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原子力分野の研究開発に関する委員会 RI・研究所等廃棄物作業部会(第2回)議事録

1.日時:  平成18年1月17日(火曜日) 15時〜17時

2.場所:  経済産業省別館825会議室

3.議題:
(1) RI・研究所等廃棄物を巡る現状について(その1)

(2) その他

4. 配付資料
 
資料2−1−1  日本原子力研究開発機構におけるRI・研究所等廃棄物処理・処分の取組の現状について

資料2−1−2  日本アイソトープ協会におけるRI廃棄物の管理の取組の現状について

資料2−2  諸外国における放射性廃棄物処分に関する調査項目(案)

資料2−3  RI・研究所等廃棄物作業部会(第1回) 議事録

参考資料2−1  放射性廃棄物の処分方策の検討及び制度化の状況

5. 出席者
 
【構成員】
 榎田主査、碧海委員、石榑委員、石黒委員、小佐古委員、佐々木委員、柴田委員、東ヶ崎委員、平山委員、三代委員、山内委員

【事務局】
(研究開発局)
 藤木審議官、中原原子力計画課長、須藤原子力計画課放射性廃棄物企画室長

(説明者)
 伊集院部門長(独立行政法人日本原子力研究開発機構 バックエンド推進部門)、古川部長(社団法人日本アイソトープ協会 環境整備部)

6.議事概要

○主査より、作業部会開催の挨拶。
○事務局より本日の配布資料の確認及び本日の説明者の紹介をした後、本日の議題について審議。

(1)−1 RI・研究所等廃棄物を巡る現状について(その1)
 資料2−1−1に基づき、伊集院部門長より、「日本原子力研究機構におけるRI・研究所等廃棄物処理・処分の現状について」を説明。主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 第1に、資料2−1−1の12ページの「処分費用確保にかかる所要の措置」についてだが、この要望の意図は、13ページの日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構と示す)の費用試算の前提条件を認可予算額約2,300億円の5〜15パーセントで見込んでいたが、予算額そのものが1,900億円程度に落ち込んできていることからその確保が難しいということかと理解した。その要望はわかるが、収入が減っていることで支出も削減するべきで、廃棄物処理費用、輸送費等を含めて、バックエンド費用そのものも削減努力するということとセットで議論されるべきである。
 第2に、12ページの「処分にかかる安全規制等の諸制度整備」の要望について、14ページに記載されている右の黄色い枠の「規制の一元化が望まれる」については同感だが、この問題は原子力安全委員会に関する別の機会で議論すべきことではないかと思う。作業部会としては、安全規制等の諸制度整備を関係機関に投げかけるという取り扱い方でよいのではないかと思う。
 最後に、12ページの「地域共生、公聴・広報の充実」について、15ページにおいて原子力政策大綱から要望事項を引用しているが、原子力機構のパンフレットの26、27ページに地域共生等についてかなり書いてある。つまり、ある程度の予算措置をして原子力機構としてもいろいろとやっているが、ここで新たに要望しているということは足らない部分が幾らかあり、それについてこれぐらいの金額がかかるという話と絡んでの要望なのか教えて欲しい。

【説明者】 1つ目についてですが、原子力機構のバックエンド推進部門はR&D部門を抱えているが、廃棄物処理・処分ついては中期計画の中で、安全に対する配慮を前提に合理的なバックエンド対策についてR&Dを進めるべきということで鋭意進めているが、残念ながら、このR&D予算についても十分確保できないというのが実態である。
 2つ目についてですが、特に放射性廃棄物の埋設については、廃棄物が発生する事業区分ごとに運転に係る規制がされているが、処理・保管する際にはこれらの廃棄物が同じ施設にまとまってくる。特に旧日本原子力研究所(現:原子力機構、以下、旧原研と示す)は、研究所であるため、焼却などの処理は一元的に実施しているため、処理後の廃棄物には発生段階のすべての規制がかかることになる。旧核燃料サイクル開発機構(現:原子力機構、以下、旧サイクル機構と示す)では、ほぼ事業区分ごとに処理施設を設けているため、規制の入り混じった廃棄物は出てこない。これについては、原子力委員会で合理的な処分をするためには一元的な法規制が望ましいと言っている。役所は安全規制について14ページのような仕切りであり一元的な法規制が難しいので、委員の知恵をお借りしたいというのが実態である。
 最後の点であるが、原子力機構は日本全国に事業所や研究所を抱えているので、当然地域共生策を実施している。しかしながら、立地に係る広報活動については今まで以上に力を入れていきたい。

