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航空科学技術委員会(第53回) 議事録

1.日時

平成29年1月26日(木曜日)10時00分~11時30分

2.場所

文部科学省 18階 研究開発局会議室1

3.議題

  1. 研究開発計画について
  2. その他

4.出席者

委員

科学技術・学術審議会委員  結城 章夫
科学技術・学術審議会臨時委員  山本 佳世子
科学技術・学術審議会臨時委員  李家 賢一【主査】
科学技術・学術審議会専門委員  鐘尾 みや子
科学技術・学術審議会専門委員  佐藤 哲也
科学技術・学術審議会専門委員  武市 昇
科学技術・学術審議会専門委員  竹内 健蔵
科学技術・学術審議会専門委員  松島 紀佐

文部科学省

研究開発局審議官  白間 竜一郎
研究開発局宇宙開発利用課長  堀内 義規
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室長  藤森 昭裕
研究開発局宇宙開発利用課宇宙連携協力推進室課長補佐  坂本 和紀

【説明者】
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 航空技術部門長  伊藤 文和
 航空技術部門航空プログラムディレクタ  大貫 武

オブザーバー

経済産業省
国土交通省

5.議事録

1.開会

【坂本課長補佐】 時間になりましたので,第53回航空科学技術委員会を開催したいと思います。
 まず,配付資料の確認をしたいと思います。議事次第,座席表の下に,資料53-1-1として「「研究開発計画(案)」航空科学技術担当部分(案)」というペーパーと,資料53-1-2として「連携に関する意見提出先の委員会の対応」という資料になります。資料53-1-3が「研究開発計画(案)」という分厚い資料になります。資料53-2-1が航空に関する政府予算案の1枚紙になりまして,資料53-2-2がSafeAvioプロジェクトのペーパーになります。もし落丁等がありましたら,御連絡いただければと思います。
 それでは,以後の議事の進行に関しましては,李家主査にお願いしたいと思います。

【李家主査】 おはようございます。寒い中,お集まりいただきまして,ありがとうございます。

2.議事

【李家主査】 今日は主に研究開発計画について,まとめることになると思います。
 では最初の議題から始めさせていただきます。(1)番目,研究開発計画についてということで,まず,研究開発計画(案)の航空科学技術担当部分について報告していただきます。
 では,事務局からよろしくお願いいたします。

【坂本課長補佐】 お手元の資料53-1-1をごらんください。平成28年11月10日に開催した,前回,第52回の航空委で御提示したものからの見え消しという形で,今回,提出させていただいております。主に変更のあった部分について,説明させていただければと思います。
 まず,一番上,連携をとった委員会として,安全・安心連携委員会が削除されておりますが,当初,安全・安心連携委員会が各委員会と連携をするという方向で動いていたものの,最終的に,安全・安心連携委員会では,各委員会との連携ではなくて,この研究開発計画全体を総花的にコメントをすることになりました。具体的には,「はじめに」という項目が研究開発計画にはあって,この中で安全・安心連携委員会でコメントをすることになりましたので,航空を含めて,他の委員会も全て,連携という記載が取れたものになっております。
 続きまして,真ん中の22行目からです。アウトプット指標・アウトカム指標を修正させていただいております。まず,アウトプット指標ですけれども,二つ目の項目で,当初,「プロジェクト数」と書いていましたが,これは「課題数」に変更をさせていただいております。この理由ですけれども,当初,プロジェクトというのがJAXA航空予算の半分以上を占めていますので,象徴的な研究開発としてこれがふさわしいのではないのかということで,事務局として提案をさせていただきましたが,今は安全性,環境適合性,経済性に関し,それぞれプロジェクトが一つ立っているわけですけれども,例えば安全性に関するSafeAvioプロジェクト,後ほど結果報告もさせていただこうと思っていますけれども,これは今年度で終了し,来年度は今のところ安全性に関するプロジェクトの計画は立っていません。同じように,FQUROHプロジェクトが平成31年度,aFJRプロジェクトが来年度で終了して,その後の新たなプロジェクトのめどが立っていないという状況の中で,目標として設定してしまうと,目標数がゼロだとか,ちょっとよろしくない状況に陥ることがあるということがわかりましたので,これは課題数というふうに変更させていただいております。
 具体的な課題ですけれども,1ページ目の最後の(2)から記載させていただいているとおり,次の2ページ目のアとして「安全性向上技術の研究開発」,これを一つの課題。イとして「環境適合性・経済性向上の研究開発」,これも一つの課題。次世代についても,3ページ目のアとイのそれぞれの研究開発,これを課題とし,3ページ目の丸3,基盤技術の研究開発,これも一つの課題として,トータルで五つの課題として,これらが当初計画以上の実績をあげた場合においては,できたということで数字をカウントしていきたいと,このような方向に修正させていただければと考えております。
 続きまして,アウトカム指標ですけれども,これも若干修正をさせていただいております。まず初めに,「航空科学技術の研究開発における連携数(JAXAと企業との共同研究数)」ですが,当初は共同研究数自体は入れていましたが,企業だけではなくて,例えば大学等も含めて,すべからく共同研究というのは入れていたんですけれども,前回の委員会でいろいろ御議論いただいた中で,いわゆるアウトカムとしてどのように社会にインパクト,どのように航空産業に発展をもたらすかという部分を考えた場合,企業との連携と大学との連携だと,少し考え方が違うのではないのかと,そのような御意見も踏まえた上で,再度事務局で検討した結果,JAXAと企業との共同研究数というのは,これによって我が国の航空産業の国際競争力強化につながるというふうに考えられることから,これを特出しして,アウトカム指標として設定させていただくこととしました。
 続きまして,「航空科学技術の研究開発の成果利用数(JAXAライセンスの供与数)」ですけれども,これは今までも設定していたものをそのまま踏襲しておりますので,特に企業だとか,大学とかは分けておりません。これは,我が国が高い技術力を持っているという証拠になるものと考えられることから,そのまま設定をさせていただいております。
 最後は新規で追加した指標ですけれども,「航空分野の技術の標準化,基準の高度化等への貢献」です。これは超音速機の研究開発においては,そもそも国際ルールも未制定な分野ということもあって,国際基準への貢献といった分野もアウトカム指標として設定すべきではないのかということから,特に超音速機の研究開発などを視野に入れながら,設定をさせていただいております。
 前回の委員会の中でも,アウトカム指標については,もう少し社会的なインパクトがあるような指標にできないのか,連携数等という指標は飽くまでも手段であって,もともとJAXAにおいて,高い技術,航空に関する技術を産業界に移転することによって,産業界が世界シェアを獲得していくということを目標としている以上,連携数というのは手段で,目標ではないのではないのかという御意見も頂きました。もう一度,事務局で検討しましたが,これは文科省がJAXAを評価するための指標と考えると,産業界がどれぐらい汗をかくかという部分でJAXAを評価するのはちょっと厳しい。飽くまでもJAXAを評価するのであれば,JAXAにおいて企業とどこまで連携できたのかという部分で,最終的には評価するしかないのではないのかということから,連携数という部分はそのまま残させていただいております。
 アウトプット・アウトカム指標に関する説明は以上になります。
 続きまして,2ページ目以降は,いろいろなてにをはの修正をさせていただいておりますが,ここは説明は省略させていただきます。
 3ページも同様です。
 4ページ目,7行目です。これは人材育成に関する説明になりますが,当初はJAXAと産学がという書き方をしていましたが,より具体的に,産業界と大学,そして学会だとか協会だとか,そういうところとも連携していくことが重要という御意見を頂きましたので,その旨修正をさせていただいております。
 大きな修正としては,あとは5ページ目です。これは「知的財産・標準化戦略」ですけれども,今までの記載ですと,標準化戦略の方を詳しく4ページ目に書いていますが,知的財産戦略というのが抜けているのではないのかという御指摘を頂きましたので,これはごもっともな御指摘ということで,5ページ目の4行ですけれども,知的財産戦略については,オープン・アンド・クローズド戦略に留意しながら進めていくということを明記をさせていただきました。
 5ページ目の(6)は,単に項目を移行しただけで,中身が変更になったものではございません。
 (7)番の「大型試験設備の整備」ですけれども,この中の23行目にスパコンという単語を入れさせていただいております。これは前回,委員から,スーパーコンピュータなどの整備も重要ではないのかという御意見を頂いた際に,当初,事務局より,スパコン自体は試験設備とはちょっと位置づけが違うものということと,JAXA航空部門が管理しているものではないということで,記載は難しい旨の説明をさせていただきましたが,ただ,スーパーコンピュータの整備自体は,基盤整備の中の数値シミュレーション技術の飛躍的な発展という部分につながるということですので,この大型試験設備の整備といわゆる研究開発というのは連動して進めていくべきものと。ほかにも,例えば実証エンジン試験設備の整備というのは,エンジンの研究開発に連動しているものですので,記載はした方がいいというふうに事務局としては判断しまして,新たな項目,例えば大型解析設備だとか,そんな項目を設けるなら,大型試験設備の中に入れてしまった方がすっきりするだろうということから,スパコンもこの中に記載をさせていただきました。当初の説明と,若干今回の説明が違っておりますが,そこは御了解いただければと思います。
 研究開発計画の説明は以上になります。

