原子力科学技術委員会 核融合研究作業部会(第40回) 議事録

1.日時

平成26年6月9日(月曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省16F1会議室

3.議題

  1. 今後の核融合原型炉開発に向けて
  2. その他

4.出席者

委員

小森主査、疇地委員、牛草委員、海老塚委員、岡野委員、尾崎委員、小川委員、金子委員、笹尾委員、髙津委員、堀池委員

文部科学省

磯谷研究開発局審議官、坂本研究開発戦略官、中塚核融合科学専門官、山田科学官、江尻学術調査官

5.議事録

【小森主査】  それでは、皆さん、おそろいになりましたので、ただいまから第40回の核融合研究作業部会を開催いたします。
 本日は、大島委員、佐藤委員、東嶋委員、伴委員より御欠席との連絡をいただいております。また、疇地委員は遅れての参加となります。
 本日の議題について御紹介します。本日は、今後の核融合原型炉開発に向けて、その他について御審議いただく予定です。
 続いて配付資料の確認を事務局からお願いいたします。
【中塚専門官】  配付資料ですけれども、お手元の議事次第に記載してございます。資料1-1といたしましてA4の横向きの紙になりますけれども、合同コアチームを中心とした原型炉開発の技術基盤構築を進める体制の在り方という1枚もの。それから、資料1-2といたしまして、こちらも1枚もので、合同コアチーム中間報告を受けての核融合研究作業部会の見解の素案というものが入ってございます。
 それから、参考資料1といたしまして、前回の議事録、それから、紙ファイルの方に参考資料ということでコアチームの中間報告も含めてこちらに入ってございます。
 以上でございます。
【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入ります。今年2月の作業部会にて合同コアチームより中間報告をしていただき、4月の作業部会ではその中間報告を受けて5名の先生方よりコミュニティの今後の展開について個人的意見を述べていただきました。中間報告やそれに基づく議論を踏まえ、本作業部会としての見解を取りまとめたいと考えています。その議論に先立ちまして、まず、合同コアチームより現在の作業状況について報告をいただきます。資料はございませんが、チームリーダーを務めています山田先生より御報告願います。
【山田科学官】  ありがとうございます。合同コアチームの最近の活動の紹介をさせていただきます。2月24日の本作業部会での中間報告について、この作業部会そのものであるとか、3月に坂本戦略官と回らせていただきました説明会等々でいただいた御意見を踏まえて作業を進めております。前回、4月28日の作業部会以降も会合を開いておりまして、特に今週、11日から13日に3日間、六ヶ所村において会合を開き、想定としては次回の作業部会で、もしよろしければ報告させていただきたいということを考えながら作業を進めております。
 検討の柱は、中間報告でもございましたように二つございまして、一つは共通目標の源となる原型炉像の具体化、そして二つ目がそれを技術的に成立させていくための技術基盤の構築。すなわち、中間報告で述べた11の技術構成要素の研究開発の在り方について深堀をしております。特に後者では、いわゆるロードマップを作るということを目指しまして手順や実施主体を明らかにして、ここが大事な点なのですけれども、時系列上への展開を検討しています。具体的にその時系列上のいわゆるガントチャートのような図にはまだなっておりませんけれども、中間チェック・アンド・レビューを一応2020年、あと移行判断というものを2027年に行うことを想定しながら、そういった二つのマイルストーンをタイムライン上に置きまして、特に技術成立性の吟味を重ねております。
 この技術構成要素における課題、裏返せば目標というものを、現状、特に平成18年の推進方策で述べられてから、この8年間の進歩、進捗を土台にいたしまして、一つの考え方として実施主体、あるいはプラットフォームという一つの要素、課題という要素、問題意識という要素、この三つの要素からのパッケージの形で整理をしています。この一つのパッケージは一つのプロジェクトとして想定しているわけですけれども、例えば鉄鋼構造材料を例に取れば、鉄鋼材料の大型溶解が既に実施されているところでありますけれども、問題意識としましては、これをいかに安く最適に製造するかという手法がまだ確立されていないということがありますので、産業界を中心として大量製造技術の確立を課題としたプロジェクトが一つ立つ、こういった一つのパッケージというものに分解しながら、そのパッケージを組み合わせて大きな流れのロードマップにしていこうという考えでいます。
 このプロジェクト、今申し上げました幾つか、非常にたくさんプロジェクトがあるのですけれども、こういったプロジェクトの積み上げは決して1本道ではありません。ですので、主案と副案がある場合については、こういった作業部会等で議論していただきますように、コントラストをつけて示すとか、あるいはそのプロジェクト間、あとはそのほかの技術構成要素、そして一番大きなところでは炉設計自身との間のインタラクションというのがありますので、そういったインターフェースについても条件付けをしながら整理をしています。複雑な話なので趣旨だけを申し上げました。一つ目の柱で原型炉像の具体化につきましても、運転開始初日に最終目標が達成するわけでは決してございませんので、原型炉のミッションである核融合エネルギーの経済的見通しを示すことを最終的な目標として、原型炉自身を用いた開発展開の過程を示そうと考えております。
 こういったあたり、中間報告と大きな論点等が変わるわけではございませんけれども、中間報告以降いただいた意見を踏まえて技術的な、特に成立性についての深堀をしておりますので、よろしければ次回の作業部会に報告させていただければと考えております。
 以上です。
【小森主査】  ありがとうございました。