【委員】 11ページの「長期的なバックエンド費用の試算例」について、処分費を見ると、非常に少ない額が続いている。処分場を作るとなれば建設費の山ができるはずだが、その費用はどうなっているのか、処分費の中身は何か、教えて欲しい。

【説明者】 80年で2兆円の試算については多くのケーススタディを行い、本来のR&D業務が損なわれないようにということで80年に平準化した経緯がある。処分費の山がないことについては、再処理施設関係の廃棄物のための高温溶融施設の建設には1基400〜500億円かかり、放射能のレベル毎に分けるとさらに多くの費用がかかることになると考えられる。また、RI・研究所等廃棄物については、平成16年のRI・研究所等廃棄物の処分事業の懇談会報告書の中で試算されており、その中で処分場の用地確保、建設費等にイニシャルコストが約2〜3年の間で大体数百億円かかるとされている。そのため、資金が一時期に集中しないような配慮をしている。

【委員】 処分費の中には処分施設費等が含まれるが、ならして薄めて入っている。その理解でよいか。

【説明者】 そういうことである。

【委員】 10ページに平成60年度末の廃棄体の発生量ということで物量の試算をされているが、バックエンド費用からもわかるとおり、廃止措置は非常に物量も費用も大きい因子になる。平成60年であれば、ほとんどの施設を廃止措置の対象に入れているか。例えば、以前、試算したとき、「ふげん」と「もんじゅ」は、試算の対象に入れた記憶があるが、その後、例えば大強度陽子加速器施設(J−PARC)は入っているか。

【説明者】 この評価をしたのが、平成15年の原子力二法人統合準備会議の時期である。その当時はJ−PARCの工事は始まっていたが、その当時建設中のものについては、コスト評価の対象にはなっていない。J−PARCの解体、廃棄物処理・処分を入れると、概算であるが、約数百億円は必要になるだろう。

【委員】 廃止措置費用と物量は当然、処分費用に関係するので、ほかの炉が試算に入っているか教えて欲しい。

【説明者】 ふげん、もんじゅ、高温ガス炉など機構の炉は全部入っていたと思う。

【委員】 今後、時間的な因子を問題にするときに、貯蔵施設とそのキャパシティの問題があると思う。すでに非常に切迫しているのか、貯蔵施設は色々な地域に分散しているか、また書くかどうかは別として、地元との関係で増設ができないとか、減容処理との絡みも含めて現状で貯蔵施設がどうなっているのか、そういうデータが出せるのであれば出して欲しい。

【説明者】 共同利用できる廃棄物処理・保管施設については我が国では唯一大洗研究開発センターにあり、東北大学、旧サイクル機構、旧原研等が利用している。処理施設は高価なため、様々な事業者が利用できればよいが、法律上の問題というよりも地元との関係で難しい現状がある。保管については、改めて資料を出したい。特に旧原研の東海原子力科学研究所ではかなり逼迫している。そのため、おおよそ生廃棄物3本のドラム缶を1本にする高減容処理施設を大至急、定常運転に持っていきたい。そういう危機的な状況にある事業所も幾つかあるということが事実である。

