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3.次世代のスーパーコンピューティングについて

(1) スーパーコンピュータを巡る諸動向とペタスケール・コンピューティングの実現性(国際動向、技術動向(半導体、その他要素技術)等)
 
1 国際動向
   米国は、政府(DOE(注1)、DOD(注2))主導による官民一体のペタスケール・コンピューティングの開発を平成22年頃に実現することを目標に大がかりに推進している。特に注目すべきは、特定処理計算機を基本とするBlueGene(注3)で国際的なベンチマークテスト上での数ペタFLOPS(フロップス)を目指し、TOP500ランキングの首位をねらうだけではなく、NLCF(注4)とHPCS(注5)により、汎用スーパーコンピュータでペタスケール・コンピューティングを目指している点である。
 また、中国もTOP500ランキングの上位に進出しつつあり、ランキングに入ったスーパーコンピュータの台数では我が国と比肩している。中国ではこれまでのように部品を輸入して国内で組み立てるタイプの開発から自国技術を基礎とする開発を指向しつつあり、将来的には、米国、我が国に次いで自国技術によるスーパーコンピュータ開発が行われる可能性がある。

2 半導体技術の動向
   スーパーコンピュータの重要な基礎技術である半導体技術のロードマップに照らせば、LSI最小配線幅について平成19年から65ナノメートルが、平成22年から45ナノメートルが実現可能とされている。したがって、平成22年頃のスーパーコンピュータの製造能力としては、これらの半導体技術を用いてペタスケール・コンピューティングの実現に必要なチップセットを開発することは十分に可能である。

3 その他要素技術の動向
   平成17年度より、大規模処理計算機、逐次処理計算機の実現に必要な要素技術のブレークスルーのため、文部科学省の「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」プロジェクトが開始されている。また、平成16年度に開始され、ピーク性能で2ペタFLOPS(フロップス)の計算機開発を目指している特定処理計算加速機GRAPE-DRプロジェクト(注6)も着実に進捗している。これらのプロジェクトを通じて、CPUの低消費電力化、CPU−メモリ間の光伝送、ノード間インターコネクションの光スイッチ技術や超高速光通信の実現と、特定処理計算加速機技術の実用に向けた展望が拓かれるものと考えられる。

4 ペタスケール・コンピューティングの実現性
   米国のスーパーコンピュータ戦略では、ペタフロップス超級のスーパーコンピュータ開発が平成22年頃を目標に計画されている。
 我が国もこのような国際状況を見据え、科学技術創造立国の地位を確立すべく、最先端の研究開発を行うために不可欠な研究開発基盤として平成22年頃までにペタスケールのスーパーコンピュータを整備することが望ましい。そのため、過去のNLS開発に約5年間が必要であった事実を踏まえ、平成18年度から文部科学省の次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトが開始されている。

(注1): 米国エネルギー省(Department of Energy)。
(注2): 米国防総省(Department of Defense)。
(注3): 米国IBM社が開発した分子動力学専用計算機をベースとするライフサイエンス分野向け特定処理計算機。
(注4): National Leadership Computing Facility」。米国エネルギー省(DOE)のプロジェクト。平成22年に1ペタFLOPS(フロップス)超級を目標に開発が進められている汎用スーパーコンピュータ。
(注5): High Productivity Computing System」。米国防総省(DOD)のプロジェクト。平成22年に1ペタFLOPS(フロップス)超級を目標に開発が進められている汎用スーパーコンピュータ。
(注6): 科学技術振興調整費によるプログラム「重要解決型研究等の推進」のサブプログラム「重要課題解決型研究」内の一課題「分散共有型研究データ利用基盤の整備」での一研究項目。

