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参考−6

次世代海洋探査技術に関する研究開発計画

平成18年6月6日
文部科学省

1.検討にあたっての背景

 地球規模の環境問題や大規模自然災害等の脅威に対する危機管理を自律的に行うとともに、エネルギー安全保障を含む我が国の総合的な安全保障や国民の安全・安心を実現することが極めて重要である。我が国は世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を有する海洋国家であり、地球環境変動における海洋の役割の理解、海溝型巨大地震や津波などの防災、海底資源の開発利用などについて国家としての基盤を作り世界をリードする役割が求められている。そのためには、海底の地震発生帯や海底資源探査を可能とする我が国独自の海底探査技術等を開発するとともに、海洋に関する観測データや広域性、耐災害性を有する衛星による均質な観測データ等の全球に関する多様な観測データを収集、解析し、利用側のニーズに対応できるよう統合化し、提供を行っていく必要がある。これら「海洋地球観測探査システム」が国として主体的に取り組む必要のある国家基幹技術として第3期科学技術基本計画の分野別推進戦略において位置づけられた。このシステムは、我が国周辺及び地球規模の災害情報や地球観測データ等をデータセットとして作成・提供するものであり、以下に掲げる課題をはじめとして、我が国が災害等の危機管理やエネルギー対策を含む安全保障、地球環境問題の解決等に主体的に取り組むために不可欠なものである。

【課題】
近年、我が国において豪雨災害等が多発しており、その原因とされる地球温暖化等の研究を推進するため、全球的な観測データが必要である。海洋分野については、観測船やブイなど海表面や浅海での観測プラットフォームを有しているが、北極海の氷の下や海底火山付近の危険海域での観測や地殻内の古環境の理解、深海底の面的な観測等が空白域となっている。
スマトラ沖地震が甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいが、我が国においても同様の海溝型巨大地震が発生することが危惧されており、地震発生のメカニズムを研究するとともに、早期警報に資する研究開発を実施し、その被害軽減等対策を行う必要がある。
微生物から得られる有用物質は医療、産業界等幅広い分野で応用利用されている。現在、実態上地球に残された最後の未知生物圏である海底下には巨大な微生物圏が存在していると推測され、これらの生態・機能を研究し得られた成果を活用することは、新たなイノベーション創出に大きく貢献することが予想される。
我が国は資源小国であるが、日本周辺海域の海底下には豊富な資源があると見込まれており、我が国の大陸棚を精密に探査する必要がある。

 これらの課題を解明、理解するためには以下のデータ及び試料を取得し、それらを基に検証・解析を行うことが必要不可欠である。

【必要とされるデータ等の例】
北極海の氷海   氷厚、連続的な水温、塩分濃度、溶存酸素
海底火山の影響 画像、採水、基礎データ(水温、塩分濃度等)
地震発生メカニズム 地震発生域(断層域)のコアから得られるデータ
地震発生帯の観測 断層の歪み、地震波、重力
古環境 未踏の大深度コアから得られるデータ、微生物
海底地形 海底下を含む詳細地形データ
海底資源 海底下構造データ、電気伝導度、重磁力データ

【求められる技術】
 現状では、このようなデータを取得するための手段は確立されておらず、今後、新たに次世代の探査技術として具現化を推進する必要がある。この際、目指す能力及び技術としては、以下のようなものが考えられる。
深海の海洋データ(CO2(二酸化炭素)濃度、塩分濃度など)を面的に自動観測する能力
北極海の氷の下を自律的に観測する能力
海底火山付近等の危険海域を自律的に観測する能力
古環境を保存する地殻コアを採取する技術
地震発生域の地殻を直接採取する技術及び上部マントルを採取する技術
対象目的とする地層、断層を効率的に掘削し、コアを採取する技術
掘削孔を利用した地震発生域を直接観測する技術
掘削孔を利用した地震観測等の機器の設置を安全・確実に行える能力
自在な海域をカバーする自律的な海底地形探査、資源探査能力
日本周辺海域における、海底地震ケーブルの敷設・保守等に係る重作業及び緻密作業を安全確実に行える能力
原始地球に類似した高温・高圧環境下に生息する微生物を採取・保持する技術

