原子力分野の研究開発に関する委員会 核融合研究作業部会(第25回) 議事録

1.日時

平成22年11月26日金曜日 13時30分~16時30分

2.場所

文部科学省18階 研究開発局会議室1

3.議題

  1. 核融合研究開発のあり方について
  2. その他

4.出席者

委員

小森主査、疇地委員、石塚委員、大島委員、香山委員、髙津委員、髙村委員、東嶋委員、松田委員、吉田委員、小川教授

文部科学省

片岡研究開発戦略官、西山核融合科学専門官、山田科学官、門学術調査官

5.議事録

【小森主査】  それでは、1分くらい早いかも知れませんけれども、おそろいのようですので、ただいまから第25回の核融合研究作業部会を開催いたします。本日は、平山委員、それから、堀池委員からご欠席との連絡をいただいております。

 また、今回から本作業部会の委員として、日本原子力研究開発機構の髙津委員に審議に加わっていただくことになりましたので、ご紹介いたします。では、一言お願いします。

【髙津委員】  原子力機構の髙津でございます。主に今、ITERを担当させていただいております。よろしくお願いいたします。

【小森主査】  また、本日は、山田科学官からお話がありましたけれども、東京大学の小川先生に起こしいただきまして、後ほどご説明をいただく予定になっております。

 本日の議事についてご紹介いたします。本日は、核融合研究開発のあり方について、その他についてご審議いただく予定です。

 それでは、続いて、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

【西山核融合科学専門官】  それでは、お手元の資料をご確認をお願いいたします。本日の資料は、議事次第のほうにも記載をしておりますけれども、3点ほどございます。資料1が核融合研究作業部会審議メモ(案)でございます。続いて、資料2が、核融合研究開発のロードマップに対する核融合ネットワークでの検討結果、84ページにわたるものでございます。それから、最後は資料3でございまして、第7回のITER理事会共同声明の発表についてでございます。漏れ等ございましたら、お手数ですけれども、お知らせいただければと思います。

【小森主査】  まずは、議事の1ですけれども、核融合研究のあり方についてです。資料1に基づきまして、西山専門官からご説明お願いいたします。

【西山核融合科学専門官】  それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。前回の会議におきまして、今後の議論を円滑に進めるためにも、現在、核融合研究の国の基本的な考え方、あるいは基本方針についてまずは共通認識を持った上で議論すべきではないかというご意見をちょうだいいたしました。そうした意見を踏まえて整理したものが資料1でございます。

 内容に入る前に、資料1の性格でございますけれども、私どもの考えといたしましては、まず、現在の核融合研究の立ち位置を再確認する。それから、原型炉開発に向かっての課題を整理して、ロードマップを最終的につくっていくわけなんですが、ロードマップの精緻化、詳細化を図っていく上でのベースにしたいと考えております。なお、第5期につきましては、この先生方でのご議論は、そろそろ期末に向かっておりまして、今回ご議論をいただいた後に、一たん取りまとめをして、議論としては、一たんの区切りをつけたいというふうに考えております。ロードマップの詳細化については、さらに、当然将来にわたっている課題でございますので、検討していくということを、第6期以降にまた考えたいというふうに考えております。

 それでは、資料1の内容について若干触れさせていただきます。前回の資料と比較いたしまして、構成を大きく変えております。構成は大きく言って3つでございます。共通認識を図るために、手段として、核融合研究開発の意義と基本的方向性についてというのを1ページに書いております。それから、2番目といたしまして、現在の状況がどうであって、どんな課題があるのかということで、2番目として核融合研究開発の現状と課題についてを挙げております。それから、最後に、3点目として、7ページ以降に出てまいりますけれども、原型炉開発に向けたコミュニケーションとの検討・推進体制のあり方についてということ、以上、3点でまとめております。

 個々に説明をしてまいりたいと思います。まず、1番の、核融合研究開発の意義と基本的方向性についての箇所でございますけれども、こちらは、核融合にかかわる国の基本的な方針、あるいは議論のベースについて共通認識を図るために、原子力委員会で策定をされた第三段階の核融合研究開発の計画のもとで、平成17年度に示されております「今後の核融合研究開発の推進方策について」、これに基づいて研究計画が進められていることを改めて明確にした上で、白丸の2番目にもございますが、トカマクのみならず、ヘリカル、レーザー方式による可能性についても評価を加えながら、全体として全日本的な体制でもって今後も推進をしていくということを記してございます。

 それから、めくっていただきまして、2ページ目、そういう共通認識に立った上での話になりますが、現在、原型炉に向けての議論をいただいているわけでございますけれども、原型炉の前に現在進めている実験炉、特に第三段階の中核をなしますITER計画、それから、それを補完するBA活動から得られる知見、これらが原型炉開発のためにも重要であるという考え方を示しております。その上で現状と課題を示しております。特に1の(1)ITER計画の進捗状況と課題のところでございますが、第2パラグラフの終わり、3行目のところでございますが、今後の核融合研究開発の推進方策についてのチェック・アンド・レビュー項目に基づいてチェック・アンド・レビューを行うことが今後の原型炉開発のために必要不可欠であると書いております。このチェック・アンド・レビュー項目と申しますのは、委員の先生方、お手元に、赤いファイルの資料があると思いますけれども、こちらの4番目に今後の核融合研究開発の推進方策についてというのをファイリングしております。こちらの60ページ目になりますけれども、こちらにチェック・アンド・レビュー項目、トカマク方式で想定した場合にどんなことが必要になってくるかということがまとめられております。前回チェックポイントという話が出ておりますけれども、このチェック・アンド・レビュー項目に基づいてやっていくことは重要であるということを書いております。

 それから、2番目の(2)BA活動の推進状況と課題のところでございます。こちらについては、3ページ目になりますけれども、3ページ目の8行目以降、特にJT-60SAの計画について触れております。これも下から4行目になりますけれども、ITER計画では行うことが難しい原型炉で必要となる高出力密度を可能とする高圧力プラズマの長時間維持を実現し、将来の原型炉の運転手法を図ろうとするものである。このため、全日本的に着実に取り組むことが必要であるということで、ITER計画では難しいと言われるものをやはり原型炉のために日本としてやっていかないといけないということをまた明確に書いてあります。

 それから、実験炉の次に当然原型炉ということになるわけで、2として、原型炉に向けた研究開発の現状と課題ということを挙げております。第3パラグラフ目になお書きとして、いわゆる原型炉に求められる条件等を書いておりますけれども、こちらのポイントとしては、めくっていただきまして、4ページ目でございます。4ページ目の上から2番目のパラグラフの8行目でございます。その後、ITER計画やBA活動が進捗したこと、あるいはトカマク方式のみならず、重点化を図ったヘリカル方式、レーザー方式の研究も進展してきていることから、改めて発電技術の実証を行う原型炉段階への移行の合理的な可否判断を可能とするために、原型炉の開発に向けた具体的道筋を整理し、原型炉という目標に向け、ITER計画・BA活動をはじめとする研究開発とそれ以外の学術研究を統合させる戦略を構築することが必要となっているというふうに書いております。そのまま読みましたけれども、用は、トカマクを中心に考えながらも、ばらばらではなくて、ヘリカル方式、レーザー方式含めて有機的に知見をうまく統合させながらやっていく戦略が非常に重要だということを改めて強調しております。

 それから、進みまして、今トカマクの話をしたわけでございますが、先行するトカマクについて書いてあるのが、(1)トカマク方式による研究開発についてでございます。マル1でまず、ITER計画、BA活動の研究成果の活用の重要性を掲げております。

 それから、5ページにまいりまして、5ページのマル2のところでございますが、ITER計画、BA活動だけではなくて、それ以外の活動からのインプットが必要であるとして、こちらは、以前から核融合エネルギーフォーラムにおいて分析をいただいておりますけれども、技術開発項目として9項目を挙げていただいております。こちらについても、ロードマップの詳細化を図るという意味では、トカマクを中心とした場合の課題として据えて、今後、どうやっていくかということを取り組む必要があるということを指摘しております。

 それから、トカマク方式でやった場合の極めてクリティカルなポイントについて、マル3にチェックポイントとして挙げております。間違って「ディスプラション」と書いておりますが、ディストラクション制御等の課題があるといったものがチェックポイントになるということでございます。

 トカマク方式と並びまして、学術研究として重点化を図ってまいりましたLHG、レーザー方式による研究が着実な進展を上げてきております。ということで、(2)の項目におきまして、原型炉開発に向けては、炉工学等を含めまして、極めて総合的、複合的な知見が必要になってくるわけでございますけれども、知見の幅広い蓄積、活用が重要であるということを改めてここで記しております。

 それから、個々に申しますと、マル1のLHD、ヘリカル方式でございますけれども、こちらにつきましては、パラグラフの9行目、今後、ダイバータ改造による熱粒子制御の向上や重水素の使用のための実験設備の拡充と定常及び安定性に関する学術的に重要な課題の解明に一層の努力を払う研究展開が必要であると書いておりますけれども、NIFSのほうで、新たな研究フェーズに移行しつつあるということで、炉の方式によらずに、学術体系の知的ベースとして、今後の提供が必要であるということを述べております。

 それから、マル2のレーザー方式の部分でございますが、これは、7ページをごらんをいただきたいと思います。課題とされております炉工学技術につきまして、我が国発の大きなブレークスルーがあって、炉用レーザー開発の見通しが得られつつあるということに言及をしつつ、一方で、現在、FIREX-1というものが進んでいるわけでございますが、FIREX-1に対する適切な評価を行う必要があるということを指摘させていただいております。

 最後の今後の検討・推進体制のあり方でございますけれども、重要な部分で、最終的にはロードマップを詳細化していくわけでございますが、本日、まだロードマップができているわけではございませんが、その中で、パラグラフでいいますと、第3パラグラフになります。大学を中心とする核融合研究コミュニティである核融合ネットワークにおいてはとありますが、本日は、核融合ネットワークの代表として、小川先生にお越しいただいております。今後必要となる研究開発の課題につきまして、ネットワークで検討がなされているということでその状況をご報告いただくということで、後でしっかりとした説明があるかと思いますので、よろしくお願いします。

 まためくっていただきまして、最後に、(2)進路決定の仕組みづくりとそのサポート体制についてということでございます。常に、綿密なコミュニケーションが重要であるということで、特にパラグラフの下から3行目でございますが、中核として日本原子力研究開発機構と核融合科学研究所を中心として大学及び産業界との連携の強化、それからフォーラム、ネットワークのコミュニティーの合意形成が今後の原型炉開発のかぎになるということを書いてあります。

 あとは、以前から、人材育成が非常に重要であるということを言われておりまして、2の産学官民一体となった推進・支援体制の構築の(1)におきまして、人材育成のあり方等について触れております。特に第3パラグラフでございますが、若手コア人材の組織化であるとか、あるいは国際原子力人材育成イニシアチブ事業の枠組みの活用であるとか、また、キャリアパスの位置づけのような仕組みが必要であるというようなことを新たに書き加えております。

 それから、最後になりますけれども、(2)で核融合研究の成果の発信及び社会、産業への波及効果の部分でございますが、こちら、上から3行目になりますが、「核融合という用語は」と書いておりますが、核融合にかかわるプラズマの科学であるとか、そういったものについて国民の皆さんに正しい理解が得られるような取り組みが必要であるということを書き加えております。

 非常に簡単でございますが、以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。それでは、山田科学官から何か補足がありましたら、お願いします。

【山田科学官】  事務局側から、いろいろ情報を先生方にご説明した上でこの後、十分時間をかけて議論いただきたいと思いますので、私から、少し、西山専門官から非常に要領を得た説明がありましたので、強調すべきことだけ、つけ加えさせていただきたいと思います。

 まず7ページ目の真ん中あたりから、3の1.の国内における総合的な検討を行うための今後の体制についてというところの2つ目の段落が大事だと思うんです。最終的には総覧、分析をした全体計画をロードマップしてダイヤグラムして示すこととすると。このロードマップではチェックポイントを示して流れを明示する予定であると。

 そして、一番強調したいことが、このロードマップが単に策定にとどまらず、実際にその実現が図られるためには、いかに考えていかないといけないかということが必要だと思います。そのためには、検証、推進体制及び研究を支える幅広い支援体制の構築が図られる必要があるということで、これのベースになることを、その下にありますように、これから小川先生のほうからネットワークの検討をご説明いただきますので、こういった観点で、例えば、進行方策としてどういうものがあるかとか、欠けている点、あるいはちょっと余計な点、これは少し後でもいいんじゃないかということを議論して、優先度といいますか、そういったものを議論していいただきたいと思います。

 小川先生のほうからも、こういったロードマップに対応していくようなご指摘がいろいろされるわけですけれども、実際には、それを実行していくことが非常に大事ですので、それについての、ぜひ、進行方策というものをご議論、今回だけではもちろん済みませんけれども、今後も具体化を図っていくためのご議論をいただきたいと考えています。

 それと、8ページ目の一番下の2行にありますが、ロードマップというと原型炉に向けてかなり長期にわたる、遠く見るわけですけれども、しかしながら、私どもの前には非常に重要な問題がありまして、ITER計画、BAをきちんと進めていかないといけないという観点がありますので、この下の2行にありますように、これは、かなり喫緊の課題ということになるかと思いますけれども、ITER計画、BA活動に関する学術コミュニティーの意見、知見が一層広く反映されると、あるいは産業界との円滑な連携協力の一層の強化が図られると、こういったことについても、ぜひ、今日、ご議論いただきたいと考えております。

