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原子力科学技術委員会(第10回) 議事録

1.日時

平成26年1月21日(火曜日)13時30分~15時30分

2.場所

文部科学省 16F1会議室

3.議題

  1. もんじゅ研究計画について
  2. 群分離・核変換技術評価について(中間的なとりまとめ)
  3. 研究課題の中間評価及び事後評価について
  4. その他

4.議事録

【田中主査】  それでは、定刻より少し前ですけれども、皆さんそろっていますので、ただいまから第10回原子力科学技術委員会を開催したいと思います。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。まず初めに、田中審議官の方から御挨拶を頂けたらと思います。
 よろしくお願いします。
【田中審議官】  本日は、御多忙のところ、原子力科学技術委員会に御出席を賜りまして本当にありがとうございます。
 皆さん御承知のように、2011年3月11日に発生いたしました東京電力福島第一原子力発電所の事故から、既に、発生してもうすぐ3年という時期になってきておりますけれども、まだまだ汚染水対策は抜本的な解決まで至っておりませんし、また廃炉に向けた作業も、4号機から使用済燃料の一部がようやく取り出せるような段階になったということでございまして、今後、廃炉・汚染水対策についても、内外の英知を結集して長期にわたって取り組んでいかなければいけないという時期にございます。そういう意味では、この原子力科学技術の研究開発を推進していくということが、こういった廃炉・汚染水対策に対してよりすぐれた解決策を提案していくということにもなると考えております。また、高いレベルの技術や人材の維持というような面からも大変重要であろうと認識しているところでございます。
 本日の議題といたしましては、各部会が取りまとめたものとしまして、「もんじゅ」の研究計画、及び、群分離・核変換技術評価について報告をさせていただきます。その後、原子力システム研究開発事業、及び原子力人材育成プログラムの評価を、議題としてお願いしております。
 「もんじゅ」につきましては、これも皆様方よく御承知と思いますけれども、一昨年の大量の点検漏れが発覚して、原子力機構全体に対する信頼感が大きく損なわれたということもございまして、昨年、原子力規制委員会からも措置命令が出されたところでございます。私ども文科省もこの事態を非常に重大だと受け止めまして、昨年、大臣ヘッドで本部を設けて、原子力機構の改革の方針を出しまして、その後、原子力機構自身も、10月1日から集中改革期間ということで、特に「もんじゅ」を中心としてもう一度信頼を回復するための様々な取組を現在進めているところでございます。
 まだまだ原子力機構に対する目は厳しくございますし、まだ改革も緒についた段階ではございますけれども、世の中全体やはり原子力に対する厳しい目も意識しながら、きちっと進めるべきことは進めていくということでやっていきたいと思うわけでございます。
 これまた御承知のとおりだと思いますが、エネルギーの基本を定めるエネルギー基本計画につきましては、昨年12月に総合資源エネルギー調査会が意見を取りまとめてございまして、現在、閣議決定に向けて政府部内で様々な検討が進められているところでございます。このエネルギー基本計画の中でも、当然、「もんじゅ」については明確に位置付けられているところでございます。私ども文部科学省といたしましては、エネルギー基本計画に定められますいろいろな施策について、平成26年度においても研究開発あるいは人材育成に必要な予算を計上し、しっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
 田中主査をはじめとします委員の皆様方におかれましては、本委員会の御審議を通じて引き続き御指導、御協力をお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
【田中主査】  どうもありがとうございました。
 本日の議題は、お手元の議事次第に書いていますし、また、今、田中審議官からも挨拶の中で触れられてございましたが、まず初めに、「もんじゅ」の研究計画、群分離・核変換技術評価について、部会での検討について御報告いただくことと、それから三つ目でございますが、研究課題の中間評価と事後評価ということで議論していただきまして、2月末に予定されています、この上の委員会に報告することの準備もしていただくということでございます。
 最初に、事務局の方から出欠と配付資料の確認をお願いいたします。
【石川原子力課長補佐】  それでは、私の方から配付資料の確認等を行わせていただきたいと思います。
 本日は14人中11名の委員に御出席いただいたということで、定足数の過半数を満たしております。
 配付資料でございますが、机上にございます議事次第に基づきまして、簡単に確認させていただきたいと思います。まず、資料1-1としまして、「『もんじゅ研究計画』について(概要)」というA4横の概要資料でございます。資料2-1といたしまして、「群分離・核変換技術評価について(中間的なとりまとめ)」というA4横の説明資料でございます。資料3-1といたしまして、「原子力科学技術関係の、原子力安全確保等に係る基礎基盤研究・人材育成」という簡単な概要紙でございます。資料3-2といたしまして、本日の評価の対象になってございます「原子力システム研究開発事業の中間評価結果(案)」と、資料3-2の後ろに、原子力システム研究開発事業の資料集ということで参考データを配付させていただいているかと思います。もう一つ、「原子力人材育成プログラムの事後評価結果(案)」という資料3-3と、同様に、人材育成プログラムに関連します資料集、データ集ということで配付させていただいております。資料4-1といたしまして、A4横の1枚の紙でございますけれども、「文部科学省における原子力予算の全体像」ということで、予算資料を入れさせていただいております。最後に、参考資料1といたしまして、「研究計画・評価分科会における評価の実施について」ということで配付させていただいております。
 乱丁、落丁等、過不足ございましたら、事務局までお伝えいただければと思います。
 以上でございます。
【田中主査】  ありがとうございました。
 もし不足等あれば、いつでも言っていただければと思います。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。事務局で各々の議題につきまして資料を用意いただいておりますので、それぞれ説明いただいた後、質疑・議論を行いたいと思います。なお、議題ごとに質疑応答の時間を設けて進みたいと思いますので、よろしくお願いします。
 初めに、議題(1)として、もんじゅ研究計画作業部会で取りまとめた「もんじゅ研究計画」について、説明をお願いします。当初は、作業部会主査を務められた山名委員から報告していただく予定でしたが、本日、急遽欠席ということでございますので、西條室長の方から御説明をお願いいたします。
【西條核燃料サイクル室長】  核燃料サイクル室長の西條でございます。もんじゅ研究計画作業部会の主査を務めていただきました山名先生ですが、本日、御欠席ということで、本部会事務局の私の方から概要について御説明させていただきたいと思います。
 それでは、今お手元にございます資料1-1「『もんじゅ研究計画』について(概要)」に沿って簡単に御説明させていただきたいと思います。「もんじゅ研究計画」そのものにつきましては、参考資料も入れた冊子を先生方の机上に配付しておりますので、適宜参照していただければと思います。
 それでは資料1-1、最初のページを開いていただきまして、まず、「もんじゅ研究計画」の位置付けでございます。最初の矢羽に書いてありますように、高速増殖炉サイクルを含む核燃料サイクルに係る研究開発の一翼を担う「もんじゅ」の役割・位置付けについて、特に技術的な観点からの再整理が必要との認識の下で、この原子力科学技術委員会の下にある「もんじゅ研究計画作業部会」を一昨年の10月10日に設置させていただきまして、山名先生を主査とした上で、山名先生を含めて9名の、若手を含む有識者の先生、本日御出席いただいております村上委員、山口委員にも参加いただきまして、取りまとめたものでございます。
 これは、新たなエネルギー政策の議論の状況を見据えつつ検討ということで、一昨年の10月から議論をスタートいたしまして、一昨年の12月に中間取りまとめをした上で、昨年の9月25日の第12回の会合において、これまでの検討結果として、国内外の状況を踏まえた、「もんじゅ」等を用いた研究開発によって、いつまでにどのような成果が得られるのかという点について、技術的な観点(技術的優先度や重要度)から整理して、研究計画として取りまとめたものでございます。
 本件につきましては、昨年の10月16日に経産省の総合資源エネルギー調査会におきまして、エネルギー政策の議論における検討材料として提示させていただいております。その結果、先ほど審議官からも言及がありましたけれども、12月13日に「エネルギー基本計画に対する意見」というものを総合資源エネルギー調査会の方でまとめていただいた際、下の括弧で書いてあるような形で「もんじゅ」についても記載がなされているという状況でございます。
 今後、総合資源エネルギー調査会の意見を基に取りまとめが予定されております「エネルギー基本計画」の中で、更に「もんじゅ」の位置付けの明確化を図るということを考えてございます。
 それでは、2ページ目に移っていただきまして、計画の前提となります高速増殖炉/高速炉技術保有の今日的な意義については本体の方の最初の章でまとめさせていただいておりますが、まず一つは、国内、特に政策上の視点ということから、エネルギー安全保障・廃棄物対策の観点から、将来世代の選択肢を確保すること、狭めないことが重要だということで、このためにも科学的なデータを提供することが重要ということで、二つ視点を入れております。
 一つは、ウラン資源の有効利用という、将来の多様かつ持続的なエネルギーオプションの確保という視点。もう一つが、環境負荷低減ということになりますが、将来の放射性廃棄物の処分に対する有効な技術オプションの確保、つまり、下の右側の図のようになります廃棄物の有害度、発生量を低減できるといった技術のオプションの確保という観点から、この今日的な意義は引き続き持ち続けているというものでございます。
 それからまた、国際的な視点から見たということで、下の矢羽になりますが、核不拡散への影響、それから原子力開発体制への影響、さらに、特に中国、インドといった周辺の国々がFBR、高速増殖炉の開発を加速する中で、特に国際社会における我が国の発言力確保の観点からも、高速炉を含む高度な核燃料サイクル技術の確保が重要だということをまとめさせていただいております。
 3ページに移りまして、その中で特に、実在するプラントとして、世界における「もんじゅ」の位置付けとはどういうものかということでございます。四角の中に二つ書いてございますけれども、一つは世界的に数少ない現存する高速増殖原型炉です。高速増殖原型炉という意味では、下にありますロシアの原型炉、BN-600、これはもう30年以上動いておりますけれども、こういったものとインドに2014年から運転開始をしようとしているものがございますけれども、こういった炉が少ない中で国際研究拠点として位置付けられる国際協力の場として活用すべきではないかという点です。
 もう一つが、廃棄物の減容化技術等に関する実規模レベルでの照射が可能な先進国唯一の照射場という点です。こういった「もんじゅ」の位置付け、世界における実在するプラントとしての位置付けを報告書の中で記載させていただいております。
 その下には、参考情報といたしまして、もう細かい御説明は省きますけれども、特に世界の高速炉開発状況については、二つの視点がございます。一つは、エネルギーセキュリティの観点から増殖を志向しているようなロシア、中国、インド、これから人口などが増えていくような国ではそういった志向をして開発を進めているところ。それから、フランスのようにフェニックス、スーパーフェニックスによる開発を行って増殖技術を習得した上で、今後、廃棄物対策中心として新たなASTRIDという炉を2025年頃に造りたいというような活動をされているということが、世界の状況でございます。
