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情報科学技術委員会(第89回) 議事録

1.日時

平成27年7月6日(月曜日) 15時~17時

2.場所

文部科学省 東館 15階 特別会議室

3.議題

  1. 情報科学技術の研究開発の方向性について
  2. 平成28年度新規事業の事前評価に向けた検討について
  3. その他

4.出席者

委員

北川主査、村岡主査代理、伊藤委員、宇川委員、金田委員、喜連川委員、辻委員、土井委員、樋口委員、松岡委員、宮内委員、宮地委員、森川委員、安浦委員、矢野委員

文部科学省

常盤研究振興局長、安藤大臣官房審議官、岸本科学技術・学術政策局次長、榎本参事官(情報担当)、田畑情報科学技術推進官、栗原専門官

オブザーバー

経済産業省産業技術環境局研究開発課、経済産業省商務情報政策局情報処理振興課

5.議事録

北川主査より本委員会の開始にあたっての挨拶。

【北川主査】  それでは、これから議題1の情報科学技術の研究開発の方向性について入らせていただきます。前回に引き続きまして、新たな情報科学技術の研究開発の施策の検討を進めるに当たって、方向性の検討ということで御議論いただきたいと考えております。
まずは、前回行われた議論について振り返るという観点から、事務局に概要資料を作っていただいておりますので、事務局から説明をお願いいたします。

