原子力分野の研究開発に関する委員会 研究施設等廃棄物作業部会(第4回) 議事録

1.日時

平成20年11月4日(火曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 第1会議室

3.議題

  1. 埋設処分業務の実施に関する基本的な方針(案)について(文部科学省)
  2. その他

4.出席者

委員

山名主査、石榑委員、佐々木委員、白羽委員、高橋委員、辰巳委員、東嶋委員、野口委員、三代委員、森委員

文部科学省

櫻井大臣官房審議官(研究開発局担当)、山野原子力計画課長、次田放射性廃棄物企画室長

オブザーバー

伊澤 日本電機工業会原子力部課長、高野 日本立地センター地域調査部長、丸茂 電気事業連合会原子力部部長

5.議事録

【山名主査】
 定刻になりましたので、第4回研究施設等廃棄物作業部会を開催いたします。
 まず、本日の議事に入る前に、1つ私のほうからお諮りさせていただきたいことがございます。本日、ご欠席の柴田委員の代理として日本電機工業会原子力部課長の伊澤正明様が来られています。また、五味委員の代理として日本立地センター地域調査部長の高野泰匡様が来られています。また、電気事業連合会高橋委員が早めに退席されるということで、電気事業連合会原子力部部長の丸茂俊二様においでいただいています。3人の代理の方には、オブザーバーという形で本日の議論に積極的に参加していただきたいと考えておりますが、皆様、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【山名主査】
 ありがとうございます。
 それでは、まず、本日、櫻井審議官がお見えになっておられます。一言ご挨拶をお願いします。

【櫻井大臣官房審議官】
 皆さん、おはようございます。本日は皆様、お忙しいところ、また、日程の変更があったにもかかわらず、ご出席を賜りましてありがとうございます。先般の国会で改正されました独立行政法人日本原子力研究開発機構法の改正に基づきまして、今後、機構が行う研究施設等廃棄物の埋設処分事業の実施に向けての基本方針をまず国として作成するということになってございます。本作業部会ではこれに向けての議論をいただいているところでございます。
 本日は、この作業の一環としまして、先般から実施しておりますパブリックコメントでいただきました意見への回答案、そして意見を踏まえました修正の基本方針案、これを準備いたしております。皆様方に忌憚のないご意見を頂戴できればと考えております。今後の研究施設等廃棄物の円滑な処分の実施に向けまして、引き続きましての主査の山名先生をはじめとする先生の皆様方のご指導、ご支援をお願い申し上げまして、簡単ではございますが、冒頭の挨拶ということにさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

【山名主査】
 それでは、本日の議題と配付資料につきまして、事務局のほうから説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 まず、議事次第が一番上にあると思いますが、今日の議題といたしましては、今、審議官から話がありましたように、前回、ご議論いただいた基本方針についてパブリックコメントを実施して、その結果、どう反映していくかというご議論でございます。配付資料といたしましては、資料1から資料2、資料3-1、3-2、あと参考資料が1つ、パブリックコメントの生データがございます。もしも過不足等ありましたら、お申し出いただければ適宜対応いたします。
 また、併せて、席上だけですが、前回と前々回の議事録の案を配らせていただいてございます。これにつきましては後ほど見ていただきまして、何かありましたら今週中にご連絡いただければ適宜直したいと思います。
 以上でございます。

【山名主査】
 資料のご確認、よろしくお願いします。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず議題1ですが、埋設処分業務の実施に関する基本的な方針の案についてであります。それでは、まず事務局から説明をよろしくお願いします。

【山野原子力計画課長】
 まず、資料1でございますが、若干、これまでの経緯も含めて、簡単に書いてございます。7月、8月と当作業部会におきまして基本方針につきましてご議論いただいたということで、8月8日に基本的な方針案をまとめさせていただきました。その後、その作業部会の親委員会であります原子力分野の研究開発に関する委員会というものに8月21日に説明をいたしまして、了解をいただいております。その後、内部的な手続きの上で、9月13日から1カ月間、パブリックコメントを実施いたしました。
 結果として、42名の方から計75件の意見をいただきました。内容的には、参考にしてもいいのではないかという意見がかなりありました。それは後ほど説明いたします。したがいまして、パブリックコメントについてどう対応するかということを今日ご議論いただきまして、その結果も踏まえて、直すべきところは直して、近い将来に主務大臣が基本方針を決定して公表するという手続きになります。その後、これを受けて原子力機構が実施計画を作成するというようなことにつながっていきます。
 具体的な対応についての議論に入ります前に、若干資料の説明をしますと、まず、参考資料というのがありますが、これが、いただいたコメントの生データということで、当然、個人情報ということで名前などは落としていますが、それぞれ1番から42番までの方から、人によっては何点かコメントがありましたので、これを踏まえて、資料2では、それぞれ事項ごとにある程度整理をして、どう対応するかということをまとめております。
 資料2の中でも右側の欄で下線を引いた部分がございます。その部分は、指摘を踏まえて本文も変えようという部分でございます。そして、パブリックコメントを踏まえ修正した部分を赤字にしたものが3-2でございます。まず、このようにパブリックコメントをいただきました75件の案件、実際上、1件の中にも2つぐらいの観点が入ったりしていますので、結果としまして、これで言いますと78件につきまして、それぞれどう対応するかということにつきまして、資料2に基づきまして担当の室長であります次田から、まず説明いたします。