 ただいまの山田先生の報告につきまして、質問等何かございましたらお願いします。どうぞ。
【髙津委員】  どうもありがとうございました。非常にイメージが想定できて、良い方向に議論を進めていただけると思うのですけれども、二つコメントをさせていただきたいと思います。
 一つは、今、例で挙げられた鉄鋼材料のことで、私、割合イメージができるのですが、非常に細かいタスクのように印象として持ちました。鉄鋼材料、大きく製造技術の開発というのと構造基準ということ、材料基準を作っているという大きな目標が出口に向けてあると思うのですけれども、その大量製綱技術の一つのパッケージでロードマップの一部にはめ込むための、誰がいつまでに何をするかというのが、それが一つの何かくくりのように今受け取ったので、非常に細かいタスクのような気がするので、もう少し大きなくくりの方が適切ではないか。そのような区分けだと何千というパッケージになってしまって現実性が非常に理解しづらいのではないかというのが一つのコメントです。
 もう一つは、前回の中間報告で出された中にITERとかBAで成果が、しかるべきものが出るだろうという想定のもとに、その上に何をやらなければいけないかという視点が多かったと思うのですけれども、ITERとBAですら、BAはあと少しですけれども、ITERは特に必ずしも成功の道がきれいに見えているわけではないので、そこに我が国としてどう取り組んでいくかという視点での掘り下げというのもこのパッケージの中に入れていただけるような議論を今、していただいているという理解でよろしいでしょうか。
【小森主査】  どうぞ。
【山田科学官】  ありがとうございます。髙津委員のおっしゃるとおりで、一つの質問、議論をずっと積み重ねていきますと、合同コアチームの中でも共通認識が結構できてきて、こういったロードマップ的な図を描いていくと、かなり抽象的な粗視化というのが起こってきます。だから、大きくくくれるようになってくるのですね。その作業を実際進めている人たちというのは、その結構大きな粗視化したくくりの中身の具体が何であるかということは、作業を一緒にやっていますから分かっているのですが、それを外の方に見ていただくと、今までの通り、抽象的な一遍の当たり前のことが書いてあるのではないかと受け取られがちなのですね。ですので、どうしても作業上振れがあるので、今回につきましては、できる限り細かいところまで書き込む努力をしたいと考えております。
 その後、どういった粗視化をしていくかということについては、次の作業でありますので、そういったことについて少し脱線して申し訳ないのですけれども、非常に複雑なシステム、何千とおっしゃったように複雑なシステムなので、例えばバイオインフォマティクスの専門家の方のいろいろなネットワークの解析とか、いろいろ勉強させていただくような機会も合同コアチームで設けているような次第です。そういったことで今、あのことを多分言っているのだなということを髙津委員がちょうどおっしゃったように、皆さんが、ああ、ここで書いてあることはこういうことなのだなということが分かるような形になるべく具体的に整理していきたいと考えております。もちろん、力が及ばないところもありますので、全てを網羅できるというのではまだ決してありませんけれども。
 それと、ITERとBAにつきましても、今おっしゃったようにITERとBAは現行のプロジェクトとしてうまくいくものだという前提はあるのですが、このITERとBAで行われるべき課題についても、今申し上げました三つの実施主体、課題、問題意識というパッケージで分解し、同じように記述をしていくという方法で作業を進めております。
【髙津委員】  ありがとうございました。
【小森主査】  それでは、ほかにございますか。どうぞ。
【小川委員】  いろいろヘビーな仕事をこれからされるということで非常に頑張っていただきたいと思うのですけれども、その中で技術基盤を時系列上に落とし込むという話をされて、非常に良いことだと思います。そうすると時間スケールで何がどこに必要だと分かると思うのです。ところで、山田先生も御存知だと思いますが、その時系列的に落とし込んだ一つの事例として、フォーラムの方で岡野さんが委員長として進めたWBSの、さっきの1,000項目ぐらい、先ほど髙津委員がおっしゃったように非常に細かい話まで落としたものがあります。
 あれが一つの例だと思うのですけれども、あそこまで落とし込むのかどうかというのは基本的にはお任せしますけれども、知りたいのは、それと今回の結果というのはどこの部分が大体同じで、どこの部分がどの程度違うのか、つまり、今度はまた違う視点で、よりブラッシュアップした時点で精査されると思いますので、それとの比較みたいなのを少し頭の中に入れていただいて進めていただければと思います。
 もう1点が、あのときの検討については、人と金も一応は読んでいます。特に人については、いつの時点でどのくらいの人がどういう分野に必要かというのをそれなりにあの岡野さんの委員会でも一応は読んだのですけれども、今回はそこの部分まで読もうとされるのかどうか、その辺お伺いできればと。
【小森主査】  どうぞ。
【山田科学官】  岡野委員が実際合同コアチームで一緒に作業をされているので、岡野委員から御意見をいただいた方が。
【岡野委員】  あのWBSとの比較という視点はまだなかったと思います。それはコアチームの報告書ができてから時間を少しかけて比較すれば良いと思ってはいます。私はあのWBSは非常に細かいところまで書かれているけれども、実際に報告などでお見せする場合は上位項目だけお見せすることが多いわけです。しかし、その後ろに多くのバックデータがあることは非常に重要なので、WBSは細かいところまで考えておくことは役に立つ事だろうと思っています。
【小川委員】  今回、細かいところまでやるのかということだと思うのですね。
【岡野委員】  結構、議論の中では細かいところが出てきていると思うので、それは背景としては持っているということなのだと思います。WBSまで落とせるかどうか分からないですけれども。