2.次世代海洋探査技術として開発すべき技術

 我が国の科学技術の観点からみれば、地球深部探査船「ちきゅう」は、現在、科学掘削では世界最高の掘削能力を有し、深海巡航探査機「うらしま」は、世界最長の連続長距離航行記録を達成している最新鋭の研究開発ツールである。また、有人潜水船「しんかい6500」は世界の有人潜水船の中でも、最高水準の性能を有しており、さらに、無人探査機「かいこう」についても、過去に世界最深部に到達した記録を有するなど、海洋の分野のうち深海底の探査・観測は、現時点では我が国が諸外国に対し優位に立っている分野である。しかしながら、全地球的に海洋開発へ注目度が高まる中、他国の技術開発が進み、我が国を超える調査能力を目指した探査技術開発も進められている。
 我が国が、今後も、人類最後のフロンティアである海洋開発において主導的立場を占めるとともに、海洋分野の研究開発を推進することによって国家の総合的安全保障や地球規模の環境問題への取り組みを強化していくためには、これらの技術の優位性を活かしつつ、我が国の課題克服に向けた次世代海洋探査技術について、次のステップに進む必要がある。
 このような観点を踏まえ、1.で述べた【課題】の解決に資する【求められる技術】を有する次世代海洋探査技術としては、以下の技術の開発を行うことが適当であると考える。

【深海底ライザー掘削技術】
 地球深部探査船「ちきゅう」については、平成17年7月に完成し、現在、平成19年9月からの国際運用に向けて試験運用が行われている。「ちきゅう」のライザー掘削技術は科学掘削としては世界初の技術であり、そのポテンシャルを最大限発揮するため、世界最高の深海底ライザー掘削技術の開発が必要である。また、この掘削技術を人類未到のマントルへの到達を目指す技術開発に繋げていくことが重要である。

【次世代型深海探査技術】
 広域な海底及び海中を自在かつ迅速に観測しデータを取得する事のできる「次世代型 巡航探査機技術」及び大深度で複雑な作業を行うことのできる「大深度高機能無人探査機技術」という2つの技術を「次世代型深海探査技術」と定義し、重点的に取り組んでいくことが適当である。

 以上の技術を開発することにより可能となる、既存の観測船やブイ等では不可能であった海域における広範囲な海洋データの取得や三次元的な長距離海流データの取得など、大規模で高精度な環境データ取得は、温暖化等の地球環境変動問題解明に極めて重要である。
 また、地震発生域の地殻の直接採取、掘削孔を利用したリアルタイム計測、地殻内微生物有用物質などは、産業界への応用利用及び資源量の詳細把握などに活用可能であり、防災や社会経済上、極めて貢献度の高い技術開発と考える。
 さらに、近年の原油の価格高を反映し、世界中の海域で海洋資源開発のための探査・開発活動が活発化している。特に昨今の中国、韓国等アジア諸国の海洋開発の進展は著しく、深海分野の技術開発についても我が国を追従しはじめている。このような状況の中で、我が国が海洋探査を自在に実施していくための世界唯一あるいは世界最高性能の次世代型の海洋探査技術開発を推進することは、我が国の海洋権益、総合的安全保障を確保することのみならず、地球環境変動問題等グローバルな研究においても世界のリーダーシップをとれるものであり、その意義は深い。
 加えて、関連する他の研究分野の動向の把握を行い、積極的に連携・協力を図るとともに、必要に応じて共同研究を行うことが望ましい。