(1)情報科学技術の研究開発の方向性について

【栗原専門官】 御説明させていただきます。お手元の資料1という3枚組みの資料でございますが、前回5月25日の第88回委員会におきまして、今後の情報科学技術分野の研究開発の方向性について、各委員から頂きました御意見を論点ごとに簡単に記載をさせていただいております。
まず資料1の一番冒頭でございますが、産学連携、産学官連携に関しましては、多くの視点から御指摘を頂きました。特に大学側には大きな期待はできないと企業側で言っている方もいる。特に時間感覚が産業界と学術界では大きく異なるという点。ただし、そういった違う立場で大学の方と企業の方というのは協力する意味があるのであるという点。また、シーズ志向ではなくてニーズ志向に意識を変えていかなければいけない、産学両者の世界観を変えていかないといけないといった御指摘がございました。
次に人材育成でございますが、人材育成に関しては大きく分けて二つの観点。一つは、大学の定員枠とか学部の構成等を含むようの制度改革のような点の御指摘。特に米国と比べて定員の枠が少ないというところとか、迅速性、アジリティを持った教育制度改革が必要だといったようなお話でございました。もう一つの点は、データサイエンスの研究やデータサイエンティストの育成に関する人材育成の観点。これに関しては、データサイエンス、エンジニアリングだけではなくて、ビジネス力やディレクターといったものが重要である。また、データサイエンスのシステム科学といった視点もあるという御指摘がありました。
また、1ページ目の一番下、3点目でございますが、研究開発制度のスキームがどうあるべきかということで、出口を描く、未来像や社会コストの低減等の観点から研究科代を導き出してはどうか。また、2ページ目に参りまして、ただ、そういった出口からの検討をする上でも、バランスも大事である。要素技術の研究自体に輝くものが必要である。そこをないがしろにしてはいけないという点がございました。また、そのほかには、スパンを長く、研究制度の期間を長くとるべきである。また、ステージゲート方式、また、基礎研究と応用プロジェクトの協働するような仕組みといった御指摘もございました。
また、この2ページ目の半ば、プラットフォームに関するものでございます。プラットフォーム上にはしっかりとデータをのせるようにすべきである。また、例えば物流やヘルスケア等応用するプラットフォームであれば、コスト削減効果をしっかり図れるようなプラットフォームであるべきである。また、プラットフォームに関して、統合やインテグレーションという観点でのソフトウェアが必要ではないか、そんな御指摘もございました。
また、2ページ目の一番下、人工知能に関するお話でございます。今、特に人工知能に関してはまさに革新が起き始めていて、その事例として、深層学習、ディープラーニング技術の急速な進展についての御議論がございました。
最後、3ページ目に参ります。前々回、データはアセット、資産であるというお話から発展して、データマイニングと産業化の視点、特にリアルタイムでのデータ同化のための基盤技術、基幹的なビッグデータ技術に関する御議論をいただきました。
また、セキュリティに関しましては、主にコンセプト、方向性、フィロソフィーに関する議論がまずは大事だというお話でございました。
そして、最後に、全体論、大枠に関連するお話として、情報科学技術が近年急速に発展している、情報科学技術が最近発展しているということではなくて、そもそも情報科学技術自体が他の技術と比較できないような、根本的に異なる特異な、人類史上まれに見るものであるという、我々の世界観自体の変革が必要だというお話。また、先ほどのデータ同化とリアルタイムでの解析や活用するという関連するという文脈で、活用する際には、情報を解析する際には人文科学的視点も必要であるという御指摘がございました。
前回の御議論をごく簡単にですが、御紹介させていただきました。以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございました。
ただいまの説明にもありました前回委員会における各委員からのコメントの中でも、産業連携の促進、あるいは大学の制度改革や研究資金制度の改革といった点での議論がありましたが、こういった科学技術イノベーションを巡る全体の改革に関する取組について事務局から資料が出ておりますので、説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします
【榎本参事官】  お手元の資料2をごらんいただけますでしょうか。前回の議論で、大学のシステムが時代の変化に対応できているのかといった観点もございました。この委員会は、大学制度そのものを議論するということを直接の担当としておりませんので、ここでは関連するお話を御紹介申し上げたく思っております。
まずこの資料2、ページ番号を付しておりますが、1枚から3枚までのところは、競争的研究費改革に関しまして文部科学省におきまして設けておりました有識者会議における検討会がございまして、この6月に中間取りまとめを行っております。
これ、1枚、2枚、3枚とわたっておりますけれども、1枚目中ほどのところから、改革の方向性として、分野融合、国際展開などの「現代的要請」への対応、また、産学連携の本格展開、研究基盤の持続性の確保、また、研究を進めるための環境整備といった観点が挙げられております。
1枚めくりまして、改革の方向性と致しまして、オレンジの項目だけ簡単に御紹介申し上げます。間接経費を活用した研究基盤の強化、こうしたことによります大学の組織的取組の強化。そして、2番目として、若手を初めとする研究人材に対する支援の在り方の改善。1枚めくって3枚目に参りますと、研究設備・機器の共用の促進、研究費の使い勝手の一層の向上、また、(5)と致しまして、研究力強化に向けた研究費改革の加速と致しまして、ここでは項目だけで詳細入っておりませんけれども、融合・学際領域、また、国際展開の重視、ほかのプログラムや産業界との連携の段階的強化による改革といった観点が意識された改革が、中間まとめという形ですけれども、提起されているところでございます。こういった検討が一つあるというのが一つ。
それから、もう1枚めくりまして、ページ番号4枚目と5枚目でございます。これは科学技術イノベーション総合戦略2015、これはこの6月に閣議決定されたものでございます。この2枚にわたります資料、大分字が多くなっておりますけれども、全体と致しまして、科学技術イノベーション政策の方向性といったことが提起され、その中で赤字で大変革時代が到来と。そうした中の要素の一つとして、ICTの急速な発展ということも掲げられております。
このペーパー、いろいろな論点ありますが、1枚めくって5枚目でございますけれども、大きく右と左で二つ分かれてございます。左側のイノベーションの連鎖を生み出す環境の整備ということで、若手や女性の挑戦の機会の拡大、そこにおきましては、産業界と大学の連携、女性の登用、年俸制・クロスアポイントメントの活用、そして、2番目として大学改革と研究資金改革の一体的推進、そのほか、学術研究・基礎研究の強化等ございます。
右の方に参りますと、経済・社会的課題の解決に向けた重要な取組ということで、ここでも様々なテーマに関しまして掲げられているところでございますけれども、4ポツをごらんいただきますと、我が国の強みを生かしてIoTやビッグデータ等を駆使した新産業の育成といった観点も出ているところでございます。
直接的にこの委員会と関係の深い情報に関連する記述もございますけれども、こういったところにおきまして、大学政策、また科学技術政策全体に関する議論もこういった大きな枠組みの中でされているところでございますので、御参考に御紹介申し上げました。以上です。
【北川主査】  ありがとうございました。
それでは、前回の論点のうち、人材育成に関しましては、前回樋口委員から、情報科学技術分野における人材育成に関連する分野全体の俯瞰図を御説明いただき、また議論をしていただきましたが、前回の議論にございました、米国を含めた他国では、情報工学やデータサイエンス、応用数理分野での人材育成が手厚く行われているとの点に関しまして、資料を樋口委員より御提出いただいております。また、これに関連するものとして、現在情報システム研究機構において実施されている産学官懇談会の取組に関しまして、資料を私から提出させていただいております。まず、樋口委員に説明していただき、その後私の説明が終わった後に、各委員から御意見を賜れればと思っております。それでは、樋口委員から説明をお願いいたします。
【樋口委員】  資料3をごらんください。これは前回の委員会でも提出させていただきました、データに関連した数理分野の俯瞰図です。きょうお話しさせていただきたいことは、データサイエンス、これを道具として具体的な問題解決につなげていくような人材――きょうはここでデータサイエンティストと呼ばせていただきますが、データサイエンティストの育成に係るお話をさせていただきたいと思います。
先ほど榎本参事官から内閣府作成の科学技術イノベーション総合戦略2015の御説明がありましたが、先ほどの資料ですと4ページの左下に、超スマート社会の実現に向けた共通基盤技術や人材の強化ということで、IoT、ビッグデータ解析、数理科学、AIというふうに記されております。また、総合戦略本文におきましても、我が国では、欧米等と比較し、データ分析のスキルを有する人材や統計科学を専攻とする人材が極めて少なく、危機的な状況にあると書かれております。
それを受けまして、皆様方、資料4をごらんください。この左側の図は、皆様方も時折目にされることがあると思いますが、これはマッキンゼーグローバルインスティテュートのレポートにある、日本におきましてはデータサイエンティストの絶対数も少なく、減少の一途であることを示したグラフです。また右側は、データサイエンスの一つの重要な分野であります統計学、米国においてこれへの学生等の興味が非常に高まっているということを示した図であります。下の方は修士・博士号の取得者数を示しておりまして、修士号が急激に増えているということがごらんになられると思います。これは2011年ですけれども、近年はもっと増えていることが報告されております。
その次、2ページは最後に説明させていただきたいと思いますので、3ページ目、データサイエンティストに求められるスキルセットと題した資料をごらんください。ここの上にまとめてありますのは、日本学術会議の情報科学委員会からビッグデータ時代の人材育成という提言を昨年させていただきましたが、その内容から抜粋したものです。右側に、データサイエンティストの要件として1番から9番まで項目が挙がっております。その下に行きますと、T型人材、Π型人材の育成が必須であるというふうにまとめてあります。データサイエンスを横軸として、個別科学を縦軸としますと、T型になります。個別が二つ対応できるような人材ですと、Π型になります。
その概念はその次のページ、4ページをごらんください。例えば音声とデータサイエンス、それらのクロスポイントで生まれたような技術がほかのところのクロスポイントにも転用できる様を示してあります。また、一番右にありますように、近未来あるいは新しい問題の解決に資するような人材の育成、T型・Π型の人材の育成が重要ではないかという図になっております。
