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原子力分野の研究開発に関する委員会 量子ビーム研究開発作業部会(第1回)議事録

1. 日時
平成19年4月26日(木曜日)16時〜18時

2. 場所
文部科学省10階 研究振興局会議室

3. 出席者
(委員)
井上主査、上坂委員、浦川委員、神谷委員、神田委員、田川委員、鳥養委員、中西委員、庭野委員
(事務局)
大竹基礎基盤研究課長、木村量子放射線研究推進室長、本橋量子放射線研究推進室長補佐

4. 議事
【井上主査】 皆様、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。定刻ちょっと前ですが、予定されている委員の皆様おそろいでございますので、ただいまから第1回の量子ビーム研究開発作業部会を開催いたします。
 作業部会の主査を務めさせていただきます井上でございます。よろしくお願いいたします。
 この部会は、お忙しい第一線で御活躍の皆様に委員を引き受けていただきましてありがとうございました。皆様の英知を拝借いたしまして、量子ビームの開発と利用に役立つ報告書というのをこれから3回ほどで作るということになっております。この委員会そのものはその後もほかの案件がございますが、まずそういうことでございまして、活発な御議論をいただきまして取りまとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初にこの作業部会の位置付け、経緯等につきまして、木村室長に御説明いただきます。

【木村量子放射線研究推進室長】 量子ビームの研究開発利用を担当させていただいております木村でございます。よろしくお願いいたします。
 資料1を御覧ください。今回、新たなメンバーの先生に加わっていただいて、例年とはちょっと違う時期にこの量子ビーム研究開発作業部会を開催させていただいているわけですけれども、その趣旨といたしましては、昨年1月に同じく量子ビーム研究開発・利用推進検討会でおまとめいただいた量子ビームプラットフォーム、これのコンセプトのさらなる具体化ということと、その利用の裾野を広げるという一方で、さらに先端的な研究開発も進めていこうという、資料1の3枚目にこの絵があります。今、特に大型の量子ビーム施設でありますJ-PARC、これが来年運用開始いたします。それからSPring-8は既に運用を開始していて、今それに付随してXFELというレーザー装置の建設が進められているところです。
 そういったことを考えますと、基本的に量子ビームを発生する施設としての先端大型研究施設、これは一通りのツールがそろったのではないかというふうに今の段階では考えていて、今後はそれをどういうふうに利用を図っていくか、これを考えていかなければいけないだろうという問題意識がございます。
 まず1つは、やはりこういった先端研究施設は非常に垣根が高いというか、学術ユーザーの方は当然使っていただいているんですが、産業界のユーザーの方にとっては敷居が高いとかいろいろな御意見があるようです。実際、産業の利用というのもなかなか進まない状況にある。こういったところを戦略的な利用の促進、あるいは潜在的なユーザーを掘り起こしていきながら、この利用の拡大、高度化を図っていく一方で、先端的な研究開発を進めることによって、さらに学術研究のレベルの引き上げと、ここで得られた成果をさらに既存の施設などに適用していくことによって、さらに高度な利用も図っていただこうと。それによって、一方では知的資産を拡大するとともに実際の社会への成果の還元であるイノベーションの実現、ひいては国際競争力の強化というところに役立てていきたいということで、今回、プラットフォームの構想の具体化、それから実際研究開発を行っていく上でどういう技術が今後、例えば5年、10年の間に必要になってくるのか、またそれを実施する体制としてはどんなものが適当なのかといったことについて御議論いただきたいというふうに考えてお集まりいただいた次第でございます。
 2.に議論の進め方を書いてございますが、先ほど井上先生から御紹介がありましたとおり3回ぐらいの議論、量子ビームプラットフォームの方は既にコンセプトが示されておりますのでそれの具体化の議論、それから要素技術の抽出というのを踏まえまして、5月中にはできれば報告書をまとめていきたいと考えております。もちろん議論が深まればさらに委員会を開催するということも考えていきたいと思いますが、とりあえず今予定しているところでは3回ということで、非常にタイトな日程ではありますが、先生方、お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、是非とも御協力のほどよろしくお願いいたします。
 以上です。

【井上主査】 どうもありがとうございました。
 それでは、今回、第4期の科学技術・学術審議会ということになってからの最初の会合でございますので、各委員の自己紹介をお願いしたいと思います。時間も制限がありますので、1分程度で手短にお願いしたいと思います。名簿の順でやりましょう。
 私、井上信といいます。元々は原子核物理学が専門だったはずなんですが、阪大の核物理研究センターのAVFサイクロトロンとか、京都、大阪で核物理のためのツールとしての加速器の建設にかかわっているうちに、今では核物理屋仲間からも核物理屋じゃなくて加速器屋ということになっているようでございます。

【上坂委員】 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻の上坂でございます。私は小型のライナックとレーザーの開発と、それから医療原子力応用の研究をやっております。よろしくお願いいたします。

【浦川委員】 高エネ研の浦川です。私は高エネ研で国際協力で将来の加速器のリニア・コライダーの開発技術の一部であります電子ビームの生成と並行して陽電子ビームの生成の研究をやっています。

【神谷委員】 広島大学原爆放射線医科学研究所の神谷と申します。私の専門は放射線障害医学で、医療あるいはゲノム科学等の観点から議論させていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

【神田委員】 放射線医学総合研究所の神田と申します。私は放射線リスクを生物学的に定量化、特に染色体異常を用いました評価を行っております。最近ではそういったリスクを一般の方々に説明する活動をしております。放射線医学総合研究所はHIMACを抱えておりますので、そういう視点から協力させていただきたいと思っています。

【田川委員】 大阪大学産業科学研究所の田川です。私は、専門は放射線利用、特に短パルスを使った短い時間の仕事をやってきましたが、応用の方としましてはナノテクノロジー、ナノテクノロジーを応用というとまずいかもしれませんが、特にナノファブリケーションの方が中心の仕事をしております。ビーム利用でございます。

【鳥養委員】 山梨大学大学院医学工学総合研究部の鳥養映子でございます。私は、専門はミュオンを使った物性実験でございまして、J-PARCを楽しみにするところですが、高エネ研、それからイギリスのISISなど、それからTRIUMFとか、そういうところのユーザーでありますと同時に、大学では、非常に小さなものですけれども、スピン偏極電子ビームということで、そういうビームを作るということにも取り組んでおります。よろしくお願いいたします。

【中西委員】 東京大学大学院農学生命科学研究科の中西でございます。私は今、植物を対象に放射線やアイソトープを使い、リアルタイムでものの動きを見たりそのための装置を作っております。また、旧原子力研究所の原子炉や放医研なども使わせていただき研究を進めております。よろしくお願いいたします。

【庭野委員】 ちょっと風邪をひいていて声があれで申しわけありませんが、東芝の副社長をやっています庭野でございます。私は皆様と比べると、専門家というよりはエンジニアということでずっと会社でやってきました。社会インフラ系を中心にやっていますけれども、原子力を非常に長くやっていまして、現在、御承知のようにいろいろと新聞等で騒がれていまして、いろいろ忙しいんですけれども、こういう学術的な話に参加させていただけて非常に楽しみです。よろしくどうぞお願いいたします。

【井上主査】 どうもありがとうございました。今日はサントリー株式会社の田中隆治委員、それから東北大学の理学研究科の橋本委員が御都合により御欠席との連絡をいただいております。
 それでは配付資料の確認をお願いいたします。

【本橋量子放射線研究推進室長補佐】 配付資料の確認をさせていただきます。まず座席表を1枚お配りしております。続いて議事次第、1枚ものでございます。それから先ほど御説明いたしましたが、資料1、数枚ものがございます。資料2、今後のスケジュール、1枚ものでございます。資料3、量子ビームプラットフォーム構想についてという数枚ものでございます。資料4、プラットフォーム構想についての論点(案)、1枚ものでございます。資料5、量子ビーム基盤技術研究開発・人材育成の基本的考え方(案)、2枚ものでございます。資料6、その論点(案)、数枚ものでございます。最後に資料7といたしまして、A3の縦長の資料をお配りしてございます。御不備等ございましたら、事務局の方にお申し付けいただければと思います。

