平成23年9月7日(水曜日)10時00分~12時00分
中央合同庁舎7号館 東館(文部科学省) 5F 4会議室
航空科学技術委員 河野 通方(主査) 航空科学技術委員 小田切宏之(主査代理) 航空科学技術委員 石田 寛人 航空科学技術委員 大林 茂 航空科学技術委員 鐘尾みや子 航空科学技術委員 谷 寧久 航空科学技術委員 知野 恵子 航空科学技術委員 萩原 太郎 航空科学技術委員 松島 紀佐 航空科学技術委員 宮部 俊一
文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当) 加藤 善一 文部科学省研究開発局参事官(宇宙航空政策担当) 松尾 浩道 文部科学省研究開発局参事官補佐 植木 隆央
宇宙航空研究開発機構理事 石川 隆司 宇宙航空研究開発機構航空プログラムグループ 青山 剛史 宇宙航空研究開発機構航空プログラムグループ 村上 哲 宇宙航空研究開発機構航空プログラムグループ 大貫 武 宇宙航空研究開発機構航空プログラムグループ 吉田 憲司 宇宙航空研究開発機構航空プログラムグループ 中島 徳顕
【植木参事官補佐】 参事官はまだ来ていないのですが、定時になりましたので、始めさせていただきたいと思います。本日はご多忙の中、お集まりいただきましてありがとうございます。私、事務局を務めさせていただきます研究開発局の植木と申します。よろしくお願いします。しばらくの間、司会をさせていただきます。本委員会でございますが、今回より第6期としてスタートすることになります。本委員会の主査につきましては、科学技術・学術審議会研究開発・評価分科会運営規則の第4条第3項に基づきまして、河野委員が指名されております。河野委員には本委員会の取りまとめをお願いすることになります。河野先生、どうぞよろしくお願いいたします。また、主査の代理ですが、同じく分科会運営規則第4条第7項の規定によりまして、主査からあらかじめ主査代理をご指名いただくこととしております。河野主査からは小田切委員を指名するよう事前にご指示がございましたので、主査代理を小田切委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。では、これより議事を河野主査にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【河野主査】 どうもありがとうございました。今、ご紹介がありましたように、この委員会の主査を仰せつかりました。主査が頑張っても大した結果は出ないと思いますので、皆様方の活発なご審議をお願いしたいと思います。今回の大震災に関しまして、どうも科学技術のあり方がいろいろ批判を浴びているようではございますが、そういうことも踏まえながら、小田切先生を主査代理として審議に参加していただくことも重要ではないかなと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それから、今期の委員会より、ご紹介が今ありましたように、新たに小田切先生と松島先生をお迎えしておりますので、せっかくでございますので、自己紹介を兼ねて一言ごあいさつをいただけたらと思います。小田切先生からどうぞよろしくお願いいたします。
【小田切主査代理】 恐れ入ります。成城大学の社会イノベーション学部におります小田切でございます。専門は経済学ですが、産業組織とか、イノベーションの経済学とか、競争政策とか、そういう問題を主としてやっております。イノベーションの関係で、この航空科学についてもいろいろと勉強させていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
【松島委員】 富山大学工学部の松島と申します。専門はシミュレーションというか、数値流体力学で、主に航空機周りの流れとか、自動車周りの流れをやっております。設計にも少しずつ役立てております。今回、東日本大震災を受けまして、工学の役割というものをもう一度見直したいと思っておりますので、このような委員会に参加させていただいて、いろいろなことを俯瞰できる形で考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【河野主査】 どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。それでは、早速議事を進めたいと思います。本日は主な議題として、お配りしました議事次第にございますように、航空学術技術委員会の設置について以下、5番目のその他までございます。それから、本日の委員会は公開ということになっております。それでは議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【植木参事官補佐】 それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、資料1-1としまして、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会航空科学技術委員会構成委員名簿ということでついております。次に、資料1-2としまして、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会運営規則。資料1-3としまして、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会における部会・委員会の設置について。次に資料2でございますが、航空科学技術の研究開発課題進捗状況の報告。資料3でございますが、第4期科学技術基本計画。これは概要版でございますが、添付しております。また、資料4でございますが、航空科学技術に関する研究開発の推進方策案。これも概要でございます。次に、参考資料でございますが、参考資料1としまして、科学技術・学術審議会関係法令等。参考資料2としまして、東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の検討の視点がついております。参考資料3としまして、第4期科学技術・基本計画。これは本になっているもので、本文でございます。参考資料4としまして、JAXA航空の研究開発に関する外部有識者委員会の検討結果について(抜粋)ということで、これは1月31日の当委員会でご報告されたものの抜粋でございます。参考資料5としまして、航空科学技術分野の研究開発について。これは第33回の当委員会において決定されたものでございます。参考資料6につきましてですが、独立行政法人の事務・事業見直しの基本方針ということで、昨年12月に閣議決定されたものでございます。参考資料7としまして、航空科学技術に関する開発研究の推進方策ということで、これの本紙ということになります。資料は以上です。過不足等ございましたら、お知らせください。
【河野主査】 ありがとうございました。不足のものにつきましては、今ではなくて、その都度でも結構でございますので、お知らせいただきたいと思います。それから、特に資料1-1につきまして、お名前とご所属が書いてございますが、これにつきましてもちょっとごらんになっていただいて、訂正等おありになればお教えいただきたいと思います。
【河野主査】 それでは議事に入りたいと思います。まず、議題の1.航空科学技術委員会の設置についてですが、これにつきまして事務局より説明をお願いいたします。
【植木参事官補佐】 それでは、資料1-1から1-3についてご説明させていただきます。まず、資料1-1につきましては、今、河野先生からもお話がありましたが、第6期の航空科学技術委員会構成員の名簿となっております。なお、任期につきましては、本年2月1日より平成25年1月31日までの2年間ということになっております。次に資料1-2につきましてですが、科学技術・学術審議会研究計画評価分科会運営規則でございます。本航空科学技術委員会に関係するところはこの第4条になっております。分科会は、その定めるところにより、特定の事項を機動的に調査するため、委員会を置くことができるとされております。以下、ちょっと読み上げさせていただきますが、2、委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員(以下「委員等」という。)は、分科会長が指名する。3、委員会に主査を置き、当該委員会に属する委員等のうちから分科会長の指名する者が、これに当たる。4、主査は、当該委員会の事務を掌理する。5、委員会の会議は、主査が招集する。6、主査は、委員会の会議の議長となり、議事を整理する。7、主査に事故があるときは、当該委員会に属する委員等のうちから主査があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。8、主査は、委員会における調査の経過及び結果を分科会に報告するものとする。9、前各項に定めるもののほか、委員会の議事の手続その他委員会の運営に関し必要な事項は、主査が委員会に諮って定める。以上が運営規則のうち、本委員会に関係のあるところの条文でございます。次に、資料1-3の説明をさせていただきます。資料1-3でございますが、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会における部会・委員会の設置について、本年2月15日の研究計画・評価分科会での決定事項でございます。2.についてでございますが、先ほど資料1-2で説明いたしました運営規則第4条1項の規定に基づきまして、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会に以下の委員会を設置することとされております。その中で航空科学技術委員会の設置もうたわれているところでございます。航空科学技術委員会の調査事項といたしましては、ここに書いてありますが、科学技術基本計画で示される重要課題に対応するため、文部科学省における航空科学技術に関する研究開発計画の作成、推進及び評価並びに関係行政機関の事務の調整方針に関する重要事項について調査検討を行うとされております。次のページでございますが、科学技術・学術審議会の組織図が添付されておりまして、研究計画・評価分科会の下に航空科学技術委員会がぶら下がっている形になってございます。次に、当委員会を運営するに当たっての留意点について少しご説明させていただきたいと思います。まず、委員会の公開についてでございますが、原則としてすべての委員会、計画・評価分科会もそうですが、公開となっております。議事録につきましてもホームページ上で公開させていただいております。発言者も発言内容等もそのまま公開されますので、公表することが望ましくない技術的な内容であるとか、情報とか、そういうものにつきましてはご留意いただければと思います。次に、参考資料2をごらんいただきたいのですが、3月11日の東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の検討の視点という一枚紙が、科学技術・学術審議会で決定されておりますので、ご紹介させていただきたいと思います。なお、科学技術・学術審議会の傘下には多くの委員会がございまして、ここに挙げられているすべての項目がそのまますべての委員会に当てはまるものではございませんということを最初に申し上げておきたいと思います。参考資料2をご覧いただいて、検討の視点ということですが、中身的には社会のための社会の中の科学技術という観点を踏まえつつ、以下の観点に留意することとされております。1番としまして、東日本大震災についての科学技術・学術の観点からの検証ということですが、これは今回の震災を検証することにより、今後の対策につなげようというものでございます。次に2番、課題解決のための学際研究や分野間連携についてでございますが、社会が抱える問題解決のために分野間において連携していこうというものでございます。次に3番、研究開発の成果の適切かつ効果的な活用ということでございますが、これは平たく申しますと、出口志向の研究開発をしようじゃないかということでございます。4番ですが、社会への発信と対話ということで、これは成果等の情報を発信するとともに、国民の科学に対する理解を向上させようということでございます。次に5番、復興、再生及び安全性の向上の貢献でございますが、被災地域の復興、再生及び安全性の向上及び環境変化に強い社会基盤の構築に貢献しようということでございます。特に航空分野の科学技術におきましては、出口志向という考え方と5番の安全性の向上がキーになってくるのかと思われます。簡単ですが、委員会の運営にかかるご説明につきましては以上でございます。
