第3章 課題解決型の地球観測に向けて

第3章 課題解決型の地球観測に向けて

  地球観測がいかに国民生活に利益をもたらすかの視点に立ち、課題解決型の地球観測を実施するに当たっては、観測体制や観測項目等の見直し、強化を図り、観測データの取得から、観測・予測データに基づく知見の創出、情報の発信、人々の行動判断や課題解決に至る一連の道筋を明確にすべきである。

  課題解決型の地球観測を推進するためには、理想とする将来像の実現に向けてどのような地球観測に取り組むべきかを考える、いわゆる「バックキャスト型」の推進が求められる。そこで、本部会は、上記第2章の基本認識を踏まえて、「バックキャスト型」の方法により、実施すべき課題解決型の地球観測の内容について検討することとした。
  そこでは、「GEOSS新10年実施計画の検討に向けた我が国の地球観測の方針(中間取りまとめ)」を踏まえ、地球観測の課題解決への貢献や我が国が強みを持つ観測分野の更なる強化を念頭に、「活力のある社会の実現」、「防災・減災への貢献」、「将来の環境創造への貢献」の3つの観点から、10年程度先を見据えた理想とする社会の将来像を踏まえた地球観測の在り方を検討した。その上で、これを実現するために、どのような地球観測を行う必要があるか、どのような革新的な観測技術が必要か、長期的な継続が必要な観測は何か等について検討した。その結果明らかとなった今後10年間の地球観測が貢献すべき課題及びその解決に必要な地球観測の内容は第4章に、共通的・基盤的な取組については第5章に、地球観測を我が国全体で推進するための統合された地球観測の推進体制・組織については第6章に述べる。

  また、CSTIのレビューが、今後新たな10年に向けた我が国の国民の安全・安心、経済社会の発展、人類の持続可能性と福祉の確保のために克服すべき課題として挙げている、1)喫緊の社会的ニーズへの対応、2)政策課題の解決に向けた地球観測の貢献、3)データ活用の促進とそのための人材育成、4)長期継続的な地球観測の実施、5)分野間の連携及び多様なステークホルダーの関与の促進とそれを担う人材育成、6)科学技術外交・国際協力への地球観測の貢献、7)地球観測による科学技術イノベーションの推進の7つの課題への対応について、7つの課題のうち、1)及び2)への対応については「第4章課題解決型の地球観測」に、3)~7)の課題への対応については「第5章共通的・基盤的な取組」に反映させた。

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(研究開発局環境エネルギー課)