 ですので、いかにして実現していくということに関しては、例えば、学術サイドから言いますと、昨年、2年来ですね、学術会議でのマスタープランという議論がありまして、ボトムアップ的にできましたものに対して、非常に大きな研究をどうやって実現していくことができるかような議論がされておりまして、学術会議から出てきたような計画が、文部科学省の学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会等で議論して、一定の優先度を判断するようなプロセスが確立されつつあるわけです。

 そういった時代の流れもあります。時代の流れと言いますか、大型プロジェクトに関して進めていくかというフレームワークがかなり明らかになってきていますので、そういった観点からも、核融合の、ぜひ、こういった、これからいろいろお話しをいただくものに対して実現していく、図っていく、そういった進行の方法というものを先生方の間でぜひご議論いただきたいと考えております。

 以上です。

【小森主査】  ご議論は後でまとめてということですので、山田先生のほうから、小川先生に、今日来ていただいた経緯とか、その辺の説明をお願いします。

【山田科学官】  経緯をまず簡単にご説明いたします。

 吉田前科学官と私が調査官をやっていたころに、ロードマップを目指して材料、情報というものを分析した上で出していただきたいということをフォーラムとネットワークにお願いしました。それで、ネットワークのほうでご検討いただいた結果については、我々のほうに出していただきまして、それには、幾分、まだこなれていない、ちょっと失礼な言い方で申しわけないですけれども、全体としての矛盾とか、そういったものが幾つか感じられるところがありましたので、ここでの部会での議論に上げていくためには少し精査する必要があるだろうということで、この部会の了解をいただきまして、若手というよりも、中堅クラスの方々に、一度全体を俯瞰するという形で確認をしていただいたらどうかということで、若手の、若手って失礼ですね、中堅の方々に作業をしていただきました。

 その上で、そこで出ましたコメントをさらに検討していただくことを小川先生のほうにお願いいたしまして、小川先生から、今回、そういったこと、指摘された問題、ある意味、失礼な言い方で申しわけないんですけど、評価を受けたものに対してもう1回分析を加えて、今日ご説明をいただくということになった次第です。

【小森主査】  では、小川先生、お願いします。

【小川教授】  はい、わかりました。それでは、資料2に沿って説明させていただきます。

 今、山田科学官のほうからご説明がありましたので、大体の経緯はご理解いただいたと思いますけれども、まず、これは厚い資料ですので、全体構成を簡単に紹介させていただきます。

【香山委員】  すいません。ちょっと質問させていただいてよろしいですか。今、資料1の議論は、2が終わってからやるという意味なのでしょうか。

【小森主査】  そうです。まとめてということです。

【香山委員】  考え方でいきますと、資料2というのが、審議メモがあってこういう状況という理解が正確にされて、その中の1つとして、頼んだ作業の中身が議論されると混乱しないような気がするのです。

【小森主査】  最初のほう、終わってからという意味ですか。

【香山委員】  ええ、いや、そうだと思いますが、そうじゃないんですか。皆さん、それでいいとおっしゃれば結構ですが、というのは、1番は全体を少し俯瞰して、大きく全体のあり方の議論なんです。それに対して、2番目のほうはネットワークとか、そういうもう少し踏み込んだ議論。その踏み込んだ議論が必要だという前提が、むしろ、1のところできちんと書かれていて、そこでどうあるべきかというのがきちんと理解された上で話されないと、いろんなところで混乱するというか、誤解を招く可能性があるような気がするのです。特に技術のディテールのことが当然入ってきます。そのとき技術のディテールはどういう基本認識のもとで行われるかというのがないのはよくないような気がします。あくまでも提案ですので、議長の判断でどうぞ。

【小森主査】  この件に関して何かご意見ありますか。

【山田科学官】  今日のところは、何かをまとめるというものではなくて、まだブレーンストーミングの段階だと正直言って思うんです。ですから、こちらで用意した材料を皆さん、先生方にお見せした上でいろいろ意見交換をされたほうが、情報としては、たくさんありますので、十分議論の時間はとってありますので、例えば、香山先生のご指摘に対しては、この後、2時間以上時間をとっておりますので、少し時間帯を分けて議論するとか、そういった工夫をしていただければよろしいかと思いますが。

【松田委員】  私も、やや、おや?と思ったのは、コミュニティーで検討していただいているのに1つはネットワーク、それから、1つは核融合フォーラムでもたしか検討していただいているんじゃないかと思うんです。だから、両方のレポートを聞いて議論するというのが筋じゃないかと思っているんですが、このグラフというか、あれを見ると、今日の議論のためにまずネットワークを聞きますという位置づけだったらわかるんですけど、もし、コミュニティーとのリンクとかを考えるんだったら、両方とも聞かないといけないんじゃないかなと思います。

【香山委員】  いや、すいません、実は、それについては、後ほど言うべきだと思ったのですがけれども、これは、小川先生については、非常に問題だと思うんですけれども、実際には、核融合ネットワークと、核融合エネルギーフォーラムの関係者というのは実はもう実質的には一体化されていて、かなりの分の議論も合同会合で議論したりしているのです。それが、なぜきちんと書かれてないかというのはむしろ問題があって、この後の資料で、先走って読んだところで見ると、結局、一部のネットワークじゃない人たちに協力を得たという書き方をしているんですが、そういう人たちは、ネットワークのメンバーじゃないけれども、参加したという意識ではなくて、ネットワークのフォーラムの合同の作業部会としてやってきたということがあるわけですから、そういうことは、やっぱり、小川先生、自分の名前で出される資料ですから、的確に、正確に書くのはやっぱり責任だと思います。

【小森主査】  また、それは、後で問題であればご指摘いただくとして……。

【香山委員】  ただ、その前に、そういうものを含めて資料1の中で議論されるべき問題がいっぱいありそうだということなんです。

【小森主査】  今の進め方についてほかにご意見ありますか。松田先生、どうですか。別々にやったほうが……。

【松田委員】  いや、私が聞きたいのは、ここで議論してもいいですけど、フォーラムのレポートは別に出てくるんですねという認識があるから、それだったらいいですけどという。

【小森主査】  それは、また後でやりませんか。

 そういう意味ではいろいろとあると思いますけれども、私としては、やはり、小川先生は時間的には20分ですので、その後、ご議論いただくということでお願いしたいと思います。

【小川教授】  はい。いろいろご指摘ありがとうございました。それでは、説明させていただきます。

 まず、この資料の背景に関しましては、1ページ目、2ページ目に書いてあります。それから、3ページ目に関しましては、最初の科学官、調査官からの依頼文書でございます。それから、後でご紹介しますけど、14項目について詳しく検討した結果が、4ページ目以降に載っていまして、それが68ページまで載っています。それで、山田科学官からご説明ありましたように、中堅の方々がこれを読んでいただいてコメントいただいた分と。それで、それを踏まえて中堅の方々に関するネットワークからの回答をしましたけれども、それと同時に、中堅の方々が、我々の分析したものにプラスアルファした、新しいものをつけ加えまして、きれいな図にまとめていただいたので、それを参考資料としまして、69ページ、70ページ目以降に出しております。それがこの資料の全体構成です。

 それで、まず最初に、1ページ目、2ページ目についてご説明させていただきます。はじめにのところは、今、山田科学官に述べていただいたことが書いてありまして、昨年の12月にネットワークのほうに依頼がありました。どのような依頼かというのは、後でご説明します。それに対してネットワークのほうでアンケートをし、または、それから、いろいろな方に分析していただいたものを3月の段階で科学官と学術調査官のほうに返答しました。それを踏まえまして、中堅の方がいろいろ議論していただいて、それをまた、この秋にネットワークのほうで議論しまして、報告したと思います。

 それでは、まず3ページ目、どういう依頼があったかといいますと、吉田前科学官と山田前学術調査官のほうから、3ページ目の第2パラグラフにありますように、つきましては、広く核融合研究に携わる皆様から、今後この分野の研究を推進するために必要な事項について具体的な提案をいただきたく、特に以下の視点についてネットワークを通じた意見の収集と議論をお願いする次第ですと。

 3つあります。1つ目から、ITER・BAをオールジャパンで推進し、その成果を将来の核融合研究につなげるために必要な取り組みは何なのかと。特に注意すべき点は、ここに書いてありますけれども、最後のところにあるように、「ロードマップ」上での位置づけ・関係づけにご留意くださいというコメントがあります。

 それから2番目、ITER・BAと相補的な研究プロジェクトの具体的なプランをお書きください。それからその他、研究体制についての具体的な要望やビジョンを書いてくださいというものです。

 これを受けまして、具体的に検討すべき項目として私のほうで、いろいろな人にお願いするに当たって考えた基本的な考え方は、先ほどの資料にあります原子力委員会の平成17年度の考え方に基づいていますけれども、もう1つ、平成17年度の考え方で、西山専門官が述べられたこととして、キーワードとして、開発研究と学術研究という切り口がある。というので、ネットワークとしては両方にある程度学術研究も踏まえてどういう視点があるのかと。

 実は、正直申し上げますと、先ほど香山先生がご指摘のように、フォーラムのほうではトカマクを例にとって開発をやる。それでワーク・ブレークダウン・ストラクチャーを一生懸命検討する。そういうのをある程度把握していましたので、それは、ある意味では開発研究に特化している。ネットワークですので、すそ野を広く、学術研究として俯瞰したいという視点です。

 それからあと、先ほど西山専門官が言われましたように、基本的なスタンスは平成17年度のスタンスを踏まえますけれども、トカマクに限らずヘリカル、レーザーというのをある程度網羅する、相関、ある程度共通性を出すという意味で、コンポーネント的には分けようと。それは、私と炉工学ネットワークの日野先生と相談、それから所内幹事の先生方と相談して、コンポーネントごとに分けて、そうすると、キーになるコンポーネントは何だろうというので、14コンポーネントを出した。

 そうすると、極端に言えば、ブランケットというのはどの方式にしても必要ですから、そういう意味でどういうものがあるか、そういう観点で、ある程度拾い上げたつもりであります。それで、14項目をリストアップしました。

 この関係者、主にネットワークですから、特にこれを見ると、俗に言うなれば炉工学ネットワークの先生方が多いんですけれども、所内幹事の先生方に情報を流しまして、この辺に関してコミュニティーの中でそれなりに意見を集約を図って、レポート書いてくださいとお願いしました。そのときに、先ほど香山先生からちょっとご指摘がありましたように、一部のコンポーネントに関して、一部ということもないのかもしれないんですけれども……、それからもう1つ、ネットワークというものがどういうものなのかというのも申し上げなければいけないんですけれども、核融合研の方はもう十分ご承知だから言わずもがななんですが、ネットワークというのは基本は大学の先生が会員でございます。それから、核融合研の方も会員ですけれども、基本的には、核融合研はちょっと引いた形で、幹事として入っていただいている。大学の先生方が会員です。

 それからJAEAに関しては、正式にはネットワークの会員にはなっておりません。オブザーバーとして数名入っているだけです。それから、産業界の方も入っておりません。ですので、これは学術コミュニティーのほうの意見で、核融合というものを、学術コミュニティーというか、大学コミュニティーが核融合というものを俯瞰したときに、どういうものが必要であるかというものを基本的にまとめようとしたものです。

 ただし、先ほどちょっと申し上げましたけれども、項目によっては、かなりの項目のところですけれども、今、大学のコミュニティーだけでは不十分に答えが出ないというか、必ずしも情報が十分ではないということがありますので、それぞれの分野の方々、例えばブランケットで言えばブランケット関係の大学の先生と、それからあと、具体的にはJAEAの方とか、その辺の方と相談をしていただいてまとめていただければという形でお願いしてあります。

 という形ですので、この2ページ目の一番最後のところ、「おわりに」に書きましたけれども、「なお本検討を進めるにあたり核融合ネットワークメンバーではない多くの方々(特に日本原子力研究開発機構や電力中央研究所など)に協力頂いた点に対して御礼申し上げます」という形で……。

【香山委員】  1つよろしいですか。大変に大きな誤解をしておられるので驚くのですが、実は、このネットワーク立ち上げのときは、私も当時は若かったということもあって、工学に関しては特に本島先生と私が中心になっていろいろなルールをつくったりとか、全体の構造に関しての議論もかなり、私はちょうど当時NIFS客員助教授をやっていたものですから、やっていたんです。そのときに一番大きな問題は、財源がもちろん文科省の財源であるし、取り扱いが核融合科学研究所であるということで、JAEAの、当時の原研の人にはお金が払えないとか、企業の方に払えないという、それだけが縛りであって、最初の文書でも、これは日本の核融合コミュニティーをまとめるんだという活動で、原子力研究所の人にも参加をものすごく求めたのです。それから、企業の方にも参加を求めました。それは書類にも残っています。ただ、そのときにはやはり、組織上参加できないという回答を原研が寄こしたということがあります。

 ですから、核融合研は当時、入れないとは一言も言っていないのです。むしろ参加を求めているのです。

【小川教授】  すみません、私はそれを知らなかった。

【香山委員】  それで、早くまとめるようにと、一緒にすべきだと言ったのがそのままずっと来ていて、途中から多分、当時若かった方々は、これはもう明らかに大学だけの組織だというふうに思っておられるのですが、そうではありません。大学の人間に限定しているわけじゃない。むしろ、そうあるべきではないのです。

