宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会の設置について

平成31年4月18日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会

1.設置の趣旨

科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 宇宙開発利用部会は、文部科学省における宇宙の開発及び利用(以下「宇宙開発利用」という。)に関する重要事項の調査審議を行うよう科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会から付託されている。
文部科学省における宇宙開発利用には、ロケットによる人工衛星等の打上げや、国際宇宙ステーション(以下「ISS」という。)を利用する活動等が含まれており、これらについては、人命・財産に関わる重大な事故に至ることがないよう、十分に安全を確保して推進する必要がある。また、ロケットや人工衛星の不具合等については、トラブルの大半は地上から現物を確認できない場合が多く、その原因究明と対策の検討に当たっては高い専門性が求められる。
このため、ロケットや人工衛星等の重大な事故・不具合等が発生した場合の原因、技術課題及びその対応策、並びにISSに関する安全対策の評価等に関して調査検討する場として、宇宙開発利用部会運営規則第2条第1項に基づき、宇宙開発利用部会の下に調査・安全小委員会(以下「小委員会」という。)を設置する。

2.調査検討事項

(1)重大な事故・不具合等の原因、技術課題及びその対応策の調査
必要に応じ、以下の事項について、部会からの個別の付託なしに調査検討を行うものとする。
(a) 我が国の基幹ロケット等(宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)が開発を行ったもの)の打上げにおける重大な事故(第三者損害の発生、ロケットの指令破壊等)
(b) 文部科学省及びJAXAの衛星、探査機等の運用において、所期の目的・目標達成を見込むことが困難となる重大な不具合
(c) ISSの運用(ISSとの往来を含む)における重大な事故(宇宙飛行士の死亡又は死亡に至るおそれのある重大事故、ISSの機能喪失・恒久閉鎖に至る重大事故等)

(2)安全対策の評価
必要に応じ、以下の事項について、部会からの個別の付託なしに調査検討を行うものとする。
(a) JAXAが行うISSに提供する物資に係る安全審査及び物資補給機の運用に係る安全対策(特に、宇宙飛行士の安全確保等)の評価

(3)上記2項のほか、宇宙開発利用部会が、小委員会において調査することが適当であると認め、個別に付託する事項

3.調査の進め方

(1)重大な事故・不具合等の原因、技術課題及びその対応策の調査
 ・必要に応じ、ロケット打上げ前に打上げ概要の事前説明をJAXA(必要に応じ、関連事業者も含む)から受けるものとする。
 ・重大な事故・不具合等が発生した場合は、JAXA(必要に応じ、関連事業者も含む)が実施する原因調査の報告を受けるものとする。
 ・原因調査の報告に基づき、今後のロケットや人工衛星等の開発に反映すべき技術課題を検討するものとする。
なお、ロケット打上げ等における重大な事故の調査に際しては、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」(通称;宇宙活動法)第31条に基づき内閣府が行う調査を考慮し、ロケット打上げ事業者等へ過度な負担を強いないように配慮するとともに、内閣府宇宙政策委員会の宇宙産業・科学技術基盤部会 宇宙活動法基準・安全小委員会が開催された際には、十分な情報共有を図る。

(2)安全対策の評価
安全対策の評価に際しては、以下に従って、調査検討するものとする。
 ・国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」(JEM)に係る安全対策の評価のための基本指針(平成24年9月6日 科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会宇宙開発利用部会決定)
 ・宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)に係る安全対策の評価のための基本指針(平成24年9月6日 科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会宇宙開発利用部会決定)

4.設置期間

小委員会の設置が決定した日から平成33年2月14日までとする。

5.その他

小委員会の運営に関し必要な事項は、科学技術・学術審議会令、科学技術・学術審議会運営規則、研究計画・評価分科会運営規則及び宇宙開発利用部会運営規則によるものとする。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

電話番号:03-6734-4148
ファクシミリ番号:03-6734-4155