3ページに戻っていただきまして、では、データサイエンティストのスキルセットとはどういうものがあるのか、そのことをまとめたものが左下の図になります。産業界におきましても、さらには各界から、データサイエンティストの人材育成を急いでほしいという要望が非常に寄せられておりますが、この左下にありますのは、データサイエンティスト協会が定めたスキルセットです。データサイエンティスト協会の主な会員は企業でして、四十数社の企業が入られておられます。
そこでは、スキルセットとしては三つ、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力、この三つが重要であるとまとめられてあります。右上のデータサイエンティストの要件、これは学術会議の方でまとめたものですが、九つのポイントを左下にマップしますと、このようなものになります。例えば3番の研究倫理の徹底、4番の研究立案の能力、9番の異分野の研究者との連携能力などは、ビジネス力に相当するのではと思います。
それでは、最後になりますが、2ページに戻っていただきまして、日本の量的なデータサイエンティストの育成のイメージを示したものがここの図になります。5人から50万まで対数スケールで示しております。一番下の50万人というのは、新入大学生の数が大体この規模で、5人というのはトップレベルということで、その間を対数スケールで示しました。
左にレベルが示してあります。今現在データサイエンティスト協会等では、スキルセットとともに、レベルについてもいろいろ整理されていらっしゃいます。そこでは1番から4番まで、業界代表レベルから見習いレベルまでとまとめていらっしゃいます。この右側には統計数理研究所で行っている公開講座のレベルを示してあります。研究所では主に初級から上級まで行っておりますが、真ん中のレベルとそれらとのレベルを合わせるということで、左と右は大体このような感じで対応すると思っております。この具体的な人数の大まかな大体の根拠等は、北川主査からの報告でもう少し説明があるかと思います。私からの説明は以上です。
【北川主査】  ありがとうございました。
それでは続きまして、私から説明をさせていただきます。資料5をごらんいただきたいと思います。ビッグデータの利活用に係る専門人材育成に向けた産学官懇談会の報告書(案)と書いてありますが、現在進行中で、中間的な報告のイメージでございます。
1枚めくっていただきますと、要旨と書いてありますが、その1が報告書の背景と書いてございます。これは御承知のように、ビッグデータが登場して、社会の価値がビッグデータとそれを処理する技術へと大きくシフトしているにもかかわらず、我が国ではデータサイエンティストが大幅に不足していると。また、そのデータサイエンティストを育成する体制も出来ていないということで、データサイエンティストの育成が喫緊の課題であるという認識であります。そこで、当懇談会では、産業界あるいはアカデミアからの要請を把握して、育成すべきデータサイエンティストが持つべきスキルや能力を特定して、その育成のための方策を検討いたしました。
ここで、恐縮ですが、一番最後の14ページをごらんいただきたいと思います。これが懇談会の出席者でございます。産学官ということで、ヤフーの安宅さんはじめ産業界から3名、それから、大学関係者が3名、文部科学省2名、それから、情報システム研究機構の関係者3名で委員を構成しております。
その前の13ページに審議経過を書いてございますけれども、4月18日に第1回をやって、現在、第5回まで進んだところでございます。
それでは、前に戻っていただいて、3枚目辺りに1ページがございます。この1は、先ほど要旨のところでお話ししたようなことをまとめておりますので、省略いたします。
次の2ページの2節から、我が国におけるデータサイエンティストへの要請ということで、産業界とアカデミアからの要請を聞き取ったところでございます。
3ページからが、2.1ですが、産業界からの要請ということで書いてございます。先ほど樋口委員から説明があった部分とかぶりますけれども、データサイエンティスト協会では、スキルセットとしてデータサイエンス力、データエンジニアリング力、それから、ビジネス力という形で定義しております。その図の下に書いてございますが、結局、データサイエンティストというのは、単にデータを収集して統計分析をするだけではなくて、むしろデータに基づいて予測をし、その結果をビジネスに活用することにあるというところであります。したがって、機械学習あるいは最適化などの最新の手法も必要ですけれども、さらにビジネス的な課題解決能力、社会への実装、そういった能力が必要になるというところであります。
4ページ、一番上の3行辺りですが、丸1から丸3、そのために、課題やデータ分析を情報技術に落とし込む翻訳力、それから、問題を見抜く能力、3番目として、課題解決のために各分野のエキスパートを動員する能力、そういったものも必要であるというところであります。
2番目のパラグラフ、5行ほどありますが、そこの2行目から書いてありますように、同時に、国民一般のレベルでもデータ分析がもたらす価値とか、あるいはデータサイエンティストがその中で果たしていく役割等を理解していただく必要がある。それから、データサイエンティストの成果を受け取る側のミドル・マネジメントについてもデータリテラシーが不可欠であるということがございます。
この4ページの真ん中辺りに、「以上をまとめると」というところがございますが、具体的に3点の要望がありまして、抜本的な底上げと桁違いの人数の育成が期待されているというところであります。丸1は、大学でのデータサイエンティスト育成のためのプロフェッショナル教育、丸2として、中等教育を含む理系素養・データリテラシーのてこ入れ、丸3として、国家レベルのビッグデータ活用フラッグシッププロジェクトが必要というところであります。
その下の2.2は、アカデミアからの要請ということです。最先端のサイエンスでは、ビッグデータの分析が研究の要になるということで、その1行目に書いてありますように、あらゆる分野の研究者は同時にデータサイエンティストでなければならないという基本的な認識を持つ必要があるというところであります。そのために、そのパラグラフの下、4ページの下から4行目、3行目辺りですが、分野の専門課程を学ぶ学生あるいは院生が、必ず並行してデータサイエンティストとしてのスキルを学べる仕組みを作る必要があるというところであります。
次のページに参りまして、同時に、そのためのスキルというのは日々進歩しておりますので、トップレベルのデータサイエンスの研究者も必要であると。さらに、その下のパラグラフは、リテラシーも重要であるというところであります。第3パラグラフの2行目辺りですが、同時にデータ分析というのが、複数の分野の研究者が視野を共有するための共通言語にもなり得るし、また、データサイエンティストは分野を結ぶ本質的な媒介者にもなり得る、そういう重要な役割を果たせるというところであります。
下の方、3節、これはデータサイエンス人材育成のあるべき姿と実現に向けた仮説というところであります。この内容は、先ほど樋口委員が話されたところと似ているところでございますが、1ページめくっていただいて6ページ、図2という形で先ほどと同じ図が描いてございます。この懇談会では、6層のモデルのピラミッドを考えております。一方、左側に書いてあるのは、これ、データサイエンティスト協会が定めたスキルレベル、4段階のスキルレベルで、ほぼこういうふうに対応するというものです。
我々としては、一番下に白抜きのリテラシーのレベルを書いてございます。このデータリテラシーというのは、高校から大学学部レベルとしての素養で、文系・理系を問わずに今後持つことが必要であると考えているものであります。データに基づく思考等ができるためのもので、基本的に学部学生全部に持っていただきたいということで、学部学生の新入生が大体60万と言われていますが、ほぼざっくりとして50万人程度を想定しております。
データサイエンティスト協会の言葉で見習いレベルと呼ばれておりますのは、これはデータサイエンティストが持つべき共通能力に関するものでございます。これは全ての理系の修士の学生を対象としておりますし、また、データに関連する人文・社会系の研究者にも共通に必要なものであります。また、データサイエンスを専門とする人は3、4年レベルからというところであります。ざっくりとした数字として、理系修士の入学者がほぼ5万人というところで、10分の1の5万人と想定しているところであります。
それから、次の7ページの3.3、独り立ちレベルと書いてあります。もう一つ前のレベルでは三つのスキルを基本的なものは全部兼ね備えていただきたいということですけれども、これはビジネス、データサイエンス、データエンジニアリングのいずれかの分野で専門的な能力を持っていただくというところでございます。レベルとしては博士課程を想定しておりまして、これもやはり一桁少ない5,000名程度とざっくりと想定しております。
それから、データサイエンス協会で言うところの棟梁レベル。これはデータサイエンティストのチームがある場合に、それを率いて、組織におけるビッグデータ利活用を先導できるような人を想定しております。これを育成するためには、やはり例えば社会人に対しての集中的なコースを設けたりして育成していくことが必要だというところで、3.3よりも更に一桁少ない人数というふうに想定されております。
3.5は、指導的データサイエンティストというところで、これはデータサイエンスの最先端を切り開く研究者、あるいは産業界においてはビッグデータサイエンスに基づいてイノベーションを牽引できるような人で、これは系統的に育成するというよりは、3.4の棟梁レベルの中からいろいろな経過を経て育成されてくるというものだと思います。
その次の3.6、これが「中抜き」仮説というふうに書いております。懇談会で議論しまして、現時点で日本の一番の問題と考えましたのは、いわゆる棟梁レベルと言っている部分の人材が育成できていないというところであります。8ページの図3に先ほどと同じような図がございます。左側の図の下の方に3,400人と書いていますが、これがMGIのレポートで日本にこの程度いると書かれている数であります。
それから、トップの方は専門の研究者がいるかと思いますけれども、我々としてはその中間層、上から3番目の層のところが極めて少ないと。これが問題の重要な原因の一つと考えております。我々としては、ここの育成に集中的に当たる必要があると考えております。ここの育成を進めれば、その中からなかなか難しいことではありますけれども、上の層へ進んでいく方が出てくるし、また、下の独り立ちレベルあるいは見習いレベルのデータサイエンティストが自然な形で育っていく可能性もあると考えております。同時に、下側からリテラシーの教育、さらに見習いレベルあるいは独り立ちレベル、そこの取組もやっていく必要があると考えております。
8ページの下に具体的施策と書いております。ちょっと時間の都合がありますし、また、ここは検討中のことでありますので、比較的簡単にさせていただきます。リテラシーに関しましては、例えば教養で週に3時間程度の授業をやるとか、あるいはMOOC等を利用した活用も考えられます。それから、4.2、見習い、ここは大学にダブルディグリーの方々を導入して副専攻で教育するというのが効果的ではないかと思っております。4.3が独り立ちレベルで、ここではPBLに基づく専門教育が重要だろうと考えております。