【河野主査】 ありがとうございました。ただいまのご説明で何か質問等ございますでしょうか。前回の委員会は1月31日でしたね。あのときは、まだ震災が起きるとも知らないでやっていたという状況だったわけですね。
【植木参事官補佐】 そうですね。
【河野主査】 それから、参考資料2のような観点もつけ加えるべしという話になったということですよね。
【植木参事官補佐】 はい。
【河野主査】 という背景でございますが、いかがでございましょうか。なければ、後でご質問いただいてもいいということで、先に進めさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
【河野主査】 では、続きまして議題2.航空科学技術の研究開発課題の進捗状況についてということで、これはJAXAのほうからお話をしていただきますのでお願いいたします。
【青山室長】 本日は石川理事と岩宮航空プログラムディレクタが海外出張中で、僣越ながら企画室の私のほうからご説明を差し上げたいと思います。ちなみに、石川理事はもしかしたら最後の30分ぐらいは出られるかもしれません。それでは、お手元の資料2をご覧いただきたいのですが、JAXAは、航空部門としては国産航空機、クリーンエンジン、運航安全、静粛超音速と、大きな研究課題としては主にその4点について精力的に推進しているところですが、中でも静粛超音速機につきましてはこの4月、5月にスウェーデンで実験をしまして、非常に目覚ましい成果が出ましたので、それについて資料の2ページ目、3ページ目にご報告をさせていただいているということです。 2ページ目をごらんいただきたいのですが、この静粛超音速機技術の研究開発、これにつきましての概要は、次世代の超音速機、SSTの国際共同開発に対して日本としては主体的に参加することを目指して、特にキーとなるソニックブーム、コンコルドがなかなか成功しなかった原因の一つなのですが、そのソニックブーム低減ということをターゲットにしてこの研究を進めているところです。具体的には、右上の図にあります小型のSSTをターゲットにしまして、技術課題としましてはその図の下のほうに4つばかり、ソニックブームと離着陸の騒音、抵抗低減、軽量化と書いてありますが、そういう技術課題を解決しようとして研究を進めているわけです。これを実現するために、要素技術に関しましては要素技術の研究開発ということで淡々と進めているのですが、一方で、特にソニックブームのところは重点的に、プロジェクト的に進めていこうということで、そのコンセプト確認、落下試験、D-SEND計画と真ん中に書いてありますが、そういうプロジェクトを策定しまして、現在進めているところであります。このD-SENDは、D-SEND♯1とD-SEND♯2ということで左下の四角に書いてありますが、2つに分かれております。D-SEND♯1というのは、空中ブーム計測技術の確立、それと低ブームの波形がちゃんと計測できるかを確認するようなことを目的にやっております。D-SEND♯2は、D-SEND♯1でできた空中でソニックブームをしっかりとはかれるという技術を使って、今度はJAXAが独自に低ブームの機体をコンセプトとして出すのですが、それを実証するために計測技術を使うということでD-SEND♯2というものが定義されております。3ページ目にD-SEND♯1の詳細について書いてあるのですが、これは4月19日から5月16日までスウェーデンのエスレンジという実験場で実施されました。右上の図にありますとおり、二つの供試体を気球で上空まで上げて、それを上から落として、発生するソニックブームを係留の気球でつり上げられたマイク、あとは地上に設置されたマイクではかることでソニックブームを計測しようということです。その2つの供試体というのは、一つはN型波形という、いわゆる典型的なソニックブームが発生するような供試体で、もう一つは少し長いほうですが、これはN型波形の頭の部分を少し切り落としたような台形の波形が出てくるモデルになっております。これを実際に落として計測したところ、3ページ目の右の下の図をごらんいただきたいのですが、N型の波形と台形状の波形がともによく計測されておりまして、1回目、2回目とも、我々専門家でもここまでいい成果が出るとは予想していなかったのですが、そういう意味で非常にすばらしい成果が得られたと。あと、左側には解析結果もあるのですが、解析結果も非常に良好な一致が得られておりまして、今回の計測は解析のツール検証ということでも非常に有効な成果が得られたと考えております。それが静粛超音速機の話ですが、続いて4ページ目の幾つか箱が並んでいるページに移りたいのですが、一番上の国産旅客機高性能化技術の研究開発、これは航空技術産業が次世代の基幹産業になることを、我々はサポートするために非常に力を入れて推進している課題です。課題の概要・目的というところに書いてありますが、主に低燃費、低騒音、あとは安全性向上に焦点を当てて技術開発を行っているわけですが、それとともに試験設備の整備、供用ということも目的にしております。最近の主な取り組みと成果ということですが、低騒音化に関しまして実機の音源探査ということで実際の機体を飛ばしまして、機体のどこから音が出ているかを計測するようなことをやっていまして、特に本年度はその解像度を向上するということを目指しております。あとはJAXAの試験設備供用によって、複合材の型式証明試験実施、あるいは異物の衝突に関する型式証明試験手法確認ということを行っております。今後の予定としましては、先ほどの音源探査を実際に解像度の上がったものを確認するために小型ジェット機を飛ばして確認試験を行う。あとは実大の尾翼試験、これは24年度開始予定なのですが、それの準備を開始しているところです。右側にジェット飛行実験機と書いてありますが、これはアメリカのセスナ社のサイテーション・ソブリンという機体をJAXAが購入しまして、これが8月5日に国内に到着しまして、今後、国内で実験機器搭載等を済ませまして、24年に納入予定ということになっております。これは次世代運航システムに係る飛行試験等に使っていきたいと考えております。あとはクリーンエンジンの技術開発ですが、エンジンについても機体と同様に航空技術の非常に重要な位置を占めているわけですが、我が国としては国際共同開発に主体的にかかわっていくために重要な技術開発を行っているわけですが、主に低NOXと低騒音、あとは低CO2化、この3つを目的にして研究を進めているところです。最近の主な取り組みと成果ということですが、低NOXについてはマルチセクタの燃焼器試験によってICAOのCAEP/4基準の77%減を達成しております。あと、低騒音化については複数のデバイス、これはノッチとかネイルと呼ばれているものですが、そういうものを開発しまして、その効果を確認している。あとCO2に関しては冷却性能改善構造の模擬試験をやっておりまして、低CO2化、いわゆる高効率化を目指して研究を進めているところです。今後の予定としましては、低NOX化に関して燃料のノズルを改良することでさらに低CO2化を進めるということと、低騒音に関しては先ほど申しました複数のデバイスの中からよいものを選定して、実際にエンジン試験を実施していきたい。低CO2に関しては、先ほどの冷却構造とともに、さらに高性能化のファン動翼の設計・製作に着手していこうと考えております。一番下の運行安全技術・環境保全技術の研究開発ですが、これはまた航空機のユーザーである皆さんからすると、安全というのは非常に気になるところかと思うのですが、そこについて重点的に進めている研究課題になります。大きく分けて事故防止技術と高精度運航技術というふうに2つポツがありますが、事故防止技術のほうはヒューマンエラー防止、あとは航空機に搭載可能な小型風計測のライダを開発しております。あともう一つの高精度運航技術、我々は通称DREAMSと呼んでおりますが、次世代の運航システムの研究開発というものになります。それぞれの具体的な取り組みですが、事故防止のほうは日常運航再生ツールをJAXAで開発しているのですが、それをB787に対応するように追加の作業をしているということと、ライダにつきましてはボーイングと共同研究をしているのですが、メーカーとの協議を鋭意進めている最中であります。あと、DREAMSのほうは、次世代運航システムの基本構成と仕様を策定ということと、運航管理システム、これは通称D-NETと呼んでいますが、災害時にいろいろな機体が効率よく交信できるようなシステムですが、これを岐阜県のドクターヘリに搭載して、評価に着手するということです。あと、今後の予定としましては、先ほどの日常運航再生ツールをエンブラエルの機体に対応するように拡張ということと、ライダについては信頼性、小型化ということをして、実際の製品に結びつけていこうというところです。あと、運航管理システム、D-NETですが、これは神戸市の消防ヘリに搭載して、評価していこうという状況であります。
【河野主査】 ありがとうございます。ご質問をいただくのですが、その前に私のほうから。この委員のメンバーの方々には今までご参加いただいて、いろいろ勉強された方もいらっしゃるし、今回初めて参加される新しい委員の方も2人いらっしゃるということで、松島先生につきましては数値シミュレーションということで、翼周りの流れとか、そういうことはご存じなのですよね。
【松島委員】 はい。
【河野主査】 だから、一応そのまま航空関係にご経験はあるというふうに考えますが、小田切主査代理につきましては、まだそういう勉強もされてないし、ここで今日ご説明があったのですが、イノベーションとか、そういうこともご関係されているということで、こういう説明にはよく立ち会われているとは思うのですが、我々が航空村になってはいけないということがありますので、そこら辺のポイントを小田切先生にやっていただくということになっているわけなので、今日の説明につきまして、今後、注意したほうがいいとか、そういうことがありましたら、ぜひご意見をいただければと思います。例えば専門用語がいきなり出てきてわかるのか、わからないのか。だったら、事前に説明に行ったのかとか、そういう話もあると思うのですが、事務局での対応と、それから先生のご意見をちょっとお伺いしたいなと思うのですが、いかがでしょうか。
