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情報科学技術委員会(第71回) 議事録

1.日時

平成23年6月29日(水曜日) 13時~15時

2.場所

文部科学省 東館 3F1 特別会議室

3.議題

  1. 第4期科学技術基本計画を踏まえた情報科学技術分野の研究開発推進方策の検討について
  2. 次世代IT基盤構築のための研究開発「Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発」中間評価報告会
  3. その他

4.出席者

委員

原島主査代理、安達委員、石塚委員、宇川委員、笠原委員、國井委員、田中委員、辻委員、東嶋委員、中小路委員、東野委員、樋口委員、美濃委員、安信委員

文部科学省

岩本情報課長、鈴木学術基盤整備室長、井上計算科学技術推進室長、後藤情報課長補佐、村松計算科学技術推進室補佐
喜連川科学官

5.議事録

【原島主査代理】  それでは、定刻になりましたので、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会情報科学技術委員会の第71回会合を開催いたします。本日は有川主査が御欠席のため、私が進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日の委員会の議事としましては、お手元の議事次第にありますように、まず1として第4期科学技術基本計画を踏まえた情報科学技術分野の研究開発推進方策について、2として次世代IT基盤構築のための研究開発(Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発)の中間報告会、3としてその他となっております。

 それでは早速ですが、配布資料について確認をお願いいたします。

【事務局】  それでは、お手元の議事次第と照らし合わせて資料の御確認をお願いいたします。まず配布資料でございますが、資料については資料1から資料4まで用意させていただいております。

 それから、参考資料といたしまして、参考1から参考5までの5つの資料を用意しております。

 また、委員の皆様には机上配布といたしまして、机上1から机上4までの5つの資料を準備しております。このうち机上配付4の中間評価シートにつきましては評価課題の利害関係者となっておられる委員の方のお手元からはあらかじめ抜かせていただいております。詳細は後ほど御説明さしあげます。

 資料については以上でございます。欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

【原島主査代理】  資料についてはよろしゅうございましょうか。

 それでは、最初の議題である第4期科学技術基本計画を踏まえた情報科学技術分野の研究開発推進方策についてに入らせていただきます。

 本件につきましてはこれまで委員の先生方にアンケートで、あるいはこの委員会で御意見を頂くなど、議論してきたところでございますけれども、そうしたものをもとにしまして、事務局で中間報告のたたき台を作成いただきました。本日はこれを中心に委員の皆様方に御議論を深めていただければと思います。

 まずは事務局の方から説明をお願いいたします。

【岩本情報課長】  御説明申し上げます。既に先生方に案文をメール等でお送りいたしまして、御意見も頂いております。その御意見を反映させていただいて、追加した部分もわかるようにしております。

 全体的な構成でございますけれども、最初に総論的なお話としまして、情報科学技術分野における今後求められる革新の基本的な方向性について、1として整理させていただくとともに、具体的課題の解決に向けてということで、2としております。そして最後にまとめということで14ページから今後に向けてという構成にさせていただいております。

 最初の1の基本的な方向性についてでございますけれども、まず最初に(1)で近年の世界情勢と我が国の置かれた状況ということで状況認識を書かせていただいております。

 そして(2)として、「革新」の基本的な方向性ということでまとめております。

 4ページに留意すべき事項ということで(3)にしております。

 最初の(1)の近年の世界情勢と我が国の置かれた状況につきましては、既に委員の先生方に御連絡申し上げておりますような認識でございます。

 その上で中ほどにございますように、「このような世界情勢や我が国社会の根幹にかかわる課題を克服するため、今まさに科学技術イノベーションの力が必要とされているところである。研究計画・評価分科会より、課題として下記5点の観点が提起されているので、情報科学技術に求められる方向性を考えていきたい。」ということでございます。ですから、ここのマル1からマル5の観点につきましては研究計画・評価分科会からお示しいただいたものを整理するということでございます。そして、その後に書いておりますが、これらの各課題ごとの情報科学技術としての役割については第2章といいますか、具体的課題の解決に向けての方でまとめて記述させていただいております。

 (2)の情報科学技術に今後求められる「革新」の基本的な方向性ということでございますが、これもここに記載されているとおりでございますけれども、最初に「情報科学技術は科学技術全体の中でも基盤性という特徴を有している。これまでにも社会経済活動における基盤や、科学技術の研究開発の推進における基盤の形成という観点から大いに貢献してきた。」ということで、貢献についてこれまでの役割につきまして記載しております。その後に、次の段落で、平成23年度は特に第4期の科学技術基本計画が開始される年でございますけれども、情報科学技術というものが今後の様々な社会問題の解決、特に基本計画が1つの柱にしております課題解決ということから見たときに、「情報科学技術は、今後の様々な社会問題の解決に科学技術が貢献していく上で重要な鍵を握る」、そういう共通基盤的な技術だという認識をさせていただいております。

 そういう意味で、これまで以上に高度な役割が期待されるということで、以下具体的に記載しております。

 それで、(2)の中では、主にそれぞれの課題につきましては、先ほどマル1からマル5ということで、環境・エネルギーから始まって、科学技術基盤の高度化まで5つ視点があったわけですけれども、それらに共通する形で課題解決という方向性を考えたときに、情報科学技術の期待される機能と役割と今後求められる方向性ということで、横ぐし的に少し整理してみました。A)からG)までということで整理しております。

 まずA)につきましては、特に情報科学技術といったときの課題解決のために適切な情報に基づき有効な判断を行うということが成功のかぎになるということでございますので、現状、世の中にあります実社会にあります情報はかなり多岐にわたっております。それらの正確な集約がなかなか難しいということもございます。しかし、課題解決のためにはこれが必須でございまして、そういう意味で、IT、情報科学技術を活用して、特に情報の収集、集約、データベースを初めとした情報の管理、それから、それに基づく情報の分析というところまで、情報科学技術が果たしていかなきゃいけない役割であるという認識を記載させていただいております。

 また、これから豊かな国民生活ということを考えたときに、心豊かな人と人との交流、それからきずなというものを大切にした社会の創成ということが必要になってくるかと思いますので、そうしますと、特に情報の流通とか、情報の共有という部分におきまして、情報科学技術により形成されるシステムというものが質的な充実がますます必要になってくるだろうという認識でございます。

 B)ですが、B)の方は情報科学技術を活用して、特に課題解決の実現のための前提として科学的な分析、解明、予測ということが必要であるという認識に立っております。自然や社会の構造とか、本質とか、メカニズム、あるいは成り立ち、変化、今後将来の姿というものを分析、あるいは解明、予測するということで、そういうものが必要になるだろうということでございます。

 そういう意味でますます課題解決、これまで克服できなかった課題解決を実現するという点におきましてはより一層のそういう科学的分析、解明、予測の高度化ということが求められるだろうと。そのとき情報科学技術がハイパフォーマンス・コンピューティング技術を用いて行われるシミュレーションとか、データ科学、統計数理とか、データ同化とか、そういった手法がございますので、その高度化が求められるという考えでございます。

 C)のところでございますが、これはどちらかといいますと、組み込み系といいますか、実社会に直接対面している部分のサービスとか、製品とか、そういったものの関係ですが、文言、御意見もいろいろございまして、ITが実現する機能の知的化とITを組み込む技術の高機能化ということで、とりあえず修正させていただいております。

 それからD)でございますけれども、D)に関しましては、特に課題解決というものが前面に出てきますと、現実に余りゆっくりしていられない。状況の変化もかなり激しいと。状況の変化の中で課題解決に対応していかなきゃいけないということがございますので、ITシステムについても今後リアルタイム性、あるいは機動性、柔軟性の向上というのが求められるということで整理しました。

 それからE)でございますけれども、E)につきましてはどうしてもサイバー社会に閉じてしまうということになりますと、実社会に影響を与えるような課題解決ということがなかなかできませんので、実社会情報を集約して、更に課題解決に最適な解とか、方向性を導き出して実社会にフィードバックするというシステムを、IT技術を統合化することによって進めていくという観点が必要だろうということでE)にしております。

 F)とG)でございますが、原案では一つの項目にしておったんでございますが、事柄として分けました。F)はITシステムの超低消費電力化でございます。G)の方はITシステムのディペンダビリティということでございまして、特に災害等に強いシステムということで、震災などの今回の状況なども踏まえて、社会のライフラインになっているITシステムというものがそういう危機的な状況とか、そういったところでも十分システムとして機能を維持する、そういう工夫をもっと高めていく必要があるのではないかということでございます。

 大体そういうことで、A)からG)までまとめさせていただきました。

 (3)の留意すべき事項ですが、これは前のどこかで御議論のありましたby-ITとof-ITの観点を整理いたしたものでございます。それから政府のいろいろな戦略とかの関係を記載しております。

 次の具体的課題の解決に向けてというところで、先ほど来からの環境・エネルギーから始まった項目ごとに整理をしておりますので、多岐にわたりますので、主に今回いろいろ先生方から御示唆があって、それぞれの課題について情報科学技術がどのように対応していくのかということについて、コンパクトにまとめた方がいいのではないかという、そのかかわりがわかるようにということだったものですから、かかわりがわかるようになったかどうかわかりませんが、枠囲みをしまして、そこのところに集約して、そういう意識で書かせていただいております。これは初めてでございますので、少し触れながらいきたいと思いますが……。

 2の(1)としまして、まず環境・エネルギー問題の解決につきましては、これは特に全世界的な人類共通の課題である環境・エネルギー問題の解決のために再生可能エネルギーに関する技術革新、あるいは省エネルギーは極めて重要でございますので、それらについて、例えば情報科学技術においても、高度なシミュレーションによる太陽光発電や燃料電池の性能向上とか、そういう形で再生可能エネルギーに関する技術開発に貢献することが期待されております。

 また、グリーンサイバーフィジカルシステムによる社会システムの高効率化や、ITシステムの超低消費電力化ということで省エネルギーに貢献することも期待されるということで、このため、これらに関する技術革新のための研究開発に取り組む必要があるということで整理させていただきました。個別の内容は以下のとおりでございます。

 それで、(2)でございますが、6ページでございます。医療・健康問題等の解決でございますが、これは医療・健康問題等の解決のための重要なポイントというのは相当多岐にわたるわけでございますが、その中で、情報科学技術に関連している部分がございますので、そこを最初に挙げさせていただいております。医療・健康問題に関連する膨大な個人単位の情報の高度な利活用ということがあります。それから、医療や創薬、そういったものに関連する科学的分析、メカニズムの解明、予測の高度化ということがございます。それから、高度先端医療機器にIT技術を活用していくということで、性能の向上ということがこの問題の解決に貢献するだろうという認識でございます。情報科学技術において、特にそこの部分に関して今申し上げたようなことで、課題の解決に貢献するだろうという期待を書いております。このため、これらに関する技術革新のための研究開発を推進する必要があるという認識にしております。

 それから7ページでございますが、災害等に強い安全安心の社会の実現。これは(3)でございますけれども、これにつきましても、地震・津波等の大規模自然災害に関する防災・減災をめぐる問題というのは多岐にわたっております。ただ、その中で情報科学技術に関連する話としまして、特に、地震・津波等の被害予測等の問題がございます。被害予測について限界も指摘されて、まだまだ十分でないという認識がございます。それから、社会のパイプラインとなるインフラやシステムの機能不全の問題。それから、防災オペレーションに欠かせない関連情報の集約ということについて若干混乱が随所に見られるという認識に立っております。それから、風評被害等の問題も指摘されております。