【委員】 可能であれば、そのようなデータを出して欲しい。

【説明者】 どこまで出せるか、努力したいと思う。

【主査】 今後、深い議論を進める上で、石榑委員から指摘があった追加のデータがあると、逼迫感が明確に透明に伝わると思うので、できる範囲で資料を追加して欲しい。また、時間的な因子を入れて本作業部会においても検討していくことは非常に重要だと思うので、今後の審議に反映をして欲しい。

【委員】 4〜6ページの主要な放射性核種については、専門の方にとっては常識でしょうが、私たちには化学の事典の一番後ろのページなどを確認しないとわからないということがありますので、略語ではなく、片仮名名を入れて欲しい。
 2点目は、この主要な放射性核種の中で、半減期が非常に短いものもある。そのような廃棄物を処分したときに、実際にはほとんど問題にならないものもあるのではないかという気がする。例えば、この主要な放射性核種を半減期という視点で廃棄物を処分する時に注目すべきものと、あまり気にしなくていいものとに分けもらえると、広報をする側にとっては役に立つので、お願いしたい。

【説明者】 参考までに4ページの核種については、いずれもかなり半減期が長い。トリチウムが10年、コバルト60が5年と、他の核種についても結構長い。トレンチ処分は30年とか50年という比較的短い期間の後に自由に土地を利用できる。また、コンクリートピット処分は約300年という管理期間を過ぎた後に一般公衆の方がその土地を使う時に、放射線被曝上有意な核種が法律で決められている。放射線被曝に対して重要な核種についてはある濃度以下であればコンクリートピット処分で、トレンチ処分についてもある濃度以下ではないと埋設してはいけないと決められている。特に4ページの核種が法律で決められたすべてではないが、放射線被曝上有意な核種に対応している。

【委員】 コバルト60は半減期が5年ぐらいと知っており、半減期が5年程度のものならあまり問題にならないのではないかとか、半減期が300、400年と言われた場合にはピンとこないし納得できない。原子力発電所の廃棄物の場合においてもなかなか説明がすっと入らないので、一般の人とのコミュニケーションを持つ場合に、そのあたりの情報を出して欲しい。

【主査】 今後、本作業部会において報告書等をまとめる時に指摘して頂いた点を反映するよう留意点としたい。

【委員】 例えば10ページの議論だが、産業廃棄物として発生するものはどうするのか、また金額を見積もっているのか。

【説明者】 ここは規制区分で言えば、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下、原子炉等規制法と示す)と放射線同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下、放射線障害防止法と示す)が主な法律であるが、放射線障害防止法は昨年夏に法律が改正され、昨年12月に省令も改正された。RI・研究所等廃棄物は放射線障害防止法の対象となるので、有害廃棄物の混入も前提で、環境省の有害物質の測定方法等も入れて、有害物質が入っているかどうかを確認して、入っていても無害化するようなことを含めて埋設ができるように、放射線障害防止法が改正されました。

【委員】 そのような趣旨ではなく、研究所から発生する廃棄物といってもすべて放射性廃棄物ではない。産業廃棄物として出さざるを得ないものも多くある。その費用は見積もっているかという問題である。

【説明者】 見積もっていない。

【委員】 8ページ及び10ページの廃棄体発生量について、現場では生ドラム缶という廃棄物、セメント固化やモルタル固化した廃棄物、また、処分前の段階のものがあり、8ページより34万本の廃棄物が減容率2分の1で17万本の廃棄体になるという数字がある。10ページでは、最終的に廃棄体という形で換算していると思うが、これは原子力機構の様々な実績等の経験則、又はR&Dの成果を踏まえ、ケース・バイ・ケースを考えたものであり、最終的な生ドラム缶から廃棄体の変換については、様々な廃棄物の特徴により減容ファクターがある。多くの経験則のある原子力機構においては、廃棄物から廃棄体への数字を変換できるが、数百〜数千本の生ドラム缶しか保管していない中小の廃棄物発生事業者は、最終的に処分場へ運ぶ廃棄体換算のデータを現実問題として持っていないところが多いと思う。原子力機構のデータがあれば、オールジャパン、国全体としての廃棄体量の精度アップにつながると思う。そのため、原子力機構が減容率のデータを提供し、その情報の共有化をお願いしたい。
 2点目は、11ページで、先ほど佐々木委員からあった議論と同じであるが、内的圧力、外部的な圧力という様々な制約の中で個々の技術をどうするという問題というよりは、経営問題というか、コストダウンに向けてどういう考え方で今後5年、10年を取り組んでいく考えがあるか教えて欲しい。