4.4の棟梁レベルは、国家的な拠点を設置して、そこでのOJT的な育成が必要ではないかと考えております。それから、4.5の指導的データサイエンティスト、これは系統的に育成できるものではないと思いますけれども、それに向けた様々な取組、異能の発掘をするような取組というのは必要だろうと考えております。
それから、4.6、トリクルダウン効果とスケールアウトと書いております。懇談会としては、棟梁レベルがほとんどいないというところが基本的な問題と考えておりまして、この人材育成が極めて重要だと考えております。そのために我が国としては、国家的な拠点の設立を急ぎ、併せて、その下のレベルで10大学程度で人材育成をまずスタートさせて、さらにMOOC等のオンライン教材の開発等も積極的に進めて、波及効果を狙っていくべきではないかと考えております。
最後に11ページ、まとめと書いております。先ほど述べたことのほぼ繰り返しになりますが、中黒で三つ書いております。我が国の問題の根源は、棟梁レベルの決定的な不足にあると。この解決のために、国家レベルの拠点を増やして、年500人規模の棟梁レベルの人材育成を目指し、上層への成長や下層へのトリクルダウン効果を狙う。それから、リテラシーレベルや独り立ちレベルの大学教育を加速させるために、主要10大学程度で本報告書の提案に基づく人材育成をスタートさせるとともに、MOOCなどのオンライン教材を整備し、全国への波及効果を狙うと。それから、3番目として、社会全体のリテラシーやアウェアネスを向上させるためのここに書いたような取組が必要であるというところであります。
最後に、これらの方策を実現するに当たって、データサイエンスを副専攻とするダブルディグリーやスキルの認定制度、これは育成する人材と社会との需要のミスマッチが起こらないために認定制度が必要ではないかというところで、そういった取組が有効ではないかと考えているところでございます。以上、御報告でございます。
それでは、資料4、5や先ほどの説明を踏まえまして、各委員から御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いします。
いかがでしょうか。3件報告ございましたけれども、どの点でも結構でございます。
【宇川委員】  よろしいですか。
【北川主査】  どうぞ、宇川委員。
【宇川委員】  この資料5を読んでいて、非常によく考えられた資料だと思います。サイエンスのいろいろな分野でデータをいろいろ扱うということは最近ではごく当たり前になっていて、学部から大学院の修士、博士を通じて、様々なデータを例えば統計分析をしたり、再帰分析をしたり、あるいは場合によっては確率仮定みたいな分析をしたりするということもあると思います。ここで、見習いレベル、独り立ちレベル、棟梁レベルと書いてあるそれぞれのレイヤーで、習得を必要される統計科学の具体的な知識がどのようなものであるかということを書いた資料がもしあれば、もう少しイメージが湧くのかなと思いまして、そういった資料があれば是非教えていただきたいんですが。
【北川主査】  一つは、MGI、マッキンゼーグローバルインスティテュートの中にもいろいろなスキルを書いております。それから現在、データサイエンティスト育成協会は、産業界からのイメージでスキルのセットを特定していて、500項目ぐらい挙げているところだと聞いています。資料としてはその辺があります。
【宇川委員】  例えば物理の分野なんかですと、割と統計分析はよくやると思うんですけれども、大抵は耳学問的に習得していくことが多いと思います。それでも、博士を出てポスドクなんかになりますと、一定程度以上の統計分析の知識は持っていると思うんです。それで、ここで言っている独り立ちレベルというのがそのレベルにほぼ相当するとイメージすればよろしいんでしょうか。その上で、この棟梁レベルがもう1段上だと思うんですけれども、それに付け加えてどういったことが要求されているのかと、もう少しイメージがつかめればと思いますが、いかがでしょうか。
【北川主査】  では、樋口委員から。
【樋口委員】  独り立ちレベルは先生がおっしゃったようなところに相当すると思いますが、その上の棟梁レベルというのは、やはり更に先端的な知識、経験等になりますと、一人で例えば先ほどのデータサイエンス、データエンジニアリング、データビジネス、三つ兼ねることは難しくなってきます。そうしますと、チームづくりが必ず必要になってきまして、データサイエンスとデータエンジニアリングの非常に得意な人間を呼んできて、それらを組み合わせる。その組み合わせ方も、ビジネスあるいは実際の諸科学への具体的な問題に応じて変わってきますので、それらを見抜くような力、そういうところが棟梁レベルに必須の能力じゃないかと思います。
【北川主査】  ちょっと追加させていただきますけれども、独り立ちレベルに関してはいろいろなスキルが言われていて、その中で統計が非常に重要な一部であることは確かですけれども、産業界の方からは統計の専門家では困るといわれています。データサイエンスのスキルとしても、樋口委員が言われたように、最適化とか、機械学習あるいはデータマイニング、それをマスターしていることが必要であるし、さらにビジネス力とか、問題発掘とか、解決能力、そういったものを備えた人が欲しいという要望があります。
伊藤委員。
【伊藤委員】  今のことに関連してなんですけれども、慶應の数理科学科にはデータサイエンスが非常に強い方がたくさんいまして、そういう意味ではよくこの話が出ます。ただの統計学とは違うということはもう明らかだということはその話でよく分かっているんですけれども、じゃ、例えば決まった教科書、古典的な教科書というものは例えば存在するのかとか、ジョンズ・ホプキンス大学やワシントン大学でも、コースウェアみたいな、いわゆるウェブの授業はもうあるというのは聞いているんですけれども、そうした場合に、それと例えば日本でやった場合何が違うのか、それとも、同じになるのか。いろいろなことを学ばなければいけないというのは分かるんですけれども、国際スタンダードの中で一つのものを作っていくのか、それとも、日本独自のものを作っていくのかとか、そういうところをちょっとお教えいただけますか。
【北川主査】  樋口委員、何かありますか。
【樋口委員】  ちょうどこの3、4年でしょうか、先生今言及されたような諸外国にはいろいろなコース的なものがいろいろ設置されたりしているところですけれども、国内においては、データサイエンスに係るものを体系立てたいろいろなコースが残念ながらない状況ですので、それは作っていかないといけないと思っております。
【伊藤委員】  日本独自のものになるのか、何か国際的なスタンダードを日本が作っていくのか、その辺のところは私分からなかったので伺えればと。
【北川主査】  日本では割ともう十数年前にデータサイエンスというシリーズを作って、従来の統計とは違う形のシリーズを立ち上げて、教科書的なものを作ってまいりました。ただし、現時点でそれが十分とは言えないと私も思っております。日本独自のところもあると思いますし、また海外でも非常に急速に進んでいるので、そこを見ながら、また日本の独自性を出す形でやっていく必要があるのではないかと思っております。一部ですけれども、統計の部分だけにつきましては検定も始めて、その中で一番トップレベルのところはRSS、Royal Statistical Societyと同一なものにしてやっておりますので、そういう意味で独自の方法も追求しながら、ある程度世界共通のものを確認するという形で取り組んでおります。だから、データサイエンス全体についても、そういう形で進めていく必要があるのではないかと考えております。
安浦委員、その後、宮内委員、お願いします。
【安浦委員】  この資料の5番は非常によくまとめていただいていると思いますが、2点ちょっと懸念がございます。一つは、今の御議論にもありましたように、先々週アメリカでBusiness-Higher Education Forumにたまたま参加させていただいて、日本からも理研の松本先生とか、JSPSの安西先生とか、あとは、辻井先生も来られましたし、JSTの中村理事長も来られていましたけれども、そういう中で、データサイエンス、それと、それをきちっとやるためのベースメントとしてのサイバーセキュリティの議論を産業界と大学の学長クラスが非常に真剣に議論しているのをまざまざと見せていただいたんですね。
それで、アメリカもそういう意味では今、一生懸命作っているというところであって、我々もそれと並行してやっていく必要があると思うんですけれども、情報科学のプロだけがこういう議論をするのはちょっと危ないんじゃないかと。要するに、上の方の棟梁レベルとか業界を代表するレベルとかいうのは、データサイエンティストじゃなくて、経営者とか霞が関のトップとかそういう人も含まれていないとシステムにならないと思うんです。
そこのところの議論が、要するに、日本は、専門家という言い方をしてしまうと、もうそれで一つの職能集団を表してしまうような、あるいは研究者集団、学会みたいなものをイメージさせてしまうので、そうじゃなくて、リテラシーという言葉を使われていましたけれども、トップに立つ人は全部最低限のリテラシーを持っているというぐらいの、要するに、自然科学に対する価値観をある程度日本人は共有しているわけですから、そういうものと同じレベルまでこの考え方を科学の方法論として植え込む、その方向性を一つ考えていただきたいというのが1点でございます。
それから、もう1点は、今申したことで、その影響が科学の分野だけではなくて、産業、それから、社会の体制、これ全体に及ぶわけで、特に社会システムの構築のIT利用において日本は失敗しているわけですね。組み込みソフトもそうですけれども、社会システムの導入においても、自治体がこれだけたくさんあるのに自治体のシステムを全部個別で作っていると。非常に無駄なコストをやっていて、こんなもの、パッケージ化して三つぐらいの中から選びなさいということで競争原理だけ働かせるような世界を作れば、行政コストはスパッと10分の1ぐらいに落ちる可能性すらあるわけです。
そういった議論にまで持っていって、社会の一番ベース、インフラのベースであると。データサイエンスとそういう情報システム、これが両輪となって今後の社会を、民主主義を守るベースになるんだというような、そういうストーリーづくりというのも必要じゃないかなと感じました。
【北川主査】  ありがとうございます。大変重要な御指摘で、2点どちらも同意いたします。最初のトップマネジメントまでのリテラシーというか、それが必要ではないかと。今回の報告書は多少その辺が弱かったかと思いますが、ベースになりました学術会議の提言の方では明確に書いております。具体的な例としては、過去に品質管理に関してトヨタでトップレベルのところまで教育することによって効果を上げたように、今後、データリテラシーに関しても、マネジメントのリテラシーというのは受け取る側で不可欠であるというのはご指摘のとおりでありますので、その辺が必要かと思います。
それから、社会のインフラのベースとしての重要性、それも全くおっしゃるとおりで、もう少し検討させていただきます。御指摘大変ありがとうございます。
