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原子力分野の研究開発に関する委員会 量子ビーム研究開発作業部会(第2回)議事録

1. 日時
平成19年5月16日(水曜日)16時〜18時

2. 場所
文部科学省10階 研究振興局会議室

3. 出席者
(委員)
井上主査、上坂委員、浦川委員、神谷委員、神田委員、田川委員、田中委員、鳥養委員、中西委員、橋本委員
(事務局)
木村量子放射線研究推進室長、本橋量子放射線研究推進室長補佐

4. 議事
【井上主査】 では皆様、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。定刻を少し過ぎまして、まだ一部遅れるという方がおられますけれども、ただいまから第2回の量子ビーム研究開発作業部会を開催いたします。
 まず最初に、前回御欠席でした田中委員と橋本委員が今回御出席なので、簡単に一言だけ自己紹介を。

【田中委員】 サントリーの田中でございます。この量子ビームの中に入れていただきまして、全く物理化学の分野は専門外だったのですけれども、その利用に関しまして、もちろん重イオンビームを使って花の育種改良をやったり、一部、高分子のアモルファス状のタンパクの構造解析に中性子ビームの解析が有効である。あるいはこの会で中西先生と御一緒させていただいて、私どもは今、環境の問題をやっている中で、中西先生が開発された手法が大変有効であると。そういう1つの基盤作りができて、それがこれからの環境ビジネス、あるいは新しい産業構築にこういう場から情報が発信できればという形で参っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。

【井上主査】 どうもありがとうございます。
 橋本さん、お願いします。

【橋本委員】 東北大学の橋本です。多分、私がここに出ている理由は、当面、J-PARCの利用者協議会の会長をやらせていただいておりますので、そういうことなのかなと、昨年から参加させていただいております。私自身、いろいろなビームを使った実験は、原子核物理の実験ではあるのですが、サイクロトロンとかミュオンを使った物性に絡むようなこと、それから高エネルギー重イオンの実験もさせていただいたりして、KEKのシンクロトロンも使ってきたのですけれども、現在はアメリカのジェファーソン研究所の電子ビームを使った実験をやっておりますので、ベーシックサイエンスですので、ここの利用にどの程度貢献できるか分かりませんけれども、そういうサイドからもまた発言させていただきたいと思います。

【井上主査】 どうもありがとうございました。
 なお、本日は庭野委員は御都合で御欠席ということでございます。
 それでは、配付資料の説明をお願いいたします。

【本橋量子放射線研究推進室長補佐】 配付資料を確認させていただきます。お手元の資料でございますが、まず議事次第、1枚物でございます。資料1、今後のスケジュール(案)、1枚物でございます。資料2、前回の主な議論、2枚物でございます。資料3、日本中性子科学会からのコメント、1枚物でございます。資料4、日本放射光学会からのコメント、1枚物でございます。資料5、プラットフォームの構築に向けてという横のポンチ絵1枚でございます。資料6、同じ横のポンチ絵1枚でございまして、研究開発・人材育成体制のイメージの図でございます。資料7−1でございますが、A3横の資料でございまして、重点課題抽出のための整理表(その2)というものでございます。資料7−2、当面進めるべき重要な共通基盤技術の例、1枚物でございます。資料8、報告書骨子(案)、3枚物でございます。また参考といたしまして、前回お配りいたしました整理表(その1)をA3縦長のものでございますが、お配りしてございます。御不備等ございましたら、お申し付けいただければと思います。
 以上でございます。

【井上主査】 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは本日の議題でございますが、お配りしてある議事次第、1つ目が量子ビームプラットフォーム構想について、2つ目が量子ビーム基盤技術研究開発と人材育成について、3つ目が報告書、いわゆる中間とりまとめの骨子(案)についてということでございまして、前回お話しいたしましたように、ちょっと短い期間で大変申しわけないのですが、次回ぐらいで大体このことについてのお取りまとめをさせていただきたいということで、今日しっかりと議論をしていただければと思います。
 それでは、最初の量子ビームプラットフォーム構想についてということで、事務局から資料の御説明をお願いいたします。

【木村量子放射線研究推進室長】 それではまず、資料2を御覧ください。これは前回相当インテンシブな議論をしていただいたということで、事務局としても感謝申し上げておりますけれども、特に利用のプラットフォームの部分について多くの意見をいただいておりますので、簡単に御紹介を申し上げます。
 まず、利用のプラットフォームについては、中性子と放射光の利用の熟度がまだまだ違うのではないかという観点から、JASRIと放振協というものを同列に考えるのは難しいのではないかということ。一方で、既存の仕組みの活用、それから今できることを掘り下げていくということも大事ではないかというお話。さらに、ワンストップのように利用の窓口を一元化するというのはいいけれども、それぞれのビームの特徴についても周知することが必要じゃないかという御意見。さらに、こういった施設の紹介でビームを使った後も更に適切なフォローがされるべきではないかという御意見。さらに、パワーユーザーといったものは、当然プラットフォームを通さず直接各施設にアプローチをするだろう、しかしながら、せっかくプラットフォームを設置するのであれば、そういったパワーユーザーも参加しながら利用の形態を考えられるような協議の場とすることが望ましいということ。ビームの種類の観点からは、放射光と中性子だけではなく、ほかのビーム種も含めていったらいいのではないかというお話。もう1つ、プラットフォームにおいては人が重要であり、コーディネーターについてポテンシャルの高い人がいればより研究が進むだろう。そのプラットフォームにおいて、ポスドクなどの活躍するような場を提供することによって、産業界と基礎科学のマッチングに期待をしているという御意見。それから利用のプラットフォーム、それから研究開発のプラットフォームというものは、人材育成の観点からも一体的に運用していくことが望ましいであろう。それから、最初はこういったプラットフォームといったものは国費で運営しても、将来的には独立採算でいけるようにすべきだという御意見。それと、量子ビームは原子力の中でも活力のある分野なので、この原子力を推進するために、量子ビームの施策の中で原子力というものを目出しすることができればいいのではないかという御意見。さらに、技術の標準化という観点が重要だろう、これは企業にも国にとってもメリットになるであろうという御意見。
 さらに2枚目に行きますと、人材育成のところです。人材育成については、地域、企業との連携を探ることが必要だろう。大学では外部資金で特任教員を措置することが可能になってきている。さらに、ポスドクのキャリアの出口が見えるようにすべきだ。例えばポスドクをコーディネーターとしてプラットフォームの中で使って、そのポスドクの活用が民間企業にも見えるような形にして、将来的には民間企業に移籍をする、そういうことによってイノベーション創出を担う人材を作っていくというキャリアパスが見えるようにすべきだろう。さらに人材育成の観点からは、民間企業がプラットフォームのポスドクを引き抜こうとした場合も阻害しないような配慮が必要だという御意見もありました。
 これは次の議題ですけれども、重点研究開発課題について、要素技術ごとに整理すると分かりやすい。さらにJ-PARCのような大型装置にかけて計測する前に、研究室レベルの手元の機器で予備的な実験ができると便利だろう。その観点での小型化、低コスト化が重要だろうという御意見。最後の御意見ですが、小型化もトレンドの1つであるが、それだけではなく、量子ビームテクノロジー全体の今後を考えることが重要という御意見をいただきました。
 かなり活発な御意見をいただいたということで、さらに、利用のプラットフォームに関しましては、資料3と資料4に、特に今、我々が当面の重点を置こうと考えている中性子の利用、放射光の利用という観点から、ユーザーのコミュニティーであるそれぞれの学会、日本中性子科学会と日本放射光学会の方からの御意見をいただいたものです。資料3の方ですが、これは日本中性子科学会が今年の4月に、部会であります大型施設共用問題特別委員会で、包括的中性子利用を支える施設運営についてという報告書をまとめておられます。その中で、量子ビームプラットフォームの推進ということで、特に当面こういうことを進めるべきじゃないかという意味で、前期量子ビームプラットフォームの推進のためにこういうことをしたらいいのではないかということで、設立の提案という7項目の御提案がされています。
 簡単に御紹介しますと、特に量子ビームについて不慣れな産業利用分野での研究のコーディネーションをやっていったらいいのではないか。当面は放射光と中性子の両者の連携を上手くコーディネートしていくことに重点を置くけれども、ビームの種類を今後増やしていくことも視野に入れていくべきだ。3番目としては、放射光施設、中性子施設の産業利用申請枠にコーディネーションの枠を設ける、横断的利用という意味だと思いますけれども、そういった枠を設けるのがいいのではないかという御提言。4番目は、現在のSPring-8のコーディネーターに対応する組織をJ-PARCにも作って、その連携を図る組織を構築してはどうか。その際に、両学会のアライアンスを構築し、その所掌にするのも一案であるという御提案。5番目、コーディネーター選定においては、中性子及び放射光実験両方に造詣が深く、広い人脈を持つ人物の選択が肝要であるということ。6番目、コーディネーターは、技術相談のみならず、課題の重要性と各施設の課題実施能力を判断し、最も効率的な実験計画を作成する。また、そのための権限を与える必要があるだろう。7番目ですが、コーディネーターの実際の業務については別途実務レベルも含んだ議論が必要であるということで、特にコーディネーターの能力といったところで人材育成の必要性、あるいはその横断的利用の重要性といったところの御提案がされているかと思います。
 資料4にまいりますと、これは日本放射光学会の雨宮会長から、私の方でヒアリングをさせていただいて、こういった利用プラットフォームを作っていく上で、当面どのようなことに配慮したらいいのかということで御意見を伺った結果でございます。
 1つ目のコメントといたしましては、施設の競争力維持に配慮した適切な研究課題の実施が必要だろうということです。これは特に何を意味しているかといいますと、やはりそれぞれの施設で幾つかのトップレベルの成果を上げていきたい、それによってその施設のアピールをしていきたいという気持ちがあるので、例えば何でもかんでも大型の施設でやればいいとか、そういう話ではない。それぞれの施設の有効活用については、そういった観点も含めて研究課題の振り分けというものをやっていったらいいのではないか。さらに、産業界が研究課題の相談に来たときに、単純に機械的にあっちへ行けばいい、こっちへ行けばいいという振り分けをするだけではなくて、もうちょっと付加価値を与える。例えば、これを利用すればこういうこともできる、更にこういう使い方もあるのではないかというアディショナルな価値を教えてあげる、そのための体制を作ることが大事なのではないかということをおっしゃっておられました。さらに、そういった相談窓口には、これは中性子学会でも言われておりますが、複数ビームの相補的利用についての見識がある、更にいろいろなところに紹介が可能なような広い人脈を持っている、その両方を備えた人の配置が必要だろう。4番目ですが、支援者のキャリアパスを構築することが大事であろうということ。最後ですが、研究支援、分析業務といったものはアウトソースすることも考慮すべきであろうというコメントをいただいております。
 これは両学会とも共通する部分がかなり多くございまして、こういった両学会のコメント、それから前回いただいた御議論を基にして、資料5、前回お出しした資料を若干改良しまして、利用のプラットフォームを作っていく上で、将来的には一元的なワンストップサービスの窓口を構築して、それこそ複数の量子ビーム施設を横断的に利用できる体制を構築していく、これが理想形ではありますけれども、まず当面、ここ数年の間に実施すべき体制としては、ここに絵にかいてあるとおり、まず産業ユーザーを対象としたらいいのではないか。特に産業界の中でもヘビーユーザーではなくて、どういうビームをどういうふうに使ったらいいの分からないという、まだその利用に不慣れなユーザー、いわゆるトライアルユースの段階のユーザーを対象にしてはいかがかと思っております。やはり複数のビームの利用で有効なのは放射光と中性子ということでありますので、まずはそのビーム利用をいかに横断的に、効率的にやっていくかということを考えますと、放射光施設の利用支援機関と中性子ビームの利用支援機関といったものが連携を強化していく、これをまず数年間やってみてはいかがだろうかということを考えております。この連携の具体的な中身ですけれども、課題の紹介でありますとか合同での広報活動、これは例えば合同でシンポジウムを開く、あるいは一般向けの広報を行うといったこともあろうかと思います。それから両方のビームの利用に通ずるコーディネーターあるいはその他の人材を育成するという意味でも、両機関で配置している人材、特にコーディネーターを中心とした人材、この相互交流が大事になってくるのではないか。こういったことをまずはパイロットプロジェクト的にやってみて、本当に有効なのかどうかということをまずやってみてはいかがか。その上で、今後、放射光は放射光で対象になる施設が増えていくだろうし、中性子も、J-PARCが立ち上がりますし、利用の幅が増えてくる。さらには、ビームの種類で言えば、イオンビーム、もしかしたらミュオンのビームも使えるかも知れません。イオンビームでいえば、今、原子力機構のTIARAという大型施設もありますし、あるいはHIMAC、これは専ら昼間は治療に使っていますけれども、夜は物理の実験に使っていますので、そういうところを使って産業利用などの可能性もあるんじゃないかということは考えております。
 そういったことを中心にしながら、最初に申し上げたように、産業界のトライアルユース的な利用のサポート、ここを中心にして、今後、ユーザー層あるいは対象施設がどういうふうに広がっていくのかというのを見た上で、理想像を目指した次の段階へ移行していくというのが適当なステップなのではないかということで、この資料を作成いたしました。
 事務局からの説明は以上です。

