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原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会(第3回)議事録

1.日時:  平成18年2月23日(木曜日)

2.場所:  経済産業省別館825会議室

3.議題:
(1) RI・研究所等廃棄物を巡る現状について(その2)

(2) その他

4. 配付資料
 
資料3−1−1  大学・民間の研究炉及び使用施設事業所における廃棄物の現状について

資料3−1−2  加速器(放射線発生装置)施設における放射性廃棄物について

資料3−2  RI・研究所等廃棄物に関する安全規制の現状と今後の課題について

資料3−3  原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会 審議スケジュール(改訂案)

資料3−4  RI・研究所等廃棄物作業部会(第2回) 議事録

資料3−5  放射性廃棄物の処理

5. 出席者
 
【構成員】
 榎田主査、碧海委員、石榑委員、石黒委員、小佐古委員、小幡委員、佐々木委員、柴田委員、東ヶ崎委員、野口委員、平山委員、三代委員、山内委員、山名委員

【事務局】
(研究開発局)
 藤木審議官、須藤原子力計画課放射性廃棄物企画室長

6.議事概要
○主査より、作業部会開催の挨拶。
○事務局より本日の配付資料の確認、及び資料3−5「放射性廃棄物の処理」について、第2回作業部会で委員より要望のあった日本原子力研究開発機構における廃棄体の製作に係る減容比に関する資料であるとの説明があった。その後、本日の議題について審議。

(1)−1 RI・研究所等廃棄物を巡る現状について(その2)
 石黒委員より資料3−1−1「大学・民間の研究炉及び使用施設事業所における廃棄物の現状について」を説明。主な要望、意見は以下の通り。

【委員】 調査結果の放射性廃棄物量及び濃度の値は、推定値、実測値又は帳簿値か。また、数字のリライアビリティについての情報があるか。中小施設事業所はデータの統一的管理が上手ではない。実際の数字はどうなっているか。例えば、コンサバティブな管理ではなく、実測値である場合やドラム缶に詰めたため測定できないケースがあるかどうか教えて欲しい。
 可燃性及び不燃性の廃棄物について例証があるか教えてもらいたい。
 核燃料物質及びRI(放射性同位元素)が混在している廃棄物、産業廃棄物、毒物劇物等の様々な安全規制が係るようなものと混在しているミックスド・ウェーストについて何か情報があるか教えて欲しい。

【委員】 資料3−1−1(参考資料)にアンケートの目的、調査内容、そしてフォーマットを示している。放射能濃度は資料3−1−1の11ページで説明した1から5のカテゴリーである。この分類ではアルファ核種を含み放射能濃度の比較的高いものが1、クリアランスレベルの廃棄物関係が5、それらの間の濃度に該当する場合が2から4である。放射能濃度はこの15のカテゴリーで記述していただいた。そのため、事業所でどのように確認して廃棄物を1から5に区分したかは実態上わからない。また、実際に廃棄物の放射能濃度を1グラムあたりの放射能量で管理することは難しい。均一化処理をしない場合、表面汚染、線量率等は測定していると思うが、実態上、どこから発生した廃棄物であるかで廃棄物の濃度を推定しているのではないかと思う。
 可燃性及び不燃性の廃棄物は調査票4で記載して頂いた。1つの例として、可燃性、難燃性及び不燃性の廃棄物で分けている事業所に調査票に従い記載してもらった。一方、可燃性及び難燃性の廃棄物の区別をしていない事業者もあったが、大部分は可燃性、難燃性及び不燃性の廃棄物に分けて回答があった。
 ミックスド・ウェーストとしてRI廃棄物及び「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下、原子炉等規制法と示す)の規制を受ける廃棄物(以下、炉規制法廃棄物と示す。)、又は原子炉等規制法の規則間の廃棄物があると思うが、経験又はアンケートの結果によると、RI廃棄物及び炉規制法廃棄物はかなり区分されていると理解している。RI廃棄物の規制の考え方は現場に届いており、法律単位の廃棄物、極端に言えば廃棄物貯蔵庫も分けている事業所が多い。しかし、その中で産業廃棄物(以下、産廃と示す)及びクリアランスレベル以下の放射性廃棄物がどうなっているかという情報は入手していない。管理の実態によれば、管理区域から発生した廃棄物が直接産廃となることは考えにくい。しかし、それらの情報はもう少しアンケートの取り方を現場に合わせた形にしないと確認できないと思う。