【宮内委員】  前回からこれだけのデータサイエンティストの形を作り上げている、すごいなと思って、まずそれは感激しました。それで、ちょうど伊藤先生と安浦先生が言われたことにも関連しているんですけれども、グローバルスタンダードにするんですかとか云々と言われていましたけれども、世界を模倣するのではなくて、日本オリジナルというか、日本が先導するようなことも非常に重要だと思います。
それはなぜかといいますと、今、日本は高齢化では世界で一番進んでいますし、子どもの減少とか、それから、原発の事故の経験とか、火山の経験であるとか、世界には類を見ないようないろいろな経験を随分しているんですね。今、世界からビジネス界の研究所が日本に集まってきているんです。ということは、それだけ日本が先導的ないろいろな経験をしている、今まで例を見ないような経験をしているからこそ、そういう形で世界から研究所ができようとして今集まってきています。そうすると、日本のビッグデータを解析したり、いろいろ活用したりするには、それだけのものが日本にあるということを大前提で、世界をまねるのではなくて、日本オリジナル、そして、世界へ持っていけるようなものがこの機会に出来ることも想定して動いていかれることがいいのかなというふうなことを感じましたのが1点。
それから、安浦先生のお話にもあったんですけれども、研究者だけで連携していくのはもちろんだと思うんです。いろいろ領域を超えて連動していかないとデータの解析とかできないと思いますので、いろいろなものが総合的に連動していくことも重要ですし、それプラス、やっぱりデータサイエンティストというのは、研究者だけではなくて、実業の現場のことも分かって導き出していくような形でないとなかなか難しいと思います。
実業界の現場の情報も知るようないわば交流の場があるのか、インターン的に入っていくのか、どういうふうにするのかは別として、そういう現場のことをマスターすることと、それから、世界のビジネスの状況を知るような常に最先端の情報を得るような仕組みを作っていくことによって、最先端の教育なり、すばらしい効果を上げる人たちが育っていくんではないかなと思いますので、その辺りを是非盛り込んでいただけたらと思います。
【北川主査】  どうも御指摘ありがとうございました。オリジナルなものを目指していくというのは当然で、そういう形は常に考えておかないといけないかと思います。産業界等との交流の場、これもまねになってはいけないんですけれども、アメリカのインサイトプログラム等はその辺を考えたプログラムがありますし、それを考慮しながら日本版の新しいものを考えていければと思っています。どうもありがとうございました。
では、宮地委員、その後、森川委員、お願いします。
【宮地委員】  大変すばらしい資料ありがとうございます。私の専門はセキュリティなんですが、資料の中でセキュリティはデータエンジニアリング力が必要となっています。しかし、セキュリティ分野で論文を書くには、データサイエンス力なしでは書けません。暗号解析では常に統計を利用する力が必要です。実際にサイバーセキュリティのような暗号解読だけでなく、セキュリティの分野では例えば流れているデータのプライバシー保護はどうするのか、実際に流れているデータからどんな特徴がとれるのかとかいう研究もターゲットであり、統計で利用できる力が必要です。
そうやって見ると、セキュリティの研究には、今ここで分けられている分野のスキルセットではデータエンジニアリング力とデータサイエンス力は必須ですね。一方、私たちセキュリティの研究・開発の人間にとってに何が欠けているのかと言われるとやっぱりビジネス力が欠けている。逆に、データサイエンティストに求められるスキルセットにビジネス力も要りますよと言われて、ビジネス力を頑張って勉強して、エンジニアリング力とデータサイエンス力も習得した人が、トップカンファレンスに論文を書けますかと言われるとそれもちょっと違うかなという気がします。
つまり、1人の人が三つの能力を持つ必要はなくて、多分下の二つのデータサイエンス力とデータエンジニア力は研究者は持っていることが多い、あるいは必須です。欠けた能力は上のビジネス力です。だから、データサイエンティストもとても重要ですが、データサイエンスを導く人間の集まりというか、組織を作っていくということが重要と思います。
【北川主査】  御指摘ありがとうございます。特に産業界の方は、一番下の見習いレベルでは三つの能力の基本的なところを全て持っていただきたいということです。ただし、上の方に行ったら、当然全部備えている必要はなくて、特定の一つ以上のところに専門性があればそれでいいんではないかというような議論になっております。
データサイエンスというか、だんだんオープンサイエンスになって、安浦先生の話でいうと社会全体が大きく変わっていくという形で、今後は論文の書き方や研究の進め方自体が変わっていくと思います。やはりデータサイエンスの時代には、データサイエンスの時代に向けての引用の仕方であったり論文の書き方とか、そこ自体が大きく変わっていくのではないかと思います。そうすると、データサイエンスをやっている人、あるいは情報とか統計とか数理とかなかなか実際の分野の中で難しいというところがあるんですが、そういうところでもちゃんと存在を示せて、データを整備・公開する、分析するといった仕事の重要性を示せるような形の新しいシステムが出来ていくんじゃないかなと考えております。そんなところでよろしいでしょうか。
では、森川先生。
【森川委員】  ありがとうございます。このようなお話をいつも伺っているときに私自身がやっぱりよく分からないのは、そもそも日本のデータサイエンティストって本当に少ないの、というところなんです。これ、MGIのレポートなどではもう雲泥の差で少ないのですけれども、本当にそうなのかなというのがちょっと気になっていまして、この集計方法がどういうデータに基づいているのかというのを明らかにしたいなというのは常日頃思っていました。
それは例えばどういうことかというと、本当に日本の人材育成の方法がいけないのか、あるいは大学の学生数が少ないからなのか、あるいは産業界がITやICTを使っていないからなのか、それぞれの理由が何かあるような感じがして、私としては3番目が一番大きいんじゃないかなという感じがしていまして、産業界が使っていないから結果的にトータルで数が少なくなっているのかなという、そういう感じもしていて、この辺り御存じの方がおられたら教えていただきたいなと思った次第です。以上です。
【北川主査】  資料5の2ページの一番下に脚注で2と書いていますが、OECDがいろいろ調べておりますけれども、そこで情報系の学生数について日本の場合についてあまり把握されていないという問題があって、そこから問題があるんではないかと考えております。今、中抜きの部分が本当に少ないのかという御指摘でありますけれども、出てきている数字からするとそうです。
あとは、また統計の話になってしまうのですが、その一部である統計の部分につきましては、統計の実務者というのは実は非常に多くて、公務員だけで数千人いるかと思います。一方で、研究者というのもある程度いるわけですけれども、そこが分離しているのです。何人かと言いづらいところがあるのですが、そういう意味で中抜きの状態になっているのは事実で、おそらくデータサイエンティストのところにも現状ではこういう形になっていて、ドクターレベルのところと実際にやっているところの間がうまくリンクされていないという問題は共通にあると考えております。
【北川主査】  はい。では、辻委員。その後、喜連川委員。
【辻委員】  私、一応産業界におりますので、意見をと思います。やはり方向性がどうしても二つあると思っています。一つは、本当にいわゆるデータサイエンスというのを技術として突き詰めて深掘りしていく人たちと、そうではなくて、ツールとして使う人たちというのがやはりいると思っています。我々などはふだん仕事しておりますと、毎日毎日何の仕事をするにしても、データ分析をしていかないと次の仕事ができないというような状況です。実際に例えば経営者層になりますと、日々数値データを見ては次のジャッジをしてアクションを決めていきますので、そのネタを下のメンバーがそろえて持っていっているというような、そういう構図になっています。
先ほど三つの丸があって、ビジネスとデータサイエンス力とデータエンジニアリング力というのがございましたけれども、それを今は確かに全員持っているわけではなくて、ビジネス力のところで経営層が判断、ジャッジするところだけをやっているので、読み取る力があればよいと。なので、本当に三つそろって持っていた方が自分の学問分野を深掘りできるという人たちと、そうじゃなくて、いかにうまく使っていくかという意味でのデータサイエンスというのを捉える層がやはりあると思っていまして、その辺り少し区分けして考えていくと、また違うアクションの仕方が出てくるのではないかなと思いました。以上です。
【北川主査】  ありがとうございます。アカデミアの方に引き寄せて考えますと、やはりいわゆるデータサイエンスの専門家と、それ以外のサイエンスを推進している研究者の二通りがあります。しかしながら、我々、先ほども安浦先生が言われたように、もう世の中本当に根本的に変わる状況で、全ての研究者がデータサイエンスの素養をちゃんと兼ね備えていかないといけない状況になってきているのではないかと思います。そういう状況を考えて、これからの施策を考えていくべきだろうと思います。
ビジネスの方でいえば、やはり意思決定する人があらゆる分野でちゃんとデータに基づく思考ができる必要があって、そういう意味で大事だと思います。御指摘どうもありがとうございました。
喜連川委員。
【喜連川委員】  この話題は皆さんいろいろ意見が言いやすいトピックスだと思うんですけれども、やはりデータの時代になって、解析する人材をエンパワーしなくてはいけないということで、この資料は非常に精査におまとめいただけて大変すばらしいことではないかなと思いますし、その部分の人材育成というのはいずれにしても日本でやっていく必要があるだろうなというのは多くの方が同感されているところではないかと思います。
安浦先生も先ほどおっしゃられましたように、自治体のシステムがぼろぼろだよね、組み込みもぼろぼろだよねと。自治体のシステムがぼろぼろだよと言われた瞬間に、実は大学のシステムも東大と九大では全然違うので、その弾がはね返ってくることをお考えになられての御発言かどうか私はよく分からなかったんですけれども。
何が申し上げたいかというと、ITが変化していくときに、やはりバランスというのが一番重要じゃないかなという気がするんです。つまり、どうしてグーグルがディープラーニングができるようになったのかというようなこと、あるいはどうしてアマゾンがあれほどの購買力をうまく作れるのか、なぜネットフリックスがあれほどうまく世界にペネトレートできているのかというのは、解析力と同時に機動的にものすごく強いシステムインフラを動かせているというところが圧倒的なパワーの底力に実はなっているというのも事実だと思うんです。