【井上主査】 ありがとうございました。前回の議論を踏まえて少しまとめていただいたと思うのですが、自由に御発言いただきたいと思います。どうぞ。

【田中委員】 おっしゃるプラットフォームは良く理解できるわけですけれども、一番重要なのは、ここに書かれている産業ユーザーです。その産業ユーザーの中で、木村室長さんがおっしゃるように、ヘビーユーザーではなくて、ここの議論にもありましたように、不慣れな産業利用分野あるいはそういうふうな人たちが、今度はこういうプラットフォームが形成されたときに重要なのは、研究課題の相談で機械的なあれではなくて付加価値が付く、そういうことができればいい、今度はそういう人たちのコーディネーションのキャリアパスが上手くいけば、これは回ると思うのですけれども、いわゆる不慣れな――私も最初、ここに来たとき不慣れであったわけです。つまり、サントリーで重イオンビームで植物育種をやるというふうなことに関しては理解していたわけですけれども、このビームの世界がこれだけ広がっているという知識がまずなかった。今、私は植物を一部やりながら、結構大手の植物メーカーさんがこの育種方法を使ってやられる、あるいは今度は食糧増産なり環境植物の問題でもこういう対応が付いてきているのですけれども、すごく今でも不思議なのは、植物ということに関してはこうなんですけれども、同じ重イオンビームを使って、本来、日本の産業として最も強い微生物、発酵の分野がありますね、これは我々もそうでありますけれども、発酵の微生物変換、特にミュータントを作る、つまり産業価値の高い微生物を創造するというのは、今の遺伝子組み換えと、こういう突然変異の頻度の高いものを上手く組み合わせれば、今、経済産業省でものすごく力を入れている、日本が最も強い産業育成の中に発酵産業があり、何も食品とか酒の話ではなくて、創薬を含めていろいろなものを創る。そういうことが言われているにもかかわらず、成功している植物はそれなりに課題として挙がってくるのですけれども、もっと本来は、産業ユーザーを考えたときには、そういうふうなところがここに注目してこれを理解して、そうすると、何が今そういうふうになっているかというと、私はやはり植物で上手くいった話は、植物という限られた産業と、植物という限られた先生方の中ではこの話は出ているわけですけれども、もう少し一般的に広がって、例えば微生物の改良に関してこれは最も有効な手段であるというのは、少しその中身を付け加えれば理解されるにもかかわらず、こういうところにも上がって来ないし、関心がない。つまり、不慣れな産業分野というのはたくさんあると思うのですけれども、それをどうやってここの中に取り込んでくるかという、そういうのが人材育成であり、コーディネーターの育成なのかも分かりませんけれども、そういう地道な活動をどうやってやるかということが、ある程度具体的に、挙がった事例をもとにして、明確にどの分野に活用できるんだというプログラミングを組んでいかない限り、いつまでたってもこの議論は、私は1年あれしてきましたけれども、産業ユーザーで、ヘビーは分かりますけれども、それ以外のユーザーをどうするか。
 もう1つだけ言わせてください。これは私は、先ほど申したように、中西先生から大変学んだあれがあって、あの仕組みを使えば、これは中西先生もおっしゃっていますけれども、今言われる知財とかいろいろな中で重要なのは、グローバルスタンダードをどうやって形成するかということがあるんです。それがいわゆる新しい産業を創り出す、あるいはイノベーティブな仕事に発展していくわけです。環境問題の中で、土を使わないで、これも植物の分野ですけれども、今、いろいろな企業が壁面緑化とか屋上緑化とかいろいろな作業をやっていますけれども、どの仕組みがいいのかというのは誰も評価基準を作れていないのです。だけれども、私は本当はこれを公開するのは嫌なのですが、中西先生の話を聞くと、誰が見ても、物理化学をある程度理解する人間であれば、大変いいグローバルスタンダードに成り得ると。つまり、品質の比較の問題、それを非破壊でできるという世界を創り上げれば。そういうことを誰か、本当は中西先生に期待したいのですけれども、もっと的確な情報をやっていくと、不慣れな産業利用というのはもっともっと入ってくる可能性がある。ですから、私は是非、こういうふうなことをやっていただく中で、この産業ユーザーを引き込むために、課題の重点化といいますか、短い時間でいわゆる不慣れな産業ユーザーをどうやって引き込むかという、成功事例を何かできるような仕組み、あるいはそれをやれるようなコーディネーターの人材育成というか、もう団塊の世代はみんな、私もそうですけれども、余ってきているわけですから、そういう活用を上手くやりながらこういうところを進めていけば、もっと現実的な世界になるのではないか。私は全くのケミストリーを専門にする人間ですけれども、ここで、藤井先生は今日おられませんが、何人かの先生のお話を聞くと、原理は良く分かりませんよ、だけど、何に使えるというのは私はある程度理解できた。だから、逆に言えばもっと異業種の分野のそういう人たちもどこかからここへ来て少し学ぶ機会、それもお話しいただくときに結構産業と直結するような具体的な事例をお出しいただければ、産業界は今みんな課題を探していますので、この手法というのは大変有効な手段を作り得るのではないかというふうに私は期待しております。私は自らの会社もありますけれども、食品産業界にとっても大変これは使い勝手のある世界。だけど、多分、食品産業界ではこんなもの誰も理解していないと思いますので、その辺をどう情報発信をして、そういう人たちをどう引き込んでいくかということを考えていただきたいというより、一緒になって考えられればと思っております。

【浦川委員】 今の意見で、非常にもっともな御意見なのですが、我々もここ3年ぐらい、私は高エネ研に所属していますけれども、広報活動というものの重要性が、グローバルに、インターナショナルにやっているのですけれども、10人ぐらいの人たちが集まりまして、毎月1ページか2ページなのですけれども、どういうことが出来たか、そしてどういう結果が生まれたか、いろいろなものをピックアップして、それを英語でも書くし日本語でも書くわけですけれども、いろいろなところにアクセスさせて、1ページ、2ページ配るようにしているのです。今、たくさん印刷するとコストが非常に下がりますので、できるだけいろいろなところに配れるようにする、あるいはもちろんインターネットがすごいですから上手にやればいいのですけれども、インターネットの場合は見なきゃいけないわけです。見ない人が多いわけです。だから、紙にして配るということをここ二、三年原則にして、そして新しい技術を例えば研究所で開発した場合に、それにかかわった人たちをインタビューしてもらって、具体的に書いて、どういうことが利用できるかということを、一応広報に関してある程度知識を持った人、それからサイエンスに関してジャーナリスト的な観点から書ける人、そういうものを10人ぐらいの人が読んでみて、多分二、三カ月前ぐらいにそういう資料を作って、それで印刷して配る。恐らくこの利用プラットフォームの構想の中に、産業界にそういうものを配って、できるだけビジブルにして目に入って、そうすると、読んだときにこういう利用ができるのかというのを、産業界の人たち、まあ研究者も実はあまり良く知らないで自分のところに閉じこもっている人はたくさんいるのです、実を言うと産業界だけじゃないのです。研究者の人も本当はこういうところへ行ったら自分の研究はもっとパッと進む、これが見えてくるんだというのが分かるわけですけれども、実はそういうものを利用という観点でいろいろなところを見るような余裕が無いのです。ところが目の前にパッとビジブルなものが来て、1ページか2ページ、要するに裏表で1枚の紙切れでいいのですが、さっと見れれば非常に効果的で、最近そういうことを、毎月のようにやれているかどうかはちょっとはっきりしていませんけれども、結構シリーズで出していまして、それはいい方法じゃないかなと思っています。参考になるといいですが、そういうことです。