【小川教授】  そうです。

【香山委員】  なぜ早くそういうのをきちんと直していかなかったかというのを反省すべきだとは思うのですけれども。ということで、ぜひ認識を改めてください。

【小川教授】  はい、それは私。でも、そこは……。

【香山委員】  まあ、現実はそうです、今はね。

【小川教授】  そう申し上げると、前の私のネットワークの代表だった髙村先生と吉田先生にコメントを……。

【吉田委員】  原研の方、入っておられますよ。

【小川教授】  オブザーバーとして。

【吉田委員】  いえ、幹事とか何かにもなって。

【小川教授】  幹事としてで、会員としては情報を流してはいないんですね。

【香山委員】  入っているんですよね。

【小川教授】  入っているんですか。

【髙村委員】  オブザーバーという形ですけれども、実質的にはやはり、そういう方々にも当然入っていただかないと話が進まないということで、名前はそういう、ちょっと違いますが、実質的な議論はできたと思うんです。

【香山委員】  そうですね。

【小川教授】  私は香山先生の趣旨に全く賛成です。ただし、私はそう理解していなかったので、そうだったのかと。

【香山委員】  やっぱり大事なのは実質が大事で、ほんとうにコミュニティーが一緒になって議論をして出した意見というのが大事だから、文章のときにやっぱり、なるべくほんとうに一体化したものでやっているという表現を試みていただくべきだと思うんですね。

【小川教授】  というか、書いてよかったのかどうか、私に認識がなかったから書けなかったんです。逆に言うと、私は、大学の先生がネットワークはそういう意味だと思ったので出したんだけれども、コミュニティー、原研とか、ほかの産業界の方も協力していただいたので非常にありがたかったという謝辞を述べたつもりです。

【香山委員】  わかりました。

【小川教授】  よろしいでしょうか。

【香山委員】  あまり本質ではないところで時間をとるのも無駄ですから。

【小川教授】  それで、どういう形でお願いをしたかというと、2ページ目のほうの2.2の検討内容を私と日野先生のほうから流しました。(1)、(2)、(3)として、(1)は文科省からの質問に対する回答をお書きくださいと。それだけでもよかったんですけれども、ちょっと質問がやや漠としているなと思ったので、私のほうでというか、ネットワークのほうで、科学官からの依頼がロードマップ上での関係づけについてご留意くださいということをより具現化しようと思いまして、(2)のほうで、ロードマップ図での位置づけということで、年代というよりも項目、課題だろうというので、マル1からマル6、つまり、ITERへのインプットがどういうものがあるか。ITERからの成果は、どうそれに対して反映できるか。BAからの成果の反映はどうするか、原型炉設計段階、原型炉工学R&Dまでに何をしなくちゃいけないか、それから原型炉建設開始までに何をしなくちゃいけないか、運転開始までに何をしなくちゃいけないか、こういう、ある意味ではタイムスケール、項目に対して、それぞれの課題がどういう技術的なイシューがあるか出してくださいというので、(2)で具体的なロードマップ図を書いて、具体的には、例えば7ページを見ていただきますと、この図で、上の参考資料という横軸の、これは当時のこの作業部会のほうが出されていたスケジュール案です。

【小森主査】  7ページは白紙なんですけれども。

【小川教授】  あれ? 私が違うのかな。

【髙村委員】  プリントはどのような形ですか。

【小森主査】  同じような図はどこかにないですか。

【小川教授】  では、19ページの前の18ページを見てください。すみません、文科省はファイルが大きものは送れないので、ちっちゃくしたらだめだったんですね。

 19ページの前の、18ページ相当ですけれども、上の参考資料、これに沿って下のような図を書いてくださいと。一番下に、これだと、原型炉設計、工学設計、原型炉建設、運転開始まで、そういうものに対して、これはECH関係ですけれども、どういう項目がありますかと。上がITER建設、ITER運転、どういう項目で相関がありますかというのが書いてありますけれども、こういう図を書いてくださいというお願いです。

 それからあと、ネットワークの会員に関して、ボトムアップですので、いろいろな要望や補足資料があったらどんどん出してくださいと、個人情報ですけれども、そういうものでまとめてあります。それで、できるだけ予算や人員なんかも具体的に書いてくださいというので出してあります。

 本日は(1)と(2)について、簡単にそれぞれの項目についてご紹介させていただいております。(3)の補足資料や個人的な要望関係というのは、今回はふさわしくないと思いますので、割愛させていただきます。

 それからやっぱり、技術論に終始したほうがよろしいと思いますので、なるべく予算や人員も割愛しまして、技術論項目についてご紹介させていただきたいと思います。よろしいですか。

【香山委員】  すみません、ちょっと大事なことなので1点聞かせてください。18ページの、今後のスケジュール(案)という図がありますね。これはどのレベルまでフィックスされた図なんですか、この(案)というのは。

【小川教授】  これはこちらの委員会で出されたやつですね……。

【香山委員】  いえいえ、ですけど。

【小川教授】  だから私は知らないんですけれども。

【香山委員】  ずっと(案)となっているんですよね。実は、これについては昨日も核融合フォーラムの中、調整委員会でこれに関する議論をやったんですが、非常に大きい問題として、ほんとうに気がついてなかったんですが、特に国際協力計画の動きというところで、BA活動というのが2017年のところでぱたっと途切れますね。これが終わった後の線が、実際にないんだから書きようがないんだけれども、ないと、結局この原型炉の動きというのはこの先がなくて、続いているITERの関連だけで行くような印象を与えるんじゃないかという指摘が出たんです。

 大事なところは、やっぱり国内の第4段階の計画にしても、この後には第4段階が必ず来るんですよとか、必要なことを……。

【小森主査】  その議論は小川先生の説明がちょっと飛んでしまうので、必要ならまた後でやってもらえばいいんですけれども。

【香山委員】  はい。なので、後でやっていただきますけど、そういうことがありますのでということです。

【小森主査】  IFERCとサテライト・トカマク計画というのはここで終わるということで進んでいます。我々がもっと前につくったかもしれませんけれども、この認識で……。

【香山委員】  では、それは後にぜひやらせてください。

【小森主査】  はい。後で必要ならやるということで、小川先生、お願いします。

【小川教授】  はい。

【小森主査】  ちょっと申しわけありませんが、終わってから質問してください。

【香山委員】  はい、わかりました。

【小川教授】  香山先生のご指摘もある程度、我々踏まえて、そこに具体的にどういうものが必要かというのを我々としては書いたつもりなんです。

 具体的な項目、ナンバー1からナンバー14項目ありますので、ほんとうに駆け足で簡単に説明させていただきます。

 5ページ目に行きますと、最初にブランケット。5ページ目のブランケットに関しましては、ITERを利用した取り組みとしては、1でテストブランケットの話、こういうものが必要である。それからBA、内容はもう割愛させていただきます。キーワードだけ述べさせていただきます。BAを利用した取り組みとしては、原型炉ブランケットのための構造材、増殖材の研究が必要である。それからその次に、ITER・BA以外に、この図にはまだ書かれていないですね、その部分に関しましては、1、2、3で、例えば1に関しては、ITER・BAをさらに進めて、高機能ブランケットの工学基盤が必要だと。

 2では、原型炉の第一候補ブランケットを実現するためには、原型炉の設計と並行して原型炉の実規模を見通せるブランケットシステム実証試験が必要である。

 3では、原型炉を用いたモジュール単位の高性能ブランケットシステムが必要である。3は、フォーラムで考えている原型炉というのを高性能ブランケットを、ちょうどITERのTBM的な感じで活用しようという考え方をある程度反映させている項目ですけれども、こういうものが必要であるということを述べさせていただいてあります。

 続きまして、ダイバータに関しましては8ページ目ですけれども、ITERで何ができるか、ITERに求める課題。今、近々の課題としてTYPE-I ELMの話がありますけれども、そういう話。それからIFMIF、IFMIFに関しては必ずしも大きくないんですけれども、IFMIFでどうかと。それから、原型炉のシミュレーションに求めるダイバータ関係で、どういうシミュレーションがあるとか。それからあと、やはりダイバータに関しては60SA、SAというのが一つの役割ですので、SAに対してどういうものを求めるのかということを言っていまして、9ページのほうに行きますと、今度はそれ以外で足りないものとしまして、一番上には丸で3項目ぐらいありますけれども、キーワードで言いますと、最初の丸は、ダイバータ材料やダイバータコンポーネントに対して、中性子照射環境を整備する必要がある。今までは材料に関しては中性子照射をやっていますけれども、ダイバータに関してもそういう中性子照射環境が必要である。

 マル2のほうでは、非照射材料だけではなくて、照射材料に対しても高熱負荷や高密度プラズマ照射が可能な施設も必要であると。これは例えば、アメリカなんかでもうそういう動きがあると聞いておりまして、実際、原子炉であぶった材料をダイバータの熱負荷でと、そういうのがやっぱり必要であると。

 それからマル3としては、線型のプラズマシミュレータというのが必要であるということをダイバータグループからコメントが出ていますということでございます。それから、ロードマップ図での位置づけに関しては、ちょっと割愛させていただきます。

 もうどんどん行きますが、13ページのほうは、今度はNBI。NBIに関しましては、これもITERでいろいろな課題になっておりまして、今動いているプロジェクトとして大きく分ければ2つかなと。SA用のNBI、それからITERのNBI、パドバのところでテストファシリティーをやるとかやらないとか、そういう話の活用がある。

 それからあと、それでは足りないものとしてその下で書いてありますけれども、文章中下から4行目ぐらいですが、「一方、国内で現状稼働している負イオンNBIはエネルギーが低く、ITER-NBIシステムで使用される計画のRF負イオン源を使用していないため、原型炉NBIシステム開発に対してEUに大きなおくれをとっている」、だからそれに対する開発が必要ではないでしょうかというので、14ページ目のほうへ行きますと、具体的にはRF負イオン源プロジェクトが必要ではないか。それから、やっぱりITERは1MeVですけれども、原型炉になると2MeVぐらいが必要であると。それから、中性化セルに関しましても、光中性化セルの関係が必要ではないかと。こういう、ある意味では開発課題をこういう形でリストアップしているというものでございます。

 それから17ページのほうにいきますと、ECHです。ECHはジャイアトロンの開発です。これはさいわいなことに、このグループの人たちがキーワードになる言葉を赤字で示してくれていますので、このキーワードを拾っていただければ大体おわかりいただけると思いますけれども、200ギガヘルツ帯くらい、それからあと、ジャイアトロンの高信頼性・長寿命化が必要であるということをうたっております。

 それから、どんどん行かせていただきまして、19ページで計算機シミュレーション。計算機シミュレーションは、20、21ページ、計算機シミュレーションのグループは細かく数値、人員や予算を出していますけれども、この辺はちょっと今日は割愛させていただいて、計算機シミュレーションがやっぱり一番気にしているのは、私の把握ですと26ページです。これがもしかして皆さんにはないですか。

【小森主査】  26はないですね。

【小川教授】  ないですか。先ほど香山先生がおっしゃった、BAの後の計算機、これに対するケアがぜひ必要であると。どのくらいのFLOPSのものが必要かというのを追って提示しております。今日は割愛すると申しますけれども、それはなぜ必要かというのが要望書という形で27ページに書いてあります。計算機に関しては、そこがキーだと思っています。

 それから29ページ。トカマクの原型炉設計、これに関しては、正直申し上げますと、フォーラムのほうでワーク・ブレークダウン・ストラクチャーを丁寧にやってまとめてありますので、そこにお願いしまして、それのサマリーでいいだろうという形でサマリーをやったのが、31、32もないですか。

【小森主査】  31、32はあります。

【小川教授】  31、32、これはフォーラムのほうでまとめられたロードマップのエッセンスです。それをこちらに転用させていただきまして、先ほどの報告書の中にも9項目ぐらい、今後やるべきことというので挙げた項目が29ページの一番後ろから30ページのところに、Li-6の濃縮とか、それを含めて重要であるというのが掲載されております。

 それで、続きましてヘリカルの原型炉設計に関しましては35ページ。35ページに関しまして、特に一番下のほうのマル1のほうですけれども、原型炉概念設計にはヘリカル炉心プラズマの広い運転領域のデータベースが必要であり、そのためにはLHD重水素実験による閉じ込め改善云々として、並行して、燃焼実験炉としての数値試験炉の構築は必須である。

 それから、その次、マル2としまして、原型炉概念に基づく高性能化を目指したブランケット等のために、そこの言葉で言うならば、基幹工学実証研究施設が必要であるという形で、ヘリカル炉の設計を進めるための項目が出ています。

 それからレーザーの炉設計に関しましては、40ページ、41ページにありまして、正直申し上げますと、レーザーに関してはITER・BAからの直接のフィードバックは必ずしも大きくないのかもしれませんけれども、ある範囲で書いていただいて、その真ん中辺のところに、ITER・BAと相補的なプロジェクトなプロジェクトとして挙げてあるのは、具体的プランは前ページ下部に示すと書いてありますけれども、前ページじゃないな。高繰り返しLHARTモードでの爆縮(実証済み)を1ヘルツで繰り返すもの。つまり、高繰り返しレーザーの開発が必要であるというものが述べられています。

 それからもう1つレーザーに関しますと、41ページのほうに、最近のキーワードとして国際協力でレーザーの将来計画がある程度志向されているというので、ただし、そのときも日本がリーダーシップの確保をしていくべきだというのが述べられております。

 それから炉心プラズマ、43ページです。炉心プラズマに関しまして、ITER及び60SAをどう使うか。それからあと、これも申し上げますように、ネットワークのほうは学術的なすそ野の広さもキープすると、平成15年のワーキンググループの考え方、それから平成17年の学術研究と開発研究の両輪で行くという考え方にのっとっていますので、そこに書いてありますように、トカマク、ヘリカル、レーザー以外のより広い学術基盤となる先進プラズマ方式も含めてカバーしていくというのが、43ページのEのところに、先進プラズマ閉じ込め方式というのも、核融合研究を長い目で見るためには必要であると述べております。

