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資料7

特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針

(平成17年9月29日文部科学省告示第146号)

 近年、科学技術の一層の高度化、複合領域化等が進み、基礎的・創造的な研究をはじめとする科学技術の振興が強く求められているとともに、科学技術分野における我が国の国際貢献の必要性が高まっている。このため、先端的かつ高度な研究を行うための施設・設備を国内外の研究者に幅広く開放し、その共用を促進する等の研究開発基盤の強化を図り、当該施設・設備を通じた産学官及び海外との研究交流を一層促進していくことが求められている。
 特定放射光施設は、独立行政法人理化学研究所(以下「理化学研究所」という。)により兵庫県に設置される世界最高性能の放射光施設であり、汎用性の高い先端的施設であることから、多様な物質・材料の構造解析をはじめとして、材料、バイオテクノロジー、情報電子、化学、医療等広範な分野の研究及び技術開発の飛躍的な発展に大きく貢献しているところである。今後とも、産業界を含むあらゆる分野の研究者に広く開放し、その共用の促進を図ることが必要である。
 このような認識の下、科学技術に関する試験研究を行う者による特定放射光施設の共用を促進することを目的として、この方針を定めるものである。


第1   特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方向
1  利用者本位の考え方による運営の実施
 自然科学における知見は、革新的な分析・解析手段等に負うところが大きいことから、広範な科学技術分野に先端的な研究手段を提供する研究基盤施設である特定放射光施設は、国内の産学官の研究者はもとより、海外の研究者にも広く開かれた施設として最大限に活用されることが重要である。
 このため、施設の運営に当たっては、公平な利用機会の提供や課題選定の実施のみならず、利用者の意見に十分配慮した共用施設の整備、さらには特定放射光施設の性能向上といった観点も含め、利用者本位の考え方により実施されなければならない。
2  放射光利用研究の促進
 特定放射光施設を最大限に活用して、科学技術の振興に寄与するためには、放射光の持つ利用可能性を更に開拓し、その施設利用研究の裾野の拡大を図ることが重要である。
 このため、世界のトップクラスの放射光利用研究が行われることを期待しつつ、先端的・革新的な利用研究の促進を図るとともに、放射光利用経験の少ない研究者にも抵抗なく利用できるよう適切な支援の実施が必要である。
 また、特定放射光施設を中心として、世界の俊英が集まる研究環境を有し、優れた研究成果を世界に向けて発進できる「中核的研究拠点」(センター・オブ・エクセレンス)の一つとなるために、理化学研究所及び放射光利用研究促進機構(以下、「機構」という。)が大きな役割を果たすことが重要である。
3  国際交流の推進
 科学技術分野における国際的貢献を図りつつ、創造性豊かな科学技術の振興を図っていくためには、科学技術の国際交流を積極的に推進することが重要であり、特定放射光施設の特徴に鑑み、その積極的な活用が必要である。
 このため、その利用に当たっては、国内の研究者と同様に海外の研究者にも広く開放するとともに、国際的なシンポジウム等を活用することにより、その成果を世界に向けて発信することが求められる。

第2   施設利用研究に関する事項
1  公平な課題選定の実施
 特定放射光施設の共用に当たっては、国内外のあらゆる利用者、全ての研究分野に対して、透明な手続により公平な利用機会が提供されなければならない。
 このため、機構に設置される学識経験者により構成する諮問委員会において、供用業務の実施に関する重要事項を審議し、その結果を広く公表することにより、利用課題及び専用施設の募集及び選定の公平性を確保する必要がある。
 また、利用課題の選定基準に関しては、既存の研究分野にとらわれることなく、研究課題の科学技術分野への貢献度や発展性を重視するとともに、社会経済への寄与についても配慮して策定する必要がある。
2  適切な支援の実施
 施設利用研究の裾野を拡大するためには、放射光利用経験の少ない研究者でも抵抗なく特定放射光施設を利用できるよう適切な支援がなされなければならない。
 このため、機構においては、国内外における放射光利用研究の動向の把握及び分析、放射光利用研究の高度化に資する試験研究等を積極的に実施することにより、放射光利用研究に関する一層の知見の蓄積を図るとともに、施設利用研究に係る相談や研究内容に応じた情報の提供等に適切に対応するための人材の確保等に努めることが必要である。
3  積極的な成果の公表と啓発活動の実施
 施設利用成果は、科学技術の振興を図るとともに施設利用研究の拡大に資する知的公共財として積極的に公表されるべきものであり、利用者による自発的な公表を期待するとともに、その公表が促進される方策が求められる。
 また、機構においては、利用者相互の情報交換が適切になされるよう配慮するとともに、シンポジウムの開催等による積極的な啓発活動に努め、新たな利用者の発掘を図ることが重要である。
4  機構の研究機能の強化
 機構が中核的研究拠点(センター・オブ・エクセレンス)として優秀な頭脳をひきつけるためには、機構自らが放射光の発生及びその利用に関する高い知見を有することが重要であり、研究者の流動性を確保しつつ、施設の高度化や新しい利用技術の開発を含め、研究機能の強化を図る必要がある。
 このため、大学等国内外の研究機関との間で、研究者の交流や共同研究等を積極的に推進するとともに、人材交流の活性化に配慮する必要がある。

第3   共用施設及び専用施設の整備に関する事項
1  共用施設の整備
 理化学研究所による共用施設の整備に当たっては、機器性能の高度化を含め、利用者のニーズが適切に反映されることが重要である。
 このため、理化学研究所は、利用者のニーズを把握すべき立場にある機構と密接に連携し、その意見に十分配慮する必要がある。
2  専用施設の整備
 理化学研究所以外の者が自らの負担により建設する専用施設の選定に当たっては、研究目的の科学技術分野への貢献度や発展性に配慮しつつ、専用とする必要性、施設の維持管理能力等を有することが機構において確認されなければならない。

第4   共用施設及び専用施設の運営に関する事項
1  利用しやすい運営の実施
 施設利用に関する諸手続については、機構において利用者に対する窓口の一元化を図るとともにその簡素化に努める必要がある。
 また、機構は、利用者本位の考え方による運営を実施するため、幅広い分野における利用者のニーズの把握に努めることが必要である。
2  施設の適切な運営の確保
 共用施設又は専用施設のみならず、入射系、蓄積リング等特定放射光施設に係る施設が一体として一つの機能を果たすものであることから、理化学研究所との適切な連携の下、機構においてその全体が一体的かつ効率的に維持管理及び運転されることが重要である。
 さらに、施設全体を通じた安全管理についても、専用施設の設置者の協力を得つつ、理化学研究所との全面的な連携の下、機構においてその万全を期する必要がある。
 また、専用施設の設置者は、その設置の主旨を踏まえた施設利用研究を実施するとともに、機構においては、当該施設の利用状況を把握し、必要に応じて当該設置者に対して適切な助言を行う必要がある。

第5   その他特定放射光施設の共用の促進に際し配慮すべき事項
1  地元自治体との連携
 優れた研究基盤施設は、研究交流の場を創生し、地域における科学技術活動の活性化につながるとともに、研究機能の複合体(リサーチコンプレックス)の形成に資するものであることから、海外の研究者にも配慮した環境整備の一層の推進を図ることが重要であり、地元自治体による協力が求められる。
 このため、関係機関と地元自治体との密接な連携を図る必要がある。
2  関係研究機関との連携
 放射光利用研究は研究内容に応じて利用する波長領域が異なることから、特定放射光施設をより有効に活用するため、適切な役割分担を考慮しつつ、他の放射光施設との有機的な連携を図ることが求められる。


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