 そこで、情報科学技術においても、特に災害に強いITシステムというものをパイプラインとしてとらえたときに、重要インフラということで災害に強いシステムの構築が今後求められると思っております。

 それから、地震・津波の被害軽減の予測についてシミュレーションというものが大きな役割を果たしておりますので、これの高度化ということも現状においては課題になっております。

 それから、防災オペレーションにIT統合基盤技術というものをもう少し活用して、きちっとしたオペレーションができるようにということも課題として認識されるところでございます。

 風評被害を軽減するための、例えばリアルタイムのメディア解析技術の構築ということも十分考える必要があるということでございます。そういうことで期待を書いておりまして、これらについての技術研究開発を推進する必要があるということで整理しております。

 それから、後の方で(4)のマル4で人とコンテンツの対話を促す次世代型情報インターフェイス技術ということを挙げておりましたが、ここの部分に関しては御意見を頂きまして、特に震災時においても、緊急時のパニックに陥りがちな心理状態でも冷静に扱えるITシステムとか、緊急時でのITシステムと人とのかかわりというものをもう少しうまくインターフェイスの技術によって高度化によって解決していくということがある、これは(3)の安全安心な社会の実現のところにも記載してはどうかという意見を頂きましたので、これを受けての変更でございます。

 それから、(4)は豊かで質の高い国民生活の実現ということです。文化はこれからの日本を支える国家基盤ということでございますので、大変重要なものでございますので、そういう認識、それから、コンテンツ分野の進展も日本の強みであるということもございます。それから、国民生活において、情報の安全、プライバシーの保護というのは非常に重要である。さらには、人と人とのつながり、コミュニケーションの豊かさも価値だということで、重要な側面の1つかと思います。

 情報科学技術におきましてもIT技術を活用しまして、例えば文化ということに関しましては、高度なアーカイブ化の技術の向上。それから、文化芸術への創造ということから、メディア技術とか、いろいろな形で支援が可能である。それから、高度な情報インターフェイス技術というものも期待されるところだと。そういうもので課題解決に貢献することが期待されるということです。

 それから、プライバシー保護の強化というのは、もちろんITシステムにおいては、その強化というのは急務でございますので、情報大爆発というのはちょっと大きい。「大」というのを入れてしまいまして、一般的には情報爆発ということで言われているかと。それでよろしいですね。そういうことでございます。ちょっと誤植でございます。「情報大爆発」ではございません。「情報爆発」ということです。そういうことでございます。そういうことで研究開発の推進が必要だということにしております。

 委員の御意見として、実は(4)の中の各論としまして、インターフェイスの話とプライバシーの話につきまして御意見がございまして、もしかすると、これはすべての課題に関係するかもしれない。どちらかといえば整理するとすれば、(5)に入れる手もあるけれども、(4)ということでお考えの先生もおられるかもしれませんし、そこのところは御議論が必要ではないかという御意見でございました。場所の問題でございます。それが大体そういうことでございます。

 それから、(5)でございますが、高度な科学技術基盤ということで、11ページからでございます。ここのところにつきましては、まず最初に今日クラウドコンピューティングということに関しまして、社会のあらゆるシステムの高機能化に貢献していると思われます。それから、知識社会をけん引する高度な科学技術基盤としての役割を果たしております。それから、ハイパフォーマンス・コンピューティングに関しましても、未来を予測する高度な科学技術基盤として、科学的、あるいは社会的意義の大きい成果を上げているということがございます。

 さらには今後の新たな科学技術基盤として期待されるものとしましては、実社会の情報を集約して、課題解決に最適な方向性を導き出して実社会にフィードバックするという、いわば課題解決型のIT統合基盤技術というものが、今日余りきちっとした形で確立しておりませんので、こういった基盤技術の構築が期待されるという認識でございます。そして、いろいろな学問分野とか領域によって基礎となるデータとかの知識というものはかなり集約しにくい状態になっておりますので、IT技術を活用しました知識フェデレーション型の統合的分析・知識創成技術というものを構築してはどうか、そういう御提案もございましたので、そういうものを新たな科学技術基盤の期待されるものとして挙げております。

 一方で、科学技術基盤が、特に高度化していくに当たって非常にボトルネックになる部分があります。1つはITシステムが発展していきますと、どうしても電力消費量が増大していくので、これは社会的制約がある中で非常に厳しい話になります。ITシステムの電力消費量の増大という課題がございます。

 それから、ソフトウェアに対する信頼性の問題が指摘されております。ソフトウェア工学に関して、もう少しいろいろな要求性能とかに応じて、うまく対応できるような信頼性というものを高める必要があることが指摘されています。

 こういったボトルネックの解消のためにも技術革新が必要である。これはひいては高度な科学技術基盤の構築に不可欠の要素であろうということで整理をさせていただきました。

 課題解決型IT統合基盤技術ということに関しましてはマル3というところに挙げておりますが、これは最初それぞれの環境とか、ライフイノベーションとか、それから、災害関係のところでそれぞれ出てきていたんですが、あらゆる領域に活用できる技術ということで、課題解決型IT統合基盤技術の構築、ここにも総括的に掲げさせていただいております。

 大体全体はそういうことでございます。

 それから、「今後に向けて」ということで記述をしております。今回の検討は、課題解決型、あるいは科学技術イノベーションという観点から特に整理をいたしました。本委員会での意見を踏まえて、今後5年程度の研究開発を進めることを検討する必要があるということを書かせていただいております。

 それと(2)のところは、前回有川主査が言われたようなことでございます。

 (3)でございますが、これも御意見を頂きまして、ここで十分検討ができたかどうかはっきりしない点でございますが、課題解決型でどうするかという議論に加えて、情報科学技術の国際競争力の強化という戦略的な観点からの検討も是非今後加える必要があるだろうという御意見がございました。特に国際競争力強化ということに関しましては、学術研究における成果も重要でございますけれども、同時に、国際的に強い国内情報産業が育って、そして、相互作用によって発展が図れることが必要であるということでございます。

 特に情報産業がグローバル化している中で、特に我が国の国内における情報産業というのは独自性と国際的通用性をあわせ持つ必要があります。国際的にも通用して、広くその技術というものをけん引していくということも必要でございますし、そのための独自性というのを今後出していく必要があるということで御意見がございました。そういう意味で、そういう視点が重要であって、今後、ある程度情報科学技術分野におけるすべての領域でそれが見いだせれば一番よろしいんですけれども、そうでない場合においても幾つかの領域で、特に国際的な優位性を持つようになることが必要です。こうした認識に立った上で、今後どうしていくのかということは、ここでは多分、全部議論を尽くせないだろうということで、今後に向けてという中で書かせていただきました。

 それから、最後のところですが、年々状況は変化しておりますので、今後も毎年、最新の議論をつけ加えることが必要だということを念のため書かせていただきました。

 あと2点ほどございまして、簡単に申し上げます。資料1をごらんになっていただきたいんですけれども、5月31日付で、科学技術・学術審議会の方で東日本大震災を踏まえた検討の視点が示されております。実は、ここについて、多くは申しませんけれども、5つほど観点が示されております。それにつきまして、それぞれの委員会におきましても、ある程度御議論なり御意見も頂いて、そして、先ほど御説明しました研究開発推進方策の中で何らかの形で盛り込むことをする必要がある状況になってまいりました。一部、既にこの視点の中で申し上げますと、東日本大震災についての科学技術、学術の観点からの検証の部分とか、あるいは最後の2ページの復興、再生及び安全性の向上への貢献というところに関しましては既に今まで出されました御意見の中にかなり入っているかと思いますので、よろしいんですが、2番、3番、4番の部分に関しましては、今回の震災におけるいろいろなことも踏まえた上で、多分先生方は一番いろいろ御意見があられるところかと思いますけれども、そこのところについて、きょうも時間が許せば、そこらあたりにつきまして御議論賜りまして、また後ほどでも私どもの方にお寄せいただければ、また次全体としまして、7月20日に次の委員会、この会合がございますので、そこで盛り込んだものをお示しすることができると思います。

 もう1点でございますけれども、これは私どもの計算科学技術推進室長、井上室長の方から説明させていただきますが、ハイパフォーマンス・コンピューティングの関係につきまして、資料2でございますけど、別途、HPCI計画推進委員会という会議がありまして、そちらの方で今後の技術開発の在り方について議論をちょうどしております。そこでの議論は、全部アウトプットは出ておりませんが、方向性について今日説明いたします。今回の本情報科学技術委員会の議論の中に、当然計算科学につきましても含まれますので、御参考にしていただければと思います。そういう意味で、井上室長の方から説明させます。

【井上計算科学技術推進室長】  それでは引き続きまして、資料2について御説明をさせていただきます。

 第3期科学技術基本計画でスーパーコンピューティング技術というものを国家基幹技術と位置づけた上で次世代スーパーコンピュータ「京」の開発計画、また、グランド・チャレンジ・アプリケーションの開発などやってきたところですけれども、この分野の研究開発は、単発ではなく、継続的に実施していく必要があるということもありまして、今後どのようにしていくのかということについて、今お配りの資料の1枚目にメンバーを書いてありますけれども、この先生方に集まっていただきまして、御議論を重ねていただきました。

 1枚めくっていただきますと、上のページに審議経過がございます。第1回目から先日6月17日の第7回まで会議を開催いたし、検討を重ねていただきました。最終的な報告書は今先生方の間で調整していただいているところでございますが、一定の考え方はまとまっておりますので、そこの部分を御説明させていただきます。

 まず、議論のまとめでございますが、まずHPC技術をいかに活用するのかという検討を出発点とすべきである。アプリケーション、アーキテクチャ、システムソフトウェアの開発を一体として行うべき。今後のHPCシステムは、目的別に特徴のある複数のシステムを検討していくことが望ましい。エクサフロップスを当面の目標としつつも途中段階の数十から100ペタフロップスでの検証が必要である。

 次のページでございます。国家基幹技術としてどの部分を日本で開発していくべきかを定めることが必要である。

 コンピュータアーキテクチャ、システムソフトウェアのみならず、モデル化の再検討や新しいアルゴリズムの開発も重要である。

 オンラインでセンサーデータをリアルタイムに集めながらシミュレーションを行うといった利用など、今までにない観点を併せて考えることが必要である。

 今後の取り組みでございますが、基本的な考え方として、まず社会的、科学的課題をいかに解決するのかという視点に立ち、どのようなHPC技術が必要かを考えるというアプローチをとる。

 社会や研究開発への適用を考え、コンピュータアーキテクチャ、ネットワーク、ソフトウェア等の技術開発に総合的に取り組み、全体として最適化する。

 次のページをお願いいたします。検討の方向性としましては、課題に応じた複数のHPCシステムを追求するというスタンスに立つ。スーパーコンピュータのみならず、センサーやネットワーク技術、データ処理技術などについてもあわせ検討する。