【李家主査】 どうもありがとうございました。
 では,ただいまの説明について,御質問,御意見等ありましたらお願いいたします。

【武市委員】 そんなに大したことではないんですけれども,例えば企業の方からJAXAに対して,こういう試験をしてくださいというような委託とか,あるいは企業の開発に対して,JAXAの方から何か知見を提供してくださいというような依頼があった場合というのは,このアウトカム指標に入らないという認識でしょうか。

【坂本課長補佐】 共同研究という枠組みで,基本的に今まで知見は提供してきていたというケースがあって,ほかにもそういうやり方があるのか…

【武市委員】 そういったものを含めて,共同研究というふうに呼んでいるという解釈でいいんでしょうか。共同研究というと,お互いに持ち寄って何かやりますというイメージがあるので。文言の程度の問題ですけれども。

【堀内課長】 委託も入っていいんじゃないでしょうか。企業とJAXAで技術移転みたいなものも含むような活動をするやり方というのはいろいろあって,それは共同研究である場合もあるし,委託という整理にする場合もあるし,方法論について,形式が共同研究ではないと駄目だというところまで言わなくていいような気もします。

【坂本課長補佐】 御指摘はごもっともで,共同研究が今までの活動実績の中でも一番説明しやすいということで設定させていただいていましたが,決して共同研究にこだわるつもりもありませんので,ちょっと修正をさせていただきます。

【武市委員】 「等」が入るぐらいでいいですかね。

【藤森室長】 見え消しになっているところで,「共同/委託/受託研究の数」ともともとは入れていたんですけれども,そこを消してしまったのが,確かに余りよろしくないと思います。

【佐藤委員】 同じところなんですけれども,今回,「大学及び海外機関等との」というところが削除されたのですが。例えばJAXAがお金を出して,企業も多少お金を出して一緒に共同研究をして,研究を目的として企業とやっている場合と,大学とやっている場合の違いというのは何か。例えば企業の方からこういうニーズが出てきて,JAXAにやってくださいというものであれば,それはかなり大きいことだと思うんですけれども。JAXAの方から企業に持ちかけて共同研究をやる場合と,大学と共同研究をやる場合で,何か違いがあるのでしょうか。大学とか海外機関との共同研究の実績というのがカウントされないことによって,逆にそういう基盤的なところが失われていかないかなというのはちょっと危惧されたので,質問したのですが,どのようにお考えでしょうか。

【坂本課長補佐】 アウトカム指標には除きましたけれども,もともとアウトプット指標の中で,いわゆる基盤的な部分も達成状況という部分の中で評価していきたいと考えております。大学との共同研究の場合,JAXAと大学で共同研究すればお互いのTRLが高まりますが,結局,大学のTRLが高まるということは,大学のメインの活動である人材育成のレベルが上がるということなんですけれども,これが直接,アウトカムとして社会にどれぐらいインパクトを与えるかという部分で,ちょっと説明が苦しいなということから,前回の案では大学の共同研究も入れていたんですけれども,あえてそこは外したという経緯になります。
 他の委員会を見ても,参考となるものはなかなかなかったんですが,ただ,社会的なインパクトを与えるような件数という,かなり抽象的なものを設定している委員会もありまして,大学も含めていいのではないかという御意見はあるのかもしれませんが,今の時点ではそれは除かせていただいているという状況でございます。

【李家主査】 よろしいでしょうか。企業という明確な単語のみが残ってしまっていますけれども。

【坂本課長補佐】 そうですね。そこはあえてそのような表現を,今回させていただいたというものになります。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【鐘尾委員】 文言の質問なんですが,アウトカム指標のところにJAXAライセンスというものがありますけれども,これはJAXAでライセンス制度を持っているということですか。それと,これと知的財産権とは全く関係がないんでしょうか。供与数とあるので,何か数でカウントしていると思うんですけれども,どのようなものをJAXAライセンスと言っているのか,伺いたいと思います。

