
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 岡屋 俊一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 宇宙科学研究所
  理事 國中 均
  X線分光撮像衛星(XRISM)プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 前島 弘則
  SLIMプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 坂井 信一郎
 研究開発部門
  理事	今井 良一
  研究戦略部部長 張替 正敏
  センサ研究グループ長 木村 俊義
  1段再使用飛行実験プリプロジェクトチーム長 石本 真二
 第一宇宙技術部門
  宇宙輸送安全計画ユニット長 石原 和臣

5.議事録

【白石部会長】  定刻になりましたので、宇宙開発利用部会の第43回会合を開催したいと思います。
 はじめに事務局の方に人事異動があったとのことですのでご紹介をお願いします。

【事務局(藤吉)】  皆さん,こんにちは。先週着任いたしました,宇宙開発利用課長の藤吉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局(岡屋)】  どうも初めまして,宇宙開発利用課の岡屋でございます。8月1日付で前任の梅津から事務局を引き継ぎました。よろしくお願いいたします。

【白石部会長】  事務局から、本日の会議に関する事務的な確認をお願いします。

【事務局(山之内)】 本日は、宇宙開発利用部会に御所属いただいている17名の委員のうち、10名の先生方に御出席いただく予定でおりますが2名の先生方から少し遅れるという連絡が入っております。従いましてお手元の議事次第の4項目目の報告事項を先に進めて、その後に1項目目に戻る議事進行でお願いいたします。本日の資料ですが、お手元の議事次第の4ポツの通りお配りしております。過不足がありましたら、適宜、事務局にお申し付け下さい。事務連絡は、以上です。

(4)研究開発ミッション(デブリ除去技術実証、ライダー観測技術、再使用型宇宙輸送システム)の検討状況について

【白石部会長】 それでは,4項目目の議題である「研究開発ミッション(デブリ除去技術実証、ライダー観測技術、再使用型宇宙輸送システム)の検討状況について」をJAXAから資料の説明お願いします。

【JAXA(今井)】 資料43-4に基づき説明を行った。


【白石部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,これについて質問,御意見等,はい,どうぞ。

【林田委員】  ライダーについて幾つか質問させていただきたいのですが,先ほど最初のミッションとしてMOLIを検討していらっしゃるようですけれども,森林バイオマスの中でも熱帯雨林のバイオマスを把握することが非常に重要だというお話でしたが,ということは多分とても雲がたくさんあるところを観測されることになって,雲に邪魔されて下が見えないというようなケースが多いのでないかなということを懸念します。まずその点について,どの程度の観測頻度があるかということの御検討状況を教えていただきたい。また逆にそういうところであれば雲やエアロゾルの観測ということで,ライダーとして大気観測という使い方も有効になると思うので,下が見えなければ雲やエアロゾルをはかればいいわけですからそれはそれでいいのですが,その際現在NASAが運用しているCALIOP並みの精度が出るのかどうか,この点を教えていただきたい。
 三つ目に,ドップラーの話ですけれども,ポンチ絵で,最初のポンチ絵はあたかもこれは鉛直風の観測であるかのように見えていて,まず,鉛直風をドップラー観測するのですかという質問です。それから,その次のところでは,そうではなくて,水平風を出そうとしていらっしゃるということなので,スキャン型でないと出てこないのではないかということで,スキャン型とこの水平風のドップラー観測の関係についてちょっと補足説明していただきたい。
 参考までに申しますと,30年ぐらい前にNASAがLAWS(ローズ)という計画を立てて,結局実現はしていなかったと思うのですね。だから,かなり技術的なハードルが高そうな感じですが,何かMOLIからぴょんとドップラーに行くような御説明だったのがちょっと私は気になったので,その段階的な開発のステップについて説明していただきたいというのが趣旨でございます。

