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国の将来像及び基幹技術に関するアンケートの結果

日本のあるべき将来像   将来像の実現に向けた戦略のために推進すべき基幹技術の要件 要件に該当する基幹技術の例
あるべき将来像に向けてなすべきこと
【知の創造】
二重丸 は第二期科学技術基本計画に記述のあるもの

二重丸   新しい知識を生み出し、その知識を活用して諸課題に対応する国

二重丸   知識や知恵を世界に向けて発信し、人類共通の問題解決に資することによって、世界から信頼される国

1 自由が確保されているため、国内外の人がともに創造活動を行いやすい国

2 ものづくりの根幹をなす生産技術を基盤とし、グローバル事業の核となる開発センター(知的資産の集約)機能を有する国

100年先、あるいはもっと先を見た科学を育成する風土を作り上げること。




創造的で(自律)自立した個人を育成し、世界的な規模で、文化・経済活動や国際貢献活動に活躍できる人材を輩出すること。
大きな技術革新を促し、知の世紀を先導するなど、国際社会の中で我が国がリーダーシップを発揮する科学技術であって、科学技術立国を内外に強くアピールするもの


Scienceは第一義としない(Back to Scienceはあり得る)
ナノテクノロジー(次世代ナノ観察技術など)

脳科学、認知科学(模倣手段としての人型コンピュータ、自律型コンピュータを含む。)

フロンティア開拓型技術(宇宙、海洋)

光と量子の科学技術
【国際競争力の維持・強化】
二重丸 は第二期科学技術基本計画に記述のあるもの

二重丸   現下の経済社会が有する諸課題を克服し、付加価値の高い財・サービスを創出し、雇用機会を十分に確保することで、国際的な競争環境の中で我が国の経済が活力を維持し、持続的に発展を遂げ、国民の生活水準を向上させられる国
少子高齢化が進展する中で、生産性、経済力を維持するために機械化を極限まで進めること。

新産業を創造するためのベースとなる市場の先進性とダイナミズムを維持・発展させること。

特に、アジア諸国が経済成長を遂げる中で、アジアにおいてリーダーシップをとることができるようになること。

これまでにない産業を興し、需要の創出を図るとともに、新しい価値観に基づいた技術開発を展開できるようになること。

世界をリードする技術力を堅持するため、国家として常に世界の動向を把握しながら重点的な研究投資を持続的に行うこと。
21世紀前半の競争を制するために必要なもの

我が国の強みのある分野であって、経済の発展や産業の国際競争力強化の基盤となるもの
エネルギー技術
米国はウラン濃縮技術と再処理技術を完全に持つ国以外には原子力平和利用自体も制限し得ることを提案。世界情勢ではこのような案が採用されることもあり得るので常に最先端の技術を持ち「例外」としての存在を示すことが必要。


情報革命をもたらす技術(ユビキタス、衛星通信、スーパーコンピューティングなど)

ロボット技術(基幹製造業を支えるもの、生産労働人口の減少を補うものなど)

組込み技術(情報家電・携帯向けなど)

生産・製造技術(微細精密加工技術、プロセス技術など)

環境技術(シーオーツー固定化・再生化、水素エネルギー技術、太陽光発電技術など)  など
【安全・安心な社会、質の高い生活の実現】
二重丸 は第二期科学技術基本計画に記述のあるもの

二重丸   本格的に到来する高齢社会において健康に生活できるよう疾病の治療・予防能力を飛躍的に向上させることができる国

二重丸   自然及び人為的な災害やそれによる被害を最小限にとどめることができる国

二重丸   人間活動の基盤をなす食料やエネルギーの安定供給を図ることができる国

二重丸   地球環境と調和した産業活動や経済発展を実現することができる国

二重丸   世界の中で安定した国際関係を維持するとともに、人々が安心して心豊かに、質の高い生活を営むことのできる国

1   洗練された科学技術力を持ち、環境の保護保全において有数の成果を挙げることができる国
巨大化する中国・アジア経済圏の経済的変動、市場環境等の変動に対してロバストな金融・経済・財政基盤及び政策立案能力を有すること。



自ら国を守る(対自然災害、対エネルギー、食糧不足、国防、対テロを含む)ことができるようになること。

エネルギー、防衛などの国家として抱える課題を解決できるようになること。
国の安全保障に必須な技術

国民の生活を快適・豊かにするもの

安全・安心の確保など我が国の維持に必要な科学技術であって、国として長期的視点に立って着実に推進する必要があるもの
宇宙・航空技術(安全保障への対応、環境モニタリングなど)