【坂本課長補佐】 一番わかりやすいのは,特許になります。

【鐘尾委員】 これは知的財産とかかわっているということですか。特許権のことを言っていると。

【坂本課長補佐】 はい。特許使用料としていただく分を,件数としてカウントしています。

【鐘尾委員】 そうすると,そういうふうに書いた方がわかりやすくないですか。JAXAラインセンスとおっしゃると,JAXAの中にライセンス制度があって,それを研究成果として評価しているような誤解が生じる。知的財産はライセンスとは言わないので。ライセンスというと,ほかのものを私は連想してしまうので。

【坂本課長補佐】 すみません。

【堀内課長】 パテントですね。

【鐘尾委員】 パテントですね。ライセンスと言うと,知的財産ではないものを普通は思い浮かべますので。

【藤森室長】 想定しておりますのは,特許とかノウハウとかプログラムとかです。

【鐘尾委員】 そうしたら,特許,ノウハウと言ってくださった方がわかりやすいと思います。

【藤森室長】 JAXAの中期目標とか,中期計画の評価の中でも,この言葉を使っているので,そのまま引用しているということですが,ちょっとわかりやすいようにしたいと思います。

【鐘尾委員】 抽象的ならいいんですが,数とおっしゃっているから,ではカウントするものは何なんだというところが,ちょっと不明だったものですから。

【JAXA伊藤理事】 パテント以外にもライセンスしているケースがあり,例えば今年の夏にはあるソフトウェア計算パッケージをある会社に技術ライセンスする契約を結んでおります。そういったケースも考慮できるようにしておいた方がいいと思います。

【坂本課長補佐】 具体的なものを書いた方がわかりやすいということですよね。

【鐘尾委員】 ちょっと何か,ぼうっとするので,数に入るものと入らないものが区別できるのかなというところがちょっとわからなくて。

【坂本課長補佐】 ちょっと直しをさせていただければと思います。

【李家主査】 ほかは,いかがでしょうか。

【竹内委員】 ほとんど言葉じりをつかまえるような話なので,適当に考えていただいていいんですけれども,気になったのは,1ページ目の(1)アウトプット指標の二つ目の白丸です。「航空科学技術の研究開発課題数」で,「(実施計画以上の実績をあげた研究開発課題数)」とありますが,これは恐らく,課題があって,課題を解決したものが予想以上にうまくいったという意味だと思うんですけれども,これはそのままいくと,実績をあげた課題になるんですよね。それでは意味が違うと思うので,例えば,これは全くこなれた表現ではないですけれども,「実績をあげて克服できた研究開発課題数」というような表現になると思います。御検討いただければと思います。
 それから,ここでは基本的に国際的な考え方というのをもっと持っていきましょうということになっているので,そのすぐ下,アウトカム指標の三つ目の白丸で,航空分野の技術の標準化というのは,これは単なる標準化ではなくて,国際標準化ですよね。だからそれを入れた方がいいのではないかと思いました。
 それからもう一つですけれども,これも本当にこれで十分わかるからいいじゃないかということもあるかもしれないんですが,4ページの「(1)人材育成」とあるところの最後の文章で,本当に最後のところですが,「航空関連人材の育成を推進する」というんですけれども,これもうるさく言ったら,ではCAさんも航空関連人材じゃないかとなってしまうので,むしろここは,上に「科学技術を担う人材」とあるので,「航空技術に精通した人材」とか,「航空技術を担う人材の育成」とした方が,技術という言葉がちゃんと入っていいのではないかというように思いました。
 飽くまで御参考で,それも大したことではありませんが。以上です。

【坂本課長補佐】 ありがとうございます。

【李家主査】 今の最後の点,「航空技術を担う」というよりも,「航空科学技術を担う」としてはいかがでしょうか。

【竹内委員】 それでもいいと思います。ちょっと「航空関連」は広過ぎてしまうので,それを技術のことで絞ればいいと思います。

【李家主査】 ありがとうございます。では,その3点を直していただいて。
 ほかはいかがでしょうか。

【山本委員】 アウトプットとアウトカムのところで,やっぱり私ももう一つ気になって発言します。
 御検討いただいた結果だとおっしゃっていたんですけれども,大学との共同研究は対象にならないということで,ある意味どうでもいいのかなと思うと,ちょっと寂しく感じました。企業,大学,海外機関との共同研究は,それはそれで意味が大きいと思いました。
 それから,たしか前回も,アウトプットなのか,アウトカムなのか,ちょっと迷いがありましたね。共同研究数といいますと基礎的なものも多いですから,アウトプットの指標なのかなと思いました。それに対して,JAXAライセンス,言葉を換えますとJAXAの知的財産の社会活用みたいなところでしょうか,それは直接,社会につながったという意味で,アウトカムとして適切なのかなと感じました。これはほかの委員会はどういった判断なのかというのも気になりました。あと大学も入れた方がいいのではないかなと,入れないと残念だなというふうに思いました。
 以上です。

【坂本課長補佐】 大学を入れるべきかどうかというのは,本当に悩みます。前回は事務局としては入れさせていただいたのは事実ではあるんですけれども。

【藤森室長】 そこは考え方の整理だと思うんですけれども,今回,アウトカムの方に企業との共同研究を入れたのは,やはり社会的インパクト,単なる研究のアウトプットではなくて,その先の社会の広がりを見据えて,そこを踏まえてのアウトカムに,共同研究として入れさせていただきました。大学との共同研究は,その研究自体の成果として共同研究をやっているので,仮に入れるのであれば,そこはやはりアウトカムではなくて,アウトプットかなと思います。前回もここは議論がありましたが,事務局としては,社会へのインパクトという面で,今回はアウトプットの方に,企業との共同研究を入れさせていただいたというところです。そこをどう捉えてどちらに入れるかというところだと思うんですけれども,今回はそういう整理で提案させていただいているという状況です。