【次田放射性廃棄物企画室長】
 それでは、引き続きましてパブリックコメントでいただいた主なご意見の概要と、それに対する回答の案を事務局のほうで準備させていただきましたので、これにつきましてご説明いたします。お手元の資料の、資料2「パブリックコメントでいただいた主な御意見の概要と御意見に対する回答(案)」と、資料3-2「埋設処分業務の実施に関する基本的な方針(案)」の見え消しで赤字が入っているもの、その2つの資料を使いましてご説明いたします。
 まず、資料2の上のほう、今、山野から説明させていただきました、パブリックコメントで頂戴したご意見につきましては、事務局で要約、観点ごとに整理して取りまとめをいたしました。また、1件のご意見でも観点が異なるものが含まれている場合には分割して整理しております。お手元の資料の資料2では、右と左に分けて左側にご意見の概要、右側に回答(案)となっておりまして、右側の欄の下線の波線部分は基本方針の案を修正することを考えている部分です。以上の前提でご説明いたします。
 まず、最初のカテゴリーですけれども、埋設処分の対象及び処分業務の実施体制についてのご意見でございます。1番目のご指摘は、今回の原子力機構の業務に少量の天然ウラン・劣化ウラン・トリウム等を扱う事業者が入っていないのではないかというご懸念からのご意見ですけれども、今回、原子力機構が埋設処分を行う研究施設等廃棄物については、そのような少量のウラン等を扱う事業者から発生する廃棄物についても処分の対象になるということで回答したいと考えております。
 2番目と3番目のご意見ですけれども、日本全体で考えたときに低レベル放射性廃棄物の埋設処分の一元化は必須である。核燃料サイクル関連施設の低レベル放射性廃棄物も含めた抜け落ちのない処分体制の構築を図る必要があるとか、一元的な処分を行うに当たって日本原燃との関係がどうなっているのか等のご指摘をいただいております。
 これに対する回答(案)といたしまして、本年の9月1日に施行されました改正原子力機構法におきまして、日本原燃と並びまして原子力発電所関連施設以外の研究施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の処分を行う主体として原子力機構が明確に位置づけられましたので、低レベル放射性廃棄物について我が国全体として抜け落ちのない効率的な処分体制が構築されることとなっております。実際、研究施設等廃棄物の処分を実施していくに当たり、原子力機構はきちんと日本原燃と調整・協力していくものと考えておりますので、その旨を回答したいと考えております。
 4番目のご意見は、原子力機構と日本原燃が技術を持っているということで、廃棄物の一体的、合理的処分の技術的方法の追求に努めるべきと技術的側面での両機関の責務を規定すべきというご意見です。ご承知のとおり、この基本方針は、原子力機構が行う埋設処分業務に関するものです。日本原燃の責務を定めるものではございませんので、その旨を回答させていただいた上で、当然、日本原燃と原子力機構が、両者が協力して合理的な処分を行っていくことが重要ですので、その旨はこの基本方針の2.(2)において規定しております。
 5番目の意見と6番目の意見ですけれども、これは余裕深度処分相当の廃棄物の取り扱いについてです。5番目は、今からちゃんと計画を進めるべきではないかということと、6番目は放射性核種の同定等に多額の費用と期間が見込まれる場合には、余裕深度処分をすることも検討すべきではないかというご意見です。
 これにつきましては、基本方針の2.(2)において、最後に規定しておりますけれども、今回の基本方針で当面、第一期事業においてはトレンチ処分及びコンクリートピット処分が可能な廃棄物を対象として進めてまいりますが、余裕深度処分が必要となるものについても今後検討を進めまして、処分計画が具体化した段階で基本方針の改定を行っていきたいと考えておりますので、その旨、回答させていただきたいと考えております。
 7番目と8番目のご意見です。いわゆるTRU廃棄物の取り扱いについてどうするのか。地層処分についてどうするのかということでご指摘、ご意見をいただいております。改正原子力機構法においては、原子力発電環境整備機構(NUMO)の業務に属する廃棄物の処分については、原子力機構の埋設処分の業務の範囲から法律上、除かれております。その旨を回答した上で、また、この基本方針の策定に当たっては関係者からご意見を聴取するなど、適切に関係者間の協力を図っていくということを改めて書かせていただきたいと考えております。
 9番目のご意見です。我が国全体として抜け落ちのない効率的な放射性廃棄物の処分体制の構築を図るということをこの基本方針の案の中では書かせていただいておりますけれども、こういうものは国、あるいは関係事業者が共同で取り組むべきものであって、一機関に負わせるのは適切ではないのではないかというご意見です。
 これについては、改正原子力機構法と、その下の関係法令において、適切な役割分担というものが定められており、法令上、規定がなされているということで、その上で原子力機構が日本原燃と協力して我が国全体として抜け落ちのない低レベル放射性廃棄物の処分体制の構築を図っていく旨、この基本方針でも書かせていただいておりますので、それを回答とさせていただきたいと思っております。当然、具体的な処分の実施に当たりましては、国や関係機関の間でしっかりと調整しておくという旨も回答に含ませております。
 10番ですけれども、「一元的な処分を検討すること」ということについて、これは具体的にどういうことかというご質問でした。これはそのまま文字どおり、右側に解釈を書かせていただいたのですけれども、一元的な処分とは廃棄物の発生者にかかわらず、廃棄物の種類・性状等に着目いたしまして、合理性が認められ、関係者の間で合意される場合には一括して処分を行う、その旨を回答させていただきたいと考えております。
 11番のご意見ですけれども、「一元的な処分を検討すること」とあるけれども、何を検討の対象とするのか。実施の責任の所在はどうなるのか明記すべきではないかということです。これについては、現時点で具体的に一元的な処分の実施や検討対象が決まっているものではございません。基本的な考え方として基本方針の中に記述させていただいたものですので、その旨を回答したいと考えております。また、併せて、一元的な処分については、必要に応じて今後、原子力機構、日本原燃、そして発生者等の関係者の間で検討される可能性があると考えている旨を記述させていただきたいと考えております。
 12番のご指摘、ご意見です。原子力機構と日本原燃はまだ処分方針が決まっていないウラン廃棄物、アルファ廃棄物の排出者ではなく、両事業者が処分方法を考えるとは期待できないので、我が国全体として抜け落ちのない効率的な処分体制の構築というのは、国が担うべきであるというようなご指摘をいただいておりますけれども、若干、このご意見については事実誤認がございまして、原子力機構や日本原燃が有する施設からもウラン廃棄物に類するものというのは発生しております。
 その上で、9月1日に施行されました改正原子力機構法において、原子力機構はウラン廃棄物、これはNUMOが処分することとなる地層処分相当の廃棄物を除いたものですけれども、ウラン廃棄物を含めて研究施設等廃棄物の処分主体として明確に法律上、位置づけられたところです。併せて、国は、当然、この事業が円滑に進むよう積極的に原子力機構を支援していくという、そういう役割を果たしていきたいと考えております。
 13番ですけれども、これは原子力機構が実施主体であることへの説明が十分ではないのではないかというご意見です。今回、改正原子力機構法において研究施設等廃棄物の埋設業務を原子力機構の本来業務に位置づけた背景として、研究施設等廃棄物の約8割を原子力機構が発生させるということがあり、また、廃棄物の処分に関する知見を有するということで、この点につきましては、基本方針1.(1)基本方針の位置づけにその旨を明確にし、基本方針を修文することを考えております。
 具体的には1.(1)、これは下から2段落目になりますけれども、そこの右側にございますが、「第169回国会において、『独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律』が成立し、我が国の研究施設等廃棄物の約8割を発生させるとともに、処分に関する技術的知見を有する独立行政法人日本原子力研究開発機構を研究施設等廃棄物の処分事業の実施主体として明確に位置づけ」と修文をさせていただきたいと考えております。
 また、ご意見には、一般市民の目線で説明を丁寧にするべきだというものもありますので、この点については国、そして原子力機構が一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。
 次のカテゴリーですが、国の役割について、14番、15番、16番、17番、合わせて回答させていただきたいと思います。それぞれのご意見については、例えば国の関与について積極的かつ具体的な施策を講じるべきであるとか、国の一体的取り組みについては、重要項目の1つとして独立した章立てとして明確化すべきではないか、もしくは国は関係者間の連携推進に協力するというものを追加してほしいとか、国会審議において附帯決議で、政府は原子力機構の予算及び人員の確保に万全を期するというものがあったので、この旨を基本方針に含めるべきではないか、そういったご意見です。
 これらのご意見について、改正原子力機構法において、原子力機構が研究施設等廃棄物の処分の実施主体として明確に位置づけられましたので、原子力機構が責任を持って主体的にその処分事業を実施することが基本であると考えております。ただ、当然、国としてもその積極的な役割を果たすべきことについては、その認識をこの基本方針において明らかにしているところです。ただ、これらのご意見を踏まえまして、その原子力機構が行う処分事業との関連で、国が講じるべき措置を明確にする観点から幾つか基本方針を修文させていただきたいと考えております。
 具体的には、基本方針の1.(2)の埋設処分業務を進める際の基本的な考え方の最後の段落になりますけれども、そこに「国は、原子力機構が行う埋設処分業務が円滑に進むよう原子力機構と一体となって埋設施設の立地に向けた活動に取り組む」とあったのですけれども、そこに「など、積極的に原子力機構を支援する」ということを基本方針でも書き込みたいと考えております。
 あと、4.(2)事業運営のところの最後の部分に追加の記述として、「国は、関係者間の連携協力を促進するとともに、必要な予算の確保に努める」ということを明記させていただきたいと考えております。この関連になりますけれども、4.(2)につきましては、主語を明確にする等の観点から一部表現ぶりを修正させていただいております。
 続きまして、18番目のご意見です。18番目のご意見は日本原燃、NUMO、原子力機構と、いろいろ関係者がいるわけですけれども、将来の処分事業者の業務を包括して実施する国の機関を設立すべきというご意見です。これに対する回答の考え方ですが、これは当然、法律において制度的に既に我が国においては放射性廃棄物の種類に応じて、地層処分相当の廃棄物についてはNUMOが、低レベル放射性廃棄物については原子力機構と日本原燃で処分を実施するということになっておりますので、その旨を回答させていただきたいと考えております。
 次のカテゴリーですけれども、埋設処分地の選定についてです。19番目、20番目、21番目、22番目のご意見について、合わせて回答させていただきたいと思っております。これらのご意見の内容ですけれども、1つは国が前面に出るべきであり、これを基本方針で明確にするとか、埋設場所については国が選定するべきではないかといったご意見ですとか、この基本方針において国としての基本的な考え方、立地の理念とも言うべき手順について、基本的な考え方が十分示されていないのではないか、そういったご意見をいただいております。
 埋設施設の立地の選定については、この基本方針におきまして、国が手続きの透明性の確保と公正な選定を行うというものを示させていただいております。その上で実際の選定については埋設処分業務の実施主体である原子力機構が責任を持って、その手順及び基準の詳細を実施計画の中で明らかにして選定を行うべきものであると考えているところです。
 なお、埋設施設の立地というのは、事業の円滑な推進のためにも極めて重要ですので、国といたしましても原子力機構と一体となって埋設施設の立地のために必要な活動に取り組む旨、これも基本方針の中に含めております。
 23番目のご意見です。立地の基準に関しまして、3.(1)にある記述について、立地の基準に関して、埋設処分事業を円滑に実施するため、今、基本方針の中で事業用地の確保の容易さと廃棄体の輸送の利便性の2つを具体的な基準として示しておりますが、その妥当性についてのご意見です。この点につきましては、本年7月3日及び8月8日のこの作業部会において、ご指摘の2点の基準が含まれた基本方針の骨子案ですとか、基本方針の素案が議論されてご了承いただいているところです。
 なお、現在の基本方針案における記述ぶりにつきましても、該当部分につきましては一定規模の事業用地の確保の容易さ、廃棄体の輸送の利便性等に関する基準とさせていただいておりますので、その埋設処分地の選定に関する基準は、この2点のみに限ったものではなく、詳細については原子力機構がその実施計画の中で明らかにしていく、そういうものであるという旨を回答したいと考えております。
 24番目と25番目のご意見です。埋設処分地の選定に関連いたしまして、必要な用地の広さですとか、確保の容易さ、もしくは立地について原子力機構が現有している施設の近くに限定すべきではないかといったご意見です。こういったご意見につきまして、埋設処分の具体的なスケジュール及びその処分の選定基準等については、原子力機構が実施計画の中において明らかにするということとしておりますので、その旨を回答したいと考えております。
 26番目のご意見です。処分事業の実施までのスケジュールが判然としないということと、埋設処分地の選定が困難な場合の手続きも規定する必要があるのではないかといったご意見です。繰り返しになりますけれども、埋設処分の具体的なスケジュールにつきましては、原子力機構が作成する実施計画において可能な限り明らかにしていくこととなると考えております。その上で、当然、まずは実施計画において示される手続きにのっとって、埋設施設の立地が円滑に進むように国及び原子力機構が最大限努力していくことが重要だと考えておりますので、その旨を回答の中に含めたいと考えております。
 27番は、処分地の選定に当たっては高レベルのような状況にならないようにしっかりと取り組んでくれというご指摘でしたので、ご指摘を踏まえて処分地の選定が円滑に行われるように努めてまいりたいと回答したいと考えております。
 28番ですが、これは基本方針の3.(1)の後段の部分からの抜粋ですけれども、そこのところで、もとの案では「埋設施設の立地の選定は、原子力機構が定める手順及び基準に沿って埋設施設の立地の選定を行うとともに、当該地点の属する地方自治体の了解を得るものとする」、そのような案文を準備させていただいたのですけれども、ここの「埋設施設の立地の選定は原子力機構が行うとともに、当該地点の属する地方自治体の了解を得るとする」と、この「ともに」を用いて接続をすると順序関係が暗黙のうちに規定されているのではないか、そういうご意見です。
 これに対する私どもの考え方ですけれども、「当該施設の属する地方公共団体の了解を得るものとする」とさせていただいておりますのは、研究施設等廃棄物の処分事業実施のためには、当然のこととして、いずれかの段階で地元自治体の了解が得られていることが必要であるという、そういう考え方に基づいて書かせていただいたものですので、「ともに」を用いて併記することでご意見の中でご懸念されているような、原子力機構が定める手続きの順番を制約することにはならないと考えております。しかしながら、誤解を招かぬ表現となるよう、文を分けて基本方針を修文したいと考えております。
 具体的なその修文案は右側の欄の下のほうに書いておりますが、3.(1)埋設処分地の選定の第3段落目ですけれども、「原子力機構は、実施計画において定める手順及び基準に沿って埋設処分施設の立地の選定を行う。また、原子力機構は、処分の開始までに当該地点の属する地方自治体の了解を得るものとする」というふうに修文させていただきたいと考えております。いずれにせよ、埋設処分地の選定については、この基本方針にもございますように、手続きの透明性を確保して公正な選定を行うことを基本として考えております。
 29番目のご意見ですけれども、基本方針案では、立地選定を行う主体が明確ではないのではないかというご意見でした。仮に立地選定を原子力機構が行うとすれば、その中における国の役割は何かというご質問です。これに対する私どもの考え方ですが、埋設処分地の選定の主体というのは一義的には研究施設等廃棄物の処分の実施主体である原子力機構でございます。しかしながら、埋設処分地の選定については合意形成に至るまでに多くの困難を伴うことが少なくないことから、国としても原子力機構と一体となって埋設処分の立地に向けた活動に取り組むこととしているところです。
 具体的には、国は原子力機構と一体となって関係自治体に事業の意義や安全確保方策等について説明を行うとともに、国として行うべき地域振興策についても検討を進めてまいりたいと考えております。ただ、ご意見を踏まえまして、基本方針についても修文をさせていただき、埋設施設の立地の選定の主体を明確にさせていただきたいと考えております。具体的には3.の先ほどと同じところ、埋設処分地の選定のところで、「原子力機構は実施計画において」の後に、「埋設施設の立地の選定を行う」とし、その主語を明確にさせていただきたいと考えております。
 30番目のご意見です。これは地方自治体からの誘致に関する点でございます。まずは事業の必要性と安全性について国民の理解を得ることが重要なのではないかということと、その誘致を検討しようとしている自治体に対して支援を行うとともに、このような自治体の声を聞くなど意見交換を行って選定を行うべきではないか。あと、国は、地域住民及び国民の理解と協力と立地の手順をどのように考えるのかというご指摘とご質問です。
 これについての私どもの考え方ですけれども、まず、国民の理解を得るということについて、立地地域の選定の前後にかかわらず、事業に関する国民の理解の増進を図ることは重要であると、このように認識しております。また、その立地地域の選定の手続きについては、透明性の確保を基本とする旨、この基本方針に記述しておりまして、具体的な手続き、基準等につきましては、繰り返しになりますが、原子力機構が実施計画において明らかにすることとさせていただいております。
 実際の選定は、原子力機構が実施計画に規定した手続きにのっとって行うこととなりますけれども、その過程において関心のある自治体があれば、当然、何らかの意見交換を含めた対応を行うことになると考えておりますので、その旨、回答したいと考えております。
 なお、ご意見を踏まえまして、原子力機構が実施計画において規定する選定に係る手続きや基準の適切な情報提供の重要性にかんがみまして、基本方針についても確認的に修正をさせていただきたいと考えております。3.(1)埋設処分地の選定の第1段落目になりますけれども、そこで本文を「埋設施設の立地の選定については手続きの透明性を確保し、公正な選定を行うことを基本とし、原子力機構は実施計画において埋設施設の立地の選定に係る手順及び基準を明確に定め、これを公表する」、このように修正をさせていただきたいと考えております。
