資料4  今後の地球観測推進において取り組むべき事項

今後の地球観測推進において取り組むべき事項
(これまでの主なご意見)

1.地球観測の重要性

○ 我が国において様々な課題解決に貢献する地球観測を今後も着実に推進していくためには、現状に加えどのような方策が必要か
○ 地球観測に関するユーザの声を拾い上げ、広く支援を得ていくにはどのようにすべきか
○ 国民に対し、地球観測の重要性や価値をどのようにアピールし、理解を深めていただくのか

・ 地球観測を我が国としてしっかり守っていくことを考えるべきである。
・ 観測に関わるプログラムを推進するように政府としてアピールすべき。また,地球観測ユーザのバックアップを得られるようにしていくべきである。
・ 観測だけではなく,データ利用研究において,具体的にどのような影響がでているのかをモデルや観測データを使って示していくことが重要である。観測データとデータ利用研究のつながりをわかりやすく示すことが必要ではないか。
・ 国の役に立っているにも関わらず観測の予算が減っていることは残念である。国民に観測の価値を理解してもらえるように観測の重要性をもっとPRすべきだと思う。
・ 地球規模の課題を解決するために,地球観測がどのように役立っているのか,それが国民にとってどのような利益があるように活用されているのかを説明していくことが重要である。
・ 地球観測の重要性やどのように役立っているのかが一般の国民には知られていない。メディアが取り上げやすいタイミングと内容で発表することが効果的であり,DIASのデータを利用したことを合わせて発表してもらうことで,地球観測データが役立っていることがアピールできる。
・ 中学や高校などの先生向けに地球観測の成果を説明した事例集のようなものを作成して,教育機関にアピールしていくのもよい。
・ 政治レベルに対して地球観測の価値をわかりやすく理解してもらうことも重要であり,それが我が国にとってどれだけメリットがあるのかを説明できるといい。ナショナルセキュリティや科学技術外交の面でも国際的なプレゼンスを向上させることが必要になる。

2.データ利用の枠組

○ 地球観測データの利用の枠組みをどのように構築していくか(民間企業等による利用、データ提供のインセンティブ、データ公開のモラトリアム、オープンサイエンスの流れ、ほか)

・ プロジェクトの公募要件に,データの整備と公開を義務付けるようにすることが有効ではないか。また,応募する機関においてデータポリシーが整っているかどうかもチェックできるようにできないか。
・ 民間や市民がデータを利用するにあたっては,そのデータが公開されているかどうかが重要である。
・ 企業がデータを利用する場合には,たとえ有償でもデータの信頼性が重要であり,業界標準や信頼されるデータソースになっていることが重要である。
・ 欧州のコペルニクスの衛星データは基本的に無償提供である。利用推進のためにどうオープンポリシーを作り上げていくかが重要になる。
・ 研究者は論文や特許に結びつかないと評価されないが,データを公表することでも研究者の評価を高めるようにしていく必要がある。
・ 企業が自分でデータを使うだけではなく,そのデータを利用して新たな情報を創出し,展開していくにあたってはデータの利用規約が重要になる。何がデータ利用の制約になっているのかを精査することが必要である。
・ 企業が利用するにあたっては,知財の問題もクリアする必要がある。データをオープンにするかどうかは,それが国益に資するかどうかも判断する必要がある。
・ ナショナルデータセンターとして,海洋に関しては日本海洋データセンター(JODC),海洋生態系については海洋生物地理情報システム(OBIS)があるが,北極データを網羅するデータセンターがまだない。GEOSSやDIASの枠組みを使ってデータを収集,公開できる枠組みがあるといい。

3.民間企業等との連携

○ 地球観測データをより広く社会に活用してもらうためには、どのような民間企業等の関与が必要か
○ 課題解決型の地球観測は民間企業等にどのような便益や機会をもたらすのか、また、その可能性をどのように示していくのか

・ 民間との連携については,民間をドリブンする論理が重要でそれを使って様々な分野での民間連携を進めるべきである。
・ 出口を考えるときに民間のプレーヤーの関与が重要になる。DIASを民間で使えるようにしていくことも重要であり,仕組をつくるときに民間を検討に加えたり,パイロットプロジェクトに民間を関与させるなど,民間活力を利用することも重要と考えられる。
・ 地球観測の重要性をPRするためにも,民間利用の推進の枠組をしっかり作っていくことが重要である。
・ 官民連携で,地球観測データ,衛星データを課題解決に使っていく枠組みをどうつくるか,そこに向かってどうアプローチするかが重要である。
・ 欧州のコペルニクスのような官民連携でデータ提供者だけではなく,ユーザを巻き込んだ形で仕組みを作り上げ,あるレベルになった段階で離陸させるような仕組みを作るのもいいかもしれない。
・ SDGsは民間の関心も高い,そのような国際的な枠組みの活動のなかで,民間がどのように参画できるのか,地球観測と民間企業との連携の枠組みを構築できるといい。

4.国際的な視点

○ 全球地球観測システム(GEOSS)の構築・実施や、持続可能な開発目標(SDGs)の実施に我が国が取り組むに当たって、地球観測はどのような役割を果たしていくべきか

・ 地球観測データをどのように統合していくのか,その先にどのように国際的な枠組み,地球規模課題につなげるのかの2段階のプロセスが必要になる。統合については,DIASの活用を強く呼びかけていくことが必要であり,次の段階は,地球観測で得られたデータを社会の問題解決につなげるためにフューチャー・アースの利用なども検討する必要がある。
・ 国際的なプレゼンスをあげる努力も重要であり,国際的なルールを決める場に出てくような人材を育成し,継続的に顔を売っていくという地道な努力や支援も必要になる。
・ SDGsを推進するにあたり,地球観測側からの貢献が薄いと思われる。世界に対して様々な場面で地球観測の重要性をアピールする必要がある。

お問合せ先

研究開発局環境エネルギー課

(研究開発局環境エネルギー課)