【説明者】 中小の放射性廃棄物発生者に対して、処理事業での減容率がどれくらいかについては、次回に、努力して少しまとめてみたいと思う。
 11ページの図について、いかにコストダウンするかということで、R&Dもその一つであるが、諸外国の処分費用、解体費用を対比すると、埋設処分時の安全評価が諸外国に比べて日本はかなり厳しいというところがある。それから、この評価については平成15年当時、まだクリアランス制度が法令化されていなかったが、IAEAのドラフトレポートの数字が出ており、それをを織り込んだ物量になっている。放射線障害防止法ではクリアランス制度がまだ法令化されていないが、それをすでに織り込んだものとして廃棄物量等が出ている。コストダウンは安全評価を国際基準並みにすれば、かなり大幅なコストダウンが図れるのではないかという感触は持っている。技術開発でどうなるかということは、安全評価等の関係があるので難しいところもあるが、それについても努力するが、安全評価が大きいかという感触は持っている。

【主査】 コストについて、原子力機構、又は事務局と相談して、議論の時に資料として工夫するように努力をさせていただきたい。
 山内委員から指摘された放射性廃棄物以外の問題についても、本作業部会において重要な問題かと思うので、別の機会を得て議論していただくような形で考えさせていただきたい。

【委員】 3ページにおいてJ−PARCは高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同の施設なので、そのことを入れ欲しい。知らない人に対して誤解を招く可能性がある。

【説明者】 KEKと共同事業である。ご指摘どおりにする。


(1)−2 RI・研究所等廃棄物の現状に巡る現状について(その1)
 資料2−1−2に基づき、古川部長より「日本アイソトープ協会におけるRI廃棄物の管理の取組の現状について」を説明。主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 9ページの集荷の状況によれば、2002年から単調に減少しているように見えるが、これはそのような傾向があるか、又は単なるばらつきなのか。

【説明者】 個人的意見であるが、少し減少していると思う。医療関係は今後、急激に減る可能性は高く、医療RI廃棄物は減少するだろうと思う。研究RI廃棄物はほぼ変わらないと思う。具体的には、2ページのインビトロ検査はアイソトープを使った検査が今まで主流だったが、最近の技術革新でアイソトープを使わない検査が増えてきているという情報がある。血液等を試験管の中に入れ検査することで、その試験管が廃棄物になり年間約50万本発生し、廃棄物の一番大きいものであるが、検査方法が変われば、廃棄物が減るだろうということである。

【委員】 用語の問題であるが、2〜4ページではアイソトープが「医療」、「産業」、そして「研究」という3つの分野で使われるとある。しかし、5ページ以降、例えば5ページの左の円グラフを見ると、「医療」分野はあり、「教育」機関と「研究」機関は「研究」分野であるが、「産業」分野に関する言葉がない。民間企業やその他の機関がもし公的な機関等であれば、これを加えたものが「産業」分野なのかどうか教えて欲しい。

【説明者】 本資料はアイソトープ協会が出しているアイソトープ等流通統計から引用しており、その中で使用されている用語である。その他の機関は、環境関係、つまり分析するためのガスクロマトグラフィの線源を使用している事業所をカウントしている。指摘頂いたこの区分全体については今後精査し、わかりやすいように手直しする必要があるのかなと思う。