 ただし、44ページのほうでは、装置オリエンティドではなくて物理オリエンティド、課題オリエンティドで、マル1からマル7の項目を炉心プラズマに対してまとめまして、既存の装置がどういうところでどうコントリビューションできるのかというのをまとめてあります。

 45ページのほうのその他の要望の最初のところは、先ほどともちょっと関連しますけれども、先進プラズマ研究の中核となる中小規模のプラズマ実験装置は、大学のセンターや講座レベルに設置されている。それらの実験設備は、先進的な学術研究に供するとともに、大学院生を中心とした高度な専門教育の場として大変重要な役割を果たしている。革新的・萌芽的研究を展開するための資金の確保云々として、すそ野の広い大学の学術研究に支えられる上でも重要であるという位置づけを示してあります。

 次に進みまして、50ページ、超伝導と低温工学。これも、ITERでの超伝導マグネットの開発が非常にフィードバックされるという点もありますけれども、原型炉に向かったときに、51ページのほうに、原型炉では、そこに書いてありますように、ITERよりも相当高くなる可能性……、ちょっと省きましたけれども、磁場を強くする必要がある。開発目標に幅を持たせた研究開発が必要である。具体的には、Nb3ALの高磁場線材や対放射線性、すぐれた高強度絶縁材の開発などITERの超伝導マグネットの技術開発によるものと並行して高磁場化が必要である。つまり、ITERとBAだけでは13テスラのNb3Snまでの開発でしかないので、やはりNb3AL系の16テスラぐらいまで必要である。それは実は、フォーラムのほうでまとめたロードマップでもこれが1つのクリティカルになっていますというので挙げてあります。

 それからあと、その次のパラグラフで、大型マグネットの生産技術に関しては、ITERマグネットの製造経験を最大限に活用すべきであり、その経験が失われないように速やかに技術開発を開始することが肝要であるというので、ある意味では、こういう技術の継承という観点からも非常にリマークしていただいております。

 低温のほうはちょっと割愛させていただきます。

 トリチウムですが、55ページ。トリチウムは田辺先生の特定領域で走っておりますけれども、キログラムオーダーのトリチウムハンドリングから非常に環境負荷という意味ではわずかな量のトリチウムで、ダイナミックレンジが大きいので、どういうダイナミックレンジを扱うかと、どういう項目があるかという意味では、a、b、c、d、e、f、g、h、iという項目がありますよということを踏まえて述べていただいて、やはり日本のトリチウムに関して、ITERとBA以外に何が必要かと。ITERはもちろんBAでいろいろ経験を積むんですけれども、それに関しては56ページです。56ページのところの下、原型炉の実現に向けたブランケット計画、ITER-TBMとか、云々を立ち上げる。例えば、六ヶ所サイトにBAの施設を継続・発展させるというので、六ヶ所サイトでのトリチウムのこの辺のあれを発展させるべきではないかと。青森の協力も得てというので、こういう提案をさせていただいているというところでございます。この辺はだから、どちらかというとJAEAのことが大きいのかもしれませんけれども。

 低放射化材料に関しましては、58ページです。ITER、IFMIF、IFMIFで10dpa、50dpa、100から150dpaで何ができるかというような話が書いてあります。それで、今回、それだけで足りないものは何があるのかと。お金という観点と一緒という観点だけではなくて、技術的に何があるのかというのを洗い出したかったので、そういう意味だと、59ページのほうに核分裂炉、加速器を用いた低放射化フェライト鋼、先進材料の基本特性、それからTBM設計等のために緊急に必要である。つまり、核分裂加速機能でのあれも、やっぱり照射は必要であるよと、それを訴えておられます。

 それから、材料の規格化とか、構造設計指針とか、そういう許認可に対する活動も大事ですよというのを訴えております。

 それ以降はディティール、このグループは予算も含めまして細かく分析していただいておりますけれども、本日は割愛させていただきます。

 65ページは、計装・制御。これに関しましては、実は非常に最近、これが非常に大事ではないかというのが我々のコミュニティーの中でもいろいろなところで議論されていまして、正直申しまして、それを立ち上げなければいけないというようなコメントで思ってまして、細かいところは、必ずしもまだ十分詰めきれていないかなと思いますけれども、非常に重要な項目であるというので、今後これをウオッチしていかなければいけないというので独立の項目を立ててあります。

 ただし、独立ですけれども、炉心プラズマのところとカップルして、今の炉心プラズマで何ができるのかとか、その辺のところも関連するのかなと思っております。

 そして67ページ、メンテナンス。このメンテナンスに関しまして、頭の部分に書いてありますが、ITERのメンテナンスと原型炉のメンテナンスというのは本質的に違いがありますよというのを述べられています。つまり、ITERのメンテナンスというのは、壊れたらそれをゆっくりと言っては失礼ですけれども、直せばいいという。でも、原型炉は稼働率という観点を考えると、発想を変えなければいけない。しかも、それは設計全体にも影響するというので、この項目は、実はフォーラムのほうのロードマップというか、ワーク・ブレークダウン・ストラクチャーでは非常に大きな項目として、設計と強くリンクして取り上げられています。そういう観点のことが書かれておりまして、最後、68ページ。メンテナンス、その他のこととしては、実は正直申し上げますと、このメンテナンス関係は大学というのは必ずしも強くないので、この辺に関してはJAEAと産業界と連携して進めるべきではないかというようなことが書かれております。

 以上です。それで、この辺の分析を、69ページの最後に書かせていただいた方々、中堅の方々が読んでいただきまして、内容の整合性があるかないかとか、そういう話をしていただいて、細かく70ページ以下にきれいな図をかいていただきまして、私も含めまして、皆さんだと、これだとちょっと読めないかもしれないです、字が小さくて。でも、精査していただきまして、今後はこのきれいな図を使って、議論を活発化できればと思っているところです。それで、基本的にこれをまとめるに当たって、科学官、調査官から言われたことなんですけれども、核融合炉を進めるに当たって、技術項目として落ちがないように、全部拾ってくださいよと。そういうところをなるべく注意するようにしました。そういう形で、それから、やはり核融合開発というのを、開発研究と学術研究の両輪で、特に大学関係がどういう形でコミットして、どうやっていくかというので、そこもカバーできるような形でまとめてみました。

 以上です。

【小森主査】  ありがとうございました。それでは、いろいろご質問とかご議論が必要と思いますけれども、まず、先ほどもありましたけれども、資料1にありますここの作業部会の審議メモですね。これに関してまずご議論いただいて、その中から、今の小川先生のご説明の議論に入るということにしたいと思いますので、まず資料1についてご議論をお願いしたいと思います。

【香山委員】  よろしいでしょうか、じゃあ、最初に。

 非常に重要な点だと思うのは、1ページ目の、この大きな基本認識ということで、丸が2つついている表現があります。それで、この2つ目のほうで、「ヘリカル、レーザー方式による研究については、その進捗を踏まえて、適切な時期に核融合炉としての可能性に関する評価を実施し、その後の計画の進め方を研究していくべきである」と。これをさらっと読むと、実は当然のことしか書いてないと思われるし、普通に思われるかもしれないんですが、この文章に至るまでは、文部科学省の中の議論でも、それから学術会議の議論の中でも非常に大きな時間を費やして、最終的にこの文章になったんですけれども、実は、「適切な時期に核融合炉としての可能性に関する評価を実施し」という、この文章は、実はものすごく大事な意味を持っていた文章だったんですね。それをちゃんと、当時の議論にかかわった方々はよくご存じで覚えておられると思うんです。それで、そのときに「実施し」といいながら、やはり開発研究というのと、それを支えるための基盤研究の重要性というものをまた一方でうたっていて、こういう形で少し進捗状況に差がある状況を何とか追いついてもらって、魅力的な技術がちゃんとトカマクと競合していけるようにするためには、やはりそのための措置も必要だし、基盤研究が重要だという議論がいっぱいあったんです。だけども、そうは言いながら、同じ列でやっぱり議論するものではなくて、適切な時期にどのレベルまでトカマクとかに比べてヘリカル、レーザーが進んだかというのをしかるべく評価をして、それで、ここのレベルに来たら、要するに同じレベルとして考えましょうということをやるべきだと。例えば、原型炉の設計の活動にしても、このレベルだとすると、トカマクの原型炉設計と同じ意味でヘリカルの原型炉設計があるでしょうということを議論しましょうと。それを、誤解がないようにということで、この文章がつくられたんです。ところが、その後の皆さんの読まれ方を見ていると、文章の表面だけを読まれて、この文章しか読まれないものだから、適切な時期に評価を実施しって、もう評価は終わって、当然、同列でやるべきだという印象を持っている人が多かったりするような気がするんですね。これは、この一言なので、ですから、ずっと後ろの文章を読んでいただくと、どうもそういう意味では適切な時期に可能性に関する評価は実施し終わって、その後の進め方は同列で進めていいんだという印象を与えるような書き方がいろいろなところに多いような感じがあるので、その辺の認識だけは明確にしていただく必要があるかなということです。これについてどういうふうな認識で書かれたか。多分、書かれた方には認識の誤解はないと思うんですけれども。

【小森主査】  その、後のほうでという部分は、ここが問題であれば、ここは個別に指摘をいただくというようなことですか。

【香山委員】  いや、私が申し上げるのは、この文章が生きるとすると、もう適切な時期だから、きちんとした可能性に関する評価を行うべきだということが強くうたわれるべきではないでしょうかということを申し上げたいんです。というのは、非常に進展したというのを書いておられます。それで実際、レーザーもヘリカルも進展しているわけです。レーザーもヘリカルも進展しているんだから、もう適切な時期なんだから、もともとの予定ですともっと前にキャッチアップして、どちらが優劣を決めるとか、どちらが今後主流とすべきかを議論することになっていたんです。全体、ずれてますけど。なので、私のご提案は、ぜひそういう文章を書いていただきたいという。

【小森主査】  でも、それは別に今年度それを評価するというようなことをやってきたわけではないので、今突然それを出しても唐突で、それはそれで評価というものをやるべきだというのであれば、また別に議論をしてからやるべきであって、今、この中間報告という審議メモを出す段に当たって、これが非常に、重要には重要ですけれども、その時期だというのはちょっと唐突ですね。

【香山委員】  いや、唐突じゃないです。申し上げているのは、一番最初に1ということで基本的な方向性というのを書かれているんですね。今までどういう議論があって、どういう背景で進んできたか。だから、平成17年のときの取りまとめた報告書でどう書かれていて、それをどうやって継承するか。基本は、そのときの結論はきちんと継承するといって……。

【小森主査】  だから、それはわかりますけど。

【香山委員】  だから、継承するということは。

【小森主査】  要するに、今回のこの期で議論しているわけではないですから、まとめの段に入ってその議論を今やりましょうと言っても、それは唐突で、今回のまとめには加えるべきではないと。だから、その議論は今必要ないと思いますけど。

【香山委員】  すみません。正しくは、日本語が下手なんだと思いますが、議論が必要だと言っているんじゃなくて、私は、適切な時期に評価を実施しろという、平成17年のこのまとめの文章は生きているわけですから、これを原則にしているので、もう適切な時期だから、ぜひ可能性を評価を行うべきだということを、この審議のメモとしてきちんとうたわれたらいかがですかと申し上げているだけです。

【小森主査】  ですから、そういう議論をしていないので書けないでしょうと私は言っています。

【香山委員】  ということは、議論していないならば、その先は行けないということなんですよ、先生。

【小森主査】  いや、適切な時期に達したからという議論をしましたかという話をすると、この1月、2月からそういう議論じゃなくて、ロードマップをどうするかという議論をしているわけですから、その中でそういう議論をしていたわけではないので、これは前から継続しているこの文章でとどめておくべきではないかと思いますけどね。

【香山委員】  では、確認します。ということであると、ロードマップの中にはトカマクしか入らないということになるんですよ、従来の平成17年の結論を生かすと。議論をした後で、初めて原型炉に対する考え方を書くということが明確に書かれているんですから。

【小森主査】  いやいや、そんなことありませんよ。それは平成17年であっても書いてあるわけですから、それは別に、そのとおりのところでいいんじゃないですか。この中身を見た限りでは、そうなっているなと私は思いました。

【香山委員】  ぜひもう1回読んでください、文章を。そのときの議論はそうなっていて、だからこそ、この適切な時期にという言葉が書かれているんです、この文章は。2つの文章を取り出されています。これはものすごく重要な文章で、大変な時間をかけて議論をしたというのは私も覚えています。多分、松田さんも覚えていると思いますけれども。ですから、これはさりげなくある文章ではないということだけをご確認していただいて、ぜひチェックしていただければと思います。この議論は終わりにします。

【小森主査】  ほかにございますか。

【髙村委員】  よろしいですか。あまり意見が出ないので。まず、資料1ですけれども、非常によくまとめられていて、先ほども専門官が言われたように、現在の核融合研究の立ち位置を示しているという意味では非常によくまとまっているのではないかと思うんです。ただ、我々、今、1月からこの第5期というんですか、ここで議論してきたこと、つまり、原型炉へ向けた戦略という、ロードマップもそのうちの1つだと思いますし、それから、研究体制とか人材育成ですね。そういうことを議論してきたんですけれども、議論をしてきたことで、その重要性は指摘されているんですけれども、何となくむなしいと言ったらちょっと言い過ぎなんですけれども、もうちょっと踏み込めたらよかったなというのが、感想です。これだけ時間を費やしてきたのにという思いがあります。

