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資料3−2
これまでの主なご意見(講師からのご説明を含む)
(案)
1.国の将来像

(1) 検討の視点
第1期及び第2期の基本計画を踏まえて、あと何に取り組めば目標が達成されるのかということを考えてはどうか。
現行の科学技術基本計画に定められた「あるべき姿」に何を足すのか、何を落とすのかを中心にまとめるべき。
どこの先進国でも成り立つ目標ではなく、日本の過去あるいは現状とつながるような方向性があるべき。例えば、高い民度、少ない資源、海洋国家といった条件をどう反映するかということ。

(2) 我が国のあるべき姿
「尊敬される国」、「信頼される国」は目標として掲げるべきものではなく、第三者の評価。「魅力のある国」、「活力のある国」を目指して、結果として尊敬、信頼が得られる。
国際社会の平和と発展への積極的な関与、地球規模の問題・国際社会の課題の解決を通じて世界からの尊敬・信頼を集める国であるとともに、食糧・水・資源・エネルギーの安定確保を図るための経済力を持つことができる国際競争力を持ったたくましい国、安全・安心な国、憧れを持たれる国を目指すべき。
科学技術を手段として、品のいい、信頼される国を目指すべき。

(3) 直面する課題、我が国固有の問題
1 我が国の固有の特徴
海洋国家であり、通商国家である日本の安全と持続的繁栄、量的な繁栄から質的な繁栄ということが基本にあるべき。海洋国家、通商国家ということから、日本のアイデンティティ、日本の安全といった日本人固有のことと、国際貢献など世界のことを調和させることができる。

2 GDPの維持、少子高齢化社会への対応
少子高齢化によって絶対数が減っていく中で、技術をどうするのかいうことは重要な問題。
自給自足率や外貨保有率、輸出競争力をどこまで高めて、GDPの規模をこのくらいに維持する、そのために政府が取り組むべき技術開発が目標に達したときに魅力も、信頼も、安全も得ることができるとの筋立てで整理できるようにすべき。
21世紀はかなり覇権的な世界になるのではないか。その中で、我が国が存在感を示せるのはGDPの大きさによるところが大きい。したがって、GDPを維持するパワーがない限り、国際社会における日本の発言力の低下は免れ得ない。
基幹技術の議論にあたっては、特殊合計出生率1.29、GDP 500兆円という現在の日本が2020年で人口1億人を割るが、GDPの維持を含め、どのような国として存続していくかを考えるべき。
欧州先進諸国と日本を比べると、GDPでは欧州先進諸国を凌駕しているにもかかわらず、豊かさの実感が違う。欧州先進諸国のような成熟した社会の実現が必要。

3 アジアの中の日本、中国などとの関係の構築
日本にとって注目すべきは中国がどれほど大きな存在になっていくかということ。同時に、中国がどのように平和的に台頭していくのかということが今後の50年の国際政治の大課題。
米国も欧州も超長期的には没落するかもしれないが、今後50年くらいは相当大きな勢力として存続。特に欧州は、統合の影響もあり、今後とも大きなパワーセンタであり続けるだろう。イスラム地域、中東は引き続き混乱が続くのではないか。
国際関係の中で、特に一定のレベル以上の強い国は長期的に地位を安定させるという観点から、他国との共存共栄を基本条件としている。日本も、他国と共存する、他国に委ねる部分がなければ、強くて住み易い国でも嫉妬や恐怖の対象となることがある。

4 地球規模での持続的発展への寄与
63億人になった人口が生活し、食糧、エネルギー、水が必要で、廃棄物を捨てる。環境問題を引き起こしているのは人口増加であり、これにどう対応するのか。
地球上では人口の80%が貧困あるいは途上国に偏在。アジアには人口の60%が集中。この60%が成長する時に食糧、エネルギー、水、廃棄物、環境問題に対して日本として何ができるか、南北格差が拡大していく時に、果たしてハードパワーで抑えられるか、地球はこれからも持続可能な発展が可能なのかということが課題。
人口問題、環境問題、南北格差の拡大が顕在化し、アジアが成長する中で、いかにして信頼される日本を目指すか。

5 国としての存立基盤の確立
一番の根幹は、食糧、水、エネルギー、資源の確保。生存に必要なものは最低限確保できるようにするべき。
今後の安全保障戦略は国家からの脅威とともに、非国家主体からの脅威にも対応が不可欠。そのためには日本の周囲だけではなく、世界各地で脅威を予防することが必要となる。
全てでないにせよ、人々の安全にとって国というのは重要な鍵になるとの認識が強くなる傾向。

