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6.おわりに

 計算科学技術推進WGでは、平成16年8月から今後の計算科学技術の推進に係る諸問題についての検討を目的として議論を重ねてきた。WGにおける提言を受けて文部科学省においてペタスケール・コンピューティングを実現するために、平成17年度から「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」、平成18年度から「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクトが開始された。

 次世代スーパーコンピュータは我が国における最高性能計算機として、科学技術の多くの分野で革新的な研究成果をもたらす研究開発基盤として開発が進められている。次世代スーパーコンピュータの開発で生み出される要素技術は他のコンピュータへも波及し、我が国のコンピュータ技術全体の底上げを可能にすることが期待される。

 次世代スーパーコンピュータがその性能を十分に発揮し、最先端の研究成果を創出するためには、アプリケーションソフトウェアの開発が不可欠である。アプリケーションソフトウェアの開発・普及を推進していくためには、開発整備を行う人材の育成、アプリケーションソフトウェアの継続的なメンテナンスを行うための恒常的なテストベッド、アプリケーションソフトウェアの利用の情報交換を行うコミュニティの形成、優れたソフトウェアを集約する体制が必要となる。また、アプリケーションソフトウェアを次世代スーパーコンピュータ上で利用するためには、計算機に関する専門的な知識を持った人材による利用者への技術的サポートが必須である。

 人材育成の観点では、ハードウェア開発者やアプリケーションソフトウェア開発者のみに留まらず、ハードウェアの高度な知識を持ち、アプリケーションソフトウェアをハードウェアに最適化させ、ハードウェアの性能を十分使いこなすことが可能な人材が必要である。また、産業界においては計算科学技術を適切に利用して、革新性・信頼性のあるものづくりに応用することが可能な人材が求められている。これらの人材を育成するためには、計算機やアプリケーションソフトウェアを実際に利用できる環境で体系的な教育を行うことが効率的である。

 計算科学技術分野においては、計算機のハードウェアはソフトウェア及び高度な利用技術を持った利用者と一体となって最先端の研究成果を生み出すものであるため、ハードウェア研究開発者、ソフトウェア研究開発者、計算機利用者が各地に散在している現状では上記の課題に対応するのに困難が多い。これらの人的資源を結集して効率的な研究成果の創出を行うために、次世代スーパーコンピュータを中核にした計算科学技術分野における拠点(COE)を形成することが有効である。

 COEは我が国の計算科学技術を牽引する推進中核拠点として計算科学技術を継続的に発展させ、世界最先端の研究開発成果を創出していくことが期待される。COE形成にあたり、WGとして以下の機能を果たすべきであると考える。

1 研究開発拠点としての機能
 
ハードウェア研究開発者とソフトウェア研究開発者の協力・協働による先導的なアーキテクチャの計算機の開発
最先端の計算科学技術を用いたアプリケーションソフトウェアの継続的な開発
様々な分野における世界最先端のシミュレーションを利用した研究
国内外の世界トップレベルの研究機関等との共同研究
計算機の専門的な知識を持つ技術者による利用支援
2 テストベッドとしての機能
 
アプリケーションソフトウェアの継続的な保守・整備
利用者コミュニティによるアプリケーションソフトウェア利用の経験・知見の集積
国内外の優れたアプリケーションソフトウェアの集約
3 人材育成拠点としての機能
 
最先端の研究開発を通じたポスドク、大学院生等の若手研究者の育成
計算機・アプリケーションソフトウェアの実践的な利用による産業界等における計算科学技術を専門としてない人材に対する教育
利用者や研究者をサポートすることのできる高度な計算機利用技術を持った技術者の育成

 上記のようなCOEの形成により、計算機ハードウェア・ソフトウェア・人材等の一体的な発展が可能となり、我が国の科学技術の基盤が形成され、科学技術創造立国の実現に資することが期待される。

以上


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