 ロードマップのいろいろな詳細は、フォーラムと今はネットワークでやられていて、これは大変よかったと思うんですね。9項目にわたる重点項目も、我々の共通認識として頭の中にたたき込まれたということもあってですね。ただ、私が若干不満に思うのは、研究体制について、いろいろ議論したと思うんですけれども、それがなかなか浮かび上がってきていないのが非常に残念です。

【小森主査】  松田先生、どうぞ。

【松田委員】  多分、ヘリカル、レーザーについて、これまで、あるいは近未来に、例えば1年ぐらいの間にその評価を実施するのであれば、それはそれで1つの方向としていいと思うんですけれども、もし座長がおっしゃるように、今までそういう議論をしてこなかった、ただ、これは単に平成17年度のものをちゃんと受けてここにまとめているだけだというのであれば、ちょっと誤解を生むあれとして、もともとの平成17年度の報告書は、「核融合に関する学術研究については、その重点化計画であるヘリカル方式とレーザー方式を中心としてチェック・アンド・レビューを行い、適切な時期に研究の展開の方向を定めるものとする」と書いてあるんですよ。だから、核融合炉としての可能性に関する評価というふうに書いてしまうと、これは少しはみ出している話なんですね。こういう文言というのは、非常に皆さんの議論を呼ぶので、単に平成17年度、今までどうだったかというのを踏まえるのであったら、もともとのレポートに忠実に書かれるのがいいんだと思います。それから踏み出して、何かやるというんだったらやるのでそれは構わないんですけれども、その辺をあいまいにしながら議論をすると、先に行ってまたぐちゃぐちゃな話になるのでということをコメントしたいと思います。もともとのものだと、平成17年度の報告書だと……。

【小森主査】  何番ですか。

【松田委員】  4番の報告書の、26ページに書いてあるんですね。26ページの3.5.2のチェック・アンド・レビューというところで書いてあって、トカマクについては、トカマクが原型炉に移行するに当たっては、他の方式も総合的に考えてやりなさいというふうに書いてあった。それで、学術研究については、今申し上げたような書き方がされています。26ページの3.5.2の第3パラですかね。だから、そこは非常に大きな基本的スタンスで、もうしばらく、学術研究としてその中身をずっと追求していくと。であれば、そのレビューする時期は、それの研究が一区切り終わった段階でしょうし、今もう既に出ているんだという判断に立つんだったら、今からレビューしたっていいと思うんですけれども。

【疇地委員】  ちょっとよろしいですか。原子力委員会のときの議論は私も覚えているんですけれども、ヘリカルもしくはレーザー、あるいはその両方を開発研究にするかどうかをそこで判断するということ。開発研究にするということは、明らかにエネルギー開発の方向をやっていくということを意味していますが、その判断をすることと、ロードマップとして、ヘリカル、レーザーの原型炉の計画を練り上げるということとは、それぞれの役割が大分違うのではないでしょうか。

【香山委員】  違わないでしょう。

【疇地委員】  この判断をしてからロードマップの中にそれを入れるかどうかというのは、それはまた別になるというふうに私は思いますけど。

【香山委員】  それは違いますよ、それは。先生らしい言い方とは思えないけど。小学校を卒業しないで、大学後の生活設計をやるんですか。

【松田委員】  今のご意見は、各研究会がどういう将来像を検討しようと、それはいいんですよ。当然あるべきで。だけど、国としてどういうロードマップを考えていますかというのは、我々に課された使命だと思うので、そういう視点から見たときに、ロードマップが幾つもあって、ほんとうに永久にパラにやるんだったら別ですけれども、そうでないんだったら、おそらく核融合以外の分野の方も含めて、いつその方式を決めて、いつその次のステップに行くんだというのが、大きな関心事項だと思うんですよ。だから、そういう意味だと、やはりちゃんと我々のレベルでは整合がとれたロードマップを出す必要があるんだと。今、もし、ちゃんと書けないんだったら、いついつごろをめどに書くとか、そういうことまで言わないと、社会に対する責任というのが非常に希薄になってしまうと思うんですよ。だから、繰り返しますと、設計なんかも、国がオーソライズした概念設計というのと、それぞれがやっています正規検討というのとはやっぱり別の話で、そういう意味ではちゃんとその辺は理解しないといけないと。

【香山委員】  そうですね。確かに、この関連の資料の中で、核融合研の第1期計画が終わったあたりで、もうその成果を受けてチェック・アンド・レビューをして一気にそっちに進むんだということを議論されたこともあったんですよね。多分、書いてあると思います。2005年から10年ぐらいの間で、そういうチェック・アンド・レビューの時期があって、その段階で、当然きちんと議論をして、より魅力がある方式が選ばれる可能性があるというのを、かなり議論したと思います。ですから、それで時期はどうかにしても、そういう議論があったということだけ、やっぱり思い出していただきたいというのはありますね。

【小森主査】  今の、資料だと59ページのところの、平成17年……、それまでの見直しがあって、こういう、潜望鏡みたいに、ヘリカルとレーザーがなったという、これですよね。

【松田委員】  そうです。

【香山委員】  そうです。

【小森主査】  そういう意味では、やはり文章的には同じ文章を使うべきだと思いますね。その辺は今後、検討してもらうということでいかがでしょうか。

【松田委員】  はい。

【小森主査】  最後に何か。

【髙津委員】  同じポイントで。多分、疇地先生と私は一緒にこれ、平成17年、委員で議論に参加させていただいて、記憶に強く残っているのは、原型炉に向けた展開を第3段階がつくられてから10年たったので、もう少しクリアにする必要があるというときに、大きな論点が原型炉というのを目指すのを、トカマクだけでいいかという議論があったと記憶しているんですが、そのときに、当然、トカマクで1つ目指すというのはあり得るだろうと。だから、トカマクは開発研究という位置づけで原型炉を目指して進む。ただし、チェックポイントをこのように設けて、次の段階に行くかどうかをチェック・アンド・レビューを受けてから進むようにしましょうと。

 一方、そのときに大きな議論があったのが、ヘリカルとレーザーをどう位置づけるかということで、なかなか今は原型炉まで展望しづらいということから、言葉としては学術研究としてしかるべき進展があった段階で、先ほどの図にあったようなチェックポイントで、そこから原型炉を目指す開発研究に移るかどうかという判断をしましょうということが議論のポイントだったと記憶しております。そういう意味では、先ほどから香山先生とか松田委員が指摘されていますように、専門官がご説明になった4ページの真ん中あたり、先ほどご説明いただいたことなんかが、少しロジックのとげがあるのかなというふうな印象を受けるんですけれども、先ほどご説明いただいた、上から2つ目のパラの、長いパラの下のほうの五、六行ですけれども、「トカマク方式のみならず、重点化を図ったヘリカル方式、レーザー方式の研究も進展してきている」。これは当然事実ですけれども、「改めて発電技術の実証を行う原型炉段階への移行の合理的な可否判断を可能とするために」という文章がございますけれども、少し、先ほどの、原型炉に行くために、開発研究に移るためのチェックを経ましょうというステップが、当然まだなされていなわけですけれども、それは一緒になって書かれているような印象を受けるんですけれども。ここ、「進展してきている」でピリオドでとめてあれば何のあれもないんですけれども、つながっていると、すべて3つの方式で原型炉に向けた道筋を考えて、そのために何が足りないかということをロードマップ上で考えていきましょうという意味にとれるんですけれども、それは当然、検討としてはやるべきことだと思いますけれども、少し国の施策という意味では、前の方針とは1つステップが飛んでいるかなという印象を受けるんですけれども。

【小森主査】  私はそうではなくて、進展してきていることから「改めて発電技術の実証を行う原型炉段階への移行の合理的な可否判断を可能とするために、原型炉の開発に向けた具体的筋道を整理し」というのは、先ほど、香山先生からご指摘の、1ページ目の丸の、適切な時期にというか、そういう意味では開発研究へ移行できるかどうかという、レーザーとヘリカルの判断というのをいつやるんだということも含めてこれを書いておられるのかなと、そういうふうにとったんですけどね。

【香山委員】  わかりました。これは、髙津さんのご指摘のとおり、「整理し」で終わっていて、整理する時期である、もう今、チェック・アンド・レビューすべきだと、こういう文章だったら何も問題ないんです。確かにその時期だと思いますし、適切だと思います。だけど、これはそうではなくて、整理し、統合する方向での戦略を構築することが必要だと、そこまで踏み込んじゃっているんですよ。ここまで踏み込むのは、明らかに前の文章と論理的に矛盾しますねと、飛躍が大き過ぎますねということを、実は申し上げたかった。この文章は、一番ある意味では大きな指摘になっていると思うんです。ですから、これはできれば、整理する時期だから、至急、やはり進展というのを正しく理解するというか、整理して、チェック・アンド・レビューを行うなら行うというふうに書いていただくべきだと思いますね。

【小森主査】  読み方によると思いますけどね。

【香山委員】  ただ、読み方の余地を残すのはお役所は嫌うわけでして、だれが読んでも間違いなく理解される文章をつくるというのが基本でしょうから、この委員の中でこれだけ読み方が違う文章というのは、お役所の文章としては不的確だということだろうと思いますから、ぜひご検討いただくべきじゃないのかな。

【小森主査】  山田さんは何か意見ありますか。文章の読み方として。

【山田科学官】  髙津先生と香山先生の言うあれは十分理解できましたので、このことについてはおっしゃるとおりだと思います。

【吉田委員】  1ついいですか。随分、最近の議論、この一、二年の議論で認識が変わってきているんですね。だから、それは議論の流れが、いわゆる3つ、トカマク、レーザー、ヘリカルを非常に対立的なとらえ方をしていた。一等最初のころはそうなんですよ。ですから、それがだんだんと、ヘリカルはいわゆる慣性閉じ込め装置として基礎的にはつながっているのでという形で、だんだん、トカマクの支援のような形の位置づけを随分したような時期もあるんですね。

【香山委員】  そうですね。支援以上に貢献していますからね。事実。

【吉田委員】  それで、その時期には何か、原型炉とかそういう炉としての位置づけが随分下がった時期が、私の感じではあったと。だけど、またここで少し、トカマクとの共通的な学理とかそういうことをきっちり言いながら、しかし、炉としての独自性というのも出てきている。

 それから、レーザーに関しては、これはまた全く違う方式だねと。だから、レーザーはレーザーでという議論をちょっとしてきたと思うんですけれども、それが少し前から、レーザー、ITERと原型炉はどう関係しますかなんていうような、それに対して位置づけしなさいとかいうような発言をされた主査もおられましたね。ですから、随分議論がずれてきている。その辺、ちょっと、そういう認識でいいのかどうかということも含めて整理しておく必要があるんじゃないでしょうか。ここの議論を、香山先生がおっしゃったみたいに、これはかなりすりかわってきている解釈だと私は思うんですけど、最初のころの議論と比べたらですね。だけど、こういう流れに、だんだん、議論がいつのまにかなってきている状況がこの一、二年あるんじゃないかと思いますので、これはやはり、きちんと整理したほうがいいなと思うので。そういう形で位置づけて、基礎研究を位置づけて進めるというのが、やはり今の段階では必要なんだというなら、それをきちんとうたえばいいし、それから、いやいや、そうじゃない、やっぱりここではきちんとした仕分けというか、差別化の役割を明確にして、方向性を絞るべきだという議論ならばそれでもいいですし。ただ、その辺の議論があまりきちんとなされずに、この場でも、それから、いろいろなところでの議論も進展してきているように思います。その辺は、これは現状認識としては何となくこの文章も納得できるような現状認識があると思うので、さらに突っ込んでどうするかというのは、次の議論が必要かどうかというのはご判断だと思いますけれども。これは、ある意味では現在のかなりの認識、こういうふうな部分もあるということを示している文章だと思います。

【小森主査】  今回の期は、ここでまとめるという話であれば、先ほどから申し上げていますけれども、やはり議論した中身だけでまとめるべきであって、議論していないのを今さらここでまとめるというわけにもいかないと私は思います。ですから、必要なものは次の期の議論に持っていくと。それで、先ほどの評価の評価というのは、開発研究に行くのか、行かないのかとか、最終的にはどういう方式、あるいは合併でもいいんですけれども、にするのか、というような意味だと思いますが、、そうであれば少なくとも今回議論してきたわけではありません。どちらかというと炉工学的というか、材料というか、そちら方向で共通なところのロードマップが書けないかといった点を中心にやってきて、炉心そのもののプラズマについて議論してきたわけではありません。ですから、今期に関しては今まで議論してきたことを中心にまとめて、次の期以降に、必要な評価をいつ行うべきであるとか、それも含めたようなロードマップをつくるのであれば、そこで議論をして、そのようなロードマップをつくればよいと私は思っています。ですから、議論していないところは過去のものに忠実に、議論したところについては議論を踏まえて書くと。そうすると、先ほどの髙村先生のご発言のように少し寂しいことになるかもしれませんが、現状をきちんと踏まえて、次の期に必要な、今出てきたような議論をさらに進めた上でロードマップをきちんとつくっていけばよいと思います。

 私は、そのロードマップに、材料のようにどの方式でも必要な研究で、まだ進展していないものがかなりあることから、そういうものを組み込んでいくことが非常に重要であると思います。そういう意味では、小川先生のご発案はこの点を説明されているわけですから、もちろん、フォーラムのご意見も聞かないといけないですけれども、これらをもとにロードマップをつくれます。炉心プラズマについても、いつ原型炉に向けた決定をするべきか、どういう段階で行うべきかなどの議論が必要であると確かに思います。ですから、それはやらないといけないんですけれども、今は入れるべきではないと思います。