【委員】 アンケート中でヘパフィルターはボリュームとして大事だと思うが、どう扱われているか。

【委員】 アンケートの結果からヘパフィルターに関する情報は把握できない。ヘパフィルターの木枠は可燃性の廃棄物、ガラスは難燃性の廃棄物とわかるが、それを圧縮しているか、それぞれ分けて保管しているか、又はそのまま保管しているかについては、今回より詳細なアンケートをしなければ難しいと思う。ヘパフィルターを木枠とガラスに分けて保管するにはそれなりの施設が必要になる。また、アンケート結果から生ドラム缶又は生のビニールパッケージのような状態で貯蔵庫に保管していることを考えると、ヘパフィルターは分離されていないと推察できる。

【委員】 資料3−1−1の17ページの一番上の○(まる)のRI・研究所等廃棄物の集荷管理事業について、「研究所等廃棄物についても集荷保管を実施する体制について検討する必要がある」と書いてあるが、RI協会を具体的にイメージしたとき、その組織体制、体力、能力等はどうなのか。
 16ページ、17ページ及び18ページに様々な課題があるが、基本的にこれは全て「ALL JAPAN」の課題であり、国全体として考えると、一方で言いながら先程の説明ではただし電力事業者等は除くと言っていた。その状態を「ALL JAPAN」と考え、事業主体及び資金確保の方法を考えていくのも一つの道であることは認めるが、それに加えて、本当の「ALL JAPAN」、つまり、電力事業者等も含んだ形での議論もどこかでしてもいいかと思う。

【委員】 集荷保管について、RI廃棄物は集荷システムがあり、事業化されている。一方、研究所等廃棄物は集荷一元管理の枠組みはない。中小施設事業所にとって管理区域内保管になると経理的な問題によりどこか一元的にビジネスとして引き取ってもらいたいと考えている。また、現場として、一元管理することによって跡地利用や、経理的負担からの開放等の様々なメリットがあるため要望があった。
 十数年間、電力事業者は六ヶ所で低レベル放射性廃棄物処分事業の経験を有しており、それを含めての議論になると1企業が行う議論の範囲を超えているかと思う。このアンケートや中小施設の連絡会議をRANDECで設置し意見交換をしているが、電力事業者等も含めた前提での議論は特にない。

【主査】 佐々木委員が指摘された2点は非常に重要なポイントであり、全委員からの意見を聞きながら取りまとめる方向で進めていきたいと思う。

【委員】 資料3−1−1の14ページにウラン廃棄物のデータを図にしているが、約4,000本(200リットルドラム缶換算)の濃度に関する情報が得られていない。全体が約1万8,000本で、そのうち約4,000本がわからないということは相当な数字だと思う。アンケートの濃度区分に適切に入らない、つまり濃度に関する情報を得られないことがわからない。ウラン廃棄物は濃度にもよるが、測定は容易ではない。もう少し情報が得られるか、又はどういうものが濃度がわからない状態となっているのか把握できたら教えて欲しい。

【委員】 中小施設事業者の中の大手を除いた小になると、ほとんど濃度区分をすることが難しい。資料3−1−1の14ページの表は、昨年の原子力安全委員会の放射性廃棄物分科会で公表されているデータであり、濃度区分の傾向は変わらないと推測できるので載せた。今回の結果によると、特に中小施設事業者の中で研究炉、ホットラボ以外の事業所について正確に1から5まで分類された情報はかなり不足している。大きな区分として100Bq以下は、トレンチ処分レベル、またコンクリートピット処分レベルで十分対応可能であると推測できるが、約4,000本の濃度について情報が得られていないということを例証として注釈で示した。先ほどの山名委員からの質問にもあったが、線量率及び表面汚染は把握できるが、中小施設事業者はドラム缶の中身の放射能測定というより、どこで、どういうものから廃棄物が発生したかで評価するのが限界という感じがする。