【井上主査】 ありがとうございました。

【神田委員】 対象になる施設のことですけれども、今、かなり大型のものばかりが候補に挙がっていて、行く行くは拡充するというお話ですが、少しいろいろなスペックの機械があった方がいいかと。決して大型なものが、慣れてない人間にとってユーザーフレンドリーとは限りませんし、また、小さなもので小さなエネルギーの方がいいような生物実験もございますので、それが数年間とは言わずに、もっと早い時期にいろいろなものを使えるような方向で検討いただけたらと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 今想定しているのは、今現在でそういった産業ユーザーの支援体制が、放射光は例えばSPring-8でもう相当程度整っています。中性子では今トライアルユースなども始めていますし、そういったことも始まりつつある。まず始まっているところ、既に動き出しているところを取っ掛かりにして、当然、ここに書いてありますように、多分、これ以上大型の施設はあまりないと思うので、対象施設を増やしていく上では、多分これより小さな施設がどんどん増えていくということになろうかと思います。

【田中委員】 1つ今のお話で、私は企業の人間としてしかやっていないのですけれども、例えば今のような話の中で、企業的発想をしますと、大型のインフラは、おっしゃるように基盤を構築する、あるいはその技術の利用に関しての範囲なり幅を考えるという意味で、通常、企業でも投資しますね。それを例えば小型化する、あるいは利便化するということを考えるときには、その大型の考え方の中から小型化にするメリット、例えば産業に対してその大型化のものがどういう貢献をするかという中で、全部しなくていいのです、もちろんサイエンスという世界もありますから。だけど、それが明確にならない限り、企業でよく言われる費用対効果という考え方からすると、そういう小型化をやらない、つまり、小型化をやってそのニーズを創り出しながら大型のものとのバランスを取るという形はあまり考えないわけです。ですから、いや、最初から大型のものでそんなものは何の役に立つか良く分からない、基盤だけを造るんだ、だから小型にしないとエンドユーザーのニーズに合わないんだという話なら別ですけれども、考え方としてそういうふうにして考えて行きますと、やはり僕は、今ある大型の機材あるいはそういうふうな考え方あるいはそれをベースにした産業利用ということを明確にする中で、やはりそこにかなりの利用用途がある。そういうふうな中でどう小型化するか、どう使いやすくするかということをやらないと、ほかの国のあれでもですけれども、競争的資金とか、選択とか集中とかという議論にならない。ここの議論がすべてでは多分なくて、お金の問題にしてもいろいろな方針にしても、今、そういうふうな流れの中でやったときに、その辺は上手に言う、あるいは上手く考えてやらないとと私は思うのです。

【上坂委員】 ですから、すべてオールマイティーで小型化はあり得なくて、何か1つのスペックだけを生かして残りをあきらめる、それで小型化していく。そのスペックを生かしたところで何か大きな利用がある、そういうものが見出せたら、やはりやるべきだと思うのです。それで、そういうものを見出すまではいろいろとリサーチをやって、それで何かこれが行けるとなったときに、メソドロジーというか、その分析や製造装置の小型化をやるべきで、最初からとにかくバイオとか生物とかという見る研究と装置開発を一緒にやってはだめで、ある段階は、バーッと利用の方で非常に詳細にやっていて、見えて来たら、それに特化した、それを広げられる、オールマイティーの小型化じゃない、非常にシャープな利用を推進できるのです。そこの性能だけが優れた小型化をやっていく、そういうのは入れ子になってやっていくべきじゃないか。今、日本は装置開発の方が全然なくて、バイオとか医療はいいんだけれども、その実、見ているとほとんど輸入品で、ほとんどアメリカとかですので、そういう意味での小型化が非常に重要じゃないかと。

【浦川委員】 具体的な例になるかどうか分からないですけれども、タンパク質の構造解析などでも、ここ3年ぐらい、ある程度の放射光、非常に競争が激しくて、今、そのある程度の放射光を出すような装置の製作を競争しているわけなのです。ただ、今現在はそれなりの放射光のところに結晶化したものを持って行ってやっているわけです。その結晶も、小さい結晶だったら速くできていいわけです。いろいろな創薬の開発でも競争に勝てるわけです。そうすると、これからどのくらいのニーズがあるかというのは良く考えなきゃいけないのですけれども、これはずっと続くと私は思っているのですけれども、やはりそれなりのいい放射光、今のSPring-8みたいな(世界最高の)放射光じゃなくていいわけで、それなりのちょうどいいエネルギーの光が出せるような小さな装置があれば、これは非常に薬品会社とかそういうところは助かるわけです。そういうものに開発の目を向ける、あるいは中性子でも多分そういうものはあるのかも知れませんけれども、そういう観点で議論するのがいいと思うのですけれども。

【井上主査】 大体皆さんのおっしゃっていることは、要するに大型というか最先端機器でピークが見えるようにするということですね、そういうものがこんなことに役に立つのかと、しかもそれが陳腐なことじゃなくて、それじゃなきゃ出来ないようなものを、ピークを更に伸ばすような努力をそこはやっている。それで、これは銭になるという感じになったときに、もっとコストダウンという観点から小型化とか普及とかいうような感じの御議論だったかと思いますが。

【鳥養委員】 先ほど神田委員が言われたのは、大型化、小型化の問題ではなくて、この利用プラットフォームのカバーする対象として、現在ここに挙がっている、既に産業ユースが始まっているものだけでよろしいのかという御提案だと思うのですが、私も神田委員の御意見に賛成で、例えば放射光と中性子が既に始まっているというところでここだけ取り上げますと、放射光と中性子の中でもやはり共通技術として、回折の手段として構造解析とか、その辺だけを知っている人が、そこだけが強調されかねないわけで、やはり量子ビーム全体としてはもっといろいろな使い方があるわけです。そういう意味でも、初めから現在ここの課題に挙がっているようなものはすべて視野に入れた、ここにきちんと並べたようなもので始めた方がいいと思うのですけれども。例えば中性子のところに、J-PARCでは中性子、中間子は、体制的にも施設的にも一緒ですし、これを切り離す理由は全くございませんし、中間子の産業ユースも既に始まっています。おそらく、現在小型と言われているほかの量子ビームでも、そういう芽はもう出ていると思います、まだ我々が収集できていないだけで。そういう意味では、初めは既に使われているものだけでスタートするのではなくて、一応全部挙げてみたらどうかと思いますけれども。

【田中委員】 私もおっしゃるとおりだと思うのです。先ほどのタンパク解析の問題で、いわゆるタンパク3000の中で放射光を使っての三次元X線解析でかなり問題を起こしてきたというのと、創薬等、なかなかダイナミックな構造解析で結び付かないので、今度は文科省も御存じのように標的タンパクというのに形を変えた。何を見るかというと、今度は膜に入った膜結合型のタンパクを見るというふうな話、それもダイナミックな形で見るという中で、放射光がいいのか――私はやはり今度は中性子ビームの出番があると思うのです。そういうふうに拮抗していく中で、1つの時代のニーズと技術の進歩がものすごくイノベーティブなものを創るとしたら、今おっしゃられたとおり、一方でこれを全部網羅しながらそれを羅列して、ある場面でそういう認識のもとでいろいろな組み合わせを考えるようなもっとスペシャリストのコーディネーターが必要だというふうに私も思います。そういう意味で、この羅列するという中で、まあ羅列するという表現がおかしいのです、整理するというふうなことを考えながらやって、やはりいろいろな技術、いろいろな利用が考えられるわけですから、そういうものを並べておいて御説明いただいた方がいい。私どもも全部知っているわけでなくて、幾分か教わったことに関してレスポンスするわけですから、そういうふうなことも私も同感で、大切だと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。だから、これはアウトリーチのやり方だと思うのですけれども、その中で放射光と中性子だけを取り上げるのではなくて、やはりいろいろなビームにいろいろな利用可能性があるんだと。ここの部分は、もう既に産業界でこれだけの実績が上がっている、でも、こういうビームにももしかしたらこういう可能性があるのかも知れないということはちゃんと言っておかなきゃいけないんでしょうね、そこは。

【橋本委員】 私も今の御意見にほぼあれですけれども、量子ビームのこの研究会作業部会ということで、イメージ的には、やはり量子ビームというのは、先ほどもお話がありましたけれども、非常に広い範囲を持っておりますし、深さも持っているので、そういうものの蓄積の上に、例えば非常に有効に産業利用できるようなものがポッと出て来たりとか、あるいは必ずしも直ぐ産業利用じゃなくても、それの芽になるようなものに結び付くとか、その辺のものをどういうふうに育てておくかというのは、人材育成などのこともかかわるわけですけれども、どの辺までこの作業部会がパースペクティブに入れるのかということにもかかわるのかなと思うのですが、先ほどの室長の御説明の産業利用に1つ絞るという部分はむしろ非常にクリアで、私はすっきりするなという側面もあると思うのです。ただ、量子ビームの研究開発という意味では非常に広い範囲がありますので、そこの部分はしっかりここに入れておくということが非常に重要かなというふうに思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 だから、こういうプラットフォームの連携を作っていく中で、そういった今まで産業ユースがあまり無かったようなビームとか施設、そういうところでどういうことができるのか、今どういうサポートが仮にできるとしたらできるのか、そういったところの情報収集を少しずつやりながら段階的に進める。もちろん、当然最初からほかのビーム種あるいはほかの施設を排除しているわけでは全然なくて、ただ、今直ぐ産業利用で初めのサポートができるという体制ができているところが今ここしかないので、まずここと動き始めてみて、段階的にいろいろな情報を集めながらスタートしていこう、そういうことなんですね。

【鳥養委員】 産業界から御覧になって、むしろ聞いたことも無いビームがある方が魅力がありますよね。

【木村量子放射線研究推進室長】 だからそこは多分、先ほど申し上げたように広報の中で、多分これからこういうこともできるようになるという可能性をアピールしていく。その中で、もしかして使いたいと思った人がいれば、例えばこういう窓口に来たときに、もしかしたらこういうところで何かできるかも知れないよという御紹介はできるかも知れません。

【田川委員】 そこまで考えるんだとすると、大型設備で、こういう産業支援というか、そういうシステムを実際作らないとなかなか進展しない、どちらかと言うと私は、今まであまり使われていなかったけれども、非常に強力なせっかく創ったビームだから、やはり産業界に使ってもらうというシステム、国として支援するのと、今言った広報だとかある程度バーチャルなシステムみたいなのを考えるのであれば、かえってこういうところで広報していただいても、ここの人は多分そんなに広く量子ビームを知らないかも知れない。いや、逆に、今言われたように積極的にそういうバーチャルでもいい、それから広報でもいい、そういう全体――量子ビームは、実はもしかするとここしか広く見るところが無いけれども、ただ、予算的な問題とかいろいろなことがあるとすると、何かそういう広いところをどうやってフォローするのかというのは少し真剣に考えた方がいいんじゃないですか、この大型設備をきちんと支援するというのとは別に。

