資料6 第91回情報科学技術委員会 議題3における各委員の御意見まとめ

(情報科学技術分野における研究開発プロジェクトについて)

・過去のプロジェクトを見ると、その評価・成否は応用技術におけるインパクトで決まっている。「応用インパクトによって評価される基礎研究」を狙うべきではないか。
・プロジェクトを率いるリーダーの資質が大きなプロジェクトの成否の要因になっている。
・例えば、リアルワールド・コンピューティング・プロジェクトは仮に実施が5年間後ろにずれていたら非常によかったのではないか。社会的状況等の外部の要因を鑑みたプロジェクト設定が重要。
・当初の事業の目的を鑑みた研究開発の実施結果の分析・検証が必要。
・市民目線から見ると、現在までの国家プロジェクトの成果は必ずしも明確に見えてこない面もある。情報科学技術に関する我が国でのこれまでの研究開発の成果について、幅広く知ってもらうための取組をすべき。

(研究開発の対象について)

・情報科学技術の黎明期にノイマンアーキテクチャが生まれたことと匹敵するような、基本的なアーキテクチャの変革が、今後、新しい情報科学技術やAI等を中心としたところで生まれるのではないか。
・基礎研究におけるブレークスルーを引き起こすことが最も求められており、そのためのプロジェクトの設計が必要。
・公的資金の額は限られており、先端的な基礎研究に最も重点を置くべきではないか。
・情報科学技術では、人工知能やIoT等における、個別の応用への特化から汎用化への移行が、今後10年~20年の趨勢になるのではないか。あるところでの汎用技術に置き換わるタイミングの見極めが非常に重要。

(産学連携や産業化等について)

・アントレプレナーシップの活用が最も費用対効果が高いと言えるだろう。一方で、我が国においてはそのためのフレームワークが脆弱。
・新しい技術を切り拓いていく主体はベンチャー企業ではないか。アイデアを持っているベンチャー企業を国の研究開発プロジェクトに加えることも検討すべき。
・研究開発施策では「未来の価値」を現在の市場・経営に繋げ「現在の価値」を生みださなければならない。
・情報科学技術による成果のインパクトは、生産性という尺度で計測が可能なのではないか。各種のサービスやナレッジワーカーの生産性をいかに上げるかが課題となる。
・数学や遺伝学、生物学等、従来様々な学問に散らばっていたものを多様な形で組み合わせて、非常に基本的なものを生み出すという、新たな形での産学連携が可能な時代になった。
・研究開発の現場でも、産業界でも、データアナリストやデータサイエンティスト等の人材が特に不足している。


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研究振興局参事官(情報担当)付

(研究振興局参事官(情報担当)付)

-- 登録:平成28年02月 --