【小川委員】  あと、人については。
【山田科学官】  WBSには必ずリソースローデットでないといけないというのは、これは裏腹で必要十分条件ですから、WBSに落とし込んだ時点でおっしゃったようなリソース、人と予算とのことは表裏一体でくっついてくるものだと思います。作業としてですね。
【小川委員】  くっついてくる。
【山田科学官】  はい。
【小森主査】  よろしいですか。では、笹尾先生。
【笹尾委員】  一つ質問ですが、パッケージの実施主体と課題、最後の問題意識というのがよく分からなかったということが一つ。
 もう一つの質問は、いろいろ課題をこれから検討していくときに、ある課題の達成度がこれくらいで、こっちの課題はもう少しいけそうだとか、そういうときに全体を見てフィードバックをかけ直すことがあると思うのですけれども、それはどれくらい頻繁にやろうとしているのか、あるいは常にそういうフィードバックをかけながらやるのか、その辺を知りたい。非常に細分化された作業グループのプロジェクトが並行して走り出すと、必ずしも全てが最適化された設計やロードマップができるとも限らないので、常に見直しが必要だと思うのですね。そのタイムスパンとか、やり方、それをどういうふうに考えておられるのか教えていただきたい。
【山田科学官】  一つ目の御質問、分かりにくくて申し訳ございませんでした。例えば中間チェック・アンド・レビューにおいて何が満足されていなければいけないかということが定義できますね。それに向かって何を現状から積み上げていかないといけないかというのがあります。そのためには、あるステップからあるステップに行くためには何々が満足できないといけないが、それについては何々ができていないとか、足りないとかという問題意識が生じますよね。
 今、鉄鋼材料を例に申し上げましたけれども、最適化された製造技術が確立されていないというような問題意識が例えばある。ブランケットとか、ダイバータあたりもいろいろ問題意識は当然あります。その問題意識に対して課題が立ちますよね。どうやって取り組むべきであるか。それとその実施主体というのを、その三つの項目をパッケージとしたものをプロジェクトと定義して、それを積み木といいますか、この時系列的に展開図を書いている。
【笹尾委員】  分かりました。少し分かってきました。課題という言葉と問題意識という、「意識」というのがやっぱり非常に主観的な意味を持つ言葉なので、ちょっと馴染まないなという気はしたのですけれども。
【山田科学官】  それは、言い換えれば、その次のステップへ行くための条件だと。
【笹尾委員】  そういうことですね。
【山田科学官】  満足すべき条件だということです。
【笹尾委員】  はい。分かりました。
【山田科学官】  二つ目のところは、まさに中間報告で指摘しましたPDCAのPlanとDoの部分は今までそれなりにあったのですけれども、Check and Actionの部分が欠けていたというのが問題であると指摘させていただいていて、合同コアチームがまだボランタリーな組織ですので、そういったチェックとアクションをどういうふうにフィードバックを有効にかけていくか。ロードマップも1回決めたら、それが結晶のように固まったものではありませんので、先生がおっしゃったようにうまくいく、いかないということを見ながらロードマップを見直していかないといけないというところがありますので、そういった仕組については十分、まさにこの作業部会で仕組を御議論いただきたいと思います。
【小森主査】  それでは、よろしいでしょうか。山田先生には次回、6月24日の本作業部会に中間報告を深堀したものを御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に移らせていただきます。本作業部会の見解の議論に移りたいと思います。まず、資料1-1、1-2につきまして事務局より御説明願います。
【中塚専門官】  御説明いたします。まず、資料1-1を御覧ください。部会として見解をまとめるに当たりまして、今後の核融合原型炉の基盤構築に向けて必要な体制のイメージをまず共有しておく必要があろうということで、合同コアチームの中間報告やこれまでの作業部会での議論からこのような体制が求められているのではないかというものを図にしてお示ししたものでございます。将来的にはこの部会で原型炉開発のロードマップ作成に向けた議論を進めていただくものと考えておりますが、その前段階といたしまして、これまでに示されている技術課題について、それぞれの取組状況を俯瞰的に把握するとともに、必要に応じて要素間の調整、全体戦略の最適化を図りながら戦略的に原型炉開発のための技術基盤を構築するということが求められております。
 原型炉開発技術基盤構築の中核的役割を担うチーム、いわゆる合同コアチームの活動がその第1歩として開始されたものと考えておりますけれども、このような取組を今後さらに発展させるためには、個々の要素技術に取り組む研究機関、JAEAをはじめ、NIFS、大学や企業等、関係する機関によるネットワークを通じてオールジャパン体制で取り組む必要がある。更には関連学協会とも広く連携しながら進められて、そのエッセンスがロードマップ作成や原型炉概念設計に組み込まれていく必要もあると思ってございます。こうした体制について、委員の皆様の共通の考え方を改めて確認をさせていただければと思い、資料1-1にその体制の在り方を整理させていただいております。
 また、資料1-2の方ですけれども、こちらは合同コアチームの中間報告を受けた本部会の見解の素案でございまして、江尻学術調査官を中心にまとめていただいたものです。次回、コアチームの報告を受けて追加、修正等入るかもしれませんが、まずは構成ですとか、基本的な方向性等について御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、まず、資料1-1につきまして御意見等何かございましたら、お願いいたします。どうぞ。