 今後の取り組みの(3)、具体的な取り組みでございますが、今後の開発を担う若手を中心に幅広い産学官の関係者による検討を開始する。

 アプリケーション、コンピュータアーキテクチャ、コンパイラ・システムソフトウェアの3つの検討グループが緊密に連携しながら、検討を進めていく体制を立ち上げる。

 本年中に複数の追求すべきHPCシステムとこれを開発していく体制案を取りまとめるということで、現在、HPCIの計画推進委員会の先生方とも御相談の上、今後のより具体的な検討をしていくための体制を立ち上げる準備をしているところでございます。

 以上でございます。

【原島主査代理】  ありがとうございました。

 第4期科学技術基本計画、今並行してパブリックコメントを、これは数日前に締切りだったのかな。書かれていますが、その内容に基づいて、情報科学技術分野の研究開発をどのように推進していったらいいかということで、今まとめようとしているところでございます。前回のこの委員会におきまして、先生方から御意見を頂いて、それをもとにして編集作業というか、メッセージ性も含めた形でまとめていただいたわけでございます。

 時間、大体4、50分ぐらい頂いていますので、その時間、いろいろな御意見を頂きたいと思います。基本的には机上配布資料1について、こういうようなまとめ方でいいか。余り細かい表現になってしまいますと、多分ここでは時間がなくなってしまいますので、基本的な考え方を中心にお伺いしたいというふうに思っております。

 内容を見させていただきますと、非常に苦労してまとめられていまして、もともと科学技術基本計画そのものが課題解決という形になっておりますので、情報科学技術分野もby-ICTということで、場合によってはばらばらになってしまっている可能性がある。一方で、情報科学技術分野そのものが大切であるということをやらなければいけない。ある観点からだけのまとめ方だとなかなかうまくいかないので、もう一つ、ここでは基本的な方向性というのを出していただいて、A)B)C)D)E)F)G)ということでございます。これは課題解決のためにもきちんと情報科学技術分野の方向性を示しておかないといけないよということで、上から与えられました課題解決のためのそれぞれの課題というものがある意味では縦糸だとすると、そこに横糸を示すことによっていい方向にいこうという、そういうまとめ方になっているのかなというふうに思っております。

 いかがでございましょうか。まず、大きく分けて基本的な方向性に関するところが4ページ目までございます。そこまでのところで御意見等ございますでしょうか。どうぞ。

【中小路委員】  課題解決という言葉に関してなんですが、上からはもちろん課題を解決するようにと来るわけですが、私の理解では課題は与えるから解決しなさいというものではなく、課題を見つけること自体をしてほしいという学術審議会、総合科学技術会議の思わくだというふうに理解しています。そのときに情報技術を使うから課題になることというのがたくさんございまして、例えばそれこそ地震のときにIT技術を使えと言われてもパニックで、エクセルを立ち上げるのを待てるかというような状態になるようなことは、情報技術が入ってきているから課題になっていることです。

 そういう課題を見つけるというか、例えば文系の方とか、社会学の人とか心理学の人に情報科学技術分野からこれが課題でということを提案していくような姿勢というか、そういうのがもしかしたら一番重要なことかと思います。

 このof-ITとかby-ITという言葉が示すように、どうもITは、支えますとか、後ろから押しますとか、そもそもby-ITと言っている時点で、何かを我々が支えるという感じなんですが、どうもfrom-ITというか、ITがあるから解決しなければならない課題ということをIT側から教えてあげないと、ほかの分野の方たちはよくわからないんですね。そういうふうな姿勢が前半の部分で少し出るといいなと思います。最後に御説明いただいた資料1の2ページ物ですか。学術政策の検討の視点のところの2番目にも、課題解決というのは分野を超えてしてもらうためのものなんですということを書いてあるんだと思うんですが、具体的にこういう分野の人たちと我々IT側としてはやっていくと課題が解決できると思うというようなメッセージを、こちら側から発信していくような、できれば具体的に幾つか例などを挙げて発信していくような姿勢をもっと打ち出してもいいんじゃないかなと思います。医療の問題にしても、エネルギーの問題にしても、我々どちらかというと受け身で、お医者さんから聞くとか、地球科学の科学者から聞くという感じですが、IT独自の課題というのが、地震のときとか、本当に顕著だと思います。シミュレーション技術がないだけじゃなくて、私が聞いたところでは、海上保安庁と海側と陸側でシミュレーションがぴたっと海岸線でとまって、そこから先お互い流通がないとか。それは情報技術の問題ではなくて、社会とか政策とかそういうところの人たちと連携しないと解決できない問題だと思います。それは情報技術が使っているから課題になっていることなので、その辺のことを前半のところでもう少しメッセージとして強く出せればいいなと考えます。

 以上です。

【原島主査代理】  ありがとうございました。非常に重要なことで、課題を待っているとだんだん自分中心になっちゃう。むしろ積極的に、こちらからこれが課題だというのを出していくべきだという御意見かと思いますが……。確かに、今回の震災でもITというものが、その1つの役割としてコミュニケーションということであるならば、いわゆる風評被害みたいなこと、これだけITが進歩しなければ起こらなかったこともあるし、また、ITが進歩したからこそよかったというところもあるし、かなりITの進歩によって世の中のシステムそのものが変わってきている。それに対して将来へ向けたときにどうあるべきかという、そういうようなこともあるわけですね。恐らくそれを書くとすれば、1のところかなという気もしますが、その点に関して、何かご意見、先生方、ございますでしょうか。どうぞ。

【國井委員】  今のお話で、ITを使うことから来る課題という観点ですとデジタルデバイドの話が非常に大きいと思うんですね。あとプライバシーの問題とかもあるんですけれど、そういう観点では確かにポイントは余り書かれてはいないように思います。

【原島主査代理】  むしろ場合によっては後半の方にプライバシーの問題が書いてあるんですけれども……。

【國井委員】  プライバシーは書いてありますね。デジタルデバイドは……。

【原島主査代理】  それをむしろ前の方に持ってきた方がクローズアップされるというのはありますね。

【中小路委員】  よろしいですか。プライバシーの問題に関しても、プライバシーを守ることが重要だという軸で我々は動きがちだと思うんですが、フェイスブックなんか見ているとどんどん知らせたくなるような動きもあって、そもそもプライバシーをどうしたいかという軸そのものがよくわからないんです。ですから、プライバシーをどうしたいのよというところがまさに課題で、それをどうしたいかそのものを考えるところが、どういうふうに見せるかだけで急に教えたくなったり、教えたくなくなったり、本当にちょっとしたビジュアリゼーションの1つで人間の心理が変わるのはいろいろわかってきておりまして、そういう意味でプライバシーの高度化というふうに、軸がまるであるかのようにしゃべってしまうと、問題が解決できないような時代ですので、何かそのあたりをうまくニュアンス的に入れられればというふうに私は思います。

【原島主査代理】  似たようなところに、コンテンツの著作権の問題もありますね。

【中小路委員】  そうですね。

【原島主査代理】  まさに同じような、著作権を守ることだけがいいのではなくて、むしろその逆がこれからの重要なこともあると。

 ほかにいかがでございましょうか。

【喜連川科学官】  この文書もかなり大部になりましたので、全部をうまく一度に見渡すのが難しくなってきているところがありまして、私もずっと見ていましたら、制度というのが陽に指摘されているのは、(2)の医療・健康のところだけになっています。今、中小路先生がおっしゃられたように、もうちょっと全体に入れるような指摘をどこかに書いた方がいいと思います。細やかに見て、いろいろなアングルでみんなの目で見ないと、漏れが出てしまうと思います。大変良い御指摘を頂いたかと存じます。ITにとってレギュレーションが一番バリアになってきまして、先ほどの震災の風評被害の件もありますけれども、ちょっと前ですと、尖閣の映像流出の問題をどうとらえるのかは、ソーシャルメディアの根幹にかかわるような問題を投げかけたような気が致します。従いまして、そういう問題をちょっと幅広に入れた方がいいのかなという気が私もいたします。

 今、ITメディアは、フェイスブックも含めたものが(4)の国民生活のところに伝統文化、文化遺産及びITメディアのところに位置づけられておりますが、もうちょっと大きなくくりに出した方がいいのかもしれないなという気がしました。

 また、國井先生御指摘のデバイドといいますか、インクルージョンの問題ですね。これは全然次元が違う、大きな課題ですので、それも別に切り出す工夫をした方がいいかなという気がいたしました。

 以上でございます。

【原島主査代理】  ほかに別の観点からでも結構でございますが、いかがでございましょうか。

【石塚委員】  別の観点というか、15ページに赤字で書いてあるところは私がコメントさせていただいたところです。全体的に必要技術はよくまとめられていると思いますが、強いIT技術をつくっていくために今グローバル社会の中で日本内だけで強くなっても効果が薄いので、グローバルに通用する技術にならなくてはならない。必要技術を日本でつくったとしても、特にソフトウェアとか情報サービスはアメリカが圧倒的に強いわけであり、あちらがより一般的で普遍的に通用するような技術をつくれば、日本はそこに埋没してしまうわけです。それで、特に応用的な技術を中心に必要性を述べているように思うのですが、フェイスブックにしてもツイッターにしても、プラットフォームというか、情報流通や共有とか、それを構造化するとか、プラットフォームを支配しないとなかなか強くなれない。世界的にもグローバルにも強い技術にならないわけです。ここにまとめていただいているのですが、何を日本の強い情報技術にしていくかというグローバルな戦略性がこれだけでは見えにくい。企業ですと、コアコンピタンスをどこに置くかということで、大事な技術ではあっても、相手の方が強いからそこはやらないという選択もあるわけです。国と企業とは違うのですけど、国も国際化の中で、だんだん企業的な戦略性に近いことを考慮しなければいけないようになっていると思うわけです。そういう視点が大分不足しているなというのでコメントさせていただいたのですけど、それで本来ならこういう必要性のある技術とともに、戦略性を持った技術を10%とか20%くらい含めて、アメリカが余りやっていないようなところを日本が特徴を出してやっていくみたいなのが本来あってもいいかなと、私自身は思っています。しかし、何を戦略にするかというのは、もっと議論しないと出てこないので、今後に向けての課題で仕方ないかもしれません。全体的に拝見したとき、感じたことをコメントとして書かせていただきました。

【原島主査代理】  非常に重要な御指摘で、今後に向けてのところだと(3)というだけでタイトルも何もないんですね。やはり読まれる方、タイトルしか読まないという方は結構おられますので、重要なことはきちんとタイトルをつけて、まとめた方がいいのかなという気がしますね。かつ、ここがいいのか、あるいは先ほど来頂いている議論と一緒にして何か1つのまとまりのあるものをしていくという、そういう考え方もあるのかなという気がいたします。何か、どうぞ。

【岩本情報課長】  産業競争力の強化というか、国際的な競争力の強化、どこにどう位置づければいいのかなというふうにずっと悩んではいたんですけれども、もしあえて書くのであれば、国民生活の豊かさと向上という中の(4)の中に書くということも1つ選択肢としてあるのかなと思っておりますけれども、なおまた……。

【原島主査代理】  国民生活の豊かさというのは何でも入ってしまいますので、かえって何かちょっと……。国民生活のところはかなり広いので、全部入れてしまうとメッセージ性がなくなってしまいますよね。そういうIT絡みのことはきちんとITとしてまとめた方がいいのかなという、個人的には気がいたします。