【小田切主査代理】 なかなか難しいご質問ですが、私、2月でしたですか、調布のほうにも一遍見学をさせていただいておりますので、今日ご説明があった話も幾つかあそこでお聞きした気がするのですが、もちろんのことながら詳しい、技術的なことは私にはちんぷんかんぷんでございますが、そういうあたりを細かくご説明いただいても、多分ここの趣旨でもないと思っております。私自身は、基本的には経済学が中心なものですから、そういう意味でいろいろな関心がある、あるいはご説明いただくときにも、わりにこういうことをお話ししていただきたいという気がしておりますのは、一つには国と民間との関係です。民間の企業が行う研究開発だけではなくて、国がどうしてサポートしなければならないのかということが明確になるようにしていただきたいということです。それからもう一つは、科学技術政策、イノベーション政策という観点から申し上げますと、ここに今日も来ておられますが、他省庁との関係という問題は、文部科学省だけではなくて、経済産業省、国土交通省、防衛省、その他いろいろな形でかかわっているものですから、そこの分担というのでしょうか、あるいは協力というのでしょうか、その辺がどうなっているのかということにつきましてもご配慮いただいて、ご説明をいただければと思っております。そういった観点から、何か意見等々を申し上げられればと思っております。
【河野主査】 ありがとうございました。今日、国と民間との関係というのがありましたが、JAXAがその中でどういう位置づけで、あるいは今までどういうことをやって、今後どうやるかということも入っていくわけで、そこら辺がよくわかるようなことは非常に必要なことなので、ぜひお願いしたいと思います。他省庁につきましても、関係あるところはご協力いただくということでやっていますが、明確にどういう分担かというのは今後のことだと思っておりますので、JAXAの航空部門の位置づけを特に重点的に考えていきたいと思いますので、そこら辺は事務局としても十分ご注意いただきたいと思います。それから、小田切先生に航空のファンになっていただくということもありますので、そういう話題でもあれば積極的に説明に行って、こういうことを言っていいのかどうかわからないのですが、議事録とか言っていましたね。強い味方になっていただくということをお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、ほかの方のご意見、ご質問をどうぞ。
【萩原委員】 ちょっと技術的な質問になるかと思うのですが、D-SENDで非常によい結果が得られたというので、これ、なぜこういうふうにソニックブームの頭が切れるかというのを、以前、機体の実験をウーメラでやろうというときの説明で、断面積の時系列的な変化をコントロールするとこうなるということだったのですが、今回はこの軸対象ので見ると、単に先を長くしただけのように見えるんですが、なぜこうなったかというのを素人とか世の中に説明するときに、どういうふうに原理を言えばよろしいんでしょうか。
【青山室長】 それは、では原局から。
【JAXA(吉田)】 原局です。おっしゃるとおり、断面積分布を軸の長さ方向にうまくコントロールしたということでございます。長くなっているのは、説明がややこしいのですが、途中に円筒部のフラットな部分がありまして、その円筒部までの長さの断面積の変化を工夫しています。N型のほうは円錐で、半頂角が今の場合は十数度ある、ただの直線のものです。そこは直線的に断面積ですから、X2乗で増えていきますが、片方のほうはXの2分の1乗、2分の3乗、2分の5乗を組み合わせたような格好になっております。これで先端部がフラットになります。我々の技術はそれだけではなくて、今回はやっておりませんが、D-SEND♯2では後端の衝撃波も抑えるように。今度は翼がありますので、断面積だけではなくて、翼の揚力分布と尾翼の揚力分布を工夫してやるということを盛り込んで、D-SEND♯2で実証しようとしております。
【萩原委員】 D-SEND♯2になると、この谷のとがったところも削ろうということを考えるわけですか。
【JAXA(吉田)】 はい、後端部のほうが。今回、後方の2個目のショックはコントロールしておりませんが、次回はそこもコントロールすると。先端部は基本的に同じような考えが使われます。ただ、機体に適用することを考えておりますので、抵抗も下げたいので、抵抗とソニックブームの両方を下げるということで、先ほどの2分の1乗、2分の3乗、2分の5乗の組み合わせの係数が変わってくることになります。
【萩原委員】 どうもありがとうございました。
【河野主査】 前、ソニックブームの音をここで実演してもらいましたよね。今回のやつはそんなに大きいものは出てないのですよね。
【JAXA(吉田)】 はい、そんなに大きいのでは出ておりませんが、今計測した波形を・・・。
【河野主査】 明らかにわかりますか。
【JAXA(吉田)】 わかります。計測した波形をシミュレーターに入れると音が出ますし、計測点に人間はいないのですが、計測点から約10キロのところでもソニックブームは聞こえまして、退避場所でも音を聞いた人間がおりますので、聞きますとN型は結構大きな音で、それに対して断然小さい音が、確認はできるのですが、音が聞こえたと言っております。
【河野主査】 録音もしてあるわけですか。
【JAXA(吉田)】 してあります。今度シミュレーターで再現できるようにいたしますので、また機会をつくれればと思います。
【河野主査】 そうですね。チャンスがありましたら、ぜひ。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
【鐘尾委員】 長年の結果といいますか、紆余曲折があって成功されて、おめでとうございます。ちょっと技術的な質問なのですが、これは垂直落下ですよね。21キロのところから落としてというところで、これ、音速を超えるのは大体何キロですか。
【JAXA(吉田)】 今回、音速を超えたのは、すいません、プレスリリースで出した速報にはどこでマッハ数が変わったかというグラフがあったのですが、今、ちょっと手元に忘れまして、14キロぐらいでたしか超えて、最初の試験ではマッハ1.43まで最高速度はいっております。そこのほぼマッハ数最高のところがブーム計測地点に届いておりました。第2回目は最高マッハ数は1.73なのですが、この計測ポイントに届いたのは1.58のマッハ数のポイントでのものが届いておりまして、正確な数字は覚えておりませんが、高度は14、5キロのところが届い・・・、すみません、届いた波形はもっと下です。7キロぐらいのが届いております。
【鐘尾委員】 やはり一番大事なのは、来年以降の実際のモデルに基づく実験だと思うのですが、こちらのD-SEND♯2のほうを見ますと、垂直落下じゃなくて、45度ダイブということになっていまして、21キロ~27キロあたりで45度ダイブでマッハって出るんですか。
【JAXA(吉田)】 そうではありません。実際は20キロから30キロの間のどこかで落下させますが、最初は空気がありませんので真っすぐに落下して、密度がだんだん濃くなりますと、空気の影響で、翼で飛行できるようになります。したがって、機体の姿勢を持ち上げてきまして、実際、今は50度ぐらいの角度で、ダイブ飛行と申しますが、滑空していきます。そうすると衝撃波が真下に伝わるようになって、マイクロホン目がけて50度のダイブでフライトしますと、マイクロホンの上から衝撃波が来るような格好になりまして、飛行制御をコントロールしやすいということで、そういうフライトをさせますので、D-SEND♯1のように垂直落下ではありません。
【鐘尾委員】 だからやはり、私としましては成功していただきたいわけで。
【JAXA(村上)】 シミュレーション上はしっかりと、今見積もっている空気抵抗とか、その試験の結果として、高度が7、8キロのところでマッハ1.3から1.4出るという設計結果も出ています。
【鐘尾委員】 計算上では可能ということなのですね。
【JAXA(吉田)】 可能です。
【鐘尾委員】 そうですか。いい結果が出たので、次もいい結果を出していただきたいなと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
【JAXA(吉田)】 ありがとうございます。
【河野主査】 ほかにいかがでしょうか。
【大林委員】 ここに書いてないことをちょっとお聞きしたいのですが、先ほども震災対応で検証してくださいという指摘があったので、震災対応でJAXAがどんな活動をされたかという報告をしていただければと思います。
【青山室長】 震災対応では、まず宇宙分野のほうでは、ALOS「だいち」という衛星を使って、震災の現場の状況を宇宙から取得したということがあります。もう一つは、インターネット衛星のWINDS「きずな」を使って、インターネットの通信を被災地で可能にしたという貢献をしました。あと、航空分野ではビーチクラフトという、うちが持っております実験用航空機を福島の上空で飛行させまして、それは30キロ以遠ではあったのですが、飛行をさせまして、放射線のモニタリングを行ったということをやりました。これはたしか計5回飛行をやりました。そういうのが実際に行ったことで、あとつけ加えますと、その後、文科省さんからの依頼などもありまして、原発の直上のところで、皆さん非常に心配している放射線がどのぐらいになるかということを実際に計測、あるいは監視できないかということで、小型無人機とか、飛行船というものを使って、その可能性については検討させていただいております。ただし、安全性というところをなかなか確実に確保できないので、今のところ、まだ実現には至っておりませんが、最近はさらに原子力機構とか、あるいは放射線医学研究所から同じようなモニタリングの検討依頼みたいなものも来ておりまして、これから実現の可能性もまだ残っていると考えております。
【大林委員】 最後の無人機のところで、航空宇宙学会でも航空宇宙から震災対応でどんなことができるかということで、現在、鈴木会長のリーダーシップのもとでタスクフォースが形成されて検討されていますので、ぜひタイアップして進めていただければと思います。
【青山室長】 はい。
【大林委員】 ちょっと資料を配付させていただいてよろしいでしょうか。資料1枚目がタスクフォースの紹介で、9月27日にフォーラムがありますので、皆さんお時間がありましたら、ぜひご参加いただければと思います。2枚目が、ちょっと気になる新聞記事があったので、一緒にコピーをつけさせていただきました。JAXAの飛行船が廃止されて飛ばせなかった、監視ができないという記事になっています。これをよく見ると、今回の配付資料の参考資料6で、飛行船関連事業は名指しでとめられていて、僕が最初これを見たときに、かつて成層圏プラットフォームというのをやっていて、その事業が廃止になったのかなと思ったら、災害監視のものもプロジェクトがストップしているみたいで、それはちょっと筋が違うのじゃないかなと思います。この参考資料2にあるように、震災を踏まえて検討し直そうということなので、ぜひこの委員会でも震災を踏まえて、災害監視についてJAXAはもっと力を入れるべきじゃないかという点を議論していただければと思います。