【JAXA(今井)】  3点御質問いただいたということで,最初の観測頻度の問題ですが,確かに熱帯雨林地域は非常に雲が多くて観測できる頻度が少ないということで,これはミッションの可能性,利用の実現性ですね,精度が上がるということ,まずここを実証したいと考えていますので,1年かければその中でデータをとれるであろうと考えていまして,そこの詳細な検討状況は実際研究のリーダーを務めております木村のほうからお答えさせていただきます。

【JAXA(木村)】  JAXAの木村でございます。お世話になっております。
 林田先生の御指摘どおり,雲がどれぐらい邪魔をするかというのは非常な問題だと思っていまして,今回サイエンスチームによる事前検討でICESatというアメリカの氷晶観測のライダーのデータからどれぐらいボルネオがカバーできるかということを検討していただきました。
 当然雲が厚いところはとれないときがあるのですが,1年,2年という形の中で,森林の変化がさほどほかの自然現象に比べると大きくないというのもあるのですが,十分なデータがとれそうだというところを森林総研等に確認をいただきまして,大丈夫だと判断した次第です。
 二つ目,ミー散乱ライダーとしてデータが使えるかについてですが,この検討の中で環境研の方も御協力いただいた。基本的にはライダー自身は高度計でありまして,地表面の反射光に合わせていますので,かなりそちらのSNR(信号雑音比)の計算で性能が決まっている。林田先生よく御存じだと思うのですが,大気中のパーティクルを正確にとるというところまでの性能は,つまり,CALIOPと同等という性能までは達していないと思っています。特に一つ一つのエアロゾルの鉛直分布そのものをはかるということは難しいのですけれども,積算してカラム量という形で出せないかという提案を環境研の方からいただいているので,データ量とも関係するのですが,前向きに検討しているという状況でございます。
3番目のドップラーライダーですが,御指摘のとおり,真下の鉛直は別途EarthCare/CPR等で測ろうとはしているのに対し,このライダーではどちらかというと水平風を焦点にしております。方式としては,スキャニングで全ての方向のベクトルのドップラーが測れれば完璧ですが,以前NICTがISSでCDLという実験検討をしたときに,2方向のデータから水平風を判定するというようなアルゴリズムを考えていてそれを前提として検討している。まだドップラーライダーについてはそこまでの詳細な部分までは詰め切っておらず,ご指摘のあったすぐに飛躍してドップラーライダーに行けるのかという点については,まだまだたくさん検討が必要だと考えている。NICTの検討とJAXAの検討とあわせてこれからも進めていきたい。

【林田委員】  ちょっと不思議だったのが,ミーライダーでスキャンデータを出せていないのに,何でいきなりドップラーに行けるのかなというのが正直な質問でございます。
何を散乱対象としてドップラー観測するのだろうなと思ったということです。

【JAXA(今井)】  そういう意味では,ライダーは新しいセンサですので可能性を広く説明しようと考えていました。

【林田委員】  ちょっと何か一足飛びで,MOLIのよさはわかりましたが,御検討していらっしゃることもわかりましたが,そこからひょいと水平風のドップラーに行ったところで違和感があったので,少しずつということだということはわかりました。
 最後にもう一つ。将来やっていく,補足資料の段階的技術開発のところで差分吸収ライダーというのも入っていますが、これはCO2ですか。

【JAXA(木村)】  CO2とメタンをまずターゲットに想定している。技術的には,最初ドップラーで相対的な波長安定性の確保が必要であることに加え,差分吸収ライダーは物理的に決まった吸収波長を狙わなければいけないので,絶対的な波長精度を出さなきゃならないという難しさがある。そこも一足飛びに行くのかという意味では,いろいろやらないといけない。

【林田委員】  ありがとうございました。期待しておりますので,どうぞ頑張ってください。

【JAXA(木村)】  ありがとうございます。

【白石部会長】  ほかにいかがでしょうか。何かございますか。

【永原委員】  御説明,ありがとうございました。
 いずれも宇宙開発としての重要な技術開発ばかりかと思うのですが,デブリ除去は国際協力でやったらよかろうと思ってしまうのですが,今の御説明ですと,デブリに関してはむしろ世界初ということで独自性を大変強調され,その他のケースに関してはむしろ国際協力との御説明がありました.そうすると,デブリに関しては日本がイニシアチブをとる,あるいは,先端を走るためのキーポイントにつき,世界がどのような現状にあり,日本のやり方がいかに適切であるのかという点についてもう少し御説明いただけますでしょうか。