【尾崎委員】  私も合同コアチームの一員として議論に参画しているので、この絵は非常に良く分かると思うのですが、1点だけ細かいところでありまして、この原型炉概念設計というのを真ん中にどんと書いてあるのですけれども、トリチウムと理論と炉心プラズマはそこを線が通っているのですけれども、ほかのところが通っていないというふうに見えてしまうので。
 ただ、今までの議論から言うとやっぱり、合同コアチームというのが、その概念設計とは別に個々の技術課題に対していろいろな働きかけができるというダイレクトの線というのは必要だと思いますので、それは残しておいて、なおかつ原型炉の概念設計チームにおいても、それぞれの技術課題のいろいろな情報収集をして、概念設計とこの絵にあるように合同コアチームが双方向にいろいろな意見、情報交換をするというのが必要だということになるので、良い知恵は浮かばないのですけれども、例えば概念設計というのをその右側の学協会のような感じで左側に出してやって、線を全部それぞれの技術課題とまた引いてしまうと少し煩さになるのですけれども、何かそういうイメージの方が良いと思います。以上です。
【金子委員】  この原型炉概念設計というのは浮いているのではないですか、紙面から。
【尾崎委員】  3次元的に。
【坂本戦略官】  ありがとうございます。尾崎委員の御指摘、ものすごくありがたく、今、金子委員から我々の意図を明確に御説明いただいたとおりでございまして、これは浮いているという認識でございます。ここに書かせていただきましたのは、相互調整機能、原型炉開発に向けてコミュニティの活動を組織化していく、統合参謀本部的な機能が必要であるということ、それにそれぞれの要素技術の開発は当然つながっている。 ただ、この原型炉概念設計というのも一つの大きなテーマとして、それ自身、あるグループを形成して進めなければいけないタスクである。タスクであるのだけれども、少し違うレベルのタスクである。しかも、先ほどの統合参謀本部機能との間では、ほかの要素技術課題よりも違う、少し太めにこの双方向の矢印を書かせていただいていますけれども、要は統合参謀本部での総合調整機能の結果、集約されてきた最先端の課題、成果でありますとか、そういったものが集約され、かつそういったものの中で欠けている部分を統合参謀本部に対して訴える、そういう部分では特殊性を持っているだろうということで、浮いた存在として表現させていただきました。それがよく分かるような形で図を書き換えさせていただきたいと思います。
【尾崎委員】  すみません、3次元まではちょっと目が行かなかったです。
【小森主査】  どうもありがとうございます。
 ほかにございますか。どうぞ。
【小川委員】  この図のことということですが、今、戦略官からのお話で、合同コアチームというのは統合参謀本部だとおっしゃって、だから、ここが設計するわけではない。設計部隊として原型炉概念設計という部隊を作る。そのイメージは分かったのですけれども、ITERのときの類似性からするとEDAとかCDAの中央チーム、あれは設計チームですよね。そうすると、統合参謀本部的な合同コアチームはITERのときは何だったのか。この合同コアチーム、つまり参謀本部というのは、概念設計部隊とどういう位置付けでどう動くのかというのが、今までITERに限らずJT-60やLHDを含めて核融合分野で進めてきたプロジェクトのイメージからしたときに、この統合参謀本部がどういう位置付けでどうなるかというのが私にはまだちょっとよく分からないのですけれども。
【坂本戦略官】  ありがとうございます。今の点は、今後きちっと制度、仕組を設計していかなければいけないと思っておりますが、一つ、我々事務局がこれまでのこの作業部会での議論、あるいは合同コアチームの議論を勉強させていただいて、大事なことと理解しておりますのは、まず、オールジャパン体制で様々な要素技術開発、これはアカデミアの活動もありますし、実際に技術課題を解決するというミッション・オリエンテッドの活動もございます。そういったものを組織化するということと、原型炉の概念設計活動というのは、これは別に考えないといけないということ。これはとてもではないけれども、設計作業は設計作業として集中してやらなければいけない。
 それ以外に全体設計を進めていく上で一体どういう組織化が、あるいは成果のインテグレーションが必要なのかというのは、別のグループ、組織で行わないと、これを一体化させるとなかなか広がりが出ない。その広がりという意味は、要素技術をインテグレートする、あるいは組織化するという意味でどれだけ活動のスコープを広げられるか、あるいは更にこの横の学協会とのインタラクション、これは言うは易しで、実際これをオーガナイズしていくのは大変な努力が必要だと思います。ですから、そこは機能として分ける必要がある、独立した機能を持つべきではないかという問題提起がこれまでなされてきたのであろうと理解をしておりまして、そういうふうに書かせていただきました。ただ、それをどう作るのか、あるいはどう原型炉の設計グループと結び付けるのか、これは今後の課題だと思います。
【小川委員】  フィロソフィーは分かりました。
【小森主査】  どうぞ。
【牛草委員】  原型炉、実現可能で現実的な原型炉をともかく構成しようということで、例えばある条件はここまで落とさないと成立しないということがありますよね。それを例えば原型炉の概念設計をやるチームだけでは判断し切れない。総合的に判断しないと具体化できないようなことってあると思うのです。そういった意味では、戦略官がおっしゃるように、そういう総合的な見地から判断する別の主体があって原型炉の設計はこういう方向で行った方が良いのではないかというようなアドバイスなり、サジェスチョンなりするというのは合理的だと思います。