 次に、4ページに参りまして、「もんじゅ」で目指す研究開発分野とその評価の在り方ということであります。本体の方では第3章のところで、「もんじゅ」の目指すべき研究開発分野と、それについていつまでに何ができるのかといったことを詳細に計画としてまとめさせていただいております。「もんじゅ」で目指す研究開発分野は、中間まとめでも方向性を出させていただきましたが、丸1 として、高速増殖炉の成果の取りまとめを目指した研究開発、もう一つが、廃棄物の減容及び有害度の低減を目指した研究開発、そして、こういった丸1 、丸2 を支えるようなものとしての高速増殖炉/高速炉の安全性強化を目指した研究開発の3本柱に整理をしております。
 下の図でいきますと、左側に研究開発分野の3本柱というような形で書いてございます。一つ目の、成果の取りまとめを目指した研究開発でございますが、これは高速増殖炉開発において重要な技術かどうか、あるいは「もんじゅ」でなければ開発できない技術かどうかという観点で整理をした上で、真に必要な技術を絞り込んで、いつまでにどういったものができるかということの整理をさせていただいております。
 次に、廃棄物の減容及び有害度の低減を目指した研究開発は、高速増殖炉/高速炉システムによる環境負荷低減、廃棄物の減容・有害度の低減にこれが有効に働くかの確認を行うために最低限必要な技術について、従来知見との充足関係を整理しています。「常陽」でいろいろとやっているところもございますけれども、実規模、ピンレベルでできるという意味では「もんじゅ」でございますので、そういったものについてどこまでどういったことができるのかという整理をさせていただいております。
 それから、それを支えるものとして、高速増殖炉/高速炉の国内のみならず国際的な安全基準の策定に必要な安全性強化を目指した研究開発という形で整理をさせていただいております。
 二つ目の矢羽にありますのは、正にこの評価ということでございます。本件につきましては部会の中でも議論がありましたが、特に技術的な観点からは、長く運転をすればするほどデータがとれるということではありますが、これまでの状況を踏まえると、一定の区切りを作って進めることが必要であろうといった議論がございまして、ここに書いてありますように、高速増殖炉プラントとして最低限必要な技術を習得できる、ここでは5サイクル、6年程度を成果の取りまとめ時期として定めて、その時点での技術達成度、それからコスト、特に代替の措置と比較した上でのコストということになりますが、その後の、例えば「もんじゅ」を使い続ける、もしくは違う方法でやるというところのコスト比較もした上で、さらに、それを安全性の観点からも評価した上で、その時点でのエネルギー政策上の位置付けや国際情勢も勘案して、研究継続の可否を判断していくということでございます。
 下の図にありますけれども、高速増殖炉の成果の取りまとめを目指した研究開発につきましては、例えば5サイクルというところですが、「もんじゅ」は燃料を200体入れる形になっておりまして、一応50体ずつローテーションで、1サイクルごと。このサイクルというのは、4か月運転して、8か月はその結果の取りまとめや点検をしていくというサイクルで、1サイクル約1年と考えて結構ですが、これで50体ずつ入れ換えていきますので、4サイクルで1回目の1周となり、2から5サイクル回すと定格運転の初期炉心という形のデータがとれるということになります。最初の2年程度は性能試験ということで、まず100%に持っていくということになりますが、炉心を全て入れ換えるという観点で、最初の2年程度の性能試験、それからそれ以降の2サイクルから5サイクルの4年程度、合わせて6年という形で、今回、こういった時点での成果の取りまとめというものを定めさせていただいております。
 特に、一つの高速増殖炉の成果の取りまとめのところで申し上げますと、こういうものを通じて、発電システムとしての成立性の確認や信頼性、最初の部分での例えばトラブル等についての信頼性の確認ができるのではないか。また、廃棄物の減容など有害度の低減のところに関しましては、アメリシウムを含む初期炉心の燃焼特性の確認や、いわゆるアクチニドサイクルの実証としての、アメリシウムのみならずネプツニウムなども含んだものも照射することができるので、そこの有効性の確認ができるのではないかということで、約6年、5サイクル終了時点ということを一つの成果の取りまとめの指標とさせていただいています。
 もちろん、最初に性能試験で100%までいくのに2年間あります。まずはこの時点でしっかりと中間評価を行いまして、肯定ありきではなく、そういったものを踏まえながらまた更に計画の見直しについても行っていくべきという御意見もありまして、それについても今回の報告書の中で記載させていただいております。
 次、5ページでございます。もう1点、非常に重要な点として、世界における位置付けにおいて、数少ない原型炉という国際研究拠点であること、また、実規模レベルで照射が可能な場であるということで、今までも行ってきてはおりますが、これからは特に国際協力を重視していくべきだという点があります。それについて、開発リード国としての国際貢献、それから、1か国だけで行うよりは多国間で協力することによってコストの削減やリスク分散等にも資するといったものを基本方針としながら、大きく分けて三つの層で研究開発、国際協力をやっていくということになります。
 一番上にありますのは、正に2国間協力の強化ということで、具体的なプロジェクトを各国、例えば米仏露などになりますけれども、個別の研究課題についてより深く協力をするという部分。それから二つ目、丸2 になりますが、第4世代の原子力システム国際フォーラムといった、将来の炉について関心のある国々でつくっているマルチの場で、多国間の協力を通じて、特に高速炉の安全性向上とか国際基準策定というようなものについての貢献をする、その研究開発の場。そして、もう一つ、一番下にありますけれども、更に広くIAEAの枠組みなどを活用した国際協力ということで、より広く高速炉開発に係る基盤的なデータを共有していくことによって、世界各国と「もんじゅ」をうまく活用した形で情報共有を図っていこうと。こういった三つに層を分けて、研究開発、国際協力をやっていこうということでございます。
 最後、6ページになりますけれども、研究開発プログラムの着実な推進を支える体制・仕組みということで、この計画そのものを進めていく上で重要な視点を最後の章で書かせていただいております。
 一つが、研究開発体制の在り方ということでございます。一番上の箱になりますけれども、研究開発・運転管理体制の在り方につきましては、以前御説明させていただいておりますけれども、一昨年の11月に「もんじゅ」における点検不備がございまして、それに端を発して昨年の5月に措置命令が出されたことを受け、「もんじゅ」を含め機構全体としての改革をしております。いわゆる「もんじゅ」の運転管理体制につきましてはそこで議論をしておりますが、その前段として、もんじゅ研究計画作業部会でも6月12日の第9回部会におきまして、保守管理の不備を踏まえた体制の在り方を御議論いただきました。
 その中で、ここに三つの視点とありますけれども、運転・保守管理と研究開発のバランスの視点や、民間電力並みの安全管理体制の構築の視点、それからJAEA職員の規律改善の視点、こういったものを議論いただきまして、これにつきましては主査の方から機構改革のタスクフォースにも報告をさせていただいて、「改革の基本的な方向」にも反映させていただいております。
 その旨、この報告書の中でも記載させていただくとともに、さらに、「改革の基本的方向」は、どちらかといいますと運転管理、保守管理のところに着目しておりましたが、その体制のみならず、やはり研究開発。ここに書いてあります丸1 の「運転・保守管理の研究開発のバランスの視点」と、この部会においては研究という視点で見ていただきましたので、そういった体制についてもこの計画を着実に実施できるよう、柔軟性かつ実効性、機動性を持った全体の体制を構築すべきというような、そういった視点での体制についても記載させていただいております。
 それから、人材育成・確保と技術継承でございますけれども、特にJAEAが自主的に「もんじゅ」を運転できる人材を育成・確保していく場としての「もんじゅ」があるということで、その際には、現場力、自ら考えて行動のできる人材を有して、主体的な改善提案ができる人材の育成が必要だということについて記載されてございます。
 もう一つの視点ですが、研究開発プログラムの実施に不可欠な取組として、大きく2点、取り上げさせていただいております。一つは、リスクコミュニケーションとリスクマネジメントの充実ということでございます。研究開発段階炉という特殊性を踏まえますと、今後発生し得るトラブルについて研究開発を行っていく上ではトラブルも出てくるのでしょうけれども、それを事前に十分分析して、トラブルが発生してもしっかりと対応できる取組、正にリスクマネジメントをしっかり行うとともに、その可能性をあらかじめ積極的、対外的に説明をするということがございます。
 何も起きないという態度でなくて、起こり得ること、さらに、それに対する備えを日頃から丁寧に説明していくというリスクコミュニケーションを、特に地元の方々が中心になりますけれども、しっかりと図ることで、研究開発を着実に推進できる環境、何か起こったときにすぐ止まってしまうという状況にならないような取組をしっかり行うということについて、御意見を頂いたものをまとめさせていただいております。
 それから、最後には、地元住民をはじめとする国民との信頼関係の構築ということです。もちろん原子力活動の推進には地元の住民をはじめとする国民の理解と協力が不可欠であるということで、日々の活動として、トラブルがあったときのみならず平常時から、施設の安全性や研究開発の成果についてもしっかりと積極的に情報発信を行って、活動の透明性を高めることが重要であります。ただ、その大前提となるのが、まずは機関として信頼されているかというところでございますので、ここにつきましては、正に点検漏れによってこれを著しく失墜しているという状況を踏まえて、まずはJAEAが信頼される組織となるために、役職員1人1人が不退転の覚悟で改革をしっかりと進めていくべきだということを、ここに記載させていただいております。
 足早でございますが、「もんじゅ研究計画」全体の御説明は以上でございます。
【田中主査】  ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関しまして、御質問等あればお願いいたしたく、何かございますでしょうか。
 村上委員と山口委員はこのメンバーだったと思いますが、何か補足はありますか。
【山口委員】  そうですね、今御説明していただいたところで十分に内容は尽きているとは思いますが、実はこの検討会の途中で国際セミナー、シンポジウムを開催しまして、やはり「もんじゅ」の意義や、「もんじゅ」からどういう成果が出るのかということを、インド、韓国、中国等で、目的やその意義について共有して、国際的にも、「もんじゅ」の役割や、運転してどういうミッションを果たしていくかということについては、しっかりしたコンセンサスが得られたという印象を私の方で付け加えさせていただきたいと思います。
【田中主査】  ありがとうございます。他にはありますか。
【海老塚委員】  「もんじゅ」の今の位置付けや重要性ということは十分に認識をしております。最後に体制や仕組みの話もありましたので、よくまとめていただいていると思います。その中の4ページの評価の在り方というところで、2年程度で中間評価、それから4年程度で全体評価をして、ホールドポイントを設けてその時点で研究の継続を判断するとあります。これは正に必要なことだと思うのですけれども、全体として中長期的にしっかり運転をしながら確認をしていくということをある程度前提として進めていかないと、人材の確保や技術の伝承、しっかりした体制の構築ということは非常に難しいと思います。そういう覚悟を持った上で、研究開発の体制あるいは運転・保守管理体制なども構築していただき、しっかり進めていただきたいと思います。
 以上です。
【田中主査】  ありがとうございます。 はい、どうぞ。
【久米委員】  この評価の在り方その他について特に意見はございませんが、我々事業者の立場として、「もんじゅ」の運転再開に向けて、これまでにもいろいろと派遣して協力をさせていただいていますけれども、今回も新たに派遣をさせていただいて、「もんじゅ」が運転できるように御協力をさせていただきたいと思っております。今後ともしっかり支援をさせていただきたいと思っておりますけれども、そういった意味で、今、海老塚委員のお話もございましたとおり、やはり、しっかり運転していくということが大切だと思いますので、是非、文科省の方にもバックアップをしていただければと思います。以上です。
