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情報科学技術委員会 次世代スーパーコンピュータ共用ワーキンググループ(第2回)議事録

1. 日時
  平成18年4月27日(木曜日) 10時〜12時

2. 場所
  国立情報学研究所(学術総合センター)12階1208会議室

3. 出席者
 
(委員) 福山主査、大島委員、大谷委員、大野委員、岡本委員、神谷委員、高棹委員、鷹野委員、寺倉委員、樋渡委員、牧野委員、西尾科学官
(事務局) 清水研究振興局長、藤田研究振興局審議官、村田振興企画課長、木村課長補佐、堀内法令制度準備室次長、松川情報課長、星野情報科学技術研究企画官、柴崎学術基盤整備室長、林課長補佐、庄崎専門官

4. 議事
 
(1) 次世代スーパーコンピュータの共用に係る基本的考え方について
(2) その他

5. 議事概要
  (◎主査、○委員、△事務局)
 
(1) 次世代スーパーコンピュータの共用に係る基本的考え方について

  <事務局から資料3に基づき次世代スーパーコンピュータプロジェクトの進捗について説明>

 
主査 本ワーキングループでとりまとめる報告書は、次世代スーパーコンピュータ(以下、次世代スパコンと略す)プロジェクトでどういう位置付けとなるのか。

事務局 次世代スパコンの運用の枠組みとして法律を整備しているが、法律に基づく運用に際しての基本的な方針づくりが本ワーキンググループ(以下、WGと略す)の役割である。

主査 共用の議論を行う際には、施設がどうなるか、どうあって欲しいかという観点が当然入るが、その意識で議論を行っていくということで問題ないか。また、次世代スパコンの開発主体は理化学研究所(以下、理研と略す)に決まっているが、理研に対するコメントも出してよいか。

事務局 問題ない。

主査 プロジェクト推進委員会には将来次世代スパコンを使う、または現在スパコンを使っている方がメンバーとなっているか。また、推進委員会と理研との関係はどうなっているのか。

事務局 推進委員会は次世代スパコンプロジェクト全体の意思決定の場である。文部科学省としてきちんと意思決定を行うために文部科学省のメンバーと開発主体の理研のメンバー、さらに外部有識者のメンバーという構成になっている。

主査 スーパーコンピューティング技術産業応用協議会が体制図に出ているが、アカデミア関係のものはないか。

事務局 アカデミアのコミュニティづくりもやっていかなければいけないと認識しているが、現在相談を始めたところである。産業界の方では以前よりアプリケーションユーザーを育てる観点で相談をしている窓口があり、早くから組織が立ち上がっている。

  <委員から資料4に基づき次世代スパコンの共用に関する意見の説明>

  <委員から資料5に基づきスーパーコンピューティング技術産業応用協議会に関する説明>

 
主査 多数の機関が参加しているが、意見は発散しているか、それとも収束しているか。

委員 まだ意見を集約している段階で、発散とも収束ともいえない状況であるが、多数の企業から多種の要求が出されることが想定される。次世代スパコンにおいては、大きなテーマの計算を行うだけでなく細かい計算に対する受け皿も必要だと思う。これらの細かいものがそのうち大きな課題となることもありうるためである。「ワンストップ・コンサルティング」という言葉があるが、そこに相談すれば何とかなるという窓口が欲しい。ハードとソフト双方がすぐれたものとなるようなバランスが必要になる。
 例えば、化学メーカーの場合、PCを用いるような規模の1つの分子についての計算を、やがて100種類の分子について一気に計算したいという要求が生じ、パフォーマンスというよりスループットの大きさが必要になってくるという場合がある。こういった、ちょっと工夫することで大きく研究が進むような計算のサポートがあるとよい。

主査 研究開発にはいくつかのステージがあり、最初はPCから始まって、ある段階でスパコンが使いたいという場合がある。こういったケースを効率良くすることは、運用体制やコミュニティ等のコーディネートにかかっていると思う。