 さっきの件についての私の意見ですが、先ほど尾崎さんと少し議論をさせていただいたのですが、これまでJT-60もITERも設計というのは原子力機構、原研がやらせていただいたこともあって、我々は原型炉の設計の主導的な、主体的な役割を果たしたいと思っています。仮に例えば原子力機構なりが産業界に発注して、産業界と一緒に設計をやるというような活動をやる中に、例えば合同コアチームの先生方、あるいはほかの受注していないような産業界の方が大体、月1ぐらいで設計検討会議をやっているのですが、それをオールジャパンで一緒に検討していくような形ができればなというふうに、先ほど尾崎さんと議論をさせていただいたのですが、そういう形でなるべくいろいろな方の御意見なり、サジェスチョンなりが具体的な原型炉の設計に反映できるような仕組を何とか作れないかということを今少し原子力機構の中では検討しています。
【小森主査】  金子先生、どうぞ。
【金子委員】  LHDを作るとき、まず最初に概念設計は、これは原子力機構さんは入っていなかったですけれども、NIFSだけではなく全国の大学の先生が集まって検討したのですね。そのときにボランティアで申し訳なかったですが、重電メーカーさんにも入っていただいて、それでいわゆるブルーブックとかレッドブックというのが作られて、核融合研に実際予算が付いて建設に入るときは、今度は総合建設本部を設置し、そこでレッドブックなりに示された概念設計を基に実際の製作設計を検討したわけです。
 その下には、ここにあるような超伝導グループ、炉心プラズマグループ、加熱グループなどがあり、装置設計や開発研究も進めました。ですから、そういう意味ではオールジャパンで今回は原子力機構さんと大学と一緒になって、そういった設計をやるということ自体は可能だろうと思います。それから、先ほど戦略官がおっしゃった統合参謀本部ですか、そういったものもうまく考えればできないことはないのではないか、共通認識を高く持っているかということは重要なのですが、これは可能ではないかと思います。
【小川委員】  私も、基本的な発想は良いのですけれども、今までのプロジェクトとのシミラリティからはあんまり見えなかったので、どういう位置付けでこの戦略本部というのをやっていくのかというのがですね。
【金子委員】  それはこれからこの作業部会の場で議論することになるかと思います。
【小森主査】  どうぞ。
【髙津委員】  戦略官、いらっしゃらなくなったのですけれども、私が今理解しようとしていることを少し申します。プレイヤーがまず分からないのですけれども、例えば原型炉概念設計というのは、先ほど牛草委員が言ったように、原子力機構が中心になりつつ、NIFS、大学、それから、産業界から入って合同チームで原型炉概念設計を進めるという理解をしている。プレイヤーのイメージとしては、そういうふうに理解をしているのですけれども、その下のこの項目については、おそらく今山田先生から説明いただいたパッケージに基づいて、どのプレイヤーがどの課題を、例えば超伝導についてどの課題をどのプレイヤーが、いつまでに何をするかということが書き下されていくのだろうと。プレイヤーがそれで明らかになってくると理解しているのですけれども、そんな理解でよろしいのでしょうか。
 一方、上の参謀本部は、私のイメージではステークホルダーの代表が集まってきて、全体のかじ取りをする。そこの課題はデッドロックに乗り上げているから新たな解決法を見出せとか、原型炉の概念設計がややどちらかの方向に寄っているから修正しろとか、そういう全体のステアリングをするような集まりと思っているのですけれども、その参謀本部のイメージと下のプレイヤーのイメージは、そんな理解でよろしいのでしょうか。
【中塚専門官】  はい。まさにその参謀本部のイメージは今おっしゃったとおりでして、全体の調整をしていただくというところで、下のところはこれから書き込むというのか、これから書き込まないといけないところもあるかもしれませんし、既に個々の機関で取り組まれているようなこともあるでしょうから、そういった状況も把握しながら最終的に参謀本部のところで全体をならしてみて、ここが足りないとか、そういうことも言っていただくような仕組ができればということでございます。
【髙津委員】  そうすると、小川先生の話で行くと真ん中が共同設計チームみたいなもので、ジョイント・セントラルチームのようなもので、下にあるのが各国の研究所のイメージで、担当する研究所が下に入る。大学か研究機関が。上が理事会と言ったら言い過ぎかもしれませんが……。
【小川委員】  ITER Councilですか。
【髙津委員】  何かステアリングするボディというふうに今理解しようとしているのですけれども。
【小川委員】  LHDのときは上が学審でということですか。
【金子委員】  学審はそこまで関与しなかったと思います。ただ、そういう意向を受けながら研究所の中には総合建設本部ができて、そこで方向をきちっと、時々修正もしながら進めていたというのは事実であって、そういう全体を見るシステムは絶対必要です。
【小川委員】  そうですね。私は戦略官のイメージは統合参謀本部というからもっと、実際にこのコアチームがいろいろ分析しているから、もっと分析するチームなのかなという気がしたのですけどね。
【小森主査】  多分、そういうイメージだと思います。
【小川委員】  ですよね。ITER Councilぐらいのものではなくて。
【小森主査】  ですから、原型炉概念設計というところに……。
【髙津委員】  もっとワークするような。
【小川委員】  ワークする。
【小森主査】  日本全体の状況を把握し、例えば新しい技術ができたということを概念設計チームに伝える。逆に概念設計チームから、こういうものがあればもう少し進められるので、こういうものができるかといった問い合わせが来たら、それを大学とか原研さんに、パッケージを作って研究開発させる、そのようなことが戦略本部には求められている気がします。
 この機能も概念設計チームが持つことは難しいので、この部分は戦略本部に任せ、概念設計チームは概念設計に集中する。必要な情報は戦略本部からもらう。こういう技術があればなと思ったら、戦略本部に伝える。戦略本部はそれを全国に問いかけ、必要であればパッケージを作って研究を進める。何かそういう関係なのかなと私は理解しました。戦略本部は委員会と言えば委員会ですけれども、単に会議をするだけでなく、戦略機能を持ったところと考えれば良いと思います。