【田中主査】  ありがとうございます。 はい、どうぞ。
【中西委員】  話を伺いまして、意義などは非常によくわかったのですが、良いことばかり書いてあるようにも見受けられます。不足している面や、リスクのこと、さらにそれもきちんとしていくなどというところもきちんと書いていただければいいと思いました。
【田中主査】  ありがとうございます。
【西條核燃料サイクル室長】  今、先生の御指摘があったところでございますけれども、概要をまとめたところは意義という形で書かせていただいておりますが、本体の方ですと、最初に、第2章として、「もんじゅ」を取り巻く現状認識というところを今回割と詳細に書かせていただきまして、「国内外の高速増殖炉/高速炉を取り巻く現状と動向」、5ページから国内、国外の状況を書かせていただきました。その中で特に6ページの「国内の状況」のところで、「もんじゅ」につきまして、特に、ナトリウム漏れの事故があったということや、14年半ぶりの運転再開の後にまた炉内中継装置を落としてしまっている現状など、逆に言うと、「もんじゅ」がこういったトラブルになっていることが全体の研究開発、正に高速炉の研究開発を遅らせてしまっているという事実はしっかりと受け止めて、その上で今日的な意味も考えてどうしていくかという議論はさせていただいております。
【中西委員】  わかりました。
【田中主査】  ありがとうございます。 服部委員、お願いします。
【服部委員】  事実関係といいますか、これだけ確認したいと思いまして。「もんじゅ」の計画が9月にまとめられて、原子力委員会が去年の12月24日に見解を出されておりますけれども、その中身を見ましたら、組織、体制については相当厳しく書き込まれているのですけれども、技術的な内容についてはほとんどコメントがないような感じで書かれております。この辺はきっちりフォローされるということを前提としての、今日の説明であると受け取ってよろしいでしょうか。
【西條核燃料サイクル室長】  原子力委員会に関しましては、本委員会とちょっと順番が逆になっており大変申し訳ないのですけれども、今回、「もんじゅ研究計画」がまとまった時点で原子力委員会の方に御報告させていただいております。その際に、近藤委員長をはじめ委員の方々から、こういった点もしっかり考えてやってほしいと、その体制も含めて非常に厳しい意見も頂いております。もちろんそういったものを踏まえてこの計画をきっちりと進めていくということを文科省としても考えておりますが、その大前提として、机上に配付させていただいております「『もんじゅ』当面の重要課題の全体像」というものを書かせていただいております。
 正にその体制の見直し、特に三つの視点で非常に重要なところとして、一つは、その体制を含めたJAEAの抜本改革を行っていくという体制の問題。それから、エネルギー政策、正に今回の「もんじゅ研究計画」を踏まえた総合資源エネルギー調査会の取りまとめ、それからエネルギー基本計画、そういった政策上の位置付けをどうしていくのかという視点。それから、もう一つ、一番大きくなるのでしょうけれども、「もんじゅ」における原子力規制委員会の対応ということで、破砕帯の話、それから今回の保守管理の不備の話、これは体制等にもつながります。それから、新規制基準対応ということで、この計画を進めていく上でも、まずはこういったものを全部しっかりとクリアした上でステップを踏んでいかなくてはいけないという状況がございますので、その辺につきましてはしっかりと我々の方もフォロー、それから、予算や体制強化の部分で文科省としても前面に立っていかなくてはいけないと考えてございます。
【田中主査】  よろしいですか。 伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  拝見させていただいて、意義は本当によく分かったのですけれども、ただ、現状で一般の方がどう思うかというところをやはり非常に感じるところがありまして。
 今、安倍政権の下で、原子力発電所に関しては、今すぐは難しいけれども中長期的にはもう減らしていく方向であると明言をされていて、多分、多くの国民がそのように感じていると思うんですね。そうした中で、では「もんじゅ」の位置付けはどうなるのかと考えたときに、増殖炉としての役割を本当に求めていくのか、それを理解しろというのが非常に難しいのかなというのが、素人の率直な意見なのですね。
 ただ、廃棄物の減容を目的にしたということであれば、これは国民の課題でもあるので、ここが前面に出てくるのであれば、ああそうかな、考えてみようかなという気にはなるのですけれども、ここまでも本当にトラブル続きで、長い時間をかけて成果があまり国民にも伝わってきていないという中で、増殖ということを第一義的に出してくるというのが、ちょっとどうなのだろうか、受け入れられるのだろうかという気持ちがあるのですね。
 フランス、アメリカも、放射性廃棄物対策を主眼としたものということで捉えているのであれば、どちらかというとそちらの方を全面的に出していく方がまだ理解が得られるのかなという、素人ながらの一般的な感想を述べさせていただきました。
【田中主査】  ありがとうございます。あと、よろしいでしょうか。村上委員、お願いします。
【村上委員】  先ほどの伊藤委員の御指摘に対して、今日、山名先生はいらっしゃいませんが、事務局の西條室長とか、何かおっしゃりたいことはないですか。
 では、どうしましょう、私がその前に言いましょうか……。
【西條核燃料サイクル室長】  先生、どうぞ。
【村上委員】  失礼いたしました。では私の方から。
 皆様の、先生方の御意見を聞いておりまして、もんじゅ研究計画作業部会に参加しておりました方から、私は本来なら被告席に立たなければならないですよね、多分。いくら山名先生が取りまとめられたとはいえ、私も加担した一人でございますから。ですが、特に産業界のお二人の委員の方からの御指摘の中に、まずはしっかりと運転をしていくことが前提だという御指摘があったのですけれども、これ、非常に痛いお言葉として受け止めました。
 といいますのも、皆様御存じのとおり、しっかり研究計画は立てられます。しかし、当然のことながら、それは持続的な運転を前提としております。試験に入って、出力を上げていき順調に何サイクルか運転。順調ということが前提になっておりますので、様々な事情により運転が計画どおり行かなかったときには、果たしてどこまで成果が得られるのか。期待された成果のどの辺りが得られなくなり、どれくらいの損失になるのかといったことを、本来ならもう少ししっかりと議論して、確認して、技術的な見解として出しておくべきだったと思うのですが、実は、その点が、この作業部会の議論の中ではあまり突っ込まれなかったという事情がございます。あくまでも順調に運転をしていくもの。
 ただ、その運転ができたら出てくるもの、できて初めて出てくる成果と、運転をしなくても得られる幾つかの研究項目もありますが、それはある程度明らかにはされましたけれども、では運転ができずに成果が得られなかったときにどうなるのかという議論は、いま一つありませんでした。ですので、その点が、特に産業界の方、電力やメーカーなど高速炉の開発にこれまで多大な御協力を頂いてきた方々に対してどう説明するのかという点が、いま一つ、どうもメッセージ的に弱かったかなという反省もございます。
 その点、私も被告席の一人になってしまうのでしょうね。そんな点で、少し反省があるところでございます。
【田中主査】  ありがとうございます。
 伊藤委員から廃棄物の毒性や量の減少の話もありましたが、次の分離変換の議論で出てくるか分からないし。また、ちょうど今、全国的にも、廃棄物問題が大変重要な観点になっています。高速炉でMA(マイナーアクチノイド)、もちろん減るのですけれども、もしそれができなかったら廃棄物は対応できないのかというと、そうでもないところもあります。だから、しっかりと客観的なデータに基づいて、本当にどういうふうにすると良いのかをしっかり議論していくことも大事かなと思います。私の感想でした。
 はい、山口委員。
【山口委員】  今までの議論も含めて、委員会の中でもいろいろ議論をされた中で、非常に印象的だったのは、こういうエネルギーの利用の枠組みの中で高速炉を位置付けていくには、大きな長期の観点と、当面の課題をどう片付けていくか、どう解決していくかという緻密な短期的な観点との両方をしっかり認識しなくてはいけないということだと思います。
 先ほど伊藤委員が御指摘されたのは当面の課題という観点で、どういう説明の仕方が現状認識を踏まえて受け入れられるのかという観点で御指摘いただいたのだと思います。一方、この委員会の中では、やはり日本の長期的な原子力、あるいはもっと大きく言えばエネルギーの問題の中で高速炉をどう位置付けるかという観点でいろいろ議論をしたところで、増殖というキーワードは日本にとっては欠くべからざるものであるという結論に至ったと思います。
 最初に私がお話しした、国際のシンポジウムを行って「もんじゅ」の意義が再認識されたというところですが、フランスにしても決して分離変換あるいはそういう技術のためにやっているわけではありません。昨年ですか、原子力委員会の中でフランスの方が国策について説明されたときも、まずフランスは安価なエネルギーを全国民に対して安定に供給するために原子力をやり、核燃料サイクルをやるんだという指摘を一番先になされていました。
 やはり、そういう大きな長い観点というのは、是非そういう国際的な場でいろいろ議論を含めながら、原子力利用はどうなっていくのかというところを議論していくことが重要であるし、そういうものや国内の社会のいろいろな声を踏まえて、計画をしっかり立てていくということが重要であると思います。
 ですから、先ほどの御指摘の中で、分離変換のところで廃棄物減容・有害度の低減が意義であるということならば分かるけれどもという御指摘に対しては、恐らくこの検討の分科会としての答えとしては、やはり両方ともが重要であるという結論に至ったという答えになろうかと思います。
 以上でございます。
【田中主査】  ありがとうございます。
 いろんな御意見がございました。また、電力関係、メーカーの方々からも大変重要なコメントを頂きまして、本当にこちら、しっかりと研究成果を出すためにも、安全にしっかりと運転していけるということが大事かと思いますので、この辺の「もんじゅ」の当面の重要課題というものもございましたけれども、審査の状況あるいは運転に向けての状況等、またこの委員会でも適宜御報告いただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次の議題に行きたいと思います。次、議題(2)ですが、群分離・核変換技術評価作業部会で取りまとめた、群分離・核変換技術評価についての中間的なとりまとめについて、山口作業部会主査の方から御説明をお願いします。
【山口委員】  それでは、私の方から群分離・核変換技術評価についての作業部会について御報告させていただきます。ここで、中間的な取りまとめということでまとまりました概要の御紹介です。
 お手元の2-1の資料2ページ目ですが、作業部会における中間とりまとめということで、まず設置についてです。2009年に原子力委員会の分離変換技術検討会におきまして、研究開発の現状と今後の進め方についてはおおむね5年ごとに評価することが適当であるという御指摘を頂いているところでございます。そういった御指摘を踏まえまして、科学技術・学術審議会の下に、昨年7月9日付けで作業部会を設置して、その検討を行ってきたということでございます。委員構成はここに書いてあるとおりでございます。
 それで、次の3ページ目、これまでに、平成25年の8月7日以来、5回の作業会を開催しまして、それぞれ各項目について審議をしたところでございます。その内容については、4ページ目、最初に、群分離・核変換技術とはどういうものかというところから御説明させていただきます。
 先ほども既に議論になりましたけれども、高レベル放射性廃棄物を一体どうするかという問題ですが、それにはいろいろな放射性核種が含まれるわけです。そこで、その半減期や利用目的に応じて分離すること、これを分離技術といいまして、それを開発するとともに、長寿命核種を短寿命核種あるいは非放射性核種に変換する、ここを核変換技術と呼んでおりまして、それを合わせて群分離・核変換技術と称しております。