【山本委員】 企業とつながるということが,社会的なインパクトになるという整理ですね。

【藤森室長】 将来的な製品化を目指している共同研究ということで,アウトカムにつながるものとして,企業との共同研究は入れさせていただきました。

【山本委員】 わかりました。それはそれで一つ筋が通っていると思います。

【堀内課長】 共同研究ということを念頭に置いている以上は,アウトプットの方で整理すべきという議論の方がやっぱり強くなるかなと思うところなんですが,評価をしてアピールしていくときには,アウトカムの指標でいろいろあった方がいいかなということで,できるだけこっちに載せたいと思っています。企業とでも共同研究であればアウトプットだと言われてしまうかもしれませんが,それはやっぱりインパクトがあるということで,できればアウトカムの方の指標にきっちり整理をして,企業とやった場合については,アウトプットもちゃんとやっているし,アウトカムの方もという主張をしたいという考え方であります。なので,なるだけアウトカムの方に載せたいという気持ちはあるんですけれども。

【結城委員】 そういうことであれば,アウトカムの方はこのままにしておいて,アウトプットの方に,大学等との共同研究数というのを,もう1個項目として起こすというのはどうでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうですね。アウトプットの方に,より明確にそういう記載をもう1個追加することは,事務局としてはそんなに違和感はありません。それで皆さんのコンセンサスが得られれば。

【堀内課長】 書いた方がいいというふうに御提言いただけるのであれば,そのようにしたいと思います。

【李家主査】 今の佐藤委員,山本委員の御意見に従うと,入れた方がいいかなと思いましたけれども,大学との共同研究数をアウトプットに入れると,年度の初めから共同研究を10個やると決めると,必ず10個の共同研究を契約しなければいけなくなるということになるのでしょうか。その辺は問題ないでしょうか。アウトカムだと,結果的に共同研究を10個やりましたということで,それで済むと思いますが。共同研究数はJAXAでコントロールできる数になりますか。研究開発課題であれば,JAXAでコントロールできますよね。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 かつて共同研究数というのが成果の目標になったことはありまして,共同研究数を増やすようにというのは,昔言われていたことはございます。現在,そういう指標はありませんが,共同研究を増やすというのは,その研究の幅を広げるという意味,それから私どもが今進めておりますイノベーション的な考え方で,異分野の方に参加していただくという観点からも,数をコントロールするのはなかなか難しいかもしれませんけれども,増やす方向というのは,姿勢としては持つことは可能かなとは思っております。

【李家主査】 わかりました。では,アウトプットの方に大学との共同研究数ということを入れるということで。ところでアウトカムの方で,社会へのインパクトということを考えて企業との共同研究を挙げるというお話でしたが,海外機関というのも結構社会へのインパクトがあるような感じがするのですが,そこはいかがでしょうか。JAXAが海外機関と共同で何かをやっていくということに関してですが。

【坂本課長補佐】 海外機関は,企業とはまたちょっと別の観点になるかと思います。

【堀内課長】 海外機関との共同研究というのは,比較的当たり前のようにやっていることだという感覚もあったので,大学と,というふうに整理してしまっているのかと思います。研究機関が国内の機関であるか,海外の機関であるかというのは,若干意識はしますけれども,会社であるかそうでないかということと比べると,そこまで対外的にアピールできるものではないかと思います。

【李家主査】 わかりました。では,アウトプットの方に大学で,アウトカムの方に企業でという,そういうことでよろしいでしょうか。

【JAXA伊藤理事】 企業の方に,例えば「等」と追記する対応はいかがでしょうか。例えば消防庁との連携といったケースも,社会的なインパクトが結構あると考えています。必ずしも企業だけではないところもありますので。

【藤森室長】 書き方なんですけれども,最初のアウトプット指標は「研究開発の達成状況」とかなり広く書いていて,それに加えて大学との共同研究だけ項目を立てて特出しがふさわしいのかという気がします。ほかにも指標はいろいろあると思うんですけれども,この達成状況の一部として,括弧書きか何かで大学との共同研究,ほかにももし何か特出しした方がよいものがあれば入れた方がいいかなと思います。達成状況というとかなり広く,実施計画以上の実績をあげた研究開発課題数の中にもいろいろな要素が入ってくるので,大学だけ特出しで別項目として書くのはどうかなということもあると思いますので,記載ぶりを考えさせていただきたいと思います。

【李家主査】 はい,わかりました。ではそのように検討していただくということで。
 ほかはいかがでしょうか。

【国土交通省伊藤推進官】 国交省からでございます。JAXAの方々にいろいろ気象関係で御協力いただいて,例えば今,大分空港で乱気流の検知をしていただく等しまして,正に我々は実運用に即したものについて,いろいろ連携させていただいていまして,実用化という方向では一緒なのかなと思うんですけれども,「等」の中に他省庁との連携も入るということでしょうか。

【李家主査】 そうですね。先ほどの消防庁とか。

【堀内課長】 是々非々の判断になるかと思いますが,そういう説明を受けたときには,こちらのカテゴリーで評価するということになるかと思います。

【国土交通省伊藤推進官】 そうしていただけると有り難いです。

【李家主査】 では,そういったことでお願いします。
 あとはよろしいでしょうか。

【藤森室長】 ちょっと確認なんですけれども,先ほど竹内委員から,国際標準化という言葉の方がいいのではないかという御意見がございましたけれども,国内的な標準化も含まれるのではないかという理解だったんですが,国際に絞ってしまった方がいいですか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 国土交通省さんのCARATSへの取り組みに御協力させていただいているところもございます。

【堀内課長】 「内外の」というのはいかがでしょうか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 「内外の」としていただいた方が,有り難いです。

【李家主査】 竹内先生,よろしいですか。

【竹内委員】 ええ,もちろん。

【李家主査】 では「内外の」ということで。
 どうもありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。
 では,その他ございませんようでしたら,ただいま頂いた指摘事項を踏まえて,事務局で修正等をしていただいて,あとは主査の私に一任ということでお任せいただければと思います。よろしくお願いします。
 最終的には,2月8日に開催予定の研究計画・評価分科会で審議されて決定される予定となっております。どうもありがとうございました。
 それでは,次に(1)の丸2,他の委員会との連携について,意見提出先の委員会での対応ということで,御報告をお願いいたします。

