第1回IAEA原型炉計画作業部会(DEMO Programme WS)報告

1.概要
 本作業部会の目的は、今後の国際協力の可能性も含め、原型炉開発計画や技術的課題について幅広く議論すること。今回は、10月15-18日、UCLAで開催、計66名(米国 27名、EU 19名、日本 6名、中国 5名、インド 4名、ロシア 2名、韓国 2名、IAEA 1名)が出席。議題は、1)核融合パワーの除熱と燃料サイクル、2)プラズマエネルギー排出と不純物制御、3)次段階の核融合関連施設の磁場配位と運転シナリオ。

2.各国の状況

米国

・  原型炉の具体的計画は無いが、炉内機器照射試験のため、球状トカマク方式に基づく中性子照射施設FNSF(Fusion Nuclear Science Facility)の検討を開始、その設計案(複数)を報告。

EU

・  立案中の原型炉開発ロードマップの骨子について報告。
・  正味電力20-30万kW、数時間の発電実証を目標。2030年頃に建設を判断、2040年頃までに建設を完了、発電実証は2050年頃。

中国

・  工学試験炉CFETRを設計中。2014年に設計完了、2015年に建設判断。
・  主半径4.5m程度、核融合出力400-500MWで増殖ブランケットによるトリチウム自給及び炉内機器の総合工学試験を実施可能なトカマク炉。

韓国

・  原型炉K-DEMOの概念設計を開始、2022年に工学設計活動に移行、2027年に建設着手、2037年に運転開始の計画。
・  ITER規模、定常トカマク炉。

ロシア

・  球状トカマクによる中性子照射装置の概念を検討中。

インド

・  原型炉へ向けた工学試験のためDTトカマク炉SST-2を構想中。
・  主半径4.4m、核融合出力110MW、パルス炉。

日本からはJAEA 3名とNIFS 3名が出席、トカマク型/ヘリカル型原型炉の構想と課題、材料開発の現状と課題を報告。

3.その他
・計画と現状、技術課題の議論が中心。国際協力に関する議論には至らなかった。
・次回は2013年11-12月ごろにウィーンのIAEA本部で開催の予定。

お問合せ先

研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当)

小野
電話番号:03-6734-4163
ファクシミリ番号:03-6734-4164

(研究開発戦略官付(核融合・原子力国際協力担当))