資料9-3-4 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中期目標・中期計画の概要

平成25年4月4日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会事務局

【策定に当たってのポイント】

  • 昨年7月の法改正により、JAXAは政府全体の宇宙開発利用を技術で支える中核的な実施機関と位置付け。主務大臣として内閣総理大臣及び経済産業大臣が追加。JAXA中期目標は、宇宙基本計画に基づき策定
  • 平成25年度から29年度までの5年間を対象。2月28日にJAXAへ中期目標を指示し、JAXAより3月29日に中期計画を認可

【事業に関する事項】

(1)衛星関係

-測位衛星については、準天頂衛星2機目以降を担う内閣府への移管までの間、JAXAは、初号機「みちびき」を運用し、利用技術等の研究開発を実施
-リモートセンシング衛星については、
・防災・災害対策等のため、他機関衛星との協調による衛星コンステレーション(複数の衛星による一体的な運用)に貢献
・気候変動等の地球規模の環境問題への取組のため、全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画へ貢献(ALOS-2の打上げ等)
-通信・放送衛星については、通信技術の向上及び産業競争力の強化を図るため、将来の利用ニーズを見据えた要素技術の研究開発、実証等を実施

(2)宇宙輸送システム

今後とも我が国の自律的な宇宙輸送能力を維持していくため、
-中~大型衛星を打ち上げる基幹ロケット(H-IIA、H-IIB)は、信頼性の向上、技術基盤の維持・向上、世界最高水準の打上げ成功率を維持
-小型衛星を効率的に打ち上げることのできる固体ロケット(イプシロンロケット)は研究開発及び打上げを推進
-次期基幹ロケットに関しては、我が国の宇宙輸送システムの在り方について政府が実施する総合的検討の結果を踏まえて措置

(3)宇宙科学・宇宙探査

人類の知的資産及び我が国の宇宙開発利用に新しい芽をもたらす可能性を秘めた革新的・萌芽的な技術の形成を目的として、一定規模の資金を確保しつつ、我が国の特長を活かした独創的かつ先端的な宇宙科学研究を推進(はやぶさ2の打上げ等)

(4)国際宇宙ステーション(ISS)

我が国の国際的な協調関係を維持・強化するとともに、人類の知的資産の形成、活動領域の拡大等を目的として、
-日本実験棟(JEM)を着実に運用
-生命科学分野、宇宙医学分野及び物質・物理科学分野の研究を推進するとともに、タンパク質結晶生成等の有望分野に重点化
-ISS計画への参画に当たっての不断の経費削減

(5)航空科学技術

航空科学技術の基盤的な研究開発を推進するとともに、環境と安全に重点化した研究開発(エンジン高効率化、航空機低騒音化、乱気流の検知等)を推進し、産業界等における成果の利用の促進

(6)横断的事項

-産業界、大学等との連携・協力により、利用者ニーズや開発者の技術シーズを開発内容に反映させ、研究開発成果の一層の活用等を行う
-技術基盤の強化及び産業競争力の強化への貢献を目的として、民間事業者への実証機会の提供や優れた民生部品や技術の宇宙機器への転用等を進めるとともに、衛星及びロケットの追跡・管制や航空機の風洞試験等の基盤的な施設・設備の整備を行う
-政府による外交・安全保障分野における宇宙開発利用の推進、二国間協力、多国間協力に積極的に貢献
-相手国のニーズに応えるため、政府が推進するインフラ海外展開に対し、人材育成や技術移転等により支援

【業務運営に関する事項】

(1)情報セキュリティ

システムの見直し、内部規則の充実及びその運用の徹底、関係民間事業者との契約における適切な措置など、情報セキュリティ対策のために必要な強化措置を実施

(2)契約の適正化

締結した契約の履行に関しては、履行における不正を抑止するため、契約管理体制の見直しを含めた抜本的な不正防止策を実施

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成25年04月 --