情報処理学会の会長をしておりましたときに見ますと、日本はやはり強いところと弱いところが結構差があって、統計のこの部分、解析のこの部分もエンパワーしなければいけないところだと思うんですけれども、例えば今、安浦先生おっしゃられた組み込みとかいわゆるシステムというのはものすごく弱いですね。ですので、この情報科学技術委員会の中では、まずピンポイントとしてこういうものが必要だねということをいろいろ議論していくことは重要だと思うんですけれども、もうちょっと俯瞰していただきたいと思います。
弱いところというのは随分たくさんあって、あちらこちらから、この人材を育成してください、この人材を育成してくださいといろいろなところから言われます。先ほどセキュリティのお話がありましたけれども、セキュリティも暗号系は強いんですけれども、いわゆるシステム系はやはり相当人材が払底していますよね。
そんなふうに、今後の議論として非常にすばらしいポイントを安浦先生に御指摘いただきましたので、社会システムという観点から見ますと、もう少し幅広く、どこのITを今後日本としてエンパワーしていかなければいけないかという議論をしていただけるとありがたいかなと思いました。
【北川主査】  この懇談会を超えるところですが、非常に重要な御指摘で、今後考えていく必要があるかと思います。
金田委員。
【金田委員】  もう中座してしまうので。今、喜連川先生言われたバランスというのは、まさにそうだと思うのです。私、防災の方をいろいろとやっていますと、先ほど言われたようにいろいろなシステムが自治体ごとに全部違っていたりする。国のシステムもあれば、県のシステムがあってという。我々が研究的にいろいろな開発をしてシステムがありますよと言うと、自治体の方は、じゃ、どのシステムを使うんだと。5年後、10年後は同じシステムなのかというと、誰も保証できないんですね。だから、そのバランスというのは、先端的な研究を開発する話と普及をする話と多分その辺がすごく重要で、先行的なところばかりやっていると普及は全然できないし、普及をやっていると若干時代遅れになるという、その辺のバランスをどう考えるかというのが一つある。
そのバランスというのは、今度人材育成という観点からしても同じで、先ほどもおっしゃったように、全部の要素、三つの要素を兼ね備えた人材育成を目指すのか、それとも、二つぐらいを持って、それを最終的に束ねるような人が何人かいるということだって必要だと思うんです。ですから、それもバランスで。大学、アカデミアとしてはやはりそういう人材育成をどんどん備えるんですが、多分企業とかは、何人かまとまってチームとしてそのパワーが維持できればいいのかなと。だから、そこら辺のバランスということを少し考えた方がいいのではないかと思いました。
【北川主査】  御指摘ありがとうございます。議論の中で、データに関しての専門的なかなりの要員を抱えているところはそれでいいけれども、比較的小規模なところはやはりある程度三つ分かる人が必要ではないかというような議論はございました。どうもありがとうございました。
ほかの方は。
矢野委員。
【矢野委員】  日々、まさにこういうビッグデータだとかそういうものを扱っている、ビジネス現場でやっているところで少しコメントさせていただきます。全体には非常によくまとまっていると思いまして、こういうことの強化に対しては私、非常に賛成でございます。
幾つか言いますと、何となく我々日立の中でも、ビッグデータということで、データからいろいろなことを、ビジネスの結論を出していくというようなことをプロモートするようになってですね。数年前だと、そういうことをやったことがある人がもともといないわけです。いろいろやり始めますと、最初みんなほとんど素人なので、基本的なリテラシーは統計だとか数値だとかはあるんですけれども、何だかんだいって1年ぐらい実問題と格闘していると、何かそれなりの人物が出来てくるというような経験を結構していまして、何かそういうことがないと、座学だけやっても結局だめなのかなと。
特にどこがだめかというと、データサイエンスというのは、先ほどSEのスキルなどと同じところがありまして、結局どこにコストをかけたらいいか、データサイエンスの場合はコストは大体時間になりますけれども、ここはリターンがちゃんと返ってくるコストなのか、そうでないのかという見極めを常にできるかどうかというのがすなわち能力になってくるんですが、最初のうちはそれがなかなかできないですね。間違ったところに、企業だとお金にならないところにコストを使う、時間を使ってしまう。というようなところが学べないと、逆にいくら統計とかいろいろ学んでもあまり役立たないのかなと。逆にそこがもうほとんど肝で、一番重要なところかなという感じがまず1点です。
2番目は、逆に案外だめな人というのがいます。中途半端に統計を知っている人というのが結構だめで、中途半端な知識を振りかざして、明らかに間違った理解をいろいろ言ってくるんです。逆に言うと、特に統計のところは、樋口先生とか北川先生の前で言うのもあれですけれども、実務の現場でいうと、結局、相関係数のrとp値が本当にきちんと心の底から意味が分かっているかという。
エントリーレベルの人でも、上の人でも、みんな知っていますよ。だけど、その意味合いがどこまでよく分かっているかというのでもかなり、出てきた結果の力強さというか、どこまで言えるかということに対する確信というのは全然違ってくるので、この辺はものすごく重要。逆に中途半端な知識を持っている人は全く間違った理解で間違った使い方をしていることがものすごく多いので、そういうところは非常に重要かなと。
3番目のポイントは、数値から結論を出すというのは、ビジネスの現場では、先ほどのは私の感覚と全く違うんですけれども、私の感覚でいうと全くされていませんね。そんなの全く見たこともないですね。ほとんど経験と勘で、あとは数値で多少何か裏付けを、何か正当化しているようなものです。
私も小売とか金融とかいろいろなところに行っていますけれども、例えば小売なんていうのはそこらじゅうでPOSデータで統計分析とかやっていそうに私はこういうものをやる前は思っていたんですけれども、ほとんど一切やっていないです。あるいは、金融なんていうのはもうそこらじゅうで機械学習とかやっているのかと思ったら、金融なんてそういう統計に一番遠いところですよと金融のところへ行くと言われるんです。こういうのは全く…。もちろん集計したりいろいろやっています。前年同期に対して売り上げが上がった、下がったとかそういうことはやっていますけれども、いわゆるデータサイエンスで扱っているようなレベルのことはまだまだこれからですね。
そういうときに、やっぱり数値あるいはデータから何か言うというときには、ある種の越境力というか、境界を越えて物を言えるぐらいの腹が据わっていたり、あるいはそれだけの確信を持って言える越境力がなくてはいけなくて、そういう越境力みたいなやつが結構最後は本質に残るのかなみたいな感じが私はちょっとしていまして、これ、コメントですということです。
【北川主査】  ありがとうございました。最初に、座学ではだめだと言われましたけれども、これは全くそのとおりですね。我々としては、リテラシー、教養レベルの少ない単位のところからいわゆる座学ではだめで、そこをどうやったらいいかというのを考えたりしております。
それから、だめな人ということで言われました。いろいろな問題があると思うのですが、一つは、やはり従来の統計に限定すると、従来の仮説検定の型がそのまま今の時代に使えなくなりつつあるというところで、そういう意味での問題があるかと思います。それから、教育レベルでは、ちょっとオフレコですが、しばしば実際の問題を見たことがない、数学の人が教える場合があって、それが生きた学問になっていないというようなこともあります。それは2例ですけれども、そういったいろいろなことが複合して起こってきているのではないかと思います。
最後に越境力と言われましたが、これが非常に大事で、データというのは、先ほどちょっと言ったように、いろいろな分野をつなぐときの共通言語みたいなものにもなり得るし、そういう越境力を持った人が、データサイエンティストがそういうふうになることを期待している次第です。
伊藤委員。
【伊藤委員】  済みません、先ほども発言したんですけれども、大学ではだめだと言ってしまうと、全てが終わってしまうような感じがします。そもそもリテラシーとして大切だとおっしゃっていて、実はデータサイエンス的な側面をどうやってカリキュラムに入れられるかというのを相当いろいろ考えながら今、私の大学でもやっているところなので、逆に例えば物理学者だったら、我々いつも統計的なこと使っていると。いや、それとは違うんですよとよく言われるだけに、何か基礎的な教科書があって、それは必ずしも最先端ではないかもしれませんけれども、それを学んだ人が常にデータサイエンスの最先端につながるような、いわゆる大学で学ぶ、大学院で学ぶようなものが、柱があると、これがデータサイエンスの基礎だということが分かりやすくなるなというのが、説得する側としてすごく感じていることなんです。
これも知らなきゃいけない、これも知らなきゃいけない、実務的なことを知らなきゃいけない、数学の人だけじゃだめだとかいろいろ言われていると、何が核なのかがどうしてもこちらカリキュラムを設計する側として、どうしてそれが必要なのか、何を教えるのかというのがなかなか、いつもそこで困っているところなので、そういう意味で、教科書とかそういうようなスタンダードなものがこれからあるんですかというようなことをちょっと伺った次第でございます。
【北川主査】  ありがとうございます。
【美濃科学官】  いいですか。
【北川主査】  美濃科学官。
【美濃科学官】  すみません、二、三気になるんですけれども、まずT型、Π型、横型人材というのがあって、専門以外にそういうことを教育しようという話ですけれども、我々の大学でもデザインでやっていると、やはり学生の負担が大きいんですね。そういう中で本当に採ってくれるのか、そこのところが気になるんです。
したがって、情報系というのが一体何を教えているんだと考えると、データ処理とシステムが中心なんですね。その辺りはデータサイエンスというふうに考えると、情報系の学科でもっとちゃんとやるべき話という気がして、わざと横型と言う必要はないんじゃないかと。情報学研究科のような情報系の学科でデータサイエンスをもっとしっかり教えるという方が実現性があるという気がします。
それともう一つは、データのセマンティクスということがなくて、統計的に形式的に処理しましょうというのはいいのですけれども、データが記述された瞬間にセマンティクスが変わるんですね。ラーニングアナリティクスなどでも、違った二つの大学のデータを統合しましょうというときに一番の問題は、セマンティクスが違うから全然統合できないんです。だから、問題はデータ処理のところにあるのではなくて、データ収集とかそちらの方向にあるんじゃないかと。データサイエンスというのはそういうことも分かった上でやらないといけないので、これは、情報の本質的な問題だと思います。ちょっと短目なので、この辺でやめておきます。
【北川主査】  ありがとうございました。大変重要な御指摘が続いておりますが、次にもう一つ重要な議題がございまして、ちょっと事務局が心配されているようなので、まだ引き続き議論する機会があるということですので、次に移らせていただきたいと思います。申し訳ありません。
次の議題は、議題2の平成28年度新規事業の事前評価に向けた検討についてです。事務局からの説明をお願いします。