【JAXA(今井)】  それぞれの研究のやり方につきましては,最も我々にとって効果が上がるようなやり方をご説明した。まず,デブリをなぜ我が国独自でやろうとしているのかという観点ですが,国際協力をデブリに関してしていないわけではなく,色々な研究で,例えば,観測やデブリのモデルづくり等については国際協力で進めている部分もあります。
 ただ,この除去ということに関しますと,各国においては目的等や考え方がいろいろ違っているとか事情がありまして,必ずしも同じ目的のもとにやろうとしているところがないということが一つ。もう一つは、すでに事業化をやってみたいという企業がいる。それであれば、我々が将来の事業の可能性を開いていくためには,まず,ドメスティックに優位性を先に確保すべきではないかという観点で,デブリ除去の部分については民間企業と連携することで、国内の体制としてまずやっていきたいということで,本日御説明いたしました。

【白石部会長】  よろしいですか。
 米本委員,どうぞ。

【米本委員】  再使用型ロケットについて質問させてください。実験フェーズ1と実験フェーズ2のつながりについてです。 RV-XとCALLISTOとも同じエンジンを1基搭載し,しかも打ち上げ総質量が3トン前後と規模もほぼ同じです。フェーズ1と2の研究のつながりや発展性をどのように理解したらよいのか,RV-XだけでCALLISTOと同じような実験ミッションができるのではないかという気もしますので,詳しく教えて下さい。
二つ目の質問は,この実験フェーズ1と2の研究費の総額についてです。特に実験フェーズ2は,3機関共同ということなので,それぞれの分担額もお聞きしたい点です。
CALLISTOはスペースXのファルコン9と同じような形式の再使用を目指しているということなのですが,三つ目の質問として,それらの研究成果によってH3ロケットのどの段階から初段のブースターを再利用していくような構想,計画を持っているのかを教えていただきたいと思います。
 以上です。

【白石部会長】  どうぞ。

【JAXA(今井)】  最初の質問のRV-Xでどこまでやれるのか,CALLISTOとの関係はどうなのかということについては,今,この研究リーダーを務めてございます石本のほうから御報告させていただきます。

【JAXA(石本)】  石本と申します。よろしくお願いします。
 まず,RV-Xですが既存の4トン級エンジン,地上燃焼試験で使用した研究エンジンを使って,なるべく早期に行うということで,機体の飛行性能はある意味犠牲にして地上付近の着陸技術,あるいは,帰ってきた後の運用に特化して進めようとしています。RV-Xの場合,機体のドライ重量が重目になっておりますので,飛行性能としてはちょっと足りません。このため、将来の再使用型に近いような飛行をさせることは難しいので,その次の段階としての飛行性能を備えたCALLISTOを開発しようという計画になっております。

【白石部会長】 追加の質問がありますか。

【米本委員】  私は,CALLISTOでは複数エンジンを搭載し,実用機に近い機体スケールの実験機として高度60キロぐらいまで打ち上げると想像をしていました。現計画のCALLISTOと同じエンジンと搭載するRV-Xの機体構造等を改修すれば,同等の実験ミッションはできるのではないかとういう観点でお答え戴けますでしょうか.