【委員】 第1、2回作業部会で説明がなかったが、廃棄物、廃棄体換算及び廃棄体の関係、廃棄物及び廃棄体が法律で規定されている言葉であるか、またこれに関連し、資料3−1−1の16ページの今後の課題で、すべて「廃棄物」として記載されているので、課題は「廃棄体」ではなく「廃棄物」に関するものか教えて欲しい。
 また、アンケートは200リットルドラム缶換算で数字を出しているが、実際の事業所では必ずしも200リットルドラム缶に入れているかどうかわからない。200リットルドラム缶は容量であり、重量も聞かれている。また、ドラム缶で保管していなければ、200リットルドラム缶換算はどうして把握できるか教えて欲しい。

【委員】 一種の業界用語かもしれないが、廃棄物は産業廃棄物及び一般廃棄物と同じ使い方であり、放射線作業現場から発生する廃棄物である。具体的には紙ウエス、試験器具等の汚染されたものをドラム缶の中に入れ、ふたをして、線量の記録をし保管しているのが廃棄物で、生ドラム缶とも言われている。廃棄体は埋設処分、いわゆる浅地中処分で処分される時の形態である。廃棄体は原子力研究バックエンド推進センター(以下、RANDECと示す)のパンフレットの7ページにある小学校のプールようなところに置くことになるが、廃棄体は生ドラム缶とは異なり、ドラム缶にセメント、アスファルト及びモルタルを入れて固定化し、埋設可能な状態になったドラム缶であり、生ドラム缶と廃棄体の違いは加工されているかどうかの違いである。

【委員】 生ドラム缶の中身は選別され、圧縮されたりしているため、コンクリート、セメントを入れて固めるときには、相当減容しているということか。

【委員】 減容されている。

【委員】 資料3−1−1の9ページの数字によれば、廃棄体化すると相当ドラム缶の本数が減るということか。

【委員】 ご指摘のとおり。

【委員】 廃棄体の本数は廃棄物の中身を十分把握できなくても計算ができるか。また、資料3−1−1で廃棄体換算の数字が出ているが、これはアンケートで答えてもらっているのか教えて欲しい。

【委員】 前回、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)に要望した廃棄物の減容比、いわゆる生ドラム缶から廃棄体への換算係数はアンケートの項目に入れていない。廃棄体への換算計算はRANDECで行った。中小施設事業者は廃棄体への換算係数等の情報を持っていないため、本日、資料3−5で廃棄体への換算係数の一部が出ているが、アンケートでは生ドラム缶の本数を集計し、廃棄体への換算はRANDECで持っている条件に合わせて行った。そのため、最終的には廃棄体本数を200リットルドラム缶換算で示しているが、実際には50リットルドラム缶で保管している事業所もある。例えば、ヘパフィルターをビニールパッケージで保管している場合、そのボリュームから何立米のパッケージと計算し、これを200リットルで割れば200リットルドラム缶換算となる。重量というより、ボリュームで200リットルドラム缶換算をしているという理解である。