(2) グランドチャレンジとシステム要件
 
1) グランドチャレンジの検討
   ペタスケール・コンピューティングのターゲットに相応しいグランドチャレンジとして、科学技術や産業を牽引する力、学際的な波及効果や意義に着目して、WGにおいてアプリケーションによってもたらされる効果について分析を行った。
 その結果、対象分野の括りとしては、「物質・材料(ナノテクノロジーなど)」、「ライフサイエンス」、「ものづくり」、「防災」、「地球環境」、「原子力」、「航空・宇宙」、「天文・宇宙物理」の合計8分野に整理することができた。
 各分野の波及効果などの代表的なイメージをまとめると、次の通りである。

1 物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野
   次世代ナノ材料の開発により、ナノ触媒、燃料電池などの触媒設計、超高速・超低消費電力のデバイス設計などを実現し、近い将来、エレクトロニクス、環境・エネルギー分野などにおけるものづくりに革命を起こし得る。
 特に、ナノテクノロジーについては、計算科学技術が理論や実験を先導する成果を上げ始めているテーマもある。ナノテクノロジーの成果は、エレクトロニクスのように国際的な競争にさらされているITそのものを支える重要な基盤技術であるのみならず、化学やバイオテクノロジー、医療といった幅広い分野への応用が期待されており、科学技術や産業に留まらず、国民生活や社会そのものに与えるメリットは計り知れないものがある。

2 ライフサイエンス分野
   将来的な課題ではあるが、遺伝子から全身の血流まで人体を丸ごと解析することにより、テーラーメイド医療や創薬などを実現し、医学の進展に大きな影響を与え得る。
 特に、遺伝子の相同性検索やたんぱく質の構造・機能解析については、計算規模が拡大しつつあり、これに対して計算科学技術に基づく方法論の革新や効率的な計算方法を確立することで、今後ライフサイエンス分野の発展を強く牽引する可能性がある。

3 ものづくり分野
   自動車衝突解析自動化による自動車設計期間の劇的な改善などが可能となり、我が国の製造業の国際競争力向上に直接的に寄与する。

4 防災分野
   地震や津波による被害のシミュレーションによって、より正確に被害状況を予測できることで、地震や津波が多い我が国における安全・安心な社会の構築に大きく貢献する。

5 地球環境分野
   気象観測データのリアルタイム解析、生態系なども統合化した全地球環境予測が可能となり、地球環境問題の解決に向けて大きく貢献する。

6 原子力分野
   核融合プラズマの安定性のモニタリングをシミュレーションすることで、プラズマを計測しながら安定的に保持する極めて重要な手法が確立されるなど、我が国のエネルギー問題解決に貢献する。

7 航空・宇宙分野
   従来実行不可能だった悪天候、晴天乱気流などの自然環境を含めた航空機の飛行シミュレーションが現実的な時間で可能となり、航空機の安全性研究に革命を起こし得る。
 また、従来実行不可能だった現実に近いガスの燃焼形態のシミュレーションが短時間で可能になり、革新的なロケットエンジン設計が実現できることで、宇宙開発競争における我が国の地位向上に貢献する。

8 天文・宇宙物理分野
   従来実行不可能だった銀河シミュレーションなどが現実的な時間で可能となり、銀河形成の機構解明など高い学術成果に貢献する。
 また、オーロラ発生などの現象が高解像度で解析可能になる。

   以上のように、ペタスケール・コンピューティングによるグランドチャレンジの達成によって、広汎な8つの分野において大きな成果が期待できることが分かった。そのためには、汎用目的のペタスケール・コンピューティングを実現するシステムが必要とされていることが明らかになった。

 なお、物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野及びライフサイエンス分野は、我が国の国是である科学技術創造立国を実現するための重点推進分野と位置付けられており、国際競争力を支える新産業創造などの政策目標の実現のために不可欠な分野である。加えて、これらの分野で必要とされる計算機の性能は極めて高く、連成計算の有効性も高いことから、これら2分野において求められている計算環境を実現することを通じて、他の広汎な分野のアプリケーションにおいても利用可能なノウハウを提供できると考えられる。