【JAXA(石本)】  RV-X、CALLISTOそれぞれの性能を申し上げますと,RV-Xの場合は高度5キロ程度までが飛行性能になっております。一方,CALLISTOにつきましては,高度が40キロ前後程度まで飛行できるというような設計になっております。
 それから,スピードにつきましても,RV-Xの場合,亜音速の領域の飛行ですが,CALLISTOの場合は,マッハ1を超えて超音速領域まで到達することができます。米本先生も御存じのように,マッハ1の前後では,非常に空力的な特性が大きく変わりますので,その辺の課題についてもCALLISTOでは実証,実験データを取得できるだろうというふうに考えております。やはり,エンジンをたくさん積んで機体が大きくなると予算規模が非常に大きくなります。現時点の規模で取得できるデータを考えると,この程度の規模で十分だというように判断しております。

【白石部会長】  よろしいですか。

【JAXA(今井)】  2番目の研究にかかるコストですが,まず,RV-XはJAXAの研究費の枠内で進めておりますので,それほど大きな経費がかかっているわけではございません。一方,CALLISTOのトータルの経費というのは今まさに調整をしているところです。基本的な考え方は3機関がなるべく平等に負担して成果を共有するという考え方で今まさに調整を進めているところでございます。
 それから,3番目のスペースX等々でも既に実用化を進めているところ,H3や我が国の基幹ロケットにどういう考え方で反映していくのかという点でございますが,H3の次の輸送系に向けての競争力を確保していくという観点でさまざまな技術,最新の技術を我々としてもしっかり持っておく必要がある。そのための位置づけで研究に取り組んでいる。CALLISTOをやったからといって直ちに,例えば,H3等々に返ってくる,そういう話は今のところは考えてございません。

【白石部会長】  どうぞ。

【米本委員】  実際の研究費の額は公には言えないということでしょうか。

【JAXA(今井)】  JAXAの研究費,全部合わせて研究開発部門で約30億ぐらい年間ございます。部品から衛星管理費から全部ひっくるめて年間30億ぐらいであり,それは衛星や地球観測のMOLIとかいろんなもの全部ひっくるめて年間それぐらいが大体研究費の枠となっている。その中におさまる,部分としておさまる程度の中の開発費となっている。

【米本委員】  最後の質問の御回答として,H3ロケット以降と言われたような気がしますが,H3ロケットで再使用の実用化を計画するというわけではないのでしょうか。そうであるとすると,再使用技術の実用化は相当先の計画という話になるのでしょか。

【JAXA(今井)】  実際の実用化の観点では2030年以降になるだろうと考えています。

【米本委員】  H3ロケットの次の基幹ロケットで再使用技術の実用化に取り組まれるという理解で宜しいでしょうか。

【JAXA(今井)】 設計していく上でこの技術が非常に重要になってくる可能性が高いということで今から取り組ませていただきたいということであります。

【米本委員】  わかりました。

【白石部会長】  はい。お願いします。

【高薮委員】  MOLIにまた戻らせていただきますけれども,森林バイオマス推定という問題に対して新しい技術実証,大変楽しみだと思います。実証期間が大体1年とか数年ぐらいになるというふうに読めるのですが,この先の,実証後のモニターですか,そういうことに対してJAXAの考えていらっしゃる,実証だけで終わるのか,それをどのようにその後に生かしていくのかということを,お考えをお聞かせいただければと思います。

【JAXA(今井)】  可能性としては,実用化するときにどう活かすのかという点については、パートナーとなっているほかの研究所とも話はしていますが,現状,具体的にシナリオがあるかというと,今はまだ具体的な計画というのはできておりません。

【高薮委員】 そうしますと,JAXAとしては実証のところまで計画ということで。

【JAXA(今井)】  はい。ただそれと並行しながらここで得られた技術あるいは可能性というのをどう生かしていくか,という議論は広く進めさせてい
ただきたく,研究所とも話を進めている。何か補足でありますか。

【JAXA(木村)】  木村でございます。おっしゃるとおりでございまして,まず,ライダーで熱帯雨林のところのバイオマス量を,今までなかなかとれなかったところを推定し,L-band SAR等のデータフュージョンでそれを広く評価していくというのが究極的な方向性でございますけれども,こういったやり方が世界的な評価に対して認められていくかどうかという議論がある。例えば,森林関係だと国際的にGFOIの中で,計測の標準化(MRV)というふうなディスカッションが国際的にやられていると思いますので,そういうところにライダーの結果を出してどのような評価を得られるかによって,どういうふうに展開できるかというところがはっきりしてくると思っております。評価を得られるように頑張ってやりたいというふうに思っております。