【小川委員】  ITERで言うなら、STACは諮問機関でしかないけれども、STAC的なああいういろいろな情報をコンパイルして、ITERはどうあるべきかをITERに対して、場合によっては設計変更にまで口を出すというのをICが直接下部機関として持っている。STACは下部機関ではなくて諮問機関でしかないけれども、そんなイメージなのですかね。
【岡野委員】  更に明らかにするためにお聞きしたいのですけれども、お金の流れはどうなるのですか。この合同コアチームがお金を全て握るのですか。それだったらコントロールできると思います。
【小森主査】  よく分かりませんが、そういうイメージが強いのではないかと思います。
【中塚専門官】  お金の話は今ここには入っていなくて、あくまで体制の話ということになっております。
【堀池委員】  いいですか。
【小森主査】  どうぞ。
【堀池委員】  この上の真ん中の四角のところは、多分、いろいろな企画立案機能が一番大事になってくると思うのですよ。ステークホルダーの集まりというよりは、日本全体としては何がどうなっていて、今現状の技術がどうなっていて、それをどういうふうに展開していくのかというのを議論して、こっちを向いて進みましょうとか、ここは足りないですとか、そういう機能かなと思うのです。
 そうすると、今回のプロジェクトでやっぱり一番難しいのは、国民の理解を得て、いみじくも今お金の話が出ましたけれども、どうやってこの税金を出していただけるかという、そういうことなので、そういうことも含めた一番難しい仕事がこの四角のところの総合戦略を担うチームの最も重要な仕事になるのではないかと思うのですね。そういう意味で言うと、会社さんで設計と会社の運営というのが一応分離されている、そういうイメージに近いような分離かなと思うのですけれども、それは尾崎さんに意見を聞いてみたいと思います。
【尾崎委員】  確かに実際の実務をやる部隊と、それから、それをもう一つ、別の観点からステアリングする部隊というのは必ずしも一緒ではない方が良いというのはありますので、先ほど戦略官のお話もありました、多分、概念設計自体も相当な労働になるので、その部隊がそういう全体、今、堀池先生がおっしゃったような国民の理解まで含めて、どうやってやるかという戦略を練ろうというと多分手に余ると思いますので、何らかのそういう役割分担というのはあった方が良いと思います。
【小森主査】  では、最後の一つ。
【疇地委員】  途中で参加していますので、前の方の議論を十分踏まえてはいないかもしれませんが、この原型炉開発の総合戦略チームにレーザーが入っておりません。それで、オールジャパン、オールコミュニティとして原型炉開発を行うのであれば、レーザーに関する、大阪大学だけではなくて、もっと幅広く企業も含めたところの活動をこの原型炉の設計ということの中に取り込むべきではないかと思います。
 レーザーの炉の形は確かに今想定されている原型炉とは異なったものなのですけれども、とはいえ共通点、最初の壁で負荷を受けるという共通点もありますので、第一壁問題でレーザーの研究者が原型炉開発で参加することはありますし、それから、これまでにもレーザーならではの、例えば位相共役鏡によるトムソン散乱レーザーの高出力化とか、非常に高温で使える焼結シンチレータとか、私どもの方で開発させていただいた技術がJAEA、NIFS、更にはITERの方にも技術トランスファーが行われている実績もありますので、ここのところには是非真の意味でのオールジャパンの体制でやっていったらどうかと、このように思います。
【小森主査】  ここの下に並んでいるところは、基本的に同じであれば、一緒にできると思います。ですから、それは良いと思います。ただ、原型炉概念設計のところはトカマクでということですので、我々もヘリカルをやってくださいとは言っていません。その辺はきちっと今までの議論を踏まえれば良いと思います。ヘリカルも下の方は共通していると思います。原型炉の設計は、今の段階ではトカマクで行くことに決まっています。それを中心に、プラスアルファとして考える分には良いと私は思います。
【江尻学術調査官】  すみません、一つだけ確認しておきたいことがあって、この図の合同コアチームと言っているのは、今の、この間、中間報告をした合同コアチームとは大分役割が違うようなのですけれども、これは全く別だと考えてよろしいですか。
【小森主査】  次の段階ですから全く別かどうか分かりませんけれども、全く同じではないでしょうね。次の段階の合同チームとしての役割ということで変わっていくと思います。名前が一緒でもですね。
 よろしいですか。それでは、体制図につきましてはここまでとさせていただきます。今御議論いただきました体制図につきまして、共通に認識したということで見解の方の取りまとめに移っていきたいと思います。資料1-2を御覧ください。資料1-2は、これまでの本部会での議論等を踏まえて作成した見解の素案になっています。最初からパラグラフ2までは、これまでの経緯を記載しています。パラグラフの3から当部会の見解を述べています。引き続きコアチームに検討いただく際の留意点として前々回、中間報告を発表いただいた際に委員の皆様から挙がりました御意見を並べています。
 2ページに入りまして、オールジャパン体制での取組が求められていることについても触れています。先ほど山田先生から次回の6月24日の作業部会で合同コアチームの報告を発表いただくというお話がありました。その御報告を受けて修正が入ることになるとは思いますが、とりあえず本日の時点での御意見を頂戴したいと考えています。当日配付となりましたので、目を通していただいて御意見をいただければと思います。よろしいでしょうか。それでは、目を通していただいて手を挙げていただきたいと思います。何か御意見がございましたらお願いします。どうぞ。
