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付録3.原子力安全委員会、「日本原子力研究開発機構に期待する安全研究」 一部抜粋、平成17年6月

まえがき

 原子力安全委員会は、平成16年7月に平成17年度以降の5年程度、重点的に実施すべき安全研究の内容等を示した「原子力の重点安全研究計画」を決定した。
 一方、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が廃止・統合され、平成17年10月には独立行政法人として日本原子力研究開発機構(以下「新法人」という。)が設立されることとなっている。
 原子力安全委員会は、「原子力の重点安全研究計画」において、新法人に期待する研究の内容について言及したところであるが、新法人の中期目標を策定するにあたり、安全研究の成果をどのように活用するのか、いつまでに必要とするのかについても言及する必要があると考える。
 こうした背景から、本資料では、原子力安全委員会が自ら策定・改定を行う安全審査指針類や安全規制の基本的考え方の策定などの調査審議にあたり、

  1 原子力安全委員会での研究成果の活用
2 必要とする研究成果
3 研究成果を必要とする時期

についてまとめたものである。
 文部科学省が新法人の中期目標を策定するにあたっては、本資料にまとめた内容を参考にした中期目標の策定を期待する。
 新法人が安全研究を実施するにあたっては、「原子力の重点安全研究計画」に示す研究機関等に期待する役割をふまえ、関連する研究機関等と連携を図りながら効率的に研究を実施していくことを期待する。
 なお、新法人は、原子力の基礎・基盤研究、核燃料サイクルの確立を目指す研究開発等、原子力の研究開発を総合的に行うこととされており、これらの研究開発からも原子力安全規制に貢献する成果が期待できる。これらの成果を安全研究成果としてとりまとめるにあたっては、原子力安全規制への反映に必要とされる「透明性」、「中立性」の確保に特段の配慮が必要である。

(中略)

2.軽水炉分野
安全評価技術
1  原子力安全委員会での研究成果の活用
 原子力安全委員会は、軽水炉技術の高度化などの動向に対応して、自らの活動の品質向上を目指している。そのため、安全審査の確実な実施や安全審査指針類の見直し、規制行政庁の活動の評価、安全確保に関する政策の検討を行うのに必要な安全評価技術の高度化を進め、原子力安全委員会としての独自の技術能力の維持・向上を図る。

2  必要とする研究成果
 
炉物理解析手法の高度化と評価用データの整備
 
高燃焼度燃料炉心、プルトニウム燃料炉心(いわゆるプルサーマル、フルMOX)に対する炉物理解析手法と必要な核データなどの整備
燃料挙動解析手法の高度化と評価用データの整備
 
高燃焼度燃料、プルトニウム燃料(いわゆるプルサーマル、フルMOX)の反応度事故時、冷却材喪失時の現象評価モデルの高度化と燃料挙動解析コードの開発や被覆管健全性評価手法の開発など
核熱水力挙動解析手法の高度化と評価用データの整備
 
三次元二相流、流動と構造の相互作用、核熱の連成を含む炉心熱伝達など、複合的な過渡熱水力モデルの開発
事故時の原子炉システム・格納容器内挙動最適評価技術の高度化(受動安全設備の過渡事象、シビアアクシデント時における格納容器内ガス状ヨウ素放出に関する基礎データの拡充を含む)

3  研究成果を必要とする時期
 
事業者においては、燃料のさらなる高燃焼度化やMOX燃料の全炉心における本格利用など、軽水炉利用の高度化が今後10年程度の間に見込まれるため、これらの安全審査等に事前に準備する必要がある。

材料劣化・高経年化対策技術
1  原子力安全委員会での研究成果の活用
 原子力安全委員会は、軽水炉の経年劣化や高経年化の観点からも、自らの活動の品質向上を目指している。そのため、材料劣化現象の解明、経年変化や健全性の評価技術の高度化・高精度化を進め、必要に応じ安全審査指針類の見直しや新たな安全規制方策の検討、規制行政庁の活動の評価の高度化を図る。

2  必要とする研究成果
 
材料劣化現象の解明と評価手法の開発
 
放射線場における材料劣化の機構論的な評価手法の高度化
圧力バウンダリ配管等の高経年化を考慮した地震時信頼性評価手法の高精度化
確率論的破壊力学(PFM)解析に基づく構造信頼性評価手法の確立
監視試験片による原子炉圧力容器の破壊靭性評価手法の高精度化
上記成果を基にした高経年化に対する安全規制手法の提案(定期安全レビュー、リスク評価等)

3  研究成果を必要とする時期
 
電気事業者における軽水炉の供用期間長期化に応じて、実施される安全規制に適時に対応する必要がある。
PFM解析は今後、リスク情報を活用した安全規制への活用が考えられ、早急に成果を必要とすると考えられる。

(以降略)


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