【井上主査】 それでは議事に入りますが、その前に本作業部会の開き方ですが、公開ということについて決めさせていただきたいと思います。資料1の後ろから2枚、参考となっているところに運営規則がありますが、最後のページの第4条のところに、会議は原則公開だということが書いてありまして、例えば予算にかかわる順番を決める議論とか、そういった非公開が適当な場合というのは別ですけれども、基本的には公開であるということが書いてございます。この委員会については、今申しましたように、概算要求の事前評価の部分を除きまして公開にさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【井上主査】 それでは、そういうことで始めさせていただきます。
 議題として2つあって、量子ビームプラットフォーム構想についてと量子ビーム基盤技術研究開発と人材育成についてということですが、最初の方につきましてまず事務方から説明いただきまして、それから皆様に御議論いただきたいと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 それでは資料3を使って説明させていただきます。
 まず、そもそも量子ビームプラットフォームとは何かということで、今回、初めて御議論に参加いただく先生方もいらっしゃるので、簡単に御説明いたしますが、8ページのポンチ絵を御覧ください。これは既に昨年この作業部会におきまして6月に量子ビームテクノロジーの研究開発利用推進についてという報告書の中で量子ビームをどういうふうに横断的に利用していくかというための1つの取り組みとしてプラットフォームの整備を進めるべきだということが提言されています。これは特に産業界の利用を増やしていく、もちろん産学両方の利用を増やしていく中でも特に産業界の利用をいかに効果的に増やしていくのかという点で、ワンストップサービスの窓口としての利用促進・支援機関を作っていこうじゃないか。それによってユーザーの方にとって使い勝手のいいサービスを提供していこうというものであります。もともと放射光であれば大型の施設でSPring-8などがございます。中性子では原子力研究所の3号炉であるとか、今後整備されるJ-PARC。イオンビームであれば、原研の高崎研究所にありますTIARA等々ございますが、それぞれ別々の設置主体によって設置されたものであって、例えば中性子ビームと放射光を一緒に総合的に使っていきたいと思っても、それぞれの機関のそれぞれの窓口に応募しなければいけないと。そこで利用時間を確保するということになって、入り口に立っているユーザーの方にはなかなか使い勝手が悪いんじゃないかということもありまして、特にイニシャルユーザーというか、ポテンシャルユーザーの方を対象にしていった方がいいんじゃないかと今思っているんですけれども、最終的はこういった窓口を一本化して、どんなユーザーの方にも横断的な利用のための制度というのを使っていただきたいということで考えております。
 1ページに戻っていただきますと、こういったプラットフォームを活用して量子ビームの横断的な利用を進めることによって、さらなるイノベーションを効果的・効率的に創出していこうということでありまして、今まで報告書で言われてきたプラットフォームに求められる機能をまとめたものが2.に書いてございます。1つは、事務代行も含んだワンストップ窓口の機能。それから2番、3番が支援の関係ですが、トライアルユースという、いわばお試し利用の制度を作りまして、その中で研究計画の最初の段階の立案から実験、それから成果を出すまでにわたって支援をしていく。それから、各種ビーム利用研究の課題公募も行っていく。さらに、こういった量子ビームの利用の仕方、あるいはこんな成果が出るというメリットも含めた広報・普及の活動。それから、5番といたしまして、企業の方に現場に来てもらって測定してもらう以外にも、例えば典型的なものであればメールインサービスなどで分析を代行していただくような業務の実施。それから、専門家の派遣も含んだプラットフォームを活用した人材育成、ここに来て当然研究をしていただく中でいろんなことを学んでいただく、あるいはそれを利用していく中でそういう企業の中で使える技術を学んでいただくといったような人材育成機能。さらには、こういった複数の量子ビーム施設を横断的に連携させるような取りまとめ役としての役割が期待されているだろうということで、ここに挙げてあるような大きく7つの項目を今後どういうふうに整備していくかということであります。
 3.に各種機能、2.で言っている(1)から(7)までそれぞれ今どういうふうな現状になっているのかということでありますが、まずワンストップ窓口利用がどうなっているのか。当然今、備わってないわけでありまして、利用するユーザーの方はそれぞれあらかじめ自分の研究課題を解決するための利用方法を自ら考えて、それぞれ自分が適当だと思う量子ビーム施設の窓口にアプローチして利用申請してやっていくということが求められています。これを少しでも改善しようということで、幾つかの施設で(2)と(3)にありますトライアルユースの制度を試行的に実施しております。それが2ページに書いてございますが、まずSPring-8では高輝度光科学研究センター、JASRIと呼ばれる機関がトライアルユース制度、これは平成17年度で終了しておりますが、これまで研究課題の公募、あるいは実施の支援をやっておりました。今までSPring-8が10年前に運用を開始して以来なかなか産業利用が伸びていかなかったんですけれども、このトライアルユース制度を始めたことによって、今では25パーセントまでは達しないですけれども20パーセントを超えるような産業利用率が達成されています。これからも先端大型研究施設戦略活用プログラムというような産業界に優先的に利用していただく制度なども活用しながら利用が伸びていくものかと思っております。当然JASRIの方では広報活動もやっておりますし、最近では、ちょっと飛んで(5)のお話ですが、昨年の6月からタンパク質結晶のメールイン測定サービスをやっております。これは宅配で送られてきたタンパク質結晶試料をユーザーが現地に行くことなくX線回折データ測定を行って結果を返すということで、有償のサービスですがこういったことも開始したところであります。
 放射光についてはこんな形で産業利用を広げる取り組みがされているところで、今度は中性子の方ですが、これは日本原子力研究開発機構のJRR−3と呼ばれる原子炉で平成18年度から文科省の委託事業として中性子利用技術移転推進プログラムを開始しております。これは今、委託事業、競争入札で実施主体を選定しておりますが、平成18年度、19年度とも財団法人放射線利用振興協会、放振協と呼ばれるところが実施しております。ここでは3号炉を利用したトライアルユース制度の課題の公募から実施の支援までをやっておりまして、平成18年度については初年度にもかかわらず60課題近い課題を採択して実施していると。19年度はさらにこれが増えていくような見込みになっております。放振協ではこれ以外にも技術セミナーなどを開催したり、あるいは専門家を全国各地に派遣するという事業もやっております。
 広報普及活動につきましては、これはSPring-8、JASRI、あるいは放振協の方でも積極的に行っているところであります。それと同時に、国においてもいろいろなセミナーの機会をとらえて、そういう中で量子ビーム利用はこんなにメリットがあるんだというところをアピールしているという現状であります。
 (5)の分析サービスの代行については先ほど御説明しました。
 (7)、量子ビーム施設の横断的連携の取りまとめ、これは当然、現在存在していないわけで、各機関に所属する研究者あるいは企業の方の横のネットワークに頼っているのが現状であります。
 こういった求められる機能と現状を踏まえて当面どういうふうに取り組んでいったらいいのだろうか。ここで言っている当面というのは、まず20年度に開始して数年間というぐらいのイメージで考えておりますけれども、既にJASRI、あるいは放振協という、いわば利用促進・支援機関がそれぞれの施設に付いているわけです。既存のスキームを今すぐ壊してガラポンしてしまうというのも、かえってユーザーを混乱させてしまうということで、まず1つは最初の「なかぐろ」に書いてありますが、一番有効な量子ビーム利用の組み合わせであると言われている放射光と中性子をどういうふうに横断的に使っていくか、そのための手段をどう整理するかという観点では、まずJASRIと放振協が連携を強化していくことが必要であろうと。これは、実施主体は平成20年度は放振協、特に中性子の方は放振協になるかどうか分からないんですが、中性子の利用促進機関と放射光の利用促進機関が連携を強化していくことが重要であろうと。一足飛びに課題の公募の一元化というのもすぐにはできないだろうけれども、例えば放射光の方に応募された課題であっても、これは中性子を使うともっといい成果が出る、あるいは逆にこれは中性子の方が向いているんじゃないかという課題については中性子施設の方にその課題を紹介する、あるいはその逆もあるだろうと思います。さらには合同による広報の実施によって、双方利用がいかに有効なのかということをアピールしていただくということも考えていく必要があるのではないか。
 さらに利用できるビームの種類を増やしていくという観点からは、今は中性子利用技術移転推進プログラムということでやっておりますが、中性子利用にとどまらず、放射光は既にJASRIでやっておりますので、推進プログラムの対象としているビームを中性子にプラスしてイオンビームも対象にしてはどうかということを考えております。
 さらに、企業の方が使っていただく上で、実際その成果を出した後、どういうふうにそれを展開していったらいいのかというところですが、今、地域で様々な取り組みがされています。3ページの参考1に、産業界の研究開発を支援する地域での取り組みが今どういうふうに行われているのかということで、1つ、2つ例を御紹介しております。まず茨城県ではサイエンスフロンティア21という構想がありまして、これはJ-PARCを核として周辺地域に新たな科学技術拠点の形成を目指すという計画でございまして、研究開発を支援する産業の発展、研究成果を活用した新産業・新事業の創出を促進するための機能といったものを作っていこうということで、3つの分野の機能整備を推進するということになっております。1つは研究支援それから産業波及システムの構築ということで、研究者のためのインフラでありますとか、産業利用を促進するためのセンターを整備していこうということ。それから、多様な人材育成機能でありますとか、多国籍コミュニティの形成、これはどちらかといえば科学技術・学術的な利用をどう促進していくかということでの機能整備だというふうに考えますが、こういったことで先端的な成果の展開に向けたバックグラウンドの強化のための施策が茨城県において展開されているというのが1つ。
 もう1つは(2)に書いてございますが、経済産業省の施策ですけれども、産業クラスター計画というものがございます。これは地域それぞれ、今8つになりますか、経済産業局がありますけれども、そこと民間の推進組織が一体となって、特に地域における中小企業あるいは大学の研究者、こういったネットワークを作る中で地場産業の新しい事業の展開を追求していく、それを支援していこうというものであります。この中では当然技術開発もやっていくわけですが、特に中小企業の新事業展開を促進するに当たって、インキュベーター施設の機能を強化していくとか、あるいは商社などのネットワークを活用して生み出された製品の販路を広げていく、こういったことも支援していこうとしているようです。さらには、つなぎ融資制度でありますとかベンチャーキャピタルによるファンド創設に対する支援なども実施して、切れ目のない成果の創出から実際の事業展開までの支援を行う。プラットフォームを利用しながらこういう制度もうまく使えるような形で連携をしていったらいいのではないかということで考えております。
 こういった当面の取り組みをしながら徐々に、特に中性子あるいはイオンビームの方が中心になってくるとか思いますが、ユーザー層を拡大した上で、将来的に今考えております理想像、一元化に向けてまたさらに次のステップ、どういうことができるのかということについて考えていければいいなと現在考えているところです。
 これを御議論していただく上で資料4を準備させていただいたわけですが、基本的に今御説明したような内容について、特に4.の当面の取り組みの部分ですが、こういう考え方で適当かどうかということについて御議論いただければと事務局としては考えております。
 以上です。

【井上主査】 どうもありがとうございました。やや分かりにくいところもあるかもしれませんが、プラットフォームという考え方で、最後に言われましたように資料3の2ページの下の方、4の当面の取り組みという辺りがさしあたりの課題ということかと思います。そういうことに関して御議論いただきたいわけですが、その中で量子ビームという言葉は、高エネルギー物理とか原子核物理の人はあまり使わない言葉なんですけれども、田川先生が広められた言葉かもしれないんですが、1ページに書いてあるようなそういう状況の中で、どちらかというと高エネルギー物理とかそういう分野ではなくて、今説明いただいたような分野でのイノベーションのツールとしてのビームという面が強いと思うんですが、そういうわけで産業界との関係が当然考えられるわけですが、そこをメインユーザーとしていくことが適当かとか、資料4にちょっと論点が書いてございますが、それから今御説明のあった当面の進め方というのが適当かとか、最終的なプラットフォームの姿というのがどうあるべきか、それから地域連携が必要かとか、こういうものに国費を投入することの適切性とか、その他追加すべき点あるいは不要な機能等がこのプラットフォームに対してあるかということを頭に置きながら、今日は自由に御議論いただいたらいいと思うんですけど…。

【浦川委員】 ちょっと質問です。私、中性子、あまりよく分かってないんですけど、RADAの利用が、RADAというか、元原研の中性子利用技術がRADAで平成18年度に委託事業としてやられたと。これは59課題採択という報告なんですけれども、この59課題の中身はどういうものなんでしょうか。つまり、企業が利用したのか研究者が利用したのか。