【岩本情報課長】  そこはまた恐らく6つ目とか、7つ目の項目を立てた方が整理しやすいのかもしれません。そういう方向で検討してみたいと思います。

【原島主査代理】  よろしいでしょうか。場合によってはまたもとに戻るということで、次の4ページから具体的課題の解決に向けてということで、委員の先生方から頂いたものを位置づけてまとめるということをしていただいております。

 2の具体的課題の解決に向けてということで先生方の御意見が入っていますが、これは一つ一つやっても時間がかかりますので、お気づきになった点を挙げていただければと思いますが、いかがでございましょうか。まず基本的に四角の括弧で囲ってある部分、私は非常にわかりやすくていいことではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、お気づきになった点、御意見をいただければと思います。先生方の御意見を頂いたものですので、もう少し自分のところを多く書いてもらいたかったとか、あるとは思いますが。大きなところで1つは、インターフェイスのところをどこに置くかというのがございましたね。もともとは豊かで質の高い国民生活の中に入っていたんだけれども、今回の地震に即して安全安心のためにはインターフェイスは重要だということをかなり文章の中でも強調されているので、外に対して訴えるためにも、そこに置き、もともとあったところは再掲という形の方がいいのではないか、そういう案でございます。内容、文章を見ますと、最初に書く、置く場所としてはこの原案の形で災害等に強いという方がいいのかなという気はいたしますけれども、よろしゅうございましょうか。

【國井委員】  災害に関して今回問題になったのはいろいろなものがデータ統合されていないという点もあったんですけど、そういう話は余り出てこないんですが、よろしいんでしょうか。

【原島主査代理】  8ページ目のマル3がそれに近い内容なのかな。「災害時及び」……。要するに、「今回の震災では広域な範囲に被害が及び」云々で、「状況を十分に集約・整理できず」云々、「災害時及び災害後の広範囲かつ多岐にわたるリアルタイム情報を集約整理し、状況の変化を」云々、「できるような仕組みが大切である」みたいな話では不十分。

【國井委員】  確かにそれは言えるのですけれど、もっとストレートに書いてもいいと思います。

【岩本情報課長】  もう少しクリアに。

【原島主査代理】  そうですね。

【岩本情報課長】  こういうところが問題であるというところを意識した書き方にさせていただければと思います。

【原島主査代理】  確かにきょう御紹介いただいた中に科学技術・学術審議会の決定の方で、大震災を踏まえた検討の視点という資料1がありますが、これはある意味では、今科学技術不信というのがある。それに対してきちんとこたえていかなければいけない。それに対する回答、方策を述べておいてほしい。そういう話だと思いますが、今のような話もまさにそういうことなわけですね。世の中、そういうふうに思っているのに、それについてどこにもちゃんと書いてないじゃないか、そういう意識を持ってないのかということにならないようにということかと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。

【中小路委員】  同じ話題ばかりになりますが、今のお話も省庁の壁を超えるとか、市町村の壁を超えるというところがものすごく大変で、その上でフォーマットをどう変換するかとか、リアルタイムで──だから、日ごろのアイデンティティーを保ちつつ、緊急時にだっとつなげるというスイッチしたいところがあって、そういうところは、政策論をやっている人たちとか、組織論をやっている人たちとか、そういうことを研究されている人たちも一緒にするということで課題解決型になるような感じがするんですけれども。

【原島主査代理】  この大震災の方に科学技術・学術の国際連携と自然科学者と人文社会科学者の連携の促進には十分配慮することとすると書いてあるけれども、官庁間の連携はもっと重要じゃないかという話かと思いますが。

【中小路委員】  そうですね。

【岩本情報課長】  今、ちょうど目的解決型のIT統合基盤技術の構築ということで、フィージビリティースタディーをやっています。NIIの坂内所長のもとで関係されている先生もこの席におられますけれども、議論している中で、防災に関連しての情報の集約というのがなかなかうまくいっていない部分があるということで、もともと各省庁がそれぞれインフラにセンサーネットワークを張ったりとか、いろいろなネットワークで情報を持っているんだけれども、全然統合されていないという現状があるだろうと。その一方で、ITSとか、自動車の自動的に所在情報とか、いろいろなものがわかるシステムが機能したとか、いわゆるモバイルで持っている情報集約をもっとうまく活用できるのではないかということもありますし、あるいはツイッターとかいろいろなところでも誤報もございますけれども、いろいろな情報が流れているということで、少し情報集約整理のシステムを、単にこれまでの官のそれぞれの省庁をドメインとしたようなシステムを脱却するようなことを考えなければなりません。先日、田中先生からも、アメリカの方でもセプテンバー・イレブン以降、そういうふうなシステムに変えてきているというお話も頂いておりまして、その辺を今フィージビリティースタディーの中で整理はしているんですけれども、恐らくそういうことがクリアにできればよいと思います。

【原島主査代理】  そういうことですね。ある意味では、広い意味での行政のIT化ということの本質は一体何なのかということに通ずるわけですね。

【喜連川科学官】  多分この資料ですと、2ページのA)というところが情報の収集、集約、管理、流通、共有、分析になっていますが、なぜか統合だけが抜けております。気持ち的には多様な情報を集めて管理して、分析することが最も大事だという意識が、一番最初の課題として出てきてはおります。文章がちょっと多くなったのでいろいろなところに出てきているのがわかりづらくなっているのかもしれないです。

 それから、省庁間云々という話がありますけれども、なかなかそういうことの問題を指摘することは難しく、企業でも大きな企業になりますとほとんどがサイロになっていますし、大学も情報統合など全くと言って良いほどなされておりません。これは組織論の問題です。それらの話を、先生おっしゃるようにどんどん入れていきますと、かえってだんだん情報色が薄まってゆく気がします。

【中小路委員】  そうです。だから、そこが情報の抱える多分致命的に悲しい定めだと思うんですが、ただ、文系の方たちは情報系のことを余り御存じないじゃないですか。何ができるけど、してないことなのか。例えば現在、認知科学、社会科学系の方はツイッターの分析はいっぱいされているんですが、何もツイッターに限らず、いろいろなフォームがあるので、もっといろいろつくってみて、実験とかすればいいのにと思うんですが、ツイッターがあるからそれを分析されているんですね。

 そういう情報系の人たちから課題を挙げるようなことをしないと、どうも仕えるというか、奉仕するような技術ばかりになっているような気がして……。

【喜連川科学官】  その論点は先ほど一応全員、アグリーされたと。

【中小路委員】  省庁を超えることに関しては、組織論の人を研究者として加えるということを言っているんですね。省庁を超えてやれと言っているんじゃなくて、文部科学省が管轄している科学技術研究として、組織論の人が研究すればいいと。ITの人と一緒に。それは組織を超えてやろうと言っていることとはちょっと違うと思うんですが。

【喜連川科学官】  ですから、第4期に入りまして、人文社会学自身が科学技術の一部であるというふうに基本計画自身を大きく変えている経緯がありますので、先生も御存じのように。したがいまして、論理的にはそういうことが今後すごく活性化されていくと思います。ただ、管理とか、経営工学みたいなところが、一番デザインの難しいところなので、そういうのをどこか1個、余りその他というと各論みたいですけれども、何かそういうのをちょっと入れた方がいいのかもしれないですね。

【岩本情報課長】  今お話があった点については文章上工夫してみたいと思います。日ごろ行政の方でもそういうふうな問題意識を強く持っていまして、課題解決型というときにどうしてもそういうふうなフィードバックしていく社会の方のシステムがどうなっているか、どういうふうに機能していくのかということを詰めていかないといけないということで、実は先ほど申し上げたフィージビリティースタディーにおいても同じようなことで、そういうふうな観点が是非必要だと思っていますので、ちょっと工夫したいと思います。全体に柱を立てるということにならないと思うんですけれども、入れる中で検討したいと思います。

【原島主査代理】  どうぞ。

【田中委員】  今のお話に関連して、私が経験したことでお話しさせていただくと、EUのがんの治験関係のプロジェクトで、要は個人が特定できるようなデータというのは流せられないので、アノニマスにするんですが、それにしちゃうと、今度は、関連する情報がつながらないので、アノニマスではなく、シグナルワイズという、シュードアノニマイズというやり方をするんですね。それをシグナルワイズと言っているんですが、ところが、これは法律的には駄目なんです。ですから、完全にそこをサンドボックス化しないと駄目なんですね。外に出ないように。ところが、これは情報システムとしてそれをどう実現するかというときに、法律家が加わらないとシステム設計ができないんです。

 ですから、そういうことというのは、社会基盤的な情報システムになってくると随分必要になってくるような気がするんですね。ですから、そういう組織論とか、法律とか、そういうような方々との共同でそういうシステム設計をするということが、これから非常に重要になるんじゃないかなというふうには思います。

【原島主査代理】  何かうまくまとめて……。

【岩本情報課長】  課題解決型で対応していくこととの留意点というか、例えば人文社会系の方ともう少し連携しなければならないとか、IT技術を応用していく社会のセクターの方とも連携をあらかじめ図っておく必要があるとか、制度論との関係が問題になってくるとか、そういったところを少し、(1)(2)(3)のどれにも入らないんですけれども、そういう章立てをするとか、少し検討したいと思います。

【原島主査代理】  ほかにいかがでございましょうか。

【石塚委員】  課題解決とは全く違う方向で申し訳ないのですけれども、情報というか、ネットワークのメディアの関係はいろいろ新しくなってきているわけです。特にアメリカとかでは、ベンチャーとかで新しいプラットフォームが出てきているわけです。日本は大きな企業は余裕がなくなってきて、あんまりチャレンジをしなくなってきている。チャレンジはしなければいけないのですけど、どうやってチャレンジするかというと、失っても何も困らない学生が何か新しいことをやり、うまくいったら育つみたいな環境をつくるのが有力になる。アメリカはベンチャーキャピタリストとかの構造がある程度うまくいって、ああいうふうになっているというのがあるが、日本ではなかなかそういうところがうまくいっていない。東大の学生なんかも新しいことをやって、結構ベンチャー企業とかつくったりしているのですけれども、スケールアウトしないのです。世界に出ていくレベルにはなかなかいかない。そういう状況で、課題解決とは別の方向なのですけど、学生が新しいインタネットメディアとか何かをやり、それがスケールアウトするような環境をつくっていくのが、日本の情報を強くする1つの方向ではないかと思うわけです。それで、私は前回も、大学でクラウドのような環境を学生が自由に使えるようにするのが大事じゃないかとか言ったわけです。それをどう入れ込むかわからないですけど、若い学生にチャレンジする環境を与え、それがある程度スケールアウトする程度までの環境をつくるというのが何かできたらいいなと思っています。全然方向が違って申し訳ないです。

【原島主査代理】  恐らくそれをするとしたら、高度な科学技術基盤で、マル1の中にクラウドというのはいろいろな意味があるわけですけれども、そこにもう少し明確に今のことを記していくというのもあるのかなという。

【石塚委員】  そうですね。

【喜連川科学官】  ですから、学生云々のことはさすがにちょっと書きづらいと思うんですけれども、クラウドの実装は喫緊の課題と言えるというのは、そういうもののプラットフォームを文部科学省が用意しましょうというようなイメージ感で入れている。