【河野主査】 非常に重要なご提言をいただきましてありがとうございました。これにつきましては後のほうの議題とも関連しているところがございますので、今後の活動とか、そういうことと関係しているということで、そこでまとめて審議していただければと思います。石田さん、どうぞ。
【石田委員】 基本的にそれで結構だと思います。この資料2は進捗状況のご報告ということであるわけですが、さっきもご説明がありましたように、科学技術・学術審議会全体で、出口志向ということになっているわけであります。それぞれのプロジェクトの現状をきちんと教えていただくのは非常に大事だと思いますが、将来、どこまでが現在の予算でやれることであって、どこからが来年以降の予算ということになるのか、さらに出口、あるいは次のステップはどうなるのかについては財政当局との関係もあってなかなか言えないこと、書けないことはいっぱいあると思うのですが、それでもなるべく出口がわかるような説明をこれからさらにしていただければ、我々も非常に理解しやすいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
【青山室長】 ご指摘ありがとうございます。
【知野委員】 すみません、一つ質問よろしいでしょうか。
【河野主査】 どうぞ。
【知野委員】 この進捗状況の中の、D-SEND計画の2のほうですが、平成25年度実施予定となっていますが、この予定というのはどの程度の確からしさなのでしょうか。効果ということで、我が国産業界への技術移転による国際競争力強化というのを挙げていますが、これは具体的には産業界、例えばどういう企業にどういう技術を移転するということを考えておいでなのかということを教えてください。後の議題になるとは思うのですが、今、ご指摘のあった産経新聞の記事の災害監視用小型飛行船というのは、成層圏プラットフォームとはまた別のものなのでしょうか。そこのところを確認させてください。
【青山室長】 最初のご質問ですが、こちらの超音速機に関しましては、25年実施予定というのは、もちろんこれは予算要求との兼ね合いで、我々としては最大限、これが25年度に実現するように鋭意努力はしていきますが、日本の財政事情もいろいろありますので、その辺によってはちょっと変わってくるかもしれないという含みがあります。産業界の移転のあたりはちょっと・・・。
【JAXA(吉田)】 今、我々はこのD-SEND♯2をつくる低ソニックブームの設計技術に対して特許を持っております。それは国際特許も出しておりますので、それが日本の技術だと考えております。技術移転先としては、日本でいうと機体をつくります重工メーカーさんということで、そこを考えておりますし、私どもはこの静粛超音速技術の位置づけを、産業界の方、経産省さん、文科省さん、国交省さんの議論の中で目的・目標を共有するというのを超音速連絡協議会の幹事会で議論いたしまして、そこで位置づけを明確にしてやってきているつもりでございますので、我々の技術が飛行実証をし、静粛の技術がまとまった段階でそこの約束というか、共有した目標に対して提供していくということが、我々が今目指していることでございます。
【知野委員】 今ご説明があったように、財政状況は非常に厳しいと思いますので、例えば民間移転先からも費用の協力を求めるとか、そういうことは考えておいでではないのでしょうか。
【青山室長】 具体的にはまだあれですが、この前の仕分けでも指摘がありましたように、JAXA全体の事業が民間資金の積極的な活用ということを言われておりますので、次期中期の計画なんかも今立てているのですが、そういう中では積極的に民間の資金を出していただくと、資金だけではなくて、例えば民間の方の人工費とか、あるいは設備をそのまま出してもらうとか、そういったたぐいの形で、JAXAのプロジェクトに民間の力を最大限に入れていただきたいということで計画を練っているところです。あと、SSTに関しましては、確かに機体そのものの技術移転というのは少し先のことになるかもしれないのですが、この計画のまた一つの大きな肝は、計測技術を世界で初めて確立したということでして、これは今、ICAO、国際民間航空機関のほうでソニックブームの計測についてルールづくりをしていまして、今まで日本は、ルールづくりという一番おいしいところになかなか入っていけなかったのですが、幸いなことに、我々は超音速機については相当長いこと研究してきておりますので、そのベースがあることから国際的にも非常に発言力が高くて、今回の計測技術をICAOに提案することで、我々の主導権というのは、そういう形でも多分プレゼンスが高まると考えております。
【知野委員】 すみません、もう一つ。これは成層圏プラットフォームと別なのですか、同じなのですか。
【青山室長】 すみません、飛行船ですね。これは、我々も最初に指摘を受けたとき、そうではないかと思って期待したのですが、文科省さんからもご確認をいただいた結果、現在、我々のほうでやっている小型の飛行船が対象であると。要するにJAXAで飛行船事業をやるのはだめですよというようなご指摘を受けたと伺っております。
【知野委員】 じゃ、成層圏とはまた別のものという。
【青山室長】 はい。成層圏は既に我々としては一度クローズしてありますので。
【河野主査】 谷先生、どうぞ。
【谷委員】 先ほどの資料の最後のページの中で2点ほど質問をさせていただきたいのですが、まず1点目は旅客機高性能化技術のところですが、3の今後の予定のところで、24年度開始予定の実大尾翼試験が型式証明試験の一環として行われるということになっておりますが、これは、どういう目的でどういう試験をされるのでしょうか。と申しますのは、おそらく尾翼も含めた全機の静強度試験ですとか、あるいは疲労強度試験は当然予定されていると思うのですが、尾翼だけ取り出して試験をする理由をご説明いただきたいというのが1点。それから2点目は、一番下の運航安全技術のところです。ライダの開発でございますが、これは昨年ボーイングと技術協力をするということで、飛躍的に実用化が進むのじゃないかという期待を実はしているんですが、なかなか小型化のめどが立っていないという感じなんですが、これの実用化のめど、あるいは実用化の計画というのはどの辺を目標にされているのかというのがございましたら、ご説明願いたいということです。
【青山室長】 わかりました。これはそれぞれまた原局のほうから。最初は尾翼試験についてお願いします。
【JAXA(大貫)】 MRJの全機強度試験は別途計画されておりますが、それとは別に、尾翼は複合材製になりますので、尾翼、水平尾翼、垂直尾翼だけ実大の尾翼を取り出して、JAXAの試験設備を用いて、三菱が平成24年度に静強度と疲労試験を行う予定です。ですから全機強度試験とは別途行うということです。
【谷委員】 それが型式証明試験の一環ということですか。
【JAXA(大貫)】 はい。
【谷委員】 そうですか。わかりました。
【青山室長】 では続きまして、安全のほうをお願いします。
【JAXA(中島)】 ただいまご質問いただきましたライダの件ですが、現状といたしましては高出力化のほうがめどが立ってきているということで、ボーイングに搭載をして、実際の検証をしながらも、今度は小型化のほうに向かっております。ただ、実用化のめどにつきましては、現時点ではまだ立っておりません。こちらにつきましてはボーイングの意向もかなりありますので、こちらはスペックに合うような小型化を今後研究で試行していくということになると思います。
【谷委員】 例えば、予算を重点的にライダの実用化、あるいは小型化に向ければ、開発が早まるということはあるのでしょうか。予算の問題だけではない?
【JAXA】 予算の問題以外に、それをどう使っていくかという部分、乱気流を検知した場合にそれをどのような形で回避をするのか、シートベルト・サイン等で対応するのかとか、運用面での問題というものもありますので、実際にそれを運用の中でどう生かしていくかというところも、まだこれから議論が必要だと思います。
【谷委員】 ご承知だと思うのですが、おそらく民間の航空事故の半数とか、あるいは私はそれ以上だと思っているのですが、今の航空事故のかなりの部分をタービュランスによるけが等が占めているはずなのです。だから、それを減らすことができれば、ますます民間航空機の事故の件数は減るはずなのです。だから、ぜひ強力に推し進めていただきたいと思っています。
【青山室長】 わかりました。
【JAXA(中島)】 乱気流の事故というのは、かなり比率が高いというのは認識しております。ぜひ積極的に進めていきたいと思っております。
【河野主査】 ありがとうございました。
【河野主査】 スケジュールどおりで進めさせていただきたいと思いますが、ちょうど今の時間ですと、議題3に入るかなという時間でございますので、とりあえず進めさせていただきます。ご質問は後からさかのぼっても結構でございますので、とりあえず議題3.第4期科学技術基本計画についてということで、事務局のほうからご説明をお願いいたします。
【植木参事官補佐】 それでは、今年の8月19日に閣議決定されました第4期科学技術基本計画につきましてご説明させていただきます。最初に、科学技術基本計画ですが、内閣総理大臣が座長を務めております総合科学技術会議というものがございまして、そこで議論が行われまして、今後5年程度の科学技術の方針について大きな方向性を取りまとめたものでございます。この科学技術基本計画でございますが、5年ごとに取りまとめられておりまして、今期で第4期目ということになっております。次に、今回閣議決定されました第4期科学技術基本計画の概要についてご紹介させていただきます。資料3でございます。最初に、現在の基本認識ということで記されております。まず、1番目ですが、日本における未曾有の危機、世界の変化についてということで、本年3月11日に東日本大震災が発生いたしました。この東日本大震災を世界的課題ととらえ、あらゆる政策手段を総動員して震災対応に取り組まなければならない。また、我が国と世界は、政治、社会、経済的に激動の中にございまして、科学技術に求められる役割も大きく変化しているとされております。具体的には東日本大震災による影響、少子高齢化と人口減少の進展と、社会的・経済的活力の減退、産業競争力の長期低落傾向の3つが挙げられているところでございます。また、世界の変化としましては、環境問題等の地球規模問題の顕在化、資源、エネルギー、食料等の獲得競争の激化、新興国の経済的台頭、経済のグローバル化の進展、イノベーションシステムの変化、頭脳循環の進展が挙げられているところでございます。次に、科学技術基本計画の位置づけについてでございます。今後5年間の国家戦略として新成長戦略、これは平成22年の6月に閣議決定されてございますが、それを幅広い観点からとらえて、深化、具体化し、他の重要政策との一層の連携を図りつつ、我が国の科学技術政策を総合的かつ体系的に推進するための基本方針とされております。次に3番でございますが、第3期科学技術基本計画の実績及び課題についてでございます。第1期基本計画以降でございますが、研究開発投資の増加や科学技術システム改革等で数多くの成果が上がっておりますが、一方、課題も結構顕在化してきているということでございます。課題としましては、個々の成果が社会的課題の達成に必ずしも結びついていないということ。論文の占有率の低下、論文被引用度の国際的順位も低水準であると。3番目に政府投資、これは研究開発に係る投資を指しておりますが、政府投資は増加傾向にあるものの、近年は伸び悩んでいるということでございます。