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原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会(第10回)議事録

1. 日時
  平成18年6月23日(金曜日)10時〜12時30分

2. 場所
  経済産業省別館827会議室

3. 議題
 
(1) これまでの作業部会における質問等について
(2) 作業部会報告書骨子案について
(3) その他

4. 配付資料
 
資料第10−1−1号   これまでの作業部会におけるご指摘事項について
資料第10−1−2号 処分費用の感度解析
資料第10−1−3号 RI・研究所等廃棄物の処分事業資金のモデルケースについて
資料第10−1−4号 RI・研究所等廃棄物処理処分に関する研究開発等の現状
資料第10−1−5号 RI・研究所等廃棄物の浅地中処分相当の廃棄体量、余裕深度処分相当の廃棄体量、地層処分相当の廃棄体量及びクリアランス対象となる物の量
資料第10−2号 原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会報告書骨子案(第2次案)
資料第10−3号 RI・研究所等廃棄物作業部会(第8回)議事録

5. 出席者
 
構成員: 榎田主査、松田委員、碧海委員、石榑委員、石黒委員、小幡委員、佐々木委員、柴田委員、東ヶ崎委員、野口委員、三代委員、山名委員、山内委員

事務局: (研究開発局)
藤木審議官、中原原子力計画課長、須藤原子力計画課放射性廃棄物企画室長
(説明者)
伊集院部門長、坂本技術副主幹

6. 議事概要
 
主査より作業部会開催の挨拶。
事務局より本日の配付資料の確認。
主査より、本日の説明者の紹介をした後、本日の議題について審議開始。

(1)−1 これまでの作業部会における質問等について
  事務局より、資料第10−1−1号「これまでの作業部会におけるご指摘事項について」を説明。委員からの主な意見、要望は特になし。

(1)−2 これまでの作業部会における質問等
  説明者より、資料第10−1−2号「処分費用の感度解析」を説明。委員からの主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 感度解析の意図は、冒頭に説明があったように、資料第10−1−2号2ページの試算と原子力部会の1本当たりの処分原価がどれぐらいになるかの比較である。そのために感度解析をしたわけだが、資料第10−1−2号12ページにおいて物量が増加すると処分費用全体も増加する、期間もより長期化すると処分費用が増加するというまとめでは全然答えになっていないのではないかと思う。そうではなく、物量が増えた場合、資料第10−1−2号7ページの1本当たりの処分単価について、赤い線は物量が増えた場合に単位当たり低減する。だから、資料第10−1−2号2ページへ戻り、本試算の場合、物量が少なく原子力部会の方が多いので、1本当たりの単価が違うということを説明したかった。だから、もしこれが増えれば、資料第10−1−2号2ページの試算では処分単価は1本当たり70万円になっているが、これが原子力部会に近づくかもしれないといえばよいのではないか。資料第10−1−2号7ページでそのような説明をしないといけないのではないかと思う。それに対して、資料第10−1−2号2ページの原子力部会との比較を見ると、期間は原子力部会のほうが短く、本試算は長くなっているが、それは処分単価にあまり効いていないというような説明をした方がわかりやすいのではないかと思う。
 もし今のような結論でよしとすると、資料第10−2号に出ている作業部会報告書骨子案では今のようなことがある程度導かれたことがわかるように文章化した方が良いと思うがどうか。

【説明者】 その通りである。資料第10−1−2号は計算のもとにした施設の設計が原子力部会で示されている物量をカバーしていないところがあり、その関係上、資料第10−1−2号7ページに示している物量までとしている。実際、比例計算で行うと大体同程度、正確に言うと若干下がる程度になるが、その意味では極端に変わる値ではなく、大体同程度の単価になることが言えるかと思う。

【主査】 2つ目の指摘で、宿題事項は他にもあるが、報告書骨子案はあくまでも骨子なので、むしろ報告書に反映するかどうかであると思う。

【事務局】 榎田主査の話のように、骨子というよりこれからの報告書に反映ということだと思う。作業部会の議論で反映した方がいいというものについては反映したいと思う。今回、作業部会で合理的見積もりを議論し、それに関連した部分で入れるべきという指摘があれば、報告書には反映するべきだと考えている。

【主査】 この議論はこれまでの作業部会で何度か取り上げてきた議論と関連しているので、できるだけ重要なところを拾って報告書に反映するような形でいきたいと思う。

【委員】 感度解析の意味を作業部会で私以外の委員からも指摘されている。要するにここで物量を出しているが、例えば、生ごみで過去どれだけ発生したかは、明確な数字である。しかし、それをトレンチ処分にするか、コンクリート処分にするか、現時点では明確な数値を出すことについて不確定性が残っている。たとえ、境が決まったとしても、今度、その処理をどの形で行うか、クリアランスが決まっていなければ、そのトレンチの物量も変わってくる。そういうこともあり、その変動に対してどれくらい見積もった価格が変動するか。多少、変動してもあまり変わらないということなのか、そこに依存しているということなのか、その辺の見極めもしたい。絶対量が変化するというのも将来について、片方が増えると片方が減るというところは、現時点できちっと出せないのでそれぞれ独立変数として変化させたときに全体としてどうなるか。そういう計算をされていることだろうと思う。そのような規制絡みの変動幅に対してこの結果をどのように解釈するかというのは、処理が絡んでくるので難しい。だから、結果の使い方という面もよく考えないといけないのではないかと私は思う。

【主査】 石榑委員から注意いただいた点はそのとおりだと思うので、特に価格等について1本当たりの試算が第7回や本日も出ているが、あまりこの数字だけがひとり歩きしないようにしたい。結果として処分単価が安くなればいいが、高くなることもあり得るということで、この感度解析の結果は、その意味でも非常に重要だと思うので、先ほど佐々木委員からも指摘があったように、報告書でそのあたりを明確に読めるようにうまく報告書を作成する作業に反映させていただきたいと思う。