【木村量子放射線研究推進室長】 もしかしたら、それをやらなきゃいけないのは文科省なのかもしれませんね。

【田川委員】 ええ。

【井上主査】 というか、これをプラットフォームと関連付けるとすれば、ここら辺にあるコーディネーターとかであれば、やはり人ですよね。そんなに1人で大きいものから小さいものまで全部分かるって、まあここだと田川先生あたりはかなりまとめておられるのだとは思うけれども、なかなか大変で、多分、コーディネーター的な人のネットワーク作りみたいなもので小さいものも目が行き届いているというような仕組みがいいかも知れませんね。

【田川委員】 ええ、ああいうアイソトープ協会とか、ああいった調査をしたりとか、それは文科省もやりますけれども、ものすごくたくさんあるわけだから、たくさんあるものについて何かこういう仕組みを作れと言うのはとても無理でしょうけれども、例えばそれには多分もうちょっと有効な方法があって、それから、木村さんが言われるように、広報でもそういう窓口的なことをするのであれば、何かそういうことをきちんとやれるようなものを考えないと、多分、このままで行ってここの人が、これは現実的だと思うのですけれども、中性子の人とか放射光の人とかイオンとか中間子の人が、いろいろなビームのことについてたとえ窓口に来られても、説明しろと言われても説明できないと思うのです。だから、もしそういう仕組みを作るのであれば、やはりそういうことを真剣に考えて、バーチャルでもいい、広報室でもいい、何かそういう既設のものを上手く生かす方法とか活性化する方法を是非考えていただけるとありがたいです。

【木村量子放射線研究推進室長】 多分、その全てを知っている人と言うか、ミュオンとか中間子のことを知っている人をここに置くというのは現実的じゃないですね、それはもう現実的じゃない。

【神谷委員】 やはりそういう各施設から人に出てもらって、ネットワークを作って、一種の研究会みたいなのを立ち上げて、そこでまたそういう利用の議論をするという形の方が現実的なんでしょうね。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうでしょうね。

【浦川委員】 多分、そういう利用の議論をして、産業界の人たちあるいは一般の研究者の人たちも含めて、どうなのかというのをちゃんと見て、自分に関係するのはこれだとパッと捉えられるようなインフォメーションの出し方をしないと、それがすごく重要なんです。いつもそういう組織を作って仕事はするんだけれども、それが一般に上手く行かないんです。そこで何か止まっちゃうんです。ものすごくいい研究をいろいろなところがやられていて、いいビームができていて、恐らく基盤のビームとかいいビームを創るというのはまた別途議論しなきゃいけないとは思うのですけれども、それだって相互に利用とビーム創りとが発展していくはずです。それを日本国内あるいはインターナショナルでもいいですけれども、発信していかないと、そういうチャンネル、ネットワーク作りをきちんとやらないといけないと思います。

【井上主査】 いろいろと熱心な御議論をいただきましてありがとうございます。ちょっと時間の関係もございますので、次ともかかわりのあるようなお話もいろいろあったと思いますので、次の量子ビーム基盤技術研究開発と人材育成の方に移らせていただきたいと思います。
 じゃあまず事務局の方からよろしくお願いします。

【木村量子放射線研究推進室長】 資料6、7−1、7−2を使って御説明をいたします。
 資料6、これは前回もお配りした資料なのですが、議論の中でいただいたコメント、ポスドクという言葉は使わない方がいいのではないかということで、若手研究者という形にしたということと、若手研究者が研究開発プラットフォームだけではなくて、利用のプラットフォームにも入りながら例えばコーディネーターの役割を果たす。研究開発プラットフォームの中では研究活動をやる。そこで育てた人材をちゃんとどういうところに送り込むのかという出口も示すべきだということで、それぞれの施設で今後活躍していく人たちもいるだろう、あるいは産業界、大学の方で活躍していく人たちもいるだろうということを示したものであります。ただ、この出口をどうするかというのは、国があれこれ、とやかく言えるような話でもありませんので、こういうルートがあるのではないだろうかということを端的に示した絵ということになっております。
 特に、今の議題で議論をしていただきたいのは、じゃあこの研究開発プラットフォームの中でどういう研究課題をやっていくべきかということで、参考資料で今回は付けさせていただいておりますが、前回、A3の大きい重点課題抽出のための整理表ということでお配りしています。これは、このままでは分かり難いといういろいろな御指摘がございましたし、今回、資料7−1で、またA3で大きくて恐縮なのですが、また別の観点から整理をし直してみました。これは横軸に、参考資料にある一般的な今後解決すべき課題を羅列してあります。創薬に結び付くタンパク質の構造解析あるいは粒子線がん治療技術の普及・次世代技術開発からずっと来て、これが生涯健康な社会というカテゴリーで括られるもの。それから世界的課題解決に貢献する社会の実現のための技術として、例えば自動車、船舶などの交通機関への燃料電池搭載技術から、高変換・高信頼性太陽電池の実現というところまでの技術、こんなものがあるのではないか。それから多様な人生を送れる社会というカテゴリーでは、超高密度半導体回路製造技術の確立から始まって、新奇通信デバイスによる高速化・大容量化の実現というぐらいの技術があるのではないか。最後に安全・安心な社会には、耐震性・安全性向上のための強度の非常に高い材料の実現から始まって、安全・安心に資するセンサーの開発というぐらいの技術があるのではないかということで羅列しております。
 それを今度は縦軸で必要な要素技術という観点から、それぞれのビーム種ごとに、例えば中性子、X線、電子、陽電子、2枚目にいくと、イオン・RIビーム、ガンマ線、ミュオン、そして光ということになっています。中性子であれば更に細分化して、発生技術、高度化技術あるいは検出技術というカテゴライズになって、それを更に発生技術であれば高効率の中性子発生ターゲットの開発、小型サイクロトロンの大出力化、超伝導加速器システムの実証試験、鉛ビスマス核破砕ターゲットに関する材料・熱流動試験というふうに、個別の要素技術がここに記載されております。
 それぞれのこの要素技術が一般的課題の解決にどれだけ結び付くかということで、我々事務局の限られた知見ではありますが、丸を付けてみました。丸が付いた数が多いほどその技術の利用の可能性、幅が広いのではないかということを示しているということで、この要素技術、丸が多いものほど将来的な発展可能性があるのではないかというアイデアで作った表であります。
 この表の中で、大体丸が8つとか9つ以上付いたようなものを、例えばということで、この資料7−2にありますが、これは当然、議論のたたき台として作らせていただいたものですけれども、当面進めるべき重要な共通基盤技術の例ということでお示ししております。大きく6つの分類に分けておりますが、まず、ビームの質と強度の向上のための技術開発、それからスピンなどビームの新しい性質を利用するための技術開発、あるいは汎用性・普及を目指した小型化のための技術開発、エネルギー低消費型のシステムを目指した技術開発、それから精密加工を可能とするような技術開発、最後に測定の信頼性向上のための技術開発。最後の項目は多分標準化みたいな話にもつながっていくんだと思いますが、それぞれの、今ここでハイライトしている要素技術をこういったカテゴリーで、これは前回、浦川先生あるいは中西先生からも御意見をいただいたと思いますけれども、カテゴリーに分けてみると、大体こんな形になるということでお示しをさせていただくものです。ですから、今後こういった要素技術研究を進めていく上で、こういったものをこういうカテゴリーでまとめてやっていったらいいのか、あるいはばらばらでやっていく方がいいのか、あるいは当然、こういった技術もあるよ、こういった技術は要らないんじゃないのという御議論もあるでしょうし、そういったところについてディスカッションをしていただければと考えています。
 御説明は以上です。

【井上主査】 どうもありがとうございました。この整理表が何かマトリックスになって、分かりやすいのか細かくて見にくいのかはちょっとあれですけれども(笑)、活発な議論を御願いしたいと思います。どうぞ御自由に。

【田中委員】 こういう表の中ですごく思いますのは、先ほど浦川先生がおっしゃったように、例えば我々不慣れな分野の産業界から見ますと、一番分かりやすいのは、自分たちが使っている従来の技術がありますね、結構革新的だと思っている従来の技術を含めてですけれども、それが代替する技術であると言われれば、ものすごく明確に分かるわけです。そういう表現がないから、植物の中でミュータントをとって、あれだけいい植物品種を改良しながら、誰も微生物に応用しようとしない、先ほどの例ですね。微生物でいわゆる改良をやっているのは、従来技術でやっているわけです。ですけれども、重イオンビームを当てたら変わるなんということは、多分その重イオンビームという言葉に不慣れなためにそれはできない。あるいはさっきおっしゃったタンパク、薬をやっておられても、みんな三次元X線解析をやる。あるいは結晶化ができるかできないかという議論もやる。だけれども、今、中性子ビームを使うと、今度は水を介してという話がある。あるいは高分子でアモルファスでも、均質性が保たれれば結構解析が利くというふうな話が具体的に出てくると、従来光散乱でやっていた技術を中性子ビームに置き換えれば、ものすごく高度の高い解析ができますよというふうに話をしてくれれば、一番私は分かりやすいのは、みんなが、産業界で応用するとき一番分かりやすいのは、これが従来ずっと使っている技術の代替技術になるんだという説明が必要なわけです。そういう人材育成ができるのかどうかは別にして、そういう従来技術をものすごく良く知っている人たちが、少しこのビームの素養がないと駄目でしょう、そういうような人たちがコーディネーター――そうすると、若い研究者を育てるのもいいですけれども、やはり誰かというと、長い間企業で経験してきた、今の団塊の世代の中で、従来技術にまみれてきた人間ですよ。そういういい人を連れて来てこれを教えると、彼らの中では直ぐ発想して、代替技術に成り得る。代替技術に成り得るという発想が出れば、もう具体的なテーマは全部上がってくるわけです。
 ですから、こういうふうなマトリックスの中で何に利用できますということと、これは結構やはりヘビーユーザーの人たちの世界の中でまとめられているやつで、一部植物が書いてありますけれども、なかなかそういうふうな形にはなっていないので、そういうことも少しやられる観点から人材育成ということを考えられると、目的とするところが少し早く進むのではないかという気がします。私は自分の例を言って、私は本当にこの会へ来て、個人的なことを言うけれども、サントリーに大きな貢献をさせていただいたというふうに思うのです。ですから、こういう例が増えてくれば、もっとこの技術は有効技術として活用されると思うのです。