【原島主査代理】  まさにそれが新たな情報分野での基盤にもなっている。研究基盤にもなっている、そういう話ですね。

【喜連川科学官】  はい。ここでは、ですから、データ・インテンシブ・アプリということで、京が科学技術計算で一番をとったわけですけれども、そういうものとはちょっと違う、石塚先生が常日ごろから何度も御指摘いただいているような基盤がより広く、多くの大学には利用可能になっておりますので、そういうポテンシャルを持っていますので、そういうものを是非つくるべきであるというような、そんなイメージです。

【原島主査代理】  ほかにいかがでございましょうか。どうぞ。

【國井委員】  11ページの箱の中ですけれど、高度な科学技術基盤の中で、下の方にソフトウェアに対する信頼性の問題が指摘されています。それはそうだと思うんですけれども、後ろの今後の話でも出てくるのですけれど、国際競争力という観点だと生産性が日本は非常に低い。単純な、ソース・コード開発についての生産性、1ラインあたりの開発にどれだけの時間がかかるとかという話ではないのですけれど、トータルなシステムとして見たときの生産性、これは上流工程の要求開発がうまくいってないとかということも含めて、生産性が低い。これが日本の情報産業がなかなかグローバルにならないという問題との1つなんです。

 もう一つは、国際競争力がないのは人材育成の問題があります。インドだと、大学を出てきてすぐに使えるけれど、日本だと数年たたないと同じレベルにならないとかということで、教育上の課題、カリキュラム等々の問題もあると思うのですけれど。信頼性とだけ書くと不十分で、生産性もどこかに入れていただかないと断片的になります。後ろの方には出ていたところがあるのですけれど。

【原島主査代理】  そうですね。入れるとしたらマル5のところかな。この中にはいろいろ製造業一般に国際競争力云々というキーワードも入っていますから、その中にそういう生産性という、特にソフトウェアの。というようなこと。13ページのマル5ですね。13ページのマル5のところ、国際競争力につながるソフトウェア開発プロセスの抜本的見直しという中で記述を強化していただくということかなというふうに思います。

 どうぞ。私、この列、なかなかよく見えないところがあって、右と左ばかり見えますので。そこの人は大きく手を挙げていただければと思いますが。どうぞ。

【笠原委員】  全体的なことなんですけど、今までの御議論の中でも人材育成とか、産業界との連携ということが必要だというのが共通認識かなと思うんですけど、ここの中に全体のまとめとしてその辺のことがうまく表現されていないかなと。技術的な課題というのは出ているんですけど、それを解決するときに人材育成も一緒に行っていくこと。長期の競争力強化のために人材育成が必要なので、人材育成を行うということと、産学連携の強化というのもうたっておいていただくといいじゃないかなというふうに思います。

【原島主査代理】  ほかにいかがでございましょうか。

【喜連川科学官】  なかなか、所掌上、研究振興局なものですので、人材育成というのはちょっと違うテンションかと。

【笠原委員】  多分、結局、科学技術を伸ばしていくときに、次に続く人材を一緒に育てていかなければいけないので、最先端な研究を行う過程で、大学院生などを含めた若手の人材を育てていくというのは、一緒にやらなければいけないことなんじゃないかなと思うんです。やはり切り離せないことなので、最先端研究の中に、若手人材育成の観点を入れておく必要があるのではないかなと思うのですが。

【喜連川科学官】  そこの持っていき方は少し工夫をした方がよくて、原則、文部科学省の中のサイエンスも、結局全体すべて、最終的には人材育成になります。何をやっても最後は人材育成が指摘されますので、よほど情報分野プロパーの、先ほど國井先生が御指摘のような中国のソフトウェアスクールみたいなものをつくるとか、何かちょっと特殊なことを言わないと。一般的な人材育成は目立たないものになってしまいます。

【原島主査代理】  その意味では、ここでは15ページの一番上のところの、今後に向けてですが、(2)のところに人材育成というキーワードがあるのですが、人材育成が大切であるという、直接それを言うのではなくて、読み上げますと、要するに「若手のポテンシャルを有する研究者の幅広い方面からの積極的参画を促し、アクティビティの高い研究活動と優れた研究成果を目指すような人材育成機能も併せ持つ研究プロジェクトは極めて有意義」とかで、やはり研究プロジェクトという、ここでまとめているわけです。やはりこれ、苦労されているところだと思うんですが、そういう中で、場合によっては産学連携も含めた形で、そのような研究プロジェクトが重要で、そういう研究プロジェクトは単に研究成果を出すだけではなくて、それを通じて人材育成を行うという、そういうことで、うまく表現されているなと改めて思ったのですが。

【喜連川科学官】  甘い言葉になるといけないのですが、現在、文部科学省の内局系のプロジェクトというのは、全部、何人人材育成をしたかというのを報告するのがマストになっていまして、かなり努力してきているのが実情です。ですから多分、それよりもモアというのを何か書かないといけないと思います。それが先ほど石塚先生がおっしゃっているような、もうちょっとアバウト感のあるというか、そういう表現をどう入れるかが重要かもしれません。

【原島主査代理】  この最後の15ページも、今後に向けても含めて、いろいろ全体として御意見をいただければと思います。どうですか。

【美濃委員】  ちょっとわかりにくいなと思って、何でだろうというのはなかなかわからなかったのですが、この2番の、情報科学技術に、この5個ともやる革新の基本的な方向性で、これ、観点、ポイントと書いてAからGまで並んでいますよね。けれど、AからEぐらいまでの違いがよくわからないんです。

 だからこれ、観点なのか、先ほどの話じゃないけれど、これ、情報技術からいう課題が書いてあるような感じもするんです。

 だから、2でGというのは、多分これ、横軸のつもりで書かれて、それを縦軸と合わせて何かやろうというふうに。喜連川さんの意図はきっとそうかなと思って見ていたのですが、これ、横軸になっているのかなと。つまり、例えば、何かそのままそっくり、この課題の1のところにぽっとそのまま同じような記述が入っているようなところがたくさんあって、どうも縦と横にきれいに整理できていないんじゃないかという。それがわかりにくい原因で、同じことが書いてあるなという気がすごくするんですよね。

 だから、Aから、例えばこの観点はもっと要素技術的にやっちゃって、それをもうちょっと、この分野ではこの要素とこの要素を使ってこうするんだとかいう、そういう話にする方がすごくわかりやすくなるかなという気がしまして。

 どうもこのABCDEというあたりが、確かにこういうことをしなきゃいけないというのはよくわかるのですが、何か情報技術からいう課題になっていて、この課題を解決したらここでいうこっちの課題が解決できるとかいうような、そういうストーリーになっているのかなと。ちょっとそのあたりが気になって。

 わかりやすくするのだったら、要素技術を、情報技術としてやらなきゃいけない、もうちょっと横ぐしの課題みたいな形でまとめないと、システムの課題みたいな形。システムがポイントだというふうになっているので、そのあたり、何かちょっと考えていただけたらわかりやすくなるかなという感想を持ちました。

【原島主査代理】  この点について、いかがですか。

 実はかなり、私から見ると苦労してこういう形にされているような気もしまして。というのは、余りきれいにここを要素技術にして、一方で課題解決の方はシステム技術であるというふうに、きれいに整理すると、かえって何かメッセージ性がなくなってしまうんじゃないのかなという気もするんです。

 恐らく、ある意味で上から与えられた視点というものでまとめなければいけないんだけれども、自分たちの方の視点でやはり書く場所が欲しい。しかし、必ず重要な課題の解決に向けて期待されるポイントはこうであるという言い方は、やはりしなければいけない。何かそういう苦労のあとが、ちょっと私から見ると見えるので。

 それは御検討いただければ。こういう御意見があったということで。確かに、わかりやすくするためには重要なことなので、御検討いただければと思います。

 ほかにいかがでございましょうか。

 あと、非常に細かいことですが、先ほど科学官の方からありましたが、文化というところに、伝統文化及び文化遺産並びにITメディア保存というのが入っていますが、このITメディアの話は、やはり先ほどあったようにまとめてここから除いた方が、伝統文化と文化遺産とITメディア保存を同列に考えているのかというふうに言われてしまいますので。ここはやはり、ちゃんとそういう文化というものをITの人たちは大切にしているよというメッセージを出した方がいいんじゃないかという気がいたします。

 ほかにいかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。

【中小路委員】  すごく細かい、小さなことですが、「by IT」と「of IT」という言葉は、ディスカッションのときにはすごく短く言えて、何となく感じがわかってすごくよいと思うのですが、文書として出していくときには、何かきっちりした日本語で置きかえた方が、混乱というかあいまい性が少なく伝わっていいんじゃないかなと思います。それでなくてもITの人は横文字ばかり使ってと思われているので。

【原島主査代理】  これは外で使われている、内側で使われている、どっちでしたっけ。

【岩本情報課長】  恐らく普通の人にはわからないと思うのですが。私も就任しましたときには何を言っているのかわかりづらいと感じておりました。だんだん長くやっているとわかってくるのですが。

 どうでしょうか、喜連川先生。

【喜連川科学官】  これは、震災の前に、グリーンが重要だというのが京都プロトコルから出てきまして、実はそのof、byの前に「グリーン」がついています。「グリーン by IT」というのと「グリーン of IT」という政策がございまして、そのグリーンをやるときに、コンピュータやデータセンター自身を省電力化しましょうという話と、そうではなくて社会プロセス自身を情報技術を使ってもっと効率化するというofとbyの2つの見方があります。

 そこには、実はグリーンでなくてもいろいろなところで使えるものですから、こういう言い方を多くの方がされるようになったという経緯があります。「of IT」、「by IT」はしたがいまして、グリーンはアメリカとのグリーングリッドとの協議会のようなものもありますので、早々ローカルな言葉ではない使われ方はしております。

【原島主査代理】  若干説明を入れて、ちょっと説明を入れてから「by IT」というふうに使いだすといいかもしれませんね。最初から「by IT」、「of IT」というふうに言ってしまっているので、なれていない方は「これは何だ」ということになる。

【中小路委員】  そうですね。私、今、日本語に直してみようと思ったんですが直せなかった。つまり、「情報技術による何とか」なのですが、「何とか」というのをどう言うんだろうと。で、今お伺いして、「グリーン」がもともとあったというのがわかったのですが、なくなったときに、そこに一体何という単語を。人々の生活 by ITなのか、国力の向上なのかという。そこがふわっとしてしまっているのかなと思います。

【喜連川科学官】  えん曲な表現です。

【原島主査代理】  よろしく御検討いただければと思います。

 ちなみに、ICTではなくてやはりITなんですね。

【岩本情報課長】  そこら辺もちょっと悩みましてですね。どちらがよろしいか。それはちょっと、御示唆いただければありがたいのですが。

【喜連川科学官】  これは経産省が引っ張りましたのでITになっています。総務省がオリジンじゃなかったわけです。

【原島主査代理】  わかりました。よろしゅうございましょうか。

【喜連川科学官】  1つだけ。このスパコンの方も今、議論を開始してよろしいでしょうか。

 今回の国家基幹技術で、「京」が世界一をとって本当によかったというふうに、国民はみんな思っているんじゃないかなと思います。一方、産業応用もいろいろある中で、文部科学省だけがスパコンをどう支えていくのかといいますか、情報課が支えていくのかという問題が重要でその議論がなされつつあるのかどうかをお伺いしたいと思います。

