資料1-3 宇宙開発利用部会における調査・安全小委員会の設置について(案)

平成24年7月19日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会

1.設置の趣旨

 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 宇宙開発利用部会は、文部科学省における宇宙の開発および利用(以下、「宇宙開発利用」という。)に関する重要事項の調査審議を行うよう科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会から付託されている。
 文部科学省における宇宙開発利用に関する研究には、ロケットによる人工衛星等の打上げや、国際宇宙ステーションを利用する活動等が含まれており、これらについては、人命・財産に関わる重大な事故に至ることがないよう、十分に安全を確保して研究を進める必要がある。また、ロケットや人工衛星の不具合等については、トラブルの大半は現場を確認できないなど、その原因究明、対策検討に当たっては高い専門性が求められる。
 このため、文部科学省における打上げ等の安全確保と、重大な事故・不具合等が発生した場合の原因究明及びその対策に関することを調査検討する場として、宇宙開発利用部会の下に調査・安全小委員会を設置する。

2.調査検討事項

 調査・安全小委員会で調査検討する事項は、適宜、宇宙開発利用部会が個別に決定し、調査・安全小委員会に付託する。ただし、以下の事項については、宇宙開発利用部会が個別に調査・安全小委員会に付託することなく、適時適切・機動的に、調査・安全小委員会で調査検討を行うものとする。

(A)安全確保に関する事項

 (1)H-ⅡAロケット、H-ⅡBロケット、イプシロンロケットの打上げに係る安全確保について
 (2)宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)の国際宇宙ステーション(以下、「ISS」という。)近傍での運用(接近、係留、離脱フェーズ)、及び再突入に係る安全確保について
 (3)日本国がISSに提供する物資に係る宇宙航空開発研究機構(以下、「JAXA」という。)の安全評価について

(B)重大な事故・不具合等の調査に関する事項

以下のような事故が発生した場合で、文部科学省から宇宙開発利用部会に対して、原因究明とその対策等についての調査審議を行うよう指示された場合。

 (1)JAXAが行うロケットの打上げ等における重大な事故(第三者損害の発生、ロケットの指令破壊等)
 (2)ISSの運用(ISSへの往来を含む)における重大な事故(宇宙飛行士の死亡または死亡に至る恐れのある重大事故、ISSの機能喪失・恒久閉鎖に至る重大事故等)

3.設置の形態

 人命・財産に関わる重大な事故や軌道上不具合等の原因究明については、緊急に対応を講じられるよう、機動的に調査検討を行う必要がある。また、文部科学省における宇宙開発利用に関する研究の一環として行われる打上げ等の安全確保は、その準備状況に応じて、適時に調査検討を行う必要がある。
 これらのことから、調査・安全小委員会は、委員等の任期期間に関わらず、常設とする。

4.調査検討の進め方

 (1)安全確保に関する事項の調査検討に際しては、宇宙開発利用部会が別途定める評価指針・評価基準に従って、調査検討を行うものとする。
 (2)宇宙開発利用部会運営規則(平成24年7月19日 科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会宇宙開発利用部会決定)の第2条第12項に基づき、調査・安全小委員会は、調査検討の経過および結果を宇宙開発利用部会に報告し、議決を受けるものとする。

5.その他

 調査・安全小委員会の運営に関し必要な事項は、科学技術・学術審議会令および宇宙開発利用部会運営規則によるものとする。

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成24年07月 --