 次のカテゴリーですけれども、立地地域住民及び国民の理解の増進について31番から35番目までのご意見を、合わせて回答させていただきたいと思います。
 ご意見の内容については、例えば国民の身近な病院、大学、研究所などが研究施設等廃棄物の発生者であるので、これらの発生者にも協力を得て、国民の理解を得る活動をすべきではないかというご意見。原子力発電所だけではなく、医療機関や民間企業からもこのような研究施設等廃棄物が発生していることをもっと広く周知する必要があるのではないか。一般国民にも理解できるような内容で積極的な説明を行う必要がある。一方、この情報の押しつけ、ポーズに終わらないよう丁寧な説明をすべきである。国民は放射性廃棄物に対して不安を抱いており、疑問があった際に、その疑問に親身に答えてくれる窓口が必要である。
 これらのご意見に対する回答ですけれども、非常に重要なご指摘であると考えますので、この点については基本方針を修正、修文させていただきたいと考えております。具体的には3.(2)立地地域住民及び国民の理解と協力の2段落目になりますけれども、そこを「国及び原子力機構は、処分事業について積極的な情報公開に努めるとともに、他の研究施設等廃棄物の発生者の協力も得つつ、広聴・広報活動を充実し、広く国民に対して事業の意義・目的や安全性について理解の増進を図る。また、原子力機構は、事業に関する問い合わせに応じられるよう、一元的な相談体制を整える」というふうにさせていただきたいと考えております。
 36番のご意見です。説明会やシンポジウムはどのくらいの頻度で実施するのか、だれが実施するのかというご質問です。説明会やシンポジウムにつきましては、国や原子力機構が実施していくことになると考えております。それぞれ具体的な実施頻度等については、詳細なことですので、基本方針において示すものではないと考えておりますけれども、ご指摘の趣旨も踏まえて、立地地域住民の皆様のご理解をいただけるように広報活動に努めていくという考え方を回答したいと考えております。
 37番のご意見ですが、公開・透明性確保を大前提とし、国民に対する報告、連絡、相談をしてほしいということですけれども、こういうご要望については、既に1.(2)の埋設処分業務を進める際の基本的考え方、そこで、透明性及び信頼の確保を基本に事業を実施するとか、6.(5)のところで透明性を高めるための計画の作成と評価の実施であるとか、そういったものを規定している旨を回答させていただきたいと考えております。
 38番目のご意見ですけれども、3.(2)で「立地地域住民及び国民の理解と協力」についてというところで、本文では「協力」についての記載がないが、これは具体的にどういうものを想定しているかというご質問です。タイトルで、「協力」をつけさせていただいておりますのは、地域住民や国民に対して具体的な行動を求めることを意図したものではありませんけれども、事業に対する理解が進み、その事業が円滑に実施されるための環境が整うことを想定しておりますので、特段、具体的に本文で記載していない旨を回答したいと考えております。
 次のカテゴリーですが、立地地域との共生について、39番のご質問です。立地地域の活性化とはどのような効果が考えられるのかということですけれども、効果として私どもで考えているのは立地地域の生活環境の向上ですとか、産業振興などにつながる地域共生策を考えておりまして、こういったものを今後検討していきたいと考えておりますので、その旨を回答したいと思っております。
 40番ですが、「国及び原子力機構は、研究施設等廃棄物の埋設施設が地域と共生し、その立地が立地地域の活性化につながるような方策を講じる」、これは基本方針において今書かせていただいておりますが、国はどのタイミングでこういうものを実施するのか、検討するのかというのがよくわからない。あと、基本方針において電源三法交付金の取り扱いをどうするのかというのを明記すべきではないか、国の考え方を示すべきではないかというご意見です。
 これについて私どもの考え方ですが、国及び原子力機構は、研究施設等廃棄物の埋設施設が地域と共生し、その立地が立地地域の活性化につながるような方策について現在検討を進めているところです。その電源三法交付金の取り扱いについては、その活用の可否についても検討課題の1つとして認識している状況ですので、その旨を回答させていただきたいと考えております。
 41番のご質問です。さまざまな事業者が本処分事業の便益を享受することとなることにも配慮するというのが基本方針の案に入っておりますけれども、これについて具体的にはどのような事業者がどのような便益を享受することを想定しているのかというご質問です。事業者とありますのは、研究施設等廃棄物の発生者ですとか、アイソトープ協会を想定しております。便益とは、各事業者が保管している研究施設等廃棄物の処分が進むことを想定して書いたものですので、その旨を回答したいと考えております。
 42番から45番までのご意見です。研究部門の併設など、文部科学省らしい地域振興策を示すことが立地の推進には必要ではないか。立地地域との共生については、単なる埋設処分場だけではなくて、埋設をするための処理施設や研究施設を設置することが必要なのではないかというご意見です。さまざまな事業者が本処分事業の便益を享受することになることにも配慮するということについても、もう少し具体的な、どういうものを考えるのか、どういうふうに有用なのか、もっと具体的に書き込むべきではないか、そういうようなご意見をいただいております。
 これについて私どもの回答、考え方ですけれども、3.(3)立地地域との共生の後段につきましては、国及び原子力機構が地域振興策、地域共生策を検討する際、原子力機構が有する研究開発機関としての特色を活かすことですとか、場合によっては他の事業者にも協力を求める可能性があることに触れたものです。そのような多角的な検討により可能となる方策としてはさまざまなものが考えられますけれども、今後、関係機関と相談しながら具体化を図っていくこととなると考えております。ただ、重要なご意見だと考えますので、ちょうだいしたご意見を踏まえまして、一部基本方針の修正をさせていただきたいと考えております。
 3.(3)立地地域との共生ですけれども、「国及び原子力機構は研究施設等廃棄物の埋設施設が地域と共生し、その立地が立地地域の活性化につながるような方策を講じる。その際、事業の実施主体である原子力機構の研究開発能力を生かした方策の可能性についても検討する。また、本処分事業の便益を享受する事業者の協力を求めることも考慮する。」このように少しはっきりと明確に書かせていただきたいと考えております。
 次のカテゴリーです。資金計画及び処分費用の負担について、46番のご意見ですけれども、埋設処分業務に関連いたしまして必要な所要の研究開発を行う旨書いておりますけれども、その研究開発の費用をどうするのか、人員・資金計画をどうするのかというご質問です。
 これについての考え方ですけれども、埋設処分業務の実施に要する経費につきましては、原子力機構に対する運営費交付金を含めた原子力機構の予算の範囲から必要額を、新たに法律で設けました処分勘定に積み立てて、また、他の発生者からも確実に処分に要する経費を徴収して埋設処分業務に必要な経費に充てることとしております。埋設処分業務を進める上では、放射性廃棄物に関する研究開発は重要ですけれども、これらの研究開発は埋設処分業務そのものではありませんので、研究開発に要する経費については処分勘定以外から支出することになると考えておりますので、その旨を回答させていただきたいと考えております。
 47番のご意見です。処分単価の設定、これは他者から研究施設等廃棄物の処分の委託を受けたときに課す金額のことですけれども、その処分単価の設定に当たっては、透明性を確保し、公正を期することは当然であるけれども、そのことを確認するシステムの構築が適切ではないかというご意見です。
 これについて、研究施設等廃棄物の処分単価については、その処分事業の推進のみならず、多くの関係者に影響を及ぼすこととなりますので、基本方針においても透明性を確保しながら公正に設定するという旨を現在記載しているところです。具体的な処分単価の設定方法については、原子力機構において検討されることとなりますけれども、何らかの形でいただいたご意見のような処分単価の公正性等をチェックする機能が組み込まれることになると考えておりますので、その旨を回答させていただきたいと考えております。
 48番目、49番目のご意見をまとめて回答させていただきたいと考えております。48番目のご意見、これは少し事実誤認があるのではという気もするのですけれども、民間企業さんから処分の委託を受けたときの単価と病院でありますとか研究といった、より公共的な機関から処分の委託を受けたときの単価を変えるべきであるとか、教育機関、医療機関、民間企業から発生する廃棄物については、結局、受益者が国民全体だから、すべて国税で賄うべきではないかとか、そういったご意見をいただいたところです。
 これに対する私どもの基本的な考え方ですが、埋設処分事業に要する費用につきましては、埋設施設の建設に係る費用も含めまして原子力政策大綱に記載されております発生者責任の原則に基づいて研究施設等廃棄物の発生者が、発生者としての原子力機構を含めて廃棄物の量や性状に応じて応分の負担をすることとしており、そういう考え方のもと、今後、具体的な処分単価が決まっていくと考えておりますので、その旨を書かせていただきたいと考えております。
 引き続きまして50番目から53番目までのご意見です。基本的には処分単価をできるだけ合理的に安くしてほしいというご意見をまとめて回答させていただきたいと考えております。これについては既に基本方針、1.(2)埋設処分業務を進める際の基本的考え方において合理的な処分の実施として、経済的かつ合理的な処分の実施に努める旨を記載させていただいているところですけれども、さらにご指摘を踏まえて基本方針を一部修文させていただきたいと考えております。
 5.(1)資金計画の策定の第2段落目に当たります。「原子力機構は、収支計画及び資金計画に基づき、埋設処分の方法ごとに透明性を確保しながら公正かつ合理的な処分単価を設定することとし、これらの計画に変更が生じた場合には処分単価を適切に見直す。」ということで、合理的な処分の実施と処分単価の設定ということを改めてここで繰り返させていただきたいと考えております。
 続いてのカテゴリーですが、安全の確保及び安全規制について54番目と55番目のご意見、合わせて回答させていただきたいと思っております。
 基本的な姿勢として、「ALARA」、As Low As Reasonably Achievableの精神に基づき、あるいは作業者並びに環境の安全を前提としてという表現が欲しいというご意見。そして、地元住民の方々の安全・安心について十分配慮し、危険がないように処分事業を進めていただきたいといったご意見です。
 これについては、6.(1)安全の確保というところで原子力機構の果たすべき、守るべき基本的考え方というものを既に記述しているところですけれども、そこの部分をさらに修正いたしまして「原子力機構は関係法令を遵守し、地域住民や作業員について万全の安全確保を図りつつ、研究施設等廃棄物の埋設処分業務を実施する。」と一文追加させていただきたいと考えております。
 56番目のご意見です。研究施設等廃棄物は、いろいろな核種を含んで濃度も一様ではないと思われるので、これらについて十分な対応をしてほしいというご意見です。これについてはご意見のとおり、研究施設等廃棄物には多様な廃棄物が含まれうるものであります。ただ、これらの多様な廃棄物についても複数の規制体系からなる安全規制の基準に従った上で、それぞれその濃度等に応じて適切な方法により埋設処分が行われることになると考えております。
 また、その発生段階において多様な放射性廃棄物を適切に分類・管理していくことや廃棄物の受け入れに関する基準や指針、技術情報等の共有を進めることが重要であることから、その旨、既に6.(2)廃棄物の発生段階での対応ですとか、4.(2)事業運営の5において関連の記述を盛り込んでいるところですので、その旨を回答したいと考えております。
 57番目のご意見ですが、産業廃棄物、特別管理産業廃棄物、特別管理一般廃棄物等に含まれるものもあるので、放射性廃棄物の観点以外からの管理についても十分な対応をしてほしいというご意見です。放射性廃棄物としての観点以外での有害な物資についても、関連の安全規制の基準に従った上で、その性状等に応じて除去や安定化の処理を行い、適切に廃棄体の確認を行っていくこととなると考えておりますので、その旨を回答したいと考えております。
 58番目から62番目までのご意見です。58番目のご意見は、「国は原子力機構が行う埋設処分業務が円滑に進むよう、安全審査体制を整備するとともに」という表現を加えるべきではないかというご意見です。59番目、多重規制の適用について見直すべきではないか、クリアランスの制度をきちんと活用すべきではないか、放射能のレベルが低いものについては、その対象をどうするのか考えるべきではないかなど、そういったご意見です。
 これらについてまとめて回答したいと考えますけれども、この基本方針は、原子力機構が行う埋設処分事業を推進するために主務大臣が策定するものです。したがいまして、安全規制の整備などの規制当局の方針については、この基本方針の対象としておりません。ただし、複数の法律による規制が、原子力機構が行う埋設処分事業には適用されますので、これを踏まえまして整合性のある安全規制のもとで合理的な処分事業が実施されるよう、規制当局に対して原子力機構が適切に情報提供を行う旨、既に6.(1)安全の確保において記述をさせていただいているところです。
 また、そのクリアランス制度については記述がありませんでしたので、クリアランス制度への適切な対応の重要性にかんがみまして、基本方針の一部を修正させていただきたいと考えております。具体的には4.(2)事業運営の4ですけれども、「廃棄物に関する研究開発を進め、処分事業に最新の技術的知見を積極的に活用すること。また、クリアランス制度の進ちょくに適切に対応すること。」という、この下線の部分を追加させていただきたいと考えております。
 63番目のご質問です。埋設処分した廃棄物の放射能が減衰し、安全上支障がないレベルになるまでの間とは何年ぐらいを考えているのかということですけれども、これはその放射能の濃度等によって異なってまいりますけれども、概ねトレンチ処分対象廃棄物については50年程度、ピット処分対象廃棄物については300年程度管理を続けていくということを考えておりますので、その旨を記載させていただきたいと考えております。
 次のカテゴリーです。関係機関、関係者間の連携についてということですが、64番目から67番目までのご指摘、ご質問について、まとめて回答したいと考えております。ご指摘の中身としては、原子力機構は発生者のニーズをきちんと踏まえるべきであるとか、発生者が多岐にわたるので発生者の連携が重要だとか、原子力機構が基準や指針を作成するのであれば、当然、その基礎となる技術情報などについても発生者、関係者等、共有してほしいというご指摘、ご意見です。これについても、事業を円滑に推進する上で非常に重要な観点であると考えますので、基本方針の案を修正させていただきたいと考えております。
 具体的には4.(2)事業運営の5です。「全国の様々な事業所から発生する廃棄物を取り扱い、廃棄物の集荷や処理などの関連する事業とも密接な連携が必要となることから、これらの関係者のニーズを適切に把握するとともに、廃棄物の取り扱いや受け入れに関して原子力機構が作成する基準や指針、技術情報の共有など関係者との連携、協力を進めること」というような表現に変えさせていただきたいと考えております。
 最後のカテゴリーです。その他のご意見ですが、68番目のご意見、国の説明責任が必要であるとか、民意をきちんと反映させるために国会での審議を5年、10年かけてやるべきと、そういったご意見をいただいております。
 これに対する私どもの考え方ですけれども、研究施設等廃棄物の処分事業につきましては、早急かつ確実な実施に向けた社会的な要請の高まりを踏まえまして、先の通常国会において、衆議院及び参議院での審議、衆議院の文部科学委員会ですと2回、本会議が1回、参議院の文教科学委員会ですと1回の審議で本会議1回を経まして、独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部を改正する法律案が衆議院、参議院ともに全会一致で可決、成立したものです。
 今後はこの法律及び関係法令に基づきまして、国及び原子力機構は国民の皆様のご理解をいただきながら、説明責任をきちんと果たしながら事業を進めていきたいと考えております。ご指摘の中で発生者責任に関するご指摘もありましたので、これについては基本方針においても、その「発生者責任の原則」について関連の記述を盛り込んでおりますので、その旨を記載させていただきたいと考えております。
 69番目のご意見です。研究施設等廃棄物の埋設処分については、外国で既に事例があるということでいろいろな方面から知恵を借りて進めるべきだというご意見、ご指摘です。これについては内外の事例をしっかりと参考にしながら安全かつ合理的に事業を進めていきたいと考えております。
 70番目は、スケジュールですけれども、よくわからないというご指摘ですが、埋設処分業務に関するスケジュールは実施計画の中で明らかにするということを回答させていただきたいと考えております。
 71番目は、研究施設等廃棄物の処分の喫緊性をもう少しアピールする必要があるのではないかというご指摘です。非常に良いご指摘だと思いますので、その点については、1.(1)の基本方針の位置づけのところで懸念が高まっているということを追加で記載をさせていただきたいと考えております。
 72番、どのくらい喫緊、緊急度が差し迫った状況であるのかというのを、具体的に数字を挙げて書いたらどうかということですけれども、状況は様々ですので、基本方針では記載しないということにさせていただきたいと考えております。
 73番目、ご質問ですけれども、低レベル放射性廃棄物とはどういうものかという具体的なものを回答したいと考えております。
 74番目は、埋設処分業務について原子力機構が素人集団だという誤解を受けるのではないかというご指摘がありましたので、その点については意見の12にもありましたが、基本方針を修文して、きちんと技術的な知見を有するということを明確に書かせていただきたいと考えております。
 75番、研究開発の推進ですが、これは関連の記述が盛り込まれている旨を回答したいと思います。
 76番、年度計画に照らして行う評価、これは自己評価ではなくて第三者評価みたいなものをやるべきではないかというご意見ですけれども、具体的な実施方法については、原子力機構において今後検討されることとなりますので、その旨を回答したいと考えております。
 77番は、法令用語としての余裕深度処分についてですが、この点についてはご指摘のとおりなので、2.(2)のところで余裕深度処分についての定義のところに括弧して明確に書かせていただきたいと考えております。
 最後のご指摘ですけれども、「業務」と「事業」という言葉が混在しているのではないか、統一すべきではないか。監督官庁が異なるのではないかというご指摘をいただきました。当然、監督官庁が異なるということはないのですけれども、この基本方針の考え方といたしまして、法律で原子力機構が実施すべきとされた埋設処分の業務について、これを埋設処分業務という用語を用いておりまして、基本方針でも同じような考え方で統一をしているところです。
 最後、駆け足になりましたけれども、以上でございます。