 今後の日本の施策という観点では、1,200億円という大規模な予算ですので、情報課というよりは文部科学省全体あるいは経済産業省あるいは他の省庁との連携による開発が、本来、ステークホルダーを増やすという意味でも良いのではないかと思うのですが、ちょっとその状況をお伺いさせてください。

【井上計算科学技術推進室長】  今、検討の方向性は、このHPCで何を解決していくかというところにまず視点を置いて、その上でどのようなシステムにしていくかということをこれからより具体的に考えましょうということですが、そのシステムの形によっては、今後の進め方において関係省庁あるいは文科省の中でも情報課以外のところが入ってくることも視野に入れております。具体的にどのようにかかわってくるかということは、これからの具体的なシステムの構築の検討によって、いろいろな考え方が出てき得ると思っております。

【喜連川科学官】  それで、今回、ページ数が振っていないのでよくわからないのですが、今後の取り組み(1)ということで、取り組みの基本的な考え方、まず社会的・科学的課題をいかに解決するかという視点に立ち、どのようなHPC技術が必要かを考えるというアプローチを取ると書いてあるのですが、これを書くということは、今の「京」を開発するときは、このプロセスがなかったということですか。

【井上計算科学技術推進室長】  「京」のときは平成18年に立ち上がる前に、情報科学技術委員会のもとのワークショップ、ワーキンググループのときから議論はしていただいておりましたが、その10ペタフロップス超級の計算能力というものが最終的には1つの目標になったわけですが、そこに至るまでにどのような利用が考えられるかという議論がございまして、それをもとに最終的には共用法の枠組みのもとで、皆さんに使っていただくという研究施設としての計画として立ち上がりましたけれども、利用面からも検討もなされておりました。

【喜連川科学官】  ですから、多分ここがすごく誤解を与える可能性があるなという気がしましたもので、あえてそう申し上げたつもりだったのですが。

 共用法で、非常に大きなものをつくるわけでございますので、そもそも何をというターゲットの議論なしに1,000億円を投ずるということは論理的にはあり得ない話になってくるんじゃないかというのが1つと、今、前半のところでの御回答で、それを進めていく上で、要するにどの課題をターゲットにするかという議論があったかと思うのですが、これだけのものを1つの単発のアプリで使うというのは、もはやあり得ないところなので、逆にもっと風通しをよくしながら御検討いただくのが、情報分野にとっても日本にとってもいいことじゃないかなという気がいたします。

【井上計算科学技術推進室長】  はい。

【原島主査代理】  よろしいでしょうか。

【國井委員】  今の話なのですが、私そもそも余り最初のころの議論を知らないのですが、ハイパフォーマンスはいいのですが、分散型か集中型という、アーキテクチャの観点から言えば、産業界は分散型の方がコストパフォーマンスはいいだろうと思っている人たちの方が多いと思います。そういう議論というのは余りないんですか。

【岩本情報課長】  最初、今、先生のおっしゃったことですと、例えば次世代スパコン計画ということで進んできたんです。トップマシンでリーディングマシンをつくるということで。それで、その議論の過程の中で、やはりいろいろなユーザーがいると。いろいろな研究もあるし、使い方もあるということで、国内のHPCI政策ということで、「京」だけじゃなくて、いわゆる大学の基盤センターのスパコンだとか、附置研で持っているもの、独法が持っているもの、様々ございますので、そういうものをある程度協調させて利用していくと。利用しやすいところで利用していくと。よくオンリーワンと言いますが、それぞれのユーザーが具体的な成果をどう出していくのかということが一番重要なのであって、そのために必要な整備をしていくということも、ユーザー側の視点からいくと必要なんじゃないかということで、今、進めています。

 そういうことで進めているということを御理解いただければと思います。

 だから、必ずしもトップマシンのことだけを考えているわけじゃないと。ただ、トップマシンが必要だということに関しては理論的に整理していく必要がありますけれども。

 HPCI政策全体で考えたときには、当然そこだけじゃなくて、それぞれのスパコンとか、どのレベルでのスパコンだとか、そういうことに関してトータルで考えていくということが欠かせないと思っております。

 これは実は、ここでの検討はあくまで、今後、今はHPCI体制というのをつくるということで、非常に努力しておりますが、その上に立って、更に技術進展も早いものですから、今後どんな技術というのが更に求められていくのかという技術的な点で議論していこうということで、そのためには多分アプリケーションというのが最初にあって、世の中は何を求めているのかと。ただ技術の向上だけを追い求めているのではなくて、何をしてほしいから、何をしなきゃいけないから、どういう性能が必要なのかということから議論していかなければいけない。

 その点をこれから整理していこうということですので、先ほど喜連川さんがおっしゃったように、どういう形でマシンの整備をしていくのかとか、利用体制をつくっていくのか、調達をどうするのかというのは、一切その議論に入っていません。ここの段階においては。

 だから、まずそれを議論する前に、ちゃんとそこのところを本当に技術的にどうなのかということをきちっと整理する必要がある。そういう段階だというふうにお考えいただければと思います。

【原島主査代理】  よろしゅうございましょうか。

 実はこの後に極めて重要な議題がございまして。よろしゅうございましょうか。

 それでは、これからのスケジュール的なことについて、少しお話しいただければと思います。

【岩本情報課長】  次回、7月20日に、いわゆる次の情報科学技術委員会を予定しておりますので、本日、先生方から頂いた御意見や御指導いただいた点をまたドラフトにしまして、次の会議の前に、また先生方に御意見賜ればと思いますので、その上である程度整理しまして、7月20日の段階では、できれば中間まとめとしてまとめていただいて、その後、研究計画評価分科会の方に主査の方から御報告いただくと。それを御報告いただくのは8月になると思いますけれども、一応そのような目算でございます。

 以上でございます。

【原島主査代理】  わかりました。よろしくお願いいたします。

 では、きょうの2番目の議事でございます。Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発の中間報告会に移りたいと思います。

 事務局から、報告会を行うに当たり確認事項があるとのことですので、よろしくお願いいたします。

【後藤情報科学技術研究推進官】  次世代IT基盤構築のための研究開発の中の1つで、平成21年から4年計画で実施しておりますWeb社会分析基盤ソフトウェアの研究開発でございますが、今年がちょうど折り返し地点の平成23年度ということでございまして、今回、中間報告会ということで、これまでの研究開発の成果を御発表いただきたいと思います。

 また、委員の皆様には、本日の報告会に基づいて、中間評価をしていただくことになっておりますが、情報科学技術委員会の親委員会である研究計画評価分科会が定めました「研究計画評価分科会における評価の実施について」という中では、原則として利害関係者には評価を頂かないということになっております。

 詳細につきましては机上配布の2-1をごらんいただきたいと思います。1枚ものの、利害関係者の範囲についてという資料でございます。

 こちらの一番下のところでございますが、網かけになっております、研究計画・評価分科会における評価の実施について、これは一部抜粋したものでございますが、この中をごらんいただければと思います。

 研究計画・評価分科会に属する情報委員会を含めました分野別の委員会では、各課題の趣旨や性格に応じてあらかじめ利害関係となる範囲を明確に定めるということとなっております。

 これに基づきまして、情報委員会における評価の実施に関する利害関係者の範囲といたしましては、机上配布2-1にお示ししたとおりの取扱いとさせていただきたいと考えております。

 これによれば、今回の課題につきましては3名の先生方、安達先生と石塚先生、それから笠原先生が利害関係者に該当されると考えております。

 これにつきましては、該当する委員の先生にあらかじめ御連絡をさせていただいておりまして、御了解を頂いておりますが、このような取扱いとさせていただいてよろしいでしょうか。

【原島主査代理】  今のような取扱いでよろしいでしょうか。よろしければそのように進めさせていただきます。

【後藤情報科学技術研究推進官】  それでは、ただいまから中間報告会を始めさせていただきます。

 まず、本日の中間報告会の進行の仕方について、簡単に御説明させていただきます。

 時間配分は発表が17分、質疑応答8分の計25分となっております。発表の際は制限時間の2分前にベルが1回鳴ります。そして、制限時間になったところでベルが2回鳴って、質疑応答も含めて最終的な終了時に3回目のベルが鳴ることとなっております。

 それから、評価委員の先生におかれましては、席上に配布しております机上配布資料4をごらんいただくと、この評価シートに沿って御記入いただくという形になっております。御記入いただきましたものにつきましては、7月4日、月曜日までに、メールかファックスなどで事務局に御提出をお願いできればと考えております。よろしくお願いします。

 もし、本日この場で記入を終えられた委員がいらっしゃいましたら、お帰りになる際に机の上に置いていただくか、あるいは事務局にお渡しいただくという形でも結構でございますので、よろしくお願いいたします。

 また本日御欠席の委員のうち、評価をいただける方は書面審査にて評価シートを御記入いただく予定となっております。

 頂いた評価シートについては、事務局でこれから取りまとめまして、中間評価結果として次回、7月20日の情報委員会で御審議いただく予定でございます。

 進行方法につきましては以上でございます。

 最後に、評価の具体的な観点についてでございますが、これは参考資料をごらんいただきたいと思います。参考資料2の、平成23年度情報科学技術分野における研究評価計画という資料の中の12ページをごらんいただきたいと思います。別添1と書いておりますが、中間評価の論点ということで5点ほど書いております。

 進捗状況や研究開発結果、実際その研究開発内容が順調に進捗しているかどうかという観点。それから体制。それから成果がしっかりと実用化につながっているかどうか。それから人材の育成。それからその他。この大きく5点について、きょうの説明をベースにして評価をいただければと考えております。

 事務局からの説明は以上でございます。

 それでは、研究代表者である国立情報学研究所の佐藤先生より御報告をお願いいたします。

【佐藤教授】  それでは、「多メディアWeb解析基盤の構築及び社会分析ソフトウェアの開発」という課題について、御説明申し上げたいと思います。

 本課題は、国立情報研究所、東京大学、早稲田大学の3機関での実施となっておりまして、国立情報研究所が代表となっておりますので、私、佐藤真一から御報告申し上げたいと思います。

 本日、このような流れで御報告を申し上げたいと思います。

 まず全体概要について御説明申し上げたいと思いますが、社会学、言語学、リスク管理、マーケティング等の様々な分野において、今、社会で何が起こっているか、あるいはイベントの間にどのような因果関係があるか、あるいは今、何が、なぜ、どのように社会にインパクトを与えているかなどの社会分析に対する要求が非常に高まっております。

 我々の課題では、これをWeb情報に着目をいたしまして、Web情報はすなわち社会の縮図であるというふうに考えられますので、これを子細に解析することによって様々な社会分析ニーズに対応するような社会分析ソフトウェアの研究開発を行う、並びにそれの実証を行うということが目的となっております。

 背景でございますが、そもそもWeb情報は画像や映像等の多メディア化が急速に進んでおりまして、社会をより克明な形で記録し得るようになっている。あるいは人々により強いインパクトを与え得るようになっている。と同時に、Web自体が我々一般の人々にとっても非常に身近になっている。普及が非常に進んでいるということから、実世界との相互の影響が非常に拡大しているという事象がございます。