3.具体的な開発技術について

3−1.「ちきゅう」による世界最高の深海底ライザー掘削技術の開発

海面下2,000〜4,000メートルの海底から、7,000メートルの掘削孔を構築し、地球深部の地質試料(コア)を自在に取得するための技術開発
 
(1) 大深度掘削技術の開発
(2) 大水深ライザー掘削技術の開発
(3) 深部掘削孔内計測技術の開発
(4) 極限環境保持生物採取技術の開発

【開発目標】
(1) 大深度掘削技術の開発
 
1 試料採取装置(コアバーレル)の開発 (達成年度 平成24年)
  現状:温度150度程度から目標:300度
泥水駆動型の新規開発、超硬質岩での掘削可能なビットの開発
2 動揺吸収装置の新しい制御手法の開発 (達成年度 平成22年)
  現状:50パーセント動揺吸収率から目標:75パーセント動揺吸収率
3 掘削方向制御技術の開発 (達成年度 平成25年)
  現状:石油掘削用温度150度程度から目標:温度300度、圧力2,000気圧
(コア掘り用技術については、新規開発)
4 ドリルパイプの開発 (達成年度 平成24年)
  現状:10,000メートルから目標:12,000メートル
5 大深度ケーシングの開発 <新規開発> (達成年度 平成23年)
6 高温用泥水技術の開発 (達成年度 平成22年)
  現状:200度強から目標:300度超

(2) 大水深ライザー掘削技術の開発
 
1 軽量ライザーシステムの開発 (達成年度 平成25年)
  現状:2,500メートルから目標:4,000メートル超
2 防噴装置(BOP)稼働水深増大 (達成年度 平成25年)
  現状:2,500メートルから目標:4,000メートル超
3 強潮流対策 (達成年度 平成20年)
  現状:掘削時1.5ノットから目標:掘削時4ノット
4 DPS限界の向上 (達成年度 平成25年)
  現状:1.5ノット(潮流)から目標:4ノット(潮流)
現状:23メートル(風速)から目標:23メートル(風速)

(3) 深部掘削孔内計測技術の開発
 
1 高温高圧環境下での地震・地殻歪センシング技術 (達成年度 平成24年)
  現状:80度海底下1.2キロメートルから目標:180度〜200度海底下6キロメートル
2 深部掘削孔内へのセンサー設置技術 (達成年度 平成24年)
  現状:海底下1.2キロメートルから目標:海底下6キロメートル
3 孔内センサーの海底ケーブル観測網への接続 (達成年度 平成24年)
  現状:海底でのオフライン記録から目標:海底ケーブル観測網への応用接続技術

(4) 極限環境保持生物採取技術の開発
 
1 制菌技術 <新規開発> (達成年度 平成22年)
  目標:汚染度1パーセント以下
2 採取環境保持技術 (達成年度 平成20年)
  現状:680気圧から目標:2,000気圧
3 環境モニタリング技術 (達成年度 平成25年)
  現状:温度のみモニタリングから目標:温度、圧力、化学センサーの開発
4 現場環境再現技術 (達成年度 平成22年)
  現状:温度121度 圧力680気圧から目標:温度200度 圧力2,000気圧
5 培地供給技術 (達成年度 平成20年)
  現状:なしから目標:ガス/液体培地の注出入

3−2.次世代型深海探査技術の開発

3−2−1.次世代型巡航探査技術

 地球環境問題、地殻変動等の解析に必要な海洋データの取得、詳細な海底地形図作成、エネルギー資源の探査等を行うため、水深6,000メートルまでのあらゆる海域において、自在かつ長距離・長時間を航走することのできる巡航型の無人探査機を開発する。

(1) 高効率エネルギーシステムの開発
(2) 高精度慣性航法システムの開発
(3) 水中音響技術
(4) 精密観測・探査機器の開発

【開発目標】
(1) 高効率エネルギーシステムの開発
 
1 エネルギーシステム (達成年度 平成22年)
  現状:燃料電池のエネルギー効率54パーセントから目標:60パーセント
2 水素貯蔵率 (達成年度 平成22年)
  現状:2,000倍から目標:4,000倍
3 酸素貯蔵率 (達成年度 平成22年)
  現状:ガス状として貯蔵から目標:試料に吸着(貯蔵率200倍以上)

(2) 高精度慣性航法システムの開発
 
1 リングレーザージャイロ誤差精度向上等 (達成年度 平成21年)
  現状:0.2マイル毎時から目標:0.05マイル毎時

(3) 水中音響技術
 
1 水中通信技術 位相共役波送波器の開発 (達成年度 平成22年)
  現状:10,000メートルから目標:100,000メートル以上
2 水中広域位置音響測位システム (達成年度 平成22年)
  現状:10キロメートルから目標:3,000キロメートルレンジ

