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宇宙開発利用部会(第42回) 議事録

1.日時

平成30年6月14日(木曜日) 15時00分~16時30分

2.場所

文部科学省 15階特別会議室

3.議題

  1. 宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)に係る安全対策について
  2. H-ⅡBロケット7号機打上げに係る安全対策について
  3. 宇宙科学ミッション(MMX・DESTINY+・JUICE)の検討状況について
  4. その他

4.出席者

委員

部会長    白石 隆
部会長代理 青木 節子
臨時委員  井川 陽次郎
臨時委員  芝井 広
臨時委員  白井 恭一
臨時委員  高薮 縁
臨時委員  松尾 亜紀子
臨時委員  油井 亀美也
臨時委員  横山 広美
臨時委員  吉田 和哉
臨時委員  米本 浩一
調査・安全小委員会 主査 渡邉 篤太郎

文部科学省

研究開発局宇宙開発利用課長  谷 広太
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室長 庄崎 未果
研究開発局宇宙開発利用課企画官  山之内 裕哉
研究開発局宇宙開発利用課課長補佐 梅津 義博

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事 國中 均
 宇宙科学研究所 川勝 康弘
有人宇宙技術部門
HTV技術センター センター長 植松 洋彦
有人システム安全・ミッション保証室 室長 白井 達也
有人システム安全・ミッション保証室 主任 高橋 伸宏
 第一宇宙技術部門
安全・信頼性推進部システム安全推進ユニット/ユニット長 中野 哲也

5.議事録

【白石部会長】  時間になりましたので,宇宙開発利用部会の第42回会合を開催いたしたいと思います。まず,事務局からきょうの会議について事務的な確認をお願いいたします。

【事務局(山之内企画官)】  事務局でございます。本日,17名の委員のうち,11名の先生方に御出席いただいており,運営規則に定める定足数の要件を満足している状況でございます。
 次に,本日の資料でございますが,お手元の議事次第の4ポツのとおり,お配りしております。過不足等がありましたら,事務局にお申しつけいただければと思います。
 以上でございます。

【白石部会長】  どうもありがとうございます。
 それでは,議事に入りたいと思います。

(3)宇宙科学ミッション(MMX・DESTINY+・JUICE)の検討状況について

【白石部会長】  最初に,議事進行の関係から3番目の議題を先にやらせていただきたいと思います。議題は,宇宙科学ミッション(MMX・DESTINY+・JUICE)の検討状況についてでございます。JAXAから資料の説明をお願いいたします。

【JAXA(國中理事)】  より資料42-1に基づき報告を行った。

【白石部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,報告内容ついて何か御意見,質問等がございましたら,よろしくお願いします。いかがでしょうか。芝井委員,どうぞ。

【芝井委員】  火星衛星探査計画のMMXに関しては,惑星との位置関係で打上げ時期に関して何か有利,不利,あるいは制限とかはあるのでしょう。

【JAXA(國中理事)】  火星ですので,原理的には2年周期でほぼ同じ機会になりますので,2年サイクルで打上げの機会があらわれるということになります。ただ,諸外国からこれだけ熱心に協働事業が望まれているということは,この機に火星圏に探査機を入れるということが,非常に重要な意味があるということを世界各国は認識しているわけです。ロシアが2011年に失敗したということが一つの契機ではありますので,この空いたチャンスに日本が重要な衛星を火星圏に送り込むという意味で,なるべく早期の実現が必要でありまして,その意味で,2024年というのは重要な意味合いがあるというように認識しております。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。吉田委員,どうぞ。

【吉田委員】  6ページにありました宇宙工学分野技術ロードマップイメージで,一つ質問させてください。MMXについて,はやぶさ1,2で獲得された小天体着陸技術が活用されるというのは言うまでのないことと思いますが,その一つ下のカラムにありますSLIMで獲得することになっている重力天体着陸技術というのは,MMXとどのように直結するのかがわかりません。基本的にフォボス自体は小天体ですので重力が小さい,一つ違うとすると火星という重力天体の周りを周回しているということが違うのだと思うのですが,例えば,地球を回る宇宙ステーションにランデブーする等の技術の方がより近いように私には感じられます。重力天体着陸の部分にMMXが入っているということについて御説明いただければと思います。