【委員】 12、13ページにおいても「医療」分野と「研究」分野はあるが、「産業」分野はないし、21ページにおいても左は「研究」分野、右は「医療」分野であり、「産業」分野がない。また、9ページの棒グラフにおいても、「研究」と「医療」はあるが、「産業」についてはわからない。
 2つ目は8ページ絡みの点であるが、アイソトープ協会は廃棄物の集荷等の多様な仕事をしているが、協会の収支の構造が資料に出ていない。その部分がわからないと処分の費用確保について何も言えないという感じがする。
 最後は22ページについてであるが、個人的には一番下のRI・研究所等廃棄物の処理処分費用の試算というのが一番問題である。これが本作業部会の仕事の1つになるのであれば、どのぐらいの量の廃棄物が発生し、どのぐらいの期間続くというような資料が必要になると思う。また、24ページ絡みで、処分費用確保を要望された場合、「医療」分野や「産業」分野についてはサービスを供給するので、コストを回収できる分野、一方、「研究」分野はサービスを供給してコストを回収するということにはなじまない分野の性格の違いだと思うが、分野によるこのような考え方は正しいかどうか教えて欲しい。

【説明者】 基本的にはすべてのRIを使用している事業所から、アイソトープを集めた時に廃棄物の料金をいただいている。その廃棄物料金の中には廃棄物を集荷する料金、貯蔵する料金、そして、処理し、将来の処分費も想定し、一通りをセットとして料金をいただいている。例えば、廃棄物の分類の中で一番多いプラスチック類等の難燃物は現在約3万円の廃棄物料金を廃棄物発生者からいただいている。その金額で足りるか足りないかという議論、経済合理性の議論等は、本作業部会で合理的な処分方策についていい流れを作って欲しいという要望はあるが、処分費用を補助して欲しいかどうかは別問題である。

【委員】 追加であるが、詳細な協会の収支に関する数字は別の機会に出したいと思う。概略として、廃棄物に関しては約23億円の集荷量があるが、これではとても足りなく、売り上げがある他の事業から5億円程度を回しているという実態がある。つまり、医療分野の利益を現実には研究分野に回している。
 今後については、現在の方法で問題があるのかどうか、廃棄物は廃棄物で独自に会計をしないといけない、必要な費用は廃棄物発生者からいただかないといけないという意見も一面であるので、内部的にそれに沿った形でやっていく必要があるのではないかと思う。また、廃棄物事業については36パーセントぐらい値上げしないと採算がとれないところで現在やっている。

