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計算科学技術推進WG(第13回)議事録

1. 日時: 平成17年10月18日(火曜日)15時〜17時

2. 場所: 国立情報学研究所学術総合センター 1208会議室(12階)

3. 出席者:
(委員)   石井委員、伊藤委員、宇佐見委員、大島委員、岡本委員、奥田委員、泰地委員、鷹野委員、根元委員、羽生委員、姫野委員、松尾委員、松岡(聡)委員、松岡(浩)委員、村上委員、室井委員、諸星委員、矢川主査、横川委員
(特別講演者)   谷 啓二 様(東京工業大学 客員教授)
(事務局)   文部科学省 研究振興局 藤田審議官、
振興企画課 木村課長補佐、研究環境・法令制度準備室 堀内次長、
情報課 松川課長、星野情報科学技術研究企画官、柴崎学術基盤整備室長、中里課長補佐

4. 議事
 
(1) ペタフロップス超級スーパーコンピュータ実現に向けての提言
<説明者>谷 啓二様(東京工業大学 客員教授)
(2) 京速計算機システム開発体制の整備について
(3) その他

5. 配布資料
 
資料1  計算科学技術推進ワーキンググループ(第12回)議事概要(案)
資料2  ペタフロップス超級スーパーコンピュータ実現に向けての提言
資料3  京速計算機システムの開発主体に関する提言書(案)
資料4  計算科学技術推進ワーキンググループ これまでの活動と今後の予定(案)
参考1  次期ハイエンド計算機検討報告書


6. 議事概要
 
(1) 『ペタフロップス超級スーパーコンピュータ実現に向けた提言』について、資料2に基づき、谷啓二様が説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
 (□:谷様、●:委員、○:主査、△:事務局)

委員 ミドルウェアは非常に重要であると思うが、流体ではライブラリだけでどれぐらい対応できるのか?また、例えば、ソルバとかメッシュとかを指定して、解析プログラムを生成するなどの方法が考えられると思うが、如何か?
委員 色々なアプリケーションを見ていると共通点が多いので、利用形態としてはライブラリを用意しておけば良い。
委員 マトリックス・レジスタとは何か?スカラーのキャッシュとどのように違うのか?
谷様 ベクトル処理とスカラー処理ではデータの流れる方向が変わるので、マトリックス化することが一つのアイデアであると考えている。ただ、全体の利用効率については、ゲートをそれなりに使うので、その投資効果についてはまだ十分に検討し切れていない部分がある。ベクトル計算機の持っているデータスループットの大きさをうまく利用するために、スカラーとベクトルで交互に処理することをしなければどうかと考えている。かなり高度な性能向上を狙っているわけではなくて、せいぜい2〜3倍あれば十分であると考えている。
委員 ベクトル計算機として使えるほどの主記憶性能を使い、それをそのまま使ったほうが効率は良いに決まっているのではないか。
谷様 これはあくまでベクトル化できない部分をどう高速化するかということに関してである。
委員 ベクトルかスカラーかという議論において、ベクトル処理だからスカラー処理だからという差異はほとんどないと認識している。資料2の3ページで、ベクトルの高いメモリー転送能力と書いてあるが、ベクトルだからメモリー転送能力が高いわけではなくて、ベクトルを活かすためにはメモリー転送能力を高くしなくてはならないということである。メモリー転送能力を上げられれば良いが、それが上げられない場合にすべきことを考えるべきである。昔は、ベクトル命令1つで100以上の演算命令を実行できたが、現在では、命令キャッシュもあることから、スカラー計算機とは演算性能という意味では変わりがない。ベクトルだからメモリー転送能力が高いというのは誤解を与えると思われる。
谷様 おっしゃる通りであるが、問題は実効性能がメモリー転送性能で決まるという点である。スカラー計算機でもメモリー転送性能が高いに越したことはない。
委員 アルゴリズムの開発における一つのポイントとして、スカラープロセッサを主に考えているコミュニティでは、如何にしてデータの局所性を確保しながら並列性を上げて性能を上げるかという点が考えられている。ところがベクトルの場合は、局所性を考えずに済むメリットが大きかった。スカラーの研究者は、キャッシュべースでベクトル計算機のような効果を与えながら、かつ、キャッシュの中でローカリティを与えつつ並列性を出すことを考えている。並列性と局所性は相反する要件であり、この両者のトレードオフを取りながら、性能の出るアルゴリズムを開発すべきという方向でコミュニティが動いていると思う。ベクトル計算機を使い続けることで、そのような並列性、局所性を考えないアルゴリズムが世界のスタンダードになれるかという点を危惧している。
谷様 ユーザーにとっては、局所性を考えずに済むことはありがたい。それを大いに活かすべきだと思う。
委員 ハーモニックコンピューティングのためのヘテロ結合を実現するためには、どの程度の要件が必要か?
谷様 アプリケーションによって異なる。高速化データ転送性能が必要ない場合は、汎用ネットワークでも良い。
委員 7ページのベンチマーク結果では、べクトルマシンはベクトル化率が悪いと、全然パワーが出ないように見える。ここではベクトル化のために大幅にチューニングしたということか?
谷様 このデータはオリカー氏のデータを持ってきた。地球シミュレータの利用時間は限られているので、チューニングは十分ではなく、性能改善の余地はまだ十分にある。
委員 スカラーマシンは、並列化できないとパワーが出ない。分野にもよるが、並列化による性能向上は、約100台で止まってしまう。通常のアプリケーションでは10台程度で止まってしまう。
谷様 参考1の図3.4.2の様に、チューニングをかけてこれぐらいまでいった。
委員 プログラミングモデルは何か?
谷様 ノード内はOpenMPでノード外はMPIである。また、ポインターを使う人が多くなっている。