【木村量子放射線研究推進室長】 9割ぐらいは企業の方に使っていただいています。あとは残り数課題程度ですね、物質・材料研究機構とかそういうところが使っていますけれども、ほとんど企業の方です。

【浦川委員】 中性子の利用というのはほとんど企業になっているんですか。

【木村量子放射線研究推進室長】 このお試し利用はですね。

【浦川委員】 一方、JASRIはまだ20パーセント程度である…。

【木村量子放射線研究推進室長】 トライアルユース制度を使いながら全体の中で産業利用を20パーセントぐらいまで伸ばしたと。ですから、中性子の場合、まだちょっと低いです、10パーセントいくかいかないかぐらいの産業利用しかありません。

【上坂委員】 ちょっと私も部分的にやっているんですけど、確か企業さんが入らないといけないみたいな感じで、一緒に…。

【浦川委員】 企業の利用を促進するという話がさっき出ていたので、そのことの意義みたいなものをちゃんと考えないと、ちょっと私は議論がよく見えてないんですけれども。

【井上主査】 多分トライアルユース自身はJ-PARCで非常に強力な中性子源ができると。それは学術利用もあるけれども産業利用も税金の使い方としてあるだろうということで、ただしX線よりもまだユーザーが多くない現状だから、その開拓というか促進のためにトライアルのシステムでということなので、そういう企業にターゲットを絞ったような形ということだと思います。

【鳥養委員】 現在のトライアルユースの委託先というのはどのぐらいのポテンシャルを持っておられるところなんでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 放射線利用振興協会ですけれども、これまでも中性子に限らず放射線の技術利用を進めるという立場で、もう何十年ぐらいになるんですかね、ずっと文科省の委託事業としてやっていただいているんですね。その中で、ここの下に書いてある技術セミナーの実施であるとか専門家の派遣というのはもうずっと長期間にわたってやっていただいているわけです。それに加えて放振協独自の事業として例えば照射サービスの実施とかもやっておりまして、そういう意味では産業界の利用ということに当たってはトライアルユースをマネジメントしていく上でのポテンシャルはあるだろうと思っています。

【鳥養委員】 研究者レベルの方たちがやって、そういうポテンシャルがあるのか、テクニシャンというか、そういう方たちが…。

【木村量子放射線研究推進室長】 トライアルユース制度をやるに当たってはコーディネーターと呼ばれる専門家の方を配置して、それぞれ技術的な課題であるとか実際の実験の実施とか、そういうところに至るまでサポートしてもらっていると、こういう体制でやっておりますので。

【井上主査】 多分私の理解ではRADA自身はそういうマネージをやられて、そこにはもちろん原研OBとかそういう方がおられるわけだから研究者レベルの方がおられるわけですけれども、具体的なユーザーの方との話し合いのところにはさっき言われたコーディネーターとはまた別にお願いしてやっていただいている、そういう形だと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。

【井上主査】 今、大竹課長が来られましたので、事務方の責任者ということで、ちょっと御挨拶をお願いします。

【大竹基礎基盤研究課長】 遅れまして大変申しわけありません。ちょっと国会の関係で出ておりまして、開会に間に合わず申し訳ございません。
 本日は先生方、大変お忙しい中、量子ビーム研究開発作業部会ということでお集まりいただきましてありがとうございます。私ども量子ビーム、まだまだ定着は十分し切ってないと思いますが、加速器を使いましたような新しい中性子ビーム、それからいろいろな粒子のビーム、そういうものをやはり活用していかなきゃならない。加速器は非常に高うございまして、J-PARCにつきましては1,000億を超えるようなお金を使ってやってまいりました。それからその他のいろいろな加速器も数百億ということで、こういうものを有効に使って、しかもこういうものはいろいろな形で材料研究、医学その他に役に立つと思っております。
 従来、加速器は基礎物理学の方々のツールということでありまして、そういう意味では幅広い活用がまだまだ図られていないということで、今回この作業部会にいろいろお諮りをしまして、幾つかもう既に始まっているようなライフサイエンス、材料の研究もありますが、今ちょうどトライアルユースの話も出ておりましたが、基礎科学のみならず産業応用を今後考えていくということは非常に重要かと思います。
 そういう観点でこの作業部会、非常に慌ただしく先生方にお願いすることになると思いますが、どういう形の促進策、もちろん今までこういうことに馴染みのなかった基礎科学の方を引き入れることもそうですが、加えて産業界の方のような活用、こういうものをどう引き入れていくかということにつきまして、いろいろなアイデアを御議論いただければと思っております。
 こういう関係では私ども大型放射光施設SPring-8がかれこれ10年近く運転してまいりましたが、これにつきましてもやはり当初から、非常に悪い言葉で言いますと、日本の箱もの行政的に、ものは作ったけれども、利用者は質の高い利用をしているかという議論を10年間ずっとやってまいりました。最近は御承知のとおりいろいろな成果も出ているんですが、そういう意味では箱もの行政であると言われるのは非常に心外であって、いろいろな御専門の先生方にもアイデアを出していただいて、このような貴重な施設を有効利用できるようなやり方について御示唆を賜れればと思っております。
 そういうことでございますので、井上主査にはまた大変なことを、いつも大変なことばかりお願いしているんですが、さらにお願い申し上げますが、是非御協力いただきまして議論を進めていただければと存じます。

【井上主査】 どうもありがとうございました。
 それでは議論を続けたいと思います。どうぞ御自由に。

【田川委員】 JASRIと放振協と同じレベルで考えるとちょっと誤解を生むかもしれないと思いますので、今、課長が言われましたようにSPring-8の方も長いこと産業利用はそんなに丁寧に面倒見てきたわけじゃなくて、最近そういう人材システムが育成されてようやくなってきた。今、J-PARCの方はセンターの中に建設部隊がいる。だけれども、JASRIは加速器とかそういうものや人たちもいるわけですから、大きさとか抱えているあれが大分違うので、産業利用のいわゆる窓口というような機能でお互いを比較するというのが…。じゃないと誤解を生むような気がしたものですから。

【木村量子放射線研究推進室長】 そのとおりだと思います。

【中西委員】 プラットフォーム作りは非常に良いと思います。また新しい融合領域を作っていこう、新しいものを開発していこうという方向性も非常によく分かるのですが、既存のいろいろな技術というのはまだ掘り下げる価値が十分にあると思われます。例えば放振協は、シリコンウエハを照射することから始まったと伺っています。その技法にしても、本当に企業の活用を目指していくのならば照射のコストダウンを考えるなどいろいろな策が出てくると思います。それから汎用アイソトープの確保の問題もあると思います。米国の9.11事件の後、日本ではほとんど輸入に頼っている医療用のアイソトープが不足して非常に困ったと聞いています。そのため、どうして国内でアイソトープ製造ができないのかという議論もあります。これらは既存の技術により製造されるものですが、もう少し掘り下げて実用化を図ることなどを考えるのは、ここの作業部会には馴染まないのでしょうか。もちろんプラットフォームを作って新しいことをしていこうということは非常にいいことだと思うのですが、既存技術でもう少し手を入れればもっと有効に企業化できるものがいくつかあると思います。特に原子炉というのはランニングコストが加速器と比べて断然少ないことも利点です。今はどんどん加速器を造っていく方向にはありますが、同時に原子炉をきちっと守り活用することも大切だと思います。JMTRは残りましたが、既存の技術についてももう少し充実させることはここではターゲットと捉えられるのでしょうか。

【井上主査】 そんなにきつく限定しなくていいんじゃないかと思います。ただ、事務方からすれば、さしあたりJ-PARCの方は予算絡みで獲得しておかなきゃいけないときに獲得しようとかそういう要素はあるかもしれませんが、この作業部会自身としては広い量子ビーム全般にわたって見渡す中でそういうものを位置付ける必要があるだろうと思うので、御自由に御発言いただきたいと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 多分それはJASRIなんかではやられているんですよね。既存の測定技術であるとか加速器技術の性能向上のために努力されておられると聞いておりますし、それは原子力施設でも当然そうなんですけれども、それを国としてどこまで支援していくのかというのはまた別途議論しなければいけない課題だと思います。

【神谷委員】 非常に素人な質問で恐縮ですが、ユーザーの観点から見た場合に、例えばSPring-8とかJRR−3の利用時間というのは、どれぐらい一般の人が使える時間があるんでしょうか。

【井上主査】 一般というと…。

【神谷委員】 一般というかユーザー、例えば産業界なり、あるいは大学の研究者なりが使おうとしたときにどれぐらい時間があるのでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 例えば3号炉の場合ですと、一般に開放している枠が大体総運転日数の半分ぐらいです。残りの半分は原子力機構が自らの研究目的に使っているという感じです。

【大竹基礎基盤研究課長】  SPring-8ですと、今年間5,000時間運転していまして、ビームラインが49本あるんですが、共用ビームラインが約半分ぐらいだったと思います。ほかのところは専用ビームラインで例えば原子力機構と物質・材料機構がお金を出して自分の研究のために使っていると。今のところ、共用ビームラインで1つの目標は産業利用は2割ぐらいになって欲しいなということです。産業利用も幾つかに分かれておりまして、産業界が利用したとしても成果をオープンにするような、特許を取るために成果をクローズしない場合は学術利用と同じように無料でやっているんですが、成果を公開しない場合はちゃんと利用料を取っていまして、その額が18年度は2億円近くなっています。そういう意味ではSPring-8の方は先ほど御指摘もありましたように、10年の期間を経ていろんな意味で利用形態も成熟してきたという段階にあろうかと、まだまだ成熟し切ってはないんですが、1つのパターンができてきたと思っております。
 ですから、お答えすると5,500時間掛ける20本なりの時間ということになりまして、それを8時間ワンシフトとして提供していますので、それを何シフト。これは実験の質と、それからビームラインから出てくるX線の強度と、そういうものの掛け算で一体何シフトいるかということが決まってくるということです。