エネルギー技術(水素、メタンハイドレート、核融合などの新エネルギー技術、原子力などの基幹エネルギー技術)

放射性廃棄物処理処分のための元素変換技術

セキュリティ技術(物理、情報・通信)

農業・食料関連技術(種子改良技術、植物工場など)

医療技術・健康維持技術(国民皆100歳を実現するもの。がん撲滅、自動自己診断技術など)

ロボット技術や新交通システム(少子高齢化、健康で豊かな生活を支える生活支援型のもの)

大規模災害防止・被害軽減技術(テロによるものを含む)
【共通的なもの、その他の考え方】

1 文化、(非軍事的)安全保障面で世界から信頼・尊敬される国

2 日本のIdentityの確立

3 成熟した国

4 過去の「工業社会」の優等生として、「歴史の峠」を真っ先に越え、次の人間の歴史社会を形成することができる国

5 アジアの一員としての東アジア共同体意識、覇権主義へのアンチテーゼ、将来の資源・食糧・環境の確保に立脚した原点への回帰を目指す国
キャッチアップ構造から抜け出し、「邪悪なるもの」からの脱却という意味の「安全性」、「多様性(あるいは個性)」、「持続性」の実現を目指す国


6 世界に貢献できる文化、科学技術、人材を発信できる国



7

地球規模での持続的発展や南北問題の解決に貢献できるものであること。

各カテゴリーを世界の模範(モデル)となるようなトップ級(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、日本の先進5カ国の中でもリーダーとなるだけのレベル)に引き上げること。
自然に働きかける人間という「主体」に関わるもの
19世紀末から20世紀にかけての技術革新は人間の手足(運動系統)の延長線上。「ポスト工業社会」や「知識社会」を形成する20世紀から21世紀にかけての技術革新は人間の神経系統の延長線上に起きると考えられる。
将来、応用層に大きなインパクトを与えるもの
分野あるいは層により基幹技術の内容は異なる。層は、要素技術層(材料、デバイス等)、サブシステム層(要素の組合せプラスα)層、システム層(サブシステムの組合せプラスα)、応用層から構成。インパクトは、市場メカニズムと国益の視点に立って評価。

大規模な技術革新、構造変化をもたらすもの

日本の独創性を訴求できるもの

人類への貢献度が高いもの

安全性、多様性(個性)、持続性といった横軸に対してseeds-drivenあるいはvision-drivenである技術を縦軸として選び出されたもの

大型放射光施設「SPring-8」、実大三次元振動破壊実験施設、地球シミュレータ、重粒子線がん治療装置、地球深部探査船「ちきゅう」、自律型深海巡航探査機「うらしま」などに続いて、我が国が世界トップの位置を堅持することを可能とするもの。
情報技術
医療・福祉技術
教育・教養技術
これら分野での技術革新では、市場が機能するための所有の概念が成立しにくく、政府の役割が決定的。

エネルギー技術、交通・物流技術、情報通信技術、医療・福祉技術

微細精密加工技術、高効率技術

医療、健康技術

サイバーテロを含む社会システム脆弱性の予防診断技術(情報通信と安全性の交点)、海洋ニッポン(フィールド学術と多様性(個性)の交点)

ヒトへの投資

地方の産業振興のための人材派遣・交流



世界最先端の大型研究施設の整備

※ 議論の進め方、基幹技術の考え方(例)

基幹技術とは、「日本のあるべき姿」を実現する上で必須の技術及び大きく寄与する技術。国として戦略的に推進すべき基幹技術は、
(1)  発展性があり、かつ国際的に優位になりうる分野、あるいは社会に共通的に裨益する分野の技術であり、
(2)  採算性ないしは規模や期間、リスクの面から民間の自主的な研究開発が期待しがたい技術であって、
(3)  特に、基盤的な(多くの分野に共通的に適用可能な)あるいは、根幹的な(基本的、普遍的で波及効果の大きな)技術。

「日本のあるべき将来像」と、「推進すべき基幹技術の要件」は一体のものとして考えることができるような議論の流れが必要。

我が国の将来像として挙げた安全性、多様性、持続性といった横軸に対して、seeds-driven technologyvision-driven technologyといった縦軸として選び出された技術をいかに基幹技術としてマッピングするかが課題。

先端研究テーマは、民間や大学レベルで着手されているものが多い。国として取り上げるには、国としての重要度や政策意図が明確である必要があり基準をある程度決める必要性がある。



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