 これによりまして、事態は非常に複雑化しておりまして、その解析は非常に困難になってきているという問題がございます。

 また、Web情報と放送映像等は非常に密接な相互作用がありまして、その間の相互的な解析も非常も重要になってくると考えられます。

 そこで、我々の研究開発では、課題といたしまして、まず1つ目は、社会分析が可能なような非常に大規模かつ精密な多メディアWebアーカイブの収集・蓄積を行う技術。あるいは多メディアWebのコンテンツの内容を解析する技術。また、放送映像との相互解析を行う技術。加えまして、高並列計算環境下での大容量・高スループットの解析基盤技術。そして、これらを総合しまして、有効な社会解析・分析ソフトウェアの実現並びに実証が課題であるというふうになってございます。

 続きまして進捗状況について御説明申し上げたいと思いますが、そもそもこの課題は4か年計画でございまして、今ちょうど2年が過ぎたところでございます。

 前半の2年間では、多メディアWeb基盤技術並びに多メディアWeb要素技術において必要となるツールの基本設計並びにプロトタイピング、及び、これらの技術の実証を小規模なプロトタイプ実験による検証を行う予定になっておりましたが、これはすべて予定どおりに進行している状況でございます。

 残りの2か年間で、多メディアWeb解析による社会分析の本格的実証アプリケーションを行う予定となっておりまして、この準備がまさに整った状況でございます。

 続きまして、現状までの研究開発成果について、少し詳細に御説明申し上げたいと思います。

 この課題は、4つのサブテーマに分けて実施をしております。1つ目が、多メディアWeb解析要素技術に関する研究。このサブテーマでは、多メディアWebコンテンツを解析するための様々な要素技術について研究開発を行うこととなっております。

 その達成目標でございますが、国際的な競争力を持つような先進的な技術の開発。あるいは社会分析に耐え得るような非常に高精度な解析結果の算出。及び、Webスケールの対象の解析に耐え得るようなスケーラビリディの実現。これらが目標となっております。

 これらに対しまして、現状では既に世界最高水準の性能並びに処理速度を達成しておりまして、また、その先進性においても世界の最先端の国際会議での採択、あるいは学会の受賞等ございまして、既にこれらも実証済みでございます。

 2番目のサブテーマでございますが、多メディアWeb基盤技術に関する研究。こちらの方では、巨大なWebアーカイブ並びに放送映像アーカイブをまずつくること。及び、これらの解析に耐え得るようなスケーラブルな処理を支える処理基盤を実現すること。これが目標となってございます。

 この点に関しましても、既に世界最大級のWeb・放送映像アーカイブを構築済みでございまして、常にこれを更新中でございます。

 また、リアルタイムでツイッターの解析も可能なような処理基盤も実現済みでありまして、この点でも100%目標を達成している状況でございます。

 3番目のサブテーマでございますが、多メディアWeb統合処理に関する研究。これは上の解析要素技術並びに基盤技術を統合しまして、プラットフォーム化いたしまして、実際の社会分析ソフトウェアの構築に資するというようなことを目標としているサブテーマでございまして、これは本年度より実施を開始してございます。

 4番目の、多メディアWeb解析の実証評価に関する研究。これは、実際の社会分析ソフトウェアを実現しまして、本プロジェクトの実証評価を行うというところが目標でございますが、これまでは実現した様々な要素技術、基盤技術の実証のためのプロトタイピングを行った状況でございまして、本年度以降は本格的な実証実験を行っていくという予定でございます。

 それでは、それぞれのサブテーマについて、時間の都合もございますので簡単に御紹介を申し上げたいと思います。

 まずは、多メディアWeb解析要素技術について御説明申し上げます。

 その1つ目、画像・映像キーワード抽出技術でございますが、これは画像・映像に関して意味分類を行うという技術でございます。例えば、与えられた画像・映像に対して、写っている物体種別、情景種別、あるいは画像・映像の種別などに基づく自動分類を行うという技術でございまして、本研究の目標については必要欠くべからざる技術でございます。

 この技術に関しましては、我々は既に世界最高水準の精度を実現しておりまして、mean average precisionという評価尺度でもって10%という、世界最高水準の精度を達成してございます。

 また、この技術に関しまして、米国の標準技術局NIST主催の映像解析検索の国際的な競争型ワークショップであるTRECVIDに参加してございまして、過去、これで世界第2位の精度を達成したこともございます。また近年は、大体世界70チームぐらい参加しているのですが、大体10位以内の精度を達成しておりまして、世界最高水準であると自負しております。

 あるいは、関連する技術についての最先端の研究成果におきましては、コンピュータービジョンの最高峰の国際会議ICCVへの採択が決まっておりまして、その先進性も国内外で広く認められているところでございます。

 続きまして、画像・映像キーワード抽出。これの、特に我々は画像・映像中の顔情報の重要性に着目をしておりまして、顔の検出・追跡並びに顔の照合技術についても着目をしてございます。

 これに関しましては、我々は精度で言いますと90%以上を達成している、世界最高水準の顔検出技術、あるいは映像について非常にロバストな顔の追跡技術、あとは局所特徴量に基づく非常に高精度な顔照合技術を有しておりまして、これらの技術を用いまして、TRECVIDのインスタンスサーチというタスクに挑戦をしてございます。

 このタスクは、映像中から特定物体あるいは特定人物を検索するというタスクでございますが、昨年、このタスクにおいて、我々は世界第1位の性能を達成してございます。これは特に、映像中の顔の検出・追跡・照合技術について、ほかを圧倒した結果でございます。

 あとは、これの実験としまして、NHKニュース映像10年分から6,000万顔画像、140人分の顔データベースを構築いたしまして、それとWeb上の顔画像との照合、あるいは放送映像中の顔の出現時間の累計あるいは言及数を解析することによって、本技術も実用性を確認してございます。

 次に、画像・映像リンケージ技術でございますが、これはWeb上の画像、あるいは放送映像中の視覚情報との照合を行う技術でございまして、言うならば映像コピー検出技術でございます。

 これによりまして、Web上の画像と放送映像中との非常に密な関連性が発見できる。1つの例としまして、ブログ上の画像にも非常に多く放送映像中からキャプチャしたような画像がございまして、これがうまく検出できることによって、それらの間の非常に深い因果関係が検出できるのではないかと考えております。

 我々の方法は局所特徴量に基づく手法であり、独特の画像特徴表現を用いておりまして、かつ空間的配置を考慮したハッシュによる非常に高速な照合が可能な技術でございまして、これもTRECVIDの映像コピー検出タスクに挑戦をいたしておりまして、NDCRという尺度でもって0.4程度という世界最高水準の精度、かつ380時間分の映像データベースに対する照合時間10秒という世界最高速度を達成してございます。

 次に、コマーシャル映像に関してですが、マーケティング分析あるいは消費者の購買行動解析などにおいて、放送映像中のコマーシャル映像の放送の分布の解析というのは非常に重要なツールであると考えております。

 そこで我々は、この画像・映像リンケージ技術をコマーシャル映像向けに極度に高速化をいたしまして、映像アーカイブ中からすべてのコマーシャル映像を検出し同定する技術を実現してございます。

 我々の技術では、検出適合率は93.9%、検出再現率99.5%という非常に高精度でありながら、世界最高速の処理を実現してございます。

 特に、1か月分、720時間分の映像からすべてのコマーシャルを検出し同定するのに約1時間以内で済むという高速な処理となってございます。

 次に、多次元解析高速化技術。これはWeb等の解析の高速化のための技術でございます。1つ目、LittleWebと呼んでいる技術でございますが、これはWebのリンク構造を独自の非常に圧縮した情報表現に変換することによって、情報量を圧縮しつつ、その処理も非常に高速化しようという技術でございます。例といたしまして、非常によく知られているページランクの算出においては、実際解析時間の67%の削減に成功してございます。

 また、多メディア情報の扱いが我々のテーマでは非常に肝となってございますが、多メディア情報はそもそも多次元データとして表現されるものでございます。

 そこで、この多次元データの高速類似度探索の実現は非常に重要な技術となってございます。これに関しまして、我々はResizable LSHという技術を開発してございまして、これは既存のLSHという非常によく知られた手法に比べますと1000倍の高速化を達成してございまして、非常に有望な技術を有している状況でございます。

 続きまして、Web上のテキスト情報、これももちろん非常に重要な情報でございます。ただし、Webスケールにこうした技術を適用するためには、大幅な高速化が必要でございます。また、自然言語処理の中でも、我々はまず固有表現の抽出という技術に着目をしました。固有表現とは人物名や製品名など、あるいは新語と呼ばれる単語を抽出する技術でございまして、これを縮退ラティスによる探索空間の枝刈りという手法によりまして、メモリ効率を保持しながら、従来より300倍の高速化を達成したという技術でございます。

 本成果は、自然言語処理における最高峰の国際会議でありますACLに採択がされているものでございます。

 自然言語処理のより深い解析も必要となってございます。これに関しまして、我々は組合せ組成に基づく分類器の高速学習について取り組んでおります。この組合せ組成に基づく分類ができますと、例えば係り受け関係にあるような文章の分類のような、非常に深い自然言語処理が可能となってございます。

 我々は、これを非常に高速な線形型の学習器と、非常に高精度な多項式の非線形型カーネルを用いた学習器との効果的な連携によりまして、空間効率を保ちながら学習を従来手法に比べて最大250倍高速化するという技術を実現してございます。

 この技術に関しましては、自然言語処理のこれもトップ国際会議でございますCOLINGでの採択が決まっておりまして、また情報処理学会全国大会での大会優秀賞を受賞している技術でございます。

 続きまして、多メディアWeb分析・可視化技術についてでございますが、Web上の多メディア情報は非常に大量にございます。多岐にわたってございますが、これを効果的に分析しまして、あるいはそこで何がどういう状況であるかを効果的に把握するための技術としまして、我々は多メディアWeb分析・可視化技術を提案してございます。

 特に、ブログ等のCGM情報の中の画像情報に着目しまして、これを適切にクラスタリングすると。かつそれを3次元的に可視化することによって、その情報を効果的に把握させる技術の開発に成功してございます。

 あとは、多メディアWeb基盤技術に関する研究でございますが、これは12年間にわたり190億URL規模の日本語Webアーカイブを既に構築済みでございまして、これはアジア圏最大級でございます。これを引き続きメンテナンスしてございます。

 また、独自構造により管理情報の更新を100倍高速化する技術も用いておりまして、これらによりましてこのアーカイブをメンテナンスしてございます。

 また、データインテンシブスケジューリング技術。これはテレビ放送、ツイッターなどの複数の高速データストリームをリアルタイム処理するための技術でございまして、例えばツイッターが1日当たりに発生する1億ツイートを、わずか31ノードで取りこぼしなく解析可能な技術を既に達成してございます。