次に、大学の若手ポストの減少。これは大学院生が急増する一方で、研究者のキャリアパスの確立がおくれているというところでございます。それと、施設・設備の維持管理に支障とございますが、これは研究開発法人への交付金の減少が要因というふうに本文に記載されてございます。最後に、科学技術に対する国民の理解が必ずしも得られていないとございますが、科学技術への投資は未来への投資ということであることが国民に十分理解されていないということが書かれてございます。次に、第4期科学技術基本計画の理念ということでご説明させていただきます。1番目の目指すべき国の姿としまして、次の5つが挙げられております。「震災から復興、再生を遂げ、将来にわたる持続的な成長と社会の発展を実現する国」、「安全、かつ豊かで質の高い国民生活を実現する国」。この「安全」というのは、自然災害や重大事故等から国民の生命や財産を守るという意味でございます。また、「豊か」というのは、物質的だけでなくて精神的にも含まれているということでございます。3番目、「大規模自然災害など地球規模の問題解決に先導的に取り組む国」。「大規模自然災害など」と書かれていますが、地球温暖化も含まれるということでございます。4番目、「国家存立の基盤となる科学技術を保持する国」、5番目、「知」の資産を創出し続け、科学技術自体を文化としてはぐくんでいく国とされてございます。次に、今後の科学技術政策の基本方針ということで、3つ方針が示されてございます。1つ目としまして、「『科学技術イノベーション政策』の一体的展開」と書かれてございます。これは、我が国や世界が直面する課題を特定した上で、科学技術の成果の社会への還元を一層促進しようというものでございます。次に、「『人材とそれを支える組織の役割』の一層の重視」です。これは、次代を担う人材の育成と確保、キャリアパスの充実を積極的に進めまして、人材が能力を十分に発揮して活躍できるよう、大学や公的研究機関等において人材を支える支援機能を充実させたり、研究者間や組織間のネットワーク形成を強化したりするといったものでございます。3つ目としまして、「『社会とともに創り進める政策』の実現」ということで、国民との対話や情報提供をさらに進めることにより、国民の信頼と支持を得るように努めなさいということでございます。以上が基本認識でございます。1枚めくっていただいて、次のページに移ってください。次に、将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現についてでございます。まず、基本方針でございます。「震災からの復興、再生を遂げ、将来にわたる持続的な成長と社会の発展に向けた科学技術イノベーションを戦略的に推進」すると書かれております。本文においては、「震災から力強く復興、再生を遂げ、将来にわたり、持続的な経済成長と社会の発展を実現していくことが極めて重要であり、これが科学技術イノベーション政策に最も期待されていること」と記されております。次に2番目でございますが、震災からの復興、再生の実現については、次の3つのポイントが重要とされております。1番、「被災地の産業の復興、再生」、2番、「社会インフラの復旧、再生」、3番、「被災地における安全な生活の実現」の3つでございます。次に3番目、グリーンイノベーションの推進でございます。今回の基本計画、特に航空科学技術分野におきましてはグリーンイノベーションの部分が重要な部分でもございます。1つ目は「安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現」でございます。これは、再生可能エネルギー普及の大幅な拡大に向けた革新技術の研究開発、分散エネルギーシステムの研究開発の取り組みを推進するとされてございます。2番目、「エネルギー利用の高効率化・スマート化」ということで、ここでは民生、運輸部門の低炭素化、省エネルギー化がうたわれてございまして、この中で航空機を含む高効率輸送機器の研究開発の推進が本文中にも述べられているところでございます。3番目、「社会インフラのグリーン化」でございます。ここでは、環境先進都市の構築に向けた高効率の交通・輸送システムの構築に向けた研究開発の推進が述べられているところでございます。次に4番目、ライフイノベーションの推進でございます。ここは特に当航空科学技術委員会には直接は関係のないところでございますが、述べられているところでございます。次に、5番目の科学技術イノベーションの推進に向けたシステム改革でございます。1番目、「科学技術イノベーションの戦略的な推進体制の強化」としまして、1番目、「『科学技術イノベーション戦略協議会(仮称)』の創設」。これは総合科学技術会議の下につくるみたいなことが本文中には書かれてございます。2番目、「産学官の『知』のネットワーク強化」、3番目、「産学官協働のための『場』の構築(オープンイノベーション拠点の形成等)」が述べられてございます。また、2番目、「科学技術イノベーションに関する新たなシステムの構築」につきましては、1番目、「事業化支援の強化に向けた環境整備」、2番目、「イノベーションの促進に向けた規制・制度の活用」、3番目、「地域イノベーションシステムの構築」、4番目、「知的財産戦略及び国際標準化戦略の推進」が述べられてございます。次に、我が国が直面する重要課題への対応でございます。基本方針としまして、「国として取り組むべき重要課題を設定し、その達成に向けた施策を重点的に推進」するとされております。次に2番目、重要課題達成のための施策の推進でございますが、重要課題としましては次のとおり記されてございます。まず1番目としまして、「安全かつ豊かで質の高い国民生活の実現」でございます。1番、「生活の安全性と利便性の向上」につきましては、交通・輸送システムの高度化及び安全性評価に関する研究開発を推進することとされております。その他、2番目、「食料、水、資源、エネルギーの安定的確保」、3番目としまして「国民生活の豊かさの向上」となってございます。次に、「我が国の産業競争力の強化」としまして、1番目、「産業競争力の強化に向けた共通基盤の強化」。「共通基盤」とございますのは、先端材料とか部材の開発でございます。2番、「我が国の強みを活かした新たな産業基盤の創出」ということで、新たな付加価値の創出がうたわれております。次に3番、「地球規模の問題解決への貢献」で、1番目として、地球規模問題、気候変動とか生態系、資源エネルギー等への対応を促進しましょうということでございます。4番目、「国家存立の基盤の保持」でございます。1番目、「国家安全保障・基幹技術の強化」、2番目としまして「新フロンティア開拓のための科学技術基盤の構築」が挙げられてございます。(5)「科学技術の共通基盤の充実、強化」としましては、1番目、「領域横断的な科学技術の強化」、2番目としまして「共通的、基盤的な施設及び設備の高度化、ネットワーク化」が挙げられてございます。その下の3番目、重要課題の達成に向けたシステム改革は、左の2.5で挙げた推進方策に基づく取り組みとされてございます。4番目、世界と一体化した国際活動の戦略的展開につきましては、世界との国際協力、協調が重要であるとされているところでございます。さらに1枚めくっていただきまして、4、基礎研究及び人材育成の強化でございます。 1番、基本方針としまして、「重要課題対応とともに『車の両輪』として、基礎研究及び人材育成を推進するための取組を強化」するとされてございます。2番目としまして、基礎研究の抜本的強化におきましては、1番、「独創的で多様な基礎研究の強化」、2番、「世界トップレベルの基礎研究の強化」が重要であるとされてございます。また、3番目、科学技術を担う人材の育成におきましては、1番、「多様な場で活躍できる人材の育成」、2番、「独創的で優れた研究者の養成」、3番、「次代を担う人材の育成」が必要とされてございます。4番目、国際水準の研究環境及び基盤の形成におきましては、(1)「大学及び公的研究機関における研究開発環境の整備」としまして、1番、「大学の施設及び設備の整備」、2番、「先端研究施設及び設備の整備、供用促進」が必要であるとされてございます。(2)の知的基盤、3番、研究情報では、関係機関が連携することやネットワークの整備等が重要であることが書かれてございます。 5、社会とともに創り進める政策の展開です。基本方針としまして、「『社会及び公共のための政策』の実現に向け、国民の理解と信頼と支持を得るための取組を展開」することとされてございます。読み上げることはいたしませんが、国民に理解されまして支持される研究開発活動を実施するとともに、説明責任を果たすことが重要とされてございます。以上、第4期科学技術基本計画を簡単にご説明差し上げましたが、ポイントとしましては、ここにおきましてもグリーンイノベーション等、出口志向の研究開発とか基礎・基盤研究の充実、人材育成という3つが主に柱なのかなと考えてございます。簡単でございますが、以上で第4期科学技術基本計画の説明を終わらせていただきます。
【河野主査】 ありがとうございました。それでは、ご質問をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ。
【石田委員】 今のご説明でよくわかりましたが、ぜひおっしゃっていただくべきことがあったと思います。それは何かと申しますと、これは科学技術基本法に基づいて制定されておる計画であって、法律に基づく計画であるということが非常に大事な点ではなかろうかと思います。 いま一つは、本来、これは今年の3月までに決めるべきものであって、本来の3月までに決まっていないということは、3月から8月までの間は一体何であったかということがほんとうはあるわけでありますが、8月というのは、基本的に来年度の予算の概算要求等々に間に合うようなタイミングで決めないと実際の計画としてなかなか機能しないので、ほんとうは震災の状況はもっとゆっくり加味すべきだったかもしれませんが、8月までにぜひしなきゃいけないということでこうなったと。これは私が申し上げるべきことではありませんが、私はたまたま科学技術・学術審議会のメンバーでもあるものですから、ぜひつけ加えて申し上げさせていただきたいと思います。以上です。
【河野主査】 どうもありがとうございました。法律である、だから守らなきゃいけないことであるということですが、おっしゃるとおりだと思います。ほかにございますでしょうか。どうぞ。
【鐘尾委員】 小さなことですいませんが、人材の育成のところ、「女性研究者の活躍の促進」というのがちょっと気になってしまったのですが、活躍を促進しなければならない事情というのが何かあるのですか。ことさら項目を挙げて出すようなことなのかなと思ったのです。
【植木参事官補佐】 すいません。総合科学技術会議の中でどういう検討があって、なぜこのとおりにまとまっているか、そこまでちょっと。
【鐘尾委員】 ちょっと違和を感じたので、この感じだけお伝えしておきます。
【石田委員】 よろしいですか。私、申し上げる立場では全くないものですが、総合科学技術会議の前に科学技術・学術審議会の総会でも随分、野依先生を中心に考え方をまとめられたこともあるものですから。そのときの議論は、こう書くと若干ことさらという感じも、おっしゃるとおりであるのですが、それとともに、世界的に見て、やはりまだもっともっと日本の女性研究者に活躍していただける余地は非常に大きいのじゃないかというご意見も、総会なんかでも委員の方々からもあったことも踏まえて、そういうことが総合科学技術会議にも伝わり、それが全体でこうなっておるもののように私は認識しておるわけであります。