【髙津委員】  先ほどの質疑応答で主査がおっしゃったように、原型炉概念設計というのは、とりあえず我々が議論してきているのはトカマクだけというか、トカマクで原型炉をまず目指すということですので、そういう理解からすると、この紙の上から4パラで、「中間報告では、まず原型炉の概念について」からずらずらと書かれている引用のところは、当然、トカマクについて議論してきたことで、トカマク型の原型炉についてこういう目標が妥当だということが書かれていると理解するのですけれども、そういう点からすると、その後半、下の方に箇条書で幾つか書いてありますけれども、例えば一つ目で「技術的成立性についても厳しい吟味」が必要だというのは、先ほどの絵の8項目ですか、これをトカマクの原型炉ということを考えて技術的成立性というチェックをしろと、そういうふうな理解でよろしいのですね。
【小森主査】  と思います。私の理解では。この技術的成立性で、ぱっと浮かぶのは例えばダイバータの熱の問題とかですね。
【髙津委員】  そうですね。ほとんどもちろん共通なのですけれども、一部に若干違いがあったりするから、そこはヘリカルはヘリカルで原型炉を目指してやられるのだろうけれども、ここでのレビューはトカマクの原型炉について技術の成立性をちゃんとチェックしろと。
【小森主査】  そう思います。ヘリカルには、別な難しい問題もあると思いますが、それはまた別です。
【髙津委員】  それは別。
【小森主査】  はい。それは核融合研が検討すれば良いことで、全日本には入っていないと考えています。
【髙津委員】  一方、二つ目の「現行のプロジェクトの成果がいつ、どこまで見込めるのか」ということについては、端的に言えばLHDの成果が原型炉のトカマクの研究炉、当然、貢献するところがいっぱいあるので、そういうことも含めてチェックして、いつまでにトカマクの原型炉に向けて得られる知見が何であるかということをしっかり考えていけということでよろしいのですかね。
【小森主査】  そうですね。そう思います。
【髙津委員】  ありがとうございました。
【小森主査】  どうぞ。
【岡野委員】  最後の3行のところ、最後の「期待する」という主語は作業部会だと思うのですが、移行していくことを期待されている対象は誰なのかを書かれた方が良くはないでしょうか。主語も目的語もない文章のような気がするので、誰が要求されているかも分からないし、誰が要求したかも形式上は分からないですね。要求されているのはコアチームなのですか、あるいは核融合コミュニティ全体なのでしょうか。
【髙津委員】  コミュニティというふうに受け取ったのですけどね。
【岡野委員】  ということですか。いや、その点がはっきりしないなと思ったので申し上げました。
【笹尾委員】  その前のオールジャパン体制というのが。
【岡野委員】  ああ、だから、これがオールジャパン体制の何かが要求されているということですね。分かりました。
【髙津委員】  その中身はおそらくこの絵からすると、この統合本部で。
【岡野委員】  そちらだということなのですね。
【髙津委員】  さらにその下に合同コアチームというのがあるので、そこがかなりリーダーシップを取ってもらうというようなイメージなのかなと理解していたのですけれども。
【岡野委員】  そこをはっきりと書いた方がインパクトは強いような気がします。
【小森主査】  国民かもしれませんね。
【岡野委員】  それから、極めて枝葉末節なのですが、最初の2段落だけ体言止めのところが4点ばかりあって、なぜ後ろに「である」が付かないのか不思議なのですが。
【小森主査】  では、後で統一してもらうということで。
【金子委員】  岡野さんの今の発言の対象はやっぱりコミュニティですよね。しっかりやれということじゃないんですか。
【岡野委員】  もしも皆さんがそういうふうに改めて思われたなら、そこをしっかりと書いた方が良いと私は思います。
【金子委員】  作業部会がコミュニティに対してオールジャパン体制で取り組んでやれと。
【小森主査】  期待する。
【金子委員】  期待するということで。
【小森主査】  そうですね。ほかにございますか。
【髙津委員】  この紙は、クレジットは作業部会なのですね。部会の見解。
【小森主査】  これは作業部会の見解です。
 ほかにございましたら、もう少し時間がございますので。
【笹尾委員】  少し戻って申し訳ないのですが、このパワポで作られたものなのですけれども、こういう作業をする研究者が、ボランティアではなくてそれぞれ業務としてすることになる部分と、それから、大学などが、共同研究とか委託研究とか、そういうような形である種の契約を結んでその作業をする部分、その範囲において責任はある。それから、学会は多分、そういう意味では責任はない。あくまでもボランティアとしてコミュニティの意見、総意として活動するということになると思いますね。
 非常に気になるのは、この合同コアチームというのは、明らかに業務としてやる。それからもう一つ、具体的に設計活動をする。今、俯瞰的にという意見、3次元的という原型炉概念設計をする部隊、非常に具体的な作業をする部隊は、これも業務としてやるという理解で、整理すると三つのそれぞれの活動形態があるのではないかと思うのですね。そういう認識でこの体制を進めていくという、具体的にそれ、どういう契約を使うとか、そのチームをどこの所属にして何人ぐらいというのはまた別途やるとしても、概念としてはこの3種類の人の関わり方というので考えていてよろしいのでしょうかという、そういう質問なのですが。
【中塚専門官】  ありがとうございます。まさにそのあたりも明確にしておく必要があるということで、この図を出させていただいております。学会の立場ですとか、各大学あるいは研究機関でやっている開発の部分というのは、先ほどおっしゃったようなところで責任が明確になっているのですけれども、特に合同コアチーム、今のところボランタリーな形でやっていただいておりますので、そこは例えば作業部会の下にタスクフォースみたいな形で置くとか、そういう形で明確に位置付けをするということは必要になるかもしれませんし、その置き方についても今後御議論をいただきたいと思っております。