【上坂委員】 団塊の世代の方のみならず、若い世代もそういうものは得意で好きでして、最近の若い人たちは、横断というかパイ型というか、横断で見たいと。それと、何に使われるかという出口に非常に敏感です。例えば理科系の博士課程を出て、有名なビジネスコンサルの会社に入ってとか、それからそういう人たちが寄附講座で客員の教授や助教授に来ているとか、そういう人がかなりいるんです。ですから、そういう人たちも上手く使うと、更に良い組み合わせで、彼らは非常に出口に敏感なので、いいチームができるんじゃないかと。若い世代もそういう仕事に向いている人は最近は多いと思います。

【浦川委員】 人材育成はものすごく大事なテーマなんですが、私はこの表に関して、この表をまとめていただいて、私にとっては非常に分かりやすくなったと思うのです。私は大体ビームの質を上げることと、ビームの強度を上げるという研究をやってきて、もう1つ大事なことは、効率をすごく良くすること。利用の観点から、ちょっと今は述べませんけれども、要は、素晴らしいビームが、ここに最初の1つ目に上がっているのが、中性子ビーム、電子ビームもそうですけれども、時間的に非常に短いもの、要するにピーク値がものすごく高いもの、そういうビームが連続的に作れて、例えば1つ例を挙げますと、電子顕微鏡が大型化していますね、ものすごくハイレゾリューション。でも、DC的に3MV(メガボルト)が精一杯です。これを高周波の超伝導の加速器を使えば、非常に小型化できて、DC的に、しかも電子ビームが100fsとかそういうような状態で、それが1.3GHz(ギガヘルツ)とかそういう周波数でずっと動かして、しかもその安定性は、多分今の電子顕微鏡の方がいろいろなことをやられていますので、優れています。ただし、電子ビームのチャージ量は非常に低いです。そういうもの(超伝導高周波加速器)が将来大きなブレークスルーを生んでいくと思うのです。基盤技術がどういうふうに発展していくかということも考慮して、若い人を育てるときにそういう魅力的なテーマがくっ付いてくるように、そういう構想を考えたらいいのではないでしょうか。

【井上主査】 ありがとうございました。

【中西委員】 細かいことでよろしいですか。実は、昨年の中性子イメージング国際会議で非常に興味深かったことなのですが、動いているタンパクの構造をホログラフィーで求めることができるという発表がありました。今、タンパクの構造を調べるためには結晶化しなければならないということが一番のネックです。何とか結晶化できたものについてのみ研究は進んでいるのですが、実は大切な機能を持っている膜タンパクは動いているのでなかなか性質がわからないのです。中性子線ではエネルギーも変えることができますし、強度が高いと時間分解能も非常に短くできます。そこでタンパクが動いていてもそれを構成する原子の相対的な位置は変わらないので、ホログラフィーで解析できるというのです。非常に夢があると思ったのですが、それはここのどこになるのでしょうか。少し分かりにくいのですが。

【浦川委員】 生きた状態のやつをそのまま、これはX線の方ですけれども、見たいと。非常に時間分解能もいい状態で見られる。そういうビームが欲しいという……。

【田川委員】 フリーでできるようなやつだね。

【浦川委員】 そうです。そういう夢を追っている若い人たちというか、研究者がおられます。

【中西委員】 ええ、そういう人たちがいますので、それができれば素晴らしいと思うのですが。

【田中委員】 それはやはり創薬に結び付くタンパクの解析じゃないですか。つまり、三次元構造解析の中のいわゆるでき得なかったことを、おっしゃるようにダイナミックに見ることによって、やはり創薬につながる話――だから、スタティックで見ていたら、結局それに合わせた形でグラフィックスで化合物を想定しても、結果的には利かないというのが、我々の世界の中で、タンパク3000何やという文句を言ったのも、そういう世界があって、それを解決する手段として、私はこれは、みんなが一部期待しているのは、まだ期待しているだけで、中性子ビームがその辺の動きを見ることによって、やはり創薬的研究にもっとダイレクトにつながるという期待感はありますね。それは我々の機能性食品の解明、先生のおっしゃるとおりです、膜タンパクをどう見て、リガンドとリセプターの関係をどう解決するかというツールが今後何かという中で、この期待感は私はあると思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 それともう1つ、人工筋肉の創出みたいなところです。こっちにも書いてありますけれども、こういったスローな動き、スローダイナミクスの解析にやはり中性子が役立って、最終的にはこういうところに結び付いていくんだよということで。

【中西委員】 それらについてですが、対象物質や線質が違うということなども考え併せますと、やはりコーディネーターは非常に大切だと思います。コーディネーターに権限を持たせるということは、とてもいいと思うのですが、同時にコーディネーターが責任を持つような体制作りが必要だと思います。もちろん、あとで間違っていたと分かる場合ががあってもいいのですが、そのコーディネーターの見識が学会なり企業、業界で評価されるような、そういう体制作りが、非常に難しいとは思うのですが、できたらいいと思います。
 私は、プロナス(The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、米国科学アカデミー紀要)はいつもすごいと思います。プロナスは何人かの専門家がいて、もちろん一般に投稿されてくる論文もありますが、その人がいいと思ったものを独断で載せることができるのです。それでもそれを選んだ人の見識は学会できとんと認められ、いい雑誌として続いているのです。このような見識がきちんと担保されるような仕組みができたら非常に良いのですが。

【木村量子放射線研究推進室長】 そういうコーディネーターを学会で認定する制度みたいなのは作れるのですかね。

【中西委員】 判断がたとえ違っていてもいいと思います。単にできるはずができないと最初から拒否しないような見識ですが。

【木村量子放射線研究推進室長】 見識あるコーディネーターを。

【上坂委員】 前にも発言したのですけれども、アメリカのDOEなんか、そういうPh.D取った人がワシントンDCへ行ってやっていますね、責任持って。だからそういう形ですよね。

【田川委員】 やはりそういうときには、サイエンスのコーディネーターと産業のコーディネーターは全然別なサンクション(セクション?ファンクション?)でやらないと駄目でしょうね、多分。

【神谷委員】 人材育成の観点から言うと、先ほども議論がありましたけれども、境界領域の人材の育成というのはなかなか思うようにいかない感じがするんです。といいますのは、例えばタンパク質の話ですと、生物をやっている人はタンパク質のことは結構詳しいのですけれども、それをどうやって解析すればいいか、つまりビームの話はほとんど知らないということになりますし、ビームの人は、要するに物理的な、あるいは機械の話は非常に専門家でいらっしゃるけれども、生物のことは良く分からないでしょうから、なかなかそこの境界領域のマッチングみたいなものがいまひとつ上手くいかないところがあるように思います。そうすると、やはり何か新しいブレークスルーというのは大抵そういう境界領域から出てくることがありますので、そこら辺の人材を養成するというのは非常に重要ではないかという気がします。それを養成できるとしたら、やはりこういうところで2つのバックグラウンドを持つような人材が養成できれば、やはりそこら辺のマッチングあるいはコーディネーションみたいなものも、将来が担える人が養えるんじゃないかと思いますけれども。僕らは生物領域にいるんですけれども、どうやったら実際にタンパク質の構造を最も効率的に解析できるのかという、なかなかその情報は得られません。普通のスタンダードのやり方というのは分かりますけれども、その先の、例えばさっきの中性子を使って、水分子を含むような構造が解析できるんだというような、あるいはそれをどうやったら具体的に見えるようになるんだというのは、やはり生物の世界にいるだけではなかなか情報を得られませんね。

【井上主査】 なかなかコーディネーターを求めるのが難しそうですが(笑)。しかし、これからコーディネーターを育てるというのは、それは将来的にはいいんだけれども、やはり今は、知識のある人たちが何かやっていただかないといけないですね、スタートの辺りには。そういう人をどうやって見つけて……。

【浦川委員】 ただ、先ほど意見も出ていましたように、現場で今、産業界でもこれから大勢の人が定年で辞めていかれる時期に差し掛かかっていて、現場で色々な新しいものを生み出すような仕事をやられていた方にもう一頑張りしていただいて、その間に育てるというようなことをやらない限り、その境界領域というのはものすごく難しいと思うのです。やはりそういうメカニズムを作らないといけないですね、境界領域のことが分かるような人を育てるような。

【田川委員】 だから、差し当たっては、応用の分野がちゃんと分かる人と、解析とか装置が分かる人と、2つペアでやらない限りは、多分応用が分かる人は、実際に装置の有用性が分からないし、装置の有用性が分かっている人は利用の意味を上手くトランスファーできないから、やはりペアリングせざるを得ないんじゃないですか、支援部隊と応用というか、そういう広い分野を。そういう気がしますけれども。実際、多分、SPring-8などは割とそういう感じなんじゃないですか、産業応用の方は。それでその中で本当に両方分かる人が出てくれば、非常にいい。

【橋本委員】 多分、将来的にも応用が分かる人、それから基礎の方というかベーシックな方が分かる人、その両方持っていない限り、それで、両方が分かる人も必要なんですけれども、それはやはり3つ要るんじゃないでしょうか。当面、できることだけをやるときには、もちろんその両方を知っている人というのはいいのですけれども、今後、こういうふうにやれるよという人もいるでしょうし、今後こうやりたいという人もいるでしょうから、これを上手くその辺3つぐらいを組み合わせないと長続きはしない可能性はあると思うのです。

【鳥養委員】 産業界のOBに若手研究者2人ないし3人というふうなチームコーディネート方式というのがあるかと思うのですけれども、それによって若手研究者にそういう産業界のセンスを身に付けてもらうということも大事ですし、ペアというときに、そういう組み合わせがよろしくないかなと思うのですが。