【坂本課長補佐】 資料53-1-2をごらんください。委員の先生の皆様から御意見いただき,情報,材料,防災の三つの委員会に対して意見を提出し,その結果をまとめたものです。結論でいえば,連携できるのではないのかという我々の意見について,連携できますと,どの委員会からもそのような回答があったというものです。簡単に上から説明させていただきます。
 まず,情報科学技術委員会ですけれども,CFDや数値解析というのは,データベース活用を通じた連携が可能ではないのかという佐藤委員からの御意見ですけれども,これは連携できるということで,具体的な記載として,括弧書きですけれども,「他分野と連携を図りながら価値創出と研究開発をスパイラルに発展」と,このようにはっきり追記をしたという回答がありました。
 続きまして真ん中です。環境エネルギー問題に関しては,JAXAの有している高度な数値解析技術との連携が可能ではないのか。これは李家主査からの御指摘ですが,これについては,航空関連も含めて,他分野との連携をもともと想定して記載しているということで,今回,特に追記等はしていませんが,連携は可能ですという回答がありました。
 最後です。もともと防災との連携も意識しつつ書いている,リアルタイムに情報をより精度よく収集するという文章について,航空の技術というのも活用できるのではないのか,だから連携できるのではないのかという御意見が松島委員からございましたが,これも先ほどと同様,航空関連も含めた他分野との連携を前提にしているということで,特に追記等はしませんが,連携は可能という回答でありました。
 続きまして,2ページ目,ナノテク・材料委員会ですけれども,JAXAの構造材料関係というのが,内閣府のSIP予算ですけれども,革新構造材料の中で既に連携しており,今後も連携できるのではないのかという意見ですけれども,これについても,材料分野に関しては引き続き連携は可能ですという回答で,特に修正等はしていませんが,そのような回答がありました。
 続きまして,防災科学技術委員会です。近年は,マルチコプターを初め,小型UAVが普及しているという記述については,JAXAの活動と連携は可能ではないのか。また,空中を縦横無尽に移動して観測できるという航空機ならではの長所は,より正確に観測するためのニーズにもなるのではないのか。これは李家主査と松島委員からの御意見ですけれども,これも近年,マルチコプターを初めとして,小型UAVが普及しており,もともと航空機の活用を念頭にして記載しているということで,連携は可能ですという回答を頂いております。
 最後,3ページ目,これはD-NETですね。JAXAが消防庁と協力して行っている災害救援時のヘリコプター管理システム,D-NETについては,もともと連携ができるのではないのか。遠隔操作ロボットに無人航空機なども含まれるとの解釈でよいかという意見ですが,D-NETの連携については「対応可能なリソース等の情報共有」という表現を追加させていただいたと。無人航空機についても,より明確化するために,「小型のUAV」という表現を追記させていただいたと。連携は可能ですという回答を頂いております。
 ということで,修正は以上になりますが,実は連携はできるというものの,具体的にどのような取り組みがされるのかという部分がちょっとまだ見えていないところです。情報の委員会については明日,材料については来週月曜日に委員会が開催されるということですので,私もその委員会に出向いて,連携の部分について,委員の方から,今後どうしていくのかという意見があったときに,いろいろ情報収集していこうと考えております。
 ただ,一つ言えることは,例えばナノテクノロジー・材料科学技術委員会の意見にもあったんですけれども,SIPで革新構造材料という分野で既に連携していて,これはJAXAも予算を頂いて活用しているわけです。今,3年目ということで,これは5年で終了なんですけれども,5年たった後に,更に継続して何かやっていこうといった場合において,では航空とも連携してやっていきましょうとなれば,外部資金も取りやすくなるのではないのかなと,少なくともこのようにしておけばデメリットになることはないのかなというふうに考えております。
 連携に関する説明は以上になります。

【李家主査】 ありがとうございました。
 では,ただいまの御説明について,御意見等ありましたらお願いいたします。

【佐藤委員】 この連携に関しては,特に何もないんですけれども,逆にほかの委員会から航空科学技術委員会へ何か来ているとかいうことがございますでしょうか。

【坂本課長補佐】 残念ながら,他の委員会から航空の方に連携という意見はありませんでした。残念という言い方は少しおかしいですね。

【李家主査】 では,こちらから出した意見は一応それぞれ組み入れていただいて,連携しているということで了解いただいていますので,それでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは,この航空科学技術委員会から,ほかの委員会へ提出した連携に関する意見については,これまでといたします。それから,今後,他の委員会と連携して研究開発を行うような具体的な動きがありました場合は,また報告していただければと思います。
 そうしますと,議題(1)について,この資料53-1-3の見え消し版,これは…

【坂本課長補佐】 これは計評でまとめた全体の見え消し版です。他の委員会はどのようなアウトカム指標を設定しているかという参考にもなるということでつけさせていただいておりますが,これは計評で2月8日に審議いただくペーパーになります。

【李家主査】 我々のところは,この49ページからの3ページと,その後はちょっと飛ぶのでしたでしょうか。

【坂本課長補佐】 そのあと原子力が入って,最後に人材育成等の推進方策,これが56ページからになります。

【李家主査】 56ページから。これは原子力と丸1,丸2ということで両者併記されるということでしょうか。

【坂本課長補佐】 併記になります。

【李家主査】 原子力の方も,内容的には似た感じになっているんでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうですね。ただ,アウトプット・アウトカム指標はやっぱり原子力は原子力でいろいろ,委員の先生の意見を聞きながら設定されているのかなと考えております。

【李家主査】 それで思い出しましたが,前の委員会でも御意見がありましたが,論文の数とか,そういうものはこの委員会としては入れないという結論になっていましたが,ほかの委員会はそういうのを出しているところもあるのでしょうか。

【坂本課長補佐】 そうですね。より研究に特化した研究機関を抱えている委員会ですと,より論文というのが重要視されるのかと思いますけれども,JAXAにおける今の研究予算の割り振り,今やっている研究というのは,主にポストMRJを意識して,次世代の航空科学技術,産業界の意向をある程度想定しながら研究活動をしておりますので,よりそちらの方にシフトしたアウトカム指標を設定させていただきました。

【李家主査】 どうもありがとうございます。
 では,そういうことで,研究開発計画に関しては,当委員会としては,これから御修正いただく案で計評に報告させていただきます。ありがとうございました。
 それでは,次の議題(2)その他について,事務局から御説明をお願いいたします。

