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情報科学技術委員会 計算科学技術推進ワーキンググループ(第7回)議事録

1.日時:  平成17年3月8日(火曜日)15時〜17時

2.場所:  経済産業省別館 1020会議室

3.出席者:
(委員) 石井委員、伊藤委員、宇佐見委員、大島委員、大野委員、岡本委員、下條委員、泰地委員、鷹野委員、中野委員、根元委員、姫野委員、松尾委員、松岡(聡)委員、松岡(浩)委員、村上委員、室井委員、諸星委員、矢川委員(主査)、横川委員、渡邉委員
(事務局)
文部科学省 研究振興局
清水局長、小田審議官
情報課
三浦情報課長、星野情報科学技術研究企画官、當麻学術基盤整備室長、中里課長補佐

4. 議事
(1) 将来のペタフロップス超級スーパーコンピュータセンターとの連携について
(2) その他

5. 配付資料
資料1   計算科学技術推進ワーキンググループ(第6回)議事概要(案)
資料2   科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委員会 計算科学技術推進ワーキンググループ(第2期)名簿
資料3−1   将来(2010年前後を想定)のペタフロップス超級スパコンセンターとの連携について(根元委員)
資料3−2   将来(2010年前後を想定)のペタフロップス超級スパコンセンターとの連携について(下條委員)
資料3−3   将来(2010年前後を想定)のペタフロップス超級スパコンセンターとの連携について(村上委員)
資料4−1   計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告概要
資料4−2   計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告
資料5   計算科学技術推進ワーキンググループ これまでの活動と今後の予定(案)

6. 議事概要
(1) 平成17年度から新規に本ワーキンググループに加わる委員(鷹野委員、中野委員、横川委員、大島委員)の紹介が行われた。

(2) 将来のペタフロップス超級スーパーコンピュータセンターとの連携について
資料3−1にもとづき、根元委員から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(○:根元委員、●:委員、△:事務局)

委員 課金システムが大学ではバリアになっていると感じている。相当大きな計算をしたい時は特別な予算を持っていないと使用できないような仕組みなのか?

根元委員 大きな計算をされる方には格安で対応している。一番問題な事は光熱水量負担の問題であり、利用者が負担しなくてはならないシステムであること。本当に必要な人は必ずしも科研費などの外部資金を得ているわけではない。そこのところを含めて負担金を考えなくてはいけない。

委員 最後の結論で、ペタフロップス超級スーパーコンピュータと大学のセンターとの棲み分けが大事であると言っておられた。大学のスパコンセンターが一般に開かれていることが条件になるのか?

根元委員 利用者は大学で目一杯の状況である。民間に開放したら、大学は使えなくなる。キャパシティ的に他に回せる資源がない。したがって、他にお貸しして利用負担金を徴収することでは成り立たなくなる。

委員 目標とするマシンの性能をどのように差別化するのか?大学センターでの調達時、ペタフロップス級スーパーコンピュータがあった時にどの規模のマシンを入れて差別化するのか?

根元委員 レンタル料目一杯でしか入れられない。理想は大きなマシンを入れたいが資金的に限られているのが現状である。利用者のジョブに一番効果的なマシンを各センターが入れる。

委員 2010年におけるマシンの性能予測が出ている中で、どのくらいの性能のマシンを考えるべきか。

根元委員 ペタフロップス超級スーパーコンピュータの1桁位下しか、我々センターには入れることができないのではないか。横並びではないと思う。

委員 活動例の中で高速化支援の話があったが、大変すばらしいシステムだと感心した。実際、年間で10件くらいの高速化を実現しているようで、大変なことだと思うが、苦労している事やこつを教えてほしい。

根元委員 中々大変だが、運用状況を見ていて、異常に滞留しているとか、コンピュータをたくさん使っていることを見つけて、それを見て、本当に動いているか否かを利用者と相談してチェックする。利用者が作ったプログラムは、必ずしもマシンをベストに使える状況ではない。そのような利用者をセンターが発見するが、コンパイラとかメーカーに相談しなければいけない事態もでてくる。メーカーにもお願いして、利用者とセンターとメーカーの3者で行っていくと、チューンアップしてどんどん速くなる。実績をたくさん作るといろいろな方が使いに来て頂ける状況である。メーカーのお仕着せではそのままである。利用者がたくさんお金を取られるセンターという雰囲気になってしまうことを防ぎたい。時間を圧縮することで有効にマシンが使える。運用管理をメジャーな仕事としている技官や教官などのスタッフを育てることが必要である。結構、時間がかかることで、ここ10年位それをやらないとだめではないかと考えている。そうでなければすぐマシンが一杯になってしまう。

委員 大規模計算は、普通のセンターでは動かしづらいと思うが、スケジューリングで工夫していることは何か?