【委員】 東京大学は12月中旬過ぎにアンケートが届いたが、書く時間がなく評判が悪かった。インベントリーの調査であったが、インベントリーの調査はすでに原子力委員会、原子力安全委員会でも行われており、インベントリーの更新も大事であるが、もう少し違ったことについて調査して欲しいという意見が現場では強かった。つまり、廃棄物発生者はALL JAPANとしているが、どこまでを範囲とするか最初に明確にしないと非常に混乱すると思う。様々な方法があり、例えば、法律で把握できる原子力委員会や原子力安全委員会の所掌をベースにし、プラスアルファする方法もある。現在、放射線障害防止法等をベースにして議論しているが、薬事法、獣医療法及び医師法と省庁をまたがったものもある。そのため、そこも視野に入れて議論するかを最初に明確にしないとアンケートを行っても、獣医療について把握できない。例えば馬に薬剤を投与してワラが放射能で汚染されることが起きようとしている。文部科学省の事業所が約5,000事業所であるが、獣医等関連は約8,000事業所ある。まだ動物に使用されていないため顕在化していないが、将来を考慮すると今まで登場しなかったワラ及びフンが具体的に登場してくる。そのため、どの範囲で検討を行うかを最初にある程度議論しないと、アンケートを行っても把握できる範囲だけ検討しているのでは、ALL JAPANと言われても食い違ったことになる。
 また、処理もアンケートで聞かれている。実際の現場で処理を行っているところは極小数である。例えば、有機廃液の焼却を行っている事業者は極めて稀である。処理についてときどき処理を処分に含めている議論されているが、処理を調査するより、資金回しをどうするかについて議論することが極めて大事だと思う。フランスでは放射性物質を購入した時点で回収費用をアドオンしている。今では車を購入した時点で廃車の費用をアドオンする時代になっているが、ここでの議論は既に終わった活動、過去に発生した廃棄物についても議論をする側面もあるので、発生者にそれら廃棄物の処分費用を出して下さいと言われ、文部科学省も発生者で努力して下さいという話になる。だから、資金回しをどうするか、発生者で廃棄物処分費用を負担できるかということについても調査されるといいと思う。インベントリーは今の段階で全部を詳細に把握することは無理で、グロスな全体像を描くことで、最終処分の形態を考えることも重要。先ほど佐々木委員が質問しましたが、電力業界は処分費用に関する法律もあり、ボリュームも随分大きく、初めから電気料金に処分費用を上乗せできている。電力業者が立地を進めて処分事業を進めるケースと、こちらのように処分費用をどうするか、発生者で出すか、ボリュームは小さいがバリエーションと言えば、馬のワラまで場合によっては考慮する必要がある議論と比較するとかなり性格を異にする。処分事業として電力業者が行っているように十分なボリュームがあり事業として成立するものか、既に長半減期低発熱放射性廃棄物は併置処分という言葉が使用されているが混載をして処分場を設計せざるを得ないものか、そのイメージをユーザーだけではなく、処分事業を実施されている方がどのように思われているかのアンケートを調査し、またもう少し材料があると議論が進むと思う。
 国際規制物資許可範囲の核燃料物質は特殊な位置を持ち、使用許可量はウラン300グラム以下、トリウム900グラム以下である。昔、研究所ではサブ・アッセンブリーということで天然ウランをガス実験に用いていた。使用されていない核燃料物質を所有している事業所の数は限られているが、量はある。それは高等教育、大学等では置いておくだけならよいが、最近はテロ対策強化とか言われ、約10人のテロリストが来たときのために様々な設備を準備して下さい、警備員を2人置いて下さい等、かなり耐えられない要求がある。国際規制物資使用許可範囲の核燃料物質が廃棄物かというと有価物であるが、可能であればこの機会に合わせて議論をして欲しい。

【主査】 小佐古先生からの意見は、第1回作業部会で事務局が示した議論すべき論点に記述されているものである。また、小佐古先生からも重ねて意見があった国際規制物資については、本作業部会で検討するかも含め、今後の議論に反映していきたいと思う。

(1)−2 RI・研究所等廃棄物を巡る状況について(その2)
 平山委員より資料3−1−2「加速器(放射線発生装置)施設における放射性廃棄物について」を説明。主な要望、意見は以下の通り。