【山名主査】
 ありがとうございました。

【山野原子力計画課長】
 今、資料2で説明しましたけれども、このようなコメントが来て、説明のとおり対応をするということです。そもそも危険だからやめろとかいうようなコメントではなくて、かなり適切なコメントをいただいたと思っています。ですので、きちんとした対応をし、直すところは直そうということでございます。
 それで、その結果が、今の内容を集約するような形で3-2という資料がわかりやすいと思いますが、最後は基本方針をどう確定していくかということで、ここに赤で書いているところが今の考え方で修文していくことを考えております。
 それで、1ページ目にありますように、この部分は切迫感を出したほうがいいということでございますので、支障を来す懸念が高まっているとか、なぜ原子力機構が実施するのかというご質問について、原子力機構が発生者として一番多く、かつ技術的知見を有するということを記載するということでございます。
 2ページでは、国がもっと前面に出るべきだというようなところがありました。基本方針ではなかなか書けないのですが、基本的な考え方として今までは立地に向けてという、立地というところだけに焦点を当てているところがあったのですが、それだけではなくてそれを1つの例示として、「など、積極的に機構を支援する」ということで、もう一歩踏み出すというところでございます。
 2ページの下の箇所は、法令用語に合わせたということでございます。3ページ目の余裕深度も同じでございます。
 3ページ目の埋設の処分場の選定などについてもいろいろコメントがあったところでございます。まず1つは原子力機構が基準などを明らかにするとだけ書いていたのですが、そこをもう少しきちんと書くということで、明確に定めて、それを外部に公表する。公表すれば当然、関心を持っている自治体が出てきますし、当然そういうことを前提に考えておりましたが、それを明確にするという意味できちんと公表するということを書く。
 そうすると、選定の記述は、あまり主語が明確でなかったということなので、まず、主語を「原子力機構は」と明確にするということと、自治体の了解をとるものの、時系列的なというような指摘もあったので、明確に文章を分けるということでございます。
 国民の理解のところでは、発生者の協力も得つつというのを加えるのと、あと、問い合わせに対する一元的な相談窓口を整えるということを決めておくということです。
 共生策のところは、後段部分のなお書きのところは最初から少しわかりにくいというのがあったのですが、明確にするということで、まず1つは、「実施主体である原子力機構の研究開発能力を活かした方策の可能性について検討する」と明確に書くということと、そういう便益を受ける事業者の協力を求めることも考慮するということを明確に書いたというところでございます。
 4ページの真ん中の事業運営のところも主語が明確でなかったということで、まず、原子力機構は1から5までについてきちんとやるとした上で、具体的なところではクリアランスについては進ちょくに適切に対応するとか、関係者のニーズを適切に把握するとか、共有する中で指針だけではなくて技術情報の共有とか、そういうことで関係者との連携をしっかり進めるということです。それと併せて、原子力機構だけではなくて、ここでも国がということを一番下に、国は特に関係者との連携、協力を促進するとか、必要な予算の確保に努めるということを明確に書いたところでございます。
 5ページ目に行きますと、処分単価を合理的にしてほしいということがあったので、当然、機構は利益のためにやるわけではない事業なのですが、そこを明確にする意味で、「公正かつ」の後に「合理的な」というのを追加し、合理的な処分単価を設定するということでございます。
 安全の確保についても地域住民とか作業員という対象を明確にするというようなことでございます。そのようないろいろなコメントを受けまして、こういうような修文をしたらどうかという事務局の提案でございます。
 説明は以上でございます。