【上坂委員】 スタートがSPring-8とかJ-PARCとか、非常に大きい革新的な装置から始まるんですけど、そこでビームラインで共同利用で一部が産業界に利用ということでどんどん産業応用をしようということもあるんですけど、それをどんどん広げていくには、遠くへ行って、日本に1カ所しかないところに行ってやるよりは、だんだんと技術が成熟してくると分散的に小さい装置でも、強度は弱いけれども各企業がやれると。スクリーニングができてどうしても詳しくやるときだけでSPring-8とか、そういう感じもあった方が広くここの技術が一般社会に広がると思います。ですから起点はこういう革新的な大きな装置でもいいんですけれども、それに産業界を加えて、普及するための利用技術とそれから装置開発も入っていった方が、結果的にこの業界が広がるんじゃないかと思いますので、お話を伺っていますとそういう観点も入っておりますので、非常によろしいかなと思っております。
 あと先ほど地域とのことがあって、地元の企業ということなんですけど、非常に言うはきれいなんだけど、実態はなかなか難しくて、日本の構造の場合は、大体中小の地元の企業というのは、そこの地域にある大きな会社さんの行き先を見ながら行っているという感じですので、本当の意味でのベンチャー的な感じが非常に少ない。その理由は、なかなかそれだけで食っていけないという面があって、例えばアメリカなんかだとDOEなんか数パーセントはベンチャー育成ということで、ですから向こうだとベンチャーで食っていけると。ですからPh.Dをとると大学にいようが、研究所にいようが、ベンチャーにいようが同じぐらいの給料とか仕事がやれるということがあって、ですからある程度国とか、あと大学も最近非常に開かれてきて特任教員ということで外部資金で人事ができることになっているので、そういうことでベンチャーなんかは国とか大学とか産官学でサポートしていくような。そういう感じにしていった方が結果的には、大多数のベンチャーが今非常に不調でありまして、この前も日経ビジネスに出ていましたけど、大多数のベンチャーが株価が落ちて大問題で投資家に対しても責任があるとかそういうことがあるので、ここに地域とか産業界とかありましたので大企業さんがやる前の段階をそういう感じで中小企業のベンチャーがやり、それを大学とか研究所や国とかがサポートできる体制が非常に必要なんじゃないかと思います。

【浦川委員】 放射光の利用と中性子の利用を、ユーザー側から見たときにこういうことを調べたいとかそういうことを考えたときに、何を利用して調べるのがベストなのかわからない場合が多いと思うんですね。一方、窓口を1つにして利用効率を上げると、これは非常に大事なことで大いに賛成なんですが、まず広報でこういうプランができているときに、例えば現状SPring-8だとこういう研究がなされてこういう成果が上がっております。それから中性子の利用でこういう研究が現在やられてこういう成果が上がっております。多分、広報でやられているんだと思うんですけど、一般ユーザーにとってはなかなかよく見えないわけです。仮に窓口をまとめたとしたらその窓口の中にそういうことを統一して広報に出して、こういうふうなところをこういうサイドから見たらこういうものが見えます、こういうサイドからこれを利用してこう見たらこういうものが見えますという、ちゃんとしたパンフレットとかそういうものをやらない限り、窓口を1つにするというのは大賛成で、先ほどからいろいろな方から意見が出ていますけれども、基盤の性能を上げるための、SPring-8だったら光の性能を上げる、あるいは中性子を作って中性子の品質を上げる、そういうための基盤技術は一方ではちゃんとやっていかないと、利用だけやっているとレベルはどんどん下がっていっちゃうわけですよね。そういうところも、先ほど上坂先生もおっしゃいましたけれど、日本国中に広めるということも1つあって、それとこういう大きなところが基盤技術の部分の高品質化、そこに書いてあるとおりですけれども、そういうことも含めて考えた方がよろしいと思うんです。

【井上主査】 ありがとうございました。ほかにどうぞ。

【中西委員】 私も同じようなことを考えています。いくら企業の人に入ってきて使ってくださいと言っても、半導体を作るためシリコンウエハを照射するということ以外の製造は、ビームラインを1年間借り切ってその場で大量にものを作るなどということは多分不可能だと思います。だからやはり分析手法とか、新しい解析技術の基盤開発になると思います。そうなりますと上坂先生がおっしゃったように小さい機器が欲しいという方向にいくこともあると思うのですが、国がここに加担する大きな意義のひとつは、標準化技術開発だと思います。アメリカですとNISTがきちんとした種々の技術を開発していますが、日本では標準化技術の重要性についての認知度が、特に大学などの研究機関では低いように思われます。標準化といいますと標準物質に目がいきがちなところもあるのですが、きちっとした標準技術を開発して持っているということはその国の技術レベルを示す指標だと思います。ですからそれを量子ビームを使ってできるということは企業にとっても大きなメリットですし、国全体でもメリットがあることだと思います。

【庭野委員】 確かにアメリカの研究所ですと、場合によっては知事まで来てこういうことをやらないかという誘いが来るんですね。向こうから来るものですからいろいろこちらの相談にのってくれて、どんなやり方をするとか何とか、最後産業界で実際にものを作るところまではそこではできないんですけど、こうやったらいいよというところまで全部まとめてくれるんですね。確率的にどれだけ成功するかどうかは別として、かなり日本の大きな企業もそういうところでやっているのを知っていまして、日本もプラットフォームを作って1つでというのはいいんですけれども、さっきおっしゃったように本当にこれがベストなのかどうかをそこで判断して、決めて、その後フォローしてくれるかどうかというのが少し心配は心配なんですよね。それぞれの専門家の方は俺のところはいいと言いますし。確かにどっちがいいかというのは比較できないところもありますのでね。

【大竹基礎基盤研究課長】 おっしゃるとおりのところがあって、それぞれ今非常に独立して採算をある程度上げよと言われているので、例えばSPring-8は2億ぐらい昨年度稼いだと言っていますが、そういう努力をしろという話になるわけです。それはそれで個々の運営団体がやることで、ただ、今こちらで考えていることは、自分はこれを使いたいとはっきり分かっているユーザーはそこに行かれたらいいでしょうと。ただ時々、私は新しいタンパク質を合成したんだけど、何か知りたいんだけど、それはX線がいいんですか、それとも中性子線がいいんですか、あるいは全く別でNMRがいいんですか、そういうことがおわかりにならないというか、そこで迷われる方はまだ数がおられるように思います。企業さんにおかれても多分新しい分野に出たときそうなるんじゃないかと私は思うんですね。それ以外にも例えば品種改良したい、そうすると中性子でやると品種改良のものは死んでしまうとか、重粒子でやる方が突然変異が起こりやすいとか、そういうことがあると思うんです。その辺のところをどのくらいの知見を集められるか。どうしてもこの窓口を通さないと採択されないとかそういう話じゃなくて、むしろ今、使おうという気になっていない方というか、どうしたらいいかわからない人にどうやって引きつけるか。そういう意味では各機関のセールスとはちょっと違うけど、このままだと1ついけないんじゃないかと思って、その辺いかがでしょうか。

【庭野委員】 両方あると思いますね。我々だと大体こういうことをやればというあたりをつけて相談に行くというケースが多いんですが、中小企業の場合にはそうじゃなくてお願いしますというのも多分あるんだと思うんですけど、やっぱりそれはケースバイケースでそれぞれ違ってくるので一概に言えないんですけど、プラットフォームをせっかく作られたのにプラットフォーム飛び越していってもいいよという話で、もちろんそれはそれで我々としては構わないんですけれども、せっかくそこに専門家の人たちを集めていろんな協議をできるという機関を作ったんだったら、やっぱりそこに行くしかないと思いますけど、いずれどっちかに行くにしてもね。別にそこと相談するとかお願いするとかということじゃなくて、我々としてはそういうガイドと時間と、要するに我々のタイミングに合わせた利用頻度を欲しいというのが実は本音なんですけどね。

【木村量子放射線研究推進室長】 その際、若干懸念していることがあって、例えば放射光と中性子の総合的な利用を取ったときに、例えば中小企業の方が相談しに来て、これを測りたいんだけどというときに、これは中性子がいいよ、放射光がいいよということを判断できるような専門家の方が実際どれぐらいいらっしゃるのかなというのは、我々も実際そういうサーベイをしたことがないので良く分からないんですけれども。

【庭野委員】 多分大企業でもそれほどはいないですよね。特に中性子という話になると、まだこれからの分野という感じがしますのでね。

【大竹基礎基盤研究課長】 両方、実際使ったことがある人じゃないとわからないと思うんですよ。それぞれの専門家って、またがってやったことがある専門家というのは我々も何人か存じ上げているんですけど、確かにそんな多くないです。中性子解析をやる人はずっと中性子解析、だからこそエキスパートになっているんですね。そこはなかなか。

【田川委員】 中性子と放射光の構造解析をしている人は割と…、ほかのが散らばるともっとオーバーラップは少ないでしょうね。今、庭野さんがおっしゃられたのは重要なポイントだと思うんですが、我々がちょっと理解できないところもちょっとあるんですが、例えば半導体なんかだと最近はかえってコンソーシアム、いわゆる技術開発をするグローバルなものについては残念ながら日本からどんどん大きな会社が離れて、いや、御社はそうじゃないけど、そこはやっぱりそういうコンソーシアムのあり方が日本的なものと欧米とちょっと違う。今度のプラットフォームを作られるとき、確かに課長がおっしゃられるように個別の裾野を広げる、それからいろいろ使ってみる、広げるという意味では1つなんですけど、最終的にもしくはそこでかなりの技術をお願いすると企業が言ったときにそれに対応できるようなものを作るというのはちょっと別の、2つはちょっと…、そこはすごく大事、そういうのに日本はどんどんなくなってしまうというのは残念だという。

【庭野委員】 半導体の場合でも材料とかそういうところはそれほどお互いが共同開発するにしてもあまりやってないんですよね。どちらかというとエンジニアの数と時間をどうやって稼ぐかという意味で協力しているので、ベースのところはやっぱり各社それぞれでやっていますから、そういうものはやはりこういう機構にお願いしていろいろ分析してもらうというのは今後ともあると思いますけどね。決して外に全部出ていってやっているというつもりは…。

【田川委員】 いや、言い方がちょっとあれなんですが。ただ、技術を育てる上で、せっかくプラットフォームを作るんであれば、放射光、中性子それだけが本当にいいかどうかというか、もうちょっと広くビーム、もしくはある分野をフォローしたようなあれも対応しないとなかなか受けがたいという気がちょっとするんですが、それをどういうふうに作っていったらいいのかわからないんですけど。