【白石部会長】  どうぞ。

【JAXA(國中理事)】  重力天体への着陸という脈絡と,もう一つ,ここではピンポイント着陸ということも目指しておりまして,SLIMで獲得するピンポイント着陸誘導技術というふうにここでは読みかえさせていただきたいと思っております。

【吉田委員】  ピンポイント着陸という意味では,はやぶさ1,2もターゲットマーカーをおろして,そこに向けてピンポイント着陸をしていくので,今の追加説明もやや無理があるように感じてしまうのですが,いかがでしょうか。

【JAXA(川勝)】  MMXのチーム長の川勝です。補足させていただきます。天体への着陸技術はいろいろ難しく,重力天体あるいは小天体を重力のレベルで分けるというのはありますが,実際には今,イトカワ,リュウグウに対して火星の衛星フォボスで言いますと100倍ぐらいの重力になります。月はもっとそれとまた2桁ぐらい大きい。100倍のこの差というのは,実は,はやぶさでやろうと思っている着陸のシーケンスをそのまま適用できなくて,そのときに我々がSLIMでやっている技術,あるいはSELENEの後継機でやっている技術を合わせてMMXをつくっています。
 端的に言うと,はやぶさ,はやぶさ2はかなり重力が小さいことを利用して高い高度から真下に降りる。その間に安全とかを確認しながら降りるのですけれども,重力が100倍違うだけで,1kmぐらいの高度まで弾道で行って,そこから降りるというシーケンスをとらざるを得ません。実はこの部分が月への着陸技術に似ているのです。そのような理由で両方の技術を融合してやっているという意味があります。

【吉田委員】  御丁寧な説明をありがとうございました。大変よくわかりました。

【白石部会長】  ほかにいかがでしょうか。油井委員,どうぞ。

【油井委員】  すばらしい説明をどうもありがとうございます。
 私は宇宙飛行士ですけれども,天文学が大好きなので,こういう話を聞くとすごくわくわくいたします。こういうわくわくする話をいろいろな方々に理解いただけるように,これからも協力していきたいと思います。
 1点,質問ですけれども,私は宇宙飛行士なので,どうしても人が行くときにどうかという視点で考えてしまうのですが,実は太陽系の中で地球より遠いところの放射線のデータはなかなかなく,私たちが行ったときにどのぐらいの放射線量を浴びるかというモデリングができていない状況になっています。その割には,こういう機会があればなるべくいろんな放射線のデータをとっていただきたいというのが,私の個人的な希望となります。今回,MMXに搭載される14ページに書いてある搭載観測機器は,実は本来の目的はこうなのだけれども,このようにうまく使えば放射線のデータも取れるとか,若しくは今後,小型化とか軽量化が進むと,そういう装置が搭載される可能性があるみたいな,そういう可能性というのはあるのでしょうか。

【JAXA(國中理事)】  今,現状は全く科学の脈絡で,ボトムアップベースでミッションの錬度を上げておるところです。しかし,今の私の説明の脈絡の中では,将来の有人国際宇宙探査で非常に大きな貢献ができるミッションだということは,強く主張してきておるわけです。今後,JAXAの中でも,世界的にも国際宇宙探査プログラムというのは,よりリアルに検討されていくと期待されておりまして,そこへの貢献ということで,例えばお申出のありました放射線環境計測というのは,非常に大きなチャンスになるのではないかなと思っております。ですから,十分可能性はあると考えています。今現在は,まずは科学の脈絡で物事を考えております。もう少し錬度が上がった段階で,より大きな視野で少し物事を考え直すチャンスがくると考えています。

【油井委員】  どうもありがとうございます。
 特にほかのミッションがついたが故に,本来の目的が達成できないとかいうのだと困るので,念頭に置いていただけるということであれば本当に安心しました。
 この全体を見ていると,様々なミッションの課題があり,チャレンジもあると認識しました。
これも国際宇宙ステーションの宣伝になってしまい申し訳ないのですが,いろいろな課題があれば国際宇宙ステーションは非常にいいテストベッドで,サンプルを宇宙にさらしたりしながら事前にチェックしたりとかもできますので,是非,協力しながら進められればと思いますので,今後ともよろしくお願いいたします。