(2)平成28年度新規事業の事前評価に向けた検討について

【栗原専門官】お時間も少ないので、ごく簡単に御説明します。お手元の資料6、7が前回御審議、御決定いただいた、6が当面の審議事項、7が評価計画でございますが、こちらでは、資料6の下の方、また資料7の2ページ目にもございますが、次回8月5日の第90回委員会におきまして新規事業の事前評価を行うということを決定いただいておりました。
そして、資料8に参りますと、その次回に向けまして、今、お手元の資料8の方では、前回御議論いただいた際に、研究開発の方向性についての論点を御提示して、IoT時代を迎えて人工知能やビッグデータ等種々の技術が必要だというのを資料8で御議論をいただいておりました。
そして、その新規事業についての論点、考え方、イメージにつきまして、冒頭御紹介した前回の御議論も反映しまして主査と御相談して資料を作成しておりますが、まず一つは資料9でございます。資料9、要は、どういった理念やスキーム、考え方で事業を進めるべきかということについて、北川主査と御相談しつつ、一つのイメージでございますが、資料9では、前回の議論では、出口、未来像を描く、例えば社会コストを何%減らすか等の目標もあり得ると。また、システム科学の視点が重要であると。また、個別要素技術もあるけれども、インテグレーションも大事だという大きな理念の話がありました。
そのため、前回の論点で挙がっていたような様々な事項を施策として実施する上での考え方としまして、このような米国科学財団、NSFのERC、工学研究センターの取組等も参考にしながら、ビジョンを提示して、そのビジョンから導き出されたシステム、プラットフォームを構想する。特に要素技術については、要素技術自体に輝くものがなければ、やはりシステムを作っても魅力あるものにはならないという御議論が前回ありましたが、要素技術も範囲の対象としつつも、やはりシステム化部分を中心に置くという図を資料9として提示させていただきました。仮の事業の考え方のイメージということであるのかなということでございます。
また、仮にこういった施策を進めていく場合の例えばの具体的なイメージの事業例がありますと御議論も発展しやすいのではないかという観点にて、お手元に資料10をお配りしております。こちら、COI事業、革新的イノベーション創出プログラムという事業でございますが、一昨年平成25年から9年間の事業ということで実施しておりますものでございます。現在潜在している将来社会のニーズやあるべき社会の姿を産業界も交えて設定をしまして、そのビジョンを基に10年後を見通した革新的な研究開発を行おうと、こちら、情報科学技術の事業ではありませんものの、そういった事業がございます。革新的イノベーション創出プログラム、Center of Innovation、COIと略称しています。
こちら、おめくりいただきますと、具体的なビジョンが3点。1ページでございますが、少子高齢化、また、繁栄し尊敬される国、そして、持続可能な社会という三つビジョンが提示されており、そして、最長9年間支援するということも下に書いてございます。
また、その次のページでございますが、2ページ目、全体方針を決定するガバニング委員会やビジョナリーチームを、日立の川村相談役、堀場社長、三木谷楽天社長、渡辺トヨタ相談役、協和発酵、松田社長等の産業界の方も入っていただいて実施して、研究の方向性をニーズ側の意見も入れながら決定すると。
また、こちらの2ページ目の下部にございますのが、企業や自治体とも連携した拠点の形成と複数のサテライト拠点もあると。また、この拠点には、文部科学省とJST、科学技術振興機構による支援が行われるという事業スキームが書かれております。これ、情報科学技術のための事業でありませんものの、一つの参考になるという観点で提示させていただきました。
そして、最後に資料11でございますが、こちら、資料8の論点、資料9で考え方と来まして、資料11が、研究開発の施策イメージ例ということが御議論を進めていただく上で必要であろうと考えまして、こちらも主査と御相談して、全く仮のイメージ例でございますが、提示させていただいております。
こちら、資料11にございます一つの施策の例は、拠点型制度と書いてございます。例えば先ほどの文部科学省と科学技術振興機構、JSTのCOI事業もございますし、文科省と学術振興会のWPI、世界トップレベル研究拠点プログラム等もございますが、そのようなグローバルな統合拠点の体制を構築する。ここには、本日議論になりましたようなビッグデータの基幹的な技術とか人材育成もあり得ると思いますが、そのような拠点体制を構築するというのが一つの施策の例としてあり得るかなと。
また、もう一つの施策の例としては、研究費を広く多くの研究者の方々に日本全国に対して支援するような、いわゆるファンディングのような、若しくは従来のファンディング制度よりももう少し拠点との一体性や統合性を持ったような制度。その中で、やはり情報科学技術に特有の、前回も御指摘あった、本日も御議論ありました世界観の変化、急速な進歩、発展に対応する情報科学技術特有の異才を支援するようなもの、こういった一つ若しくは複数の拠点を集中的に実施しつつ、日本全体を浮上させることができるような施策パッケージ。
その際には、左側にございますが、産業界も加えたニーズ若しくはビジョン駆動型で、全体のシステムやプラットフォームの構築ができるような事業が一つの例として考え得るのではないかということで、北川主査と御相談して試みに提示させていただきました。以上でございます。
【北川主査】  ありがとうございます。
以上、資料6から11まで御説明いただきましたが、何か御質問あるいは御意見ございましたら、お願いいたします。
はい、安浦委員。
【安浦委員】  COIは私も、今はちょっと抜けていますけれども、最初やって、非常にコンセプトは分かりやすかったんですが、情報技術はもう前面に出すなとある方がおっしゃって、非常に苦労しました。情報技術を考えずに10年先の社会を考えるというのはやはり狂っているんじゃないかという、ちょっと申し訳ないけれども、そう思いました。それぐらいやはり情報関係の技術に対する社会の認識が出来ていないんだなということを逆に私は認識して、最近はいろいろなところでお話しさせていただいているところなのですけれども、そこはもう少し我々この委員会、先ほど喜連川先生おっしゃったように、本当に強いところ、弱いところ、ものすごくばらばらで、しかもかなり本質的なところで弱い場所が点在している。そういうところをきちっともう一度把握し直して、そこを埋める戦略を立てる必要があると思います。
そのときに二つ考えるべきことがあって、一つは今の問題として、ある意味で戦時態勢にあるもの、具体的にはサイバーセキュリティの話だとか、データサイエンスもかなりそれに近いと思いますけれども、本当に3年後、5年後の日本の産業あるいは日本の社会の安定に、サイバーセキュリティはあしたかもしれませんけれども、極めて影響を与えるような問題に対する対応と、それから、長期戦略、5年とか10年先の人材育成も含めて、世界の中でどういうポジショニングをとっていくのか、あるいは技術の方向、科学の方向をどう持っていくのか、データサイエンスの考え方を科学の方法論として根付かせるというような立場の話は多分この後者に属するんだと思いますけれども、この二つは私は分けて考えて施策を考える必要があるのではないかと思います。
【北川主査】  ありがとうございます。重要な御指摘と思います。
ほかに何か。土井委員。
【土井委員】  まず質問させていただきたいんですけれども、資料8のところでプラットフォーム化ということを書いていただいているのですが、このプラットフォーム化と言われているときのイメージが分からないので、少し教えていただきたいんです。AIもビッグデータもIoTもサイバーセキュリティも、先ほどから安浦委員が言われているように、今、実社会と切っても切り離せないものですよね。それをただ単純に情報科学技術の研究開発のためのプラットフォームと書くのは簡単なんですけれども、先ほどの議論にも出ていましたけれども、実データ、実社会で実際に使えるものにして、なおかつ最先端のところに付いていかなければいけないとなると、かなりの覚悟をしてやらなければいけなくて、情報科学技術という枠だけでくくれるものではないと思うのです。ですから、その辺りが、どれぐらいの省庁が連携してできるイメージなのかなと。
例えばサイバーセキュリティにしても、絶対破られないということはないので、破られた後どうしますかと。テロ対策も一所懸命やってもだめですよね。絶対どこかで破綻をきたすわけで、その破綻をきたしたときどうするかというところまできちんと考えてやっていかないと、プラットフォームというか、それが根付くものにはならないので、だから、その辺り文科省がどのぐらいの覚悟を持って取り組んでいただけるのかなというところを教えていただきたいというのが1点目です。
2点目は、資料11のところで、今のプラットフォームに対応したところが統合研究開発拠点というふうに書かれているんだと思いますが、それとは別に新領域の開拓というのを書かれていて、この拠点と、異才を支援するというのは全く別のものなのかというのが2点目の質問です。
【栗原専門官】  お答えさせていただきます。1点目は、プラットフォームに関する、文部科学省のイメージということでございます。一つは、前回の委員のコメントの抜粋を資料1で付けましたけれども、資料1の2ページには、プラットフォームに関しては、一つはデータ等を保持するプラットフォームという論点がございました。また、社会のアカウンタビリティという話がありましたが、社会で実際使えるようなプラットフォーム、そして、それは何らかインテグレーションしたソフトウェアということでありました。なので、一つのイメージは、そういった研究の現場若しくは民間で使えるような一部のミドルウェアというかソフトウェア的な基盤の整備の、一つはデータベース、基幹的なビッグデータ技術の整備もあると思いますし、または汎用的な解析ツールの一部の整備等もあるかと思います。そういったソフトウェア群のイメージを持っておりますが、それに関してはまさにここで御議論いただいて、御指摘を踏まえて今後考えていきたいと思います。
また、2点目でございますが、新領域の開拓、こちらに関しては、とりあえず今、資料11でお示ししたものの中では別という形で書いてございます。ただ一方で、そういった拠点の中で全体システム、プラットフォームの構築をしていく上では密接に関連する必要もあるかと思いますので、むしろ別ではなくて、同じ拠点内で育成する、一体であるというやり方もあるかと思います。そこも御指摘頂いて、今後よく検討していきたいと思います。
【土井委員】  1点目に関してですが、今のお答えを伺うと、研究に使えるデータアセットが集まればいいよねというお立場なのかなというふうに聞こえたんですが、それでよろしいんでしょうか。そうだとすると、わざわざプラットフォームと言わなくても、既にあるデータアセットをどうやってそれに予算を付けて担保していきましょうかという話にした方がいいと思います。今のお話だと、余りにも現実社会と乖離が大き過ぎるんではないかと感じます。
【栗原専門官】  御指摘踏まえてよく検討したいと思います。ただ、今現状あるデータアセットを単に統合化するだけ、データアセットを何らか提供するだけということでしたら、確かにプラットフォームではないという認識は持っております。まさにこれから皆様の御知見も頂きつつ、検討してまいります。
【北川主査】  ありがとうございました。
ほかに何か御指摘、御質問は。
はい、喜連川委員。
【喜連川委員】  多分これは僕もあんまりよく分かっていないのですけれども、イメージ観としては、FPでやっているような構造ではないかなという気がします。コアにファイレイヤーというのがありまして、周りにデータがアセットとして入ってくる。このデータは、サイエンスのデータもありますし、インダストリーのデータもある。それが今、EUの中でのメジャーディレクションとして動いているHORIZONのスキームですので、日本もそれをまねをするわけじゃないですけれども、そこを少し勉強なされておられるのかなと勝手にデータサイエンス的に予想している次第です。
【北川主査】  それでよろしいですか。
宮内委員。
【宮内委員】  喜連川先生が勝手にと言われましたので、私もちょっと勝手になんですけれども、多分プラットフォームって、全体システム、プラットフォーム、今、データがばらばらに置かれて、ばらばらに運用されていても、やっぱり効果が出にくい可能性があるので、それを連携して統合していくような仕組みがあることによって相乗効果が出て、よりよいいいものが出てくるのではないかという。
喜連川先生、にこにこされていますけれども、喜連川先生、まさしくビッグデータですよね。ですよね。
【喜連川委員】  はい。
【宮内委員】  いきなり振ったんですけれど。ですから、そういうふうな全体がうまく機能していくような仕掛けづくりというのが非常に重要ではないかなと思います。
それと、データの持ち方、ばらばらにみんなが持っていると多分うまく使えないから、その辺りの連携がどうやったら連携できるかというような仕組みづくりも併せて設計というんでしょうか、一緒に考えていく必要があるのではないかなと感じます。
【北川主査】  ほかに何か。
はい、安浦委員。
【安浦委員】  私ばかりしゃべって申し訳ないですけれども、例えば資料8で具体的な方向性として挙げられるときに、本当に情報技術が、それを使って研究をしていく大学においても、研究教育をしていく大学あるいは研究機関において本質的に変わろうとしているというところを積極的に例えば文部科学省主導で動かす。例えばクラウドとSINETが、喜連川先生のところでしっかり作っていただけるという予算も付けていただいておりますので、それをベースにして、例えば今後科研費では、よほどの理由がない限りサーバーを買ってはいけないと、全部クラウドでやるというような極端な政策を打つ。そしたら、日本においてはクラウド利用のやり方、もうこれは真剣に考えないといけませんから、セキュリティも含めて必死になってシステムを作るわけですよね。
それは社会のほかの分野にも影響を及ぼすでしょうし、今から教育分野が大きく変わろうとしていて、教育をはじめとして、電子教科書、同時に、eラーニングによって、学生のいろいろな学習状態のフィードバックも全部返ってくるようになってきます。そうなってくると、ものすごいプライバシーに絡むような情報まで大学の中で扱わないといけない。これを大学の中で、特に小さい大学が必死になって自分たちでマシンをメンテナンスして、セキュリティを守って運用できるのかと。それができないのであれば、やはりそれもクラウドの上でしっかりやっていきましょうというような施策にもつながりますし、それまでやれば、私も苦労している大学の財務会計システムとかそういったものも一元化することも可能になってくるという、そういう絵が、例えば大学の運用をやっている立場からすると具体例として見えてくるんですね。
研究振興局が一番動かしやすいのは、科研費でサーバー買う人を禁止するという、ちょっと過激でしたけれども、それぐらいのことを今やってもいいかもしれない時代になっているし、逆に今やれば、ちょっと先に進むことが、世界の中でも一歩進むことができる可能性もあると、そういうことを少し感じております。
【北川主査】  ありがとうございます。世界は今後変わっていくという観点で、システムを根本的に変えたらいいのではないかという大変重要な御指摘だと思います。
はい。
【村岡主査代理】  先ほどのデータサイエンスの議論もそうだったと思うのですけれども、アカデミーとインダストリーが本気になって一緒になってやっていかないと、やはり突破口が見えてこないのかなと感じています。そういう意味ではCOIもそういう側面を十分持っていたわけですけれども、今回のこの拠点型の研究というのでインダストリーの役割というのはどういうふうに捉えて考えたらよろしいでしょうか。