【庭野委員】 あまり広げるとちょっと我々自身も何を頼むか分からなくなる。

【木村量子放射線研究推進室長】 特に加工とか計測技術だとイオンビームなんかだったり、そういうのは有効だと思います。そういう意味では産業界の方の使い勝手というか、可能性というのは広がっていくんだとは思います。

【庭野委員】 ただ、今までは大学の権威ある先生や何かといろいろ組んで実際はやってきているのが多いんですね。そうしますと、こういうところに行ったときにやはり同じような、基本的にはそういう関係でもってやらなきゃいけないので、プラットフォームができたからそこだけですべて解決してもらおうとか決めてもらおうというつもりは、多分実際はそうじゃなくて専門家が出てくるんだと思うんですけど。

【田川委員】 産業利用をやっているのも実態としてはかなり企業が窓口になって申し込んでいるけど、実際に解析とかその辺は大学がやっているケースも結構あるのではないかと思いますので、その辺も含めて…。

【鳥養委員】 産業界だけでなく研究者でも自分の専門のもの以外はそれを使うとどういうメリットがあるかなかなか気が付かないことが多いですよね。ですから、そういう意味でこのプラットフォームは本格的に運用できたら非常に魅力的で、先ほどポテンシャルを伺ったのはどういう人材がいるかということだと思うんですね。最初、このプラットフォームに持ってきて、初めは中性子で何かやってみようかと思ったと。そのときに放射光で見るとこんなこともわかりますよと、同じ構造解析でも違うものが見えますよ、あるいはミュオンを使って見るとこんなこともできますよと、そういうことを薦めて御紹介できると。そういう非常に高いポテンシャルのコーディネーターがいれば、非常に利用が進むと思うんです。
 今、ポスドク1万人計画で大変若い方たちで力のある方たちがパーマネントの職がないという状況ですよね。こういう方たちが、今例えば中性子で育った方たちがしばらく放射光も、つまり雇い入れてこのプラットフォームで勉強していただくと。あらゆる技術の入門に関しては精通しているあるいは常に勉強してくださるという人材をどれだけ抱え得るかということだと思うんですね。こういう方たちを優遇して、その方たちが産業界と基礎科学とのマッチングを図ると。これが成功するかどうかというのは、そういう人材をどれだけ抱えられるかということだと思うですけど。

【上坂委員】 今おっしゃられた1万人いるかどうかは私もわからないんですけれども…。

【鳥養委員】 1万5,000人いるそうです。

【上坂委員】 そうですか。それか第1世代というか、かなり上の人は40近いんじゃないかと思うんですけど、結局彼らが依然パーマネントを取れてなくて、今の20代後半、30代前半の人がそれを見ているものですから、みんななりたがらないんですよ。ですからポストがあっても来ないという現状で、そういうPDが結局現状のシステムで大学とか研究所と企業とはけてないんですよね。そこが大問題で、ですから私はさっきも言ったんですけど、国策等で食っていけるような組織で人事交流もできて、今、大学と企業はそういう感じでできるようにだんだんなってきたし、研究所とも最近約束でやるという感じであるんで、是非企業さんも加わっていただいて…。やっぱり彼らをパーマネントにしてあげないと。

【鳥養委員】 本当にそう思いますね。

【井上主査】 人材の議論は大変大切で、次の話題に入ってくるので、そちらに入ったような状況もありますが、そちらの方が時間がかかるかもしれませんので、このプラットフォームの議論はそろそろこの辺で、今日かっちりしたものをまとめるというような状況ではございませんので、大変貴重な御意見を伺いましたのでまた次回に議論させていただきたいと思います。
 私自身、ちょっと皆さんの話を伺っていて、産業界の方と大学や研究所の方とのつながりですね。多分基礎的な研究を、技術に関してでもですが、やっておられる方はそれが役に立つかどうかってそれほど意識しないで、おもしろくてやっている部分があると。一方、産業の現場では大量生産でどんどん作りたい技術が開発されていると。そこにはそういうプロがいて開発されていると。その間の段階では、大学側の方からいえば、もしかしたら役に立つかもしれないということに気が付くような人たちの研究というのがあると。それからそれが本当にペイするような役に立つものだと、役に立つということは分かってもこれじゃあもうけにはならないというのも多いと思うんですが、大量生産に持っていっても役に立つかもしれないなというものが出てきて、じゃあ大量生産に向く技術開発かどうかという、こういう段階があると思うんですよね。ある時期、民間企業もわーっと大学に近いようなことまでやるぐらいの研究所ブームみたいな時代もあったわけですけど、最近は世知辛くなっているから真ん中が抜けてきているような状況があるんじゃないかと思うんですね。そういう辺りをにらみながらこのプラットフォームを位置付けていく必要があるんじゃないかと感想を持ちました。
 それでは時間の制約もありますので、次の話題に移らせていただきます。量子ビーム基礎技術研究開発・人材育成ということで、まず事務方の方から御説明お願いします。

【木村量子放射線研究推進室長】 では資料5、6、7を使って御説明いたします。今度は利用の裾野を広げるところから利用の高度化というか、先端的なところを狙っていこうと。それによってさらに利用の高度化も図っていこうという話であります。
 資料5に書いてございますが、量子ビームテクノロジーをさらに先端的なものにしていくということによって産業利用なども高度化が図れるだろうと。実現するために今後どんな基盤的な技術が必要なのだろうかということで、その進め方について御議論いただきたいと思います。基盤的な技術、大型の研究施設、先ほど基本的なラインナップはそろったと申しましたが、将来の高度化のためにあるいは将来の先進的なシステムのために必要となってくる要素技術の研究開発、要素技術をどう抽出していくかというところがまず1つの論点になるかと思いますし、さらにはこういった研究開発体制の中に若手の研究者なども積極的に組み込んでいくことによって、人材育成などもできるだろうということ。さらには研究開発の早い段階から社会ニーズといいますか企業のニーズも取り込んでいくことによって、より効率的・効果的な要素技術の開発、実際の役に立つシステム作りに結びつく技術開発ができるのではないかと考えています。
 まず研究の実施体制ですが、資料5の2ページ目を御覧いただきたいと思います。テーマ設定の話はまた後でお話しするとして、基本的にはあるシステムを目指したチームにするのか、あるいは1つの要素技術について異なったアプローチで取り組んでいくチームにするのか、いろいろ考え方はあると思いますが、基本的にはこういったネットワークというか、あるグループを作ってその中に企業の方もできれば入っていただくような形で研究開発を進めていくのが効率的なのかなと思っています。その中でプラットフォームがすぐできるとは我々自身も思っていないですが、プラットフォーム的な機能を生かしながら、そこが産業界あるいはほかの学術コミュニティのユーザーの方々のニーズを取り込んで、それをこの研究チームに伝えていく。研究チームが今どういう研究が行われているのかという情報を伝えながら、それをプラットフォーム側が今こんな新しい研究開発をやっています、これを進めるとこんなシステムがもしかしたらできる、それによってこれだけ産業利用が発展していきますというようなアウトリーチ活動ができるような、それができるようなリエゾン的な機能を持たせるような組織、今、研究推進委員会という形で置いておりますが、こういうのを今後当面実施していくプラットフォームの中にもうまく盛り込んでいければいいなと思っています。ここで開発された利用技術、あるいは計測技術あるいは加速器の高度化技術みたいなものは、既存の施設などにもアプライしていくことよって実際の高度利用が図れるでしょうし、そういった中で先端的な成果を生み出していく。同時にこのチームにポスドクなどを雇うことによって、人材育成もやっていくということによって、今大型プロジェクトというと、今進んでいるのはX線自由電子レーザーぐらいしかないわけですけれども、そういったものがなかなかこれから継続的にできないような状況になってくる中でこういった量子ビームテクノロジーをどういうふうに、今日本はトップレベルにあると思っていますが、こういったものをどう維持していくか、そのスキルを持った人たちをまた新たにどう育てていくかという観点でもこういった研究開発というのは非常に重要なんじゃないかと考えております。
 また1ページ目に戻っていただきますと、今1.で研究実施体制について御説明いたしました。
 2.研究テーマですが、これは重点課題あるいは重点領域を提示した上で、公募でポテンシャルのある機関あるいはチームを選んでいくことが適当なのかなと考えております。その際にどれぐらいの規模の研究費が必要なのか、あるいは研究機関が必要なのかという観点については、いわゆる要素技術開発であるとか共通基盤技術としてどれぐらいの規模が適当なのかということについてはまた御議論いただければと思います。
 さらに5.で考えているのが、その他必要だと思われる要件としては、研究機関がそれぞればらばらにやるのではなくて1つのゴール、それはシステムでもいいし要素技術でもいいと思うんですが、1つのゴールを目指してちゃんと連携していくということ。それから民間企業の参画もできれば基本的な条件とすべきではないかと考えているところです。
 この重点課題、あるいは重点領域をどういうふうに選んでいったらいいかということで、この膨大な資料7を用意させていただいています。これは何のために用意したのかということを御説明しますが、資料6で重点課題抽出に当たっての論点というものが書いてあります。今、政府としては総合科学技術会議の方で第3期の科学技術基本計画をまとめ、さらにイノベーション25戦略会議でイノベーションを実現するための戦略的なロードマップ作りが行われている最中であります。この中で特に量子ビームテクノロジーというのが第3期基本計画の中では、1ページめくっていただきますと、総合科学技術会議の分野別推進戦略が出ていますが、特にナノテクノロジー・材料分野の中で重要な研究開発課題ということで量子ビーム高度利用計測・加工・創製技術というものが位置付けられています。その中でも特にナノ領域の最先端計測・加工技術については、今後5年間に集中投資すべき科学技術という位置付けであります戦略重点科学技術に位置付けられているということであります。やはりこれは産業競争力、国際競争力を強化していくために重点的に取り組むべきテーマだと言われておるところから、この最先端計測・加工技術といったところに資するような基盤技術あるいは要素技術といったものを進めていく必要があるのではないか。
 イノベーション25については新聞などでも報道されているように2025年の社会がどういうふうにイノベーションによって変わるのか、変えていきたいのか、そのために必要な技術開発は何なのかということを今議論してロードマップをまとめているところです。4枚目に参考資料ということで「イノベーションで拓く2025年の日本」を実現するために必要な技術例ということで、これは中間取りまとめから引っ張ってきたものですが、幾つかのキーワードに分類されてそれぞれ技術がリストアップされています。例えば生涯健康な社会を2025年に実現するためには、常時健康診断と遠隔医療、あるいは三大成人病の克服、寝たきり病人を激減させるということを実現しなければ生涯健康な社会というのは成り立たない。そのために必要な技術はここにずらずらと書いているわけでございます。我々が目指すところも当然5年間なり10年間かけてある要素技術を作って、それを社会実証していく中で2025年ごろにはこういうふうな社会が実現できるような形で要素技術開発といったものを進めていく。そういった視野を持ってできればいいのではないかと考えています。
 そういうふうな構成に資料7はなっていまして、まず左側の欄でありますけれども、どういった成果が国民生活にもたらされるのかということで、幾つかの端的な例を持ってきています。これは当然すべての事例ではございませんで、議論する上での材料にしていただければと思います。例えば量子ビームは多分3つのキーワードがあって、1つは「観る」手段としてのビーム、もう1つは「創る」手段としてのビーム、これは戦略重点科学技術の中でもはっきりと言われています。最後の3つ目のキーワードは「治す」、重粒子線治療でありますとかそういう中でも言われておるように、「治す」手段としてのビーム利用というものがあるかと思います。
 1ページ目に書いてありますのは、まず1つ目のキーワードである「観る」という観点に基づいて、将来の創薬、これの劇的な時間短縮であるとかコストの低減、あるいは全く新しい薬品が開発できるような技術としてタンパク質の構造解析をしっかりやらないといけないと。タンパク質の構造解析をやるのに、次の欄ですが、どんな技術的な課題があるか。先ほど申し上げたようにX線と中性子の相補的な利用が有効だけれども、例えば中性子についてはまだまだ大きな結晶を作らなきゃいけないと。ただ、一方で、タンパク質はなかなか大きな結晶が作れないという課題がある。その中で開発すべき要素技術としては、例えば生体分子の単結晶化技術の高度化であるとか、中性子のビームの技術であれば利用効率をさらに上げて測定できることが大事だろうということで、集光光学系デバイスの開発といったものも行うべきではないかということが1ページから17ページと非常に大部にわたる資料で、今日は多分全部お目通しいただく時間はないと思うので、また次回議論が続いていくことになるであろうと我々は予想しているわけでありますが、こういったあるターゲットを目指して現状それがどういう技術的な位置付けにあって、じゃあそれを今後5年間あるいは10年間でこういうふうに改善していけば将来的にこういう対象に戻る、この国民生活にもたらされる成果に結びついてくというコンセプトに基づいてこの資料は作られています。
 ここで是非御議論いただきたいこととして、資料6に論点が書いてありますけれども、やはり当該技術がイノベーションを意識したものになってもらいたいということで、イノベーションに結びつくような要素技術あるいはシステム技術があるのかということ。それから戦略重点科学技術に位置付けられるものであるか、これは基本的にクリアできているのではないかと。どんなものをやろうと、量子ビームテクノロジー加工・計測がやっぱりメインな使い方だと思っていますので、戦略重点科学技術には位置付けられるんだろうなと思っております。また、ここに掲載されている研究開発要素、先ほど申し上げたようにこれは網羅的なものでありませんけれども、もちろんこの中で重要だと思うものについてはどんどん指摘していただければと思いますが、こういった重要だと思うもの、あるいは思わないものも含めて技術として本当に革新性があるのか。もう技術レベルとしては成熟していて後はお金があれば装置が造れますといったぐらいの話であれば、ここで共通基盤としてどこまで取り組みがあるかなというのもありますので、技術としての革新性があるのかということ。さらに1つの適用だけではなくて将来的に汎用性の高いような基盤技術であるかどうかということ。2025年辺りを目指して技術開発をやっていくとすれば、当面、要素技術ということであれば5年間程度をにらんだ期間での研究になろうかと思います。これも御議論いただければと思うんですけれども、5年間あるいは10年程度を見越してその技術の実現性が本当にあるのかという観点。それから国費を投入してやる必要のある先端基盤技術研究なのかということ。それから、特に小型化みたいな利用普及のための技術、先ほど上坂先生からお話があったような中性子の発生装置の小型化とか、利用普及のための技術である場合、企業では皆さんX線発生装置なんかをお持ちだから放射光の高度利用なんかが先んじて進んだというお話がありましたけれども、中性子で今後5年間どういうふうにニーズが伸びていくのかまだ明らかではない点もありますが、本当に小型中性子源みたいなものをやるときにその普及の必要性が高いのかどうか、そういった点についても是非御議論をいただきたいと考えております。
 それでこの表ですが、全国のいろいろな研究者の方々に御意見を伺って、当然すべての研究者の方々に聞いたわけではないので、特に利用系というか計測系の部分がちょっと弱くなっているような気が個人的にはしているんですけれども、そういった計測技術とかについてもこんなことをやると将来こういうふうに変わってくるよということがあれば是非御意見なり伺いたいと思います。
 事務局からの説明は以上でございます。