  <委員からアカデミアの動向に関する説明>
 
委員 まず、現在この次世代スパコンに関連して、グランドチャレンジの課題としては、バイオとナノテクが決まっている。分子科学研究所を中心としたナノテクの方は、計算科学を中心に物性物理や化学、さらには実験まで含めたシンポジウムやワークショップを定期的に開催して、情報交流を図り、融合的なコミュニティの形成を目指そうとしている。また、バイオを中心的に進めることとなっている理研においても、バイオ関連の全国的な組織を作って広く意見を聞いたりプロジェクトの選定をしたりしようとしているようである。
 より広くこの次世代スパコン全体に関わる連携を考える際に、構成要素として、次世代スパコンを中心にした共同利用の計算機資源、Spring8を代表とするような大規模の実験施設、それとユーザー・コミュニティの3つがあると考える。
 次世代スパコンを中心として、共同利用計算機センターの計算機資源の一部まで含めた計算機資源については、計算の規模に応じて適切な計算機資源の配分をすることにより、継続的で厚みのある成果につなげられる。
 大規模な実験施設については、そこから出される最先端のユニークなデータを、計算機を駆使した理論解析と連携させて価値を高めていくことができれば非常に意義がある。
 ユーザー・コミュニティに関しては、大学、研究開発独立行政法人、企業等の切り口と、計算科学の研究者と計算機科学の研究者という切り口がある。
 物性科学における既存の活動やコミュニティの例としては、450人に上る物性研の計算機の計算機利用者、科研費の特定領域研究のシミュレーション関連の研究、JSTのCRESTやさきがけにおける研究等がある。さらに重要なのは、既に共同利用の計算機資源を持つ東北大学の金属材料研究所、筑波大学の計算科学研究センター、東京大学の物性研究所、7大学の情報基盤センター等で、今後次世代スパコンへの対応等において、これらの協力が期待できるのではないかと考えている。
 イギリスの例では、20年位前スーパーコンピュータの導入が決まった際に、コラボレーティブ・コンピューテーショナル・プロジェクト(CCP)というコミュニティが形成されている。この中には、量子化学、固体物理等の重要なテーマごとに15のグループがあり、それぞれのテーマごとに、どこかの機関が世話役をして、イギリス全土にわたる横の連携を図っている。ホームページを見ると、それぞれの年度計画等が掲載されており、ワークショップの企画やコミュニティーによるソフトウエアの整備等を行っていることがわかる。 さらに詳しく調べてみたいところであるが、我が国においても、こうした活動を参考にしながら、例えば、共同利用計算機センターまで含めた計算資源を、グランドチャレンジ課題が利用する部分、一般のユーザが利用する部分、大規模な実験施設との連携に利用する部分にわけて、それをうまく調整するような組織ができないかと考えている。

主査 規模の違う計算機センターの連携、大規模な実験施設との連携、ユーザーコミュニティと3つの論点があるが、コミュニティづくりのきっかけが本WGで議論できればよい。

委員 研究機関が独立行政法人化して、研究者のコミュニティがばらばらになっている状況なので、次世代スパコンプロジェクトを契機に連携できればよい。

  <事務局から資料6,7,8に基づき共用に係る基本的考え方の論点及び委員からの意見の整理に関する説明>

 
主査 本日の議論では資料6の論点を深め、これをもとに次回WGで基本的な方針案を整理して示したい。本WGに課せられたタスクは、具体的な課題の選定方法や運用方針ではなくて、検討事項の重要性や検討の際の留意点などの抽出であると考えている。また、施設の共用は施設あってのことなので、望ましい施設のあり方についても意見交換していきたい。

1 施設利用研究について
主査 施設利用研究に関しては、先ほども議論があったが、研究に応じてスパコンの使い方に多様性が生じる。この点を課題選定で考慮する必要があると思う。

委員 SPring-8では、特定の研究分野、利用規模といった制限を設けずに、公平に提案機会が与えられている。大規模な計算を行えば規模に比例した数の論文が出るわけではなく、評価する際に成果が少ないということにもなりかねない。SPring-8でも、幅広いテーマを扱っている共用ビームラインのほうが専用ビームラインよりも論文が多いという傾向が出ている。サイエンス的に画期的な成果は、新しい対象に対してあまり大規模でない計算を行った時に出てくるという側面もあるので、こういう計算を排除すべきではない。

委員 SPring-8の課題選定は試行錯誤して何度も仕組みを変えてきている。最初は公平であったが、最近は提案機会は公平にしつつも選定に当たって重点化もしている。また、課題選定以外に大事なことは、支援主体がユーザと施設のインターフェースの機能を十分発揮できるかどうかである。

委員 次世代スパコンは、開発が終わってからも進化するのか、施設がどのくらい継続するのか、といった点についても、運用について考える時には加味する必要がある。

主査 意見を整理すると、科学的に広い視点に立った意見がきちんと出るような課題選定委員会を作って欲しい、ということと、施設の継続性をどう考えるか、という点であると思う。施設の継続性について、SPring-8ではビームラインの改良により絶えず進化しており、スパコンでこれが可能かどうか、可能とするためにはどうすればよいかは論点となる。その際、他のコンピュータ・センターと連携が取れていることが重要であると考えるが、これについては後ほど議論したい。

2 国際交流について
主査 国際交流・連携のあり方についてはどうか。米国のスパコンを日本からアクセスして利用することは可能か。

事務局 日本からアクセスすることは不可能である。ただし、米国のスパコンを利用するための利用者グループがあり、その中に外国人を含むことは可能である。

主査 米国のスパコン利用の成果は、米国が知的財産権を保持するということはあるか?