【委員】 研究所等から種々雑多な廃棄物が発生しており、それをうまく分けてトレンチ処分に入るものはトレンチ処分にすれば、処分費用がどんどん安くなる。又はトレンチ処分で済むものがコンクリートピット処分に入ると無駄なお金になる。放射能濃度の高い物質がドラム缶に少しでも入っていれば、それを除くとトレンチ処分でき、安くできる。そう考えると、その処理の考え方で雑多な廃棄物をどう分けるか、合理的に除く、裾切りするという行為によって、これはかなりお金がかかるという結果が示されている。トレンチ処分の場合、ピットの数分の1の値段で済む。そうすると、ある意味では、ここに出された提案は、処理費用が膨大にかからない範囲で言えば、適切な分別処理を合理的に入れることによって安い方向を目指すためのデータが出ていると解釈できるような気がする。石榑委員の指摘のように、このデータはコストミニマムを目指すための1つの基礎データとして、処理を含めた処分の実施の最適化のあり方の考えのベースとして利用できるのではないかと思う。

【主査】 山名委員から指摘された点が、今後、作業を進める上で非常に重要なところかと思う。それを含めて報告書に書かせていただく。

(1)−3 これまでの作業部会における質問等
  説明者より、資料第10−1−3号「RI・研究所等廃棄物の処分事業資金のモデルケースについて」を説明。委員からの主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 資金の議論をする際に大きいポイントとして大きい会社、小さい会社も含めてドラム缶を埋設処分する費用を負担するのが大変ということで、積立制としての資金確保をどうするのかという問題がある。もう一つは、実施主体の負担としての建設費のピークが7年目、8年目あたりに来る。今までの経験によれば300億とか400億のイニシャルコストがピークとして掛かる。その資金調達をどうするのかという問題は、処分費用とイニシャルコストの調達という問題と2つの視点があるという認識だったと思うが、この拠出金の考え方として、資料第10−1−3号10ページでも同じであるが、その7、8年目の建設費も積み立て制度の中でカバーしようとするという考え方だとこの図は読めるが、この考え方が報告書の中でどういう書きぶりにするかというのに非常に関係すると思う。これから先の議論になるが、作業部会骨子案では処分費用をどうするのか、建設コストをどうするのか、イニシャルコストの建設費用をどう調達するのかというのを分けて書いているように見えるが、これだと拠出金制度でその2つの問題を両方カバーしようという考え方で、いろいろな仮定があるが、基本的な考え方としては、この1本の処分費用で、ドラム缶の埋設処分と建設処分の費用をカバーしようと1つの試算をしたという理解でよいか。

【説明者】 そのとおりである。

【委員】 その考え方でカバーできるならばいいが、プール制はどちらかというと建設資金だけではなく、過去分も含めてドラム缶の埋設処分費用も、大手だけではなく中小施設も含めて負担するのでいいのではないかという大きい流れで来たと思う。それをこういう形で合体し、初めてこういう解析の考え方として出ているので、この考え方を骨子案としてどのように書くかは、別途、これからの作業部会骨子案の議論になるが、現在の私の理解では少し違和感が残っているという感じがする。

【主査】 事実の内容として、このモデルケースは、先ほど説明のような考え方で、とにかく試算をしたということである。それから、政策として今後どのようにするかというのは文部科学省(文科省)で進めるので、それも今後の話かと思うが、作業部会としては石黒委員から指摘いただいたように認識がそろっていないといけないと思うし、議論をすることで、要するにこの外部積み立て、資金積立の方法に関する意味については委員の間で認識の乖離がないようにする必要があるかと思う。

【委員】 文科省に確認をしたいが、最初に3つの積み立て方式があり、この場合、拠出金方式である。作業部会骨子案の中でお金の積み立て方式、拠出金のあり方については国が策定することで、必ずしもその中身が作業部会にそれほど出てきていない。その点に関する質問、不安等がこれまでにも話されていると思う。そこで、私の質問は、この4つのケースについて、詳細はこれからかもしれないが、基本的に文科省が考えている拠出金方式は、このモデルケースに用いられた考え方と同じで、これに沿うと考えてよいか。もう少し付け加えると、例えば、資料第10−1−3号10、11ページのケースによれば、前提条件として立地が決まった段階から積み立てることになっている。先ほどの言い方であれば、前提条件として購入時に環境調査開始時とした。だから、購入と環境調査が一致している。その次の前提条件では、立地が決まり、その上で調査が始まり、そこから積み立てていくと理解をしたが、それでよいか。もしこれで事業が成り立つのであれば、積立を慌てて早くする必要はないのではないか。だから、金額の面の賛成、不賛成という問題はあるかもしれないが、立地が見えてからでも間に合うのではないかというのは、短絡した見方かもしれないが、そのように見える。それから、5年後に積み立てる場合、これは立地が見えなくても5年後と言えるかどうか。何を言いたいかというと、資料第10−1−3号8ページ、9ページでお金を要するに積み立てた金額と使う金額が合うように計算していると思うが、横軸の時間軸が見えないとこのようなつじつまの合った計算はできないのではないか。だから、早くから積み立てを開始していつ操業ができるかが見えないと、それを目標として立てることが必要ではないかということを私は前回話したので、そのところをうやむやのままにして、こういうつじつまの合った計算はできないのではないか。それから、場合によっては、その立地が見えてから積み立てても間に合うのではないか。

【主査】 1点目については、これは非常に重要であり、いろいろ理屈はあるかもしれないが、まさしくそのとおりなのではないかと思う。それから文科省として、この処分事業資金の計画について、現状、どのように考えているのかについて、私の理解では、今後、政策を立案する段階で作業部会の議論を踏まえて工夫しながら実際の策定に入ると話していると思うが、少し具体的な考えが等あったら、その点について合わせて総合的に、石榑委員から指摘があった点に可能な範囲で考えを教えていただければと思う。