【栗原専門官】  まさにインダストリー、産業界の役割というのは今後の御議論かと思いますが、一つはやはりCOIのプログラムでも御紹介したようなビジョンの設定や全体方針や、また拠点や様々な新規領域の開拓を行う、研究開発を行う上での進捗状況の管理や把握、またその事業の実施自体をしっかり先導していくような、ここでは構造化チームという言い方がされていますが、様々な横断的課題を抽出したり、事業自体のマネジメントの一部を担う、そのような機能が一つ産業界の関連ではあり得るのかなと考えております。
【北川主査】  よろしいですか。
【村岡主査代理】  はい。
【北川主査】  それでは、ほかに。
どうぞ。
【松岡委員】  済みません、今、風邪を引いていまして、あまりしゃべらないようにしているんですけれども、何点か気になるところがあって。
1点目は、先ほどからあります人材育成の観点で、ピラミッドの形で非常に分かりやすく説明されているところもあるのですけれども、今回のこのテーマも人材育成という観点からも述べられておりますが、人材育成、ピラミッドを描くのは図面的には非常に簡単なんですけれども、ピラミッドを描くということは、上に行くに従ってどこかへ抜けていかなければいけないですよね。入り口は50万なのだけれども、トップが10人だったら、残り49万何千人がどこかに抜けていかなければいけないと。どこかのレイヤーがぽっかり空いているという議論も確かに私も実感として大学で分かるんですけれども、抜けるところがないからああいうふうになっているというふうに一方では思えるわけです。
要は、何を言いたいかというと、今の御質問とも同じなのですけれども、産学連携と一言で言えば非常に簡単ですけれども、産業界とタイアップしていかないと、あのピラミッドもそうですが、今回もこの例もそうなのですが、本当に絵に描いた餅になってしまうということをすごく危惧します。なので、この拠点研究も、産業界がマネジメント云々というだけではなくて、本当に産業界からばりばりの一線級の人に一緒に参加してもらわないと多分うまく機能しないのではないかと思っています。それが1点目。
それから、2点目は、先ほどの安浦先生の話もそうなのですけれども、クラウドにまとめた方がいいのではないかと私も実はそう思います。実は大阪大学でクラウドにまとめる側で一所懸命苦労している側なので、まさにそう思います。現地に置くなよと非常に皆さん方に問い掛けているわけでございますけれども、セキュリティ的にもエネルギー的にも、1カ所にまとめた方がはるかに効率がいいんですね。
ただ一方では、先ほどから議論になっています人材育成という観点からすると、まとめてしまうと人材育成ができなくなってしまうので。それはちょっと私の愚痴になってしまうんですけれども、本当はトラブルをばらまいた方が実は人材育成されるんですね。なので、そこの兼ね合いどうするのかなと日々悩んでいるところでございます。以上です。済みません、ちょっと愚痴になってしまいました。
【北川主査】  ありがとうございます。
ただいまの御指摘について何かございますか。
人材育成のところは、ピラミッドの上に行くに従って、必ずしも9割の人がドロップアウトするということではなくて、リテラシーのレベルとそれぞれの段階に応じてこのぐらいのところが教育が必要であるというイメージで考えているつもりであります。
ほか、よろしいでしょうか。
それでは、矢野委員。
【矢野委員】  このビジョンというところが少し気になったので、コメントさせていただきます。特にCOIの例が出ていたので、これは別に情報、そういう意味で少しレベルの違う話なのかもしれませんが、ただ、ビジョンに社会や人のあるべき姿と書いていたところが、少し難癖を付けるようではありますが、これはちょっと違うのかなと私は思いましたということです。
何かというと、もうちょっとやはりこれ、情報とか、データとか、それの活用ということに関するビジョンでないと意味がないかもしれないと。こんな、日本がどうあるべきかとかそういうことを言っても、情報技術のビジョンとしては意味がないと思うんです。グーグルのビジョンというか使命が有名ですけれども、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにするという、すごく簡潔で、まさにやっていることそのものをビジョンにすると。抽象的な、全然違うレイヤーのことを言って、何でもつながるようにするみたいなごまかしはやらないほうがいいんじゃないかと。本当に情報技術が社会を変えるんだというビジョンの方がいいんじゃないかなというのが私の意見です。そういう意味でグーグルさんは非常にしっかりそういうことをやられていると、そういうところはまねした方がいいのではないかなと思いました。
【北川主査】  ありがとうございました。ただいまのはおっしゃるとおりかと個人的には思っております。
では、まず土井委員から。その後、美濃科学官。
【土井委員】  先ほどからCOIの話が出ていますが、私、済みません、構造化チームのメンバーであり、研究アドバイザーなのですが、COIはそういう意味ではプロジェクトのリーダーは産業界の方で、リサーチのリーダーが大学の方ということで拠点を作って、バックキャスティングした目標に向かって出口志向、社会実装をしていくということになっています。ですから、それを本当に情報科学技術のこの枠組みに当てはめるのがいいのかというのはまず御議論をいただきたいと思います、というのが1点目です。
あともう一つは、そういう意味で、先ほど御指摘がありましたけれども、情報科学技術を研究開発するためのプラットフォームというのが本当に今のままでいいのかと。先ほどの資料8には、IoT、サイバーセキュリティという、今のキーワードの下のプラットフォームが書いてあるんですが、その前に、まず今後今のままの形でいいのかと。もちろんSINETはあるんですが、データの話であり、コンピューターのリソースの話であり、そういうものが今までと同じ枠組みでいいのかというのはまず考えていただいてというのが一つは必要なのではないかなと思います。
プラス、それとは別に、本当にあるべき姿に向けて何をやるべきか。先ほど、社会インフラのところに向けて弱いところがあるから、そこを攻める、とすると、こういう、今決まっているビッグデータ、IoT、サイバーセキュリティという言葉のキーワードで攻めていくのか、そうではない、違うアプローチで攻めていくのかというのを少し考えていただく必要があるのかなと。
ですから、前者の方は、情報科学技術を研究するための基盤、もうそれは情報科学技術分野だけではないですよね。日本の研究開発を支える基盤が本当に今のままでいいんですかというのが今、大きな課題になっていると思うので、それに対しての回答をまず作らないといけないというのが一つで、あとは、産業界含めたところで社会インフラに対して情報科学技術がこれから何をしていくかというところ、それはサイバーセキュリティならサイバーセキュリティかもしれないしという、まずそこを固めることが必要なのではないかなと感じました。
【北川主査】  ありがとうございます。
では、美濃科学官。
【美濃科学官】  この辺にキーワードがいっぱい並んでいるのですけれども、やはりIoTというのは、基本的に社会の通信基盤をIPに統一しましょうという話です。ビッグデータというのは、基本的に個別に持っているデータを集めましょうという話なんです。だから、これは言ってみれば、今まで会社の中で各部署が勝手にデータを持っていたというのを統合しましょうという話の社会版なんです。社会的にいろいろな業界が勝手にデータを持っているやつを、言ってみれば、何らかの形で統合できませんか、あるいは社会の基盤をIPに統合しませんかというようなことを、多分私なりに解釈すると、そういう社会構造を目指していて、それをプラットフォームとして、情報系の研究として、ある意味少し実証しながらやることによって、言ってみれば、社会がどうなっていくのか、こういうことができたらどうなるのかということをプラットフォームにのせて実証しながら、社会のあるべきビジョンを示そうというような意味だと解釈できるんです。
ある意味、社会の構造を変えるような小さなプラットフォームというか、実験的なところで情報技術のパワーを示せるようなプラットフォームを作っていこうというのが趣旨だと思っています。そういうふうに理解しないと、ばらばらの技術が並んでいるだけになるので、この視点でこれらの技術を集めて、データを集めて、人工知能をテストしましょうとか、実世界とうまく絡めながらやろうというのが狙いだと思っています。こういう話がうまく動くかどうかというのを、うまく動くためにどうすればいいかということも含めて議論をしていく必要があるんじゃないかと捉えていまして、是非この方向で議論していただいたらいいと思います。
【北川主査】  御指摘ありがとうございます。
【土井委員】  済みません。
【北川主査】  はい、土井委員。
【土井委員】  今のお話は、それは別にそういうプロジェクトを起こすのはいいと思うのですが、資料11に書いてあるような、わざわざ統合拠点にするとか、そういうような話ではないですよね。ただそれだけです。
【北川主査】  宮地委員。
【宮地委員】  今日の会議の発言の中に、日本独自の教育という話がありましたし、先ほど安浦先生からクラウドで一つに固めるというお話もありましたが、この2つの話はうまく結合できるかと思いました。実際にセキュリティの研究には、たくさんのデータを使った安全性の解析が必要です。しかし、解析にどこのデータベースを使うのかというと、日本はないので、UCIのデータベースを使っています。本当は医療データ等も使いたいと思うのですが、日本で利用できるデータベースを見つけられないので、アメリカのデータベースを使っています。
つまり、研究をしていく上で、日本の中でのデータベース、そのデータベースが日本の得意な技術であると、それは各国の研究者も利用できてよいと思います。先ほどグーグルのお話もありました。今、地図のデータベースで頑張ろうといっても、グーグルマップにかなうかなという感じもします。だから、今、不足しているデータベースで日本の技術力が発揮できる分野があるとよいと思います。実際に情報科学分野で研究している人たちはそのデータベースを利用して成果が出せるかもしれない。又、それは各国の研究者にも影響を与えることができるので、日本独自の教育・研究という観点で結構いいんじゃないかなと思いました。
【北川主査】  ありがとうございます。
余裕がまだ5~6分あります。何か。
【森川委員】  では、よろしいですか。
【北川主査】  どうぞ。
【森川委員】  少し細かい話なのですけれども、こちらにあったアイデアの一つの新領域開拓ですね。こちら、可能であれば、できれば何年間かにわたってプログラムを募集していただきたいなと思っています。それはどういうことかというと、例えばこういうふうな形でいろいろなところにデータというのは多分転がっていますので、いろいろな地域で例えば地方大学とか高専とかがこういうプログラムがあるということに気付くと、中小企業を回ってデータを探してもらえると結構いいかなと思っていますので、1年単位とかではなくて、数年間にわたって継続的にやっていただくことで、そういうふうに動かしていただけるといいなと思った次第です。以上です。
【北川主査】  ありがとうございます。
ほかに何かございましたら。
はい。
【喜連川委員】  いろいろな御意見があろうかと思うんですけれども、文部科学省の資料の中でプラットフォームという言葉が出てきたということはかなり画期的じゃないのかなという気がします。プラットフォームという言葉の語感は、結構勉強している人じゃないと分からないということだと思っています。
先ほどセキュリティのデータがないとおっしゃっていただいて、NIIもこれから努力していこうと思うんですけれども、やはり有るデータを解析するという時代はもはや終わってきているような気がするんです。自分たちでデータをどう作っていくのかという、これが一番大きなフェーズシフト観になってきている。そのときに、安浦先生もおっしゃいましたように、ばらばらにしておかないと人材育成できないというのはきょう初めてお伺いしてちょっと驚いたのですけれども、大学によってテンションが大分違うなというのはびっくりしました。
最近、この間僕が発表したのは、CIAですら、一番セキュアなシステムはアマゾンであって、CIA自身のオンプレのシステムではないということをはっきり言うようなそんな時代になってきていますので、やはり研究者にとって比較的マネージがイージーな空間を作ってあげて、そこに自分たちのいろいろなデータを集約しながら社会を変えていく、その構造をこの情報技術の中でどう動かしていくかというのが次の時代観かなというところが表出されているというふうにくみ取ることもできるんじゃないかなと。やさしい喜連川の解釈論でございます。
【北川主査】  ありがとうございます。
ほかによろしいでしょうか。
どうぞ、宇川委員。
【宇川委員】  プラットフォーム論になったので、一言だけ簡単に発言したいと思います。研究関係基盤部会の下で共用プラットフォーム委員会というのがありまして、実は私、そこの主査をやっております。そちらの委員会のプラットフォームの意味合いは、今日議論されていたのとはちょっと違っていて、むしろ例えば医療分野のMRI機器とか、あるいは光関係の加速器とか、そういった設備のプラットフォーム化、共用化、それから、そういう意味ではスパコンのHPCIもその中の一つなんですけれども、そういったようなものをいかに整備していくかという議論をしています。
本日のプラットフォーム委員会というのは、喜連川先生がおっしゃるように、もうちょっとシュールなものかなと思いますけれども、でも一方で、情報科学技術委員会の研究開発のテーマとしてプラットフォームということを考えるのであれば、もう少し具体的に、それこそデータプラットフォームであるとか、そういうものを考えるようなことになるかもしれませんので、そうすると、思いもかけないところでそちらのプラットフォーム委員会の方とも関係してくるのか否かと思ったので、最後に発言させていただきました。
【北川主査】  どうもありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。本日は、大変貴重な御意見頂きまして、誠にありがとうございました。本日のディスカッションいただいた点を踏まえまして、また事務局でまとめまして、次回の議論につなげていきたいと考えております。
本日こちらで用意した議題は以上ですけれども、もし何か特に言っておきたいという点がございましたら、御発言いただければと思います。
よろしいでしょうか。
それでは最後に、事務局から次回の予定等お願いいたします。
【栗原専門官】  事務的な御連絡でございますが、事前にスケジュールを調整させていただきましたとおり、次回委員会は8月5日水曜日13時から15時に文部科学省15階特別会議室にて開催を予定しております。また、前回御審議いただきました評価計画のとおり、新規事業の事前評価、既存の事業の中間評価について御検討をいただく予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
また、本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成しまして、皆様にお諮りし、文部科学省ウェブサイトにて公開することとなります。
なお、本日の資料につきましては、そのまま机上に置いていただければ、事務方より後日郵送いたします。
事務連絡は以上でございます。
【北川主査】  それでは、これで閉会とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

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-- 登録:平成27年12月 --