【白石部会長】  ほかにございますか。
 はい,どうぞ。

【芝井委員】  再使用型宇宙輸送システムについて御質問させてください。
 宇宙基本計画の中で,あるいは工程表の中でこのH3ロケットの次の基幹宇宙輸送システムとして再使用型宇宙輸送システム開発を推進するということが書かれており,これをもとにやって進められていると思います。そこで次の基幹宇宙輸送技術としての要件はどう考えておられますでしょうか。基幹として成り立つためには,当然,コスト面,それから使い方,などさまざまなことがあると思います。再使用にすることによってかえって難しいことが発生するでしょうから,どのような要件を満たす再使用型システムを目指しておられるのか,JAXAはどういう考えておられるのか,教えていただきたいと思います。

【JAXA(今井)】  まず,将来の輸送系の姿ですけれども,はっきり言いまして,ピンポイントで定められているわけではなく,いろんな可能性を今検討しているところ。一つには,もちろん経済性,低コスト化ということはあるのですが,もう一つ,再使用技術が生かせる可能性として打上げ頻度に対応できるという点がある。再使用で使ったものをすぐ打ち上げることができれば即効性も含めまして高頻度な輸送要求にも応えていくことができるだろう。
 例えば,将来宇宙輸送に対する需要が非常に増えたとか,小型衛星でメガコンステレーションのような構想もありますので,それに対応しようとすると高頻度化や即効性が次世代輸送ロケットに必要な要件として入ってくるであろう。それに備えようとすると,再使用の技術が大事になってくるだろうということで取り組んでいるわけです。そういったことを総合してどういう道を進めばいいのかというのは,まさに検討しているところでございまして,ここで明確なお答えはちょっとできない状況ではあります。

【芝井委員】  確認ですが,コストと頻度に関しては,今おっしゃったようなことを満たすような技術を開発しているということですね。

【JAXA(今井)】  そういったところを狙っていきたい,そういうメリットが出せるような形で技術を研究していきたいというふうには考えております

【白石部会長】  よろしいですか。
 では,ちょっと時間が押しておりますので,この件についてはこれで終了ということに,JAXAのほうでこれからも鋭意進めていっていただければと思います。
 部会は現時点で成立していますか?……

【事務局(山之内)】  成立しております。

(1)H-ⅡAロケット40号機打上げに係る安全対策について

【白石部会長】 成立しておりますので,次は議題1に戻って進めたいと思います。
 一つ目の議題は,H-ⅡAロケット40号機の打ち上げに係る安全対策についてでございます。調査・安全小委員会においてH-ⅡAロケット40号機の打ち上げにかかわる安全対策の調査審議が行われましたので渡邉主査のほうから御報告をいただきたいと思います。 よろしくお願いします。

【渡邉主査】  資料43-1-1及び43-1-2に基づき報告を行った。


【白石部会長】  どうもありがとうございます。
 これについて何かございますか。

【芝井委員】  内容に関することではないのですが,この資料43-1-2の1の地上安全の二つ目の○で「海外の副衛星」と書かれているんでが,他のところだと全部「海外の衛星」,主衛星の二つのうちの一つになっていると思うので,誤解がないようにこの「副」だけ削除された方がよいと私は思いましたけれども,勘違いかもしれません。

【渡邉主査】  そうですね。上側に乗っている衛星が非常に重い衛星ですのでここは副と書いたのではないかと思いますが,資料は修正しておきましょうか。

【事務局(山之内)】  かしこまりました。修正しておきます。

【渡邉主査】  これはインターネット等に載せて公開されるのですね。

【事務局(山之内)】  公開されます。

【渡邉主査】   では,その際はこの「副」をとってということでよろしいでしょうか。

【白石部会長】  そういうことでよろしくお願いします。
 ほかに何かございますか。
 なければ,この件について小委員会の提案どおりH-ⅡAロケット40号機の打ち上げに係る安全対策の審議結果を了承するということでよろしいでしょうか。