【事務局】 今回、資金の積み立てを考えているのは、まだRI・研究所等廃棄物の処分場がないが、実際に現在廃棄物は発生しており、現在発生している廃棄物の処分費用を処分場の整備が見えてから準備すると発生者の負担額が非常に高くなりその負担も過重になる可能性があるためであると説明している。この点から話すと、基本的に処分事業が見えてから資金積み立てにしてもいいのではないかという指摘に対しては、資金積み立ての制度の本旨は、ある程度の時間のずれがあることを利用して負担額をより確実に負担していただくようにしているものだと考えている。
 今回モデルケースとして実施したのは、例えば拠出金制度が始まるときに処分事業が始まった場合、拠出金制度が始まった後5年後から具体的な処分事業が開始した場合、それぞれについて資金展開の例を示したものだと考えている。石榑委員が話されたように、具体的な制度は作る際には、当然、処分事業の実施には不確定要素があるので、それは整理していかないといけないということだと考えている。
 したがって、繰り返しになるが、この資金積立制度の実施と処分事業の開始は、リンクしていないというよりは、資金の積み立て制度は処分事業よりも先行してやれば、早ければ早いほど費用の負担がより確実になるのではないかと国としては考えている。

【委員】 RI・研究所廃棄物の手だてが今まで非常におくれてきたから、廃棄物やリサイクルの分野から見ると、立地が決まってからお金を積み立てることは無理な話で、やはり粛々と計画は目標に向かって進めていくべきだと思う。
 それから、建設費はこうだとか、処分はこうだという考え方は国民に対する説明としては非常に複雑になっているので、トータルコストとして積立金はこれくらいという情報提供が国民にとってもわかりやすい安心感を与えると思う。事業者側の拠出金として負担する資金に関する不安感はわかるが、それは今まで予算立てをしていなかったから不安であり、きちっと廃棄物を管理していくということを決めれば、そのコストは使用者、例えば病院の治療費の中に入る、又は研究費用の中に入るということになるから解決できることだと思う。

【委員】 この問題に関して、前回の作業部会では、ともかく実施主体が決まった場合、拠出金や何かその制度は決まれば、実施主体にお金が入ってくると同時に処分実施のための費用が出ていくという収支があり、処分事業について5年、10年という年度展開の場合、その実施主体がこの仕事を引き受けて、その事業としてうまくやっていけるのかどうかというところが非常に大きな問題になり、それについて「宿題」として、今回のこのモデルケースをやって欲しいということに対応して今日説明があったと理解している。このことについて、報告書にどのように書くかということについては、先ほどの感度解析の場合とは違って、既に作業部会報告書骨子案に「処分事業が円滑に行われるように国として積極的に対応することが必要」と記述してあり、モデル事業に関連することがもうすでに文章として入っている。もう一つ戻って、処分事業が円滑に行われるように、本当に行えるかどうかということを確認したのが今日の資料で、ケースが4つあるが、説明の最後について、しり切れトンボで終わっているところが物足らない。つまり、4つのケースを考えたが、この事業がワークするかどうかについてはあまり心配ないということが1つの答えとしてあるかもしれない。2番目の答えとしては、4つのケースがあったが、このケースをとった場合はこういう心配な点が起こるので、国に対してこういうことをもう少し積極的に対応して下さい、制度を作る場合にはこういう工夫をして下さいとお願いするという結論の持っていき方もあると思う。この分析後、最後の結論が大事だと思う。だから、資料第10−1−3号9ページで終わらず、実施主体にとって事業が円滑にいくかどうかということについて、この分析の結果として何か言って欲しかった。

【委員】 私はこのデータを見て安心したというか、これだったらやっていけそうという気持ちになった。例えば、私が心配していたのは、事業者は何とかお金は汲み出せるかもしれないが、研究所の資金負担が多くなったら困ると思っていたが、大体、研究所の負担金もあまり多くない。年でいくと24万円程度という形なので、思ったよりも安くなっていると思う。

【委員】 いろいろな議論があり、徐々に煮詰まってきたという感じがするが、先ほど独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構)から説明させていただいたように、これはある1つの前提を置いて実施したモデルケースで、こういう形であるならば計算上できる。これは相手がいる話で、例えば、立地などもうまくいく場合もあるし、うまくいかない場合もある。いろいろなケースがあるが、やはり拠出という制度は最初からスタートし、その中でもって将来の負担をいかに減らしていくかがこの制度の骨格になっていると思う。
 委員からこの制度の下で事業はできるのではないかという話があったが、金額的な点では8割を持っている原子力機構にとってはかなりの負担になると思う。そのため、そういう資金の確保方策がしっかりと講じられることを、作業部会報告書骨子案にもいろいろと書いてあり、そういう形であるならば、これでもって皆さん協力してやっていくということが大事なのではないかと思う。ただ、今は処分コストについて議論しており、報告書に書くかどうかという話ではないが、山名委員からも話があったように処理をどのようにするかは、処分コストも関わる問題である。したがって、処理コストと処分コスト含めたバックエンド全体の対策が今後ますます非常に重要になってくることは認識しておくことが大事だと思う。

