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計算科学技術推進WG(第14回)議事録

1. 日時: 平成17年12月2日(金曜日)15時〜17時

2. 場所: 国立情報学研究所学術総合センター 2208会議室(22階)

3. 出席者:
(委員)   矢川主査、石井委員、伊藤委員、宇佐見委員、岡本委員、奥田委員、下條委員、泰地委員、羽生委員、姫野委員、村上委員、室井委員、諸星委員、横川委員
(特別講演者) 寺倉 清之様(北海道大学教授)、中村 春木様(大阪大学教授)
(事務局) 文部科学省 研究振興局 清水局長、藤田審議官、情報課 松川課長、星野情報科学技術研究企画官、柴崎学術基盤整備室長、林課長補佐

4. 議事
(1) ナノテクシミュレーションの現状と課題
<説明者>寺倉 清之様(北海道大学教授)
(2) マルチスケール・マルチレベルの生命シミュレーション計算
<説明者>中村 春木様(大阪大学教授)
(3) 総合科学技術会議における評価結果報告
(4) 京速計算機システムの共用について
(5) その他

5. 配付資料
資料1   計算科学技術推進ワーキンググループ(第13回)議事概要(案)
資料2 ナノテクシミュレーションの現状と課題
資料3 マルチスケール・マルチレベルの生命シミュレーション計算
資料4 京速計算機システムの共用について
参考1 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」について(案)
参考2 「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」スケジュール概要(案)

6. 議事概要
 
(1) 『ナノテクシミュレーションの現状と課題』について、資料2に基づき、寺倉 清之様が説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(□:寺倉様、●:委員、○:主査、△:事務局)
委員 かなりのもの例えば金属のようなものでも、オーダーN法が使えるようになっているのか?
寺倉様 約100原子は扱える。
委員 5年先の実現可能性について如何か?アルゴリズムはどうか?
寺倉様 あまり明確な答えを持ってはいないが、ナノテクの世界では2層空間探索が非常に重要で並列性のある問題である。
委員 昔はナノテクでは実験が主であったが、今もそうか?
寺倉様 シミュレーションと実験は相補的な関係にある。シミュレーションは実験では見えないものを見極めるために必要である。
委員 強相関系の現状はどうなっているのか?
寺倉様 MGOだと700原子ぐらいの解析は可能である。数年経過すればかなり進むと思う。

(2) 『マルチスケール・マルチレベルの生命シミュレーション計算』について、資料3に基づき、中村 春木様が説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(□:中村様、●:委員、○:主査、△:事務局)
委員 シミュレーションは水中で行ったものか?
中村様 水中である。
委員 ハートレーフォック法でうまくいったのか?
中村様 真空中でうまくいった。
委員 ドッキングに関しては古典力学で行ったのか?
中村様 そうである。アンサンブルのエンジンとしては、古典力学を使っても良いと考えている。
委員 ソフトウェア標準化の話が出たが、ソフトウェアを次世代に展開するにはどうすればよいと考えられるか?
中村様 NAREGIについてデータの標準化は行っている。それとワークフローに関してもIBMのものが標準化されているのならそれを使っても良いと考えている。ソフトウェアを標準化し、様々なプログラムを当てはめるようなスキームを構築し、ソフトウェアの共用化が進めば良いと考えている。そのことで、プログラム開発における競争が発生することになるだろう。
委員 プログラムそのものを標準化すべきであると考えている。PCクラスタの割合が多くなっている。そのような状況で特殊なマシン用にソフトウェアを作り直すことは困難ではないか。
中村様 確かに特殊なマシン用にソフトウェアを作り直すことは大変であるが、研究者がそこにやり甲斐を感じることがあれば行われるであろう。
委員 標準化マクロでのソフトウェアを次世代に展開するにはどうすればよいと考えられるか?
中村様 ワークフローはIBMの標準ソースをいじらずに行えればよいのではないか。
委員 グリッド(疎結合)ではなく密結合で計算する必要がある部分はどこか。
中村様 量子化学のハートレーフォックの計算はグリッドではなくMPIが必要である。グリッドとはいってもあまり速度が損なわれないPCクラスタのようなシステムが望ましい。

(3) 「総合科学技術会議における評価結果」について、参考1に基づき、事務局から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(●:委員、○:主査、△:事務局)
委員 参考2の次世代ナノ統合シミュレーション開発フェーズ1,2とは何か?
中村様 あくまで具体例として示しただけのもので、正式に決定したわけではない。