 下の図をちょっと御覧いただきたいんですが、使用済燃料を再処理しまして、通常はウランとプルトニウムを回収した後で、残る核分裂生成物それからマイナーアクチノイド、MAと書いてあるものは、高レベルの放射性廃棄物としてガラス固化体にして地層処分にするという、これが従来の考え方、やり方でございます。群分離・変換技術を導入することがうまくいきますと、下の方に黄色い幾つかの箱がございますけれども、このFPとMAの部分を、MA、白金属、発熱性元素、その他の元素という、そういう四つの群に分けることができるであろうと考えております。
 それで、MAの部分にはネプツニウム、アメリシウム、キュリウム、そういった元素が含まれます。これは核変換によりまして短寿命化するということが可能になります。それから、発熱性の元素であるストロンチウム、セシウムは、焼成体という熱的に安定した形にして冷却した後で地層処分をしてやるということが可能になります。それから、その他の元素の中には、既に発熱性の元素や毒性の非常に高いMAといったものは含まれてございません。したがいまして、高含有のガラス固化体として地層処分ができるということになります。
 こういう技術が出来上がりますと、その上の方に目標ということで3項目ございますが、高レベルの廃棄物に伴う長期リスクの低減、すなわち廃棄物の潜在的な有害度を大幅に低減させてやること、それから、発熱の大きい核種を除去してコンパクトに処分できますので、処分場の容量が非常に効率的になるということが言えます。それで、さらに、白金族などの希少元素の利用ということで、放射性廃棄物の一部資源化といったものも目標の中に加えてやることも可能性があるという、そういう技術でございます。
 次の5ページを見ていただきたいんですが、ではそれをどういうシステムで実際に達成していくのかということが、ADSを用いた核変換システムというところです。左下の図をちょっと御覧いただきたいんですが、ここの中に超電導陽子加速器というものが書いてございます。そこで陽子を大体1ギガエレクトロンボルトあるいはそれ以上に加速してやりまして、その真ん中の方にタンクがございまして、赤く示したところが核破砕のターゲットでございます。その陽子をここにビームとして打ち込んであげますと、核が壊れていく、そういう核破砕反応が起きます。そうしますと、中性子が、一つの陽子当たり30個ぐらい出てくる。そうしますと、核破砕ターゲットの周りに長寿命核種のマイナーアクチノイド(MA)を置いておきますと、その中性子でMAが核分裂をして核変換が行われる。それが右の方に書いてございますけれども、陽子が核破砕ターゲットにぶつかって出てきた中性子によってMAが分裂をして短寿命の核種になる、こういったことが起きるわけです。
 それで、こういった核分裂の連鎖反応を利用して核変換を行うわけですけれども、もう一つの特徴は、こちらを未臨界の状態で実現するということです。未臨界の状態で実現するというのは何かといいますと、陽子を供給することを止めてやれば、連鎖反応が自動的に止まるということで、未臨界状態であるがゆえに安全性が非常に高いシステムが実現できるということでございます。
 もし通常の臨界状態で行った場合には、特にMA割合が非常に高くなってきたときには制御が難しいという問題が出てきますので、未臨界状態で核変換をやるということで、効率的な核変換を行うことができます。
 それから、さらに、もう一度左側の図をちょっと御覧いただきたいんですが、核分裂をするときに熱が発生しますので、その熱を回収しまして発電をする、それで加速器へ給電をすると、そういう、効率を上げるようなことが実現可能ですので、そうすると非常に、エネルギー的、電気としても効率の良いシステムが実現できるということになります。
 それで、6ページ目ですが、5.群分離・核変換システムの導入ということでございます。主に二つの方法が考えられまして、一つ目が発電用の高速炉利用型というもの、二つ目が階層型というものでございます。発電用高速炉利用型は、先ほど「もんじゅ」の利用のところでもありましたけれども、発電用高速炉における均質又は非均質燃料によるリサイクルを目的として、高速炉と一体的に研究開発を実施するというものです。下の図をちょっと御覧いただきますと、核変換プロセス発電用FBRというところに、核変換と発電というこの二つを同時にやるということが特徴になります。それで、燃料の中にMAを含ませた燃料を燃やしてやるということになりまして、そのかわりに、その中に含まれるMAとしては5%程度が最大量というふうに考えられておりまして、いわゆる薄くこのサイクルでMAを回してやって核変換をすると。それから発電も併せて行ってやる、そういう概念でございます。
 それから、右下の方、こちらが階層型の図ですけれども、発電用サイクルから独立した加速器駆動システムを中心とした核変換専用のサイクルということになります。上の方に、商用発電のサイクルから出てくる使用済燃料がありますが、これを再処理してプルトニウムは発電用のサイクルの方に上向きに戻してやります。一方、MAはここで分離をしてやりまして、下側の核変換の専用サイクルで回すという考え方でございます。この場合には、先ほどADSで御紹介しました加速器駆動システムを使いますので、比較的MAを高濃度に含有することができて、非常に効率良くMAを燃やすということが可能なシステムになります。
 それで、こういったシステムの導入効果ですけれども、7ページを御覧いただきたいと思います。左下に、潜在的含有度と処理後の経過時間というグラフが書いてございます。横軸が処理後の経過時間で、10、100、1,000年、それから1,000万年まで、10の7乗まで書いてございます。縦軸は潜在的な有害度を表しておりまして、通常、放射能を表すベクレルという単位が使われるんですが、これを身体への影響を表すシーベルトに線量換算係数で重み付けをして換算してございます。このグラフの中で緑の線をちょっと御覧いただきたいんですが、これが使用済燃料をそのまま処分した場合の潜在的な有害度ということになります。
 それで、ちょっと黒っぽい横線が書いてあるんですが、天然ウラン9トンと書いてある線です。こちらは、燃料1トンを作るのに濃縮の際に必要であった天然ウランの量になってございます。つまり、もともとの原料の天然ウランが持っていた潜在的有害度の水準を表しているというふうにお考えください。そのようにしますと、廃棄物が、潜在的有害度が、もともと天然ウランが持っていた潜在的有害度に下回るまでにどれぐらいの年限が掛かるかという指標で、比較ができるということになります。
 そして、この緑の線、使用済燃料をそのままというところでは、10の5乗という10万年を要するということが分かります。一方、高レベル廃棄物、すなわちウランとプルトニウムを回収した後のガラス固化体でございますが、この場合には、今の天然ウラン9トンのラインにたどり着くまでには、この青い線を御覧いただきたいんですが、数千年ぐらい掛かるということになります。ここで、分離変換技術を導入してMAを99.5%除去するという前提で計算をしてやりますと、この赤っぽい、茶色い線でございますが、今の天然ウラン9トンという線を下回るのに300年ぐらいと、これだけ短縮できるということで、これはまさに長期リスクを低減するという効果でございます。
 それから、右側の絵をちょっと御覧いただきたいんですが、地層処分の実効的な容量の増大についての例を示してございます。その一番上のところですが、これが従来の地層処分の概念でして、使用済燃料3万2,000トンを六ヶ所の再処理工場で処理してガラス固化体を4万本処分するといったもので、ガラス固化体を50年間冷却した後に、1本当たり44平方メートルで処分すると。そういう計算をしますと、処分場の面積として1.8平方キロメートルという計算になります。
 一方、分離変換技術を導入するとこれがどう変わるかということでございますが、通常のガラス固化体とは違った廃棄物として、ストロンチウム-セシウムの焼成体、これ、発熱をするFPでございますが、それが5,100本出てきます。これを130年ぐらい冷却した後に、面積0.23平方キロメートルに処分いたします。それから、高含有のガラス固化体が8,300本出てきます。こちらは発熱性のものは入っておりませんので、5年の冷却で処分ができます。面積は0.18平方キロメートル。そして、処分場面積は、トータルとして、従来の場合に比べて4分の1程度になるということが分かります。
 さらに、一番下の図ですが、ストロンチウム-セシウムの焼成体というのは半減期が30年ぐらいですので、それによって発熱がどんどん減っていくため、置いておけばおくほど処分場の面積を小さくすることができます。例えば、320年冷却して、高含有のガラス固化体を45年冷却して、それから廃棄するというような仮定をしますと、処分場の面積が100分の1ぐらいになる。こういった形で、減容といいますか、地層処分の負担を軽減することが可能になります。
 こういった技術について、次の8ページに国内外の開発状況を御紹介してございます。ここでFRと書いてありますのが、「もんじゅ」のような高速炉を使った場合。で、下の方にADSと書いてあるものが、ADSのシステムでございます。この中で、日本、欧州、アメリカ、中国等でこういった研究をしてきているわけですけれども、アメリカは今のところADSの研究はあまりやられていない。一方、欧州では、ベルギーでMYRRHAというシステムが検討されてございます。それから、中国でも実験炉級、原型炉級のものが検討されておりまして、例えば中国のところで一番下に、80万キロワットの原型炉というものが書いてございますが、これは、電気出力で「もんじゅ」相当の電気出力を出すことができるといったものでございます。
 こういった形で、FRを使う、それからADS、それぞれ各国で開発を進めているわけでございまして、じゃあその中で日本の研究開発をどのようにするかということで、9ページをちょっと御覧いただきたいと思います。こちらが、ADSの実用化に向けたロードマップでして、現在の状況はどういうことかといいますと、一番左下、2010年というあたりですが、ループ実験とかあるいは京都大学の臨界実験施設であるKUCAとかを使いました基礎実験を行っているという状況でございます。これからは、その原理実証的な実験ということで、J-PARCの核変換実験施設の方に移行するということが検討されるわけですけれども、その一方で、その図の左上の方にMYRRHAという、先ほどベルギーでこういう計画があるというものがございまして、こちらのJ-PARCの核変換実験施設とそれからMYRRHAとこの二つの実験研究のリソースがあるわけでございますので、これらをうまく活用して実用化に向かっていこうと、そういうロードマップでございます。
 それぞれの役割を果たした後はそれぞれの成果を実用のADSプラントに反映していくという最終目標が、右の上の方に書いてあるものでございまして、最終的には2030年代に実用規模で展開できるような知見あるいは経験を得ていくというのが、現在の考え方でございます。
 それで、具体的には次の10ページを御覧いただきたいんですが、J-PARCで核変換実験施設というものがございまして、こちら、二つの実験施設から構成されてございます。この図の右側の方が、ADSターゲット試験施設、TEF-Tと呼ばれるものでございます。TEF-Tの「T」は「Target」の「T」です。それから、左側の方がTEF-P。「P」は「Physics」の「P」でございます。
 それぞれの目的としまして、TEF-Tの方は、大強度の陽子ビームで核破砕のターゲットにぶつけてやるわけですけれども、その核破砕ターゲットの技術開発、材料の開発、そういったものを行います。鉛・ビスマス合金で作りました核破砕ターゲットの技術開発を行うということでございます。一方、左側の方のTEF-Pですけれども、こちらの目的は、低出力で未臨界炉心の物理的特性の探索、それからADSの運転制御経験といったものの蓄積ということになってございます。こちらの施設は原子炉施設ということになります。臨界実験施設でございまして、基礎基盤的な実験をするんですが、熱出力は500ワット以下という、いわゆるゼロ出力に分類されるような施設になってございます。したがって、非常に実験性も良いということになります。
 量子ビームはどこから来るかということですが、左下の方に、陽子ビームということで250キロワットという線がありまして、こちらがTEF-Tの核破砕ターゲットの方に導かれて実験を行う。それから、そこから10ワット分を抽出しまして、TEF-Pの方に導入していくという実験施設のコンセプトでございます。