【委員】 このケーススタディーを見ると、まずここまでスタディーされたことを高く評価したいと思う。これで大分見えるようになってきた。これを見て楽観はしていない。なぜなら、今日提示されたケースは、過去の分を十数年ですべて払うことによってキャピタルコストを支給していく、調達していくという考えで、過去の責任をここ何年かでみんなで苦しいながらも出し合って解消する、清算することを前提にしたシナリオになっている。問題は、過去は何だったのかということであり、年金問題やアスベストと同じで、この過去の清算は我が国共通の課題である。この資料はとにかく過去30年、みんなで放射性廃棄物を発生してきた責任をここ15年で負担して、事業のキャピタルコストを調達して始めよう、そこまで何とかやろうという意思表示になる。
 しかし、過去のことについてまだ十分議論していない。例えば、30年の過去の廃棄物について10年でみんなで何とか拠出して、事業スタートまでこぎ着けようという固い決意をここで血判状を押してとるというのも1つの手である。ただし、例えば、先ほどの原子力機構の年間50億円は、多分、そんな簡単な話ではないと思うし、もしかして大学や他の中小事業者にとって、過去の清算を10年で何とか払って下さいと言われたときに、それができるかできないかというのはもう一度、それぞれのフィージビリティスタディが必要なのではないかと思う。
 作業部会では放射性廃棄物を過去30年出してきて、それについて何ら予算措置をしてこなかったという日本社会全体の過去を解消するための事業のキャピタルコストの調達にどう取り組むかという議論である。例えば、過去の清算は10年では無理なので30年かけて清算しようという考えに立つのであれば、キャピタル・インベストメントを調達するためには何か公的資金の投入や政府金融のようなものも必要になるだろうし、あるいは借入金でやるという考え方も必要になるのではないか。その過去の清算をこれからどう将来に回すか、あるいは短期で清算を進めるかというような議論が必要ではないかと思う。しかも、それは事業者の質によって多少違うところがあり、教育機関、原子力機構のような国の技術を開発してきた機関等のいろいろな立場があると思うので、過去の清算のあり方をまず大体イメージを固め、それによってキャピタル・インベストメントの調達の具体性を見ることは大事と思う。様々な事業者がいるので、皆がどう考えているかについて、私のような中小事業者は過去の廃棄物の処分と言っても大した額ではないかもしれないし、逆にデコミッショニングという将来発生する費用が大きい。それは事業者によっていろいろ違うケースがあると思うので、その辺について皆の意見を聞きたいと思う。

【主査】 過去分については、山名委員から指摘されたとおりの状況だろうと思う。そこで、私の提案であるが、このモデルケースについては今まで意見等あったということで、さらに追加があればこの場でいただき、その次に過去分の費用の負担、それから、山名委員が話されたところについて少しまとまって意見交換をさせていただければと思う。

【委員】 今までの意見で特に反対ということではないが、小さな事業者から廃棄物を集めているところから見ると、今の発言の中でこの積立金制度、拠出金制度が先行して早く進めば進むほど後が楽になるからいいのではないかという意見にもとれるが、実際に処分費用を集める場合、きちっとした額が決まっていないので、日本アイソトープ協会(RI協会)としては暫定的に費用を相手から徴収する立場にある。したがって、できれば、立地や何か難しいと思うが、その時間軸がどのようなものかついて詰めていただかないと、費用を徴収する相手に対しなかなか説明しづらいという状況になる。逆に廃棄物を出す側に立った見方というのも必要なのではないかと思う。

【主査】 今日、資料第10−1−1号の今までの指摘事項の中で、具体的には前回の作業部会で処分スケジュールの時間目標という発言があり、今の意見についてもきちんとした処分スケジュールが決まっていないと、この拠出金制度だけが動いても必ずしも全体としては有効ではないということだと思うので、後ほどこの処分スケジュールの時間目標で、もう一度議論をいただければと思う。それで、もしよろしければ、今いただいた意見を報告書にまとめ、原案を作り、それに意見をいただくことにしたいと思う。山名委員から指摘があったように過去分の清算について、どのような考え方で共通の認識を得るかということについて、今まで何回か議論をしているが、ここで少しまとめていきたいと思うが、いかがか。

【委員】 過去分についてどうするかということであるが、それはこのように具体的にモデルケースでどのぐらいの費用が必要だというのを様々な立場の事業者に投げかけられれば、それはかなり高い、大変、当然、そのような反応があると思う。様々な立場がいて、例えば電気事業者のみではないので、事業者の事情をそれぞれ話してもらうというのは確かに必要かもしれない。国民の立場から見ると、事業者の苦しい事情はわかるが、過去にやってきたことは、過去についてきちっと整理をする必要があり、費用確保をやっていなかったから今になってコストをたくさん払って下さいと言われているのにすぎないのであって、それを免れるという理屈はなかなかない。だから、それはやはり少しでも早く拠出金はスタートしなければいけない。例えば、立地が決まってからとか、少しでも先送りというのは、堂々めぐりになるが、この処分の方法自身について完璧に覆すという話であれば別であるが、いつかは決定してスタートする以上は、なるべく早く拠出を始めるというのは当然のあり方と思う。何をやるにも、放射性廃棄物が発生している以上、処理をせざるを得ないので、その枠組みをともかく決めざるを得ない。そのため、その事業者の思惑はよくわかるが、国民に対してどう説明をしていくかということを含めて考えないといけないのではないかと思う。

【委員】 廃棄物問題は、困ったときにしか政策が出てこない。今の時点で、のんきなことを言っていると、もっと困るということだと思う。今、ほんとうに困って、やっとこの作業部会がスタートしたので、過去をどうこう逃げ道を探しているよりも、現在、困っている問題を何とかみんなで片づけて管理するシステムを作ろうというところの合意点は、私はつきやすいと思っている。

【委員】 過去分の話は非常に難しい。これを取り上げて本格的に議論するべきだという主張はわからないことはないが、あまり生産的ではないと私は思う。作業部会において、もしまた、それを改めてやろうと思えば、いろいろ議論したいことはあるのではないかと思う。
 むしろ、これは文科省の考え方を聞いた方がいいのかもしれませんが、個人的には資料第10−1−3号の4、5ページで「過去分」についての定義がされており、それでよいと理解する。しかも、それが5ページで数量でもかなり把握できているというところを合意として考えれば、わりと簡単にいくと思う。これを改めて「過去分」とはどういうものを言うのかについて再びやり出したら、これは大変になるのではないかと思う。