【鐘尾委員】 ありがとうございます。こういうふうに出ると、何かこれを出さなきゃいけないような事情が、私はないと思っているのですが、逆にあるのかなと思ってしまうので、ちょっと違和感というのはそういう意味です。今の状況で、別にそういう状況はないと私は信じているものですから。
【河野主査】 ほかにございますか。なければ、続きまして資料4ですかね。議題4.航空科学技術に関する研究開発の推進方策(案)について、事務局より説明をお願いいたします。
【植木参事官補佐】 資料4のご説明を差し上げる前に、まず今回、推進方策のドラフトを書いてございますが、そのもととなりました第33回の当委員会で取りまとめられました「航空科学技術分野の研究開発について」という取りまとめ報告書がございますので、これについてご説明させていただきたいと思います。参考資料5をごらんください。最後のページに概要版をとじてございますので、そちらでご説明させていただきたいと思います。まず、基本認識としまして、現状ということでございます。大きくは、YS-11以降、約半世紀ぶりに旅客機が我が国で開発されようとしているというのがトピックとしてございます。さらには、増大する交通量に対応するため、新しい航空交通システムへの移行が、ICAO、国際民間航空機関で求められているところでございます。次に、航空技術の将来展望でございますが、「旅客機開発国として持続的・安定的に発展し、国際社会において確固たる地位を確立」することが期待されるとされております。特に航空機開発・製造分野におきましては、国の成長・戦略産業としての期待が高まっておりまして、航空機の運航・利用分野におきましては、社会インフラとしての重要性が高まっているとされてございます。さらに、航空技術人材ということで、次代を担う優秀な技術人材の必要性が高まっているとされております。次に、航空科学技術が果たすべき役割・貢献としましては、1番目、先進的な航空機の研究開発の推進として、「社会が求める新技術の研究開発・産業界による適用への誘導(技術移転)」、「最先端の供用インフラ(試験設備等)の提供」が述べられているところでございます。2番目としまして、次代を担う人材の創出としましては、「技術者、研究者の育成」、「産学官をつなぐ人材育成の拠点整備」が必要とされてございます。3番目としまして、開発機に対する国の安全証明(型式証明等)の的確な実施につきましては、航空当局への技術協力でございまして、「新技術に対応した各種実証試験・証明方法の確立」が求められております。また、4番目、継続的な安全性・環境性の向上におきましても、航空当局への技術協力といたしまして、「航空事故・トラブル対応の継続的実施」、「国際標準化活動」が挙げられてございます。これらを受けまして、2、今後の研究開発の方向性が示されてございます。第4期科学技術基本計画の期間中の方向性につきましては、「出口志向の研究開発プロジェクト」、「戦略的な基礎・基盤研究」、「人材育成の中核機能」の3つの柱が掲げられておるところでございます。重点化のあり方としまして、「行政課題対応型の研究開発課題を重点的に推進」、「『環境』と『経済』を両立させる視点での取組、航空機のライフサイクル全般に亘る取組への期待や要請」の2点がポイントとなっているところでございます。重点的に推進すべき領域としましては、1番目、「航空機のライフサイクルを通じて『低環境負荷(超低CO2、低燃費、低騒音等)』、『低コスト』な先端的・基盤的技術」、2番目としまして「航空機の特性である『高速性』を活かしつつ、かつ高い『安全性』、『利便性』、『快適性』を兼ね備えた先端的・基盤的技術」とされております。なお、留意事項としまして、産学官連携体制の構築、研究資源の効率的・効果的な運用、人材育成、国民的合意形成等が挙げられてございます。以上が第33回の当委員会において取りまとめられておりました報告書の概要でございます。引き続き、この報告書をベースにいたしまして、資料4をごらんいただきたいのですが、航空科学技術に関する研究開発の推進方策のたたき台、案ということで作成いたしましたので、ご説明させていただきたいと思います。資料4は2枚紙となっております。本紙につきましては、後ろに参考資料7として本文がついておりますが、ページ数が多いものですから、こちらで説明させていただきます。1枚目はこの推進方策の骨格を示しておりまして、2枚目がもう少し詳しい概要を説明したものでございます。まず1枚目の資料をごらんください。この推進方策の骨格につきましては、第33回の報告書とほぼ同内容となっております。繰り返しになりますが、諸情勢の変化としまして、「東日本大震災の発生」をつけ加えておりますが、「YS-11以来、約半世紀ぶりに国産旅客機開発へ」、「ICAOによる新しい交通システムへの移行要請」が書かれてございます。次に、将来展望でございますが、「我が国の航空技術開発が持続的・安定的に発展し、国際社会において確固たる地位を確立」することが期待されているとされてございます。特に航空機開発・製造の分野におきましては、国の成長・戦略産業として期待が高まっており、航空機運航・利用分野におきましては、社会インフラとしての重要性が高まっているとされております。また、人材育成ということで、次代を担う優秀な技術人材の必要性が高まっているとしております。次に、航空科学技術が果たすべき役割・貢献としましては、1番、継続的な安全性・環境性の向上におきましても、航空当局への技術協力としまして「航空事故・トラブル対応の継続的実施」、「国際標準化活動」が挙げられております。2番目、先進的な航空機の研究開発の推進としまして、「社会が求める新技術の研究開発・産業界による適用への誘導(技術移転)」、「最先端の供用インフラ(試験設備等)の提供」が述べられてございます。3番目としまして、開発機に対する国の安全証明(型式証明等)の的確な実施につきましては、航空当局への技術協力として「新技術に対応した各種実証試験・証明方法の確立」が求められてございます。4番目の次代を担う人材の創出としましては、「技術者・研究者の育成」、「産学官をつなぐ人材育成の拠点整備」が必要としております。次に、今後の研究開発の方向性でございます。これも報告書と同じでございまして、第4期科学技術基本計画中の方向性につきましては、1番目、「出口志向の研究開発プロジェクト」、2番目、「戦略的な基礎・基盤研究」、3番目、「人材育成の中核機能」の3つの柱が挙げられておるところでございます。次に、2枚目の資料でもう少し詳しいご説明をさせていただきたいと思います。基本認識につきましては、先ほどご説明させていただきました第33回の報告書とほぼ同内容となってございます。変更点は、東日本大震災が発生したので、それを加えたことと、箇条書き部分を文章にしたという、エディトリアルな編集上のものが主でございます。2番の今後の研究開発の方向性について、1枚後ろにございます2.1、出口志向の研究開発プロジェクト、2.2、戦略的な基礎・基盤研究、2.3、人材育成の3つの柱から成ってございます。この柱はさっきもご説明差し上げたとおりでございます。まず、その中身につきまして、2.1、出口志向の研究開発プロジェクトについて、ご説明させていただきます。最初に申し上げますが、東日本大震災に係る対応でございます。今回、大規模な震災が発生いたしました。防災関係機関、消防庁等、救助に当たられた方はほんとうにご苦労されておることと思いますが、そういったところで、今回の震災を踏まえ、何が足りなかったのか。今まで日本は震災が数々起こってきています。数年前には新潟県中越沖地震も起こってございますが、そのときも消防庁で研究会みたいなものが立ち上げられまして、いろんな提言をされております。今回の震災を踏まえて、何が足りなかったのか等も、今後また防災関係機関で検討が重ねられていくことと考えております。現時点におきましては、今回の震災に係る航空に対する明確なニーズというものはまだ関係防災機関から出てきておりませんが、今後、連携のお話等もさせていただきながら、防災機関のニーズが明確になった段階で可能な限りの協力をすることが重要であるという旨を、推進方策の本文中にも記載させていただいてございます。次に、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針がございまして、参考資料6につけさせていただいております。先ほどもちょっとお話が出ましたが、昨年12月7日に閣議決定されました。JAXAの航空技術に関する開発事業については、安全や環境に関連するものへの重点化を進めるとされてございます。現時点の政府の方針としましても、安全と環境に重点化しなさいということが求められていると認識してございます。なお、1月31日の本委員会でもJAXAからご報告いただきましたが、参考資料4のJAXAの外部有識者委員会で提案された研究課題につきましても、安全と環境に関係しないものは逆にほとんどまずないと言ってもいいかもしれません。ほとんどの課題が関係していると考えてございます。次に、2.1.1、環境につきましてですが、第33回の当委員会の決定事項として、重点的に推進すべき領域ということで「航空機のライフサイクルを通じて『低環境負荷(超低CO2、低燃費、低騒音等)』、『低コスト』な先端的・基盤的技術」とされていることがございます。また、第4期科学技術基本計画におきましても、グリーンイノベーションということで環境に重点化するよう求められているところでございます。主な環境に係る研究開発の例としましては、複合材を用いた機体軽量化に係る研究開発、低環境負荷エンジンに係る研究開発、航空機の低騒音化に資する研究開発を例示させていただいております。超音速機のソニックブーム低減の研究開発が今、されております。どこに分類するかはございますが、今、環境が非常にクローズアップされているということで、ソニックブームといえども、航空機の低周波帯になりますが、騒音低減としてここに分類させていただきたいと考えてございます。次に、安全につきまして、第33回の当委員会での決定事項で、重点的に推進すべき領域として(2)「航空機の特性である『高速性』を活かしつつ、かつ高い『安全性』、『利便性』、『快適性』を備えた先端的・基盤的技術」とされてございます。主な研究開発の例としましては、概要版には乱気流予測、先ほども出ましたライダ、検知技術に係る研究開発の例示しかしておりませんが、本文中には、その他、乗員操作技術向上に資する研究開発――これはヒューマンエラーの話でございます、あとは今、JAXAがD-NETということで開発されております災害救援機運用の安全性向上に資する研究開発を例示させていただいております。このポンチ絵は、代表例として1つ絵をつけさせていただいているだけでございます。次に、2.2、戦略的な基礎・基盤研究でございますが、第4期科学技術基本計画におきまして、「科学技術の共通基盤の充実、強化」、「独創的で多様な基礎研究の強化」が求められてございます。まず、基礎研究については、2.2.1、独創的で多様な基礎研究の強化と題しまして、第4期科学技術基本計画の言いぶりを踏襲させていただいてございます。「社会的に飛躍的な変革をもたらす航空輸送に係るブレイクスルー技術の実現性を示すことを目標」とし、「長期的な観点から研究開発を着実に推進する」としております。