【委員】 18ページの一番上の黒丸についてであるが、放射性廃棄物の発生者は様々であり、医療用、民間等のサービス、製品等に処分費を転嫁できる、つまり収入がある事業者と、研究、大学等は少し違うことについては私も前にもここで指摘したところであり同感である。しかし、問題はそれ以降であり、では学術研究を目的としている事業者は全く処分費を負担しなくてもいいかというとこれにはこれでまた議論の余地があると思う。理由として、廃棄物の処理処分に関する費用をどう負担するかの原則は「発生者責任」があり、学術研究だけを除くと、その原則に反することになる。そのため、もし学術研究をこの原則から外すことにしようとするとかなりの理論武装が必要である。
 もう一つの理由として、全く負担させないよりも、ある程度の処分費用を負担させる方が加速器等の使用の合理化へと導くかもしれないし、政策誘導的な働きも期待しうることができるかもしれないと思う。また、先ほど小佐古委員がフランスの例を話されたが、デポジットみたいな、初めから処分する又は回収する費用をオンして価格を作る方法がある。例えば、研究費を与えるときに研究してその成果を出版する費用までを初めからオンし、研究費を与える方法がある。それと、同じような方法で考えられないことはない。平山委員も処分費用を絶対払わないと言っているわけではなく、財政的に可能な範囲になるような措置が必要と書いている。その点では重要なのはまず正しい処理処分の費用、コストを試算することである。その上で発生者を考えながら、負担をどのくらいにするのが合理的かを改めて考えてみるという手があるのではないかと思う。

【委員】 佐々木委員の意見に関連するが、先ほど石黒委員から資金確保方策の整備について資金を積み立てる制度も必要であるという意見があり、これと非常にリンクした話だと思う。日本では発生者負担の原則がこの議論の中では理解されているが、社会の中では必ずしも認知されていない。例えば、医療用ならば処分費用を転嫁できるだろうという話があったが、健康保険等では処分費用を転嫁してもいいという仕組みは一切ない。そのような仕組みをこれから作らない限り、発生者が処分費用を負担する場合、例えば病院ならば患者さんが発生者として実質的に負担をする方になる。現在、患者さんが払うという原則がまだできていないことを十分理解した上で議論しないと途中でつまずくと思う。また、発生者負担の原則のため、発生者が負担して当たり前だという原則に則ても発生者に転嫁できない部分があると思う。例えば、加速器に国の予算をつける時、処分費用を計上するという原則がまだできていない。それができていない状態で発生者負担と言われても、どうしようもない。そのためには処分費用を計算し、その費用が普通の人が考えるよりも何倍も高い費用になった場合、本当に処分に必要な限界で試算をしているかということが問題にある。しかし、一般的に処分場の設備としてどれだけ必要かという検討がなされていないと思う。つまり、処分場の外にもう1つ柵を作れば安全だろうという考え方であれば、国民の視点でなぜ廃棄物にそこまで費用を出すかという批判になると思い、その部分を十分に考えた上で議論する必要がある。そのため、発生者負担の原則を安易に言われるとつらい。社会的な情勢も十分踏まえた上の議論をして欲しいと思う。

【委員】 原子力機構は一番大手のRI・研究所等廃棄物の発生者であり、ALL JAPANとなると原子力機構にやって欲しいという期待が中小施設事業者にあるのは当然だと思う。その中で、原子力機構も非常に大きな悩みを持っている。廃棄物の処理処分、原子力施設の解体はかなりの費用がかかる。クリアランスが法制化されたが、原子力施設の解体時のコンクリート、鉄筋等を対象にしているため、非常に低い放射能濃度の廃棄物を所有している事業者は、クリアランスで廃棄物が減るのでないかと思うが、実際にクリアランスされるためにはドラム缶の中身を検認しなければいけない。ドラム缶の中身の濃度を処分場の地元住民が納得できるきちんとした数字にする必要があり、この立証責任を果たすためにはかなりのお金が必要になる。そういう意味では、現在RI・研究所等廃棄物の処理処分の流れが完全にはできていない。その中でやって下さいと言われても、非常に難しい立場であると思う。
 2月13日に原子力機構原子力科学研究所、旧日本原子力研究所の東海研究所で高減容処理施設のプラズマ溶融設備で火災が起き、現在、原因究明、そして再発防止策について検討をしている。発電所から発生する廃棄物は経験則から大体中身について把握できる。しかし、研究所、大学、RI使用施設の廃棄物はドラム缶の中身が何かよくわからないものがある。また、かなり古いドラム缶の場合、中に何が入っているかわからないため処分できない。原子炉から発生する廃棄物はある程度圧縮等できるが、それ以外は溶かして均一化してそのサンプルを測定することにより何が入っているかがわかる。高減容処理施設はプラズマを用いて廃棄物を全部溶かして均一化し、その中の放射能濃度を測定し、それを鉄の容器に入れて廃棄体という形にする施設である。現在、放射性物質を使わない実験をしていたが、溶けたものが容器に入るところで飛散し、煙が出たという事故であった。そのように非常に複雑な処理をしているためかなり費用がかかる。処分費については1本50ないし100万円という数字を耳にしているかもしれないが、そこに処理又は検認の費用を加えるとかなりの費用がかかる。
 平山委員から話があったが、施設を作った時に処分費用は考慮されていない。実際、廃棄物をこれから処分する時に何をする必要があるか、これは安全基準の話もあると思う。また、具体的な処分場の選定等と様々な話があると思うが、全体の流れの中で本当にどういう形でこの処分を一歩前に進めていくとよいかを議論していくことが大事であると考えている。

