ここからサイトの主なメニューです

付録1.材料試験用原子炉の役割

 原子炉の燃料や構造材は放射線と応力や腐食等の相乗的な影響を受けることから、これらの研究開発にあたっては、実機環境を模擬した照射試験及び実機よりも過酷な条件での加速試験も含めた照射試験を行うことが必要であり、これらの照射試験を行うための施設が材料試験用原子炉である。
 原子炉環境における燃料、材料の挙動について計算等理論的手法を用いて評価する研究も行われており、特定の分野、現象に限られた範囲での適用は可能と思われるが、対象とする燃料、材料と環境因子との複雑な組み合わせを考えると、照射試験は燃料、材料の研究開発において今後も主要な手法であると考えられる。
 燃料、材料の照射試験においては、様々な照射中の挙動、特性の変化並びにこれらに対する中性子束(照射速度)、中性子エネルギースペクトル、温度等その他の環境の影響を詳細に把握するため、実機条件の模擬並びに環境因子の制御が求められるとともに、複合的な環境条件下で生じる実機の照射損傷等を再現する照射下試験によるデータ取得も重要である。また、構造材料として不可欠である機械的特性への中性子照射の影響を調べるためにはある程度の照射体積の確保が必要である。これらを可能とするためには、広い空間にわたってほぼ一定の中性子束が得られる材料試験用原子炉が不可欠であり、中性子束の指向性が強く空間的にも限られた加速器中性子源やイオン照射施設は補完しつつ利用されるべきものではあるが、材料試験用原子炉の代替施設とはなり得ない。


前のページへ 次のページへ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