ここで挙げさせていただいております研究例としましては、現在、JAXAで取り組んでいらっしゃいます電動航空機技術を、石油資源が枯渇していくときに、石油にかわるエネルギーが必要だろうということで挙げさせていただいています。水素エンジン技術も同じでございます。あとは、運航の安全性とか効率性等に資する機上機器に係る技術開発をJAXAはされておりますので、近視眼的に5年先を見ているのではなくて、もうちょっと時間がかかるかもしれませんが、もう少し長い目で進めていく基礎研究ということで例を挙げさせていただいておる次第でございます。次に、2.2.3、先端研究施設及び設備の整備、供用促進でございます。航空機開発には大型かつ高性能・高機能な試験研究設備が不可欠でございますが、民間企業におきまして独自にこれらの設備を整備することはリスクが非常に高く、困難ということで、「産業界等のニーズを考慮した大型・高性能試験研究設備の計画的な整備、既存設備の維持、管理を行い、関係機関等との設備供用を促進する」ことが大切であるとしてございます。なお、JAXAで保有しております大型の試験研究設備としては、風洞とか大型計算機、エンジンの試験設備、実験用航空機等がございます。最後に、2.3の人材育成でございます。ここも当委員会の33回の報告書にもございますが、「JAXAは、航空科学技術に係る研究開発の中核組織として、産学官の連携強化と航空技術人材の育成に貢献する取組を重点的に推進していくことが重要」であるとしてございます。具体的には、「航空技術者を目指す若者等への魅力的で実践的な教育機会を提供するため、最先端の技術に接する機会の提供や大学等への講師の派遣、学生の受入れ等を実施すべき」としております。JAXAが持っているCFDに係るツール、ソフト等を学生に扱わせてあげるとかいうことも意図して考えております。なお、JAXAの有識者会議でも、報告でございましたとおり、航空科学技術に係るコンソーシアムの設立や公募型研究制度の拡充がうたわれてございましたので、そこにつきましても本文中には記載させていただいておる次第でございます。簡単ではございますが、航空科学技術に関する研究開発の推進方策(案)に係るご説明は終わらせていただきます。
【河野主査】 どうもありがとうございました。それでは、早速、皆さん方からご意見をいただきたいと思います。どうぞ。
【宮部委員】 ご説明ありがとうございます。今、資料4、その概要版を説明していただきまして、それとともに参考資料5、「航空科学技術分野の研究開発について」、前回のを見せていただきました。結局、参考資料7で見てみますと、基本認識の中の航空科学技術が果たすべき役割として(1)から(4)が書かれておりまして、それをこの中に書かれているのかなと考えております。ただ、今回の場合について言いますと、本資料の中におきます「航空科学技術に関する研究開発の推進方策(概要版)(案)」の2.1、出口志向の研究開発プロジェクト、特に環境、安全に関する研究開発に重点志向していくというお話があったと考えています。それでもって、この辺を上のほうに(1)として、今回の中で航空科学技術が果たすべき役割の中の継続的な安全性・環境性の向上を言われていると思うのですが、この内容は研究開発の実施ですよね。
【植木参事官補佐】 そういうことですね。
【宮部委員】 そして、そこで書かれている「航空事故・トラブル対応の継続的実施」とか「国際標準化活動」と違うのではないのでしょうか。
【植木参事官補佐】 2.1で書いてございますのは、研究開発ということで、JAXAが主体的に行っていく研究開発について方向性を書いてございますが、その他、国交省へのご協力とか、いろいろございます。それにつきましては、当然、推進方策でうたわなくてもやっていくということで概要版には書いてございませんが、記載しておりますのは、研究開発プロジェクトということで、JAXAが主体的にやっていくものについて記載しているとご理解いただければと思います。
【宮部委員】 もちろん、今までいろいろJAXAにお世話になって、トラブル・事故対応ということをやっていただいているのですが、今回、ここでやっていかれるのは、前回のものから比べて、先進的な航空機の研究開発の推進という中で、特に今回、継続的な安全性・環境性の向上のための研究開発の実施が主体であり、もちろん国交省、国際標準化活動もやっていただかなきゃいけないのですが、それは副義的と言ったらおかしいのでしょうが、それをやっていくためには研究開発が必要だと読めるようにしていただいたほうがいいのではないかと思うのですが。
【植木参事官補佐】 これは鶏か卵かの世界ですが、当然、研究開発をやらないと型式証明の安全性の担保もできませんし、研究開発あっての技術的な強化になりますので、そこに何らかの形で工夫をさせていただきたいと思います。
【宮部委員】 やはりこれは技術協力となるのですか。「継続的な安全性・環境性の向上(※技術協力)」ということでこの2つ。これは、前回、航空科学技術が果たすべき役割・貢献の中で書かれていた(4)というのは他省庁に対する技術協力だったと思ったのですが。
【植木参事官補佐】 これは、タイトルが適切ではないかもしれませんが、継続的な安全性・環境性の向上は、研究開発もございますが、技術協力、貢献を含みますよということで、ここはなかなか難しい。研究開発と技術協力は簡単に分けられるところではございませんので、研究開発をしながらも技術協力していくととらえていただければと思います。前回の、参考資料5ですよね。
【宮部委員】 そうです。実際、私もいろいろ航空安全管理体制とか、防衛省のところで事故調査等をやらせていただきましたが、協力で一番大切なのは、組織が技術力を持っていることなのですよね。技術研究は非常に重要なことなのです。それがないと技術協力できないと考えるのが第1点。もう一つ、国際標準化活動につきましても、今、我々、経済産業省と一緒になってISOとか、国交省と一緒にICAOのシーティングをいろいろやらせていただいておりますが、石川さんやクボさんについては、石川理事が来られましたが、昔からの研究の成果があって初めてご協力いただけることになってくると思います。事故調査はもっと広いところで、システム全体を見ながら部分のところの一つだけやっていただく。F2(注:H-ⅡAロケット2号機)で問題が起こったとき、石川理事に助けていただきました。ですので、研究開発を実施することがないと、これはできないと認識しておりますので、その辺について、ぜひご配慮いただければと思います。
【植木参事官補佐】 ご意見ありがとうございます。ほんとうにJAXAは今までずっと研究開発を続けてまいりまして、ノウハウとか技術的な蓄積がかなりございます。それがないと、おっしゃったとおり、当然、技術協力なんてできる話ではございませんので、もちろん技術開発あっての技術協力でございます。ご指摘の点につきましては、何らかの形で文章の中に反映させていただきたいと思います。
【宮部委員】 そうですね。簡単なのは、航空科学技術が果たすべき役割の中で、継続的な安全性あるいは環境性の向上に資するための研究開発の実施というのが重点志向になるならば、そのように書いていただければ非常にありがたい。
【植木参事官補佐】 わかりました。
【河野主査】 この件について、ご意見をいただきたいと思います。
【萩原委員】 確かに、今、宮部さんがご指摘したように、資料4を読むと、最後のページの2.1は今やっていること、非常にしっくりくるというか、今後もこういうことをやっていくのだろうなと思うのですが、1.4の表現はちょっと何か変わっているなという印象を受けます。航空科学技術に何を期待するかというと、やっぱり安全と環境が重要だということは私もそれでいいと思うのですが、安全性とか環境性の向上に貢献するような技術を開発して、それを産業界で提言していく、できれば日本独自の優位性のあるような技術の提言をしていくというのが一番本質的な役割ではないかと思いますので、実務としては安全証明とか標準化というものがあるのだと思いますが、そういうものがここにいきなり出てくるというのは、ちょっと不思議だなという感じがいたします。
【谷委員】 全く同じ意見です。私も、大体この項目が1番で最初に出てくること自体……。おそらく、その後の今後の研究開発の方向性との対応関係もあったのだと思うのですが、昨年の先ほどの参考資料5ですと、4番目に継続的な安全性・環境性の向上が出てきていて、これだとまだ多少落ち着きはいいのですが、これがいきなりトップに出てきて、しかも「航空事故・トラブル対応の継続的実施」というのは、どちらかというと後ろ向きな対応ですよね。「国際標準化活動」につきましても、もし騒音基準のことを言っておられるのであれば、これはまさにJAXAで研究されている静粛超音速機の開発の研究から派生的に出てくるものであって、あくまで副次的な貢献なのだと思うのですよね。ですから、それをメインのテーマとして研究するということではどうもないのじゃないかという気がいたしますので、項目を1として残すのであれば、例えば先ほど委員が言われたように「研究開発」というのを後ろに入れるべきだと思いますし、果たして「航空事故・トラブル対応の継続的実施」ですとか「国際標準化活動」を例示として残すのが適当かどうかは、もう一度、再検討をお願いしたいと思います。
【植木参事官補佐】 ありがとうございます。唐突に1番にこれが出てきているということで、後ろに持っていくのか、さっき申されましたように一言つけ加えるのか、事務局でちょっと案を考えさせていただきますので、また意見照会をさせていただきたいと思います。
【河野主査】 今日、ご説明がなかったのですが、参考資料4がありますよね。これはJAXAで外部有識者に意見を聞かれた結果がまとめてあるのだと思うのですよね。参加した方をざっと見ますと、どちらかというとユーザー関係、産業界の人がかなりたくさん入っておられて、結局、産業界のあれでいきますと、今、直接の問題点をばっと指摘されて、それが7ページに研究開発課題と書いてある。これを見ると、やっぱりこれが今の航空の果たすべき役割みたいなテーマになってしまうのですよね。だけど、実際には、7番や8番にあるようなのをやって、そういうものが背景にあって上にある課題対応ができるようになったとも考えられるわけですよね。だから、ここで参加された方が、例えば8番とかは全く意味がないのですよとは思っておられないのじゃないかなという感じがするんです。ですから、外部有識者の意見を厳密に取り入れると事務局案のようになってくるのかなという感じがしますが、そこら辺はもうちょっと柔軟性を持って考えるということでいかがでしょうかね。
【植木参事官補佐】 はい。
【河野主査】 ほかにこの件でご意見おありになるかと思いますが。今までの案ですと、研究開発という項目を1番に入れておくことがやっぱり必要なのじゃないかということなのでしょうね。宮部委員はどういう改善案を。
【宮部委員】 改善案につきましては、環境の変化に伴って、今、ご説明があった資料4の2.1の中で、環境及び安全にかかわる研究開発に重点化をしていくのだというようなお話があるということでしたら、その研究開発の推進というのが入ってくる。それは、前回、参考資料5でご説明をいただきましたものでいう(4)とは内容的に違うものであると理解しております。したがいまして、「航空事故・トラブル対応の継続的実施」とか「国際標準化活動」は、この中には入ってこないのではないかと考えます。もちろん、それは必要なことですよ。産業界としても非常にありがたいことですが、今、言われている環境と安全に対しての重点的な取り組み、それは研究開発を実施していく、そして基礎をつくって、その次の段階として標準化であり事故対応が出てくるとは思いますが。