(「異議なし」の発言あり)


【白石部会長】 どうもありがとうございます。
 それでは,小委員会の検討結果を了承したいと思います。どうもありがとうございます。

(2)X線分光撮像衛星(XRISM)プロジェクト移行審査の結果について

【白石部会長】  次に,二つ目の議題,これはX線分光撮像衛星のプロジェクト移行審査についてでございます。JAXAはプロジェクトの企画立案と実施に責任を有する立場からX線分光撮像衛星のプロジェクト移行審査を実施いたしました。宇宙開発利用部会ではJAXAが実施した評価結果について御報告をいただいて調査審議を行うということになります。きょうは実施フェーズへ移行する際に行う事前評価の位置づけでございます。
 ということで,JAXAのほうから御報告お願いします。

【JAXA(國中)】  資料43-2に基づき説明を行った。


【白石部会長】  よろしいですか。どうもありがとうございます。
 それでは,これについて何か御意見,はい,どうぞ,横山委員。

【横山委員】  御説明ありがとうございます。幾つか質問させていただきます。
 一つ目ですが,軟X線のほうに絞られて代替機をつくられるということで,国内のコミュニティの要望がどれぐらい反映できているのか,あるいは,研究者人数など軟X線にかかわる人数がどれぐらいの規模なのかというのをお教えいただきたいと思います。
 次に,「ひとみ」のときの議論でPMとPIを分けるということを伺っていたのですが,これに加えてPEをつけるということでどういう体制になっているのか,あるいは,人数がその分ふえるわけですから,ISASの中での役割分担や研担などがどういう状況になっているのかということが妥当かどうかお伺いできればと思いました。
 3点目が,NASAにとっては「すざく」のときから冷凍機の関連するところで失敗が続いてしまっているということもあって,向こう側の協力といいますか,気分よく協力いただいているのかどうかといった,そういった雰囲気についてお伺いしたいと思います。
 最後に,代替機ということで広報関係も非常に難しいのかなというように拝見しているのですが,例えば,「ひとみ」という名前も失敗の際には全国のひとみさんから抗議があったと聞き、代替機の場合に名前にも配慮していく必要があるのかというふうに感じますが,その点についてどのようにお考えか伺えればと思います。
 以上,3点です。

【白石部会長】  どうぞ。

【JAXA(前島)】  それでは,お答えさせていただきます。プロジェクトマネージャーの前島と申します。
 1番目の軟X線のみに今回フォーカスしたことによる,例えば「ひとみ」で担っていた硬X線のミッションの研究者たちの扱いということですけれども,硬X線のミッションをその先で検討しているものがあり,まだ提案段階ですけれども,そういったところに注力している方もいる。我々のほうにお手伝いをしますと積極的に言っていただいている方もいます。ということで,国内のコミュニティは非常によくまとまって今やらせていただいているというふうに考えております。
 あと規模ですが,サイエンスチームを組織をしたばかりですが,国内のメンバーだけで70名を数えるような規模のサイエンティストに参加をしていただいています。
続いて,PE(プロジェクトエンジニア)の役割として,直接的な「ひとみ」の反映,教訓として,これまではPM(プロジェクトマネジャー)がサイエンスも見ていたというところを分離しましょうということである。PIとPMを分けて設置をすることだったのですが,そこからもう一歩進めまして,PMは最終判断をする人というような位置づけにしました。技術を見る人ということでPEをPIと対立させる形で置きました。プロジェクトとしては,まずはPEとPIでよく議論をしていただき,それで余りサイエンスのほうに偏るような判断をしないように,最終的にはPMが判断をするというような形をとりたいと考えております。
 3番目の「すざく」からの失敗でNASAにご協力いただくに当たっては,先ほど國中からもお話がありましたけれども,我々今回もぜひ御協力をお願いしたいと,「ひとみ」ではこのようなすばらしいデータがとれていますというところから始めました。NASAとは実は立ち上げの当初にLessons Learnedサミットというような会合を複数回やりました。次を確実に成功させるためには何をやらなければいけないのかというところを随分議論させていただきました。
 それを経て,NASA側は喜んで参加しますということを言っていただきまして,今回はJoint Projectという形で参加をしていただいています。お互いにミッションレベルからジョイントシステムズエンジニアリングチームというものをつくりまして,お互いに情報の交換をしながらより確実な開発がでるようにNASAからも協力をいただくように組織を組んでおります。
 4番目の名称のお話ですが、これはこれからのお話になろうかと思うのですが,今は,とりあえずはX線天文衛星代替機とプリプロのフェーズでは呼んでいたのを,プロジェクト移行を機に名称を変更いたしまして,表紙の一番下の欄外のところに書いてあるのですが, X線分光撮像衛星(XRISM)という名称をつけさせていただいております。「ひとみ」のようなニックネーム的な名称をつけるかどうかは今後また検討させていただきたいと思っております。
 ありがとうございます。