2) システム要件
 
1 周辺装置を除くハードウェアの要件
   アプリケーション毎のシステム要件の整理を行った結果、整理された8分野の大半で、マルチスケール・マルチフィジックスの系全体シミュレーションの実現が期待され、また、シミュレーションに加えて、高度なデータマイニングの重要性が指摘された。この実現のため、極めて高性能な大規模処理計算機や逐次処理計算機に加え、特定処理計算加速機をも活用し、異なるタイプの計算機が各々得意な計算を分担・連携するいわば汎用複合型計算機の実現が求められた。
 この汎用複合型計算機を有効に機能させるためには、異機種計算機間をより密に連携(データ交換)させる超高速インターコネクションの開発や異機種間接続装置の開発が不可欠である。

2 ソフトウェアや周辺装置などの要件
   ソフトウェアに対する要件については、物質・材料(ナノテクノロジーなど)分野の「強相関ナノ物質の輸送現象シミュレーション」などで、高度な自動並列化コンパイラに対する要望などが挙げられた。
 周辺装置要件については、数ペタバイト規模の容量のファイルシステムに対する要求が数多く挙げられ、ライフサイエンス分野の「創薬のための詳細シミュレーション」では、立体表示システム、更に、地球環境分野の「台風進路、集中豪雨予測」では、仮想現実可視化装置といった可視化装置に対する強い要望なども挙げられた。また、ライフサイエンス分野では他計算機での計算結果やデータベースとの連携のために、データベースシステムに対する要求が挙げられた。
 ノードあたりの入出力性能については、ものづくり分野の「仮想モックアップによる設計の大幅効率化」などで100ギガバイト毎秒という高い要求が挙げられた。

(3) 次世代スーパーコンピュータプロジェクトの概要
   第2次中間報告では、文部科学省にNLS開発の推進体制を構築し、国として中長期的に切れ目無く、かつ早急にプロジェクトを開始することを提言した。これを受けて、平成18年度より文部科学省において、次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトが開始されている。
 当プロジェクトは、世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」の開発・整備及び利用技術の開発・普及を目的としている。理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつあるスーパーコンピューティングについて、『国家基幹技術』として、今後とも我が国が科学技術・学術研究、産業、医・薬など広汎な分野で世界をリードし続けるため、
  1 スーパーコンピュータを最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及
  2 世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ」の開発・整備
  3 上記2を中核とする世界最高水準のスーパーコンピューティング研究教育拠点(COE)の形成
  を一体的に推進することで、上記目的を達成するとされている。
 現時点のスケジュール(案)としては、以下のとおりとされている。
  平成18年度に、開発体制の立ち上げと共に概念設計を行う。
  平成19年度に、具体的な仕様・実装内容の検討を行い、夏頃には、採用する半導体プロセスの決定を行う。
  平成19〜22年度に設計と評価を行い、平成22年度でシステム性能・機能等が評価され、平成22年度末にシステム運用を開始する。平成23年度には、システムが強化され、年度末には最終的な構成が完成し、強化システムでの運用を開始する。
  平成24年度には、次世代生命体統合シミュレーションの評価が完了し、本プロジェクトが終了する。
   次世代スーパーコンピュータは、サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ構想(グリッド環境を中核技術とし、スーパーSINET(注1)のネットワークで計算機群をつなげたもの)のもとで、他の大学等・研究機関のスーパーコンピュータと連携して我が国の学術情報基盤としての役割を果たすとされている。
(注1): 10ギガビットの光通信技術を用いた我が国の最高速の研究用ネットワーク