根元委員 どのくらいのCPUを使うかをスケジューリングしている。今のところ、1ヶ月も結果が出てこないものもある。2,000時間だから、2,000時間に1回止まったらおしまいである。システムとしては絶対に壊れてはならない。

委員 それは、1ヶ月動いていないのか、2ヶ月計算をするものなのか?

根元委員 2ヶ月計算している。

委員 運用するだけなら1箇所の方が安上がりになるという議論もあるが如何か?

根元委員 集中すれば良いというものではない。危険の分散、仕事の分散や人的資源の分散など、いろいろな分散したほうが効率的であると考える。60人のスタッフがいるが、仕事の整理がつかない。それと、顔をつき合わせて利用者と対応しなければいけないこともたくさんあって、全体の効率性を考えると分散することが一番効率が良い。トータルとしてセンターの実効的な能力が一番発揮できるかを考えないといけない。

委員 利用者は東北大学の方が中心なのか?

根元委員 7割が本大学。3割が他大学。利用者は自分のジョブに一番都合の良いところを選ぶ。

委員 大学共同利用か?

根元委員 そうである。

委員 HPC Challengeに関して、もう少し説明をお願いしたい。

根元委員 米国で新しいスパコンを2010年までにつくらないといけないと言っている。米国は国家として、新しいスパコンを作ることが戦略であるようである。関連して、今まではリンパックだけの表現では不十分であった。それで7つくらいの分野でプログラムを作って、これで皆さん競争してくださいとドンガラ氏が中心になってやりだした。昨年が初めてで、リンパックベンチマークも含まれている。倍精度、行列積、メモリバンドの測定、メモリの実行アクセス、プロセス間通信や、レイテンシーなど、多方面でスーパーコンピュータを評価できるものであって、2010年ごろできるスーパーコンピュータを評価しようとしている。ドンガラ氏がDARPAの資金をもらって始めて、学会が推進している。これがポピュラーになっていけば良いことである。昔、新しいマシンを入れるときにリンパックの最高性能がいくらでなければならないと言われて、センターとして困ることがあった。そうではなくて、高速道路を理想状態で走るようなマシンではない。マスコミがTOP500に載っていないと悪い計算機だという。ドンカラ氏もリンパックをやっていたが、ドンガラ氏がHPC Challengeに移ってきている。これが正常であると考える。

資料3-2にもとづき、下條委員から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(○:下條委員、●:委員、△:事務局)

委員 ギガフロップス毎キロワット値に関してだが、2005年時点で、最新のサーバ系で75ギガフロップス毎キロワットくらい、Itaniumチップでは100ギガフロップス毎キロワット。3倍から5倍の性能差がでる。CELLになると、200〜250ギガフロップス毎キロワット位になる。基準として、2010年のターゲットをそういうところに持っていって、マシンを調達していかないと、米国に遅れるのではないか。

下條委員 いろいろなタイプの中身のつまった運用を行うタイプと、そうでないタイプといくつか種類があっても良いと思う。消費電力あたりのアプリケーション性能で議論されるべきである。リンパックで性能が出ないプログラムはアプリケーション性能もでない。

委員 絶対性能毎キロワットよりは、アプリケーションの性能毎キロワットが大事である。リンパックの性能が出る計算機は、良い計算機であり、アプリケーションで性能がでるし、リンパックで性能が出ない計算機は他のアプリケーションでも性能が出ない。

委員 ピーク性能比が11〜16パーセントとあるがこんなものなのか?

下條委員 あくまで参考である。

委員 地球シミュレータセンターは30パーセント位である。大学のセンターはいろいろなジョブがあるから低いのではないか。

下條委員 ピーク性能比とあるが、休んでいる時間も含まれているので、実際のピーク性能比はもっと高くなる。

資料3-3にもとづき、村上委員から説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。
(○:村上委員、●:委員、△:事務局)

委員 HPCS(High Productivity Computing System:米国の高生産性コンピューティングに関する施策)でみると、理論性能3ペタフロップス、実効性能1ペタフロップスになると思うが、九大の2010年時点の性能を達成するロードマップはどうなっているのか?