(2) 「京速計算機システムの開発主体に関する提言書(案)」について、資料3に基づき、事務局から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
 (●:委員、○:主査、△:事務局)

委員 経緯が書いていない状態で数字が一人歩きしないか気になる。書きぶりについて御配慮いただきたい。たとえば、点数を参考にすることなどが考えられる。
事務局 例えば、項目毎に第2位ぐらいまでの機関のみを提示し、かつ、得点を伏せることにしてはいかがか?
委員 そのように配慮していただければありがたい。
主査 今の議論を踏まえて修文していただきたい。
委員 6ページの(3)の概念設計では、ハードウェアの設計だけを研究振興局で行うことを意味しているのか?概念設計の範囲を伺いたい。また、立地の選定では、最終決定まで開発主体に任せることを意図しているのか?
事務局 研究振興官が行う業務は、ハードウェアに限ってはいない。プロジェクト遂行に必要な業務における責任は全て研究振興官が負っている。ここでは、研究振興官が概念設計終了後に開発主体に移るというタイミングを明記したかった。
主査 この文章をわかりやすく修文していただきたい。
事務局 了解した。
主査 立地の選定に関しても、立地の決定も行うことを明記していただきたい。
事務局 修文する。
委員 提言は誰から誰へ行うのか?
主査 題名に(案)をつけたまま情報科学技術委員会へ提示し、最終的には、情報科学技術委員会で(案)が取れる。したがって、情報科学技術委員会の名前で提言書が出る。
委員 開発主体と共用主体は別なのか?また、研究振興官の任期はどうなのか?
主査 開発主体と共用主体は別である。
委員 それでは、ハードウェアが完成した時に開発主体が解散するということか?
事務局 開発主体における計算機の所有権は残るが、開発主体に計算機の利用を独占させないように法律を整備中であり、そのための第三者的な共用主体による枠組みを考えている。研究振興官の任期については、事務的に2年の任期が設定されている。しかし、プロジェクトの円滑な実施のために、開発主体の体制が整い、プロジェクトの遂行に取り掛かれるならば、プロジェクトリーダーである研究振興官が開発主体に移ることが適当であると考え、事務的な任期を書く必要はないと考えた。
委員 立地の選定についてだか、何を立地するかが書かれていないので明確に記述して欲しい。
事務局 了解した。
主査 他に意見がなければ、本資料については、WG委員の皆さんの合意が取れたこととする。

(3) その他
  これまでの活動と今後の予定の説明が事務局より行われた。
以上

(研究振興局情報課)

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