   次世代スーパーコンピュータの開発主体については、本WGで、
  大型プロジェクト実施の実績
  国家プロジェクト運営に対する機関の意思
  スーパーコンピュータの開発実績
  多様な研究者への研究環境提供能力
  スーパーコンピュータ利用者としての実績
  広範なアプリケーションの知見・利用実績等
  といった評価項目を定め、WG委員のアンケート記入により、これらの評価項目について個々に5段階の絶対評価で採点した。その結果、全ての評価項目において理化学研究所が最も高い評価を得たため、開発主体として理化学研究所が相応しいとする提言書案を平成17年10月に取りまとめ、情報科学技術委員会に報告した。情報科学技術委員会は、同提言書案が妥当であるとし、提言書は文部科学省に提出された。この提言書を受けて、文部科学省は理化学研究所を開発主体として決定した。
 また、文部科学省は平成17年9月にプロジェクトリーダーとして次世代スーパーコンピュータプロジェクトを総括する任期付職員を公募した。その結果、これまでスーパーコンピュータの開発業務を管理・指導する立場で十数年余の経験を有し、かつ情報科学技術分野の博士号を持つ民間出身の専門家を平成18年1月に採用した。
 以上の動きを受けて、現在はプロジェクトの推進にあたり図2に示す実施体制が構築されている。

 

図2 次世代スーパーコンピュータプロジェクト実施体制

(4) 共用に向けたプロジェクトの進め方
   第3期科学技術基本計画(平成18年3月28日閣議決定)において、「次世代スーパーコンピュータや次世代放射光源のような最先端の大型共用研究設備は、整備・運用に多額の経費を要し、広く共用に供することが世界最先端の成果の創出につながるものであるため、特定の研究機関の事業としてではなく国が責任を持って整備・共用を推進すべきであり、産学官の様々な組織から最も適した組織を選択し、公平で効率的に整備・共用を実施する。」とされている。
 次世代スーパーコンピュータは、運用の枠組みとして、新たな法制(「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」)が整備され、産学官に広く開放することで、基礎研究から産業利用まで幅広く共用することとされている。
 WGで共用に関して注意を払うべき点に関して議論を行ったところ、以下の意見が挙げられた。共用に向けた詳細の検討については、次世代スーパーコンピュータの共用を促進するため、当該施設の共用に係る基本的な考え方等について検討を行うことを目的に、平成18年4月に情報科学技術委員会の下に設置された「次世代スーパーコンピュータ共用ワーキンググループ」に本WGの意見として提供し、その後の議論を委ねることとした。

1 施設利用研究の課題及び選定のあり方について
 
計算機利用能力を考慮した利用者の絞り込み、我が国の科学技術振興及び産業発展の見地からの課題選定が必要である。
次世代スーパーコンピュータは、我が国における最高性能計算機であるので、次世代スーパーコンピュータでなければ実行できないもの(一定水準以上の超大規模ジョブ)に限定すべきである。
大学等の情報基盤センターで実行されているジョブの中にも、次世代スーパーコンピュータにおいて大規模に計算を実行することで価値のある成果を出すことが可能なものが存在するため、考慮が必要である。
計算科学(シミュレーションなど)と計算機科学(基本ソフトウェア等の研究)の利用配分を考慮すべきである。計算機科学のための利用も、計算機の専有が必要となるなど、計算科学での利用と共存できないことがある。

2 研究支援のあり方
 
利用者が大規模なシステムを使うには、人的支援が必要である。そのため、利用者に対するプログラムの最適化や利用に関する技術的な支援、(人的支援を得るための)資金の支援も検討する必要がある。

3 利用料金や成果の取扱いの考え方
 
費用負担、セキュリティ、成果の帰属は密接な関係があるので、これらに対しいろいろな選択肢を用意すべきである。知的財産権を含めた成果の扱いによって費用負担を変えるべきであり、セキュリティの保証レベルも変えるべきである。
産業界の利用、特に利用者が費用負担をする利用形態では、ある程度の試用枠が必要である。
公的資金を使って行われる研究は、計算機の費用負担とは別の観点で考えるべきである。

