ここからサイトの主なメニューです

はじめに

 独立行政法人日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」と記す)の材料試験炉(JMTR:Japan Materials Testing Reactor)は昭和43年(1968年)に初臨界を達成して以来、今日まで発電用軽水炉燃料や材料の照射試験を中心に、高速炉、高温ガス炉、核融合炉等の燃料・材料試験に広く利用されてきた。さらに、大学を中心とした原子炉材料に係る基礎研究や人材育成、医療・工業用のラジオアイソトープの製造等に活用されるなど、我が国の原子力研究開発、利用の発展に貢献してきた。近年は、軽水炉の長期利用と高経年化に係る構造材料の照射誘起応力腐食割れ(IASCC)等の維持基準データの整備や経済性向上のための高燃焼度燃料照射試験等に利用され、引き続き我が国の軽水炉利用を支える役割を担っている。

 しかしながら、JMTRは初臨界以来38年経過し施設の高経年化も進み、JMTRの安全、安定運転を確保しつつ、将来の材料試験用原子炉に対する様々な要求に応えて行くためには、全面的な更新、補修が必要な時期を迎えている。

 こうした状況を踏まえて、原子力機構の発足にあたり、業務運営の効率化等の観点から、必要性や費用対効果を考慮しつつ、施設の整理・合理化を進めるという基本的な考え方に沿って、平成17年10月に決められた原子力機構の中期計画(注)では、現在実施中の照射試験が終了する平成18年度に運転を停止し、その後の措置については、「中期目標期間中(平成22年3月まで)に廃止措置に着手するための準備を行う施設」とされた。

 この中期計画の基本方針に対して、我が国の基幹電源として55基の発電用軽水炉(加圧水型:23基、沸騰水型:32基)が稼動している状況を鑑み、軽水炉技術を支えるべき材料試験用原子炉が国内から無くなることへの懸念が表明された。加えて、軽水炉の長期利用が必須となってきている現状を踏まえれば、これを支える燃料や材料の照射試験、材料の基礎研究や人材の育成等の基盤となる材料試験用原子炉施設を継続的に有することの重要性も指摘された。

 こうした状況を考慮し、平成17年11月に原子力機構内に各界の代表から構成される「JMTR利用検討委員会」を設置し、材料試験用原子炉に対する将来の利用ニーズや利用分野等を具体的に検討し、この結果を踏まえて、わが国の材料試験用原子炉のあり方およびこれらの検討結果に基づくJMTRの今後の扱いとあり方を検討した。

 本報告書は、「JMTR利用検討委員会」での検討結果と提言をとりまとめたものである。



(注) 独立行政法人日本原子力研究開発機構の中期目標を達成するための計画(中期計画)、(平成17年10月1日〜平成22年3月31日)

次のページへ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