【JAXA(國中理事)】  どうぞよろしくお願いいたします。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。芝井委員,どうぞ。

【芝井委員】  もう一つ研究者の立場から発言させていただきます。三つのミッションの目的の大きな意義として,太陽系内の探査,特に地球の生命の起源に迫るような水や有機物の研究の御説明がありました。
 もう少し大きい視点で見ますと,私たちの太陽系以外のところにも最近,惑星が何千個と見つかっており,私たちは宇宙の探査あるいは研究と言っていますが,実は地球の特殊性というのは,生命がいるということが最大の特殊性でありまして,どうして地球に生命がいるのかという大きな疑問の中で,まず,太陽系の中で詳しく水や有機物を調べるということと,太陽系の外側の惑星にひょっとしたら生命がいるかもしれないというのを調べるという両方が,ちょっと前は夢物語でしかなかったのですが,今はこのように研究が進展してきて事実が蓄積しております。
 このまま,どんどんチャレンジしていって,いつか地球の生命というのはどうしてできたのかというところに迫られれば,すごくすばらしいことができるのではないかというふうに世界の研究者は思っておりますので,是非,頑張っていただきたいと思います。
 以上です。

【JAXA(國中理事)】  どうもありがとうございます。
 Exoplanet(太陽系外惑星)の領域が非常に活況に世界では研究が進んでおり,先ほど申し上げたように内側には水星から火星まで岩石の惑星が並んでいて,その向こう側はガスの惑星が並んでいるという,こういう並びが太陽系の常識であったのですけれども,我々はこれをすべからくの一般ルールだと思っていたのですけれども,Exoplanet(太陽系外惑星)の分析で,むしろ,これは例外的であって,ガスの惑星が太陽の周りを何個もぐるぐる回っているのがたくさん見つかってきており,我々の太陽系と大きなギャップがあるというのは非常に大きな謎であります。そういった世界にこの研究がつながっていくというのは,すごく大きな脈絡になると思います。ただ,残念なことに,まだ,少なくとも今日の説明範囲内では,そこまで理論展開できていないということは,重要な指摘かと思っております。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。
 話を伺っておりまして,こういうストーリーというのが大きなプロジェクトの国民的理解を得る上で非常に重要だと思いますので,是非,このようなストーリーをできる限り,いろいろな場で説いていただくことをお願いしたいと思います。これからも着実にやっていただければと思います。

【JAXA(國中理事)】  わかりました。努力するようにいたします。

【白石部会長】  本議題は以上といたします。どうもありがとうございました。

(1)宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)に係る安全対策について

【白石部会長】  それでは,次に宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)に係る安全対策についての議題に移ります。調査・安全小委員会において,「こうのとり」7号機に係る安全対策の調査,審査が行われましたので,小委員会の渡邉主査から御報告をお願いしたいと思います。どうぞ。

【渡邉主査】  より資料42-1-1,-2に基づき報告を行った。

【白石部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは,この件について何か御意見,御質問等がございましたらどうぞ。いかがでしょうか。米本委員,どうぞ。

【米本委員】  小型カプセルのISSの中での運用について質問させてください。小型カプセルは,HTVの与圧室に入れてISSに運び込み,ISS内で試料を小型カプセルに入れてから,HTVの通常のハッチのかわりに取り付けた与圧隔壁に設置して, その状態でISSから分離するという運用だとお聞きしました。ISSの中では,宇宙飛行士が試料を入れたりする作業をするとともに,小型カプセル本体のシステム試験を実施するのでしょうか。

【JAXA(白井)】  JAXAの安全担当の白井と申します。小型回収カプセルにつきましては,HTVから軌道上で出しまして,軌道上で組立てを行います。サンプルは,軌道上で試料を入れるようになっています。軌道上では特にカプセルの電源を入れたり,何かの試験をするとかということはせず,そのまま試料だけを入れるような形になっております。以上の作業をする為に組立てをするということになります。

【米本委員】  宇宙飛行士は,試料を入れるだけの作業を課されており,小型カプセルのシステム試験等何らかの点検なしにHTVに戻して,ISSから分離するという理解でよろしいでしょうか。