【田川委員】 だから、ヘッドになる人が育てることに非常に熱心な人であると非常にありがたいですよね、そういう人だと。

【田中委員】 1つ私の経験を言いますね。私は食品会社の研究者で30何年ですが、今おっしゃるペアリングの世界です。例えば物凄い基盤とか、あるいはその応用だとか考えて、いろいろなペアリングを考えるのですけれども、現実に優秀になるあるいはそれを引っ張っていく人間は違うのです。あるいは応用で上手くやる人間は、やはり必死になって考えていますから、自分が専門外であろうが専門内であろうが、それにかかわる基盤技術というのをものすごい勢いで吸収していく人だけが、私は応用研究で結構成功例を上げている連中だと思います。あとは、結構周りにも人数がいますから、それの組み合わせの中で、そういうリーダーができればサポート的なやつで個々のミッションを与えますけれども、本当にこういう中でそういういいコーディネートをしようとすると、やはり誰か感性の高い人を持ってきて頑張ってもらうという世界しかない。本当にやる気だったら頑張ってもらうというシステムで、あなたはこの専門だからなんていう議論を、コーディネーターになろうという人もやっていたのでは間に合わないし。
 ですからそういう意味で、先ほど申し上げました企業の中で研究開発をやってきて、それなりの実績を上げている人間は、割合フレキシビリティーがあると思うのです。ですから、従来技術を良く知っている人間を持ってくると、違うアイデアが出て来たときに、それが代替し得る技術かどうかというのは、それは結構感性で分かっていく。そういうふうな人たちが何人か育ってくると、企業から離れて、そういうキャリアパスを積んでくると、おっしゃるような次に若い人たちを育てる場合にもそういう人材は役に立つ。今、私は大学の中でまだやらせていただいていますけれども、大学の中で、企業の中に入って行って、大学の中の産官学連携とかそういう新しい連携の仕方を考えてやっている人は結構いると思うのです。だから、この分野でも結構おられるような気がしますので、1つのいい事例を作りながら、どういう人を人材育成していくかということをもう少し例を持ちながら考えていった方がいいような気がしますけれども。別に私は何も企業出身がいいとは決して思ってはいないのですけれども、一番分かりやすいのは、この技術が何に変われるか。
 もう1つの例を申し上げますと、この前もあれしたのですが、日本はご存じのように、食品の原料というのはほとんど輸入なのです。冷凍してくるやつがあって、冷凍の濃縮ジュースというのがあるのですが、酷いときには、それを持って来て解凍して味を見ないと分からない、こんなバカな話がある。だけど、それはずっとそうやっているわけです。少しサイエンスを加えてやっているわけですけれども、この話を聞くと、さっき中性子ビームの話で小型化できて何とか、もうちょっと簡便になると、そんな品質管理は全部できる。中西先生のところでやったメタルがああいうふうな形で解析できるとなったら、原産地表示の問題、どこで作られているか、今、結構いろいろな分析手法がやられていますけれども、かなり困っている問題は、多分、こういう技術が、今、中国から来るものはいっぱい嘘がありますね、ちょっとだけ日本へ持ってきて、ちょっとだけ調理して日本の中で国産品といって売っているやつ。食品業者はそれぐらい苦しいわけです。だけれども、そういうものを間髪入れずに分析する手法は、こういう技術が発展してくれば、つまり非破壊、ビームの世界ですから、可能性がものすごく上がってくる。だけれども、食品メーカーもどこもそんなことはほとんど知りません。そんなことができるということを知らない。だから、ものすごいリスクがあるわけです。今でも輸入して、解かしてみないとその品質が分からない。だから、そういうことからすると、今のようにものすごく困って、仕方なしに従来技術を使っている人たちが僕はいっぱいいると思うのです。だから、それを1つずつ見て、一番困っていて一番効果の上がるところにこういう技術をどう組み合わせればそのリスクを軽減できるかということをやれたら、広がっていくと思うのです。
 だから、この前から聞いていると、やはり物理化学の世界で、あるいは工学の世界の人たちとの組み合わせであって、バイオとかというのはかなり遠い世界に感じないでもないなと。だから、中西先生、生物も分かってこういう物理化学も分かっている人たちが我々に説明をされると良く分かるわけです、生物屋の範囲を良く御存じだから。

【中西委員】 最初に言われたことですが、私も会社にいたことがあるので、会社の人と大学の人とはやはり根本的に違うところがあると思います。研究者であっても会社にいるといつも社会やマーケットまですべてを常に考えていなくてはならないのです。出口についても訓練の受け方が全然違うと思います。知財ということもありますので結構業績があっても外部に発表できないことも多く、優れた開発をしてきた人が今、あまり知られずに世の中に非常に多くいると思います。そういう人たちを何とかここに引き入れることができると、機器類ももっと活用でき、得られる結果の質が全然違ってくると思います。会社では、例えば昨日までこれをしていても、急に明日からあれをやれと言われて新しいことを一生懸命やってきています。つまり会社でかなり境界領域の人が育ってきているのです。最近大学の人を企業に送るプログラムも検討されていますが、逆に会社の人をもっと大学や研究所に引き込んでいいのではないかと思います。

【上坂委員】 ですが、この絵なんですけれども、人材ということだったのですが、これの両矢印のことですね、行ったり来たりできるような感じで。例えば前回申し上げた大学の方が特任教員ということでフレキシビリティーを上げて、あと、東芝の庭野さんも中途採用を積極的に採りますということをおっしゃって下さって、非常に出口が明確になってきたときに、今度は人事交流みたいな、例えばうちなんかは産総研さんともやるようになりまして、3年時限で準教授に来ていただいて、その後パーマネントで残るというようなこと、所長さんと総長で合意書を作って、その中の枠組みで始めたのです。ですので、機構さんもそういうローテーションみたいなことを是非やっていただけると、やはりますます出口と人材が上手くローテーションできるんじゃないかと思うのですけれども。

【鳥養委員】 これは何か人材の出口の矢印が細いような気もしますが(笑)、入り口と出口は同じぐらいに……(笑)。

【木村量子放射線研究推進室長】 スペースの都合で。済みません(笑)。

【田中委員】 人材の出口、キャリアパスのことをよくあれしますが、今、COEの中でも議論があって、ポスドク1万人制度がどうだったかという話と、大学の中に残っているいわゆるオーバードクターの方、あるいはポスドクでやられている方は、どこに問題があるのかというということがありますね、学長先生に我々が言ったら、企業がもうちょっとちゃんとというふうな……。僕は違うと思うのです。ドクターまで出した、あるいはそこまで路線を引いた学生さん、あるいは夢がなかったらいかん。そうすると、僕は違う意味の組織を変えないと、この線は太くならない。大学のよくやっている先生は給料をもっと上げるとか、学生たちが自分たちの将来を見るために夢がある世界でないと。ですから、高等学校の学生に聞いたら、どこへ行きたいかと聞いたら、医学部へ行きたい、法学部へ行きたい、これは当たり前の話ですよ。法学部へ行って医学部へ行ったら、将来、お金持ちが何もいいとは思いませんよ、ですけれども、経済的に安定すると勝手に思っているわけですけれども。大学の先生になったら経済的に安定するかとか、ここへ行ったら安定するかというと、それはマスターへ行ってドクターへ行けば行くほど……(笑)じゃないかなと。僕はそこに大きな問題があるので、そういう話は違うところでちゃんと議論して変えていかない限り、やはりドクターまで行かせて、後に夢がないような世界を作っている今のこのシステムが悪いんだ。ですから、ここを太くするためには、そういう意味でこういうものが1つの事例になって、まさに先生おっしゃるように、キャリアパスが上手く行っているのであれば、そこのところの回転を上手くやりながら、やはりもうちょっと違う……。

【上坂委員】 上手くいってないんですよ。もう入り口だけで、出口が無くて、フン詰まっちゃっていて。

【橋本委員】 全く今おっしゃるとおりです。要するに、先に夢を与える、それが非常に重要で、今も全国の大学のドクターの充足率というのは非常に大きな問題になっておりますね。そういうのも、ドクターまでいって、ポスドクまではいいんだけれども、その先が見えなくなっているというところが一番大きな影響を与えていますので、そういう意味でこういう場でも人材育成の部分でこの出口側を是非太くしておくというのは重要だと思います。

【鳥養委員】 前回のときに申し上げたのですけれども、この利用プラットフォームが単なる受付窓口ではなくて、今おっしゃったような非常に魅力的な、つまり、専門性を持ちながらも産業界との利用とかほかのものもすべて分かって、新しいイノベーションの中心になるような、そういう大きな組織に育っていく、そういう方向で初めから作ったらいいんじゃないかと思うのですけれども。ですから、将来は独立で経営できて、あるいは産業界から人材が引っ張りだこになるような、そういうコーディネーターを育てていくという機能をここに持ってほしいなと。
 もともとこの利用プラットフォームというのは何人ぐらいでスタートしようと考えておられるのですか。

【木村量子放射線研究推進室長】 まだ具体的なイメージは無いのですけれども、要するに、今挙げられているような業務をちゃんと遂行できるためにどれだけの人が必要なのかというのは、多分これからちゃんと……。

【鳥養委員】 それをこれから議論するということですか。

【木村量子放射線研究推進室長】 ええ、考えていかなきゃいけないと思うのです。

【田川委員】 放射光なんかだと、どちらかというと最後の出口側のコーディネーターなんか、そういう利用の分野の人が上でコンサルタントになっていて、それで実際サポートしている。多分、さっき田中さんが言われたのは全くそのとおりで、本当にやりたい人が全部把握できれば一番いい。それから夢を持つのは非常にいい。けれども、分野とかいろいろなところもあって、多分、特に中性子とか放射光の特に解析とか測定の手段によっては、かなり連携してやらないと、実際問題として産業界の人にはちょっと手に余るし、最初のバリアが高過ぎるというか、分野や測定手段によって目で見える形でのデータで出てきませんから、目に見える、おっしゃるように感性に訴えるようなデータが出る実験は非常にいいのですけれども、そうでないやつはどうするのか。だからそこは少し幅を持たせてやらないといけない。感性に訴えるようなデータが出てくるところは、もうそのとおりで行くんだろうと思うのです。

【橋本委員】 その要素技術の中で少しずつ入っているんだと思うのですけれども、今おっしゃったような測定技術、それから先ほどからあるような時間とか空間に対する分解能が非常によいような測定技術が新しい形で開発されていないと、次のステップに行けないということもあると思うので、その辺は強調されていてもいいのかなと思いますけれども。

【田川委員】 これはちょっと加速器とビームに要素技術として無くなっているのと、多分、共通項を取りますと多分正しいんだと思います。だから、こういう一番大きな利用で一番大きなビームが使われているところのその要素技術を取って来ると、だからそれと別に、マイナーだけど夢が持てるようなビームの開発の部分とか、少し幅を持たせてやって、こういうのはやはり基盤だろうと思うのですけれども。
 それから、多分ユーザーにとっては、さっき言った利用者が解析とかデータ解釈ができる、そこまで持っていって、当然最後はユーザーもその手法を理解しないと自分たちで考えられないからダメなんですけれども、最初は多分それを動かして見せてくれないと、とてもゼロから勉強してやるというのは非常に難しい状況だろうと思います。