(4) 精密観測・探査機器の開発
 
1 合成開口ソーナー開発 (達成年度 平成21年)
  現状:分解能20メートルから目標:数センチメートル
2 サブボトムプロフィラー開発 (達成年度 平成21年)
  現状:海底下100メートルから目標:500メートル
3 高精度センサー等の開発 (達成年度 平成21年)
  氷厚センサー、メタンハイドレートセンサー、重力計、化学センサー 等
目標:新しいセンサーの開発、または、巡航探査機への応用

3−2−2.大深度高機能無人探査機技術

 大深度における地球環境問題、地殻変動等に必要な海洋データの取得を行うとともに、我が国周辺海域のほぼ全域の海底において、試料の採取などの重作業から海底ケーブルの保守などの精密作業までをこなせる無人探査機を開発する。

(1) 推進システムの開発
(2) 高機能マニピュレータの開発
(3) 高機能画像システムの開発
(4) 高度浮力システムの開発
(5) 高強度ケーブルの開発
(6) 光通信システムの開発
(7) 高度情報処理システムの開発

【開発目標】
(1) 推進システムの開発
 
1 新推進システムの開発 (達成年度 平成22年)
  現状:スラスター中心から目標:スラスター及びクローラー
(2) 高機能マニピュレータの開発
 
1 制御システム等の開発 (達成年度 平成22年)
  現状:精密な空間位置制御は不可から目標:複雑・緻密作業
(3) 高機能画像システムの開発
 
1 制画像処理合成システムの開発等 (達成年度 平成22年)
  現状:単一カメラから目標:複数カメラの合成による立体感、視野の向上
(4) 高度浮力システムの開発
 
1 高性能素材の開発 (達成年度 平成21年)
  現状:高吸水率から目標:反復使用可能低比重、低吸水率、高強度
(5) 高強度ケーブルの開発
 
1 構造の開発 (達成年度 平成21年)
  現状:FRPロッド抗張力体から目標:新素材、低捻回性構造の開発
(6) 光通信システムの開発
 
1 速度 (達成年度 平成21年)
  現状:622Mb/sec(メガビット毎秒)から目標:12Gb/sec(ギガビット毎秒)
(7) 高度情報処理システムの開発
 
1 情報管理処理システムの開発等 (達成年度 平成22年)
  現状:分割多重処理、集中制御から目標:高精度並列処理、分散制御

4.推進体制

 以上のような技術開発に当たっては、海洋研究開発機構のみならず、国内の研究機関との連携による研究開発の推進が効率性の観点から重要であり、自在な海洋の探査、データ取得、試料採取等の技術開発の進捗調整や利用者ニーズ等の研究へのフィードバックなどを行う必要がある。海洋研究開発機構においては、各開発技術のマネージメントを一括して行う体制を構築するとともに、利用者ニーズや海洋探査全体の中での役割等について議論する外部有識者を交えた体制を整備すべきである。加えて、明確なマネージメント体制の下、「深海底科学ライザー掘削技術」、「次世代巡航探査機技術」、「大深度高機能無人探査技術」の開発技術毎に、海洋研究開発機構が中心となり、東京大学、九州大学等の大学、造船メーカー、鉄鋼メーカー等の民間企業、産業技術総合研究所、海上技術安全研究所等の研究機関等と共同研究に関する協定等を締結の上、連携し、開発を行う。その際、開発する技術が、我が国独自の技術として集積されるよう努める必要がある。また、次世代海洋探査技術で得られるデータの活用推進及び新しいシーズの開拓を目的とした体制を整備する。(別添資料参照)

5.資金計画

 以上で述べた技術の開発を行うにあたり、第3期科学技術基本計画期間中の事業費(試算ベース)は、以下のとおりである。

「ちきゅう」による深海底ライザー掘削技術の開発   316億円
次世代型深海探査技術の開発
−次世代型巡航探査機技術の開発
−大深度高性能無人探査機技術の開発
  39億円