【JAXA(白井)】  軌道上では,特に試験などは考えてはおりません。

【米本委員】  前回の委員会では,小型カプセルの安全性について質問した経緯がありましたので,資料を読み直してみました。カプセルの熱防護パネルは,フローティングバッグの膨張で分離するようになっています。宇宙ステーションの中では,システム試験等を行わないことから,電源を入れることもしないので,誤作動して熱防護パネルが飛び出すということは全くないと考えて良いのでしょうか。それから,電池についても,ステーションの中では通電も何もしないので,チェックしている間の過放電や,それに伴う火災等の危険事象もないという理解で良いのでしょうか。

【JAXA(白井)】  そういった動的な作業は軌道上では行いません。

【米本委員】  逆に申しますと,何も小型カプセルのシステムチェックなしにHTVに戻していいのかという気もします。最終チェックを直前のISSでやらずに,ただ試料を入れるだけということで運用上の信頼性は大丈夫なのでしょうか。

【JAXA(白井)】  カプセルは既にHTVに搭載されておりますが,事前に射場で細かいチェックをやっておりまして,完成した状態でHTVに搭載しているという状況です。

【白石部会長】  よろしいですか。
 ほかに何かございますか。どうぞ,吉田委員。

【吉田委員】  着水域について少し基本的なことを教えていただきたい。付録3の8ページ,9ページで説明がありましたけれども,今回のミッションでは分離カプセルがあり,再突入のどこかのタイミングで切り離されるということだと思うのですが,HTV本体も一緒に落ちてきて,私のこれまでの理解では本体の方は大気中でほぼ燃え尽きると思うのですが,何らかの燃え残りも落ちてくるという可能性があるので,このような領域が設定されていると理解しています。例えばある程度の高度で分離して,それぞれ,違う軌道を通って違う領域に着水するということではなくて,HTV本体もカプセルも全てこの領域の中に落ちることを説明した図であると理解でよろしいのでしょうか。

【JAXA(白井)】  おっしゃるとおりでして,カプセルの分離はHTVが軌道離脱して,最後にリエントリーするときのデオービッド制御ですか,デオービッドバーンをした後にカプセルを分離いたしますので, HTVもカプセルも同じ領域に落ちてくるということになります。

【吉田委員】  実際,8ページの図には1号機と6号機にはこういう着水領域が設定されていたということで, 過去に一回,再突入の最中に映像を撮ったというミッション(i-Ball)もありました。基本的には燃え尽きるという前提で,ただし,燃え残りがこの領域に落ちる可能性があるという設定が以前からされていたと思うのですが,これまでの実績値として全部,大気中で燃え切っているのか,あるいは何らかの破片が海に落ちているのかと,そういう実績データはお持ちでしょうか。

【JAXA(白井)】  実績データもあります。

【吉田委員】  実際,燃え残りは落ちてきているのですか。

【JAXA(白井)】  HTVの中にもチタンタンクとか,燃え尽きないものもございますので,そういったものが燃えないで着水するということがございます。それらのデータは従来号機でもデータを持っておりますので,それらのデータと,今回の予測の計算を合わせて設定しております。

【吉田委員】  わかりました。ありがとうございます。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。米本委員,どうぞ。

【米本委員】  もう一つ質問させてください。資料42-1-1付録2の12ページで,利便性の向上のためと考えますが,コマンド送信は専用機から可搬型PCに変えたと丁寧に御説明いただきました。このPCが故障したらどうするのか,代替品の対応がどのようになっているのか教えて頂けないでしょうか。

【JAXA(白井)】  パソコン自身も当然1台ではなくて,たしか軌道上で7台ぐらいあると思います。この運用をするに当たっては4台用意しておりまして,2台がスタンバイしていて,その2台が駄目でしたら,また,次の2台というのですかね,系統を分けて1系統に2台ずつつながっているという状況です。フリーズした場合もすぐその次のパソコンに切りかえていくということになっております。

【米本委員】  可搬型PCに替えたことで,指令が届くまでの時間が20秒程遅れてしまうというのは理解し難いところです。つまり,最新の能力のPCは, ISSの適合性証明をとるのに時間がかかるために搭載できないかもしれませんが,少々年代が古いPCであるとしても現行のHTV専用端末に比べて20秒も指令時間の遅れがでる技術的な理由は,どこにあるのでしょうか。