【笹尾委員】  そういう意味ではきっちりとした責任ある業務としてするチームというふうに思って、もちろん山田先生が今やっているのは無責任という意味では全くなくて、非常によくやってくださっているのですけれども、はっきりとした業務として、それ専門の仕事をする人ということで。
【中塚専門官】  なかなか専門にという形で置けるかどうかというところは、皆さん先生方、研究者の方ですので本務もございますし、あると思うのですけれども、少なくともボランタリーにやっている限りでは、おそらく学内で動くにも動きにくいこともあるでしょうし、ここが出した報告に対しての責任の所在が明確になるという意味でもきちんとした位置付けにする必要があると思っておりますので、また次回、引き続きこの点、御議論いただければと思います。
【小森主査】  ただ、認識としては、例えばNIFSの場合、山田先生と坂本先生が出ていますけれども、別にボランタリーというわけではなく、仕事として評価します。私は業務としてやっていただいていると思っています。核融合研の場合は、ほかの大きな組織のところも同じだと思いますが、論文だけを評価するのではなくて、装置を動かすことなども全て業務ですので、評価しています。このコアチームについても私は業務として評価しています。
【笹尾委員】  はい。
【岡野委員】  一つよろしいですか。
【小森主査】  どうぞ。
【岡野委員】  NIFSに関しては、こういうコアチームの活動などを業務と位置付けられると思うのですが、大学とか、メーカーさんとか、それから、電中研みたいなところ、つまり核融合が主ではない組織では、大きく時間を取られる場合に、そこを業務とするのは難しい場合もあると思うのですね。そういうところをどう取り組むかというのは考えておいた方が良いような気がします。移籍してもらうとかいうことまでやらないとできないかもしれないですね。特にメーカーさんが入ってもらうのは、そうだと思う。
【小森主査】  発注するかですね。
【金子委員】  メーカーさんに発注しないと駄目ですよね。
【岡野委員】  発注で良いのかは分からない。そこは議論した方が良いですね。
【金子委員】  そうすると、電中研みたいなところは委託で何かお願いするということになるのですか。
【岡野委員】  今できるとしたら、考えられるのはそれですよね。あるいは僕は何となくこれはIFERCの国際チームのイメージを持っていたのですけれども、IFERCは私も半分移籍してやっていました。そんなこともあり得るかもしれないですよね。それはメーカーさんでも同じだと思います。それは発注ではなくて人件費を出すということになりますよね。
【金子委員】  そうですよね。
【小森主査】  ほかにございますか。どうぞ。
【江尻学術調査官】  最後から5行目の政府のリーダーシップを期待するというのは、この先は作業部会が政府に対して何かしてくれることを期待しているという、そういう。
【小森主査】  そうですね。主語が作業部会ですから。
【江尻学術調査官】  だから、そこの中にさっきの組織をどうするかといったことが含まれ得ると。
【小森主査】  先ほど御質問があった、予算をどうするかということも含めてだと思いますね。
【江尻学術調査官】  はい。分かりました。
【小森主査】  よろしいですか。それでは、特にないようでしたら、この辺で議論を切らせていただきます。今の皆さんの御意見を踏まえまして修正案を作成したいと思います。次回までの流れにつきまして事務局より御説明をお願いします。
【中塚専門官】  本日いただきました御意見を踏まえまして、事務局で修正案を作成し、次の作業部会までに委員の先生方にメールでお送りしたいと考えておりますので、事前にお目通しいただき、次回の議論に臨んでいただければと思います。
【小森主査】  ありがとうございました。
 それでは、本日予定していた議題は以上です。その他としまして事務局から御連絡があるということですので、お願いいたします。
【中塚専門官】  前回の作業部会の会議資料のことになるのですけれども、通常、この会議の資料は全てホームページに掲載されてございます。ただ、前回5名の先生から個人的見解として御発表いただいたということがございますので、議事録は既に皆様に御確認をいただいてホームページ上に公開しておりますけれども、この会議資料の方、個人的見解として出していただきましたけれども、同様に公開をさせていただいて良いか、あるいはあくまで個人的見解なのでホームページ上への記載は議事録の公開にとどめて、資料は掲載しないということにした方が良いのかというところを、前回本当は確認させていただくべきところだったのですけれども、念のために確認をさせていただければと思います。
 二宮プラズマ・核融合学会長は本日御出席いただいておりませんので、事前に確認をさせていただいたところ、特に公開をしても差し支えないとお答えをいただいております。ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
【岡野委員】  私は大丈夫だと思っていますけれども。
【牛草委員】  私も大丈夫だと思います。
【小川委員】  大丈夫だと思います。
【金子委員】  私も結構です。
【中塚専門官】  はい。そうしましたら、前回の会議資料は全てホームページに掲載させていただくということにしたいと思います。
 以上でございます。
【小森主査】  その他、何かございますか。それでは、次回の予定につきまして事務局からお願いいたします。
【中塚専門官】  次回、6月24日に開催を予定しております。修正案を引き続き御議論をいただきたいと思ってございます。先ほど申し上げましたとおり、事前に修正案をお送りいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【小森主査】  それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。

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