【香山委員】  次のところ、よろしいでしょうか。7ページ目のところなんですが、7ページ目の3の1.の第3文節ですか、終わりのほうから引き継ぐんですけれども、大学を中心とする核融合研究者コミュニティである核融合ネットワークにおいては、課題について検討がなされてきていると。これは今小川先生からお話しあったように、どんどん詳細な議論をやって、少なくとも、ここの技術課題に関する整理だとか問題点をきちっと示すという意味で非常に進展していると思うんですね。これはものすごく大きな成果になっていると思うので、それはいいんですが、実は同じ問題も吉田先生のフォーラムの中の委員会でやったり、その下の堀池先生の委員会で議論したりしていて、最終的にはフォーラムの運営会議で、これはフォーラムとしてきちんとした書類を議長名で出すべきだという結論が出ていて、今もう準備されているわけです。それは役所のほうも十分ご理解していると思いますが、実は、昨日もかなりの時間を費やして議論していまして、特に9項目の課題だとか、その具体化に向けたあり方というのは、内容はもちろんネットワークの議論と違うわけもなくて、同じ形で、表現が違うとかなっているんですけれども、そういうこともありますので、ここはぜひ、大学を中心とする、ここの部分はいいんですけれども、やはりオールジャパンということでやってきている核融合エネルギーフォーラムの中の議論というのもぜひ書いていただいて、その成果を報告させていただく機会をぜひつくっていただければと思います。

 ここに、やはり片手落ちだと思うんですね。従来から何度も申し上げているんですが、核融合エネルギーフォーラムでもやっていますと申し上げているんですが、この時期に及んでまだ出てないので、ぜひその辺をご検討いただければと思います。

【小森主査】  フォーラムの中身も、ほとんど一緒にやっているので、一緒だという認識でよろしいですか。

【香山委員】  全然矛盾、ありません。

【髙村委員】  むしろ最初に聞いたのは、フォーラムのほうから聞いたわけですからね。

【香山委員】  矛盾がなくて、非常に精緻化されていますし、この小川先生の資料も、実は後ろでものすごく多くの方々が、一番最後の資料なんか細かくブレークダウンした議論をやっていますから、非常に信頼性の高い資料になっているんですよ。

【小森主査】  その辺は留意していただくということでよろしいでしょうか。

 ほかにございますか。どうぞ。

【石塚委員】  この資料は、前に書いていますように、今後のために内容の整理をやるということなのでありますが、この5年間における進展、変化、あるいは逆に言うと、工学設計への時間もそれだけ短くなってきているという状況を踏まえた上で整理をすべきだと思うんですね。これは整理である以上、基本的な方向性は変わってはいないんだと思うんですけれども、もうちょっと緊急性といいますか、何を今必要とするんだということがもうちょっと書かれるべきじゃないかなという気がするんですね。

 私は、ロードマップというのが非常に緊急であって、これが1つのコアになると思います。ほかのところも、人材の問題だとか、社会、産業での波及効果についても、もうちょっと緊迫感を持って書くべきじゃないかなと思って見ております。

【小森主査】  そういう意味では、ロードマップ、具体的にはこの期では提示できないですけれども、まとめをもとに、今の2つのグループからの報告が上がってくると、同じものだということはありますけれども、それをもとに、なるべく早く次の期かどこかで決めるということでよろしいのではないかと思いますが、どうでしょうか。

【松田委員】  私は石塚委員と同じような印象を持っていまして、もしこのレポートがここ数年間の1つのまとめとするのであるならば、本島先生のときから人材育成って随分議論していましたよね。だから、育成に向けた、できるだけ具体的な取り組みの提案、提言といいますか、そういうのまでできれば、少しぴりっとしたところになると思うんですけれども、何かそういうものがないと、議論、長くしてきたわりに乏しいなと。もちろん、次の課題として上げるというのは当然必要だとは思うんですが、もう少し書きぶりをそこに重点的に努力を傾注すべきだとか、そういうところが出てきてもいいんじゃないかなという気がします。

【小森主査】  その辺は、この5年間分ぐらいのまとめなんですか。それとも、本島先生が座長になられてからのロードマップだけのまとめになるんですか。その辺がちょっとよく……。私は、本島先生のときのまとめかなと思ったんですが。

【西山核融合科学専門官】  昨年来から議論いただいたもののまとめで、さらに前回の議論を踏まえるならば、17年に推進方策で出たものからどうかという議論がありましたので、それを含めてこういうことで整理をしたいということで今日お話をしております。

【小森主査】  そういう意味では、5年分のまとめではないんですけれども、どうなったかという経過も含めてまとめるということですね。

【西山核融合科学専門官】  そういうことになると思っております。

【石塚委員】  それは多分、経過をたどるのではなくて、今後の検討にするためのことが書かれているということだと思うんですよね。

【西山核融合科学専門官】  そういうことでございます。

【小森主査】  その辺も少し充実したまとめにしないと……。

【香山委員】  多分、フォーラムの中の議論をしているときの基本的な理解って、小川先生と逐一やっていると思っていないんですが、1回、ロードマップが出て、その後、いろいろなITERの状況も少し変化をしてきた。それを取り入れて、変えられるべきところは変えたほうがいいでしょう。それから、その期間での進展もあったし、そういう意味で周辺の進展を取り込む、ITER状況の変化、ブローダーアプローチも少し変わったという、それを受けて、それからあと、検討も少し細かくなってきたので、より具体性のあるものにまとめようということで、この課題。特に、ですから、その技術課題に関してどうあるべきかということをやってきたんですね。

 ただ、そこで浮き彫りになってきたのは、一番大きい危機感が、大学の先生でも感じ始めているのは、BAが終わった後、どう力を維持する、ないしは加速してやっていくかというのがなかなか見えない。先ほどおっしゃったように、BAはぽっとそこで途切れることになって、その後が何も書かれてないので、それを何か少し具体的に持って行けるようなことも含めて書けないだろうかという議論が出ていたということなんですが、ぜひそういうことも含めて、ここで方向性を示していただくと、多分、ネットワークにしても、フォーラムの中の議論も、よりやりやすくなるとは思うんです。

【小森主査】  先ほどのご質問ですね。

【香山委員】  それだけではないですね。

【髙村委員】  小川先生にお尋ねしたかったんですけれども、このネットワークあるいはフォーラムでやった検討の中で、山田旧調査官からの3番目に、研究体制についての具体的な要望やビジョンというのが書かれていますね。この報告では、少し要望という個人的な取り扱いで書かれてはいるんですけれども、そこまでまだ十分いってなかったのかもしれませんが、ロードマップのいろいろな主要項目を検討する中で、研究体制について、もうちょっと踏み込んだ何か、そういうものがまとまってくると、非常に迫力がよりあったのではないかなと私は思ったんですけれども、そういう議論はいかがだったでしょうか。

【小川教授】  研究体制を議論するとなると、ある程度集まっていただいての議論が必要だと思うんですよね。だから、そこが確かにこなれてないところがあります。研究体制に対しては、割合個人要望という形のがあるので、今回は、ネットワークはボトムアップですから、個人要望というのも含めて、吸い上げておきますけれども、今回は割愛させていただきました。

 ただし、幾つか研究体制に対して、例えば材料だったかな、その辺、昔から研究体制に対していろいろ考えているところというのは、ちゃんとした要望書というのが出ていたりとか、何カ所かあります。そこは、この14項目の中のコミュニティなんかがどの程度こなれているか。トカマクの設計なんかも割合こなれているので、研究体制に対して出てくるとか、それは項目によって研究体制に対する要望の認識度の深さが、バランスがまちまちになっていることはご指摘のとおりです。

 その辺を進めなければいけないのと、あと、時々山田科学官と話しているのは、研究体制も含めてで、またはこの辺から、こういう項目で、最近で言うならば、大型プロジェクトのいろいろな予算要求をできないかとか、そういうのができないかと。そうすると、あと研究体制も含めて考えるしかなくなるから、また自分たちは、多分、この人たち、私なんか含めて、どういう項目があればいいというので、技術的なところで、そうすると、予算要求して、何か自分たちが特定領域を出そうとか、そうなると、研究体制も含めて、メンバー含めてだから、そこでより具体的になるのかなと思いますけれども。そこはちょっと要望です。

【山田科学官】  髙村先生、どうもご指摘ありがとうございました。この要望書は、科学官・学術調査官に対する要望書ということで、私、非常に深く受けとめていますので、ぜひ小川先生と、小川先生だけでなくて、フォーラムのほうとも相談して、いろいろな実験体制については、具体的にこれからそちらのほうで検討する、相談をしていきたいと思います。ぜひそこで幾つか、かなりこれはいけるというのがありましたら、ぜひこの部会で、来期、議論していただきたいと思っています。

【髙村委員】  多分、吉田先生にもお願いしたいというか、フォーラムのほうでもやられると思うので。

【吉田委員】  この一等最初の科学官からの要請の中の非常に大きなあれは、何か項目を書きなさいというのは今までありました。だけど、そこに具体的な予算と、それをだれが担当するのか研究体制を書きなさいというのが項目だったんですね。これはある意味で非常にすごい要求であって、だけど、その議論を出したら、この場でもそうだったんですけれども、やっぱり議論、すぐ、今のNIFSとか原研の立場、大学の立場と役割はどうするんだという議論になって、非常に大きな議論になってしまう。それをやらなきゃいかん時期がほんとうに来ていると思うんですけれども、そういうのをこの期に終わるというのはもちろんですけれども、こういうことで今からやるべきことというのを明確にして、それをやるにはどういう我々の取り組みをしたらいいのかというのは、ぜひ次の期に議論する項目にしていただきたいなと思います。

 そのための議論というのは、やはりフォーラムでも取り組む必要がありますし、それからネットワークでもされますし、いろいろなところ、そんなに単純な話ではもちろんないんですけれども、しっかりと議論して進めていくというのが今の我々の責務じゃないかなとちょっと感じています。

【小森主査】  それではちょっと戻って申しわけないんですけれども、話が進んでいますので、まず資料1のほうで、今回、審議メモでご指摘の点は、1ページの丸ポツの2つ目の書きぶりと、4ページの真ん中辺の書きぶり、それから7ページの下から3段目ぐらい、大学を中心とするところの書きぶりですね。それと、全体的かもしれませんけれども、緊急性を感じさせるような書きぶり、ロードマップと人材などで、もう少し緊急性を加味したような書きぶりにする、さらに、経過を含めたまとめにするという、そういうご指摘がありましたけれども、ほかに……。

【髙村委員】  今、研究体制のお話?

【小森主査】  これがそうですか。

【髙村委員】  いえいえ、今、研究体制の話をつけ加えるべきじゃない。具体的な話ではなくて。

【小森主査】  そういう意味ですか。わかりました。

【吉田委員】  次の期の……。

【髙村委員】  だから、ここには一応記述したほうがいいということですね。

【吉田委員】  これからの我々の重要課題という……。

【香山委員】  あともう1個議論になったのは、8ページの人材育成のところの書き方が、もうちょっと工夫して書いていただいたほうがいいんじゃないですかというコメントがあったと思いますね。

【小森主査】  そういう意味では、人材育成ですね。

【香山委員】  ええ、8ページの一番下のほうですね。

【小森主査】  途中で飛ばして申しわけないですけれども、先ほど、今よろしいですか。研究体制に関しては、特に今の小川先生の報告では、ネットワークからのご報告としてはないわけですね、今のところは。

【小川教授】  それぞれの中にどういう項目も……。

【小森主査】  ここにあります? ありましたら、ご指摘というか、場所を。

【香山委員】  幾つかの例は書かれていましたね。

【小川教授】  例は書かれています。そういう意味です。

【香山委員】  六ヶ所でのそういう工学センターみたいな意味とか。

【小森主査】  その辺を何かうまくということですね。

【髙村委員】  そうですね。

【小森主査】  シミュレーションセンターは、今のが終了した段階で、次をどうするか、そういうことですか。

【髙村委員】  それは個々の……。

【小川教授】  項目です。

【髙村委員】  まだ十分練られてないので、方向性としては、そういうところにまでこのロードマップ、いろいろ上がってきているわけですね。それを踏まえた研究体制を構築していく必要があるという、そういうスタンスの書き方じゃないかなと思うんですけれどもね。

【小森主査】  そういう意味で、先ほどのIFERCの後をどうするかとかという……。

【香山委員】  具体的にここに書かれているのが、全部、BAの後継をどうするかという話に実はなっているんですね。ネットワークからそれが直接的に提案されていますよね。

【小森主査】  その辺も今後考えていくべきだという書きぶりで残していくということですね。

【髙村委員】  BAの後をどうするかというのは、かなり一般的な言い方なので、それは……。

【小森主査】  小川先生の資料の中には具体的に書かれているんです、表現を変えて。

【髙村委員】  ええ。だから、そこまで具体的にする必要はなくて、一般的な書き方としては、ここでは書けるんじゃないかと。

【吉田委員】  BAの後をどうするかという言い方ではなくて、やはりこういう研究が必要だからということで、おそらくそのベースをつくって、それはBAの施設、BAの今まで構築したものを延長するという結論に持っていかないかんですね、もし持っていくなら。BAを延命するためという話ではなくて……。

【香山委員】  ものすごく大きく不足しているものもあるということが指摘されています。

【吉田委員】  BAを延命するために何をするかというのじゃなくて、おそらくそのために今回のワークシートが出てきたんですよ。それぞれの研究、今進んでいる研究を、組織をどうするかということを位置づけるために必要なことを上げましょうと。だからこそ、どういう体制がいいのか、だれがそれを担当するのかということまで問われたと、私はそういうふうにワークシートの設問を理解しています。