【JAXA(白井)】  これは,パソコンの運用に変えることによって通信の経路が変わる。資料42-1-1付録2(P.13)の図に三つありますが,こちらだと真ん中にCCS(ISSの通信制御機)というのが入ってくるということで,コマンドですので,いろいろ,コマンドレスポンスとか,そういう確認をしながらやることになりますので,その辺の多少のタイムディレイがあることになるかと思います。

【JAXA(高橋)】  少し補足させていただきますと,資料42-1-1付録2(P.13)の32.6秒というのは常にこの秒数というわけではなくて,いろんな要素を考えて一番遅くなるディレイがどれぐらいあるかというところで出しております。実際には12.4秒に対して32秒もかかるというより,それより短い時間で応答されると思っております。ただし,我々が解析する際に,応答が遅くなって反応が遅くなり,ISSがより接近してしまうことを一番恐れますので,最悪のケースのときにどれぐらいディレイが発生するか,そういったものを出しておりますので,通常,想定されるよりも長い時間,20秒かかっているというのがございます。また,この説明の中に運用シーケンスの応答確認というのが2回,3番目と5番目に入っておりますけれども,これはその経路を通って返ってくるというので,2回,待つということで通常よりも遅くなる部分が2段階あるということで少し遅めになっております。

【米本委員】  安全性を考えると指令が届く時間が早いに越したことはありません。今の時代,システムを改善したにも関わらず,指令時間が逆にこんなに遅れて良いものなのかという疑問のコメントです。

【白石部会長】  ほかに何かございますか。
 もしないようでしたら,これまでの御審議を踏まえて資料42-1-1にありますように,小委員会の提案どおり,決定するということでよろしいでしょうか。

  (「異議なし」の発言あり)

【白石部会長】  どうもありがとうございます。
 御異議がないようですので,小委員会の検討結果を了承したいと思います。

(2)H-ⅡBロケット7号機打上げに係る安全対策について

【白石部会長】  次に,二つ目の議題,H-ⅡBロケット7号機打上げに係る安全対策についてでございます。これについても調査・安全小委員会の渡邉主査から御報告をお願いします。

【渡邉主査】  より資料42-2-1,-2に基づき説明を行った。

【白石部会長】  どうもありがとうございました。
 この件について御意見等があればお願いします。横山委員,どうぞ。

【横山委員】  御説明をありがとうございます。
 添付図の20ページ,図9の落下予想区域と航空路の図についての質問です。先ほどの御説明でこれまでと変わらず,リスクは上がらないと見積もられたという御説明ですが,海の方は何となく想像はつくのですけれども,航空路の方というのは,この時間帯,この区域にリスクが上がらないという意味は,もともと,予定がないように調整を行っているという,そういう意味で理解してよろしいでしょうか。

【渡邉主査】  航空路に関しては,所定の時間,この範囲に立ち入らないでくださいという通報を出していただくことになっており,航空局から出してもらいます。そうしますと,危険区域が設定された以後は,飛行機のパイロットがこの中に立ち入らないという責任が生じるルールになっておりまして,ルールを守っていただければ,飛行機と干渉するということはないということは保証されております。

【横山委員】  もともと,その指示に基づいて航空の時間帯が調整されるというよりは,パイロット個人の判断で,この区域をその時間帯は避けるというような,そういうルールになっているのでしょうか。

【渡邉主査】  パイロット個人であるか,それを運航する会社なのか,そのあたりの厳密な仕組みはわかりませんが,飛行機側が設定された警戒区域内には立ち入らないということになっています。

【横山委員】  ありがとうございます。

【白石部会長】  よろしいですか。
 ほかに何かございますか。どうぞ,青木委員。

【青木部会長代理】  御説明をありがとうございます。
 付録2の14ページ,御説明いただいた部分ですけれども,航法センサーに変えた理由はどのような理由でしょうか。かつてH-ⅡAで使ったことがあり,その後,使っていなかった理由という御質問でも同じことだと思うのですが,教えていただけないでしょうか。