 それで、次の11ページを御覧いただきたいんですが、今後の研究開発計画を示してございまして、時間軸が上から下に向かって流れていきます。時間軸は大体の目安ということでございますけれども、この図の中で、白い四角で書いてございますのが、研究開発が大体終了している部分です。それから黄色い部分が、現在実施中あるいは今後の中心部分でして、その中で特に赤い字で書いてあるところが、現在実施中の研究開発ということになります。それから、紫といいますか、下の方に書いてありますのが、将来の研究開発の部分です。ハッチングを掛けた緑色で塗った部分が、評価を踏まえて進めていくという部分でございまして、左から、J-PARCのTEF-P(核変換物理実験施設)、それから真ん中は照射試験用のADS、MYRRHA計画、ベルギーのものでございます。それから、それの右側に、J-PARCのターゲットの研究開発を行うTEF-Tという、この三つが並んでいるわけでございます。
 それで、炉物理ですとか核データにつきましてはTEF-Pを使って研究開発を行う。それから、プラントとか安全・制御などにつきましては、MYRRHA計画を協力してやりながら進める。それから、ターゲットの開発はTEF-Tを使って行う。そういう全体構成になってございまして、そのほかに、高速中性子の照射材料といったところで「常陽」やMYRRHAを使いますし、それから加速器に関しましては、J-PARCを使った信頼性向上から、超電導加速器開発、そして、全体的にこういった技術の流れとしまして初号プラントというものが、下の紫色のボックスにつなげていくという流れでございます。
 以上、非常に駆け足でございましたが、最後、12ページにまとめが書いてございます。まず、群分離・核変換技術の現状等を評価しまして、当面研究開発の進め方、それから今後検討すべき課題について、論点の取りまとめを整理いたしました。それから、中間的な論点の取りまとめとしまして、群分離・核変換技術について、実験室レベルの段階から、工学規模の段階に移行することが可能であるという評価を行いまして、それで、J-PARCにおいては核変換実験施設を整備することが期待されるというふうに評価してございます。今後につきまして、施設整備計画の策定に当たっては、その前提となる成果の達成状況ですとか、運用・保守も含めた技術的な実現性、それから、これも重要な点ですが、原子炉施設でございますので、規制等への対応に係る検討などを、その段階に応じた進捗状況をチェックしていくことが必要であると、そのようなまとめでございます。
 説明としては以上で終わらせていただきます。
【田中主査】  ありがとうございました。それでは、御質問がございましたらお願いいたします。はい、村上委員、お願いします。
【村上委員】  この議論は、私、全然参加しておりませんし、中間的な取りまとめというか会議の資料も読んでないので、もしかしたらその中でちょっと議論されたことかもしれませんけれども、今の御説明を伺う限りでは、主に核変換については、加速器とかいろいろな技術の現状を評価されて取りまとめられたみたいですが、群分離の方につきましてはどうだったんでしょうかということをお伺いしたいです。
 そして、最後の11ページ、今後の研究開発計画のところでも、「(ADS)」とありますけれども、群分離・核変換というからには、もう一方の群分離の方も当然あるかと思うんですが、群分離の方につきましては、11ページの図では、最後の方に「MA燃料製造・再処理の技術開発」というのがあるだけで、こちらについては、今の技術の進捗状況とか現状、再処理施設といえば、私の狭い頭の中では六ヶ所再処理工場しか知らないんですけれども、六ヶ所再処理工場でよもやこの群分離ができる施設があるとは思えないので、多分全然違ったものを造らないといけないと思うんですが、そこら辺についてはどの程度進捗していて、これからは何が課題であって、何をしなければ実用化にならないといったような議論はあったんでしょうか。
【田中主査】  お願いします。
【山口委員】  後でちょっと補足していただければいいと思いますが、それについても議論いたしまして、群分離、分離プロセスの方は、一つは、現状の施設をどれだけ使えるかという観点、それから新たにどれだけ施設が必要になるかという観点で論点の整理を行いました。それが一つで、今御指摘あった点のお答えになると思います。
 もう一つ、群分離の方の特徴としては、例えばこの6ページに、階層型、発電用高速炉利用型という二つのコンセプトがありますけれども、群分離のところは、共通的に利用できる技術であって、必ずしもADSのここで特徴的なものということではないだろうと、そういう位置付けで今の既存施設あるいはこれまでの研究開発の実績というものを踏まえながら、将来やっぱりこういう施設が不足するという指摘は報告書の方に摘出しておりまして、それについても、ここにはないんですけれども、同じような時間軸を追ったフローチャートの形で整理してございます。
 これでよろしいでしょうか。何か追加がありましたらお願いします。
【西田放射性廃棄物企画室長】  文部科学省の放射性廃棄物企画室長の西田でございます。
 ただいま御指摘のあったとおりでございまして、将来的にADSを実用化する上では、まさにADS用の燃料を作っていく必要があるということでございます。これにつきましては、今、山口主査から御説明がありましたように、まずは既存の施設を利用してMA含有燃料を工学的に作ることができるかといったような要素研究をきちんと進めていくということを考えてございまして、そういった成果と併せながら、ADSの実用化に向けた研究開発を進めていくというようなことを考えているところでございます。
【田中主査】  よろしいでしょうか。
 あと、いかがでしょう。
 はい、中西委員、お願いします。
【中西委員】  非常にチャレンジングで、かつてオメガ計画と言われたものかなと思い伺わせていただきました。ただ、この研究開発を実用化まで進めるということになりますと、やはりコストが問題になると思います。研究開発費用はどのくらいかかるのか、それに続く実用化にはどのくらい必要かという点についても、書いていただきたいと思います。
【山口委員】  これ、MYRRHAに関するコストと、J-PARCでTEF-T、TEF-Pのコストと比較評価してございまして、ちょっと今日の資料には入ってなくて申し訳ないのですが……。
【西田放射性廃棄物企画室長】  実用化する上では、FBRかFRかだけではなくて、やっぱり並行的に、技術的なオプションとして研究開発を進めていくということを考えてございますけれども、コストにつきましては、例えば今、MYRRHAの方でしたら、これ、実際に造るまで1,200億円ぐらい、ベルギーの方では考えているということでございまして、今後これを国際協力の枠組みの中で研究開発をしていくというときに、それぞれの協力で参加する国がどれぐらい分担をしていくのかというのはこれからの協議でございますので、そうした協議の状況でありますとか、あるいは我が国が自前でやったときのコストの比較評価などもしながら、どういう形でやっていくのが一番効率的なのかということは、今後レビューの中で検討してまいりたいと考えております。
【田中主査】  よろしいでしょうか。
 あと、いかがでしょうか。
【小栗委員】  大変魅力的なコンセプトで、大変分かりやすく拝聴いたしました。
 一つ、ADSのシステムで安全性に関する記述がございますが、加速器をオフにすれば止まるという、これは昔から言われていることです。ただ、福島の事故のようなああいった崩壊熱に関わることには直接の関係はないわけで、どの程度国民の理解があるかどうかは分かりませんが、そういった崩壊熱に関わるような安全性の意味で何かこのADSにメリットがあれば、その辺を少し強調された方がいいのかなということを感じました。
 あともう1点は、技術開発の項目として、TEF-P、TEF-Tというようなことがございます。この辺はもう炉物理的な観点あるいはターゲットのエンジニアリングの関係でございますが、これをやろうと思いますと、やはり加速器自身の信頼性が飛躍的に伸びないと、恐らく使いものにならないと思います。加速器自身の、いろいろな細かいことはありますが、信頼性ですね、その辺のところの今後の進め方というものについて、お考えがありましたらお聞かせください。
【山口委員】  なかなか難しい御指摘です。最初の安全性の方は、ここに書いてあるように、電気が止まれば自動的に止まると、プロトンが止まれば止まるというのは、御指摘のとおりで昔から言われているところです。実は、議論の中で、このADSを用いた場合の安全規制をどうやるのかというのは、実体として今何もないというのが現状です。実際には、リアクターを造るわけですので大きな課題になってございます。一言、最後に「規制等への対応」というようなキーワードはあるんですけれども、今後、福島の事故を踏まえてこういったシステムの安全性をどうするのかというのは、もともとシステムもまだ存在しないものですので、今の時点ではまだ明確な答えはないというところが現状です。
 加速器については、私の理解では、応用できるレベルにあるというところだと思いますが、これについて何かデータなりございますか。
【西田放射性廃棄物企画室長】  加速器につきましては、データの方はまだ持ち合わせておりませんが、実証用のADSを作るためには加速器の効率をやはり上げていかなければいけないというのは、御指摘のとおりでございます。今、その研究開発の方も併せて進めていくということで考えてございます。
 それから、安全規制の方でございますけれども、先ほど、TEF-T、TEF-Pにつきまして、今後、建設を計画させていただくということでございますが、TEF-Pの方が、これはやはり加速器の施設と原子炉の施設ということで、それぞれの規制が重複する施設でございますので、これらの施設の建設に当たりましては、規制の考え方等につきましてやはり規制庁ときちんと協議をした上で、適切な安全規制を掛けていくという形での建設を進めていくということを考えてございます。
【田中主査】  よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。
【伊藤委員】  質問ですけれども、これから地層処分に関してかなりシンポジウムとか開かれて、実際に募集をしていくというような段階に入ると思うんですね。私も実際、3月にシンポジウムに参加することになっているんですけれども、これが実現するかしないかで、本当に印象って全然違うと思うんですね。もし、本当にこれができるのであれば、実際に地層処分する段階で、こういう技術で300年ぐらいまで短くすることができるんですよっていうことを、実際に今、国民が不安に抱えている部分で、言うことができるのかどうなのかということを、ちょっとお聞きしたいなと思ったのですがいかがでしょうか。
【山口委員】  これもちょっと個人的な考えということになってしまうかもしれませんけれども、やはりこれが300年に短くするにはハードルはまだまだ相当ある、というのが実態だと思います。しかしながら、今御指摘いただいたように、高レベルの地層処分の問題というのは、原子力において非常に重要な問題ですので、やっぱり技術開発という観点から、そういったものの負担を減らすような可能性がある技術というものは、決して簡単に捨てるんじゃなくて、着実にそういう技術を積み重ねていくという努力をすることが重要であると思いまして、それがゆえに、高速炉あるいはADSを含めて、こういった研究開発の役割というのがあるんだと私は考えております。
 ですから、今の御指摘で、今300年に短くできますよというお答えをすぐにするというためには、ここで御提案させていただいているような研究開発をある程度積み重ねた上での答えということになると思いますが、研究開発、科学技術の開発として目指している姿がこういうところなんだと、これで高レベルの処分を、負担を減らすんだと、そういう将来の絵姿というのを見せるところまでは、やはりやっていくということが意味あると思います。
【田中主査】  ありがとうございます。
 私も実は、廃棄物の方に関心というか、研究でもやっているんですが、この辺のところを丁寧に説明する必要があるかと思うんですね。ADSのというか、分離・核変換技術の研究開発は大変重要だと思いますし、また、そうなってきたら、本当に、長半減期核種はできないかできるのかという話もしないといけないし、FBRでMAをバーニングするというのと比較してどうかと、いろいろな議論をやらなくちゃいけない。また、あるときには、本当にこれが使えるかどうかというようなことを総合的に評価しなくちゃいけないでしょうし、また逆に、過度の期待を持たしてもいけないようなところもあるかと思うんですね。