2.産業の国際競争力の維持・強化

(1) 検討の視点
我が国では、科学技術によって富を持ち込んで、それをベースに豊かな社会を築いていくというサイクルが基本。その際、国際競争力を強化して豊かな社会を実現するために必要なことは何かを考えるべき。
科学技術と国家の関係を歴史に見ると、どの国も皆同じ技術を持っている状況だと早く負けることになる。今日の日本は、企業が同じような製品を大量生産してきて強くなってきたため、倒れるときには皆一緒に倒れることになる。
日本が食糧やエネルギーを確保するために輸出は重要だが、日本は大国であるとの意識の下で、自らの生活の向上を図っていかなければ今後輸出だけでは食ってはいけない。
産業が活性化する、イノベーションによって市場が開けることは日本にとっていいことという認識が前提。
明治以来、科学を「富国強兵」、「経済成長」という文脈で捉えることを当然としてきた日本の姿勢はおかしくはないか。

(2) 重点化の考え方
日本としての特徴は技術と人との組み合わせ。人を含めたヒューマン・システムとして輸出できるようにすることが重要。
現下の財政状況の中では、個人的な興味・関心に基づくものより実際に役に立つものに資源を重点的に投資すべき。実際に役に立つものとは、競争力があるもの、税収や雇用の増につながるもの、他国を引き付ける魅力のあるもの。

3.安全安心な社会の実現

(1) 持続的発展の基盤、生存に必要なもの
化石エネルギーからの脱却のための代替エネルギー開発と食糧が競争力維持の源泉。
エネルギー技術は、地政学的に難しい位置にある日本が独立国として存続していくためにどうしたらいいかという視点で重要。
地球規模の食糧増産にどう寄与するか、地球規模での病気の克服にどう寄与するかということと、基幹技術との関係を整理すべき。
アジアをはじめとする防災分野における国際協力は、防衛技術的なものよりもソフトであり、国際社会にも受け入れられるもの。
ライフサイエンスは我が国として感染症などに立ち向かう技術として不可欠。

(2) 平和の維持・安全保障
1 検討の視点
平和のために防衛問題を語らないのは誤り。防衛を予め排除した議論は意義が薄れる。
防衛に力を割くことなく、モノづくりに突き進むことで、これまでに日本は「強い国」と「経済力のある国」、「信頼される国」、「技術立国」を実現。これからは、モノづくりを支援する技術も必要だが、「平和力で世界一を目指す国」としての基幹技術が必要。
安全保障とはハードパワーを使って周りの国の行動を制御しながら、ある種の秩序を築いていくこと。日本では、科学技術面ではミサイル防衛などにおける強みを持ちつつコストを担うことになろう。また、今後はnational securityだけではなく、human securityについて貢献しなければ、日本の安全保障を維持できない。
安全保障のハード面は、日本の地政学的状況から日米関係が基盤。ソフト面では、アジア太平洋地域で大きな紛争を起こさせないよう、ある種のアジアの世俗的近代化に希望を抱かせ続けることが、広い意味での安全保障環境の確保につながる。

2 重点化の考え方、デュアルユース
Research for secure Europeの中で我が国として参考にすべきは民生技術を防衛のためにも利用可能な技術として生かすこと。
デュアルユース技術、武器技術自体が邪悪なものだとは言えない。安全保障の必要がある以上は安全保障上の脅威に対抗するための技術を保持することは当然の責務。
防衛にも通じる宇宙、海洋などに関する技術で、ある程度の水準を保つことが重要。それ以外のことは民間に委ねるのが現実的。
センサ、GPSなどの例を見ると、国の安心・安全も国民の安心・安全も同じ。その意味から一般技術と防衛技術を区別すべきでない。

4.国際社会におけるリーダーシップの発揮

(1) 検討の視点
旧宗主国との関係もあり、日本がアジアのリーダとなるのは非常に難しい。日本国民の利益を第一義に、日本としてのアイデンティティを確立していくべき。
今後50年の外交戦略での鍵は、米国と中国とどう付き合うかということ。そのため、米国と友好的な東アジア共同体というものを50年くらいかけて作っていくことが有力な均衡解。科学技術は、その実現のためのソフトパワーの源泉の一つ。
日本は、地理上、中国、韓国から大きな文化的な影響を受けてきたが、その再構築、信頼性の再構築を図ることが最も重要。21世紀にアジアの信頼性を再構築できない日本は米国にもEUにも信頼されない。日本はマレーシア、インドネシアなどとはいい関係にあり、これらの国々との間でソフトパワーによって多くの関係を築くことが重要。
国力の一つとして国の品格があるのではないか。国際貢献を通じて格が上がると国民も誇りが持てる。