【渡邉主査】  航法センサーは,簡単に言えば,測位衛星等を利用するシステムということですが,レーダーをこういう方向に変えていこうというのは世界的な傾向であり,こうすることで確実性が増す,また,コストも下がると解釈されております。
 レーダーは電波が返ってくる時間で距離を測定し,アンテナの上下角,方位角を測定しているので,高い精度が欲しいロケットが遠くに行った段階で非常に誤差が大きくなります。距離が遠くてもレーダーは角度の精度は保っていますが,距離が遠くなれば誤差が大きくなるということになってしまいます。しかし,測位衛星は,航法センサーはそういうことはありませんで,非常に遠くに行っても,計測精度は保たれます。また,地球の水平ぎりぎりになりますと,電波も真っすぐは飛ばないので,レーダーは角度を測ることもまた難しくなるという要素もあるわけです。そういった点がありまして,それから,大きな要素は地上にレーダー局が要らないということもあります。
 図7(資料42-2-1付録2)の右側の箱に,データ取得系にレーダーというのが入っていますが,これは一次レーダー。トランスポンダーを使わないレーダーはまだ残して使うという計画だというのがJAXAの説明です。地上のレーダー局,飛行安全に使うものは二重系統という要求をしておりますので,レーダー局が2局は要らなくなるというと,これは大変な労力とお金等が不要になりまして,世界ではレーダー局を持っていない射場が既にあるのが実情です。

【青木部会長代理】  ありがとうございます。

【白石部会長】  よろしいですか。
 ほかに何か。米本委員,どうぞ。

【米本委員】  まさに御説明して頂いた点を質問しようと思っていたところです。地上支援を受けるレーダートランスポンダーを廃止する代わりに,別途航法センサーを積む必要があるのでしょうか。すなわち,IMU自身が位置を精度よく検出してくれるので,それを冗長化して搭載すればよいのではないかという考え方です。

【渡邉主査】  慣性センサー系統はロケットを運航するための設備,それが誤動作あるいは異常な誤差等がなければ,いいのでしょうが,運航する系統が正しく動作しているということを確認するためには,それとは独立した客観的なセンサー系統が必要になります。別な計測系統が必要になるということが不可避です。独立した系統として航法センサーを従前のレーダーに変えて使いますというのが,今回のシステムです。

【米本委員】  バス系のIMUや安全性の観点で搭載の測位に対してどのような耐故障性の要求があるかにもよりますが,それぞれが全く独立だから単純に安全性が担保されるというわけではありません。安全性に関わる耐故障性が整理されたシステム設計の結果として,従来独立していたレーダートランスポンダーに替わる航法センサーについても,同じように独立させる必要があるのか検討すべきだということです。耐故障性設計が徹底している飛行機には,自動操縦システムにおいて,航法センサーを独立させるという考えがなく,自律安全航行のシステムがつくれています。
 したがいまして,ロケットでも,同様な考えは取り込めるのではないかと思いました。もちろん非常時に使う地上からのコマンド系は,電源も含めてバス系と独立していないといけないとは思いますが,飛行状況を監視するセンサー系は,IMUの冗長化で対応できるのではないかというのがコメントです。

【渡邉主査】  おっしゃる点はごもっともだと思いますが,現在の基準は独立した系統でという規定になっていますので,こういうシステムなわけです。先生のおっしゃるような課題に対する検討も,実は具体的に実現したいということで国内でも行っておりまして,いずれ,そういう検討が進めば今の御提案のような議論をこの場でもさせていただいて,基準を改めるということになるのではないかなと推測しております。

【白石部会長】  よろしいですか。
 それでは,今の小委員会の提案でございますが,H-ⅡBロケット7号機の打上げに係る安全対策の審議結果,これを了承するということでいかがでしょうか。

  (「異議なし」の発言あり)

【白石部会長】  御異議がないようですので,本件も小委員会の検討結果を了承したいと思います。

(4)その他

【白石部会長】  それでは,事務局から連絡事項がありましたら,よろしくお願いします。

【事務局(山之内企画官)】  会議資料と議事録の公開について申し上げます。宇宙開発利用部会の運営規則に基づきまして,本日の会議資料は公開となります。後日,文科省のホームページにて掲載させていただく予定でございます。また,議事録についても公開となりますので,委員の皆様に御確認いただいた後,文科省のホームページに掲載させていただきますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【白石部会長】  どうもありがとうございます。
 それでは,これできょうの議事は全て終了いたしましたので,終わりにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。

以上

(説明者については敬称略)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成30年08月 --