事務局 米国の方針を正確に把握していないが、日本人研究者がグループの一員として利用した場合、個人の成果とはならないという感じはある。

主査 国際連携は非常に大事であるが、法制的な問題もあるため、現在の段階では問題点に十分留意して推進するという整理に留めておく。

委員 欧州のプロジェクトでは、外国人の審査員も用いた審査を行っており、日本は閉鎖的だという感がある。

主査 課題審査の段階での国際性、国際的な意見交換の仕組みはメリットとデメリットを考慮する必要がある。大きな施設の開発では、評価を国際的に行うかどうかについても考える必要があると思う。基軸は国際連携、国際交流だが、留意すべき点はいろいろとある。

3 支援体制について
主査 いろいろな支援が必要であるが、それらについては、体制の構築、人材の配置等に注意して欲しいということでまとめられるのではないか。そのためにも、施設側の状況がユーザによくわかると同時に、ユーザ側の意見、希望が施設にきちんと入っていることが重要であり、これらが組織的に行われる必要がある。

委員 サポート人材の質が重要であり、どうやって優秀な人材を確保するかという議論が不可欠である。

主査 これに関しては、サポート人材のキャリアパスを社会的に認識・評価するべきで、そのためにも、異なる組織間での人材交流が積極的に行われるべきではないかという議論を行ったことがある。これまでは技官、技術職員的な立場の方の課題であったが、ここではもう少し研究者に近い人が支援を行うこととなり、その役割、評価についても考える必要がある。

4 成果の取扱い等
主査 産業利用では、利益を考えて費用負担を課すことや、機密保持や知識財産権・成果の取扱いを今後検討していく必要がある。

5 啓発活動
主査 広報、情報発信は社会的な理解を得るために、できるだけ早い時期から行うことが大事である。スパコンで何が可能になるのかといった研究的な面と、そのための組織・体制づくりの両方の情報が提示される必要がある。コンピューティングに関してのアカデミア・産業界・行政から意見が出され、一緒に議論すると効率がよいが、コンピュータの世界全体から見るとアカデミアの活動が少ないと感じる。

委員 物性研の計算機センターのメーリングリストなど、既存のものが活用できるが、さらにホームページ等をうまく利用して情報が広く伝わる仕組みはこれから作れるのではないか。

委員 既に計算科学周辺のコミュニティはあるので、これをリストアップしてまとめ、ユーザーコミュニティとして情報を流すようにしてはどうか。

事務局 行政としても、コミュニティの形成・醸成を助けるような活動を行っていきたい。計算科学は伝統的な各分野の一部分という感じになっており、分野を超えたコミュニティの融合ができればアカデミアの活動が活性化されると期待している。ナノテクノロジーに関わる部分では、複数の分野を融合したシンポジウム等企画しており、成功事例にできればと考えている。

6 研究機能等の構築
主査 大学の研究者を次世代スパコンの研究を行う者として併任する等、人材確保・育成の仕組みを考えないと、施設の継続性が期待できないのではないか。

委員 各地のスパコンを連携して利用する際には、具体的にどういう枠組みを考えればよいか?

主査 研究テーマが申請された時に、どこの計算機を使えばよいか助言してもらえると効率がよい。その際に、コミュニティが大きな役割を果たすと考えている。そういうアカデミアのコミュニティと産業界、行政が一緒に議論できる場があればよい。

7 施設整備について
主査 既に議論されてきていることと関連していると考えてよいか。

8 施設運営について
主査 これも既に議論されてきているが、研究者が利用しやすい施設とするためには、制度作りについて早くから準備しておく必要があり、その道筋を今の段階から意識して提案する必要があるということでよいか。

9 その他
主査 これもこれまでの議論と関連しているが、同様のミッション、役割をもった施設同士の連携、協力体制の構築が必須である、ということでまとめられる。

10 基本的な方向
主査 今までの議論を踏まえて整理すればよいと考えてよいか。

 
(2) その他
 
主査 さらに追加したいご意見等があれば、メールで事務局の方にお寄せいただきたい。

  <事務局より、次回WGを5月15日 13時30分〜15時に開催する旨の連絡>
  閉会。

以上


(研究振興局情報課)

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