【白石部会長】  よろしいですか。ほかに何かございますか。
 はい,どうぞ。

【永原委員】   サイエティフィックに非常に重要な部分がSXSにかかっていて,日本の科学として,宇宙物理学としてのオリジナリティーがどのぐらいきちんと体制ができているのかがよく見えません.まるで打ち上げだけ一生懸命やっているように見えかねないのですが,日本独自のサイエンスがどのぐらいきちんと準備ができており,結果が得られるという見込みであるかを伺いたいと思います.「ひとみ」のときも確かに成果は出たのですが,クリティカルな部分は日本のつくった検出器ではなかったので,このミッションによって日本の技術がどのように進むのか,どれだけイニシアチブを持って科学を推し進められるかという点につきどのように考えておられるか,もう少し具体的に御説明いただけますでしょうか。

【JAXA(前島)】  事実としてSXSの検出器部分はNASAの開発品であります。但し,検出器を動かすための極低温に冷やす冷凍技術というのは日本の技術です。
 NASAもそこの冷凍技術は独自でやるよりも日本と組んでやったほうがいいものができるという判断で,今回も我々の新しいミッションに参加していただけるというところになっております。
 ということで,パートナーシップを持ってお互いに協力して一つの装置としてつくり上げるというところは日本の技術が活用できているところだと思っております。

【永原委員】  冷凍技術に関しては,従来ずっと,日本は冷凍機だけ言い続けているのではないかという批判がかなりあるわけですね。その点に対してはどうお考えでしょうか。

【JAXA(前島)】  先ほど別のお話でもあったとおり,どのように国際協調していくのが一番いいものができるか,科学が進展するかというところをもって今のパートナーシップのやり方がこの分野ではベストだというふうに考えていて,やはりNASAと協力してお互いの強みを生かしながらやっていくのがいいというふうに考えています。

【白石部会長】  よろしいですか。
 ほかに何かありますか。 はい,どうぞ。

【芝井委員】  質問ではないのですが,日本の冷凍技術はもともと赤外線衛星を目指して宇宙研で中心になって開発してきたもので,宇宙科学の推進にとってはクリティカルです。この技術がクリティカルだから,赤外線,X線も日本とがっぷり四つの共同研究をNASAでさえやろうとしておりますので,そこは応援として御意見申し上げたいと思います。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。
 もし,ないようでしたら,この件につきまして,承認ということでよろしいでしょうか。


(「異議なし」を確認)