【井上主査】 ありがとうございました。資料7を作られるのにかなりの方の手を煩わせたんじゃないかと思います。

【木村量子放射線研究推進室長】 本来であれば、事前にお送りして見ていただければと思ったんですが、何分時間がなくて。

【井上主査】 ぱっと見て個別のところをああだこうだと言えるほどの時間はないかもしれませんので、それはそれでちょっと対策を考えるといたしまして、今日のところは自由に重点についての考え方及び課題内容について御意見を出していただいたらいいんじゃないかと思います。

【田川委員】 質問させていただいてよろしいですか。まず1つは人材育成のところでプラットフォームというか、先ほど利用の方のプラットフォームでも人材育成という話が出ていましたけれども、ここで述べているプラットフォームと利用のプラットフォームは全く別個…。

【木村量子放射線研究推進室長】 全く別個です。別個というか…。

【田川委員】 そこを確認しておきたいんですが、それからもう1つは、利用のプラットフォームでも人材育成をやるのか。

【木村量子放射線研究推進室長】 利用のプラットフォームでも人材育成をしたいとは思っています。ただ、その場合、どういうやり方があるのかというのはまた議論が必要だと思いますが、やはり先端的な研究施設を利用する、あるいは支援者として高度な計測技術の開発に取り組むとか、そういったことを継続的にやることによる利用プラットフォームの人材育成というのができると思います。

【田川委員】 センターと今のあれが一緒になるとか、それからかなりの規模になれば別なんですけど、多分従来のこういう支援企業の場合は割と雇う人は、ポスドクや何かはやっぱり専念義務があって、研究とかそういうのをさせられないと。我々もナノファウンダリとかやりましたけど、例えば最初は優秀なポスドクの人たちにも声をかけたんですけど、ある時期からは非常に来たいという人は別としまして、研究をしたい人には、いわゆる人材育成という観点では人を雇えないというようなシステムに利用の支援というのはなる可能性があるんですが、ここでは全くそういうことは考えてないと考えてよろしいんですね。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。

【田川委員】 そうですか。じゃあそれは非常に重要なポイントで、それから後のプラットフォームと今の利用のプラットフォームは別で、これは先ほどから言われた計測だとかいろんな重要なことを開発するプラットフォームを作ってそこで人材育成をしていると。

【木村量子放射線研究推進室長】 本当はここのプラットフォームが実態としてちゃんとできていればそこのプラットフォームを通じていろんなことができると思うんです。ただ、当面の考え方で先ほどお示ししたように、利用の方のプラットフォームというのは当面、放射光と中性子を中心とした緩やかな連携をやっていこうという形にしか多分なり得ないと思っていますので、利用プラットフォームを通じた、これが本当にどこまでできるのかというのがちょっと我々も難しいんじゃないかと思っていて、ですのでここにとりあえず研究推進委員会みたいな小さい組織を置いて、その中でうまくサポートしていけるような体制ができればなと考えています。

【田川委員】 わかりました。
 それともう1つの質問はこの表についてなんですが、このときは予算のことはもちろんあるのかもしれませんけれども、扱う範囲は量子ビーム全体を考えておられるのか、先ほどの大型設備もしくはそれに付随した形の技術をここに網羅するのか、そこはどうお考えなのか。

【木村量子放射線研究推進室長】 基本的には量子ビーム全体を網羅するような形で、その中から大事なものを引っ張ってきたいと。

【田川委員】 わかりました。ありがとうございました。

【中西委員】 伺ってよいのかどうか分からないのですが、原子力関連はエネルギー関連の予算と学術的な予算に分かれていて、学術的な方は例えば原研では基盤経費が年間3パーセントずつ減ってきていると聞いていますがそうなのでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 3パーセント…、まあそうですね。実績としてはそんなもんですね。

【中西委員】 研究費が少なくなってくるので、それを補っていくという面も合わせて考えていくと捉えてよろしいのでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 そういう面はあって、今、独立行政法人もそうですし、国立大学法人もそうですし、実際有効に使える真水の研究費といいますか、そういうのは実質的にどんどん目減りしているわけですね。人件費はそんなにドラスチックに減らすわけにもいきませんので、その中でどれだけ将来に向かって意味のある活動をしてもらうかという意味でも、この課題をやっていくというのが大事なことなんじゃないかなと思っています。

【上坂委員】 私も中西先生と同じ意見でありまして、私も原子力専攻、原子力に関する組織にいるんですが、この委員会も上が原子力分野の研究開発に関する委員会で、そこに原子力研究開発作業部会と核融合と量子ビームがあって、どんどん発展している時代というのはいいんでしょうけれども、成熟してくると必ずしも3つの分野が仲良くやってないところもあって、今の軽水炉vs核融合vs量子ビームみたいなそんな構図もやや見えたりとかして、今週も地方のNHKのニュースで原子力機構の一般公開のニュースが流れていましたけど、あれでもやっぱりほとんどJ-PARCと言わないで、タンパク質を分析する加速器という装置と言っていましたけど、でも一般の人は東海村の日本原子力機構というと、おそらく原子力発電の研究をやっていると思っているんじゃないかと思う。ですから、もちろんこれは全部大きな広義の原子力なんですけれども、ここもいろいろ項目が上がっていて、もちろん原子力的に、エネルギー的に読めるやつもあるんですけどね。あとはイノベーションにもCO2(二酸化炭素)のところに原子力があるので、原子力もこういう量子ビームが今の軽水炉とか原子力エネルギーにも貢献しているというのは見えていた方が私はいいような気がします。もちろん要素技術的には項目的には上がっていると思うんですけど、あといろいろマップの中にナノテクとか環境とかいろいろありましたけど、ああいうところにも小さくてもいいから原子力とあった方がいいような気がするんです。おそらくどこの組織でもそういう議論があって、軽水炉をやっている方と核融合をやっている方と量子ビームをやっている方が調和を持ってやっていくのが一番いい原子力なんだけれども、今こういう時代になっているので。結果的にやっぱり量子ビームが一番元気いいんですよね。ですから、やっぱり量子ビームがこの辺の原子力とか軽水炉とか核融合なんかにも要素技術的に、基盤技術的に貢献しているというのが見えていた方が私はいいような気がします。