4 施設における研究機能・人材育成機能
 
運営主体において、研究を行わないと計算機利用やシミュレーションについての優秀な人材を集めることができないため、研究業務を行うべきである。そこで計算科学の分野で独自の成果を出す必要があり、計算機科学では新しい技術を開発するか、あるいは世間一般の新技術を運用に反映させる必要がある。
運営主体の中に技術的な研究を行う組織が必要である。このような組織の検討にあたり、運営主体が運用だけを行うのか、継続的な取り組みを行うのかが検討する前提として重要になってくる。
運用や利用者支援を行う人と計算機を利用している最先端分野の研究者が一緒になって共通の目標を達成する組織作りが必要になる。
運営主体は人材育成機関としての役割も果たすべきであり、スーパーコンピュータの利用技術をもった人材(並列プログラム開発者、次世代スーパーコンピュータシステムに精通した開発支援者など)やソフトウェア、あるいはハードウェアのアーキテクト(注1)の育成により、継続的な計算機システムの研究開発が可能になる。

(注1): システム全体に対するコンセプトを持ち、アーキテクチャの設計を行う人。

5 次世代スーパーコンピュータ整備の際の留意事項
 
計算機科学(スーパーコンピュータ・アーキテクチャ)の研究ではなく研究開発基盤としてのインフラ整備とすべきである。
運用方針に応じて、システムに対する要件も変化してくるため、整備段階において運用方針も並行して検討すべきである。
巨大実験装置と接続されたシステムの一部として、次世代スーパーコンピュータが位置付けられるとすると、データ収集とシミュレーションをリンクした形のシステムも考えられ、運用要件について集中的に議論する場が必要である。
世界最高水準の仮想研究環境の中のデータベース化された実験データと次世代スーパーコンピュータの膨大な計算結果データを、知的資産として容易に再利用できる仮想研究環境を構築することで、革新的な共同研究成果に発展させる必要がある。
産業界の利用者に対応するためには、セキュリティ・機密保持に関する事項(空間的な領域分割機能、ストレージのデータにおけるコンフィデンシャリティ(秘匿性)、グリッド技術を用いた認証、通信からファイルシステムまで含めた暗号化システム等)を設計段階から考慮すべきである。一方で、システムの分割利用については、大規模計算を志向する利用者を配慮する必要がある。

6 次世代スーパーコンピュータの運用に関して
 
外部利用者のために、遠隔地からのネットワーク利用やグリッド技術を用いた次世代スーパーコンピュータの実行などの環境整備と支援が必要である。
セキュリティの確保の重要性は研究を主に行う大学・公的研究機関とものづくりを主に行う産業界とで変わることはない。研究では2番手は意味がないことから、大学・公的研究機関は産業界よりも厳しくセキュリティを要求する場合がある。
利用者への課金によって得られた収入は、運営主体が積み立て可能とするなど、多年度の決算が可能な財務体制にするなどの仕組みを検討すべきである。また、課題選定で認められた(国の委託事業での)計算機利用料が課題担当者を経ずに直接スーパーコンピュータセンターに振り替えられる制度などを検討すべきである。

7 その他
 
広報誌・研究会・ネットワークを通じた情報共有・情報公開による利用者間の研究交流を行うべきである。開発段階においても、学会での発表等により情報発信を行い、利用者の掘り起こしを行うべきである。
国外の機関との関係では、世界のトップとなる計算機であるため、国際貢献の観点からは広く海外に門戸を開くべきである。しかしその一方で、産業競争力の観点からは我が国の利益を損なわない仕組みであるべきである。計算機利用成果などのデータベースは広く公開しないと使い勝手が悪いため、国外を含めた利用者の拡大が必要だが、それでも国内利用者と国外利用者の区別をつけるべきである。
大学・研究機関の情報基盤センターは、現在の役割(大学共同利用など)を保持し続けるとともに、大学・研究機関などの多様な研究者の萌芽的、かつ潜在的に大規模計算を必要とする研究に対し支援を行い、スーパーコンピュータセンターのフロントエンドマシンの位置付けとして、プログラム開発やデバッグを可能とするなどの分担が考えられるため、ともに一層の機能の充実を図り、将来とも十分に役割を果たすべきである。グリッドによる接続によって計算規模に応じた使い分けを考慮すべきである。

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