 同時に、体積は減る、それから発熱は減るんだけれども、地層処分した後利いてくるのはMAじゃないんですね。ヨウ素とかあるいはテクネチウムとかセシウムとか、そんなものなんですね。地層処分した後の安全評価との関係でやっぱり総合的に考えていって、どういう方法がいいのかっていうことを丁寧にしないといけないかと思うんです。同時に、学術会議等で暫定貯蔵とか言っていますのは、じゃあ暫定貯蔵をした後、やっぱりどうしてもしないといけないものは残りますから、それをどう組み合わせていくのかといったときに、やっぱり、こういうふうな新しい研究開発をすることは大変良いんですが、本当にそれが使えるかどうかというときには、どこかでしっかりとまた立ち止まって考えないといけない。
 同時に、今でももう2,000本か3,000本ぐらいのガラス固化体がありますから、またそれが多分出てくるでしょう。それはもう、こういう分離変換してない高レベル廃棄物、ガラス固化体もあります。そういうのもありますから、やっぱりそういうのを地層処分しないといけないというのは、こういうのができてくれば更に処分場面積が減るでしょうということもあり、また、ここではまだできないような技術も残っていますから、それはどうするのか、総合的に判断しないといけないと思います。
 そういうことを丁寧に、リスクコミュニケーションといいましょうか、国民に説明しながらやっていかないと、一方的な議論だけだったら勘違いになってしまうんじゃないかなと思います。
 あと、何かよろしいでしょうか。はい、服部さん。
【服部委員】  まさに私、申し上げようかなと思ったことを、田中先生が全部おっしゃっていただいたと思います。
 こういう研究開発はとても重要だとは思うんですけれども、やはり、何かいいところばかりつまみ食いをされてといいますか、そういう形で、もういきなり、これで300年になるんだというような感じのことを政治家なんかがおっしゃるんですが、そう簡単ではなくて、乗り越えなければいけないところはたくさんあるし、今まさにおっしゃったように、今あるものもありますし、トータルでものを考える必要があるので、ここの辺は丁寧に説明していく必要があると思っています。
 それで、ちょっと私、素人なので分からないので、質問なんですけれども、分離変換の効率みたいなところは99.5%というように書かれると、0.5%はどうなるんですかということを聞きたくなるんですね。
 それから、ちょっと誤解を生むので、この辺は丁寧にやらなければいけないと思うのですが、4ページに使用済燃料から出て、再処理をされて、ウラン、プルトニウムが利用されるという一番ベーシックな絵があります。利用された後、実はここから先のことが書かれてないんですね。利用してこれでおしまいではなくて、多分これは、何サイクル回すかどうかは別にして、1サイクルだったら、すぐにここからまた最終処分なり何らかの廃棄物が出てくるわけですね。ですから、ここで終わりじゃなくて、その終わりの部分というのは、その次は地層処分で、もうこれで終わりですよね。その次を見ると、今のところとまさに関係するんですが、核変換による短寿命化。短寿命化すれば全て解決するように見えてしまう。
 これは大いにミスリードすることだなと思うので、0.5%残るんだったらそれはどういうふうになっていくのかということも、丁寧に説明する必要があると思います。
 それから最後にもう一つ、先ほどコストの話が出ましたけれども、やはり、この研究をやっていくときに、11ページに研究開発がありますが、私はこのそれぞれのステップを非常に丁寧にやっていく必要があると思っています。よくR&Dと言いますけれども、今は、RDD&Dとも言われています。Developmentして、demonstrationして、それからdeploymentというように。最後の、商用化というよう段階になると、最後にコストという大きな壁があるわけです。いきなり最後のところまで決めて、もう一瀉千里にやっていくこと、それは目標としてやるのはいいけれども、やるからにはコストとの見合いで、よくよく全体を見て最適なところを選択していく、そういうプロセスが必要だと思います。是非その辺は、これから、将来に向けて、過去の反省に立って丁寧にやっていく必要があるんじゃないかなと思っています。
 ありがとうございました。
【田中主査】  ありがとうございます。
 この、最後、まとめの二つ目でしょうか、「J-PARCに核変換実験施設を整備することが期待される」というようなことを書いてありますので、これから、整備しつつその辺の研究開発が進んでいくんだと思いますが、これ、大変、研究施設としても理学部の方なんかも関心を持っているところでございますし、研究の裾野を広げるというふうなことでもありますし。
 同時に、服部さんがおっしゃった、0.5%はどうなるんだとか、それから加速器の課題とか、やっぱり、ここの実用化に向けては何が本質なのかというのをよく考えながらこれから進めていくというふうなことで、新しい時代といいますか原発事故後における、こういうふうな将来有用かもしれないようなものについてはどういうふうに研究開発、技術開発していくかということでは、モデル的なものになろうかと思うので、しっかりとやっていくことが大事かと思います。これについて、また状況を、適宜報告していただけたらと思います。
 ちょっと1個気になったのは、7ページで、天然ウラン9トンと言ったんですけれども、これの説明も、実は、丁寧にしないと勘違いされますので。天然ウランは、9トンと固まってあるわけではございませんので、ここにある鉱床から採ってくる天然ウランですから、本当は天然中にある鉱石のウランの中の9トンというのは、集中してあるわけではありませんから。廃棄物処理場の燃料の中は集中してあるわけですから、集中してあるのと分散してあるのは状況が違いますから、その辺も勘違いをされないようによく説明すべきであるかなと思いました。
 国民の方はいろんなことに関心を持っていますから、我々が良いと思うような説明が結構勘違いされて、それが、結果としてコミュニケーションがうまくいかないような状況かと思いますので、私も注意しつつ対応したいなと思います。
 それでは、時間もかなり過ぎていますので、次に、研究課題の中間評価及び事後評価についてでございます。事務局から説明をお願いいたします。
【石川原子力課長補佐】  それでは、まず、最初に私の方で全体のところを御説明させていただきまして、各事業について担当の方から説明させていただきたいと思います。
 本日行います、先生方に御議論いただきたい評価につきましては、資料3-1で全体の概要を見てとれるかと思いますが、2013年、平成25年ということで、資料3-1のちょうど真ん中のピンクの柱になっているところでございます。夏に行いましたこの原子力科学技術委員会の中では、原子力基礎基盤イニシアティブの中間評価等を行っておりますけれども、本日は、一番下の少し青の帯で示しております原子力システム研究開発事業の中間評価と、一番上のところで青の帯で示しております原子力人材育成プログラムの事後評価、こちらの方を先生方に御議論いただきたいと思っております。
 事業の評価ということになりますので、利害関係者につきましては少し発言について配慮いただくということで、今回、原子力科学技術委員会の中で、山口委員が原子力システム研究開発事業の方と少し利害関係にあるというところ、小栗先生が原子力人材育成プログラムの方に少し利害関係があるということで、一般的な事実関係であるとか、そういったことについては御発言いただいて構わないところではございますけれども、評価に踏み込んだようなところは、御発言について少し配慮いただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
【田中主査】  お願いします。
【近藤原子力課長補佐】  それでは、資料3-2と、その後ろの資料集に基づいて、まず原子力システム研究開発事業の中間評価の案について御説明させていただきます。
 ページをめくっていただいて、最初、ポンチ絵、原子力システム研究開発事業ですけれども、夏に御議論いただいた基礎基盤研究イニシアティブに比べると、応用寄りのところをやるということで、工学的検証に至る領域における革新的技術開発の実施を目的としています。予算規模や実施課題件数などについては、下にも書かれていますし、資料集の方にも書かれていますので、適宜御参照ください。平成23年度は、福島の事故を踏まえて、新規採択を一旦しておりませんで、その後は、平成24年度からは安全対策、それから平成25年度からは放射性廃棄物の減容というようなところに重点化した技術開発を支援しております。
 ページをめくっていただいて、中間評価票の案として示させていただいています。事業全体の評価といたしまして、これまで丸1 から丸4 に示させていただいているような分野のプログラムを支援してきました。基礎基盤研究開発、そのうちの革新的なものということで、平成17年度から。特別推進ということで、国が評価した有望な革新的原子力システムを特に重点的に支援するということで平成18年度から。それから、福島事故を受けて、安全基盤技術の研究開発ということで平成24年度、環境負荷低減ということで平成25年度からやっております。具体的な課題については、資料集の4ページから、4、5、6、7、8と示しておりますので、適宜御参照ください。
 1ページの一番下のところですが、平成17年度の制度開始からこれまで138件の新規課題を採択しております。今回の中間評価の対象期間である平成20年度から換算すると、48件ということになります。そのうち、基礎基盤研究開発分野で99件、今回の評価対象とすると18件、特別推進分野ですと全部で18件、今回の評価対象としては9件、安全基盤は平成24年度からですので15件全て、環境負荷低減ということで6件全てが今回の中間評価の対象になります。
 直近5年間における公募の平均倍率としては4倍程度で、本事業のニーズが高いことを示しているのではないかと考えております。多数の応募があることによって競争性が生まれ、すぐれた研究課題を採択することができていると考えております。また、成果についても広く公開しておりまして、学会等での発表や論文発表を積極的に実施しておりますし、また、成果報告会を一般向けにも開催して広く公表することに努めております。
 個別課題の評価についてですが、本事業は競争的資金の制度にのっとって行われておりますので、PD・POということで、資料集の9ページに示すような方々にPD・POになっていただいておりまして、事業の計画、課題採択、課題管理、中間評価、事後評価といったマネジメント体制を構築しております。また、新規採択をするに当たっても、このPD・POの下、外部有識者から成る審査委員会を開催して、書類審査、面接審査を経た上で提案課題を採択しております。
 各課題についても、POが直接研究現場へ赴いて進捗管理だとか問題点の確認、中間フォローなどを行って課題管理を行っておりますし、また、3年を超える研究課題については、審査委員による中間評価を実施してきております。
 以上のように、原子力が将来直面する様々な課題に的確に対応し解決するために、原子力システムということで原子炉、再処理、燃料加工に関する基盤的研究から工学的検証に至る領域における革新的な技術開発に貢献しているのではないかと考えております。
 (2)の、今後の研究開発の方向性ということですけれども、この事業は出口志向の事業でもありますので、国の全体のエネルギー政策の方向性に依拠して行っておりまして、先ほどから御説明があるように、昨年12月には「エネルギー基本計画に対する意見」というものが取りまとめられておりまして、その中でも、下に示すように、高速炉などの放射性廃棄物中に残留するような放射線量を少なくするというような廃棄物減容の研究だとか、ページをめくっていただいて、原子力の利用については世界最高水準の安全性を不断に追求していくということで、国はそれを可能とする安定的な事業環境の整備等に必要な役割を果たしていくというようなことが示されております。
 本事業については、こういった政策の方向性を踏まえて、引き続き基盤的研究から工学的検証に至る革新的な技術開発を推進すべきだということで、まとめさせていただいております。以上です。
【田中主査】  ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの御説明について、中間評価結果(案)のところについて、いろいろと御意見、コメントとか頂ければと思います。
 先の話をしますと、今日またコメントあるかわかりませんけれども、それを踏まえて最終的な案を作って、2月に予定されています研究計画・評価分科会にて私の方からこれを説明し、分科会の方々からいろいろとコメントを頂くというふうな話になってきますので、是非、良い中間評価結果のものにしたいと思いますので、よろしく御意見頂ければと思います。