【田中委員】 今、どこでもそうです。理化学研究所の中で、我々産業界から900MHz(メガヘルツ)のNMRを開放しろと、タンパク3000が行き詰まった中でこんなことを言って嫌われているわけです。やはり社会的還元で一番いいのは14基の900MHz(メガヘルツ)のNMRを開放すべきだという中で、今回、ようやく少しずつ開放した。だけど問題は、企業から行っても、そんな900MHz(メガヘルツ)のNMRを直ぐ使えるわけじゃないし、そこから出た詳細な解析手法あるいは機械の性質からなかなか400のNMRを使っている連中では行けない。ですから、こういう利用プラットフォームは、今先生がおっしゃったようにものすごくそこのところが大切で、成功事例を出し、あるいは人材育成をやってこれを早くローリングしようとすると、一番肝心なのは、この利用プラットフォームの支援体制、利用促進の考え方をどうやっていくか。もっとNMRより難しい世界だろうと思いますけれども、こういう人材の割り振りですね。ここの幾つかに書いてありますけれども、ベーシックをやる人はサイエンティストでいいですけれども、支援をやる人は、何か立場上にまずくならないように、そうすることがキャリアパスにどうつながるのかということをやって、この中でそういう人たちが育って下さって、この目的である産業界がいかにたくさん利用していくかということを作っていかないといけないとすると、ここのプラットフォームをどう構築して、どういう人材を当てはめて、この産業界や大学のユーザーからそのニーズを取り込むかということは是非やっていただかないと、今我々もタンパクの構造解析の中で、理研とのやりとり、今度は産業界と大学とのやり取りの中で、そこのところはものすごく難しいです。

【井上主査】 どうもありがとうございます。なかなかこれは重要で、課題がたくさんあるという感じがするのですが、これをまとめるというのはなかなか難しいかも知れませんが、しかし、ある段階でのまとめをしなければいけないだろうと思っています。報告書の方の時間が少し少なくなってきたので、このところはどうしてもやらなきゃいけないところでございますので、きょうの議論を踏まえて、また取りまとめの方の議論に反映するように議論を進めさせていただきたいと思います。
 それでは、3番目の報告書(中間とりまとめ)の骨子(案)ということで、まず事務局の方から。

【木村量子放射線研究推進室長】 済みません、先ほどの前の議題ですが、資料7−2でどういうふうな課題を抽出していったらいいのかというので、今幾つか御意見をいただきました。時間・空間分解能を上げるための高周波超伝導の話、あるいは既存技術を代替してブレークスルーが生まれるような技術とか、小型化の技術、非破壊分析、データをちゃんと目に見えるような形にするような技術等々いただきましたが、さらに、こういうまとめ方でいいのか、あるいはこういう技術もちゃんと例示すべきだ、アピールする上での例示をすべきだとかいう御意見があれば、是非後ほど、メールで構いませんので、事務局の方までいただければと思います。それを基にしてまた改めて整理をし直したいと思います。
 それでは、資料8です。駆け足の議論で誠に申し訳ないのですが、中間取りまとめという形で方向性を取りあえずお出しいただければと思います。第3回目でまた詳細な議論をしていただきますが、今回、骨子(案)という形でここに出させていただいています。構成といたしましては、まず初めに量子ビーム研究開発をめぐる現状ということで、今どんなことが行われているのかということを簡単に紹介させていただきたいと思っています。量子ビームの高度利用計測・加工・創製技術というものは非常に重要なツールということで、総合科学技術会議の方でも重点的に資源を配分すべき領域である戦略重点科学技術ということで位置付けられております。そういった中で、今、量子ビームの研究開発が進められておりますが、大型の施設の面でも、もうSPring-8は既に動き出しておりますし、RIビームファクトリーももう既に運用を開始しています。来年以降J-PARC、そして3年後にはXFELが運用を始めるということで、特に大型施設で多種多様なビームといったものがこの段階で基本的にそろっていくだろう。今度は高度な利用を図っていく段階に移っていくのではないかという現状認識の上に、じゃあ今後どういうことをしていったらいいのかということで、今まさに御議論いただいている量子ビームの横断的利用の促進、それから量子ビームの先端的な基盤技術の研究開発という2本の大きな柱についてどういう方向性で進めていったらいいのかということを書かせていただいております。
 横断的利用の促進については、まず、利用のプラットフォームの必要性ということで、量子ビームの今の利用の現状を踏まえた課題、それから横断的利用のメリット、それからプラットフォームに求められる機能と当面実施すべきこと、この3点に分けてコメントを書いております。
 まず、現状を踏まえた課題といたしましては、これはもう何度も皆さんから御指摘いただいている点ですが、量子ビーム技術というのは産業応用可能性が非常に高い、しかしながらまだ利用が十分浸透しているとは言えない。その中でも特に中性子は、利用は始まっているけれどもまだまだ利用のレベルが低くて、今後とも継続的に取り組んでいくことが必要であるということです。
 さらに横断的利用のメリットとしては、相補的利用による高い成果が出されることが期待できる。一方で、そういった相補的利用をサポートする体制が今整っていないため、この充実が必要だろうということであります。
 したがって、プラットフォームに求められる機能といたしましては、当然、相補的な利用を進めていくということは重要だけれども、ビームによってやはりユーザーの利用の成熟度といったものが異なることを踏まえれば、当面は、理想はすべてのビームあるいはすべての施設についての一元的な利用ということでありますが、まずは産業利用というところに絞ってやっていったらいいのではないか。そういったパイロットプロジェクト的なことをしばらく続けていって一定の成果が得られれば、プラットフォームの機能の充実あるいはビーム種の拡大といったことで段階的な体制の構築をしていく。これは先ほども議論がありましたけれども、最初から放射光と中性子だけに絞ってやるということでは必ずしもなくて、その中で必要な情報等をどんどん積み重ねていきながら利用の幅を広げていきたいということを考えています。これもコーディネーターの議論で今回もいろいろお話をいただきましたので、そういったものも踏まえながら充実させていきたいと思いますが、コーディネーターには複数のビーム利用に関する幅広い知識を有する高い見識を持った人材が求められる。やはり人がイノベーションを実現する重要な担い手なんだということで、ここに処遇と書いてありますが、そういった人たちの地位をみんなが理解して認識して、ちゃんと働いてもらうということが大事なんだろうということであります。
 2ページ目に参りますと、量子ビームの先端基盤研究開発についての記述がございます。まず、必要性といたしまして、先進的、革新的な加速器技術あるいは量子ビームの計測技術というものは非常に利用の分野の広がりが広い、そういう意味での汎用性が高い。したがって開発する意義というのは極めて高いと考えています。
 その中で、進め方といたしましては、この資料6で示した体制ですが、ある取りまとめ機関を中核にしてそこに参加する機関、ここで研究所、研究所と書いてありますが、大学も当然研究所という形で入っていますので、大学も含めた研究所、研究機関という形がネットワークを構築して必要な情報交換を行っていくということが効率的な研究開発の進め方であろうと。例えば今、イノベーション25で政府がいろいろな関連の施策を進めようとしていますが、例えば2025年にターゲットを絞った社会の変革というものを考えたときに、恐らく今後10年程度に更に先進的な計測加工システムというものを実現していくことが必要であろう、そのためにはこういった要素技術開発というものを今後5年間ぐらいで実現できるような研究テーマが今求められているのではないか。その要素技術については、観る、創る、治すというニーズに幅広くこたえられるようなものであることが求められるだろう。さらにこの研究課題については、当然イノベーションの主体は産業界でありますので、そういったところのニーズが無いものを作っても意味が無い。もちろん、ニーズをくみ取るためには、このビームで何ができるのか、こういう計測機器で何ができるのかという情報提供と意見交換みたいなものが必要になってくると思いますが、そういったことを通じて技術開発目標に反映させていく。そして途中途中で出てくる成果も含む絶え間ない情報発信をするために、例えばこういった利用プラットフォームの中に情報交換あるいはそういった交流の場みたいなものを設けられたらいいなと考えております。これはさまざまな分野からの産業界あるいは大学あるいは国の研究機関みたいなところの研究者あり、いろいろな分野のいろいろなフィールドの様々なレベルの人たちが集まってくるような委員会組織みたいなものを設置したらいいのではないかと考えています。
 そういった研究開発を進めながら、やはり人材育成というものもやっていくことは大事だろう。この研究機関が研究のタームが終了した後には、こういったところで活躍していただいた研究者には更に飛躍をしていただけるようなルートを作っていければいいと。そのためには、やはりユーザー施設、それからいわゆる研究技術者の皆さんが努力をされることが必要であろうということであります。
 今度は、基盤技術プラットフォームを作っていく上で当面重点的に進めるべき課題ということで、先ほど資料7−2でたたき台としてお示ししたものを書いてございます。類型としては、ビームの質と強度の向上、ビームの新しい性質の利用、汎用・普及を目指した小型化の技術開発、エネルギー低消費型のシステム、精密加工を可能とする技術、測定の信頼性向上のための技術。この類型の中から今後5年間で重点的に進めるべき課題としては、例えばこんなものがあるだろうなということを書いた上で結びという形の構成にしてはいかがかと考えております。
 御説明は以上です。

【井上主査】 どうもありがとうございました。具体的な議論というのは、前回、今回もいろいろとやっていただいたわけですけれども、活発な御議論があったので、これを上手くまとめるというのはなかなか難しいかもしれませんが、取りあえずたたき台としてこういうまとめ案というものの説明が今あったわけですが、流れとしてこういうことでいいかということと、これはポイントが抜けているとか、そういうようなことを主としてコメントいただければと思いますが、いかがでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 多分、コーディネーターの部分は今回も相当御意見をいただいているので。

【井上主査】 そうですね、もちろん、今回の議論を反映してまた書き直しということには当然なるわけですけれども。

【田川委員】 コーディネーターの部分というか、利用プラットフォームと基盤研究開発というのは全く別途と考えてよろしいんですか。

【井上主査】 まあ並べ方ですね。

【田川委員】 量子ビームをこれから活発に利用していくという意味で利用プラットフォームというのは非常に重要な役割を果たすだろうと。基盤研究開発の方は、ロングレンジで量子ビームの基盤技術を開発すると役に立つ、そういう意味合いですか。そこがちょっとよく分からなかったのですが。これをやったから何か量子ビームの利用が非常に発展するというのはちょっと見えないような気がするんですが。