【坂本課長補佐】 資料53-2-1と,資料53-2-2になります。これは続けて説明させていただきます。
 まず,資料53-2-1ですけれども,これは平成29年度の政府予算案ということで,まだ国会の審議中ではありますが,一応,案として御説明いたします。結論からいえば,平成28年度の予算額と全く同額,33.4億円というのがそのまま認められたというものになります。残念ながら,ちょっと増要求をしていたんですけれども,増要求はカットされてしまいました。ただ,基本的に今までやっている,ビジョンで設定された2025年までに達成すべき目標に向けて,安全性に関する研究開発,環境適合性に関する研究開発,そして経済性に関する研究開発,その3ニーズをメインとして研究開発は進めていきたいと考えております。
 この安全性に関する研究開発の一番の取組事例として,SafeAvioプロジェクトというものがございます。これについては,今回,ある一定の成果が得られたということで,成果のアピールという観点で,この場で御説明させていただければと考えております。
 続きまして,資料53-2-2になります。ではよろしくお願いします。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 それでは,資料53-2-2に基づきまして,SafeAvioの御紹介を,大貫からさせていただきます。
 まず,SafeAvioプロジェクトは,まだ現在,飛行試験を継続中でございます。試験を完了しましたのでその結果を御報告するということではなくて,今日は途中経過を御紹介したいと思っております。
 では,めくっていただきまして2ページ目になりますが,施策マップにおける位置づけですが,真ん中の赤枠で囲っているウェザー・セーフティ・アビオニクス,この中の晴天乱気流検知ということにつきまして,SafeAvioプロジェクトという形で進めさせていただいております。SafeAvioプロジェクトの背景から,繰り返しになるかもしれませんけれども,御紹介させていただきたいと思います。
 2ページ目がプロジェクトの背景でございます。飛行中の事故の半数が乱気流によるものであるという統計値も出ておりまして,その晴天乱気流というのは気象レーダーでは検知ができないので,それを検知し,その防御に使うことが必要であるということでございます。
 4ページ目,これがその晴天乱気流をどうやって検知をするかというものですが,空気中のエアロゾルに反射するレーザ光を利用いたしまして,乱気流を検知するという考え方でございます。右の絵にございますように,前方に向かってレーザ光を照射いたしまして,エアロゾルに反射して戻ってきたものを受光し,その波長の変化で風速を計算し,乱気流があるということを検知するというものでございます。
 実際にそれを機体に搭載したときにどのような運用があるかというのが,5ページ目に書いてございます。まず,高いところで巡航中の考え方としましては,エアロゾルが少ないということがございますので,前方長距離の計測が必要になりますが,乱気流があるからといって,勝手に進路を変更するのもなかなか難しいので,乱気流がありますよという警報を出すというところが運用の仕方かなと考えております。
 今,このSafeAvioプロジェクトの中では,機体の前方14キロメートル以上の乱気流を検知するということを一つの指標にしております。これは到達するまでに1分間の余裕があるということで,その1分の間に,例えばシートベルトサインを出す,あるいはクルーの方は何かにつかまるというような対処をとるというような運用になると考えております。
 それからもう一つ,着陸進入中でございますが,これはエアロゾルが多くて,レーザ光の反射が多いので比較的検知しやすいんですが,パイロット判断で回避が可能になりますので,パイロットにウォーニングを出すことによって回避するというような運用,あるいは着陸をやり直す,着陸進入をやり直すというような運用になるかと考えております。
 その次の6ページ目が,システムの概要でございます。右にその流れがございますが,まず,乱気流を検知します。先ほど申しましたレーザでもって検知し,信号処理をして前方にどのような気流があるかというのを推定いたします。それと機体の今の状況を加味いたしまして,そこに突入したときの危険性等を判断しまして,パイロットにアドバイスをするというような,乱気流検知装置という部分と,乱気流情報提供装置という二つの部分から構成されております。右にあるのが,光アンテナ装置そのものの絵でございまして,白い箱の真ん中に大きなレンズがございまして,ここからレーザを照射して受けるというものであります。左側がパイロットに表示する一例でございますが,既存の表示装置の中に,例えばウィンドシアのウォーニング,あるいはそこに突入したときの機体速度の増減等がこの程度想定されるというような情報を出すというものになっております。
 SafeAvioプロジェクトの目的・目標が,7ページに書いてございます。目的といたしましては,実際の航空機を使った技術を実証するというものでございまして,目標としまして,検知し,パイロットに情報を提供するというもので,一番下に書いてございますが,実機に搭載する場合のシステムの仕様等の検討を行うというところもスコープに入ってございます。
 次の8ページ目が,SafeAvioプロジェクトの位置づけでございますが,左下にございますように,私どもは2012年まで基礎的な研究を続けてまいりまして,それをプロジェクトとして,今,実際の航空機に搭載し,技術成熟度を上げるというところを狙っております。社会実装に向けた取り組みを,このプロジェクトの後,続けることによって,航空機の安全性の向上,あるいは乗客乗員の安全性の向上につなげたいと考えております。そこの技術成熟度を上げるというのが,当プロジェクトの位置づけになってございます。
 その次の9ページに実施体制がございます。大変申し訳ございませんが,この9ページと10ページは事前にお送りさせていただきました資料の中には入っておりませんので,今日お配りするものになっております。9ページ目はプロジェクトの実施体制ということで,当然,この航空科学技術委員会の推進方策にのっとりまして,プロジェクトを進めております。さらに,国土交通省さんで,例えば航空機の耐久性審査,あるいは委託研究を受けるというようなこともさせていただきまして,プロジェクトを進めております。プロジェクトは,私どもJAXAと,三菱電機様に業務を委託いたしまして,その製品の開発,それから飛行実験の支援等をお願いしております。そのプロジェクトの周囲に緑の線,一番下にSafeAvio研究会と書いてございますが,ここにはエアラインでありますとか,機体メーカー,それから産業界も入っていただきまして,いろいろな御意見を伺いながら進めているというものでございます。それから海外の機体メーカーとの共同研究を行っているというものでございます。
 それから10ページ目が,全体のスケジュールでございます。平成24年,2012年から書いてございますが,先ほどちょっと申し上げましたが,ここまでは私どもは基礎的な研究をしてまいりました。平成25年,2013年からプリプロジェクト,プロジェクトの前段階ということで,ある程度資金を投入することを始めまして,2014年,平成26年にJAXAのプロジェクトとしてスタートしております。そこから実際に設計,実証計画がスタートいたしまして,現在は平成28年ということで,飛行試験を現在進行形で行っているところでございます。プロジェクトは今年度で終了の予定でございます。この中に,白い箱で囲っております,フライトS1,フライトS2,フライトS3とありますが,飛行試験はこれらの三つのキャンペーンで行っているというものでございまして,その下に書いてございますが,1回目の飛行試験は大気観測を行っただけです。これは従来のセンサで行っております。新しいセンサを開発いたしまして,フライト2,3というのをやっておりまして,フライト2というところを先月行いましたので,その結果を御報告したいと思っております。フライトS3というのは現在進行形でやっています。後ほどまた御紹介いたします。
 「飛行試験(その1)の試験計画概要」というのは,これはわかりにくくて申し訳ございませんが,先ほどのS2というもので,先月行ったものでございます。平成28年12月17日から20日にかけまして,3回飛行試験を行っております。名古屋空港をベースにいたしまして,ダイヤモンドエアサービスさんのガルフストリームという機体に搭載をし,飛行実験を行いました。その次のページが速報でございまして,3日間飛行試験を行いましたが,高度2,000,5,000,1万,2万,4万フィートと,ある程度の高度を変えまして,観測ができるかどうかというところを確認いたしました。その1とその2,先月やったものと現在やっているものの違いといいますのは,このセンサが,実は近距離モードと遠距離モードというのがございまして,近距離,比較的機体の前方近いところの気流観測をまずやったというのがその1でございます。
 その1の試験結果を,ちょっと飛んでしまうんですが14ページを見ていただきますと,これは速報でございますが,近距離の観測結果の一例を持ってまいりました。左側の図の軸が乱れておりまして,申し訳ございません。基本的に左右で同じです。横軸が時刻になっておりまして,縦軸がレンジ,機体から前方どれぐらいを計測しているかというものになっております。左側が小口径望遠鏡,右が大口径望遠鏡ということで,二つのレンズをもって計測をしているというものでございます。両方とも大体平均800メートルから900メートル,左側の小口径ですと960メートルというようなレンジで計測ができているという結果を得ております。判定基準は510メートル以上というのを設定していますので,その判定基準はクリアをしているというものでございます。
 それが先月行いました飛行試験の簡単な速報でございます。今後の試験概要,今後といいますか,現在進行形ではございますが,今度は実際の遠距離モードというところの飛行試験を行っております。その概要が13ページに書いてございますが,今年の1月14日から約1か月間かけて,名古屋空港,それから南紀白浜空港を用いて行う計画にしております。機体は同じくダイヤモンドエアサービスさんのガルフストリームを使わせていただいております。確認項目としましては,その表の中に左側に幾つか書いてございますが,ウィンドシアの検出,それから乱気流の検出,それから1軸観測機の性能,これはどのぐらい遠くまで観測できるかということです。それからパイロットに対するアドバイザリ機能の実証というものを行っております。
 これにつきましては現在進行形ですので,完了し,データ解析が終わった段階で,改めて御報告をさせていただきたいと思っています。
 プロジェクトの終了後でございますが,一番下に書いてございますが,標準化に向けた活動を今のところ計画しておりまして,例えば大型機への適用,あるいは標準化への活動というところを今検討しているところでございます。
 以上でございますが,15ページにもう一つ御参考までに,これは地上の試験なんですが,左側に光アンテナ装置とありまして,レンズが二つあるような絵が描いてございますが,大口径の方を用いた遠距離モードというもので,地上でどれぐらいまで計測できるかというのを事前に確認をしたものでございます。反射率がわかっている基準の反射板に反射させまして,どれぐらい戻ってくるかというところを計測して確認したものでございます。14キロメートルの観測距離を得るために,右に書いてございますが,出力としては3.3ミリジュール,それから損失,効率としてはマイナス17.2デシベル以上,以下といいますか,が設計値でございます。ここがクリアできれば14キロメートルを上回るであろうという解析値になっております。実際に地上で測定したところ,3.7ミリジュールということで,出力が設計値を上回っているということと,損出も少なくて済んでいるというところがございますので,上空で14キロメートルは観測できる見通しは得ているというものでございます。
 駆け足になりましたが,私からの説明は以上でございます。