【山名主査】
 ありがとうございます。
 それでは、皆様から、パブリックコメントとして来ているものに対する回答の内容、あるいはこの基本的な方針の修文の具体的内容等について率直なご意見をいただきたいと思います。特にカテゴリーを順序づけることなく、どこからでも結構ですからご発言いただきたいと思います。
 東嶋委員。

【東嶋委員】
 すみません、先に失礼しますので先に発言させていただきます。このパブリックコメントの番号に沿って4点ほどご意見を述べさせていただきます。
 まず13番なのですけれども、13番のパブコメの反映が1.(1)になっております。このご指摘、非常に重要だと思いまして、なぜ原子力機構がやるのかということが説明されているということですが、これは単に書き方の問題なのですが、この説明を入れたためにこの分非常に長くなってしまって、せっかくこの「なぜ」という理由を入れたのにわかりづらいので、この1.(1)のところは法律が成立したと1回切って、そして独立行政法人日本原子力研究開発機構は、我が国の約8割を発生させ、知見を有することから処分事業の主体となったという書き方をしていただきたいと思います。
 それから41番なのですけれども、これは修文的なことですけれども、私もずっとこの案を読んでいて、事業者と書いてあるところと発生者と書いてあるところ、事業者というのが発生者と同じ意味のところと、それから発生者及び日本アイソトープ協会というところといろいろございます。ですから、例えばこの最初の1.(1)の上から11行目、一方、研究機関、大学、医療機関、民間企業等において、とありますが、ここに例えば「以下、研究施設等廃棄物の発生者」とか、「発生者と呼ぶ」とか何か定義をしていただければ、後で発生者と言ったり、事業者と言ったり不明瞭になることがないかと思いますので、この点、発生者と事業者の定義をきっちり書いていただきたいと思います。
 これは、例えば基本的な方針の案の3.(2)で、「他の研究施設等廃棄物の発生者の協力も得つつ」という赤文字を入れていますけれども、これも例えば発生者としておけばいい話であって、それから、3.(3)、4ページ目ですけれども、赤字で「本処分事業の便益を享受する事業者に協力を求める」とありますが、これも事業者ということが曖昧ですので、最初の定義をきちんとしていればわかりやすいかと思います。
 それから、パブリックコメントの71番なのですけれども、根本のところ、なぜこの処分事業を行わなければいけないかということについてコメントをいただいたわけなのですが、これは「研究開発が支障を来すから」なのですか。それは理由の1つではあるかもしれませんが、1.(1)のところの真ん中で現状の説明がございます。「これらの研究施設等廃棄物については、現在、処分がなされず、各事業者において長期間にわたり保管されている状況にあり」とありますが、これについてご質問をさせていただきたいのですが、私の認識としては各研究施設等からの廃棄物は、例えば岩手の滝沢に集まってきて減容処理はされていて、そこの保管施設がいっぱいになりつつあるというのが、理由なのではないですか。
 この文を読みますと、この「各事業者において」というのが各研究施設等ですよね。そこで長期間にわたって保管されていて、研究開発に支障を来すというふうに読めますが、これは国民の全く知らない人がこれを読みますと、病院とか大学とかに放射性廃棄物がたまっているのかしらという認識になります。でも、実際は1年に1回、集荷してきているわけですよね。そこの認識を後でご説明いただきたい。ですから、ここのところはもう一度、この理由についてしっかり練って、この一文は考え直すべきではないかと思います。
 それから、最後、パブリックコメントの73番なのですけれども、これはごもっともな意見で、多様な低レベル放射性廃棄物とあるが、どんなものかわからない。これは最初のところから、高レベル廃棄物はここが処分します。そして、何々はここが処分しています。そして、その他のところを原子力機構でやりますと書いてあるのですが、このところは最後でも構いませんので、高レベル廃棄物とは何で、低レベル廃棄物とは何というような用語の説明を簡単にしていただいたほうがわかりやすいかと思います。
 以上です。

【山名主査】
 ありがとうございます。
 まず、事務局から今の4点、回答できるところをお願いします。

【山野原子力計画課長】
 まず、最初の「法律を成立し」と、そこで切るかどうか。そこはその方向で考えます。
 次の、事業者と発生者の違いというのは確かにわかりにくい。発生者と言えば非常に明確なのですけれども、実際には、RI廃棄物については日本アイソトープ協会が集めており、日本アイソトープ協会は発生者ではなく、発生者と日本アイソトープ協会みたいなところを含めた場合、事業者と使い分けているのですが、確かに読むとわかりにくいところがありますので、そこはどこかで定義を置くか整理をします。

【東嶋委員】
 発生者と中間の集荷している日本アイソトープ協会を含め、事業者と呼ぶとか何とか説明がないと、その仕組みがわからない人にとっては全く何のことかわからないと思います。

【山野原子力計画課長】
 そう思います。それと関連する話で、滝沢の話が出ましたけれども、実は滝沢に集まっているのは医療関係の廃棄物だけなのです。そこは医療以外の廃棄物は集まっていません。医療以外のRI関係の廃棄物は、日本アイソトープ協会が集めて、滝沢には医療関係以外は持っていっていませんけれども、一部にかなり集中的に保管しているというようなところはありますが、例えばウラン系の廃棄物についてはそういう体制がないので、それぞれ大学や民間の現場に、きちんと厳重に保管されているという状況にあります。
 そこはまさに支障が出てきているのはそのとおりで、一部のところでは、30年以上原子炉を動かしていないのに解体もできないような状況があるとか、そういうところが何カ所か出てきています。そういうことも踏まえて、今のご指摘もあったので、どう書くかというのは少し検討させていただきたいと思います。
 それとあと、高レベルとか低レベルとかという用語の説明も、参照にするのか、脚注にするか、何か定義が必要であれば考えたいと思います。

【山名主査】
 東嶋委員、いかがですか。よろしいですか。

【東嶋委員】
 すみません、もう一度確認させていただきたいのですが、この処分を進めなければいけない第一の理由は、今おっしゃったように研究開発に支障を来すからですか。

【山野原子力計画課長】
 そうです。

【東嶋委員】
 わかりました。

【山名主査】
 森委員。補足をお願いします。

【森委員】
 私どもは、RI廃棄物に関しては石榑委員のところの日本アイソトープ協会が集めておられますけれども、それ以外の核燃料物質の、いわゆる原子炉等規制法に係る核燃料物質の使用等に関する廃棄物については、まだどこも集荷しているところはございません。それぞれについて事業を行っておられる大学、民間等において、そのまま保管されております。
 そういうことで、先ほど山野課長がおっしゃったように、その廃棄物の行き場所がないということで、だんだん倉庫もいっぱいになりつつありますので、そういうことから大きくまとめて言えば、その研究開発等に徐々に支障を来たしつつある。これから処分場が、順調にいって約10年後でございますので、まだこれからさらにたまっていくということを考えますと、かなり研究開発等において圧迫感を感じつつあるというところは事実です。

【東嶋委員】
 はい。ありがとうございます。

【山名主査】
 石榑委員、補足等ございますか。

【石榑委員】
 今ご説明いただいたとおりでありまして、日本アイソトープ協会は、いわゆる放射線障害防止法に関連した研究用放射性廃棄物と言っていますが、それを集荷し、それから、医療機関、医療用の機関から出てくる廃棄物を集荷しておりますが、滝沢で処理をしているのは医療用だけであります。ただ、それも最後の処分に至るまでのところを処理しているわけではなくて、減容というか、処理を途中までですけれども、実施しているということであります。それで減容ができますとスペースができますから、まあ、滝沢の場合はそんなに窮迫しているということではないと思います。
 それから、発生者かどうかというのは、これは前も議論がありましたが、日本アイソトープ協会は「みなし発生者」と言われておりますので、それはもう公の文書にたしか出ていたと思います。

【佐々木委員】
 いろいろな定義がありますね。

【東嶋委員】
 承知しました。はい。

【山名主査】
 では、ありがとうございます。
 それでは、その他のご意見、お願いします。佐々木委員。

【佐々木委員】
 中身に入る前に形式的なことを少しお尋ねしたいのですが、この資料の2を拝見してご説明をお聞きしていましたが、42名の方がパブリックコメントを寄せているわけですね。それに対して参考資料の冒頭で75件と件数が書いてある。つまり、これは1名の人が複数意見をお出しになっているということなのでしょうが、それはわかりますが、しかし、この資料2を見ていると、最後のところ、78ですよね。この番号の違いはどういうことかということが1つ。
 もう一つは、私の少ない今までの経験、パブリックコメント等々に関して、この整理の仕方というか、経験では、寄せられたご意見に対して資料2の右のほうの欄、ここを先ほどの室長のご説明では、私どもの意見とおっしゃったと思うのですが、そういうふうに書くか、あるいは対応とやっているところが多いと思います。回答という、こういう言葉は、私は今まで見たことないのですけれども、この辺のことはいかがということを中身に入る前にまずお答え願います。

【山野原子力計画課長】
 まず最初の点は非常に単純で、実際に75件来たのですが、その1つのコメントの中にカテゴリーで分けたら2つの観点が入っているコメントがある場合です。それで、資料2のほうに整理しようとすると、1つのコメントの中に、1つは立地の話を書いていて、もう一つは安全規制の話を書いているようなことがあれば、それは2つに分けて整理したので資料2は78件になっているということです。だから、むしろ全く同じコメントがあれば、この78の中で1つにまとまっている可能性もあります。
 それと、この回答という表現は、特別なものとは思えませんが。