 ちょっと私の方から。これ、作ったのは5年ほど前でしたっけ。
【近藤原子力課長補佐】  はい。制度自体は、平成17年度から始めておりまして、中間評価を平成20年度にしています。今回が2回目の中間評価ということになります。
【田中主査】  1回目のときはどういうふうな評価にしたのかというのを覚えていますか。ということと、これ、1ページ目にありますとおり、予算額も、ほかのこういうような事業と比べると結構大きなもので、皆さんが関心を持っているところでもあり、同時に、ここに書いています、「基礎的研究から工学的検証に至る領域における革新的な技術開発」というのが、やっぱりこの必要性、重要性がなきゃいけないし、これまでも十分それをやってきて、更にこれを続けていく必要があるのだというようなことがうまく書けてないと、なかなか厳しい意見が出るのですが、この前の状況について教えていただけたら。
【近藤原子力課長補佐】  前回、平成20年度に中間評価を1回しておりまして、そのときの評価としては、特にこの基礎基盤研究イニシアティブが創設された年でもありましたので、当該事業との関係を整理すべきといったような意見だとか、そのときまでに行われていた、原子力システムで行われた基礎研究のうち、更に革新的に実用化に向けた有望な成果が見込まれるものについては、しっかりと更に支援できるような制度にすべきだといったことが指摘されておりました。平成21年度から、具体的には、原子力システムの中に「発展型研究開発事業」というようなものを設けて、一度支援をして出てきた成果を更に実用化に向けて支援していけるようにすべきだというような評価になっております。
 今回、御説明できなかったですけれども、そういった御指摘も踏まえて、例えば、資料集の5ページの、平成21年度に採択されているもののうち、上から9件目までが基礎基盤研究の分野で採択されたもので、そのうちの下の4件、水素化物中性子吸収剤を用いた東北大学の研究から神戸製鋼までの研究は「発展型研究開発事業」ということで、更に実用化が見込まれるだろうということで引き続き新規採択したものです。
 もう一つ、めくっていただいて6ページの真ん中辺の2件、早稲田大学の軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発とナノ粒子ですね、この2件についても「発展型」ということで引き続き新規採択をしたというような、中間評価を踏まえた事業制度になっております。
【田中主査】  ありがとうございます。ちょっと私の感想で、おっしゃったようなこともうまく書けりゃいいかわかんないですね、発展型とか何とかだとか。
【近藤原子力課長補佐】  そうですね。前回の中間評価を受けてどのように制度を変えたかということを追記させていただきます。
【田中主査】  あと、いかがでしょう。1個1個の課題についてやるのは簡単だけれども、これ、全体的に評価しないといけないもんですから、コメント、御意見を頂ければと思うんですが。
【近藤原子力課長補佐】  もしよろしければ、人材の方の事後評価も御説明させていただいて、並びを見ながら御質問いただければ。
【田中主査】  その方が具体的なコメントをしやすいかわかんないですね。じゃあ、そうしてください。お願いします。
【近藤原子力課長補佐】  そうしましたら、資料3-3とその後の資料集を用いて、今度、人材育成プログラム、こちらは平成24年度に終了しております課題について、事後評価結果(案)ということでお配りしております。
 1枚めくっていただいて3ページ、プログラムの概要となっていますが、こちらも平成19年度から平成24年度まで実施しておりまして、平成22年に中間評価を受けて、今回事後評価をお願いするものです。
 各プログラムの実施期間としては、丸1 から丸3 までが平成19年度から実施しておりまして、丸4 については平成20年度から、丸5 については平成19年度からとなっております。個別課題についてはまた同じく、資料集の3ページから9ページに載っておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 2.の概要・目的というところですが、将来の原子力分野の研究・開発・利用を支える人材を育成するために、大学や高専における原子力教育研究基盤の充実・強化を図ることを目的として人材育成活動を支援するということになっております。先ほど申し上げた丸1 から丸5 のプログラムの中身の説明が少し、その下の表に書かれております。
 丸1 の原子力研究促進プログラム、これは大体単年度の事業になっておりまして、例えば、学生の創造性を生かした研究・研修活動や教員養成に係る取組などを支援しております。その下の丸2 の原子力基盤整備プログラムについては、基本的に3年間の支援になっておりまして、大学院の原子力関係専攻における教育基盤の整備などを支援してまいりました。丸3 の原子力教授人材充実プログラム、4ページの上から二つ目のカラムですけれども、これは、学生の方ではなくて、教授人材の方の質の向上や教授体制の強化に係る取組を支援してまいりました。丸4 については、そういった取組の中から特に地域や大学等の特色を踏まえた教育研究の重点化を図る取組として、コア人材育成プログラムとして支援しております。こちらは基本的に2年間の支援になっております。丸5 は若干違いまして、大学間で標準的なカリキュラムというのを作ってはどうかということで、具体的にこれは原子力学会の方に委託・補助をしてカリキュラムを作ってもらったというような調査事業になっております。
 必要性、有効性、効率性のところは、時間の都合もあるので飛ばさせていただいて、予算については大体1億円から2億円程度で支援をしておりました。
 課題実施体制のところにありますように、本プログラムは経済産業省と連携して行っておりまして、プログラムの内容を決めるところから両省で協議をして決定しておりまして、採択先の選定審査なども合同で行っておりました。
 ページをめくっていただいて6ページ、事後評価票(案)というところですけれども、重複があるところは申し訳ないのですが、丸1 から丸4 、丸5 というようなプログラムを支援してきましたという事実関係が書かれております。個別課題の評価については、原子力人材育成プログラム技術審査委員会、こちらは資料集の10ページに書かれているような先生方から成る審査委員会で、個別課題の評価をしていただいております。
 本資料の(2)成果のところですけれども、これまでの実施件数としては、丸1 から丸4 のプログラムを通じて80件の課題を採択しております。述べ支援人数、育成人数としては、学生として1万8,668人、教職員として191人といったような人材育成をしてきたということになっております。
 具体的な事業成果としては、こちら、資料集の方で若干説明させていただきますと、12ページのところにありますように、本補助事業によって教育するための設備とか、装置とか物品などを買っていただいて、そういったものを補助事業終了後も活用していただくということが一番の事業成果かと考えておりまして、それの調査結果というのが12ページに載っております。取得した設備・物品、329件、作成・開発した教材、83件、カリキュラムについては116件というような、こういった成果が全体として得られております。これが実施事業の補助期間終了後も一応継続して実施されているか、というようなアンケートをとっておりまして、半数ぐらいが継続して実施されているということになっております。
 引き続き、資料集の13ページ、具体的に一つ、二つ、事例を挙げさせていただきますと、例えば東北大学については、そういった補助事業を、プログラム3件、採択されておりまして、平成19年度の原子力研究促進プログラムから、平成23年度のコア人材育成プログラムに至るまで、継続的に採択されておりまして、その結果として、下のグラフにあるように、量子エネルギー工学専攻の中から原子力の電力メーカー関連企業に就職する人が、平成19年度に比べると、平成22年度にかけて着実に増加しているといった成果が出ております。ただ、福島の事故を受けて、需要側の問題もあるかと思うのですけれども、一旦下がっているところを、最近ではまた再増加傾向にあるのではないかというような成果になっております。
 ページをめくっていただいて14ページのところですが、本事業は高専の方も重点的に支援をしておりまして、平成19年度から数えると35課題、高専関係の事業を支援してきております。高専については、御存じのように、原子力専攻というものはないのですが、電気、電子だとか、機械だとか、そういったところから原子力関係のメーカー、電力会社といったところに就職している割合を示しております。平成19年度ぐらいから課題に採択されており、一番ピークのところは平成22年度で、原子力関連就職率12%ぐらいまで増加しております。こちらも、福島の事故以降一旦減少しているというような状況です。
 15ページは、そういった需要側がどうなっているかというのを参考資料として載せさせていただいておりますが、左側が電気事業者で、その採用状況、右側がメーカーの採用状況を示しています。この棒グラフの方が需要側、折れ線の方は原子力関係の専攻から来ている比率を示しております。このように、需要側で減っている分はどうしても供給側も減ってしまっているというようなところはありますが、高専については、増加傾向にあるところは同じように高専側も、原子力という専攻はないにも関わらず、原子力分野に就職しているというような状況を示しております。
 本資料の方に戻っていただいて、この事業の波及効果としては、平成19年度以降、4大学・2学科・3専攻、新たな学科が設立されております。東京都市大学、早稲田大学、東海大学、長岡技術大学ということで、原子力関係の学科が新たに設置されたところです。特に長岡技術大学については、平成21年度から平成22年度でこのプログラムを活用してカリキュラムとかを作り、その結果を基に平成24年度に「原子力システム安全工学専攻」というものを設置しております。高専についても、35課題採択して、先ほど示したように、きっかけ作りには貢献しているのではないかということで考えております。
 今後の展望ですけれども、これまで平成22年8月に実施された中間評価では、大学等における原子力教育研究のポテンシャルを高めるとともに、不足が懸念される教授人材の育成も積極的に取り組むべきという指摘を受けておりまして、この辺のプログラムを新たに立ち上げて、一定の成果を挙げてきたと評価しております。先ほど御説明させていただいたように、補助期間終了後も一定の継続性は確認されたのですが、中には、補助事業費用がな終了後には予算措置されずにいるというものも確認されております。
 このような状況を踏まえて、服部委員の方で運営委員会の委員長をされておりますけれども、原子力人材育成ネットワークの方でも、こういった現状を引き続きフォローアップするということで、現在、取り組んでいるところです。
 最後に、国際原子力人材育成イニシアティブという事業が平成22年度から始まっておりまして、こちらの方は、人材育成プログラムに比べて、機関間の連携だとか産学官連携などに重点的に支援しているような取組でありまして、平成22年度から開始して現在までに42件の事業を採択・支援しているということです。この国際原子力人材育成イニシアティブ事業も、エネルギー基本計画を踏まえた人材育成の支援が必要だと考えておりまして、この辺の動向を踏まえて、これから引き続き人材育成に取り組んでいくことが必要であるということでまとめさせていただいています。
 以上です。
【田中主査】  ありがとうございます。
 プログラムが違う二つのお話があったのですけれども、比較をしながら、各々について、もっとこういうふうなことを書くべきじゃないかとか、いろんなコメント、御意見等ありましたらお願いしたいところです。
 はい、お願いします。
【海老塚委員】  原子力の技術維持とか人材育成という意味で、国がその技術開発に対しても支援をしていただくあるいは進めるということを見せていただくことは非常に大事なので、こういう進め方で良いのではないかと思います。当面、平成23年から安全基盤技術それから環境負荷を重点的にやるということで進められたと思いますが、夏に審議された基礎基盤についても今後継続をしていくということで、これもしっかりやっていただけばと思います。
 分野的に少しコメントさせていただくと、以前もコメントさせて頂いたかとは思いますが、一つは、低線量の被曝に関する研究というのも非常に重要だと思っておりますけれども、この辺が少し少ないのかなということが1点。