【木村量子放射線研究推進室長】 もちろん、それはそうだと思います。

【田川委員】 これは基盤技術を非常に……。

【木村量子放射線研究推進室長】 もちろん基盤技術は非常に幅広いものですから、各研究機関で取り組まれている基盤技術も当然ありますし、我々が今やろうとしている基盤技術というのは、あるこういったイノベーションに直結する可能性が高いような要素技術開発を進めていくというものでありますので、そういった意味では目的指向型の要素技術開発と言えないこともないと思うのです。

【田川委員】 産業界に向かって。

【木村量子放射線研究推進室長】 ええ。

【田川委員】 そうしたときにこれは非常に重要だと思うのですが、何か実際に産業界に役立つという観点からいうと、要素技術だけをバラバラと開発していって、本当にいつそういう実際側と結び付くのかなと。多分、メインストリームの研究に対しては、サイエンス、産業界両方併せてこれをやれば絶対良くなることはもう間違いない、そこはあれなんですけれども。

【木村量子放射線研究推進室長】 多分、2つの考えがあって、1つは最初からある特定のシステムを創ることを目指して複数の要素技術を組み合わせた何かチームを作っていくというやり方があると思います。もう1つは、要素技術としてさまざまなメニューをそろえておく。その中で、将来本当にAというシステムが必要になったときには、その複数あるメニューの中から優れた要素技術を引っ張ってこれるような、そういうものを用意しておくという考え方と、多分2つあるので、そこら辺も、もしどういうやり方が適当なのかということについて御意見をいただけると、それはありがたいと思っています。

【神田委員】 この課題について、チームで応募することの条件に、チームの中には産業界の方に入っていただいて、それでもう要素技術なり何なりができたときにはかなり応用に近付くというか、利用していただくということでなさると。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。前回もちょっと御紹介しましたが、このグループの中に産業界の方が必ず入っていただいた方がいいんだろうなと思っています。その中で、実際、研究開発をやらなくても、こういうニーズがある、こういう使い方ができたらいいなとか、そういったことでの情報交換だけでもそういった産業界の方が入っていただく意味というのはあると思っていますので、多分、それが無いと単なる技術開発で、より高く、より遠くへみたいな、そんな話になってしまうので。

【中西委員】 今言われたリスクの高いものをどういうふうに選ぶかというのは問題だと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。

【中西委員】 やはりコーディネーターの方が選ぶことになるのでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 コーディネーターが選ぶというのは、実際の課題の選定ということですか。

【中西委員】 ええ。

【木村量子放射線研究推進室長】 もしかしたらこの作業部会なのかもしれませんし(笑)、あるいはほかの委員会を立ち上げてということになろうかと思いますが。

【橋本委員】 ここに書かれている取りまとめ機関を中核としてというのは、具体的にどういうイメージなんでしょう、ちょっとそこがよく分からない。

【木村量子放射線研究推進室長】 これは、どちらかというと特定のシステム的なものをイメージとしているのです。それぞれの要素技術を分担するというような、各BからEまでの研究所ですか、大学でもいいですけれども、そういうところが分担して、システムとしての取りまとめはAという研究所がやる。

【橋本委員】 それと、この一番頭にある先端基盤研究開発の必要性という部分は、直接は関係ないんですか、それともここは関係するんでしょうか。こちらの……。

【木村量子放射線研究推進室長】 こちらの2ページでしょうか。

【橋本委員】 2ページ目ですか、その先進的・革新的な加速器技術、計測技術というのは、このイノベーションの主体である産業界からのニーズと直結することが要求されるものなのか、そういうテーマを選ぶときに、いろいろな形があると思うのですけれども。

【木村量子放射線研究推進室長】 だから、その課題を選定するときまでにはある程度ニーズの取り込みみたいなものができればいいとは思っているのですけれども。それが仮にできなくても、実際そのチームの中に、先ほど申し上げたように産業界の方が入っていただくということで、更にその研究開発を進めていく中でこういった産業界との情報のやり取りみたいなものがあれば、最終的な成果が出てきたときに、何だこりゃ、使い物にならんというようなことには多分ならないんだというふうに期待はしているんです。

【浦川委員】 この2つの量子ビームの横断的利用の促進と、量子ビーム先端基盤研究開発という2つに分かれているのですけれども、私の受けていたイメージは、まずはSPring-8なりRIビームファクトリーなり、それからこれから動くJ-PARCなり、XFELがある。それをまずトライアルとして産業界の利用を促進する。ただ、こういう大型の施設が動いていったときに、更にアップグレードしたいというときに、一方では、将来、アメリカやヨーロッパと比べてみたときに負けないような技術を育てておいて、これはもう産業界と一緒になって育てればいいと思うのですが、この既設の装置、SPring-8なりXFELなりRIビームファクトリーなりJ-PARCのアップグレードにつながるような、非常にイノベーティブなものを、どういう機関かにお願いしまして、5年をめどにして、こういう技術が入れば更にアップグレードできるというようなとらえ方を私はしていたのです。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね、まさにおっしゃるとおりで、ここの矢印なんです。技術だけできても意味がないので、そういったところは実際のマシンにアプライして、フィードバックしていかないとだれも使えないですから、ここには確かにそこら辺は書かれていないので。

【田中委員】 産業界というのは、何か最近すごく誤解を受けているのですけれども、こういう技術があるから産業界はこの技術を利用できるわけです。おっしゃる技術というのは、いわゆる時間的軸からすると、進歩していくとすると、誰かがそれをブラッシュアップする、あるいは先生がおっしゃったようにステップを上げていかないといけない。それが最初から産業界に利用できるというふうな考え方は無しにして、僕は、さっき鳥養先生が言われたように、やはり色々な要素を持っていて、それを組み合わせて、最後に産業界と話し合ってチョイスしていくという世界があるのであって、ミッションは少し分けて、やはりこの基盤をどう構築して、今ある基盤をどうブラッシュアップするかというのを1つしっかり考えた上で産業界とのマッチングということを考えないと、今いいだけの話であって。今、サステイナブルという言葉が好きでそういう話をしているのであれば、その中でやはり新しいカテゴリーを作る基盤技術というものは、そんなものは産業界が絶対できないことですから、それはそれなりに是非しっかりやってもらうという条件でないと、産業界とのマッチングというのはそんなに意味のある話ではないと僕は思う。

【木村量子放射線研究推進室長】 そういう意味では、ビームの質と強度の向上なんていうところは明らかに産業界の利用勝手が良くなるというか……。

【田中委員】 だから、学者の先生方にすごくお願いするのは、そういうふうなことは、今度技術移転して産業界とマッチングするときに、こういう利用プラットフォームを創る、そこの人材、そこの人たちのステータスというものも、それはトータルからすると重要なんだからと。ときに、あれを見ていますと、やはりアカデミアンの世界の中では、アカデミックなサイエンスをやる人たちが意味があって、それ以外のお手伝いする人たちは格差があるような気がするんです。産業界がもっと下に下りているような見方をされるときもありますけれども。そういう社会ではなくて、やはり何かを作り上げるための組織作りの中で一番大切なのは、議論はできるんだけれども、本当に上手い利用プラットフォームの支援体制から、そういう研究者の人たちの配置から、それができるかどうかというのが、本当にこういうふうな絵をかき上げることだと強く思いますので、その辺をやっていただくことが、どこも皆こういうことをやっているわけですけれども、なかなかできてないところでもあると思っています。

【上坂委員】 あと、産業界にも利用の産業界と、装置開発の産業界がありまして、装置開発の方の産業界も、20年に一遍しか加速器建設がないんじゃ人材確保ができないわけです。ですから、浦川先生がおっしゃった観点は、装置を作る方の産業界の育成といいますか、人材確保にも非常に重要だと思います。

【井上主査】 なかなか言葉で上手く、皆さんの思いはかなり分かってきたんだけれども(笑)。何かつらつらと読んだだけでは、皆さんの御議論ほどの迫力が感じられないところがあって、難しいですね、これは。何か上手く考えていただけるとありがたいですけれども。まあ、こういう絵があるのが確かにヒントにはなると思います。これに思いがどれだけ込められるかというところになるかと思うのですが。

【田川委員】 これは一体化していますよね。

【木村量子放射線研究推進室長】 はい、一体化していますね。この2つのプラットフォームをつなげるような部分の記述がもちろん必要になってくると思いますし。

【井上主査】 そうですね。

【田川委員】 だから、浦川先生が言われるそういう意味合いは理解できるのですが、それと同時に、多少、最初のページの利用プラットフォームというのは、既設の装置が非常に上手く効率的に使われて成果が出ることを期待するのですが、後の方は、ただその施設の改良、整備だけをやるんだとすると、多分、本体がやはり巨額だから、常にブラッシュアップをしていかないと、せっかく作ったものが活きないというのと同時に、何かもうちょっと、田中さんが言われたような意味合いなのかも知れないですが、基本的にやはり重要なこともできるようにしておいた方がいいのかなという感じがします。

【木村量子放射線研究推進室長】 大型施設だけで使われるような技術である必然性はなくて。

【浦川委員】 もっともっと広げていってもいいと。

【上坂委員】 その部分は、やはりある程度大型施設を使って、何か発展が大きく見えそうなやつに特化してやるような、そういうものだけを選んでやってみたらどうかと思うのですけれども。

【木村量子放射線研究推進室長】 何か小型化したもの。

【上坂委員】 そうですね、小型化に関してもです。

【田川委員】 全体としてはこういうきちんとした一体化がないと、いけないんだろうと思うのです。

【井上主査】 まだいろいろと御議論あるかと思いますが、そろそろ時間なので、前回と、特に今回も熱心な御議論をいただきましてありがとうございました。これをもとにまた書き直しがあると思いますが、これは次回までに見れるんでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 努力します。

【井上主査】 はい(笑)。それで、委員の先生方の方も、先ほど室長からもお話がありましたけれども、ちょっと時間が、次回がそんなに先でないということで、お忙しいとは思うのですが、なるべくホットな、気分が高揚しているうちにメール等で事務局の方に是非コメントをたくさん寄せていただきたいと思います。それを見て、また事務局の方でまとめていただけるんじゃないかと思いますので、そういうことでよろしくお願いいたします。
 そろそろ時間でございますので、これぐらいで今日の議論としては終わらせていただきたいと思いますが、予定等についてお話を。

【木村量子放射線研究推進室長】 本日は、またインテンシブな議論をありがとうございました。もう既に御連絡差し上げておりますし、資料1にも書いてございますけれども、次回は、5月28日、再来週の月曜日、同じ時間にこの場所で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。

【井上主査】 5月28日の月曜日、時刻と場所は同じということで、よろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

─了─

(研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室)


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