【委員】 私は電力廃棄物の議論に関わっていたが、RI・研究所等廃棄物は非常に様々なものがあり、システムを新たに構築する必要があり大変難しいと思う。多額の費用がかかるということに対する危惧はよくわかるが、施設の建設時に処分費用について考えなかったという事実がある。電力廃棄物の場合、過去分は転嫁せず、ある決まった時点から先の方に対して転嫁している。転嫁を始める時期の不公平さは法制を作って克服する必要がある。RI・研究所等廃棄物の場合、処理処分に費用が掛かることは現在ほぼ自明であるが、当初はそのことを考えていなかった。そのため、それをどのように負担していく必要があるかを考えざるを得ないと思う。医療では今は保険に転嫁する制度になっていないこともわかるが、少なくとも医療費の中で、保険や患者さんに転嫁できる仕組みを作ることはできると思う。研究であってもそのための費用はどこからか得ているので、例えば、運営費交付金で研究をしている場合、処理処分が必要になれば、そこに処理処分費用をプラスしないと研究ができないというシステムにすればよい。このシステムは処理処分に費用がかかると決まった時点からスタートさせなければいけない話なので、過去の差はここで議論しても意味が無い。むしろ従来は処分費用を払わなくて済み、これからは支払う必要があるという、その区切は不公平感があるかもしれないが、法制を明確にしてシステムを作る以外にはないかと思う。

【委員】 今まで処分費用を確保してこなかったが、これはある意味してこなかったのではなく、できなかったという面がある。その理由として、費用を積み立てる以上はある程度の正確なコストの試算が必要であり、施設を作るにしてもクリアランスにしても、すべて規制と非常に関係し、規制がある程度明確にならないと、一体どのような施設を作ればいいのか等見えないからである。例えば、種類によってはクリアランスするために非常にお金がかかる。そういうことがあるから、必要なことが整理されていない部分があり、計算ができなかった。発電所の場合では、規制がある程度明確であったため解体費用を積み立てることができた。RI・研究所等廃棄物も現在、規制制度が少しずつ進展し、以前と比較するとある程度明確になった。今後はそういう状況なので積み立ても可能かもしれないが、過去分及び安全規制の両方をあわせて検討しないと、費用のみということにはいかないと思う。

【委員】 平山委員は、加速器の廃棄物はどのようにまとめられていくべきと考えているか。例えば、加速器の取りまとめとして加速器科学会のような組織が成立しており、そこが横断的に行うことを考えているか、又はどういう形がいいか教えて欲しい。
 ハドロン系、レプトン系、フォトニュークリアリアクションが起こるようなスレッシュホールドを加えているところとそうではないところ、又はインテンシティ等の区分けをしないと議論は何も進まないと思うが、何か区分けのアイデアがあるか教えて欲しい。
 解体廃棄物は今後の議論ということだが、運転に伴う放射性廃棄物については真空ポンプのオイル等で相当苦しんでいるのでないかと思うが教えて欲しい。