【李家主査】 ありがとうございました。
 では,ただいまの二つの資料に関して,御質問等ありましたらお願いします。

【鐘尾委員】 技術的なことでよろしいですか。すごく面白いんですが,この乱気流というのは,今,遠さの話をされていましたけれども,乱気流の大きさというのは,どのぐらいのものを想定されているんですか。飛行機に影響を与えるようなものを想定されているんですか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 Gでいいますと,突入した場合,0.3G程度の乱気流,moderateといいましたでしょうか,いわゆる程度分けされているものの,あるクラスに対応した計測はできるようにしております。

【鐘尾委員】 結構,前方の遠いところを測定するわけですが,そうすると,レーザだから割と狭い範囲を計測する,それとも操作か何かするんですか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 いえ,1軸,固定です。

【鐘尾委員】 そのまま,真っすぐで。わかりました。ありがとうございました。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 実は近距離モードというのが,先ほど大口径,小口径と申し上げましたが,二つの出口がある,2軸で出しております。2軸で出しておりますので,それぞれの軸上の風速というのは計測できますので,それで3軸に計算することができて,いわゆる上下風がわかるようになります。それで,そこへ突入したときの機体の運動が予測できるというものになっております。

【鐘尾委員】 大型機を前提としていますか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 はい。

【鐘尾委員】 ありがとうございます。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【松島委員】 資料53-2-1の方なんですけれども,2025年までに達成すべき目標というところに,数値目標が出ておりまして,それに対応して,29年度に実施する研究開発に対して予算がおりるんだろうと思います。その達成すべき目標に対して数値が入っているんですが,多分その下に書いてあるのが,その1年でやろうと思っている研究開発項目なのでしょうが,それには数値目標に対してどこまでのことができるかという数値的なことが何も書いていないので,予算を審査する側(がわ)としては情報が少し不足しているというか,もし私が予算を審査するとしたら,そのように感じるのではないかと思うんです。そのあたりのことを教えていただけますでしょうか。

【坂本課長補佐】 もともとこれは,ビジョンで数値目標というのは設定させていただいておりますので,これに基づいて,我々としては当初は予算の拡充を目指して,こういう計画で進めていくということで予算要求をしていたものの,残念ながら予算は当時つかなかったという経緯もあります。現状では,例えば燃費半減という部分については,では今やっているaFJRプロジェクトはというと,aFJRプロジェクトだけみると1%低減ですので,残念ながらまだ全然ゴールは見えていないという状態になっております。ただ,目標としてはもうこれは設定しておりますので,今後,今やっている経済性に関する研究開発の事後評価の中で,目標,ゴールに対して今どれくらいだというような説明はできると考えております。資料は1枚紙ということで,そこまで明示はできていませんが,研究開発の中ではゴールに対して今どれぐらいだという説明はできますので,その場でまた説明させていただきたいと思います。