【井上主査】 材料照射とか核変換とか、そういう辺りはそういうところですね。

【上坂委員】 もちろんそうです。今の軽水炉、ちょっと経産省でも大きなプールで走っていますけどね。もうちょっと基礎的な保全というか検査のビームを使ったとか、そこら辺がもうちょっと見えてもいいかなという感じがちょっとするんですね。

【田川委員】 うまく融合すればいいんでしょうけどね。特に文科省の方は幸いビームもナノも同じような考え方ができるのではないかという気がしますし、何かうまく、原子力に新しいものを入れていくというか、新しいというのはおかしいけど、役に立つという方が正しいんでしょうかね。役に立つような形の、きちんと項目にのった上で役に立つことってたくさんあると思う。

【上坂委員】 私は要素技術的にはかなり網羅されていると思うんです。

【田川委員】 エネルギーというのは巨大な技術、巨大な産業ですからね。それに対して当然貢献するあれは…。

【上坂委員】 例えばアメリカなんか9.11の後にデパートメント・オブ・ホームランド・セキュリティーというのを作っちゃって巨額のお金を使って危険物と爆発物と核物質の非破壊検査技術やっていますね。その中の一部に量子ビームもあって、それは結局単色のガンマ線とかX線、中性子なんですよね。ですからまさに基盤技術は共通であるので…。

【田川委員】 フランスなんかはエネルギー庁の中にLetiみたいな半導体のそういうものまで含んでいる。ナノファブリケーションとかナノテクもそうですよ、バイオもそうですよ。だからそういう連携は、それは確かにうまく入れ込むというのも…。

【鳥養委員】 人材育成のプラットフォームと利用のプラットフォームが別にあるという考えがどうしても理解できないんですが、今こちらの図を拝見していますと人材育成として積極的にポスドクがここに入ってくる。入ってくる道はあるんですけれども、この人たちの出口が書かれてないんですよね。私がイメージしていますのは、間違っていたら教えていただきたいんですか、ここのプラットフォームというところが研究所に入るようなポスドクと、それからもう1つ、研究だけではなくてもっとイノベーション創出というか、そういう方向に進む、そういう人たちをプラットフォームに抱えて、非常勤ではなくて、任期付ではなくて安心して、例えば放射光で育った人が中性子の勉強もできるとか、物性の人が医学の勉強もしてみて自分の幅を広げて、それが新しいイノベーションを作ると、そういう核になるようなところに育っていけたら非常に魅力的だと思うんですね。やっぱりポスドクの赤い出口をちゃんと書いていただきたいなと。そこでプラットフォームでこの人ならば中性子も放射光もイオンも分かると、加工も測定も分かるという人がたくさん育ってくると、常勤で優れた人たちを産業界でスカウトしたくなりますよね。そういう人こそ育てるプラットフォームになって欲しいなと。

【木村量子放射線研究推進室長】 まさにそこの出口のところが問題でして、やっぱり社会というか企業の受け皿がどうなるのかというところが見えない中で人材育成だけ本当にやっていればいいのかという話もあるでしょうし、やっぱりそこはどれだけ使える人材を出しているか、多分実績を出していかないと企業の方も受け入れは当然できないでしょうから、それだけ使える人材を作って外に送り出すという意味では想定はしているんですけれども、確かに具体的にどうするのかという方策は出ていないです。そこは考えたいと思います。

【鳥養委員】 今まではプラットフォームが窓口で退職した方たちのポストのように聞こえてしまうんです。これから団塊の世代が非常に魅力的なポストとお思いになるかもしれませんけれども、これは若い方たちに魅力的なプラットフォームができたら、その方たちが次の時代の核になると思いますけどね。

【庭野委員】 私、それを聞こうと思ったんですけど、30代ぐらいの人たちが育成されて、実際ですと経験が多くなるというと40代、50代ということになるんでしょうけれども、我々から見ると、委員会でも何でもいいんですけど一緒にやって、この人だったらほしいなと、企業にとってこうやったのを採っていいのかというのが実はちょっと気になるんです。今、正直言って我々のところというのは、企業のM&Aだけじゃなくて人も即戦力…、だから教育しないである程度専門の知識持っているというのは中途採用という、変な言い方しているからこれ変えなきゃいけないと思うんですけど、かなり幅があるんですよ。正直言うと今年もほとんど埋まってないんですよね。そういう実態がまず我々も言わなきゃいけないと思うんですけど、こういうところで一緒にやった場合、まさしくそういう希望が出てきたときに対応、やっていいのかなというと、いやそれはプラットフォームの人間だからとんでもないよという話になると、委員会などでやるときに我々の熱意の入れ方が…。

【田川委員】 やっぱり先がないとまずいんじゃないですかね。企業が採れる、それから研究所はそういう人たちを評価してちゃんと待遇しなければそこの分野はやっぱり停滞すると思う。そういう意味では先行しているところもどこまでそこはうまくいっているのか。結構若い人もいるんですよね。それから上の方の人はやっぱり企業から来られた方が多い。

【浦川委員】 私は主に光のソースとか、そのために必要な高品質の電子ビームとか、そういう開発をやっているわけなんですが、去年、某社に呼ばれてどういう開発をしているかという話をしたのと、その某社がX線ソースを年間150台作って世界中に売っていると。タンパク質の構造解析用のシステムなんですけど、一式で5,000万円ぐらいで売っていると。そのときにそこにいた若い研究者、みんな博士号を持っていましたけど、話を1時間ぐらいしたんです。その人はSPring-8にポスドクでいましたと。あるいは原研にいましたという人をそこは採っているんですよね。研究所も持っているんですけど、そこの研究所の所長が言っておられたことは、次のタンパク質構造解析のための光のソースをアメリカとかヨーロッパが開発しているのに対してどういう意見を持っているかというのを私に聞きたかったと。私自身は正直にいろんなことを答えて、非常に技術的に難しい部分があると。従来のX線管でやっているソースとしてここの会社は非常にいいものを作っていると。これを超えるようなものはおそらくここ5年、10年で作らなきゃいけないし、コスト的にも合うようなものを作っていかなきゃいけないと。だから開発もやっていただく方がいいでしょうという私の個人的な意見を言ったんですが、そういうところの若手と私始めて話し合って、そういうところの会社はやはりちゃんといい若い人を採用しているんですよね。で、次のビジョンを持っているんですよね。ただし、そこまで踏み込めないんですよ。そのビジョンに投資するお金が莫大なものだから、多分国がサポートしないと、科学技術振興事業団とか何かにアプライしたらどうですかと私は言ったんです。それで5年、10年かけて1つのものを開発すれば、アメリカやヨーロッパに負けないで、さらに次のビジネスにつながるでしょうと。おそらくここのプラットフォームも、私これ見ていて確かに出口ないんですよね。積極的なポスドク雇用等と。私は心配なところはあるんですけれども、一般に原研にポスドクで入ったり、あるいは高エネ研にポスドクで入った人。これ見ていて、一緒にやっていて、あ、これはいいなと思うのは、研究所はもちろん採りたい訳ですよね。企業もそういうのが見えるような形で、最初のプラットフォーム、企業の産業利用とかありましたよね。広報で、中性子を使ったらこの材料の研究はすぐやれますよとか、あるいは放射光使ってやれますよというので、コーディネーターみたいな人を育てて、ちゃんと判断してやっていくと。それは非常に結構で、そういう人を中性子の回折の専門家が今度はX線も勉強してそういう人になったと。企業が入ってきたときに、こういう人たちが基礎研究とも接触できるような形をとっていただいて、積極的に大手の会社なりあるいは中小企業の会社の人たちがいろんな情報交流をなさって、いいと思ったらそこが採用していって、もっといいものを会社が今度製品化するという段階で、そういう若い人たちもそういうものに対して非常に興味をもって、もちろんポジションを得てというような格好に発展していくのが非常にいいと思うんですけど、そういうのがメカニズムとして見える格好にしていただくと非常に…。

【上坂委員】 これ、入るところはいいんだけど出口がない。これ、やっぱり企業の中途採用とか、あるいは今、若い人たちはポスドクという言葉もあまり…。だから研究員あるいは教員でも…。

【田川委員】 期限付き教員とかね。

【上坂委員】 だから特任教員でね。今、科研費はまだ特任は駄目ですけど、JSTは大丈夫で、あと経産省もNEDOはオーケーで、地域コンソーシアムはだめとか結構制約があって、そこは人材確保のためにやっぱり人件費にはフレキシブルに使えて、それから先ほど東芝さんの方で中途採用が埋まらないということであれば、どんどん企業さんにも入れる可能性があるんだという絵があるともっと、これだと出口がなくて本当に限られたポストでいける人はパーマネントで研究所や何かできるんですけど、ポスドクにも論文を書けるタイプの人と、それから実務があるんだけど、実験とか非常に仕事はできるんだけど論文の少ないタイプの人がいるんですよね。後者の人は結構企業なんかで大活躍するタイプかなと思うんだけど、そういう人が今はけてないんですよ。ですから、これはやっぱり是非企業なんかも入れるパスと、あとは例えば創薬なんか特許を欧米で見てみると大学、研究所、大企業もあるんですけど、やっぱりかなりの部分がベンチャーで、ですから大企業がボーンとやる前のところを小さい企業がかなりやっていると。日本の場合は今そんな感じで、駄目ということになっているので、そこを育成できるような感じにすると、大学にも特任という形で行けるかもしれないし、あと企業に行っても短時間の特任ということで両方のポジションを持てるかもしれないし、企業にいながら教授というポジションを持てるかもしれないし、あと企業にもまた行ける。そういう夢がないとやっぱり今の賢い20代の人は食い付いてこないから。