【髙村委員】  ただね……。

【吉田委員】  違いますか。

【髙村委員】  それはいいんですよ。ただ、BA、ITERでカバーできないところがあるというのが1つの重要なポイントであって、ですから、BAだけにこだわると、せっかくやってきたことが生かされないと思うんですよ。ですから、BAの後継というのはもちろん重要ですけれども、ロードマップを踏まえて、例えば超伝導のNb3Al、例えばそういうことって入ってないですよね。BAには当然入ってない。ですから、もしそれをやるんだったら、そこでやるのであれば、そういうことを含めないといけないし、別の組織をつくるのであれば、そういうことをやっていかないといけないわけですから、あまり狭くしない。

【小森主査】  そういう意味で、研究を進展させるために、そこのところを考えるべきだという指摘を書くということですね。

 ほかに資料1に関係してございますか。よろしいですか。

 では、その辺を検討していただくということで、次回ということになりますけれども、最後、1月にまとめるため、さらに書き直していただくということでよろしいでしょうか。

 先ほどちょっと誤解しましたが、小川先生のご説明に何かご質問とか、さらにご議論することがあれば。

【香山委員】  具体的なところでいいでしょうか、ブランケットのところなんですけれども、これ、ブランケット、非常に書きにくくてつらいところがあると思うんですけれども、結局、原型炉に向かうときの今の日本のほうの第一である固体増殖、水冷却というので、原型炉がほんとうに目指すのかというのに対して、もう少し先進的な概念。具体的に提案されたのがありますね。一方、やはり従来からずっと日米研究だとか、もちろんNIFSの中でもバナジウムを使うようなタイプのブランケットも考えていて、ブランケットのいろいろな先進概念をどう取り扱うかという話と、原型炉を目指したところでの、例えばほんとうに水でいくのか、それともほかのタイプにいく、その辺の議論をどう書くかというのがないと、どう収れんさせるかとか、どういうふうにプライオリティーを変えていくのかというあたりが、少し書いていただかないと、ブランケットなんかがITERとBAでかなりできそうな感じを持っている人もいるんですね。TBMやるとそこそこできると思われているけれども、現実にはそうじゃないですよね。そのための周辺のサポートだとか、TBMが動いたときの後、どう発展させていくかというあたり、それをもうちょっと踏み込んで書いて。議論の中であったけれども、あまりにデリケートだから、多分、削除しているんじゃないかと思うんですけどね。

【小川教授】  ITERのところを、私、専門家でも必ずしもないので、その辺はどちらかというとワークブレークダウンストラクチャーを議論したときのほうが、私の頭の中に残っているんですけどね。こちらのほうでは、そちらのワークブレークダウンストラクチャーの話よりも、総花的と言っちゃ失礼ですけれども、というか、特にITER・BAと総合的なものとして何が必要かと、そういうものを、そういうところに多分重点を置いて書いていただいたんだと思いますね。それで、今、先生がおっしゃった戦略的開発戦略でということに関しては、具体的に開発戦略を、取捨選択をやるためのポンチ絵と言っちゃわからないか、概念を出したと。それをガチガチした議論はこれからやるという段階だと理解していただいたほうがいいと思います。だから……。

【香山委員】  ただ、一方で先ほどの緊急性というのは出ていましたけれども、時間的に極めて限られているんですよね。悠長にやる余裕がないというのが一方である。

【小川教授】  ええ。それは個人的に申し上げますと、ネットワークのほうではなくて、ワークブレークダウンストラクチャーのほうで近々にやっていたので、そっちから出てくると期待している限りですが。これはどちらかというと全体を端的に見渡して書いたという認識があると思いますけど、だから、緊急性という意味では、先ほど石塚委員から言われたように、ちょっと弱いんですけれども、という点は私も否めないと思います。項目をちゃんと洗い出すということに重点を置きましたので。

【石塚委員】  よくわかりました。個々のことについて詳細にやって、開発戦略はこれからということで私も理解をしたんですけれども、やはりこういうものを1つずつまとめていくと、全体的には非常に大規模なものになってしまって、さらに、整合の問題もありますよね。つまり、オーバースペックになりがちですので、いずれかの時点でこれを整理していくということだと思うんです。どういう視点でこれを整理していくかということですが、おそらく一番は予算だと思うんですね。予算という金の制約の中からそれはいずれやられると理解してよろしいわけですね。

【小川教授】  そうですね。ほんとうに私もオーバースペックだと思っています。ただし、これを、チャージを受けたときの吉田前科学官からのあれとしては、やっぱり核融合をやるに当たって、こういうのがなくてはならないと、あればいいと言っちゃおかしいですけれども、落ちないようにという。ただし、こういうものがあったけれども、ほんとうに優先度、それからスペックを含めてやったらば、落ちていくんだろうなと。ある程度カットするんだろうなと。それをこの場でやるのか、ネットワークフォーラムのほうでやるのか、今、先ほどの、その検討体制をどうするのかが今後だと思うんですけれども、やっていかなければいけないと、コミュニティでと。そのまずのたたき台を出そうということ。

【石塚委員】  承知しました。

【小川教授】  そのとき、ロードマップのほうはトカマクを仮定して開発戦略を書いて、ワークブレークダウンストラクチャーまで書いたんですけれども、こちらはやっぱり学術コミュニティとしてのサポートもすそ野を広げなくちゃいけないので、それも踏まえて、それとの整合性をなるべくとるように出そうと思っているんです。だから、ワークブレークダウンストラクチャーとこれのマッチングをどこかでとっていかなくちゃいけないと。そのときは、ぜひ産業界を含めてやらないといけないとは思っていますけども。

【香山委員】  結構です。

【小森主査】  ほかにございますか。

 はい、どうぞ。

【吉田委員】  ちょっと細かいことで申しわけないというか、なってしまうかもしれないんですが、ダイバータのところで、今、我々が持っているダイバータ、タンク船という方向だとすると、そのタンク船であるというのは、例えば、香山先生方がやってこられたような、シクシクだとかフェライト鋼とか、あるいはもっと身近にあるステンレスとか、ああいうものに比べたら、ほんとうにプリミティブな、材料ではないレベルのものなんですね。全く本格的な材料開発がなされていない、特にこういう熱負荷とか機械的性質を要求するような。だから、そういう意味ではもっと強く、本格的な材料開発ということが、例えば、ITERに求める成果とか、いろいろなこういうことの成果とかいうことと並列して、それこそ材料コミュニティを挙げてやっていただきたいというような、そういうチャージが私、要るんじゃないかなと思うんですね。だから、材料開発という言葉では、途中に入っているとおっしゃればそれはそれまでなんですが、ここからなかなか読み取れない。皆さんが今やっているのはというか、我々がやっているのは、今あるタングステン材料を一生懸命評価しているということに過ぎない。だから、それはもうとてもそんなものではもたんのではないかというような、ほとんどの材料をやった人は予測するわけですよ。

【香山委員】  そうですね。

【吉田委員】  エルムのさらしたときに、今の材料では絶対にあの熱負荷は耐えられない。すぐぼろぼろになりますよ。

【小森主査】  熱負荷というか、最近の大野先生の研究によると、タングステンもぼろぼろになると。

【吉田委員】  だから、そういう、パーツというんですか、こういう、伸びたりとか、ヘリウムの効果とか、熱の効果とか、それから、中性子の効果とか、その辺もっともっとコミュニティを挙げてやらないかんと私は思うので、ぜひその辺をもうちょっと強調して書いていただけたらと思いますけど。

【香山委員】  あと、やっぱり議論が、材料以外の方々は、タングステンと言えばすぐ思って議論されるけど、タングステンというのは要するに元素名でしかなくて、ある意味では物質なんですよね。材料としての議論はされていない、きちんと。ただ、タングステンはもうちょっと中身が入ってくると、ほんとうに議論になって、ただ、世界中そうかというと、そうではなくて、ヨーロッパとかアメリカなんかではちゃんとタングステンといってもその辺の材料設計されたタングステンでどういう機能になるかという議論は、やっぱり一部でされているんですよね。不十分ですけど。それはぜひ、見えるようにしていただけたらいいというご指摘は大事だと思いますね。

【吉田委員】  ヨーロッパでも、アメリカでも、やっているといってもまだまだ。

【香山委員】  まだね。

【吉田委員】  ほんとうにしっかりメーカーを動かして、メーカーの人がそういう意識が今までなかったとはっきり言っているわけですよね。

【小川教授】  わかりました。私からも言っておきますけれども、香山先生、吉田先生は材料関係の重鎮ですので、今の現場の材料にしてもぜひそのメッセージを入れてください。

【吉田委員】  入れるんだけど、必ずこのレベルの表現になってしまうんですよ。

【小川教授】  そうですか。

【小森主査】  香山先生のSICというのは構造材で、ダイバータ板とかには使えないんですか。

【香山委員】  ダイバータ、SICのそういうハイブリッドのやつでやろうというので材料を出すような話をしているんですけどね。それはでもローカルだからまた別。むしろ、ここで、すみません、ありがとうございます。実はダイバータのところでちょっと気になった表現で、直していただきたいと思ったのは、IFMIFに求める成果というところで、これ、IFMIFに対するプロジェクトプランの誤解されていることが多くて、特に材料コミュニティが多いんですけれども、IFMIFは材料照射用の装置だと思っている方が多い。それから、プロジェクトプランをきちんと見ていただくと、これは材料照射だけではなくて、核融合の、例えばブランケット工学だとか、そういう高熱負荷機器の工学のための装置であるということが明確に書かれているんですよ。ですから、ここで書かれているのは、当然IFMIFに求める成果というのはもともとのプロジェクトプランに従ってダイバータプラズマ対抗材料や支持構造体への照射損傷評価は当然で、ダイバータコンポーネントの試験を行って、それなりの機能評価を行う。これはきちんと出してもらうということぐらいは、やっぱりぜひ書いていただきたいですね。しかも、それを生かせるための体制もつくる必要があるということを、ちょっと文章を書いていただきたいと思うんです。何か、この文章を見ると、ついでにコンポーネントもとか、その後の評価もというイメージになるんだけど、一応、そこまでやるという。ただ、残念なことに、もちろんBAは設備をつくって終わりの話だから、本来、次につながるような文章をぜひ書いていただきたい。

【小川教授】  はい。またちょっと後で私も十分理解できていないので、教えていただければ書き直しますけれども。

【髙村委員】  ダイバータの話、私もちょっとかじっていますので、私は非常に不服なのは、すべてを材料にしわ寄せしていると。何がやられているかというと、大型装置ではプラズマのコアのところでどれぐらいの熱が、エルムであれ何であれ、それで熱負荷がどれだけかという評価をする。その間はプラズマなんですよね。ここが欠落しちゃっている。それで、非常に不服で……。

【吉田委員】  何か書いてありましたよね。

【髙村委員】  それで、実はそういう単純な話じゃなくて、材料にくるまでに熱が、プラズマの中を通ってくるわけですよね。それで、そこがいろいろな意味での学術であって、そこがブラックボックスになって扱われているところがあるんですね。それが非常に不満で、そういうところに学術研究は必要で、全部を材料にしわ寄せするというのは、多分、そうすると解がなくなるから。香山さん、いなくなっちゃったけど。

【吉田委員】  今のままではね。

【髙村委員】  解がなくなってしまうので。

【吉田委員】  そうですよ。

【髙村委員】  だから、それはもちろん材料のほうで頑張るのももちろんですけれども、プラズマのほうでも頑張らないといけないので、両方相まってやっていかなくては。かなり専門的な話かもしれないです。

【吉田委員】  ここに、ITERに求める成果というところに書いてありますよね。

【小川教授】  ええ。それがそういうことです。

【小森主査】  その辺は、LHDもやっておりますので。

【吉田委員】  だから、そこを、ITERに求める成果というのではなくて、もっと本格的に。

【髙村委員】  もっと学術的にやったらいいんだよ。

【小森主査】  学術的にですね。

【門学術調査官】  すみません。僕もそちらの専門なのであれですけれども、一応、今回検討した中では、炉心プラズマの、ナンバー9の44ページのところに、僕も確認したんですけれども、一応、ダイバータプラズマの制御はこちらに含めるということでしたので、僕はどちらかというと、こちらに入れてほしいのがあったんですけれども、そういう方針だということになっていたと。

【髙村委員】  はい。理解したと……。

【小森主査】  全体を見ると、入っていると。

【門学術調査官】  一応入っているんですけれども、炉心プラズマの研究のほうに入っているという。

【小森主査】  ほかにございますか。次にもつなげるようないろいろな議論があればと思うんですけれども、どうぞ。

【松田委員】  先ほどの石塚さんのご指摘とも関係するんですが、原型炉に向かって何が必要かというので、これは積み上げ方式で、できるだけ落ちがないようにという、それは最低限必要な作業だと思うんですが、むしろ問題は、その後、予算との関係でどう優先度をつけて、どれをカットして、どういう方向性に持っていくかというのは、非常に組織とリンクするんですね。それで、組織の話をすると、いつもこうあるべきか、あるべきかというのが出てくるんだけど、具体的な提案というのはほとんど今までやっぱりないんですよ。だから、お役所があるとしても、多分取り上げようがない要望だという認識になるんじゃないかと思うので、次の議論をするとき、具体的にどういう予算で、どういう組織で実現すべきだとか、もう少し踏み込んだ議論を我々のところですべきじゃないかなというのが1つと、それから、だれが整理するのと。こういう委員会でするのと。委員会では、レビューはするけど委員会がほんとうにこの項目がそうやって……、まず、第1次的にやるところではないですよね。そうすると、どこかがプロポーズをしないといけないわけですよ。プロポーズをするところは、やっぱりそれなりのプロジェクトに関する統一的な責任をもった視点で考えて、これとこれの研究を第1プライオリティーとかそういう整理をした上で、予算も計画も提案すべきだと思うんですね。だから、組織の議論をするときには、必ずどういう組織体でないといけないかと。どういうところにそういうものを託すかというのも含めて議論していただけたらと思います。