村上委員 今、3テラフロップス強で、2010年で考えると、5年後だと10〜20倍なので、理論ピーク性能300テラフロップス、実効性能100テラフロップス前後か。ペタフロップス超級スパコン1桁落ち位が可能では無いかと思う。先ほど、2桁落ちと言ったが低いほうの推定である。

委員 100ギガフロップス毎キロワットだとすると、消費電力で3メガワットになる。300ギガフロップス毎キロワットという目標になるが、2010年の勝算は?

村上委員 消費電力に関しては、CELLはまだパワーが大きい。50ワット程度である。単純に今のままでのトレンドで消費電力が増えていくとは思わないが、1メガワット級の電源は必要だと思う。

委員 CPU数の削減では、電力が下がらない。300テラフロップス位を見て調達するが、そのあたりをCapabilityで、補うことになるのか?

村上委員 そうである。

委員 九大センターとしてのどんな特徴を持たせようとしているのか?どんなユーザを集めようとしているのか?

村上委員 現在のユーザは第一ターゲットにだが、九大センターのユーザでは、機械系の流体解析・構造解析、材料系のGaussianユーザが多い。まだ、PCクラスタのユーザも結構いるが、ユーザの先生は大きなPCクラスタを持っているが、コンピュータエンジニアリングの専門家ではないのでメンテナンスで苦労している。そのような先生方を取り込もうと考えている。バイオ関連の先生はPCクラスタでやっているケースが多い。ここら辺の先生方も次に取り込もうと思う。今まで、どういうマシンが欲しいのか聞いていなかったので、ユーザの声を拾って、現時点で提供している我々のスパコンに対する要望を聞こうと思う。

全体を通して以下のような質疑が行われた
(○:根元委員、村上委員、下條委員、●:委員、△:事務局)

委員 大学センターの方にお伺いしたいが、2010年にペタフロップス級スーパーコンピュータセンターが設置されたとして、産学連携の場として、共同利用センターはなり得るのか?研究ベースでGaussianを使う方はあまりいないと思うが、ライセンス関係は必ず問題になる。搭載されているアカデミックライセンスのアプリケーションを使用できるのか?大学の先生方のソフトウェアはアカデミックなライセンスで使用できるのだが。

根元委員、村上委員、下條委員 2010年はわからないが、現状は、大学の共同研究として締結していれば利用者になれる。ライセンスだが、外国から買ってきたソフトウェアは使用していないと思う。ライセンス規定に触れることはしていない。

委員 ライセンスフィーの無いソフトウェア、もしくは、先生方が開発されたソフトウェアをベースに共同研究させて戴くということか?

根元委員、村上委員、下條委員 コードを変えるなど、政策ごとに契約的に矛盾の無いものにしなくてはならない。すべて条件をクリアしてからでないと皆さんにどうぞお使いくださいということにならない。

根元委員、村上委員、下條委員 共同利用に関しては、産学連携の枠組みを整えてから、センターを使うことが素直である。従来の利用率に余裕があれば使える。ライセンスの問題において、Gaussianは大学センターのマシンで動かす限りにおいては、全国から使用可能である。企業が使うとするとライセンスフィーがもっと高くなる。

根元委員、村上委員、下條委員 産学連携で、産の方に使っていただくとすると、ライセンスの契約のやり直しを考えないといけない。マシン利用としても目一杯で余裕がない。

委員 7大学の連携についてはどうか?

根元委員、村上委員、下條委員 連携としては、グリッド技術を各センターで実装させるために利用技術を普及する場としてグリッド研究会の運営を実施している。また、7大学センターの共同認証基盤を作ろうとしている。

委員 産学協同は時間がかかりそう。

根元委員、村上委員、下條委員 やはりインフラであり、水道と一緒である。派手ではないがそれがないとやっていけないので、歯を食いしばって頑張っている。基礎的なところをご理解頂けないとセンターはつらい。

(3) その他
資料5「計算科学技術推進ワーキンググループ これまでの活動と今後の予定(案)」に基づき、平成17年度の予定に関して、矢川主査から説明が実施された。
席上配付資料「学術情報基盤(SINET及びスーパーSINET)の整備」にもとづき、他省庁の所管機関や企業との接続状況に関して事務局から説明があった。

以上


(研究開発局情報課)

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