 4番目、多メディアWeb解析の実証評価に関する研究でございますが、そろそろ時間がなくなってきましたので、非常に簡単に御説明したいと思います。

 様々なプロトタイプが実現してございますが、1つだけ御紹介したいと思います。これは多メディア情報話題追跡システムでございます。

 これは自然言語処理、あるいはWebアーカイブの蓄積技術、あるいは係り受け関係の解析といった自然言語処理技術を組み合わせまして、この時系列変化を効果的に可視化する技術でございまして、インフルエンサーの追跡等の技術が可能となってございます。

 この成果については、その先進性が認められまして、情報処理学会全国大会の大会優秀賞を受賞してございます。

 独創性・優位性については省略させていただきたいと思います。

 続きまして、今後の研究開発計画について、簡単に御説明申し上げたいと思いますが、引き続きまして、各種技術については拡張しつつ、様々な社会分析ニーズをくみ上げながら、実際の様々な社会分析ソフトウェア構築可能なようなWeb解析基盤の構築について検討していきたいと考えてございます。

 すみません、時間が足りなくなっておりますので、ここで終了とさせていただきたいと思います。不明な点については御質疑等で補足させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【後藤情報科学技術研究推進官】  どうもありがとうございました。

 ただいまの報告につきまして、御質問はございますでしょうか。

【東嶋委員】  4年間で投入されている予算と、それぞれの年の予算を教えてください。

【佐藤教授】  予算規模に関する御質問ですね。初年度と2年度が、直接経費で言うと約1億円。3年目、本年度でございますが、直接経費で7,000万円程度となってございます。

【後藤情報科学技術研究推進官】  平成21年度が、これは間接経費も含んだ総額でございますが、これが正確には約1.3億円でございます。それから、その翌年の平成22年が、同じく1.4億円。平成23年度が若干減りまして9,600万円でございます。平成24年度はまだこれからでございますが、平成23年度と同額と見込みますと、総額ですとおよそ4年間で大体4.6億円ぐらいを見込んでございます。

【東嶋委員】  ありがとうございます。

【美濃委員】  個々の技術というのはよくわかるのですが、どうつないで、どういうふうに社会調査に持っていこうかというのは、後ろにちょろちょろっとあるのですが、そもそも社会分析しようと、そのときに、何となく今、要素技術があるものから開発しているというような感じがどうしてもするのですが、その結果も、必要な精度が出たとか書いてあるのだけれど、そもそも目的が何かによって必要な精度というのは変わりますよね。

 だから、そういう意味からしたときに、今出ている精度がそもそもどういうコンテクストで考えるからいいのかというようなところら辺をちょっと説明していただくとわかりやすくなるかなという気がするので、そこをお願いいたします。

【佐藤教授】  我々の研究課題については非常に根源的な御質問だと思うのですが、そもそもこのプロジェクトの目的は、社会分析が可能なようなWeb解析基盤の構築ということが目的になっておりまして、いうなればその基盤ができますと、それをベースに様々な社会分析が可能になる、そういう基盤技術をつくっていこうというものでございます。

 ですから、ある特定の社会分析ターゲットを絞るというのは、実はこの目標からは若干ずれてしまう。ただし、おっしゃるとおり、ある程度ターゲットを絞らないと、なかなか達成目標が見えてこないというのはおっしゃるとおりだと思います。

 最初の2か年間では、我々議論をいたしまして行ったのは、まず要素技術について可能な限り磨いていこうということを考えてやってきております。と同時に、今持っている技術で光るような社会分析の対象については、今幾つか検討しているものがございまして、例えばこれは非常にいい例だと思うのですが、これも誤解のないように申し上げたいと思いますが、これもまたやはり1つの例でございますが、これに関して言うと、Webと放送映像を用いました社会分析、これは1つ社会分析の形としては非常に有効ではないかと思っております。

 これはどういうことかというと、社会においてあるイベントが起こった場合に、それの取り上げられ方というのが、Webと放送映像では相当違いがある。あるいは、ある一方が起点となってほかに波及している。例えば放送映像で、ある番組で取り上げているようなワーキングプアとか無縁社会、あるいはボランティアとか義援活動みたいな草の根的な活動、これがテレビ放送で取り上げられることによって大きく盛り上がりまして、その盛り上がりがWeb上でわーっと広がっていくというようなことがございます。

 このような関連性を、我々の技術では既に見つけることができるようになってございます。これによって、ある特定の社会活動、話題みたいなものがどういうメカニズムで盛り上がっていくのかということがとれるという状況になってございます。

 これを、更に時間をさかのぼって、そもそも例えばある特定のキーワードについては、このきっかけの前はどういう言葉で語られていたのかとか、あるいは草の根活動の伝搬のぐあいはどうであったか、こういうことがわかることによって、例えば政府に対する政策の意思決定であるとか、あるいは企業にとってのリスク管理とか風評被害のための対策みたいなものにつながる。そういう社会分析が可能ではないかと考えております。

 これは1つの例でございまして、この後、我々の研究グループの中の連携企業もございまして、そちらの方とも密に話し合いつつ、運営委員会等の有識者の皆様からも御意見を頂きながら、様々な社会分析ニーズを吸い上げていきながら、可能な限り多様な社会分析ソフトウェアを実現していきたいと。

 それによりまして、我々がそもそも構築したいという、そもそもの目的であるWeb解析基盤の、様々な社会分析ニーズに対する適用可能性の実証を行いたいと。そんなふうに進めていきたいと考えております。

 ちょっと、明確な答えにはなっていないかもしれないのですが。

【美濃委員】  ニーズが本当に、社会学者とか、そういう調査をしている人たちにあるのかというのが若干心配なので。例えば、具体的にこんなニーズがあって、それに確実に使われるんだというようなことを是非想定して、それでやっていただけたらありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。

【佐藤教授】  はい、ありがとうございます。

【樋口委員】  いろいろな業績として、一流の国際会議のパーセンテージを挙げられていますが、それに関連した質問なのですが、国際的に比較、例えば顔から顔を探す、そういう技術は国際性、一般性があると思うのですが、いわゆる自然言語、言語を介在させるということによっては、ある国においては比較的容易であったとしても、ある国において非常に難しいことというのも当然あると思うんです。

 顔から顔、何かメディアからメディアを探す、そういうときには一般性があるかもしれないけれども、そうでない場合、言語を介在させるときの問題点とか難しさとかいうのもあると思うんです。

 そういうところの困難と、あと、やはり一流のところでパーセンテージをいろいろ競争するというところ、その辺について何かご意見があればお願いします。

【佐藤教授】  言語に関しては、これは言語そのもの、日本語であるとか英語であるとか、そういう違いによる問題も含むというふうに理解しても。

【樋口委員】  ええ。

【佐藤教授】  我々の御紹介した技術は、もちろん対象は日本語でございます。ただし、技術そのものはほかの言語にも一般化可能な技術ではあると思っております。その意味もありまして、御紹介申し上げましたとおり、国際会議での採択はあるというわけでございます。

 かつ、我々、特に言語について世界的に最高の技術を求めるというよりも、我々がそもそも対象としているのが日本語のWebアーカイブでございますので、日本語に特化していくのは十分ストラテージとしてはあるのではないかと思っております。

【後藤情報科学技術研究推進官】  ありがとうございます。時間となりましたので、よろしいでしょうか。

 それでは質疑を終了させていただきたいと思います。佐藤先生、ありがとうございました。

 以上で中間報告会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 それで、冒頭申し上げましたとおり、評価シートにつきましては本日御提出可能な場合は机の上に置いていただければ、後ほど事務局の方で回収させていただきます。

 また、お持ち帰りになる場合は、7月4日、月曜日までに、メール、ファックス等で御提出をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 頂いた評価シートにつきましては、取りまとめて中間評価結果案として、次回の委員会で御審議いただく予定でございます。

 以上でございます。

【原島主査代理】  ありがとうございました。

 ちょっと時間も過ぎておりますが、議事の3つ目のその他の議題でございます。

 事務局から「京」コンピューターの共用の関連としまして、利用促進業務実施機関審査基準というものを御報告いただきます。

 文部科学省は、「京」コンピューターを共用するに当たり、共用の促進に関する法律のスキームに基づき、基本方針の改正及び文部科学省令の改正、また登録機関の公募等の手続を進めていくことになります。

 これから御報告いただきますのは、公募で登録される登録機関の中から、実際に利用促進業務を行う機関を選定する際に必要となる審査基準でございます。

 事務局から説明をお願いいたします。

【井上計算科学技術推進室長】  それでは、資料4が、今御紹介いただきました審査基準でございます。

 前回のこの委員会で、このHPCI計画の状況の御報告をさせていただきまして、その際、参考資料4の特定高速電子計算機施設の共用の促進に関する基本的な方針案、これが共用に当たっての基本方針でございますが、これについて御説明をさせていただきまして、その後、こちらの基本方針につきましてはパブリックコメントを行い、結果として2件の御意見を頂きました。頂きました意見につきましては、特にこの方針案を変更するようなものではないと判断をしておりまして、基本的にはこの方針案で進めさせていただくということを考えております。今日御説明させていただきます審査基準案というのは、この基本方針に基づきまして、今後登録機関を公募いたしますが、最終的に利用促進の業務、利用者の選定ですとか利用者支援といった業務を行っていただく機関というのは基本的には1つの機関でございます。このため、複数の登録機関から利用促進業務を実施したいというふうに申請があった場合に、それを採択するに当たっての基準が、お手元の審査基準です。

 中身につきましては、参考資料4の基本的な方針の中に書かれております、利用支援業務あるいは利用者選定業務、そこに求められることを抜き出しまして、この基準とさせていただいております。

 例えば、基準の1ページ目の一番上、利用者選定業務ですが、選定委員会の構成、選定委員会の運営についてということで、いろいろと必要な事項が記載されているということで抜き出させていただいております。

 この基準につきましては、先日、6月17日に、HPCIの計画推進委員会の方で御審議いただきまして、御了承を頂いております。

 したがいまして、今後、実際に複数の登録機関から申出があった際に、実際に業務をやっていただくということを決める際には、これに基づいて審査をすることとしているところでございます。

 以上でございます。

【原島主査代理】  ありがとうございました。

 ここでは報告という形で頂いたわけですが、何かご質問はありますでしょうか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、以上でございますが、事務局から次回の委員会の連絡をお願いいたします。

【事務局】  次回の委員会でございますが、来月7月20日、水曜日の午前10時から、本日と同じく文部科学省3F1の特別会議室にて開催を予定しております。

 次回の委員会では、本日の中間評価結果を御審議いただくほか、第4期科学技術基本計画を踏まえた情報科学技術分野の研究開発推進方策の中間取りまとめ、また今年度FSとして実施しております「目的解決型のIT統合基盤技術研究開発の実現に向けたフィージビリティ・スタディについて」の中間報告会を行う予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成いたしまして委員の皆様にお諮りし、主査に御確認を頂きまして、文部科学省のホームページに掲載させていただきます。

 最後になりますが、本日お配りしている資料については、そのまま机上に置いていただきましたら、事務局の方で後日郵送させていただきます。

 以上でございます。

【原島主査代理】  ありがとうございました。

 申し訳ございません、司会の代理ということで、一番大切な終わる時間を守るのを失敗してしまいました。お許しいただければと思います。

 それでは、これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

研究振興局情報課

北畑、鈴木
電話番号:03-5253-4111(内4279)

-- 登録:平成23年08月 --