 どうもありがとうございます。
 それでは,了承したいと思います。JAXAでは,確実に開発を進めていただくようによろしくお願いします。

【JAXA(國中)】  どうもありがとうございました。

(3)小型月着陸実証機(SLIM)の計画見直しについて

【白石部会長】  次,三つ目の議題です。小型月着陸実証機の計画見直しについて,小型月着陸実証機については平成28年7月14日にプロジェクト移行審査の結果を既にJAXAから御報告いただいておりますが、その開発計画の見直しが行われたということです。JAXAはプロジェクトの企画立案と実施に責任を有する立場からSLIMプロジェクト計画変更審査を実施いたしました。宇宙開発利用部会ではJAXAが実施した評価結果について御報告をいただいて調査審議を行うということになります。きょうは計画の大幅変更等に際して実施する「中間評価」の位置づけでございます。
御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【JAXA(國中)】 資料43-3に基づき説明を行った。 


【白石部会長】  これにつきまして何か御意見等ございますでしょうか。
はい,どうぞ,芝井委員。

【芝井委員】  少し心配しているので以下のことをお願いします。専門の研究者の方に関しては現状の記述でわかると思うのですが,もっと広い人たちの,つまり,みんなのSLIM,みんなのXRISMであってほしいと思うわけですよね。
 そうしたときに,例えば,XRISMの目的について「宇宙高温プラズマ」としか書いていないのですけれども,宇宙では物質の半分は広い意味で高温プラズマとして存在することを一般の人は知らないので,「宇宙高温プラズマ」の重要性は理解できない恐れがあります。
 あるいは,SLIMの場合だと月マントル物質の可能性があるカンラン石が露出するところに着陸されるのだけれども,「月マントル物質の可能性がある」ということがどう重要なのかということがわからないのではないでしょうか。月の内部から出てきた物質ということなのでしょうね。サイエンスの成果,期待される成果が一般の方におもしろいなと思ってもらえるような表現なっているかどうかがちょっと心配ですので,一般の方にもわかりやすい説明をお願いしたいと思います。

【JAXA(國中)】  JAXAとしては皆様にこのプロジェクト変更を認めていただいた以降に、よりアウトリーチをかけて広報にも力を注いでいきたいと考えております。

【白石部会長】  ほかに。 はい,どうぞ。

【永原委員】  今の芝井委員の件にさらにもう少し詳細のことをコメントさせていただきます.例えば,カンラン石の成分分析で起源と進化とおっしゃられるわけですけれども,こういう分光分析で得られる精度というのは限りがありまして,カンラン石の成分というのはマグネシウムと鉄の比で値を得るわけですけれども,その数字が1か2が違うだけで地球のマントルの議論のときには大幅に話が変わるぐらいシビアな話です.今回のプロジェクトで,分光分析の値を用いて月の起源と進化を解明とまで言ってしまわれると,少々まずいのではないかと専門の立場からは思わざるを得ません。
 余剰の重さで,分光装置を新たに開発して搭載するのでしょうが,どれだけの制度の機器が開発でき,サイエンティックに何を明らかにできるのかをもう少し具体的にしないと,専門家でもにわかにはうなずけないのではないかと思います。 これはコメント,要望ですので,ぜひ,御検討ください。

【JAXA(國中)】  いただきましたコメントを真摯に分析いたしまして対応していきたいと思っております。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。もし,ないようでしたら,この件につきまして,承認ということでよろしいでしょうか。


(「異議なし」を確認)


 どうもありがとうございます。
ぜひ,今回のコメントも含めて開発を着実に進めていただけることを期待したいと思います。よろしくお願いします。

(5)その他

【白石部会長】 これで,きょう準備しました議題は全て終わりました。あとは事務局のほうから連絡事項があればよろしくお願いします。

【事務局(山之内)】  会議資料と議事録の公開について申し上げます。宇宙開発利用部会の運営規則に基づきまして,本日の会議資料は公開となります。後日,文科省のホームページで掲載させていただきます。
 また,議事録についても公開となりますので,委員の皆様に御確認いただいた後,文科省のホームページに掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【白石部会長】  それでは,これできょうの利用部会を終わりたいと思います。どうも暑い中ありがとうございます。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成30年10月 --