【次田放射性廃棄物企画室長】
 実はそこのところは、いろいろな例がございまして、対応とか考え方とかがございます。

【佐々木委員】
 回答という記載は見たことがない。あるのですか。

【次田放射性廃棄物企画室長】
 そこは、より一般的なものにさせていただきます。

【佐々木委員】
 ありがとうございます。それで、中身ですが、私、先ほど事務局からご説明があったように、パブリックコメントとして数はそれほど多くなかったと思いますが、まじめな意見が多かったなと思いました。それから、それに対するここで言う回答、これも適切にまじめにお答えになっているのではないかと思います。また、資料3-2のほうの基本的な方針、つまり、私どもがパブリックコメントに付したものをどういうふうに修文するかという、それに関して課長さんのご説明がありましたが、事務局としては大体、この赤字のような感じで修文したいというご提案、基本的には私は賛成であります。
 欲を言うと、幾つか申し上げたい。1つは、この寄せられた意見を見ていて、なるほどと思ったのは、1つは国の役割です。国と機構との役割分担というか、あるいはもっと国が前面に出ろという、これは放射性廃棄物の小委員会でも同じような意見はたびたび出てきた。そういうことで申し上げたいのですが、山野課長がおっしゃったように、これをどこへ修文するかは非常に難しい。
 というのは、この国の役割というのはいろいろなところにかかわっているからです。例えば2ページの合理的な処分の実施でも出てくるし、それから、3ページの中段のこの埋設処分地の選定でも出てくるし、立地地域との住民、国民との理解と協力とか、共生の問題にも出てくるし、4ページの一番下、事業運営のところでも国の役割というのが出てくる。5ページの一番下、輸送とか処理にかかわる体系的な、そういうところも出てくる。
 だから、いろいろなところで国と機構との役割分担というのが出てくる。その辺がおそらく非常にわかりにくいので、そういうパブリックコメントがいろいろあったのではないかなと思います。それを受けて、もしこれにもう少し積極的に答えようとすると、この資料の3-2の基本的な方針案の中の冒頭の部分、1.(2)の基本的考え方、この辺のところで、もう少し包括的に少し国の役割、あるいは国と機構との役割分担のあたりを書いて、個別にはいろいろな分野、領域について以下のようにありますというふうに書いたらもっとみんなにわかってもらえるかなというのが1つ。
 もう一つ、パブリックコメントを読んでいて感じたのはお金の問題です。これは資料2の12ページの回答のところに出てきます。要するに3つのお金の手当てというのが出てきている。パブリックコメントの46、48に対するお答えのところです。1つは運営費交付金を含めた原子力機構の予算の中からという手当てが1つある。それから、2番目は発生者の責任において徴収した費用。それから、3番目は、改めて段落が始まる、処分勘定以外の研究開発等々、そのお金の出方と、手当てが3つあるわけです。その辺のところが一般の人にやっぱり非常にわかりにくいのではないかなと。
 だから、当然、こういうパブリックコメントでそういうご意見をお寄せになっているのではないか。それに対して積極的に我々の修文のところで、もう少しうまく答えられないかなとは思います。これは先ほど言ったように、欲を言えばと申しました。5ページのあたりの5.資金計画に関する事項等々がありますが、その(2)のところで必要な資金の確保とか適正な管理がありますが、そこのところを読んだだけでは、その3つのお金の出方がわからない。その2つが、私はパブリックコメントで寄せられた意見を読んで感じた大きなところです。
 それからもう一つは、この基本的な方針案をさっともう1回改めて修文していただいたところなどをあわせて読んでいくときに感じたのは、言葉の問題なのですけれども、例えば2ページの上から10行ぐらいのところに○が2つありますね。2つ目の○、この合理的な処分の実施という、この「合理的な」という言葉、それで、ここのところを読んでいると、本文の中では2行目、「経済的かつ合理的な処分」という言葉が使われている。ところが、その後、気になるところがいろいろある。例えば5ページの本文の上から3行目のあたり、「第一期事業を合理的かつ確実に」、これは事業費にかかるから「経済的」は要らないのかなという。
 しかし、事業費だから「経済的」はあったほうがいいのではないかと思うし、そこから今度、あと2、3行下がったところ、赤字があるところは、ここは「公正かつ合理的な処分単価」、単価だから公正かつ合理的なのか。しかし、経済的であったほうがいいのではないかと思わないこともない。それから、同じページの中段以降、6.の本文の5行目あたりのところも「合理的な処分事業」と出てくる。これは先ほどの2ページあたりの「合理的な」というところにある「経済的な」というのとどう違うのか。
 同じ5ページの一番下、ここにも「合理的・体系的な処理・処分」と出てくる。それから、6ページの本文の1行目、「合理的な処分の実施」、これは単なる「合理的」。この辺はきちっと意識して用いて書いているのか、あるいはそうでなくて書いているのか、少し気になりました。

【山野原子力計画課長】
 何点かあって、まずはこの国のところなのですが、確かに現状、わかりにくいかもしれないですけれども、この2ページ目の「合理的な処分」の、その下にあるところがありますね。これは別に合理的な処分にかかっているのではなくて、全体にかけている話なのです。これは原子力機構が基本的には、まず責任持つこととした上で、国も責任を持つということなのです。だから、そこは全体にかかるような話で、この全体の基本的な考え方のところで国のことを書いているつもりなのですが、確かにこれだとわかりにくいので、ここに1行あけるか、この部分を(2)の一番上に持っていくことなどを考えます。

【佐々木委員】
 もうちょっと詰めますか。

【山野原子力計画課長】
 そこは少し整理をしたいと思います。

【佐々木委員】
 ぜひひとつ工夫してください。お任せします。

【山野原子力計画課長】
 あと、資金のところは、確かにわかりにくいところはあるかもしれないですけれども、要は、原子力機構はこの処分の実施主体であり、それと二面性があって、1つは発生者としての立場もある。それで、発生者としては、まさに発生者責任があって、当然、第三者が費用を払うのと同じで、原子力機構も当然、自分の費用を用意しないといけない。それがまさに運営費交付金で手当てして、それが処分勘定に入っていくのです。だから、そこがわかりにくいのかもしれないですね。

【佐々木委員】
 そこが少しわかりにくい。研究開発のほうの費用もあるので。

【山野原子力計画課長】
 それと関連する研究開発は、従来の研究費のほうの中で手当てしようということです。

【佐々木委員】
 一般の方にはわかりにくい。

【山野原子力計画課長】
 少しわかりにくいので、もう一度チェックします。

 おそらく合理的と経済的というのは、確かにおっしゃるようなところがあるかもしれません。おそらく広い意味で「合理的な」の中に「経済的」というのも入っている。ただ、最初に経済的と書いたところは、若干、よりそちらの意図が出ているところは並列で書いているのではないかなと思いますが、基本的に我々が使っているイメージとしては、合理的という中には、その最大要因が経済的ということを含有している。概念としていろいろなところが合理的という言葉の中に使われているのだと思います。もう一度全体を見て、言い回しのバランスは考えてみます。

【山名主査】
 三代委員。

【三代委員】
 すみません、少し早めに出なくてはいけないもので。今、いろいろなコメントの説明をいただいたが、そのほとんどが前向きにしっかり実施すべきという意見だと思いますので、原子力機構としても先ほどから話があるように、早く、確実に、この処分体制ができるように努力したいと思います。ただ、原子力、あるいは特に廃棄物の分野というのは、いろいろ予想できないことが起きる。また、特に立地などは相手がいる話ですし、ですから、そういう意味でこれから皆さんと協力して、この事業が本当に円滑に進むようにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 特に立地、先ほどから話がありますように国と一体となって進めていくということが非常に大事であると思っています。今後の話ですけれども、実施計画を作らなくてはいけないということで、今、いろいろな事前検討を行っているところなのですけれども、特に今、経済性の話がありましたけれども、事業規模というのを確定しなくてはいけない。そのためにはどれだけの量を処分するかということについては、原子力機構の中でも精査しておりますけれども、関係者の方々といろいろ相談させていただいておりますので、協力していただいて、なるべく正確な事業規模ができるようにと考えております。そういった実施計画、この後、基本方針ができた後の話ですけれども、なるべく早く認可いただいて処分が進めば、と思います。
 少し細かい話なのですけれども、回答のところで、今の資料2で、26番と70番のコメントで、特にスケジュールについて、70番において明確にしてまいりますといっているのですけれども、ここに「可能な限り」というのを入れていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

【山名主査】
 ありがとうございます。
 では、スケジュール、少しご検討いただけますか。

【山野原子力計画課長】
 そこはスケジュール。書いたとおりに進めるのはなかなか難しいですけれども、それはそのとおりだと思っております。

【山名主査】
 ほかにございませんか。石榑委員。

【石榑委員】
 全体としては先ほどの佐々木委員からのご指摘に近いのですが、よりいい形になっていると思いますし、大体こういうところかなと思っています。1つ、なぜ処分をするのかというその理由づけですね。研究が滞るということは1つの理由ではあるのですが、一方では廃棄物の処分全体の中で処分の考え方というのがあって、例えば次世代に負担を残さないで我々の世代でより安全な形にして、管理から人間の手を放すとか、そういう廃棄物全体、特に研究施設等廃棄物だけということではなくて、全体的な考え方というのがあります。それに基づいて行っているわけですから、そういうことも少し書いていただいたほうがよろしいかなというのが私の印象です。
 それであと3つほど、むしろお願いと質問ということなのですが、まず第1点は、これは非常に細かいことです。この回答表の10番の一元的な処分、もともとこの一元的な処分というのは、多分、原子力政策大綱の中で使われた言葉から来ているだろうと思うのですが、こういうような言い方をしなければいけなくなった1つの理由は、これまで原子力委員会が発生源別に廃棄物を整理してきたんですよね。私は、そこが1つ大きなところなので、発生者だけではなくて、原子力政策大綱では、たしか発生源というのも入っていたと思いますので、この「発生者」の前に、発生源にもかかわらずという意味で「発生源」を入れていただいたほうがよろしいのではないかというのが1点です。
 それから、その次は61番で、ここでクリアランスについて言及しておられる。クリアランス、非常に重要ですのでぜひ入れていただくということはよろしいかなと思うのですが、ただ、その上のところで、ここでは適切な対応の重要性ということなのですけれども、クリアランスそのものの重要性もあって、これは研究開発のところに入っているのですね。ですから、原子力機構に対しては研究開発の面で対応を十分にしてくださいとおっしゃっているのを、他のところで全く出てこなくて、突然、ここでクリアランスというのが出てくる。そこは多少違和感があるということで、何かもう少し工夫ができないかということ。
 それから、ここから先は本日のこの議論とは別なのですが、クリアランス制度に関しては、先ほどの話では、クリアランスレベルの問題は規制側が進めることではあるのですが、実はこの研究施設等廃棄物、トレンチ処分とピット処分と言っているわけですが、クリアランスはトレンチ処分の下側を決めることになるわけです。だから、そういう意味で、これはこの事業とも関係し、非常に重要な意味を持っているわけです。そこはやはり国が積極的にクリアランス制度を、一方では原子炉等規制法では既にあるわけですから、それを進めていただく、そういう国の役割というのがあるのではないかと思います。これは多重規制の問題とも絡んできますし、省庁を超えた問題にも絡んでくるわけです。そういう意味で、推進側もぜひ進めていただきたいと思います。
 最後なのですが、これは質問です。76番、これは評価のことをここで言っておられるのですが、原子力機構の場合は、一方では独立行政法人として中期目標、あるいは中期計画という形では5年ごとに、その評価を受けながら進めていくということがあるわけで、もちろん全体がそういう形で進められている。その形での評価、あるいは中期目標、中期計画、それと今回のこの基本方針、あるいはそれに対応する実施計画、その辺の関係はどういうふうに、あるいはその評価とも絡んでくるかもしれない。独立行政法人としての評価は全体ですから、この問題だけ取り上げて評価ということではないと思いますけれども、そのあたりは文部科学省は、どういうふうにお考えになっているのか教えていただければと思います。
 以上、3点です。