【委員】 佐々木委員の話とも絡むが、前回、事務局から、処分事業の実施主体の具体化、処分事業の資金確保方策、そして処分事業に係る制度設計と3つを議論したいと話があった。本日の説明についてはワーディングについて佐々木委員から指摘があったように説明の仕方を工夫して欲しい。参考資料について、この種類の内容は既に10年以上議論しているところである。また、原子力委員会の検討と書いてあるが、これはRI・研究所廃棄物処分の基本的考え方で処分に係る制度設計、ワーディング、そして内容をどうするかということは詳細に約3年にわたり議論されている。それで、本作業部会で新たにゼロから説明するようなことはやめて、原子力委員会、又は原子力安全委員会で既に終了しているところをベースにして議論をスタートして欲しい。
 処分事業の実施主体について先回も議論があり、実施主体はRANDECではないのか、原子力機構の統一等があり、何が論点かよくわからない。本作業部会では処分事業の実施主体の具体化、処分事業資金確保方策、処分事業に係る制度設計の3点を明確にさせることが目的であり、原子力委員会や原子力安全委員会の所掌部分については本作業部会で議論する必要はない。この3点に加え、広報、地域共生、又は地域に対する貢献について議論する必要がある。特に4番目についてであるが、処分場の技術については、既に発電所廃棄物が処分されていることもあり、ある意味で確立している。そこで、発電所廃棄物とRI・研究所等廃棄物について何が違うかというと、発電所廃棄物は電気料金から様々な推進のための資金を集めることができる。一方、それに相当するものがRI・研究所等廃棄物については出てこない。地域共生や理解といったとき、人々は発電所廃棄物と同じレベルでRI・研究所等廃棄物についても考えるため大きなギャップがある。そのような状況で地域共生や理解増進が上手くできるのかということを議論することが本作業部会において重要ではないかと思う。
 処分事業の資金計画、事業の収支は極めて大事である。既に指摘のあった研究利用は営利事業と異なり、本作業部会において議論するRI・研究所等廃棄物の8割以上は原子力機構から発生、つまり研究活動から廃棄物が発生する。そのため、電気料金から薄く削ぎ、それから資金を貯めるという議論が、根底から崩れているということになる。その一方で、国立の研究所や大学、原子力機構が独立行政法人になり、一種の民間ということなので政府にそのような資金を永久に要求し続けることが可能かという複雑な議論になる。だから、資金回しは極めて複雑ですが、RI・研究所等廃棄物の8割以上がそのカテゴリーにあるということで、重要な論点になるのではないのかと思う。資金計画を考えると、処分場の立地、処分場の設計にどれだけの費用がかかるのかということや、放射能レベルが低く簡単に処分ができるという問題以外に、α線を出すTRU(Trans Uranium、超ウラン)廃棄物や、高βγと呼ばれ別の扱いになる廃棄物が存在し、例えば新しい制度としてクリアランスするか、今は浅地中処分以外を考えないという話があるが、そういう状況で制度設計、資金回しができるかということがある。この議論で資金回しや制度設計ができるかということについて、処分事業を実施する方が処分場や地域共生をこうしたいというイメージがないと、本作業部会で幾ら議論をしてもあらゆるものが先送りになる。論拠も根拠もないのに資金計画を考え、実施主体を考えることになるので、並行してある程度の目処をつけて議論をしないと、作業部会としては様々なことが機能しないと思う。
 すべてのものを要求するわけにはいかないが、実施の中心になる方から処分場の設計などある程度のものがでないと、特にRI協会では処分費用を集めており、実際の処分費用の差額をどうするといった話が出てきた場合、これから先の議論がやりにくいのではないかいと思う。


(2)その他
 資料2−2に基づき、「諸外国における放射性廃棄物処分に関する調査項目(案)」を説明。主な意見、要望は以下の通り。

【委員】 第1回の藤木審議官の話に、処分事業の実施主体、処分事業資金確保方策、処分事業に係る制度設計、そして広報、地域共生と、3本柱プラスアルファの話が出てきているので、調査項目はそれが見えるような形にしていただきたい。
 1.制度設計では原子力の基本政策、そして低レベル放射性廃棄物政策であるが、どのような制度設計だけではなくて、廃棄物を集荷して処分する制度がどう実施主体を動かしているのかという形で少し充実して欲しい。2.低レベル放射性廃棄物の処分への取組状況では実施主体のことがでてくるが、どういう実施主体、どういう体制であるかということをまとめて欲しい。そして、4にある資金確保については、これを3.に上げて欲しい。3.については原子力安全委員会、そして5.については原子力委員会で既に議論されているので、3.と5.は、1.、2.、そして4.に比べるとアクセントが少し違うという気がする。また、広報、地域共生の話は一番下に入っているので、理解促進活動を少し引き延ばして少し議論できるようにして欲しい。