【田川委員】 周りも結構シビアだからやめとけというようなことを言う人が…。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうすると出口としては3つぐらいの類型があるわけですかね。研究者としてやっていく道、あるいは企業のエンジニアとしてやっていく道、さらに利用プラットフォームのコーディネーターみたいなところでやっていけるような道とか。

【鳥養委員】 それが単なるコーディネーターじゃなくて、この人たちがいろんなことが分かるいわばイノベーションのキーパーソンになれるぐらいここに力を入れたら、つまり一たび赤のところに来たらば、もう引っ張りだこだよというぐらいになれば人材が集まってきますよね。

【上坂委員】 文科省さんとも交流して…。誰が行くとか、誰がそこに座っているとか、そんなのもあっていいんじゃないですか。

【鳥養委員】 それこそプラットフォームのコーディネーターになったらば企業さんから声がかかってもこっちの方が条件がいいからと、そのぐらいの条件にしてほしいと思います。最初は国の予算が必要でも、ここがしっかり育てば、例えばここだけで営業ができるぐらいに2025年にはなる可能性もありますよね。それぐらいに育てようというつもりでやられたらいかがでしょうか。

【木村量子放射線研究推進室長】 そうですね。ありがとうございます。

【上坂委員】 アメリカなんか見ていると、結構DOEなんかに科学者の方が入って、ある部分のところの政策をずっと責任持ってやっていくというのがあって、ある部分のところは研究者がワシントンに行ってずっと見て、その人たちは研究者でもあったので内容が分かっていて、真ん前に座っていっぱい質問しているとか、そういうのもあったらいいような面もありますし、あとそういう人が大学にも企業にも人事交流したりとか、そういうところがよろしいかなという気がしますね。

【井上主査】 ほかにございますか。
 ポスドクの出口論というのがかなりシビアなようですけど、やっぱり見えるようにするということなんでしょうね、そういう人がいるということが。

【田川委員】 待遇とか、あとやる仕事が、先のポテンシャルを作れるような仕事を本当にここでさせていただけるかどうか、そこは…。

【井上主査】 大学の先生も多少意識改革が要るんじゃないかと。大学での研究だけがいいという、その後継者を養えばいいという感覚では1万5,000人は違いますよね。だけども、現状では企業の方では博士まで取ったら使えないというところの方が多いかもしれないからミスマッチが起こっているんでしょうから、そうじゃなくで、採るときまでの分野が違っていてもポテンシャルを持っている人なんだということが見える、このプラットフォームに突っ込んでおる間に見えると。で、見えてくると、先ほどおっしゃったように本当に見えたやつはどんどんお採りになったらいいと私は思うけど…。

【庭野委員】 後々のことを考えるとなかなか簡単に…。

【田川委員】 関係が悪くなっちゃう。

【庭野委員】 関係が難しくなっちゃう。初めからそういうふうにしてもらっていればね。

【井上主査】 それは大学側のエゴイズムじゃないですか。むしろ大学側でも本当はその人たちのことを考えておられる教授の方々は自分の手伝いを残そうというようなことでポスドクをたくさん抱えるということではいけないぐらいはお分かりだと思いますけどね。

【田川委員】 確かに先生がおっしゃられるとおり、役に立つ仕事もできるけど教授の手伝い的な感じになったらだめですよね。確かにそこら辺が日本の場合、難しいかもしれないですね。

【井上主査】 これはまだまだ議論はあることだと思いますけれども、ポスドクと人材にかなりフォーカスしていますけれども、他に何か重点課題ということでお気付きのようなことはございますでしょうか。

【浦川委員】 これをざっと読んで、深く分かっているわけではないのですが、量子ビームというと僕なんか思うのは、偏極しているとかそういうもののスピンとかを利用した方が、そういう話が少しは書いてあるんですけど、あまり深く書いてなかったような気もするんですが、最近ビーム生成のことをいろいろやっていると、90パーセントのポーラリゼーションの電子ビームを作ったりとか、ガンマ線にしろX線にしろ、ポーラライズしたガンマ線、X線を作ると。それはそんなに難しくなくなりつつあって、強度を上げる、あるいは質を上げるのはもちろん当然のことで、いろんな量子ビーム利用がもっと拓けてきますから、それは重点課題を抽出するときの1つのものの見方だと思うんですけどね、質と強度。それから今言いましたような新しい性質の利用、スピンの利用とか。おそらくもう1つ、上坂先生もおっしゃっていましたけど、いろんなところに普及させようとすると小型化みたいなこと。それから多分エネルギー効率がいいと、つまりあまりたくさん電気を使って動かすようなものじゃなくて、どっちかといったら、加速器はエネルギーを生みませんけれども、原子炉の場合はエネルギーを生むんだけれども、そういう今後考えられる効率の悪いものじゃなくて、レーザーにしてももっと効率のいいレーザーとか、加速器にしても効率のいい、電力をあまり使わないようなものとか、そういうものをよく考えた方がいいように感じたんですけどね。将来の5年、10年の重点課題として見るときのポイントとしてですけれども。

【井上主査】 この表の作り方ですけれども、左の方に課題が書いてあって、その課題にとって現状の技術がどうだとか、さらにこういう開発をしなければいけないと並べてあるんですけど、今おっしゃるような我々が持っているシーズみたいな技術がどんなにいろいろあるかというのがあって、左にニーズの課題があってそれは必ずしも1対1で対ではないですね。いろんなところに役立つ。そういう図が要るんでしょうね。そのときにすぐに使えるものもあるけれども、途中の段階としては開発が要るとか、何かそういうのが分かるようなのがあると。中を見ているとやるべきことのところに同じのがいろいろ出ているというのかありますよね。だからその辺りは、むしろ開発側から見ればそれはどの課題であってもいいので、その開発をやるということで課題を与えたらいいわけですよね。その辺が見えるような、これ自身も要りますけれども、そういうのがあるとわかりやすいかもしれない。

【木村量子放射線研究推進室長】 共通基盤性が分かるようなイメージですかね。

【鳥養委員】 私どもは20年来、待ち焦がれていたJ-PARCができるというのがうれしくて、いわばそこに結集してきているわけですけれども、先ほど上坂先生がおっしゃったことは大変目を開かれた思いがするんですけど、やはり普及のための小型のものとか、最先端の装置にかける前にまずサーベイするような小型のものが身近にあるということは非常に大事ですし、長らく疑問に思ってきたことがあるんですけど、放射光がSPring-8ができる前に企業がいろいろなところで小型のものを作られましたよね。ですからX線と放射光とSPring-8との間にそういう中間段階のものがあったはずなんですけれども、あれは企業さんが今活用されているのかもしれませんけれども、むしろSPring-8ができたから廃れてしまったのでしょうか。

【井上主査】 さっき私がちょっと申し上げた大学のこういうやつと企業の大量生産の、いきなりこのツールだとやっちゃったんだけど、こっちはこっちでまだレーザー技術で十分対応できるというので売れなかったというのがあるわけですよね。だから各レベルがあって、それをちゃんと押さえておいて、ああいうものも持っておいたらよかったんじゃないかという気がしますけどね。

【鳥養委員】 そういう前例を勉強しながらどうやって普及のための小型のものに力を入れていくかということも非常に大事ですので、ここに議論させていただきます。

【田川委員】 X線管から放射光にいって、それで小型の加速器を作られて、そして例えば産業用とかそういう分野に、特に半導体とかそういうところに使ってみたいとしたけど、それはあまりうまくいかなかったというのはさっき…。小型化というのも非常に大きなトレンドであることは間違いないんでしょうけれども、それと同時に量子ビームというふうになっていますので、もちろん大型装置をここできちっとやる、それから国費をかけて、それから社会のトップをいくという、それを整備すると同時にやっぱり量子ビーム全体のことも考えながら、小型化だけではなくて量子ビーム全体のあれも見ながらは必要なのかなと。もしこれしか委員会がないのであれば。

【井上主査】 国に加速器全体を眺めるようなものがないんですね。

【木村量子放射線研究推進室長】 今ないんですよね

【井上主査】 ここも議論はいいんですけれども、予算論でいうと原子力予算的なところの枠みたいなのがちょっとありますよね。ただ、議論することはいいんだと思います。小型化は医療なんかも特にそうじゃないかと思うんですけれども、何か。

【神田委員】 今の放医研の前期の中期計画期間中から小型化の技術要素の開発をやってまいりましてその成果が実りまして、今期は群馬大学ですとかいろいろなところで実際にできてきて、今後またそれの有効性を検証する段階に入ってまいりました。小型化があって初めてその技術が一般の方のものになる、皆が良さを感じるということがあると思いますので、大事なことであると思っています。

【井上主査】 普及になるともっと安くならなきゃいけないという気がしておりますけれども。そろそろ時間でございますけれども、他に何かございますか。よろしいでしょうか。いろいろ御議論はあると思いますが、これを見ただけですぐにはあれなので、いろいろお気付きの点があったらメールででも…。

【木村量子放射線研究推進室長】 メールででもお知らせいただいて、こんな視点で課題を抽出していったらいいのではないかというところも含めて、また他にもこんな技術があるというサジェスチョンもいただければ、最終的に表示させてまとめられればと思っておりますので、よろしくお願いします。

【井上主査】 今日見切れたわけではないので、そういうふうにさせていただいて、メール等で事務局の方へコメント等をお寄せいただきたいと思います。そういうものとそれから本日の議論を踏まえて事務局の方で整理して、また次回に提示していただきたいと思います。
 それでは本日の会議はこれで終わらせていただきたいと思いますが、次回以降の予定についてお願いします。

【木村量子放射線研究推進室長】 資料2に今後のスケジュールがございます。既に皆様には事務的に御連絡を差し上げているところですけれども、次回は連休明け5月16日水曜日、また同じ時間、同じ場所で開催させていただきたいと思います。今日いただいたコメント、また今後いただくコメントなども踏まえて研究開発体制・人材育成体制、それからこの整理表の方も修正させていただいた上で提示させていただきたいと考えております。可能であれば報告書の方向性みたいなものも出していければいいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【井上主査】 どうもありがとうございました。

─了─

(研究振興局基礎基盤研究課量子放射線研究推進室)


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