【山名主査】
 ありがとうございました。
 では、お願いします。

【山野原子力計画課長】
 はい。今の世代がちゃんと頑張るというようなことです。

【石榑委員】
 最初のところに少し書いてあるのですけどね。

【山野原子力計画課長】
 最初のところに書いているのですが。

【石榑委員】
 先ほどご説明に対して、研究が滞るというのはちょっと、一般の人から見たときにどうなのかなということです。

【山野原子力計画課長】
 あと、次の発生源はそのとおりなのでちょっと検討します。その次のクリアランスのところ、4ページ目に書いていますが、我々、研究開発として書いているのではなくて、我々が入れた趣旨としては、確かにクリアランスの話、どこかに入れようかと思いまして、一番据わりがいいのはここかなと思って入れたのですが、別にこれは機構がクリアランスの研究開発をしなさいと書いているのではなくて、処分を実施するとき、クリアランスの制度の進ちょくに対応して実施するようにということを書いたということです。だから、もしも記載場所が悪いなら少し考えます。

【石榑委員】
 ここに入ると何となく、要するに検認手法の確立とか、そういうふうに読めてしまう部分もあると思います。だから、そうだとやや問題を矮小化していることはないかと思います。

【山野原子力計画課長】
 ちょっと誤解があるのであれば、もう少し適切な記載とします。

【石榑委員】
 お願いします。

【山野原子力計画課長】
 書いた趣旨は、別に研究開発しなさいという意味ではなくて、これにのっとってちゃんと処分をやりなさいということです。
 それとあと、先生、おわかりのように、クリアランスをやるために、規制当局は縛りようがないのです。そこは除いているのです。

【石榑委員】
 それはしようがないですね。

【山野原子力計画課長】
 だから、国といっても、別に機構を監督するというか、主務大臣たる国としてでしかここは書いていないのです。それと、確かにクリアランス等をやるに当たって、そういう規制当局とかと調整していかなければという話については、少し議論が逸れますが、最近の動きを少し説明しておきますと、多重規制という話もあったので、最近、関係省庁で集まるような場をつくってもらいました。私の立場は推進側なので、オブザーバーで正式メンバーではないですけれども、まず、内閣府の原子力安全委員会事務局の規制調査課、原子力安全・保安院の放射線規制課、それと文部科学省の原子力安全課、あと厚生労働省医政局指導課、それぞれの課長レベルの打ち合わせ会を1回やりました。
 そのような基準や体制がまだ整備されていない規制があるものですから、処分業務の実施のときまでに、間に合うように進めましょうということと、実際上、多重規制により現場が非効率になるのではなくて、いかに合理的にできるかということを考えましょうと。それと、その中で当然、クリアランスもちゃんと考えましょうと。確かにおっしゃるようにクリアランスができているのは原子炉等規制法だけなので、放射線障害防止法も、制度としてつくらなければならないなど、そういう問題を今後1つずつ、タイムスケジュールを見ながらつぶしていきましょうというようなことを議論する場をとりあえずつくりました。それはこの本文に関係ないですけれども、最近の状況としてご紹介をしておきます。
 評価の話は、原子力機構がやる事業ですから、通常の原子力機構全体の中期目標や中期計画についての評価は当然入ります。その中に入るけれども、それはその中の1つなので、この事業はやっぱり、当然、外部からお金をもらうような事業でもあるし、5年で終わる事業ではなく、非常に長い事業ですから、これについては特別にきちんとそういう中期的なレビューもしなければいけないし、あと、毎年度の計画などもきちんと決めなければいけないということなので、そういう全体の中での評価は当然入りますけれども、特別にきちんと評価していく仕組みが入ってくる、そういうイメージではなかろうかと思います。ただ、あまり屋上屋にならないようにだけはしなければいけないですけれども、そういう構造になるのだと思います。

【山名主査】
 ありがとうございました。
 クリアランスについては、石榑先生のご指摘は、クリアランスは実務的な話ではなくて、もっと根幹にかかわる話だというご指摘ですね。そうしますと、どうしますか。考えていただけますか。多分、先生のご指摘どおりですと、基本方針の2.の対象とすべき廃棄物のところにクリアランス以上のものというような定義を入れるか、あるいはもう少し広くどこかに入れるかということになりますが。

【石榑委員】
 少しお考えいただいて。

【山名主査】
 これは大きな問題ですので。

【石榑委員】
 非常に大きいですよ。

【山野原子力計画課長】
 おそらく対象のところではないと思いますが、実際の処分の進め方のところだと思いますけれども。

【山名主査】
 それでは、預からせていただくということにさせてください。
 その他、ございませんでしょうか。森委員。

【森委員】
 今日のこの基本方針のパブリックコメント対応に関しては、先ほど山野課長がおっしゃったように非常に前向きなコメントがあって、国側も前向きにそれに対応したということで、私も非常にいい対応をしていただいたと思っております。その中でも特に事業運営に関してのところで、発生者のニーズを聞いて、原子力機構が持っている情報を共有して、それから関係者と連携をとっていくとか、あるいは単価についても合理的な単価を設定していくと、そういうことをやっていただくと、処分だけではなくて、処理・処分を通じた総コストを下げていくということにつながっていくのではないか、こんなふうに思いまして、ぜひとも、いわゆる処理・処分の総コストを引き下げていただくよう配慮していただきたい、あるいは指導していただきたいと思います。
 それで、あと、さらに要望を2つほどですけれども、今回、基本方針、これでほぼ了承されていくと思いますけれども、やはり実施計画で具体的にそれがどうなっていくのかということは極めて重要だと思います。そこは原子力機構が、これから作成してくると思いますので、それについてこの基本方針をよく確実に反映していただきたいということと、それから、それに関して十分な審議をしていただきたい、こんなふうに思います。
 それからもう一つは、国の役割等々について、この中にたくさん書かれておりまして、基本的にはこの基本方針は原子力機構が実施計画を作成するに当たっての指針を示すというのが基本方針の役割だったと思うのですけれども、ところが、内容的には国の役割についても相当書き込まれているということでありますので、実施計画の検討の中においても、国が具体的に何をされるのか、それは施策として多分反映されていくと思います。ですので、その施策の中でどういうことを実施するのかということを実施計画と並行してぜひ見解を示していただきたいと、こんなふうに思います。要望ばかりで恐縮ですが、以上、よろしくお願いしたいと思います。

【山野原子力計画課長】
 三代委員が帰ってしまった後なのですが、実施計画についても部分的になるか、全体となるか未定ですけれども、この場でちゃんとご議論をしていきたいなと思っています。あと、国でやることについても、当然、精神論だけではなくて具体化できることは、このような場でもコメントをいただきながら、実施できることをやっていきたいなと思っています。

【山名主査】
 辰巳委員。

【辰巳委員】
 まず、この基本方針が誰に向けて書いているのかというのがすごく気になっていまして、すごくよくわかる人にとっては何でもない、当然のことが書かれています。その前に、今回、随分直していただいて、さらによくわかるようにはなったと思うのですけれども、先ほど東嶋さんもおっしゃったように、いろいろな人、国をはじめ多くの主体がここに関連していて、それがどうしてもイメージがつかみにくいんです。こういう基本方針にそういうことがあるのかどうかわからないのですけれども、何かポンチ絵みたいな格好で関連する人が絵になるとすごくわかりやすいなと私は思ったんです。
 国があって、処分する人がいて、それに依頼する人がいて、その先に国民がいて、だから、国民も直接そこにかかわっているんだということが何かうまくわかるように。それで、お金もどこからどう動いているのか、前にいただいたことがあると思うのですけれども、お金の動きなどに関して、そういうのが何か一目見てわかるような絵というのは難しいですか。少しでも事業体の関係とかがわかるような形で、絵をどこかの場所に入れていただけるとわかりやすいかなというのが1つなのですけれども、無理なら無理で結構です。
 それから、お返事のところで反映されたのはそれでいいですけれども、反映されていないものに対してのお返事で少し気になるのが、もしこういうふうに返事をされたらどう思うかなという立場での意見なのですけれども、例えば76番の、私もこの評価のことというのは少し気になっておりまして、きちんと実施されたのかどうか、お金も合理的に使われたのかどうか、そういう評価なのかと思いますけれども、最後のところ、76番の右側の、「原子力機構において、今後必要な検討がなされるものと考えています」と、何か人任せのような表現で、このあたりももう少しきちんと「なされます」というふうに書いてはいけないのだろうかとすごく気になりました。
 その他も非常に難解な、先ほどの合理的という言葉だったり、経済的、あと一元的とか、何となくわかったような、わからないような言葉で書かれているところがあるという気がして、具体的に今すぐ出てこないんですけれども。とりあえず、はっきりしていることをはっきりお返事したほうがいいように思ったので。以上です。

【山名主査】
 評価のところは何か。

【山野原子力計画課長】
 はい。評価のところ、おっしゃるように語尾を全部ちゃんとチェックしてみます。

【辰巳委員】
 お願いします。

【山野原子力計画課長】
 当然、やるに決まっている話なので、断定的に書けるところは、ほかのところも見てみますが、修正します。

【辰巳委員】
 はい。

【山野原子力計画課長】
 全体の絵とかは、これに付属するというのは難しいので、別途これを例えばOHPにまとめていくとか、実際、基本方針ができたら、いろいろな場でプレゼンをしなければいけない。別にこれを作成して渡すことに意味があるのではなくて、こういうところを関係者に理解してもらうというのが重要なので、当然、いろいろなことをやると思います。だから、その過程でわかりやすいような工夫をしていきたい。