【主査】 決して前提から議論することではなく、山名委員の指摘についても少し問題点が残っていれば、それをそれぞれ異なる立場から少し議論した方がいいのではないかと私として受けとめたので、今後、報告書を展開していくことになるので、今まで議論してきたことでよいかどうかということの確認だと思うが、この場に出ていない委員で、実際、RI・研究所等廃棄物を所有している方もおり、いろいろ意見を聞いている方もいると思うので、その観点から少し意見をいただければと思う。

【委員】 基本的にこれを否定しているわけでも何でもなく、今急いでやらないといけないというのも全くそのとおりである。いずれにせよ、過去の清算で短期に資金を集めることによって事業はスタートしようという発想になるので、その過去の清算でまず短期に集めるという、そのアクションについて、それぞれの事業者が自分たちの責任範囲でできると、ここで宣言をして血判状を押せば問題はない。ただし、例えば、私の大学の場合、国立大学法人になっているが、旧文部省に来年度から予算を要求したときに過去分、毎年1億上げて下さいと要求するが、だめと言われると私たちは借金して払わないといけないことになる。それから、以前、山内委員が医療関係で過去にさかのぼっては請求できないというような意見をされていたようなこともある。それについては何か新しい、みんなから理解を得られるシステムを作らないと、誰かがポケットマネーで払うしかないということになるので、そういう過去の清算分を実際に集めるというフィーザブルな論理をそれぞれのところで固めていかないと、原子力機構の場合、年間50億、自分たちの運営費で出せるという経営判断をされれば結構であるが、その場合、他に行っている未来のための研究開発を抑えて、過去の清算からやろうという経営判断が必要になるということを意味している。そこまでできるかということをきちんと文科省と判断された上で決めていく必要があるということである。そのため、ビジネスとしてこういう形態になっていくということは、私は特に異存はないが、過去のお金を短期に集めるというアクションについて、現実的なそれぞれの責任範疇での判断が必要だということになるし、万一、うちはできませんという事業者が出てきたときに、特に最大の顧客である原子力機構ができませんと言われてしまったら事業が成り立たなくなるし、これはどう措置をしていけばいいかという問題がまた発生することになる。そういうことも含めて議論が必要だと思っている。

【主査】 山名委員の意見も、それから、先ほど三代委員からも出ていたかと思うが、作業部会骨子案に多少反映されているということでしたが、過去分について、先ほど指摘のあったように国民に対する説明性、透明性は非常に重要な点であるが、一方で資金の問題もあるので、私からお願いしたいことは、国においてもできるだけ円滑に、なおかつ、特に原子力機構の予算の問題もあるので、できる限り予算的な措置についても工夫をして、無理なく実現へこぎ着けるような施策をお願いしたいということかと思う。

【委員】 廃棄物の処理を原子力機構は単独でやりなさいとなったときに困るのではないか。お金がかかるからこのプロジェクトから逃げたといったときは、自分で全部やらないといけなくなる。だから、そういうことは絶対できないはずだと思う。一方、文科省に対してお金を欲しいということは、税金の問題であり、税金の公平な使い方という点もあるので、私は議論することはいいと思うが、基本的に排出者責任から考えたときの議論も、原子力機構の組織の中でもっと詰めていかないと、社会の目から見たときにどう判断されるかということはあると思う。

【事務局】 大変難しい議論になってきたと思うが、いろいろな議論は確かにあると思うが、廃棄物量は変わらず、いつか処理しなくてはいけない、そういう認識に立って、今回、必ず一歩踏み出そうということで作業部会をお願いしたと思っている。先ほども少し意見が出たが、遅かれ早かれ必ずやらなければいけないという問題なので、それならば、今何をすべきなのかという観点で議論を進めていただければありがたいと思うし、国も第1回から話しているように、必要なことについては前面に立ってやるつもりである。それはもう一度繰り返せていただくが、松田委員からも指摘があったように、国が仮に果たす役割として、どんなものにしても国民の税金によって行われる。したがって、一般の国民に対して納得が得られなければ、国は役割を果たすことができない。発生者責任については、作業部会でも議論いただいたように廃棄物処理処分の基本的な責任を持っているということについては原子力委員会でも議論され、ここでもそういう議論になっていると思うので、基本はそのように説明をしていくことと思う。それでは、国が何もしないのかというと、そのようなことはなく、国は説明ができる限りきちっとやりたいと思っている。
 そのような観点から、今やらなくていいのではないか、後でいいのではないかという観点からの意見もあったように思う。このモデルケースで選択肢を出しており、モデルケースでしたことから理解するには、先ほど東ヶ崎委員が話されたとおり、早ければ早いほどこれは国民にも説明、きちっと取り組むという説明にもなり、資金的にも楽になるのではないか。その資金のボリュームについて、やや不透明感があることはそのとおりである。立地についてまだ全くめどがない。しかしながら、この立地を進める上でも資金的手当の制度がしっかりとできているという説明があることが、むしろ立地問題を促進するという面が非常にあると思う。だからこそ、例えば高レベル放射性廃棄物でも、まず資金手当をきちんとやり、その上で資金は大丈夫なので実施させて下さいというようなことで説明をしていると思う。
 したがって、このモデルケースは、あくまでモデルケースなので、それにしたがってどういう結論を出すのはこれからであるが、このモデルケースを見る限りにおいて、少なくとも資金がショートすることのない資金負担のボリュームが、ある程度計算が出てきているので、その負担が可能かどうかというような視点、まさに山名委員が話されたとおりだと思うが、そのような視点からそれぞれの発生者の観点から考え、それで克服不可能な部分で国民に説明可能な部分については国がきちっと出るという前提で、この報告書をまとめていくと思う。非常に僣越であるが、国の立場についてやや後ろ向きではないかという議論が出ているように思うので発言した。我々、やることはきちっとやる。ただ、国民に対する説明も、これは必ず必要ということを話したいと思う。