【委員】 全体の枠組み又は制度のシステム化を図るという観点で、諸外国はほとんど電力事業者主導型で、そこにRI使用者や中小の国立研究機関である電力以外が統合する形ででき上がっている。諸外国のパンフレットでは、電力には国の基金制度もあり、それを積立てて処分するという情報は入手できるが、病院、RI使用施設、又はホットラボ的な中小の廃棄物発生事業者の処理は、誰がどのような資金を使い実施しているかという情報はなかなか得られない。ほとんどの国において実は1カ所で、プラスサービスというような形で中小の廃棄物発生者の面倒をみているというのが実態である。本作業部会のミッションとして全体の枠組み、又は制度化を考えた場合、電力は処理方法等が大体決められていることを考えれば、RI協会や何百という生ドラム缶を抱えている事業者の処理、処分方法をどうするのか、その全体を考えた枠組みや制度化という情報を入手して欲しい。この情報は2.や資金確保の話になると2.と4.に入ると思う。大手以外のスモールプロデューサーと呼ばれている事業者が様々なパンフレットに出てくるが、スモールプロデューサーの処理システム、料金システム、又は最終的な処分の責任についての情報が本作業部会での議論に非常に参考になると思う。

【委員】 RI・研究所等廃棄物の中には、これまで原子力安全委員会等で議論が行われてきた有害物質を含んだ放射性廃棄物、いわゆる混合廃棄物というのが入り込む可能性が高い。このことは最初の原子力委員会の基本的考え方をまとめる時にかなり様々な意見があり、報告書にも書かれているが、法規制の中でどうするのかということが必ずしも明確に見えていない。特にRI・研究所等廃棄物には、トレンチ処分対象の廃棄物が非常に多く、約半分である。混合廃棄物は個人的にはトレンチ処分には向かないと考える。海外で混合廃棄物をどのように取り扱われているのかということを調べて欲しい。

【委員】 調査対象国はすべて先進国であるが、RIの利用という意味では、東南アジアにおいても結構利用している。そういう国にはむしろ日本みたいなところが指導するから、そこから情報を得てくる必要はないと考えているのか。つまり、外国の調査というときに、先進国しか出てこないが、東南アジアの国は一体どうしているのか。

【委員】 東南アジア9カ国の放射性廃棄物についてはプロデューサーズ・レスポンシビリティという話がある。全体のトレンドは、小さい線源に至るところまでサプライヤーがその責任をとるべきだという流れになっている。そのため、密封された線源はその種の議論が広く行われるということである。
 もう一つは、RI利用事業者の数が日本の約5000事業所(資料2−1−2)に対して、東南アジアでは100〜200であり、圧倒的に少ない。そのため東南アジアの国々は当面は困ってないし、貯蔵するというベースになっている。将来的には日本等を見ながら制度設計をされることになるんと思う。
 東南アジア等で議論される時には、クリアランスレベル、トリビアルな廃棄物は、一般廃棄物と同じように扱いたいとの話があった。日本では原子炉等規制法関連の廃棄物についてはクリアランスレベルの制度設計ができているが、この調査の時に、混合廃棄物と並んでクリアランスも調べて欲しい。

【事務局】 本日はほんとうに熱心な討議、ありがとうございました。
 先ほど小佐古委員から話しがありましたが、前回も私から話しましたように、過去にこの手の議論は既にかなりされているということを踏まえつつ、今回のこの議論では必ず何か具体的な前進をする。その中には、もし必要であれば各府省とも連携をとり、また必要であれば法律をつくり、そういうことも含めて具体的なイメージをアウトプットとして作っていくことが必要であるという認識に立っている。ぜひともこの具体的イメージ、固有の処分場等の地名はともかくとして、具体的な処分事業に係る制度、処分にはどれぐらい費用がかかるのかということにまで踏み込んだ形で、具体像をぜひお願いしたいと思っている。
 それから、本日も資料については、一般的な専門知識を持たない方が読んでわかりやすいといったような視点から、もう少し工夫すべきところがあったのかもしれないと思う。その点については事務局で今後ともまた努力していきたいと思う。

○最後に、次回開催の日時について、2月23日、午後1時からの開催を予定している旨、事務局より連絡があった。


(研究開発局原子力計画課放射性廃棄物企画室)

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