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情報科学技術委員会 計算科学技術推進ワーキンググループ(第6回)議事録

1.日時: 平成17年1月27日(木曜日)15時30分〜17時30分

2.場所: 文部科学省ビル 10F3会議室

3.出席者:
(委員) 伊藤委員、宇佐見委員、大野委員、奥田委員、下條委員、泰地委員、羽生委員、姫野委員、松岡(浩)委員、村上委員、室井委員、諸星委員、矢川委員(主査)、渡邉委員
(事務局)
文部科学省 研究振興局
清水局長、小田審議官
振興企画課   森振興企画課長
情報課 三浦情報課長、星野情報科学技術研究企画官
中里課長補佐

4. 議事
(1) 計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告(案)について
(2) その他

5. 配付資料
資料1   計算科学技術推進ワーキンググループ(第5回)議事概要(案)
資料2−1   計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告概要(案)
資料2−2   計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告(案)

6. 議事概要
(1) 計算科学技術推進ワーキンググループ平成16年度報告(案)について
資料2−1、資料2−2にもとづき、事務局より説明を行った後、以下の質疑応答が行われた。(○:委員、●:事務局)

委員 目標性能は、例えば何秒分シミュレーションしたいか等条件により変わってくる。アプリケーションや人によっても異なるが、前提条件を示した方が良い。また、PF級とPF以上との表記は統一した方が良い。

委員 昨日の情報科学技術委員会でも、量的なだけでなく、質的にどう変わるのかの記述が足りないとの指摘を受けている。集中豪雨が町単位から家単位に変わるとか。三好先生は台風の進路予測が円から点になると言っていたが、定性的な違いが言えると分かりやすい。

委員 本当に性能だけでよいのか、プログラミングモデルなども絡んでくる。今の時点ではこれでよいが、他にも課題が広がることを記述した方が良い。

委員 我々プロは当然課題が他にもあることを理解しているが、公開情報は素人の方にも分かるように記述を追記するのが良いかもしれない。

委員 記述場所毎に分野分類が微妙に変わっているのが気になる。ライフサイエンス・バイオ分野と括るのはいかがなものか。また、地球シミュレータで実効10テラフロップスくらいが出せているから、実効1ペタフロップスが出来ると100倍くらい速くなるが、この領域では10倍程度の効果である。単純に速くなれば嬉しいという説明のみではなく、現実的な議論が必要である。

委員 各々のアプリケーションにおいて、100倍で質的な変化を出せるかは我々の課題と捉えるべきものではないか。

委員 『3−(4)将来の超高速計算機システムの開発』のところで、最後のデータベースに関する記述が分からない。

事務局 利用技術のデータベースも管理する。別に計算結果のデータベースがあってマイニングするという意味。違うデータベースであることの説明が欠けていたので追記する。

委員 たくさんのデータから結果をマイニングするイメージは少々出ているが、データグリッド的なイメージが出し、次の課題とした方が良い。

委員 昨日の情報科学技術会議の議論では、このような超高速計算機はグリッドの技術で間に合うのではないかという意見が出た。このような意見が世間の見方であると思うべきである。

委員 スーパーコンイコールグリッドと思われると誤解を生む。データグリッドで要求されるものはここで議論されているものと方向性が全く異なる。解析する技術とは異なるので、報告書に記述すると良い。

委員 23ページ下方に「仮想」が2回使われているが、研究環境としては仮想というイメージは無い。仮想というキーワードはネガティブな意味にも使われるので(計算結果であり現実では無いという意味)、注意すべきである。

委員 データベース化に関して、観測結果や実験結果(シミュレーションの入力データ)の共有は進んでいる。その観点での追記をお願いしたい。

委員 4ページのムーアの法則は24ヶ月ではなく18ヶ月である。

事務局 修正する。

委員 この方向で16年度の報告書は纏める。再度確認の連絡をする。

(2) その他
計算ワーキンググループの今後の進め方など、フリーディスカッションが以下のとおり行われた。

委員 これまでワーキンググループで多くの方から話を伺ったが、科学技術の分野で実効PFレベルの計算機システムの出現が待たれているとは結論付けられる。必要性は分かったとして、どう実現するのかが次の課題になる。どうすれば良いのか、マシンが出来た後の運用方法、大学の共同利用センタとの関係、役割分担などを議論したい。報告書(案)の4章に記載の、「今後の検討課題」も参考に、自由な意見をお願いしたい。このワーキンググループの議論の前段階として、いろいろ意見を伺いたい。24ページで大括りしているが、それぞれ掘り下げるべきだが何か意見はないか。これまでの地球シミュレータの経験からの反省など何かないか。