(1)−4 これまでの作業部会における質問等について
  説明者より、資料第10−1−4号「RI・研究所等廃棄物処理処分に関する研究開発等の現状」を説明。委員からの主な意見、要望は以下の通り。

【主査】 今までの作業部会又は親委員会から指摘、非常に期待されているところを論点として、1つはクリアランスなどの検認のための技術開発、先ほど再利用もあったが、全体として処分の費用を合理化、削減するための研究開発、処理に対する研究開発と思う。

【委員】 主査から話があったように、内容物の測定が合理的にできれば、トレンチ処分ではなく、クリアランスすることでコストを大幅削減に向けることができる。大事なのは、その内容物の検認の信頼性を上げることだと思う。聞きたいのは、発電所廃棄物の場合には核種組成、同位体組成の関連が非常にクリアで、例えば、コバルトを代表核種にして、他の核種の量もかなりの精度で推定するという手法をとるが、このRI・研究所等廃棄物の場合に中に入っているものは発生起源が様々であったり、核分裂起源でないものがあったり、その核種組成、又は同位体相関の精度が落ちる可能性がある。ここを技術的に乗り越えることができれば非常にメリットがあると思う。そのため、そういった雑多な核種が入っていることに対する検認の手法の技術開発は非常に重要と思うが、それについて、今の話ではまだ進んでいないのかという印象を持ったが、この点、いかがか。

【説明者】 高減容施設に若干トラブルがあり、なかなかホット試験に入らないが、原子力科学研究所の中の試験研究由来のものは溶かさずに圧縮しようということで、運転を開始したいと考えている。あと、確認の分析技術開発は確実にコストダウンに向けて進展している。それから、確かに原子力発電所の廃棄物と違ってばらつきの幅は大きいと思うが、これはかなりの数の分析が終われば、一定のスケーリングファクターが設定できると考えている。

【委員】 前回も再利用についての話は出たと思う。廃棄物の再利用は研究開発と言えるかどうかはわからないが、原子力機構ではJ−PARCを作っており、その遮蔽体として非常に多量の金属が要るので、JPDRの廃棄物を再利用することも、ある意味ではデモンストレーションの意味もあり、非常によいのではないか。以前から、非公式にはお願いをしていたと思うが、その辺はあまり書いていないが、各論になると難しいことがあるのか。再利用するときに何が問題になるかをクリアにすることが重要で、再利用と言っても、前回も話したが、各論はなかなか難しい。だから、そういうことを明確にすることが、非常に重要ではないかと思う。

【説明者】 J−PARCの遮蔽体として、日本原子力発電株式会社のガス炉の解体に伴って発生する廃棄物の鉄を再利用することについて具体的な提案をしていただいている。その他に、最近では製品も作って使って欲しいということがある。特に原子力機構がクリアランスするものは、JRR−3の改造のときに出たコンクリート、2,000〜3,000トンの予定であるが、クリアランスした骨材については道路の路盤、駐車の路盤に再利用する計画がある。

【主査】 再利用については、再利用、又は転用について原子力分野の研究開発に関する委員会からも意見があったところで、石榑委員から指摘いただいたように、できるだけ検討することであるが、わかりやすい研究開発という意味では再利用は重要かと思う。一方で、指摘があったように、難しいのであれば難しい点を国民に伝わるようなということでの整理もここでお願いできればと思う。

(1)−5 これまでの作業部会における質問等について
  事務局より、資料第10−1−4号「RI・研究所等廃棄物の浅地中処分相当の廃棄体量、余裕深度処分相当の廃棄体量、地層処分相当の廃棄体量及びクリアランス対象となる物の量」を説明。委員からの主な意見、要望は以下の通り。

【主査】 資料第10−1−1号で処分スケジュールの時間目標や規制を含めたスケジュールについては、作業部会の運営上どのようにするか。原案があればお願いしたい。

【事務局】 本日も議論があったところであるが、指摘があったのが前回の作業部会であり、それから時間が経っていないということもあり、スケジュールについては次回簡単に説明させていただければと思う。

【主査】 本日は間に合わなかったというのが正直なところである。今後、作業部会でどのように検討するかを事務局と相談したいと思う。それ以外の説明があった研究開発の公募制度を活用、採用してはどうかということについての事実関係を教えてほしいということだったかと思う。

【委員】 先ほど、そこまで慌てて積み立てをしなくてもできる可能性もあるのではないかと話したが、これはそういうケースを1つの可能性として示していることである。本当に話したかったのは、資金積み立てを進めていくということになると、そのスケジュール、目標でもいいと思うが、実際に高レベル放射性廃棄物の場合、そういう目標値を設定し、計画、制度を進めている。そのため、そのような形でもよいが、むしろ何かあったほうがよいのではないかということを、どういう形で書くかは事務局で考えもらい、できれば報告書の中に盛り込めないかという趣旨である。

【主査】 時間的な努力目標になるか、又はある程度こうすべきであるという共通の認識に至るかは少し議論しないとわからないが、次回、考え方として、このようにしたいという原案を事務局とも相談して提出し、それをもとに議論いただきたいと思う。