【委員】 今回は加速器施設における廃棄物の現在の状況の紹介だけであり、どのようなとりまとめ方をするかは検討していない。定量的な話を正確にするためには小佐古委員が指摘された通り、どこかで詳細な調査することを考えないといけないと思う。
 当然、実際に処分を行うときはそれぞれ区分けをしないことには検討できない。まず、放射性廃棄物として問題にならないものと大規模に考えないといけないものをそれぞれタイプに分けて考えていく必要があると思う。

(2)−1 その他
 事務局より資料3−2「RI・研究所等廃棄物に関する安全規制の現状と今後の課題について」を説明。主な質疑は、以下の通り。

【委員】 前提条件として、廃棄物発生事業者の方に質問があるが、今まである廃棄体、廃棄物について、例えばクリアランスレベルが決まった段階で選別される意思はあるか。今後、クリアランスレベルを決めた時に、どうするつもりか。

【委員】 例えば、東京大学では様々に小分けしているが、そこに核種等のおおよその情報は入れている。旧日本原子力研究所、旧核燃料サイクル開発機構等の事業者以外は物量が限られ、年間でドラム缶が5ないし10本になるので、利用ごとに詰めているので、例えば、ある程度ガイドラインが出てアバウトであるが基準より随分低ければ、クリアできることが明白なので、莫大な人手も要らない。廃棄物に関する情報を集めて国の関所を用意して手形を出すという仕組みを用意して下さいと言われると随分困るが、その前段の情報を用意して下さいというならば可能であり、過去のものを選別するつもりはある。ただし、我々大学で手分けして選別する廃棄物量は全体の物量の中ではそんなに大きな割合を占めない。

【委員】 京都大学原子炉実験所では、RI廃棄物は正確に数量を確定した上でアイソトープ協会にお金を払い引き取ってもらっている。例えば、α線の核燃料物質が多少入っている廃棄物は置いており、おおよそ数量を把握しているが、クリアランスにならないようなものが多い。クリアランスが本当に問題になるのは解体の時であり、運転廃棄物はクリアランスするかしないかはあまり物量に効いてこないと思う。クリアランスをするためにドラム缶を開いて分析して、クリアランス以下と答えを出すだけの労力は大変なものであり、それは非現実的であると思う。クリアランスは廃止措置に関する主要課題ではないかと思う。何を保管しているか把握できず、またウラン濃度も相当な不確定性があるだろうと思う。石黒委員の調査結果では廃棄物が発生した場所から放射能濃度を推定していると言っており、実は廃棄物がもっと入っていたり、又は入っていないというケースが多々あると思う。私は、保管している廃棄物の中身の検認が一番大事な話であり、その実態によって規制も変わってくると思う。

【委員】 一番の心配は、事業者による検認制度である。例えば、国の検認だけでは無理ということで事前の制度を入れた。クリアランスについて事業者と国の検認を2本あわせて1本という形で許可を出す。ところが、現実問題は廃棄物貯蔵庫にある廃棄物を産業廃棄物及び一般廃棄物として出すことはできないかという話があり、RI廃棄物の場合、山名委員が指摘された前提として灰色なところがあることは結構だと思う。それを前提に法律を考えるのか、それとも今ある法律で考えるのかになると、大分法律の仕組みを変えざるを得ない。

【委員】 山名委員が指摘された点は、事業所のケース・バイ・ケースである。文科省でクリアランスの検討会をしているが、放射線障害防止法関係では小事業所が多く、例えば製薬会社で年にドラム缶を5本出すところなどがあり、かなりの事業者が負担軽減のためクリアランスを適用して欲しいと考えている。保安院では解体及び運転は二義的であり、物量は全然違うが、RI・研究所等廃棄物では解体は違うフェーズの話である。既に平山委員が指摘したように解体の議論は、解体を実施するスケジュール等が具体的なところまでいかないと議論にならない。クリアランスの要望が圧倒的に多いのは運転廃棄物である。それもドラム缶の中には、おおよそわからないまま入れているのではなく、使用されている核種も限られ、線量がどのくらいかのラベルをつけてドラム缶を出す。それは正確ではなく、おおよそ把握できればいい。そうすると検認をやれと検認派が出てくる。検認は、特に解体になると莫大な検認事項が出てくる。それを全部実施することは時間的に無理であり、原子力安全・保安院の議論の時は、状況証拠としてサンプリングをやる等の事前の調査をし、それでかなり同意を得る。そしてシステムを動かし、システムの健全性を試すために幾つかの事項を検認検査に入れるという二段構えの仕組みにしている。状況調査は事業所の性格によるが、RI関係は小さな事業者が多く、クリアランスすると言えば本数が全然違うが、実施できるところは随分あると思う。ただし、確認できたというスタンプを押せるかは違うシステムになると思う。