委員 アーキテクチャはこれから考えていかなければならないが、要素技術の開発は絶対必要だとしてこれから進める手はずだが、所要性能をどうやって実現するか、シミュレーションをどうするかが深く関わってくる。計算機を専門にしている人よりも最先端のシミュレーションを専門にしている人に入ってもらうべき。
今の地球シミュレータで25倍になっても、10キロメートルメッシュが3キロメートルメッシュになる程度である。実際に何を解くか、何を解きたいのかを議論する必要がある。有償利用は悩ましい。地球シミュレータを有償利用としても生半可な額ではなく、産業応用については十分な議論が必要である。

委員 報告書(案)25ページのアプリケーションで、何故そういうマシンを必要とするのか、いつも議論になる。何故100倍から数1000倍が必要なのか。単にアメリカに勝つという話では閉じない。あればいいね、という声は分かるが、これでは迫力がない。そこをどう詰めるか、意見が欲しい。

委員 異なる研究分野を比較することに意味はあまりない。今100倍の計算機があればどれだけすごいことが出来るのか。成長曲線で見て、飽和のところではなく、立ち上がりのところなら大きな成果が見込める。100倍が何乗根でしか効かないところではなく、質的な変化が起こる分野に計算機を使わせるべきである。

委員 質的な変化があるところはあまり計算機能力が必要無いことがある。地球シミュレータで使うためには、プログラムは実績があって、かつ、ベクトル化されていて、たくさんのノードを使う必要がある。地球シミュレータでも、実績が上がっているソフトウェアでないと効果が出ないが、これらは枯れた領域である。

委員 グリッドみたいなヘテロジニアスな議論においては、物理系のデータの変換をどうするかを考える必要がある。連成となると、単なる性能ではなく、ストレージやグリッドなど、計算機の広い特徴が必要になる。バイオグリッドプロジェクトでQM−MM連成計算で研究開発しているが、今、必要なことは、ネットワークをどうすればうまく解けるかである。これが解決した後には、さあ計算能力が必要だという話になるが、今はその手前である。

委員 計算科学もレボリューションが必要な領域。コンピュータサイエンスの観点から見て、日本の大学でも企業の内部でも、この領域をプロパでやっている人材が枯渇しつつある。コモディティ化が進む中、大学の定員は変わらず、分野は広がる中で、人が減るばかりである。コンピュータサイエンスの方も人材をどう確保するかが大きな課題になってきている。

委員 この観点での議論はあまりやっていなかったが、計算機とユーザをつなぐ計算機科学分野の人間の育成も大きな課題と認識するべき。

委員 運用の面では何か意見はないか?大学では特に問題になっているようだと認識している。

委員 速いマシンは人気があるが、結局待ち時間が増えてメリットが無くなる。ユーザのニーズに適したマシンを割当てるのが運用側の課題になる。キャパシティとケイパビリティ、両方のコンピューティングの切り分けや、両方のユーザ各々の生産性を落とさずに満足して頂くような運用が課題になる。

委員 センタは雑多なユーザがいて、どう使わせるかが非常に難しい課題になっている。箱だけ提供すればよいものではなく、シミュレーション屋を含めて、センタ側が相当手をいれてあげないと使えなくなってきている。こういったユーザとセンタ側のコラボレーションをどう発展させるかが、大きな課題になる。