【委員】 文部科学省における原子力公募制度は正式にはどういう名前か。

【事務局】 正式な名称は、原子力システム研究開発事業である。

【(碧海)委員】 なぜ、そのような質問をしたかというと、文科省におけるCenter of Excellence、COEがあるが、大学関係者は知っていると思うが、私が以前にそれに関わった時に、そのCOEがわからず、インターネットなどで探し回った記憶があり、そのような意味で、資料に関してなるべくきっちり省略せずに書いてもらいたい、非常に瑣末な注文であるがお願いしたい。

【主査】 重要な点を誤解のないようにし、解釈に乖離の幅がないようにということから重要と思うので、議事録等で訂正し、正しい名称又は発言された委員の趣旨に沿うようなきちんとした表現にしたいと思う。

(2)  作業部会報告書骨子案について
  事務局より、資料第10−2号「原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会報告書骨子案(第2次案)」を説明。委員からの主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 資料第10−2号4ページの安全規制で、(1)(2)(3)ともに安全規制当局に対して、処分事業者、事業者からの情報提供が大事という記述になっている。確かにそうだが、立地を進めていく段階では、その立地住民にとっては安全規制がきちっとされていくかという、その道筋が円滑に立地を進めていく上では大変重要なので、そのような視点が何か記述に欠けているような気がする。そのような視点に関する記述を加えたほうがよい。また、準備状況等を踏まえて適切に安全規制の法令整備をしていくという処分事業者との関係での書き方に終始しているような感じがするので、視点を加えていただく検討を事務局にお願いする。

【委員】 資料第10−2号1ページで、作業部会で議論する廃棄物の範囲として浅地中相当を対象とし、ウラン廃棄物やTRU廃棄物、又は余裕深度相当の廃棄物については、今後、それらの規制などが固まってきた時点で別途考えることを書いた方がいいのではないか。
 実施体制において合理的処理・処分の原則に、集中的に処理・処分することは効率的かつ合理的であると書いてある。その後ろに、国民の安全側から見て安全確保、安全規制が一貫してできるという安心感は安全規制の面で好ましいことも言ってよいのではないかと思う。イメージでは、RI・研究所等廃棄物の処分事業は、当面、2100年ぐらいまで1カ所で乗り越えるぐらいの覚悟を決めておく必要があると思うので、安全規制の面でもそのように集中的に実施する方が好ましいと言ったほうがいいと思う。
 次に、中小施設の研究所等廃棄物の集荷・貯蔵・処理について大事なことは、例えば、民間の事業者が集荷事業をやりたいといったときに、民営事業になじむのかという懸念はある。ある種、実績と公共性、そういうビジネスライクなものでない組織がやるということはどこかに、付録にでも書いた方がいいのではないかという気がする。
 技術開発において、クリアランス技術などを高度化することによってコストを合理化することを最後のほうに書いてあった。それはとても大事であるが、例えば、この事業の実施体制の中のどこかに、処理・処分を行う実施担当の組織は、できるだけその処分が合理化できるような技術を使って事業の最適化に努めるというようなアクションの目標みたいなものが書くことはどうか。つまり、生ごみを処分する事業を最初に言うのではなく、最適化も事業の中に入っているということを書いてはどうかという気がする。
 国民の理解において、先ほどの小幡委員の意見と一致すると思うが、国民の理解増進としてRI・研究所廃棄物を安全に処分することが、まず国民の安全にとって大事である。つまり、事業者の貯蔵庫が満杯になったから処分するというだけではなく、そういうものが全国各地に積み上げられている状態を放置するのはよくない。国民の安全確保のためにまずこういう事業が大事であることを国民に理解してもらうことも重要であると思うので、そのような趣旨が入ってはどうかと思う。

【委員】 山名委員の意見に対するコメントであるが、処分のための処理という言い方をされたが、処理と処分とそれぞれ別の問題があり、その中に安全規制等が複雑になっている。全体的に合理的になるように考えないと、処分だけが合理的になるようにやろうと思うと処理費用がものすごくかかるかもしれない。
 作業部会骨子案に対するコメントであるが、基本的にはRI・研究所等廃棄物の問題は今まで先送りしてきた。作業部会でぜひとも前進をしたいという意向は我々としても全く同じである。その意味で、この「おわりに」のところに、バックエンドは非常に大事である、しっかりやらなくてはいけないことを書いていただきたい。それで、今まで先送りされてきた理由は難しいと思うが、いろいろ安全規制、地域、立地の問題、それから、お金の問題等ある。そういうものがあって先送りしてきているのであるが、今ここで進む時期であることで、しっかりこれを明記し、この報告書に書かれているような制度がしっかりと動くためにはみんなの協力や資金の確保が大事であるというようなことを書いていただくことがいいのではないかという感じがする。

【委員】 中小の取りまとめをいろいろな場でやってきた経験から話すが、制度化設計、資金の確保で、今回考えているようなものがいつできるか、金額はどうかという議論はあるが、枠組みとしては非常に結構ではないかというのが中小の各メーカーの感触としてはある。作業部会の中でも出てきたと思うが、中小施設においては、RI・研究所等廃棄物自体が非常に多種多様な経営形態であり、核種も非常に多種多様である。電力の大手が限られた核種でやるのと性格が違うところがRI・研究所等廃棄物の1つの特徴であることは何回も発言が出てきており、本日も小幡委員からそれに類する発言があったと思うが、文章についてではないが、制度設計するときにA社やB社のように何万、何千本の廃棄物を保有しているところもあれば、X社、Y社のように1本あるかないかというところもある。そのようなところで今までの電力中心のいろいろな制度設計とは違うというところでの配慮を制度化検討は別途、国で行うという話になっているので、そこへの引き渡しとしてそういう経営形態の多様性と規模の多様性について柔軟な対応も必要かというのを実際の報告書に何かコメントしておいてもらえると橋渡しのときに有益ではないかと思う。

