資料2-1 東北発素材技術先導プロジェクトの事後評価結果概要

東北発素材技術先導プロジェクトの事後評価結果(案) 概要

1.総合評価
・3領域とも、設定された目標に対する達成度は十分であるとともに、地域企業との共同研究など、事業終了後の体制が構築されており、今後の復興への貢献が期待できる。
・東北大学産学連携機構においても、全体的な後方支援活動をしていることが認められるため、今後は事業に対し積極的な貢献と創造的な戦略の立案を期待する。

2.技術領域ごとの評価結果
■超低摩擦技術領域
・産業界のニーズに裏付けられた技術課題に向かって、低摩擦化技術では60%の摩擦低減の実現、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)の水潤滑技術では廃熱発電システム開発への貢献、摩耗耐久性を向上した樹脂複合材の開発では従来品の1割程度の摩耗量実現など、設定された目標は十分に達成された。
・東北経済産業局や東北経済連合会とも連携して活動を行うなど、復興に対する地域連携や産業界との連携強化が復興に有効的に作用していると評価できる。エンジン部品以外の摺動部品や自動車生産設備等に対する今後の幅広い展開に期待する。

■超低損失磁心材料技術領域
・新たなナノ結晶軟磁性材料「NANOMET」に関して、東北での事業化を目指すという目標の下、応用実証研究で目標を達成し、スピンオフとしてレア・アースフリー磁石の新規開発にも成功した研究成果は高く評価できる。
・大学発ベンチャーを設立し成果を継続発展する見通しが明瞭であり、東北において新産業創出につながっている。他企業との連携を拡充している点も高く評価できる。商品化とマーケットインについて、企業経験者を巻き込んだ今後の取組に期待する。

■希少元素高効率抽出技術領域
・物理選別技術の高度化、新規化学精製基盤技術の確立および応用技術開発の3つの目標に対し、目標は十分に達成されていると評価できる。また、福島県や宮城県の中小企業を中心に支援を実施するなど、復興への顕著な貢献を認めることができる。
・上記両県でリサイクル関連協議会を設置するなど、事業終了後のリサイクル産業構築を目指した活動も活発であり、企業と共同研究中及び情報交換中のテーマについて、事業化に向けた今後のさらなる発展に期待する。

■東北大学産学連携機構
・効率的な産学連携や地域連携の推進のため、本事業の広報活動や連絡調整委員会の運営、セミナーの開催等をはじめ、3技術領域のサポートに尽力しており、本事業全体の高い評価に貢献している。
・今後、本事業の成果が実際にメーカーに採用され社会実装されるかどうか、それにより実際にどのくらいの経済効果が得られたか等の追跡調査に取り組むことが必要である。

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研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付

(研究振興局参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)付)