(4) 「京速計算機システムの共用について」について、資料4に基づき、事務局から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(●:委員、○:主査、□:寺倉様、中村様、△:事務局)
主査 今回は初めて資料4が出てきたので、まずは、検討事項の適性を含めて議論していきたい。
委員 運用方針に応じて、システムに対する要件も変化してくる。産業界のユーザーに対応するための空間的なパーティショニング機能が必要である。時間的なパーティショニングだけでは不十分であるように思う。それを考えた上でのアーキテクチャの検討が必要になる。ストレージのデータにおけるコンフィデンシャリティ、ネットワークに関しても同様のことが言える。GRIDレディの認証、データスループット、巨大実験装置からなるシステムの一部として、京速計算機が位置付けられるとすると、データ収集とシミュレーションをリンクした形も考えられる。 要件について早めに集中的に議論する場が必要であると思う。
事務局 参考2では、京速計算機システム合同検討会にて運用側からの要件を取りまとめる予定である。それまでに、運用側からの要件について集中的に議論する場を設ける方針である。
委員 資料4によると、外から使うことを想定している。以前にお話したが、共用促進主体の中に技術的な研究を行う組織が必要である。組織設計を検討項目に反映させる必要がある。また、共用促進主体が、運用だけを行うのか、継続的な取り組みを行うのかが検討する前提で重要になってくる。
主査 共用促進主体の役割についても、今後明確にしてゆく必要がある。
事務局 事務局としても十分認識している。技術が蓄積されるような継続的な取り組みを如何にして行ってゆくかを検討する必要がある。
委員 継続的な取り組みをするにせよ、運用からの要望を統合して、ソフトウェア、あるいはハードウェアのアーキテクトが共用促進主体にいる必要がある。その点が資料4からは見えない。
主査 以上の件についても、今後、検討を進めてゆくと考えて良いか。
事務局 その通りである。
委員 利用申請を一般から公募する。グランドチャレンジを行う事業とは別なのか、それとも、グランドチャレンジを含めた全ての事業は何らかの審査を行うのか。つまり、資金をばら撒くとほとんど意味がなくなることから、何らかの絞込みが必要と考えられるが、全てボトムアップ的に公募によって行うということなのか。
事務局 性能評価のためのグランドチャレンジの中のターゲットアプリケーションということで、総合科学技術会議でも説明している。当然、そのアプリケーションを優先的に開発してゆくが、それだけでは、汎用的なスーパーコンピュータにはならない。また、トップダウン、ボトムアップの兼ね合いも含めて、リソースの配分をスーパーコンピュータを保有する大学および公的研究機関とのデマケーションを含めて検討する必要がある。
委員 開発段階で共用促進主体に移行している様に見える。開発主体は次世代で消えるのか、それとも生き続けるのか、あるいは、共用促進主体に新たに次々世代の開発主体を作ってゆくのかがわかりにくい。
事務局 極論だが、開発主体の理研は、プロジェクトの経理執行機関に近く、プロジェクトを進めるコアのメンバーは、理研以外からも人材を結集して進めてゆく。また、後に設立される先端計算科学技術センター(仮称)では、次々世代の計算機システムについては情報発信を行い、次々世代のプロジェクトを進める上でふさわしい体制について議論することを想定している。
委員 継続性を維持するのに、開発主体が消えてしまうのは心配である。
事務局 継続性のために運用と次々世代計算機システムの検討をする組織がそれぞれ存在すべきだと考える。ただし、法制化する時には、次々世代の計算機アーキテクチャを考える組織を規定して考えることは必要ない。開発をすることと運用をすることの両方が表現できれば、実行上問題ないと考えている。
委員 共用促進主体と先端計算科学技術センター(仮称)の位置付けの相違点が良くわからない。開発主体と合わせた関係を整理していただきたい。
事務局 如何なる形が良いのかを事務局で整理をして、次回に示したい。
委員 運用しているグループとヘビーユーザーのグループとでマシンでの成果を責任を持って出してゆくが、その集団と次のシステムを考えてゆく集団が近いところにいることは、継続性を出すためには重要である。
主査 以上の件についても、今後検討してゆくことにする。
委員 アプリケーションを絞り込むのは誰がやるのか。
事務局 開発主体である。
委員 ユーザーが使う場合、このような大規模なシステムを使うと、人手が必要である。地球シミュレータを使用して苦労したが、ユーザーの選定と同時に資金繰りも検討する必要がある。
事務局 ご指摘の通りである。地球シミュレータの状況を勉強してより良い制度設計を進めたい。
委員 共用促進してゆく過程で、良い実績のある枯れたソフトウェアがここに集まる仕組みも考えてもらいたい。
事務局 民間ユーザーを引き付けるには、重要な視点である。
委員 物理学会、化学学会などのシンポジウムでも情報発信をされた方が良い。
事務局 今後とも情報発信に努めたい。

(5) その他
資料4での議論に関する追加意見があれば、12月9日までに事務局まで連絡していただきたい。
以上

 

(研究振興局情報課)

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