【主査】 中小施設で心配されているところもあり、逆に期待しているところがあると思うので、報告書の文案等にもコメントをいただければと思う。

【委員】 三代委員の発言と重なる部分が多いと思うが、この「はじめに」のところで、「なぜ今になって」というところをきちっと書いたほうがいいという気がする。山内委員が廃棄物を最初は海へ捨てるはずだったと言われた、あれはいまだに非常に印象に強く残っているが、一般の国民からすれば、なぜ今かという疑問を持つだろうということがあり、「はじめに」のところで触れてもいいのかと思う。それから、「おわりに」のところでは、日本特有のネックのようなものがあるなら、その部分は率直に触れてもいいのではないかと思う。その理由は、以前、海外の処分場を紹介されたが、「合理的な処理・処分の原則」という括弧で囲まれた部分を見ると、そもそも日本では廃棄物が全然別に扱われること自体が不合理ではないかという感想もあったので、その意味で海外の動向はどこかに触れられないのかという気がした。

【主査】 「はじめに」でなぜ今かと発言されたが、そのような趣旨を反映して理解できるような形での報告書にしたいと思うし、それから、今後の課題で日本特有の問題があることで、それも委員も含めて少し考えさせていただければと思う。それから、海外の動向等については、引用が必要なところについては報告書で取り入れていくことでお願いしたいと思う。

【委員】 資料第10−2号3ページの資金確保制度で、「RI廃棄物のうち、RI協会が集荷を実施している廃棄物の処分費用についてはRI協会から積み立てを行うことを検討する」はそのとおりだと思うが、これからRI協会がいろいろな方にお願いしないといけないものなので、例えば「RI廃棄物についても個々の発生者が本来責任を負うものであるが、RI協会が集荷している廃棄物費用についてはRI協会から積み立てを行うことを検討する」というように本来的に受益者を使う必要はないと思うが、発生者が責任を負うという原則はお願いしたいと思う。

【主査】 そのとおりだと思うので、反映の方向で文案を作成していただきたい。

【委員】 今までの繰り返しになる部分が多いが、最初のときにも話したように、浅地中処分を当面という話を何回も使い、今回も「当面」ということに形の上ではなる。既に言われているように、従来の区分でRI・研究所等廃棄物と言っている中にはそれ以外の部分も結構ある。現状では規制等の問題もあり、必ずしもこの先へ進める適切な時期ではないかもしれないと思っているが、そこはきちんと書いていただきたい。それと、廃棄物の処分は処理と一体になっているので、資金のために処分がクローズアップされているが、実際は安全規制、又は費用の見積もり等も処分の前の処理と非常に密接に関係をしている。これまでの議論の中で言っているが、そのところはきちんとする必要がある。費用の面でも、処理費用については処分と同じぐらい要るかもしれないというデータが最初にあった。その辺も含めて処分は非常にスポットが当たっているが、処理はあいまいにならないように指摘することが必要だと思う。
 最後は、作業部会報告書を出すときに、RI・研究所廃棄物作業部会報告書ということになるのか。普通は何か副題みたいな形で、メッセージを伝えるような副題がついた報告書が普通よくある。今のところは作業部会報告書という形になるのか。できれば何かメッセージがある方がインパクトがあると思う。

【主査】 わかりました。処理と処分を総合して最適化という意見を何人の委員からいただいているので、報告書の中で取り上げている項目のバランスの問題と思うが、第一義的には事務局に原案を作っていただきたい。それから、報告書の位置づけ、又は今のセカンド・タイトルというか、そのようなものについても事務局で自由に考えていただき、なるべく戦略的な取り扱いになるような案を作成することで、次回までの宿題ということにさせていただければと思う。

【委員】 廃棄物は発生抑制が一番大事で、その次に廃棄体になるものを極力少なくする分別が基本になる。資料第10−2号5ページの書き方は関係者の理解を深めるため、発生抑制のキーワードを加えてもう少し丁寧に書き込んでいくことが大事だと思う。

【委員】 作業部会骨子と直接関係ないが、事業でクリアランスという行為をだれがやるのか。本来、発生者がクリアランスをやることになるが、RI・研究所等廃棄物の場合もクリアランス区分をとるのは発生者という意味で考えているか。

【委員】 その通りである。

【委員】 中小事業になってくると、クリアランスをきちんとやり、それを安全規制する体制ができればいいが、発生者がやるしかない。

【委員】 その通り。当たり前である。

【主査】 山名委員が指摘にされたことは、石黒委員も話されましたが、単一なところから出てくるものではなく、細かい配慮をする必要があると思うので、制度についてはこれからの面もあると思うが、報告書の中で取り上げておくべきことについて書いていただきたいと思う。

【委員】 山名委員が言われた点は法的に当たり前である。

【主査】 今日の意見を作業部会骨子案に反映する形で、具体的には報告書の作成に入らせていただきたいと思う。

【事務局】 本日のこのモデルケースの議論などを通じ、RI・研究所等廃棄物の処分に向けてかなり具体的なイメージというものも固まり、作業部会骨子の議論を通じて報告書本体についてのイメージも非常に固まってきたということで、少し峠を越えつつあるのではないかという感じを持っている。次回は7月6日であるが、いい報告書の作成に向けて、委員の助力をお願いしたいと思う。事務局がこれまで何度も発言しているが、国としては、この報告書に基づき来年度に向けてきちっとした制度を作り、統一的なものも整備したいという覚悟を持って臨みたいと思っている。
 また、予算的な側面についてもこれから予算の時期になるが、あわせて検討していきたいと覚悟を持っているので、よい報告書の取りまとめに向けて、助力をお願いいたしたいと思う。

(3)  その他
 
事務局より次回作業部会について、7月6日15時〜、場所は経済産業省別館825会議室との連絡。

(研究開発局原子力計画課放射性廃棄物企画室)

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