【小川教授】  コメントです。今、松田理事が言われたところが非常に、実はこれをまとめていて私もじくじたる思いがあって、さっきおっしゃったように、どこが負担するの、どこがやるのかとか、そういうところまでが議論、ネットワークだとできないので、どうしても科計じゃなくて項目的なものを、学術的な言い方、そういうところでとどまったと。だから、それはぜひお願いしたいと思います。それは多分、フォーラムのほうのあるときもそれが議論になって、ではどこがこれを開発して手を挙げるのかとか、そういう議論であればワークブレークダウンストラクチャーは書いたんですけれども、なかなか、その後がじくじたる思いがあるので、ぜひそれは、今、松田委員がおっしゃったようなことは思いましたので、ぜひお願いいたします。

【吉田委員】  ぜひ、そういう議論がここでできるような、そういう雰囲気というか、環境をつくっていただきたいなというふうに思いますね。

【髙村委員】  それは、実際本島委員会というか、この委員会の最初のほうにその話が出たんですよね。それで、何となくそれがロードマップのほうへ移行してしまったものだから、そっちのほうに移ってしまったという印象を私は持っているんですけれども、それで、そのとき私が申し上げたのは、IFERCの、今は何というんでしょうかね。炉設計の部門がありますよね。あそこを拡充すべきであるというのが私の提案で、そこら辺がイニシアチブをとって、とにかくばーんと、オールジャパンの1つのコンセプトを出すというのが1つの考え方としてあると思うんですよね。ですから、そういうような提案を例えばしてもらうと、非常に建設的じゃないかなと私は思います。それは一例ですけどね。

【小川教授】  そういう議論を去年の今ごろ、この委員会でやっていたのかなと私は。

【髙村委員】  やり始めた。

【小川教授】  それのアウトプットを期待していたんですけれども、なかなか出てこないので、どうも私が出てきて、こういうことをしゃべると。

【香山委員】  おしかりを受けたよね。

【小森主査】  来期に向けて、どういう議論をしたらいいかということで、いろいろご意見を出していただきたいと思います。

 ほかにございますか。どうぞ。

【東嶋委員】  失礼しないといけないので。来期に向けてということですので、ちょっと意見を述べさせていただきますが。

 この部会でやるべきことなのか、それとももっと上位の部会、核融合部会というのですか、その部会でやるべきなのか、あるいは原子力委員会でやるべきなのか、エネ庁でやるべきなのかわかりませんけれども、今までの議論をまとめたピンクの資料の5番の29ページですが、それが一番直近のまとめたものだと思いますけれども、これで基本的考え方の評価ということで、いろいろどういう取り組みをしてきたか、それはどう評価できるかということが書いてありますけれども、最後のところに、大事なのは社会への発信というか、国民の理解を得るために、やはり学術的な意義はもちろんあるのでしょうけれども、発電への道筋が見える形で効果的、効率的な広聴・広報活動が書いてあります。そして、やはり平成17年の原子力委員会の時点から5年たって一番変わったところは、クリーンエネルギーへの期待で低炭素というか、そこへの期待が大きく変わっているわけですから、そこのところをもう一度、例えばこの部会で示しているロードマップでは、2050年に発電をする、実用炉ですね、ということが書いてありますけれども、その時点から以降についても、核融合が現在の核分裂の原子力発電も含めて、どの程度日本のエネルギーに対して貢献するのか、そして優位性はどういうところにあるのかということを、もう一度どこかでまとめて、背景としてというか、一応、この研究がどうして必要なのかを説明する背景として、もう一度しっかりまとめていただくということが大切だと思います。

 それで、ほかの発電との優位性というのを、このピンクの資料で見ていますと、資料4の参考資料のところ、39ページに核融合のエネルギー源としての特徴がありますが、これを読んでも、もちろんこのペーパーの背景になっているデータがあるのでしょうけれども、それがしっかり説明されていないために、いま一つ、現状ではどうなのかよくわかりにくいので、こういった整理も必要ですし、ほかの発電方法に比べてどういうところがいいか、悪いかの整理を、しっかりマトリックスにして整理していただくということと、41ページの日本エネルギー経済研究所さんの出典として、将来、核融合がどの程度、日本のエネルギーに貢献するかというのがありますが、これはいつの時点でシミュレーションしたものかわかりませんが、JEAさんでももうちょっと詳しいものがありますよね。そういったものも含めて、核融合のコミュニティとしてどう考えているのかみたいなことを、そのデータをJEAさんが出すのか、どこが出すのかよくわかりませんが、もうちょっと新しいもの。そして、グリーンエネルギー、クリーンエネルギーとしての視点を踏まえたものを出していただいたほうがわかりやすいのかなと思ったんです。

 ごめんなさい、長くなって。今回のいただいた審議の案のペーパーの中では、多分、今年はそのことが議論されなかったからだと思うんですけれども、その点については触れられていないですよね。だから、次回以降、そういったことについても少しデータを出すみたいなことを入れていただけるとありがたいかなと思います。データがあるんだったら、つけていただければいいでしょうし。以上です。

【小森主査】  どうもありがとうございます。

【小川教授】  東嶋先生、ありがとうございました。コミュニティの中でも、そういうもので我々のほうで分析したデータはありますので、このときはエネ総研さんのを使わせていただいたんですけれども、また機会があったら、ぜひご紹介させていただきたいと思います。多分、来週の学会のときにでも。

【東嶋委員】  そのときにですか。はい、わかりました。

【小川教授】  私もパネリストの1人で、それを入れるつもりで実はいましたので、2000年から2100年までの間、核融合がどう入ってきたら、どのぐらいの値段が入ってきたらどのくらい入るかというのを、我々のコミュニティの中で計算して、大体2100年の段階で15から20%ぐらい入ることを期待していると。Co2を550ppmぐらい抑えたりとかです。似たような解析はヨーロッパでもやっていまして、やはりそのためには550とか450ppmを抑えるためには、核融合が20~30%入ってくるという分析はあります。その辺は紹介させていただければと思います。

【小森主査】  そうですね、今のご指摘は、特に事業仕分けなどが行われている今、やはり国民にいかに理解していただくか常に考えることが大切であり、必要と思います。

【小川教授】  来週のプラズマ学会のパネル討論会がグリーンイノベーションで、私と東嶋先生と。

【小森主査】  この会議でも、その辺を常に思い起こしながら進めていく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。

【小川教授】  今のご指摘、ありがとうございました。

【松田委員】  2年ほど前に、原子力機構で全体をまとめた原子力から見たビジョンというか、2100年まで。2100年にどうなっているかというのを検討したものがあって、その中には高速炉、核融合炉も入ったものがレポートになって出ております。それもご紹介できると思いますが。ほかの社会から原子力は色目で見られているから、あまり信用されていないようですけれども、ただ、ゼロエミッションに向けてやろうとすると、そういうところまでいかないと、とても無理そうだというのもあって。

【髙村委員】  今ご指摘のあった広報広聴活動という点ですけれども、実はこのレポートは、原子力委員会の核融合専門部会でまとめて、そのときにご意見を聞く会というのがありまして、実はつくばでやったんですけれども、そのときに毎日新聞の科学ジャーナリストの永山さんにレポートしていただいて、大変手厳しいご意見をいただいて、非常に感銘深かったのは、我々は広報活動と言っているんだけれども、広報というのは間違いで、まず、国民の意見を聞く姿勢が大事だということを言われて、ちょっと目が開かれたような気がいたしました。そういうことも含めて、今、小川先生や松田さんが言われましたけれども、今までもそういう活動は随分やってきているんですけれども、これは繰り返し、やはり我々が国民に提示しないといけないということで、ご指摘は全くそのとおりだと思います。ありがとうございます。

【小森主査】  それでは、ほかに何かございますか。

【香山委員】  今の関連で、皆様、いろいろご苦労なさって、例えば国のいろいろな施策の中に、どう文章化されて入るかというのは、努力されているんだけれども、意外とそれほど高い位置では書いていただけていないですよね。例えば、科学技術白書の中を見たって、順位が低かったり、それからそれを受けて書かれている原子力政策大綱などのところでも、やはり必ずしもきちんと書かれていない。これは、やはり何とかしなければいけないというのは事実なんですね。ぜひ、小川先生がお話しされるときにも、本来こうあるべきだけれども、まだ国の中で十分、例えば原子力委員会での認知がどうしても低いとか、どれぐらいギャップがあるかとかというのは、場合によったら言っていただくといいと思うんですね。

【小川教授】  私がですか。

【香山委員】  意外と、そういうものまで一生懸命見たりしなくて、いろいろなことでこうあるべきだなんていう話をすると、それは何となく国も認識していると思ったりする人もいるんです。だけど、こうあってほしいとか、こうあるべきだと、いろいろな意見を言っても、では国のレベルでどこまで取り上げられているかというのは、なかなか伝わっていない。だから、ぜひ伝えていただいて、いかにこのままではどうにもならないのかというのは、伝える努力は小川先生あたりの方を含めて、そういう方が言っていただければと思います。結構情けないんですね、書いているのは。最初のときはいっぱい入っているんだけれども、最後全部切られていって、どんどん切られてしまう。

【小森主査】  上の委員会になればなるほど重要な文章はほとんど入っていないですね。短いのは入っていますが。

 1つには、実用化がまだ先だというので、あまり入らないのかなとも思いますが、実は少し前に、中部電力の研究所で核融合の現状をお話ししましたら、彼らはびっくりして、えっ、そんなに進んでいるんですかという話になって、それからは、中部電力がいろいろな関連会社にどうも宣伝をして下さっているようで、核融合研に見学に来る企業の方がものすごく増えました。やはり広報というか、知っていただくことは重要で、かなり地道に、どこに行って、現状の話、あと何年ぐらいで実用化できるかという話をする必要があると思います。全体的なロードマップの必要性がさらに増すかもしれませんが、あと何年ぐらいでいけるんだということを、やはり、知っていただくことは非常に重要かと思います。

【東嶋委員】  この部会でつくってきた先ほどのロードマップと、絵としてあわせる形で、エネルギーのロードマップというものを、最小ケース、最大ケースあると思いますけれども、それをいろいろなデータを入れながら、核融合のコミュニティとしては、こう考えられるというのを、あわせてお出しになると、非常に、こういう背景があるから、このロードマップが必要なんだというのがわかると思うんですが、今の状況では、おっしゃっているように、上のほうのエネルギーの政策としては、核融合というのはあまり入ってこないので、国民からも見えにくいので、参考資料としてでもいいですから、そういう図をロードマップと同時に出されることをご提案します。

【香山委員】  これは、2008年以降の新しい何かそういうものはあるんですか、出ているものは。ロードマップは、例えば地球温暖化でニュークリアの核融合、原子力技術の2008年に出ているものがありますよね。その中の長期計画の中の最後に、ちらっとITERが出てきたりするんですけれども。

【東嶋委員】  文言は出てくるけれども、例えばグラフとして、何%とかというのではないですよね。

【香山委員】  そういうのはない。だから、ほんとうに具体的なものは何もない。その後の、だから、グリーンエナジーにしても、そういうところでもぜひ、どうなっているか、定量的にどう書かれているかというのは、どなたかがきちんと調べて書かれるんでしょうね。そういう能力を持っているのは核融合研ぐらいしかないんじゃないですか。ぜひ。

【小森主査】  JAEAさんとも相談して。

 では、ほかによろしいですか。

 どうもありがとうございました。、次回は今期の最終になると思いますので必要な修正は事務局にお願いして、来年1月にまとめたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、議事の2でその他となっておりますけれども、事務局からお願いいたします。

【片岡研究開発戦略官】  それでは、資料3に基づきまして、先週、カダラッシュで開かれました第7回ITER理事会の概要につきましてご報告させていただきます。

 今回は、前回7月末に臨時の理事会がございましたけれども、そこでスケジュールとかコストのベースラインが承認されまして、同時に機構長が池田機構長から本島機構長に交代したということを受けた初めての理事会、新体制になっての初めての理事会ということでございます。

 内容としては、プレスリリースの仮訳がつけておりまして、その中では非常に簡単にしか書いてございませんけれども、本島機構長から就任後の状況を踏まえた状況報告があったという中で、本格的な建設期に入ったことと、それから、前回の理事会の宿題でありましたコスト削減策についての検討がされまして、今回提案があったということでございます。

 その他、その下にございますようにITER機構と各国の国内機関との間で強い協力を得られたことに対する賞賛等々がされたということ。

 それから、一番下のほうにございますように、年次作業計画、あるいは予算についての承認を行ったということでございます。

 それから、あわせまして、一番下にございますけれども、本部建屋をこれから着工するということで、定礎式典が、これは理事会の外でございますけれども、あわせて開かれて、各国の代表が出たということでございます。

 非常に簡単でございますが、以上でございます。

【小森主査】  ありがとうございました。

 それでは、今日の議事、これですべて終わりました。次回は来年1月の開催を予定しています。今期の最後にしたいと思いますので、まとめる作業をいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日はどうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

 

 

 

 

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