【辰巳委員】
 かしこまりました。

【山野原子力計画課長】
 それで、そういう良い資料ができれば、この場でも何か共有できるようにしたいと思います。

【辰巳委員】
 はい。よろしくお願いいたします。

【山名主査】
 白羽委員。

【白羽委員】
 会計士の白羽でございます。72番のコメントのところですけれども、このパブリックコメントでおそらく言われているのが、現状、措置すべきものがどれだけあるのか、保管量、毎年の発生量、それを含めて将来の発生量、これが現状のものと将来分、これを合わせて今回の措置の中で措置していくと。そこでおそらく、私が推測するには、この措置をすれば全量、将来もこれで十分だと。この措置の中からあふれるものはないということを確認したいのかなというふうにこのコメントを見ています。
 おそらくこの事業の中で実際の物量というんですか、発生量とその処分の量、これは資金計画をつくる際に、資料3-1の5ページのほうの5.(1)の2行目に書かれていますとおり、「処分方法ごとの物量調査」、これを行って将来の物量を一応調査するということで、これはおそらく処分量だとは思いますけれども、これは発生量あっての処分量だということで、これが調査されて、それに基づいて公正かつ合理的な処分単価が決まるということですので、実際にこの事業の計画をつくる段階では、物量というのがおそらくはっきり見積もってこられるのではないか。
 それを踏まえますと、この72番の答えとして、今、お答えになっているのは、実際、そのものについては定期的に把握して公表しますよということだけをお答えになっているのですけれども、むしろ、これはこれをやれば大丈夫だということを言われるほうがいいのかなと。こちらの5ページの6.(2)でこの内容が書かれているわけですけれども、これは保管状況を定期的に把握するということを書かれていますけれども、これが全量、適切にこれをやれば処分できるということがもし言えるのであれば、そのような記載をされると、この72番のお答えになるのかなとは考えています。

【山野原子力計画課長】
 今後、その物量がどのぐらいになるかというのは実施計画でやっているのですが、当然、その前段階で、我々が今、最新のデータで言うと、昨年の12月末現在で、対象の全事業者で言うと、ドラム缶換算で55万本ある。毎年動きがあるので、それはそのときの調査でそうだったということですね。対象となる処分量というのは、今後の40年間にわたって、どれぐらい発生するかというのを各事業者に聞いた調査結果なんですね。そうなると、それは今運転している建屋も、壊すことになれば、それは物量に入ってくるし、40年先も現役で運転しているといったら物量に入ってこないとか、若干、どうしても各事業者の予想値が入ってくる値なのです。
 だから、その時点の調査では、実際上、埋設するような形になる廃棄物は、過去からのものも含めて、将来40年も含めて53万本ぐらいだろうと見積もって、2,000億円だと言っているのですが、これについて今、再調査を原子力機構でやってもらっています。いずれにしても、実施計画の中ではより明確に、実施計画に入っている物量はどれだけで、対象はどれかというのは明確になるということです。したがって、おっしゃるように、当然、この事業が動き出せば、保管庫が満杯になるかもしれなかった懸念が解消されて、少なくとも物事が動き出すということは明確なので、その点については書ける範囲で書きたいと思います。

【山名主査】
 高野さん。

【高野 日本立地センター地域調査部長】
 五味の代理で参りました。五味のほうから内容について幾つか承っています。それを発表させていただきます。
 まず、回答案のところの28番でございますけれども、これは基本方針に絡むところでございますけれども、修文のところで「埋設処分施設の立地の選定を行う。また、原子力機構は、処分の開始までに」となっておりますけれども、立地の選定を行って処分の開始となりますと、その間に自治体の了解を得るものとするとなりますと、少し時間軸があいまいでございまして、処分の開始となると、埋設処分業務がスタートする時点で了解を得るものとするという理解をされるということもございますので、これは意見でございますけれども、「埋設施設の立地の選定を行う。また、原子力機構は処分場として決定するまでに当該地点の属する自治体の了解を得るものとする」ということではどうかということでございます。
 これは繰り返しになりますけれども、立地の選定をした。これはあくまでも原子力機構が立地を選定しますけれども、まだ自治体の了解を得ていないというふうに誤解を招きやすい。自治体の了解が得られずに処分の開始までの事業、例えば施設の建設を進めてしまうのかというふうにとらえられるのではないかという危惧がございますので、選定と決定というところの時間軸というのをはっきりしたほうがいいのではないかというのが1つでございます。
 それからもう一つは、これは意見でございますけれども、立地地域との共生というところで、地域側につきましてはいろいろな施設が立地したことによって、例えばいろいろな活性化につながるということなのですけれども、どうも今までの例を見ていきますと、国におんぶに抱っこというようなこともございますので、やはり地域が持続的に、長期的にとかいう、あるいは自助努力というのも含めて一緒になって施設の立地と地域がよくなっていくということを考えていくということもありまして、そういう「長期的」、「持続的」、あるいは「自助努力」というような言葉をこの立地地域の共生の中に盛り込んではどうかということと、回答の39番のところに「長期的な」と、つまり、今申し上げたような言葉を盛り込んではどうかという意見でございます。2点でございます。

【山名主査】
 何かございますか。

【山野原子力計画課長】
 はい。地元の了解というのは、どういう意味で使うかというのは非常に幅があって、今の原子力施設を見ていても、最終的に地元の了解というのは安全協定の締結が一般です。今回は、安全協定が締結されるかどうかわかりませんけれども、それは最終段階なわけですね。その前段階で地質の調査をしてもいいかなどについて承諾を得て実施したり、それはいろいろなケースがあると思うんです。
 どこかの自治体が積極的に自分のところでやってくれというところも出てくるかもしれないし、あまり杓子定規に規定しないほうがいいのではないか、むしろ、できないのではないかなと。ただ、少なくとも、当然、最終的に実施するときには了解がなかったら、当然強制執行するわけがないので、いろいろなケースがあるので、基本概念としては公正にやりますということと、最後は、どこかの段階では地元の了解を当然とりますということではないかなと思います。
 あとは、2点目の持続的とか長期的、それはご指摘のとおりなので少し言い回しを考えます。

【山名主査】
 野口委員。

【野口委員】
 本文ではなくて対応といいますか、回答、対応案のほうの9番ですけれども、それの対応のところで、原子力機構は日本原燃と協力して我が国全体云々ですけれども、これは回答ですから瑣末と言えば瑣末なのですけれども、「原子力機構は、」と「、」を入れて、主語は何だということをはっきりしていただきたいと思います。

【山名主査】
 よろしいですか。9番ですか、「、」を入れる。

【山野原子力計画課長】
 はい。

【山名主査】
 ほかに何か。そろそろ時間なのですが、それでは、大体意見が出ましたが、私から1つだけ。先ほどのクリアランスのところで、実はウラン廃棄物、さっき東嶋さんがおっしゃったように、放射線障害防止法関係ではなくて、原子炉等規制法の使用施設、加工施設でウラン廃棄物の処分・埋設については実は全く何も決まっていないんです。多分、全体の廃棄物のうちの2割とか3割のウラン廃棄物がありまして、クリアランスには書いてあるんだけれども、ウラン廃棄物の規制側の進ちょくと、この事業の進ちょくをどう合わせていくかというのは意外と大きな部分でありまして、これをどうしたものかなと思いながら実は読んでいたのですが、何か事務局のほうで、あるいは石榑先生、その辺、ウラン廃棄物の情報はありませんか。

【石榑委員】
 私もよくわからないのですけれども、普通は原子力安全委員会で考え方みたいのが出ますよね。それを受けて規制側が具体的なところを進める。クリアランスも出ておりませんし、それから、ウラン廃棄物に対する処分の基本的な考え方といいますか、原子力委員会は出ていますけれども、原子力安全委員会のほうは出ていないですよね。ただ、何か近いうちに出るという噂もあって、私、そこはよく把握していないのですが、まずはそこが第一の段階なのかなとは思ってはいるんですけれども。ただ、非常にいろいろな難しい問題が絡んでいることは間違いないので、それがゆえにかなり遅れたということだと思ってはいます。

【山名主査】
 今、原子力安全委員会で検討中でしょうか。

【山野原子力計画課長】
 だから、おそらくそういう基準が先か何とかというんだけれども、なかなか規制当局も動かないものですから、そういう観点でも、この事業が原動力にならなければいけないのだと思うんですね。だけど、この基本方針に、規制当局にこうやれとは書けないんです。それであれば、例えばクリアランスと同じような並びでウラン廃棄物と書いて、広い意味の進ちょくに対応することというのは、それは我々に課された責務であるんですけれども、それと併せて書けることとしては、規制当局に情報提供するとかというような、橋渡しみたいなことまで含めて書いておけば、我々の頭の中にあるということが書き込まれているということになるのではないでしょうか。

【山名主査】
 ありがとうございました。じゃあ、ウラン廃棄物という言葉がどこかに入るように少しご検討いただけますか。

【山野原子力計画課長】
 はい。

【石榑委員】
 これはクリアランスとも絡んでいますので。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。

【山名主査】
 それでは、これで時間になっておりますが、特にございませんですね。大体、的確なご指摘をいただきました。ちょうだいした件、事務局と私のほうで最終的な回答内容の修正と最終的な基本方針の修文に反映させていただきたいと思います。いただいた意見については、できれば私のほうにご一任いただきまして、最終案をつくるということで進めてよろしゅうございますでしょうか。

 (「異議なし」の声あり)

【山名主査】
 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。それでは、事務局のほうから何かほかにございますでしょうか。

【山野原子力計画課長】
 今日は、どうもありがとうございました。今日いただきました意見は、今、主査からご指摘がありましたように、主査とも相談しながら適切に対応させていただきたいと思います。その上で最後は大臣決定と主務大臣が決定するということになるわけなので、政府部内でまだいろいろ議論があったりして、大きなことは、変更はないと思いますけれども、何かありましたらまたご相談させていただければと思います。
 その後、このような作業をあまり引っ張っても仕方ないので、なるべく早いタイミングで定めたいと思っています。それで、その後になると、原子力機構が作る実施計画というのが作業になるわけですが、それらについてまた日程調整をして、こういう場でまたいろいろご議論をいただければと思います。

【佐々木委員】
 先ほど森委員がおっしゃった関係で、この資料1には書いていなかったから、今後の作業部会はどういうふうにかかわるのかなと思っていた。当然ですよね。

【山名主査】
 それでは、大体、そういう予定で、次回は実施計画の案が出てきた後になるわけですね。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。そこもおそらく国が作るものとちょっと違うので、三代委員とはやり方を相談していないのですが、重要な部分とか全部一式がそろうまで待つのか、多少、一部ずつでも議論していくのか、やり方も含めて、実際の作業状況を含めて相談したいと思います。

【山名主査】
 それでは、本日の審議、すべて終了いたしましたので、本日はこれで閉会させていただきます。ありがとうございました。


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