委員 昨年の理研計算機システム更新時に、単なる箱貸しではNGと判断した。各プロジェクトの先生方はそれなりに金をもっており、それぞれがマシンを調達すればセンタの立場はなくなる。こことどう協調するか、マシンの一部を占有させて、構成もアドバイスしてあげて使ってもらうようなことをしている。大学では出来ないかもしれないが、我々としては研究に深く入っていくしかない。有償の話は同じ問題があり、今は無料としているが、運営費は掛かることから、タダで使ってもらってよいのかが常に問題になる。直接研究者からお金を戴くのでは破綻するが、従来のようにいつでも誰でも使える仕組みでは計算時間の配分を戦略的に決められないので、計算機時間を公募し選定するような仕組みを取り入れた。

委員 原研も13テラフロップスを導入するが、ニーズはその3倍の性能である。新しいマシンから、なあなあで使うのではなく、理研と同じようなポリシーで運用するつもりである。

委員 まとめると、アプリケーションが魅力的かどうか、研究者だけが満足するのではなく、外部の人に納得してもらえるような、より具体的な記述がこれから重要になってくる。難しいと思うが、外部の人が納得するストーリーが必要。このワーキンググループは仲間内的になっていて、イケイケという議論になるが外部から見るとそうはいかない。運用については、本ワーキンググループの第2期で議論がされる予定。

委員 今後アプリケーションの選択が重要になるが、マルチスケール、マルチフィジックスに踏み込むかが鍵である。踏み込むならヘテロなマシンという議論になるので、ここの決断が必要である。

委員 最初はいろいろ議論が必要。ピーク性能だけでは議論できない。

委員 地球シミュレータも広く新しい問題を解こうということになっていたと思うが、結果はどうなのか。

委員 温暖化については、昨年の9月に結果締切りがあり、東大、気象研、電中研の3グループが計算したが、高解像度での実施では間に合わないということで、東大・気象研が中解像度、電中研は低解像度でやることになった。今後は、雲をちゃんと第一原理で解くマルチフィジックスに踏み込まないといけない。これはまだ全然、地球シミュレータでも解けない。大気の問題については、この1年で開発したプログラムが非常に良く、台風の進路予測が72時間前に1時間計算してかなり合うようになった。気象庁からのデータが100キロメートルメッシュでこれを10キロメートルになるようにする必要があり、観測データをどうやって取り込むかが問題になる。スーパーSINETが省庁にまたがっておらず、気象庁に入っていないように見える。スーパーSINETを企業も使ってもらえるように広げることが重要なのではないかと考える。これを日本のインフラとして発展させることが必要である。

委員 三好先生からは当初から10キロメートルメッシュで計算できることはおっしゃっていて、素晴らしいと思うが、実際はいろいろなユーザが使いたいといって、切り売りになっていて、本来は地球シミュレータが無くてはできない計算に絞るべきだが、これが出来ていないのが問題になっている。センタ的に切り売りしているために100年後のシミュレーションは結局今の地球シミュレータでは出来なくなってしまっている。台風のシミュレーションは、気象の専門家ではない方がここまでやったというのは賞賛に値する。しかしながら、絞込みのコンセンサスがきちんと出来ていないと、成果が生み出せなくなる。いい計算機があるから皆が使っているということで終わるのは問題である。

委員 地球シミュレータの後継を目指しているのか、大型センタを目指しているのか、焦点がずれているのではないか。絞込みイコール専用機的になるが、センタとして広く使わせて欲しいというニーズもある。地球シミュレータを開放することは、専用機から汎用機に切り替えるようで、狙いがずれてきたかなというイメージがある。

委員 地球シミュレータセンタを4月から有償にて開放するということは、まだ決まっていない。

委員 グリッドをやっている立場からして、富士山となるマシンは欲しい。7大学のセンタがあって、その中で飛びぬけたものは欲しい。切り売りになっているのは非常に残念で、規模が小さい要求には7大センタ、大きな要求には大きなマシンといった使い方をグリッドは目指している。

委員 次回は、計算センタを運用されている方に説明してもらう。根本委員、下條委員、村上委員に話題提供をお願いしたい。なお、次回以降は医薬や産業応用に関する他省庁の方にも委員に加わってもらう方向である。

事務局 今回で16年度のワーキンググループは終了。殆どの委員には今後も続けていただくことになる。

以上


(研究開発局情報課)

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