(2) 重点化の考え方
中国との関係では、エネルギー、環境といった分野での連携が重要ではないか。
国の品格、ブランドマネジメントを考えた技術が重要。
ヒートアイランド対策、高齢化社会への対応など、日本が直面する問題を自らどう解決できるかが課題。これらの問題は、日本に遅れて中国でも将来的に直面するが、我が国が自ら解決できるか否かが自らの安心・安全はもとより、他国からの尊敬にもつながる。

5.「戦略的に推進すべき基幹技術」とは何か。

(1) 「科学」と「技術」について
科学とは自然現象の原則・法則性を発見して知識として体系化すること。技術は、それぞれの知識を人や社会の役に立つ形に新たに体系化し直したもの。基幹技術の議論では、科学と技術のどこに力を入れるかということが課題の一つ。

(2) 欧米、中国の戦略
1 米国の国家戦略と科学技術について
米国には、科学技術こそ社会を支え、発展させていく原動力とのコンセンサスがある。
米国は、連邦政府として重点投資すべき研究開発課題として、国家安全保障に非常に高い優先度を付与。そのほか、エネルギーの自立といった長期的な国家目標の達成、連邦政府諸機関の任務遂行のための共同利用施設の整備、国民の健康の増進、教育の強化、競争力強化・雇用創出、基礎的な発見、地球環境に対する理解促進などに重点。
省庁連携が必要な研究開発としては、テロとの戦いを含む国土安全保障、ネットワーク技術・情報技術(スーパーコンピュータ、サイバーインフラなど)、ナノテクノロジーなどに高い優先度を付与。

2 欧州の(国家)戦略と科学技術について
米国が安全保障に重点を置いていることに比べ、欧州では、科学技術によって付加価値を最大化することが可能との認識の下、産業競争力の強化を国家戦略の中核に位置付けている。また、宇宙開発などには地域統合のシンボルとしての意義を見出している。
特徴的なことは「自立性の確保」という考え方。これは米国との競争・対抗という意識より、米国に振り回されないとの意味。
今後10年を念頭に置いた経済・社会政策の包括的な方向性を示したリスボン戦略(2000年3月)に掲げられた目標(「より多い雇用とより強い社会的連帯を確保しつつ、持続的な経済発展を達成しうる、世界で最も競争力があり、かつ力強い知識経済となること」)に基づき、科学技術の発展は国家に何をもたらすかということを戦略的に思考すべきとの発想。
財政的な観点からの要請である効率性と自立性とのバランスを考慮して、どの技術を自ら保有し、どの技術を外国に依存してもよいかを判断。

3 中国の国家戦略と科学技術について
「科学技術は第一の生産力」とのとう小平のスローガンの下、863計画(生物、宇宙、情報、レーザー、オートメーション、エネルギー、新素材、海洋技術といった分野を対象)に代表されるような経済発展のために産業化を志向した科学技術に重点。とりわけ、近年は産業と国防のデュアルユース技術がクローズアップ。
全体としてはキャッチアップ型だが、90年代後半以降、基礎分野の強化も意識。ソフトウェア、ゲノム、新材料など、海外のネットワーク、帰国した留学生などを原動力として急速な成長を遂げている分野も散見。

(3) 我が国としてとるべき戦略
単純に考えると、技術開発における国家戦略では、現在、ナンバーワンの技術を徹底的に追求してナンバーワンを維持することが第1。第2に、国としてどうしてもやるべきことを確実にやること。第3は、日本の特徴を活かせるものを確固たるものにすること。
米国は常に歴史のハンディキャップの下に先頭を走っていなければ気がすまない国の科学技術政策。欧州は、歴史に対する自信の下に、一方で米国に対抗しなければならない中での科学技術政策。日本は、アジアの一員としての政策が必要ではないか。
優先順位がないものは戦略とは言えない。実現可能性も勘案しながら優先順位を付けていくべき。
日本の強みを増すために強いところを集中的に伸ばしていくのがよいのか、新たなところに挑戦することがよいのか。これまでのように全方位外交的にやって足腰を維持することがよいのか。
社会制度などの違いから、米国が成功した方法論と日本が同じものを採用するかどうかは難しい問題。どの程度新しい考え方でやっていくのか。
この委員会の目的は、国としてのビジョンに照らして国家予算の配分のプライオリティを見直すことにあるのではないか。
Economy、Environment、Energy securityという3つのEを不可分に戦略化することが重要。その際、国と人のsecurityを同時に考えることが必要。