【委員】 資料3−3の課題に非常に大事なことが書いてあると思う。特に原子力機構では異なる法律による規制対象、また原子炉等規制法でも核燃料物質の使用許可や加工事業の許可等の事業ごとによって異なる規制を受けている。廃棄物の処理は原子力機構内で様々な融通がきかないようなケースがあり、その部分を一元的に処理できる方向で議論して欲しいと思う。

【委員】 日本アイソトープ協会ではRI関係だけを取り扱っているためクリアランスは実施しやすい。問題は、一般廃棄物及び産業廃棄物として処分した時に社会的反対があると難しいという面があり、これを避けるために明確な検認制度は必要であると考える。検認については様々な方法があると思うが、それについては今後の問題と考える。

(2)−2 その他
 事務局より資料3−3「原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会 審議スケジュール(改訂案)」を説明。主な要望、意見は以下の通り。

【委員】 このスケジュールで納得するが、過去の清算問題というか、ある種の公益性の歴史と今後の負担は年金問題と同じである。これは大きな話であり、社会学的、歴史学的なこと、それから年金問題的なことを含めながら徹底して議論しないと答えはでないと思う。スケジュールによれば、第5回の実施体制がこの議論だと思うが、実施体制よりも過去の清算問題を解決した後にどのような実施体制かという話であり、もう少し広い議論をした方がいいと思う。これまでの議論より過去の清算問題は非常に奥が深い話なので、私はもっと議論が必要だと思う。今回は言いたいことを言う時間がなかったのでそのような時間の確保をして欲しい。

【主査】 第5回で処分事業の実施体制、それからロードマップに関する議論というスケジュールであったが、山名委員からの指摘があった議論等を考慮して、予定されている2時間では次回の議論も大変心配なのでもう少し延長することも含め、第5回に何を議論するかは次回に提示させていただく。

【事務局】 本日もいろいろ幅広い議論、本当にありがとうございました。特にコスト問題、処理処分に要する費用問題が非常に根幹にある。もちろん前からわかっていたが、改めてその認識を共有できたのではないかと思う。特に過去の清算問題、これからは安全規制もそれなりに進展しつつあるので、ある程度見通しがつけられるようになってきたような状況でもあると思う。確かに過去の清算は、その時点で何の手当もしていないということなので、その点をどう考えるかは費用を考える上では、だれが負担するかというような意味からも非常に大事な問題だと思う。特に処理処分費用が非常に大きいと予想しているので、いろいろな議論も出ているとおり、特に費用転嫁ができないような業種での処分費用の確保の仕方、その辺は、議論のゆくえによっては国の出番もあるかもしれない。発生者負担の大原則との関係もあると認識しているので、コスト問題を幅広く時間をかけて議論をしていただきたいと切に願っている。国でもその議論のゆくえとして、もし新規に国のやるべきことがあれば、新しい予算要求をすることもおそれずに議論していただきたいと思うので、第1回、第2回で申したように、制度的、法制度的にも何か新しい法制度が必要であれば、それもあるいはやるという覚悟なので、国民が税金の負担者ということ、又は廃棄物を周囲に抱える地元の立場等、幅広い観点から合理的であるという議論をお願いしたいと思うので、特にコスト問題、時間をかけて議論をお願いしたいと思う。

○最後に次回の開催の日時について、3月28日の10時からの開催を予定している旨、事務局から連絡があった。


(研究開発局原子力計画課放射性廃棄物企画室)

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