【松島委員】 わかりました。ありがとうございました。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。

【武市委員】 すごく細かいところなんですけれども,何で「飛翔」ではなくて,ダイヤモンドエアサービスなんでしょうか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 一言で言えば資金です。実はこれは前方を向いてレーザを照射しないといけませんので,それなりの機体改造が必要になります。なぜダイヤモンドエアサービスさんを使ったかといいますと,4ページの図を見ていただきますと,もう既に改造がされていて,ポッドが下についています。右上の絵で光アンテナ装置というのが搭載されているんですが,そこにちょっと機体から膨らんでいる部分がわかるかと思いますが,ダイヤモンドエアサービスの航空機,G2はもうこのような改修がされております。ですので,レーザを照射するこの光アンテナを搭載するのは,比較的容易にできるというものです。これを「飛翔」でこのような形に改造しようとすると,それだけでかなりのお金がかかってしまいますので,そこをトレードオフした結果,ダイヤモンドエアサービスさんの機体を借りるということにいたしました。

【武市委員】 わかりました。

【李家主査】 将来的に大型機への適用を検討されるということですけれども,今の絵でもありますけれども,大型の口径のものがつくということで,大型機に適用の場合もやっぱりポッドを外に出してつけるという,そのような格好を想定されているんでしょうか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 ポッドを出すかどうかというのは,機体により,それから改造の程度によるんですが,機体のどこかに前方に向けた穴があけばいいわけですので,例えばコックピットの下にレドームがありますが,そこを避ける形でコックピットの下に少し空間がありますので,そこに穴というか,透明な部分をつくって前方に照射するようなことも可能だというふうに考えられますし,そのような何らかの対応は必要になりますが,コスト的に,あるいは安全性,強度的な安全性から,比較的容易な改造は検討しなければいけないということです。

【李家主査】 将来的には新機体開発のときに,この装置を積むということを想定して開発していくという,そんな感じになっていくんでしょうか。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 そもそも機体開発時から,これを搭載することが前提,設計に織り込まれているのなら,容易だと思います。

【李家主査】 ありがとうございます。

【山本委員】 このプロジェクトとしては,今年度が最終ということなんですけれども,この後はどんなふうな計画になっていくのかと,あと将来的に実用化はいつごろかというあたりをお願いいたします。

【JAXA大貫プログラムディレクタ】 先ほどちょっと申し上げましたけれども,実際の機体に搭載するような仕様というのを,今,このプロジェクトの中で検討しておりますので,そういうところである程度成果を出して,大型機搭載ということを検討したいと思っています。
 それから,いつごろ実用化というのは,メーカーさんのビジネス戦略といいますか,それにもよると思いますので,私の方からはいつというのは言えないと思いますが,なるべく早くというところになるかと思っております。
 一方で,標準化の活動に対する技術貢献というのを,実は考えております。安全性のために,装備品の一つとして,だんだんこういうものは搭載することになっていくと思いますので,こういうものを搭載するという標準をもし今後御検討いただけるのであれば,そういう標準化の検討の場に,我々は貢献したいというふうに思っています。

【李家主査】 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ではどうもありがとうございました。
 そのほかに事務局から御説明はありますか。

【坂本課長補佐】 机上配付資料,一番初めのページをごらんください。今後のスケジュールになります。本日が第53回の航空委ということで開催しましたが,先ほど申したとおり,2月8日に第60回の研究計画・評価分科会,計評が開催予定となっております。本日,議論いただいた研究開発計画においては,事務局で修正を加えた上で,2月8日の計評に上げて審議する予定となっております。
 あと,事務局から一つ御報告があります。本日の会議をもちまして,平成27年からの第8期航空科学技術委員会が終了いたしますが,今期で終了となる委員がいらっしゃいます。具体的には,鐘尾委員,山本委員,あと今期は残念ながら出席されていなかったですが,鈴木委員と,あと途中で事故調の委員になるということで辞められたんですけれども,宮下委員,次期委員としてはこの4名が交代となります。
 本日出席していただいている鐘尾委員が5期10年,山本委員が2期4年ということで,航空科学技術の研究開発に御尽力いただきまして,事務局としては大変感謝しております。せっかくですので,簡単に一言御挨拶をいただければと思います。
 まず,鐘尾委員からよろしくお願いいたします。

【鐘尾委員】 鐘尾です。ありがとうございました。10年という長い間,ここに置いていただきまして,私が来たころは,ちょうど静粛超音速機の研究開発が始まったばかりのころで,それもおととしD-SENDということで終了して,あれがやはりすごく印象に残っております。とても気にしていましたし,よかったなと思います。
 私が理事長をしています日本女性航空協会というのは,とても小さい,女性中心の団体なんですけれども,航空界で女性の立場からいろいろやっていくと,そういう協会でございます。男だ女だ言っている時代ではないんですが,航空はまだまだ男だ女だの世界なので,その中で私どもは微力ながらお手伝いができることがあればと思っております。
 どうも長い間,ありがとうございました。

【坂本課長補佐】 続きまして,山本委員,お願いします。

【山本委員】 山本です。4年間お世話になりました。
 振り返りますと,私は審議会の委員というのはこちらの委員会で初めて経験させていただきました。それで,特定の技術分野において,この大きな方向性をこんなふうに議論するんだということは,すごく勉強になりました。特に私が参加しているほかの委員会だと,その業界の利益のためにみたいな傾向もみられるのですが,こちらの委員会は結構厳しいなというふうに感じました。JAXAに対してこちらの委員という形になっているからかなと思うんですが,なかなか厳しい意見も多いですし,こうして方向性を決めていくと知ったことは非常に勉強になりました。
 今後も航空技術の分野を応援していきたいと思っています。どうもありがとうございました。

【坂本課長補佐】 どうもありがとうございました。厳しいという意見については,ちょっと事務局としても反省しております。改めて,長い間,航空委で活動していただいたことについて,感謝申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 事務局からは以上になります。

【李家主査】 鐘尾さんも山本さんも,本当に長いことありがとうございました。いつも貴重な御意見,ありがとうございました。
 また,今後もいろいろと航空関係でお世話になることがあると思いますが,よろしくお願いいたします。

3.閉会

【李家主査】 それでは,これで科学技術・学術審議会,研究計画・評価分科会,第53回航空科学技術委員会を閉会させていただきます。
 どうもありがとうございました。

(了)

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課

-- 登録:平成29年03月 --