(4) 「国として戦略的に推進すべき基幹技術」の要件
Back to science‘は重要であっても、考えるべき基幹技術とはサイエンスを第一義としてはいけない。
「基幹技術」ということだけを考えるのではなく、「国として戦略的に推進すべき」対象としての基幹技術と捉えると、国とはいかなる対象かということを定義する必要がある。
基幹技術は、自由な発想に基づく基礎研究の外側にあって、国として放っておくとまずいと考えられる科学を含む技術で、重点的に支援すべきもの。自由な研究が個々のテーマに対応した政策的な位置付けがなされないのに対して、基幹技術に関する研究開発は、設定されたテーマごとに政策的な支援の対象となり得るもの。これらは互いに表裏一体の関係。
基幹技術とは、日本のあるべき姿を実現する上で必須あるいは大きく貢献する技術。また、国として推進すべきものは、発展性がありかつ国際的に優位になり得る分野、社会に共通に裨益する分野であって、採算性、規模、開発に要する期間、リスク、先端性と、そのために必要となる人材、設備などの面から、民間のみによる自主的な研究開発では目標を達成できないもの。広い意味で、国や国民の存続に関わる技術。根幹的なあるいは普遍的な波及効果の大きな技術。
我が国の強みのある科学技術であって、経済の発展や産業の国際競争力に係るもの、安心・安全の確保など我が国の維持に必要な科学技術であって、国として長期的な視点に立って着実に推進すべきもの、「知の世紀」を先導するなど国際社会の中で我が国がリーダーシップを発揮する科学技術であって、科学技術創造立国を内外にアピールする重要なものを基幹技術として考えるべき。
多国間の安全保障の力となる技術、国際社会の安定に貢献できる技術、日本国民の人心を結集できる技術を、人材と絡めて考慮すべき。
日本として世界に誇れる国、存在感のある国という国際的な視点、少子高齢化社会や安全保障への対応という国内的な視点、快適な生活環境の実現といった個人的な視点で基幹技術を捉えてはどうか。

(5) ターゲット、プロジェクト・システム、技術という階層構造
1 基本的な考え方
あるべき国の姿を実現するために何をなすべきかを具体的に明らかにすべき。その上で、プロジェクトを設定して、科学と技術を同じベクトルで進化させていくことが必要。
「アジアにおいて尊敬される国」、「持続的な発展が可能な国」、「信頼される国」というと上位概念過ぎるが、原子力についてアジアの中でどう考えるかという時に、信頼されるスタンスが確立されるのであれば、原子力を推進すべきという議論ができる。このように上位概念と、推進すべき技術との間の中間を議論すべき。
委員会では、官民を含めたビジョンや方向性を共有し、その上で政府として支援すべき基幹技術とは何かを明らかにすることが必要。資源に制約があることから、取捨選択を行う際の基準は、そのビジョン・方向性、国家戦略と合致するかどうか。また、官民の役割分担がどうかということも判断基準の一つ。
ビジョンを共有した後、グランドデザインを描くべき。グランドデザインとは、ビジョン実現のための政策判断に用いる技術や社会の構成要素。
科学技術・学術分野と、国の政策・ビジョンの交点に戦略技術が見えてくる。
基幹技術を考えるときには、将来の社会、日本にとって必要な産業は何かを考え、戦略性の一致、根幹性を考慮して取り上げていくべき。その中で、企業のやるべきこと、政府の取り組むべきことを検討してはどうか。

2 「統合化」について
将来像に向けてなすべきこととして「統合化技術」が加えられるべき。
「統合化」とは社会システムそのものの構築ではないか。
現代は細分化された先進技術の世界。一般社会に向けてどういうシンボルを示すかが重要だが、シンボルを示すことができていない。また、その担い手たる政治家、専門家、オピニオン・リーダなどへの受渡しがうまくいっていない。
統合化研究とは、ある目的に則して科学(知識)を体系化して技術を作り出していく過程。基幹技術の議論では、国の政策として、その目的・問題設定をしっかりやること。

3 考慮すべき領域、課題
大型放射光施設「Spring−8」や地球深部掘削船「ちきゅう」など世界最先端を走っているプロジェクトについては今後も積極的に推進すべき。
ソフトパワーという面から、世界で普遍的な価値を持つのは医療技術など。
単にハードウェアに資源を投じるというのではなく、産業・社会の変更を加味した戦略を念頭に置いた根源的な技術を対象とすべき。
資源・エネルギー・環境、安心・安全という極めて重要な二つの分野で、国が主体的に役割を果たすビッグプロジェクトを取り上げるべき。
宇宙、海洋を含めた日本における総合的なシステムをどうするか、例えばGDPをどれくらい保証するとの前提で、何を実現するのか明らかにすべき。

6.今後の推進方策

期待をcoordinateして資源のシフトまでいかなければ戦略を立てる意味がない。また、日本の中にマネジメントを入れていくことも必要で、戦略目標の達成には技術だけではなく、制度面からのアプローチも必要。

以上


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