 それから、廃棄物処理につきましては、今回平成25年から入っているので、先ほどのお話のあった核変換等も含まれてきているということで良いのではないかと思います。
 それから、廃炉関係の研究がいろいろあると思いますが、これは質問ですが、IRIDでいろいろ公募されているものとの関係をもう少し明確にしていただければと思います。
 それから、研究炉の関係。JMTRとか停止しているものがございまして、そのような研究炉の中には、いろいろ産業利用に供されているものもあるので、これについても早急に稼働できるような動きをしていただけるといいと思います。
 以上です。
【田中主査】  ありがとうございます。IRIDとの関係はどうなんですか。
【西田放射性廃棄物企画室長】  廃炉関係につきましては、IRIDとともに、文科省、IRID、それぞれどういう役割分担で研究開発課題を進めていくかということについては、今、協議を進めておりますので、それを踏まえて課題設定をしてまいりたいと考えております。
【田中主査】  ありがとうございます。
 あと、いかがでしょうか。
【近藤原子力課長補佐】  資料3-1の方の、廃止措置等基盤研究・人材育成プログラムの方で、IRIDと協力しながらということになろうかと思います。
【田中主査】  ありがとうございます。
 はい、どうぞ。
【中西委員】  質問が二つあります。ひとつは今おっしゃったことと関係あるのですけれども、これから廃炉を行うにしても、人材育成を行う分野の裾野はさらに広げていかなくてはいけないと思います。特に核化学や放射化学などの化学の専門が不足していると思います。原子炉工学関連ではかなりの数の方の育成が視野に入れられてきたのですが、これからはもっと分野を広げてほしいと思います。他にも例えば環境関連でも、医学系も関わってくる問題になると思いますが、このようなもくろみを考えられておられるかということが最初の質問です。それからもう一つは、研究開発においては、地元や現場の人の意見や考えをきちんと汲み取る必要があると思います。それらをたとえ反映することができなくても、きちんと捉えた研究開発があると思いますが、そういうことはどのように考えられてこられたのでしょうか。表に出にくい面だとは思いますが。
【田中主査】  1個目のやつは、この原子力システムに入るのか……。基礎基盤の方のですか。
【石川原子力課長補佐】  最初の海老塚委員からの御指摘の中でも、研究炉の話であったり、低線量被ばくの話もありましたけれども、どちらかというと原子力基礎基盤戦略イニシアティブの方などで、そういった裾野の展開というところは、役割分担としては担いながらできればいいのではないかなと考えております。原子力システムの方はもう少し、炉であったり再処理であったり、そういったところに特化しながら、実用とかそういったものを見据えた研究をやって、うまく事業としてそれぞれが分担しながら進めさせていただいているところでございます。
【田中主査】  原子力システムは、資料3-1にありますように、革新的原子力システム実現に向け云々というふうな形が結構大きなところであって、近藤補佐の方から話がありましたが、当初のときには一方でFaCT計画というのがあって、そのときに原子力じゃなくて、ちょっと競争的資金を使ってやったらどうだろうかというふうな議論もあって。そのときにやっぱり、大きな目的があるので、FaCT等、大きな目的と沿っているものもあるし、ちょっと幅広くやったらどうかという議論もあって――さっき、何ておっしゃった? 三つおっしゃったんじゃなかった?プログラム名。もう1回教えて。
【近藤原子力課長補佐】  基礎基盤とか特別推進とかそういった分野を決めてやってきたということですね。
【中西委員】  わかりました。
【田中主査】  まあ、予算的には大きいので、減ってきてはいるのですけれども大きなところですので、ほかの分野の方から大変注目されているところもあって、今後更に良いものにしていく、やっていくためにも、しっかりとここで研究開発の方向性とか評価しとかないと、親委員会で厳しい意見があるのではないかと思うものですから。
【中西委員】  あと、地元の問題は?
【田中主査】  地元の関係はどうなんですか。
【近藤原子力課長補佐】  地元というのは、立地県という意味ですか。
【中西委員】  住んでいる人や、福島大学など、いろいろあろうかと思いますが。
【近藤原子力課長補佐】  革新炉という意味では、「もんじゅ」というのはあるので、福井県の取組については、特別推進ということでナトリウム冷却炉の研究開発という重点分野を設定して、福井大学とその地域の研究というのを重点的に支援するといったような取組はこの中でもありまして、5ページの下の方の5つが特別推進枠で採択されているのですが、福井大学の竹田先生のところでの地元を重視した取組なども支援させていただいております。
【田中主査】  地元の関係、あるいはまた、これから廃止措置が進んでいくときに、いろんなコミュニケーションをどうするかとか、そういう問題が出てくるかと思うので、これはまた今後の廃止措置のプログラム等でも考えなきゃいけないことだと思います。
 いかがでしょうか。
【服部委員】  人材のところで、先ほどの3-3の資料でありますが、最後のところに、エネルギー基本計画の素案を踏まえた今後の人材育成ということが書かれているのですけれども、最後の締めの文章が、「着実に取り組んでいくことが必要である」と、非常に淡々と書かれているのですが、今度のエネルギー基本計画の素案を見ますと、人材育成に係るところが相当たくさん書き込まれています。したがって、少しその辺を踏まえて、もう少し具体的に。廃炉のところはありましたし、そのほかも幾つかあったと思いますので、次の26年度の計画とのつながりのこともありますので、少し書き込まれた方がよろしいのではないかなと思います。
【近藤原子力課長補佐】  検討して、また相談をさせていただきたいと思います。
【田中主査】  あと、同じことを原子力システム研究開発事業についても、今後の方向性のところで、エネルギー基本計画に対する意見を三つ書かれて、「以上を踏まえて」。この辺ももうちょっと丁寧に書いた方がいいかなと思いますので、ちょっと考えたいと思います。
 あと、いかがでしょうか、
 先ほど名前が挙がった2人の先生方、一般的なことでもし何かあれば。
【小栗委員】  人材育成プログラムの評価の中で、波及効果としまして、本プログラムを開始した以降の、原子力システム工学科とか原子力専攻の設置の状況などが出ておりますが、これはどういうふうに理解することを念頭に……。要するに、因果関係があるのか、あるのならば明確にした方がよろしいかなと思いますし、その辺のところがちょっと分からないところでございます。
【近藤原子力課長補佐】  人材育成の取組を評価するときはそこが多分一番難しくて、いろんな要素が絡まってこの原子力専攻の設置という結果につながっていると思います。例えば、この時代、原子力ルネッサンスと言われて新増設もあったというような背景事情もあるでしょうし、いろいろあるとは思うのですけれども、長岡技術大学のケースについては、このプログラムに平成21年度から採択されてカリキュラムを作って、そういったことが、ある程度原子力専攻の設立につながったのではないかと考えております。ただ、事業成果というところに書くほど直接的な因果関係はないのかなと思って、波及効果というところに書かせていただいていると御理解いただければと思います。
【田中主査】  よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ、伊藤さん、お願いします。
【伊藤委員】  もう既に取り組まれていることかもしれないのですけれども、事故後はどう、スペシャリストを育てるという点は非常に必要だと思います。これからも必要だと思うのですが、やっぱり社会性というか、社会との関わりというものは専門家の方であってもどうしても持っていただかないと、やはり前には進めない状況にあると思うんですね。ですから、そういう部分でコミュニケーション能力を鍛えるだとか。プログラムで、地元の子供たちと触れ合いながらといった、そういうプログラムがあったような気がするので、そういうことをちょっと膨らませながら、いかに市民と近づきながら、丁寧な説明をしながら、理解を得て初めて技術が生かされるのだということをやっぱりどこかに持っていてほしいなという思いがあります。
【近藤原子力課長補佐】  ありがとうございます。このプログラム自体の新規採択は平成22年度までだったので、今日の説明では、そこはあまりできなかったのですが、その後の国際原子力人材育成イニシアティブというのはまだ新規採択もしている事業がありまして、その中では、事故後はリスクコミュニケーションの不足というのが指摘されておりましたので、そういったところを重点的に支援するといったことはしておりますので、もう少しその辺のところを、8ページの下の「国際原子力人材育成イニシアティブへの発展」という中で書き込めればと思いますので、検討させてください。
【田中主査】  ありがとうございます。
【服部委員】  今の意見に関連して、先ほど来申し上げておりますエネルギー基本計画の素案の中で、「国民、自治体、国際社会との信頼関係の構築」という項の中の、「福島事故を踏まえた広聴・広報」というくだりがありまして、その最後のところに、「多様なステークホルダーとの丁寧な対話や情報共有のための取組強化等により、きめ細やかな広聴・広報を行う。さらに、世代を超えて丁寧な理解増進を図るため、原子力に関する教育の充実を図る」と書かれているので、これ、書きっ放しで、多分、教育の充実ということになると文科省がこれを受けてということになるので、これを展開していく必要があると思うのですね。
 今のプログラムの中にはそこまで入ってなくて、人材育成ネットワークの中では、初等・中等教育というところもありますので、その辺とうまく連携して進められればと思っております。
【田中主査】  ありがとうございました。その辺、しっかり書きたいなと思います。
 あと、多分、またじっくりと見ていただくといろいろと御意見あるかと思いますので、来週の火曜日、1月28日までに事務局の方にメールで是非頂けたらと思います、両方について。人材についてはいろいろと御意見があったので、原子力システムのところにつきましても、こういうことを書くべきじゃないかとかいうのを是非御意見を頂けたらと思います。1月28日までということでございます。
 その御意見を頂いたことを踏まえまして、事務局とも相談させていただいて、評価書を作成したいと思います。また必要に応じて、委員の方にも確認をとりながらいきたいと思いますので、その辺の修正版の作成のところは私の方に一任させていただくということでよろしいでしょうか。必要に応じてまた委員の方に確認等をとる。また、意見が少なければ、ちょっとこの辺について意見が欲しいというようなことをお願いするかわかりませんけれども、よろしくお願いいたします。
 何回も申し上げていますが、そういうようなことを踏まえまして、この二つの評価書は、2月に開催予定の研究計画・評価分科会にて私の方から説明を行い、審議され、決定されるという運びになっていきますので、よろしくお願いします。
 最後に、その他ですけれども、事務局の方から何かありますでしょうか。
【石川原子力課長補佐】  資料4といたしまして、文部科学省の原子力予算の全体像を簡単に資料として入れさせていただいております。本日はもう時間が来ておりますので説明は省かせていただきますが、中身についてまた御意見があれば、御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【田中主査】  ありがとうございます。
 その他、皆さんの方から何か御意見とかございますでしょうか。ないようでしたら、事務局の方から御連絡、特にありますか。
【石川原子力課長補佐】  ただいま田中主査の方からもおっしゃっていただきましたけれども、今日頂きました御意見等を含めまして、必要に応じて修正版等、事務局からまた御連絡させていただきたいと思います。また、今日の会議の議事録につきましても、出来次第、メール等で確認させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【田中主査】  ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第10回の原子力科学技術委員会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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-- 登録:平成26年03月 --