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資料3

計算科学技術推進ワーキンググループ
平成16年度報告骨子(案)

平成16年12月22日
計算科学技術推進ワーキンググループ

1. 平成16年度報告の目的
 第2回以降の計算科学技術推進ワーキンググループ(以下「WG」という。)では、「将来のスーパーコンピューティング環境について」と題し、WG委員の中からスーパーコンピュータユーザの立場や、共同利用可能なスーパーコンピュータセンターを運用する立場から、プレゼンテーションが実施された。
 本報告では、WG委員のプレゼンテーションに基づき、将来の研究目標やスーパーコンピュータユーザの求める将来の超高速計算機システムおよびシステム構築に向けての課題、共同利用計算機センターへの要望等に関して整理した。

2. 平成16年度報告概要
(1) 将来の超高速計算機の必要性について
大学や研究機関においては、ライフサイエンス、原子力、天文、航空・宇宙、ナノサイエンス、バイオ、地球環境、等あらゆる研究分野において、実行性能がペタフロップス超級の超高速計算機が必要である。
民間企業においても、製品設計・開発の短縮や新規市場の創出等の観点から、実行性能がペタフロップス超級の超高速計算機の必要性がますます高まっている。
超高速計算機は、安全・安心な社会の構築、産業の国際競争力の向上、国際的リーダーシップの実現等に活用する観点から、国のプロジェクトとして開発を推進する必要がある。

(2) 将来の研究目標について
従来の単一スケールのシミュレーションや単一現象のシミュレーションに加え、これらを統合したマルチスケール・マルチフィジックスな系全体のシミュレーションが将来の研究目標として挙げられた。

(3) 将来の超高速計算機システムの開発について
ペタフロップス超級の超高速計算機の開発には、CPUの高速化、低消費電力化をはじめとするハードウェア要素技術の研究開発が必要である。
WG中間報告参照
分子動力学等の特定分野においては、専用計算機の開発が半導体集積度や発熱の問題を緩和可能とするため、有望との意見があった。
<専用計算機の例>
-分子動力学専用計算機 :理研MDGRAPE-3(2006年,1ペタフロップスを予定)
:東大GRAPE-DR(2008年,2ペタフロップスを予定)
-流体解析専用計算機 :格子ガス法を用いた超小型・超低消費電力の専用計算機(検討中)
マルチスケール・マルチフィジックスなシミュレーションを実現するために、複数の計算機アーキテクチャ(ベクトル型計算機、スカラー型計算機、専用計算機 等)を取り込んだシステムの開発が必要との意見があった。

(4) 将来の共同利用計算機センターについて
共同利用可能な計算機センターの必要性について
単独の研究機関や企業では、幅広い計算ニーズに対応する計算機システムを導入することは、設置スペースや費用等の問題で困難なため、共同利用が可能な外部の超高速計算機センター利用のニーズは高い。
ただし、7大学(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)に設置された全国共同利用大型計算機センターが十分に共同利用計算機センターの役割を果たすべきである。
利用者側からの要望について
大学や独立行政法人研究機関からは、遠隔地からのネットワーク利用が可能な環境への要望が高い。
他方、民間企業からの利用に関しては、市販アプリケーションが稼動する汎用性の高さと機密保持に関する要望が高い。
運用上の課題
保守費、電気料金、ユーザ支援などの後年度負担の増加。
多数の外部ユーザが使用することによる計算リソース不足。
大量の計算結果を保存するための、データ保存容量の不足。

(5) 今後の検討課題について
今後の検討課題として、以下の様な項目が挙げられる。
ペタフロップス超級スーパーコンピューティングのターゲットにふさわしい課題(グランドチャレンジ)の選定。
計算機の性能が最大限に発揮されるOS、コンパイラ、ミドルウェア、アプリケーション等のソフトウェアの開発。
システム全体(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク)の一体的な技術開発。
計算科学技術分野におけるソフトウェア開発者等の人材育成。
計算結果や計算手法のデータベース化・共有化。
海外動向の調査・ベンチマーク。
以上


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