※これらの事業費の見積もりは、現時点での試算値であり、今後、変動する可能性がありうる。

6.期待される成果

 国家基幹技術の開発においては、国産技術の向上など我が国の海洋産業を育成するという観点から取り組むことが期待される。
 最後に、本研究開発計画に記載した技術を開発することにより期待される成果を以下に示す。

【地球環境変動関連】
 地球環境変動を正確に把握・評価するためには、あらゆる海域の海洋データ(水温、CO2(二酸化炭素)濃度、塩分濃度等)や深層の海洋データが必要であり、既存プラットフォームでは観測不可能であった例えば、中央海嶺等の海底火山付近の危険海域における海洋データ取得や深層部の海洋循環の効率的な海洋データ取得をも可能とし、地球環境変動シミュレーション研究等の飛躍的進歩が期待できる。
 また、今までは不可能であった大深度の掘削を行うことにより得られるコア試料のデータと既存の古環境のデータの統合による将来の気候変動予測研究、さらに、海底下より採取した未知の微生物/ゲノムと既存のデータ及びその生息環境バックデータを統合することにより過去の地球環境変動の理解、将来予測への応用等において成果が期待できる。
 これら地球環境変動に関する研究が進むことにより、地球環境の把握、現象の予測精度の向上を図ることが可能となり、地球温暖化への対策、異常気象の発生予測、集中豪雨対策等、国民の社会生活に安全・安心をもたらすことができる。

【防災関連】
 水深4,000メートルを超える深海での海底下深部の地震発生域からのコア試料直接採取が可能となることから、海溝型の地震発生域の直接解析を可能とするデータや掘削孔を利用した地震観測リアルタイムデータが得られる。また、地震の伝搬媒体である海底地殻構造の詳細把握が可能となり、これらのデータの統合解析による地震メカニズム解明の研究が進む。さらに、高度化する海底地震観測システムのケーブル敷設、保守作業を安全、確実に行うことが可能となる。これらにより、災害の早期警報に資する研究開発を実施することができ、地震波の伝搬の事前通報、津波の伝搬の詳細事前通報など、被害の軽減等対策方針を策定に資することが期待できる。今後さらに、震災に強い街づくりにむけた研究へ成果を応用していくことが想定できる。

【資源関連】
 資源探査においては、迅速に広域で精度の高いデータを取得することが重要であり、観測船や曳航体などでは取得が困難であった高精度なデータを、対象物に近い海中を航走することにより取得し、より効率的に海洋資源量を把握することが可能となる。
 これにより、既存の海底地層データで資源の存在が予測される海域を重点的に調査し、広域海底下データ及び掘削データなど観測データを3次元的に統合することにより、我が国全体の詳細な資源の存在量が把握可能となる。また、衛星データと広域の海洋基礎データにより水産資源の正確な動向、資源量の把握が可能となる。さらに、地殻内微生物を採取することにより、産業応用が可能な新たな有用機能を抽出することが期待されている。
 以上のように、陸域資源の少ない我が国において、海洋資源確保は安全保障や海洋権益の確保にもつながるものである。

【その他】
 高精度な広域探査及び深海作業等海洋探査技術は、遭難したタンカーの重油流出などの非常事態において、状況把握及び対策のための海中作業を可能とするなどの社会貢献活動が期待される。また、我が国の排他的経済水域内の詳細情報把握や海中作業を行う能力を保持することは、国益上、意味がある。
 さらに、国民に夢を与えるとともに、科学技術への興味、理解促進に資する基礎研究に寄与することが期待できる。なお、理解促進の観点からは、技術・成果のビジュアル化等に取組むことが必要である。
人類未到のマントルの採取により、「地球」の生い立ちを理解できる。また、深部のコア試料から太古の環境の微生物を解析することにより、生命の起源等について理解が期待できる。
衛星による陸地移動のデータと海底面の移動データとの統合により海陸地殻変動の把握が可能となり、プレートテクトニクスの理解につながる。


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