【河野主査】 参考資料7の7ページを今、議論されていると思うのですが、役割・貢献ですよね。「技術協力」、「技術移転」、「技術協力」というのが括弧書きで出ていて、しかも米印がついていますが、これはどういう意味があるのですか。
【植木参事官補佐】 米印自体は特に意味はございません。前回の報告書を踏襲したような書き方で、そのまま持ってきているということでございます。
【河野主査】 上に役割・貢献というのがあるのだったら、これは役割、これは貢献とかと書くのだと思うのですが、上に技術協力とか技術移転という言葉が出てきていないので、何かちょっと文章的にあれかなと思うのですよね。これもちょっと考えていただけませんでしょうか。
【植木参事官補佐】 わかりました。1.4につきましては、もう少し事務局で精査いたしまして、案ができましたら、皆さんにまた電子メールなり何なりで照会させていただきます。
【河野主査】 そういうことにさせていただいてよろしいでしょうか。宮部委員、そういうことでよろしいですか。
【宮部委員】 はい。よろしくお願いします。
【石田委員】 先生、よろしいでしょうか。
【河野主査】 はい、どうぞ。
【石田委員】 基本的に、今の各委員のご議論を踏まえていただくように全体を直していただくということだと思うのですが、これはどこでどう決めるかというと、科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会が策定するわけですよね。我々がしていることは何かというと、分科会で策定してもらう案をつくっておるということですよね。
【植木参事官補佐】 はい。
【石田委員】 したがって、次のこの分科会は多分そのうち開かれると思いますし、事務局としては、そのときこれを出すつもりでおるわけですね。その意味では、かなり急いで案をまとめないといけないことになるのじゃないかと思うのです。本来、こういう感じですと、一番一般的なまとめ方は、事務局に文章を考え直してもらって、主査あるいは主査らに一任というのが一つの方向だと思いますが、それも含めて、今、メールのやりとりもありますから、なるべく案をつくっていただいて、最終的にはいろんなご意見が出ると思うのですが、主査におまとめいただいて次の分科会に対応するということにしかならないと思うのですが、いかがでしょうか。
【植木参事官補佐】 ありがとうございます。そのとおりにやりたいと思います。まず、意見ですが、今、大きな意見はいただいておりますが、その他、いろいろなご意見があると思います。この場ですべては出し切れないと思いますので、電子メールで、再度照会させていただきまして、そのメールベースの議論で意見を収れんさせていくことを今、考えております。皆様方にお手数おかけしますが、ご協力方、よろしくお願いしたいと思います。
【河野主査】 主査と事務局で相談して文面をつくって、皆さんにお諮りするという感じですか。
【植木参事官補佐】 そうですね。私ども事務局のほうで文面をつくります。
【河野主査】 そうですね。今日の意見は十分伝わったということですね。
【植木参事官補佐】 ええ。反映させていただきます。
【大林委員】 災害対応についての書きぶりも防災機関からのリクエストを待ってということでしたが、既にJAXAでもプロジェクト、小さな研究開発を進めているようですので、もう一歩踏み込んで、主体的にやっていくのだというような書きぶりにはなりませんかね。
【植木参事官補佐】 防災のところも、事務局内でいろいろ、JAXAともお話しさせていただいたのですが、基本的にJAXAは、この前の第3期推進方策のときにちょうど新潟県の中越沖地震が起きまして、そのとき山古志村か何かが孤立して、いろんな情報がとれなかったという事態がございまして、消防庁で委員会を立ち上げられまして、無人小型機が有効だよねとか、いろんな提言が出てまいりました。それを踏まえまして、JAXAで今、災害救援機、D-NET、小型無人機等の研究開発を進められているところでございます。ただ、24年までの研究期間ということで、それ以上のものについて、今、何か頭の中に案があるわけではございませんので、そこについては、防災関係機関と密に連絡をとりながら意見交換をやらないと、ほんとうに大事なのは現場がどうなっているかですので、ニーズを吸い上げることが先かなと思っております。そこについては、もうちょっと強い口調で書くことはできますが、具体的に何かこれをやりなさいということまでは書けないことはご了解いただきたいと思います。何らかのもうちょっと強い口調にならないかということは検討させていただきたいと思います。
【大林委員】 ぜひよろしくお願いします。
【知野委員】 今の関連で、よろしいでしょうか。
【河野主査】 どうぞ。
【知野委員】 今回の大震災で一番問題になったのは、やっぱり使える技術を開発してきたのかということです。ロボットしかり衛星しかり、いろんな問題が出てきたと思うのですね。その最大の反省として、今、おっしゃられていたように、防災関係機関などの、要望を聞くというより、もっとよく互いに協議して技術開発ができないものなのかということがあります。技術を開発する側だけで進めてきたから、いざこういう大震災が起きたときにすぐに使えるものがなかったのではないかということが、今回の一番の反省事項だと思います。ですから、お書きになるとしたら、私は、今の書きぶりの「検討を踏まえた」というよりも、積極的に働きかけて検討して協議していくということを出されたほうが良いのではないかなと思います。以上です。
【植木参事官補佐】 ありがとうございます。その旨、修正したいと思います。
【萩原委員】 今、知野さんが言われたことで、ちょっと細かいことなのですが、1.4の(2)に「産業界による適用への誘導」と書いてありますよね。その「誘導」ということもちょっと引っかかるので、もっと研究機関とか大学の方が技術に自信を持って、「提案」とか「提言」と書いていただいたほうがいいのじゃないかと思います。
【植木参事官補佐】 ありがとうございます。
【松島委員】 別の話、よろしいでしょうか。2.1に関しましてなんですが、「推進方策の概要」という資料4は、最終的にはホームページか何かに載せられて、国民も読むということでよろしいのでしょうか。どういう方が対象にというのは。
【植木参事官補佐】 基本的には、推進方策は、文部科学省が所管しております研究開発法人、大学もございますが、主にJAXAを対象としながらも、こういう方向で文部科学省は航空の研究開発を進めていきたいですよ、いきますよというものでございますので、対象としては研究に携わる者となっております。ただ、これにつきましては、あと今回の資料もそうなのですが、広くホームページ等で全部出ますので、国民へのアカウンタビリティというか説明責任を果たすのにも役立てるかなと考えています。
【松島委員】 今回の大震災を受けまして、社会との連携という形も強調していかなければならないというお話があったのですが、出口志向ということで、出口をどうとらえるか。技術者としてではなく、国民目線というか納税者目線で見ますと、出口って、航空技術については、やっぱりどういう飛行機ができるのかなとか、どういうふうに交通網ができるのかなということだと思うのですね。ですから、もちろんここ何年間かで成果を上げなくてはならない、どの成果が出ますかということでここは書かれているかと思うのですが、その先に、例えばこういう飛行機ができますよとか、今回の震災においてこういう活躍をするような飛行機ができますよ、できるのは何年後かわからないが、それに向かってこういう技術をつくっていますよという書き方をしていただいたほうが、「出口志向」という言葉が出ているのであれば、それを期待するし、そういうのが出ていれば、納税者としては、航空が大事だなということでファンになってくださる方も多いと思うのですね。そういう形で書くことも検討していただけないかなと思います。
【植木参事官補佐】 わかりました。基本的には、出口志向というのは産業界の技術移転とかいうことで出口と考えてございますが、その先に、産業界では例えば複合材がいいのができて、その先にどういう飛行機ができるのかというところまで、もう少し踏み込んだ記述にはさせていただきたいと思います。
【河野主査】 そういう話は、今日、理事がおいでなので、一言、しゃべってもらえばいいと思います。
【石川理事】 申しわけございません。海外出張から直接参りましたので、おくれました。松島委員のおっしゃったこと、まさにそのとおりだと思います。今、主査のリクエストで複合材料のことをということかなと理解いたしまして、例えば(参考資料7の)8ページの下の2.1.2のところにわりあい複合材料のことが書き込まれておりまして、ここの書きぶりも専門家から見ますと細かいところでやや違和感のあるところがございます。それはまた別の機会で事務局にお願いするとして、基本的には非常に時間がかかるものでございます。実際、炭素繊維ができて50年くらいたっておりまして、やっと旅客機の重量の半分を占める時代が到来したわけであります。その間の、お金はそんなにかからないが基礎的にやることが非常に長いというのが、航空技術の分野でも、ほかの分野でも全くそのとおりだと、皆さんここにいる専門家の方は思っておられると思います。大体、長いことやってきて、そして最後にわっと花開くというカーブをとります。その長いことやってくる期間というのがまさに重要でございます。その中で技術が蓄積して、非常にたくさん使われ始めると、その中で、先ほど書かれていたように、ちょっと後ろ向きというご説明もございましたが、今度はトラブルの対応ですとか細かい欠点の修正、あとは国際標準化のモードに入っていくという流れになっていくように思っております。航空機でも、航空機以外のところでもそういうことは多々あるのだと思いますが。そういう意味で、もし事務局で今、ご発言がいろいろあったように修正していただければ、非常に現実に合った、きちっとした方策になるのかなと思っております。ちょっと時間があれなので、すべて申し上げ切れませんが、そういう技術開発の流れを踏まえた文章、方策にしていただければと思っております。
【河野主査】 松島先生、よろしいですか。
【松島委員】 はい。
【河野主査】 まだちょっとあるでしょう。
【松島委員】 いや。もう時間も時間ですので。
【河野主査】 魅力的に、何か。まあ、時間が足りないですね。
【松島委員】 でも、多分、意味は通じていると思いますので、いいと思います。
【石川理事】 すいません。
【河野主査】 今後、もっと魅力的にあれしていただいて。
【石川理事】 恐れ入ります。
【河野主査】 ほかに何かご質問ございますでしょうか。なければ・・・、どうぞ。
【小田切主査代理】 最初に国と民間の関係が重要だと申し上げましたが、そういう観点からいっても、研究開発は非常に基盤的、基礎的なものなのだということを明確にしないといけないのだと思います。それでないと、なぜそれは企業でやらないのだという話になると思うのです。したがって、研究開発をお書きになる場合も、「戦略的な基礎・基盤研究」をあげておられますが、個々の研究開発のプロジェクトの場合でも、その点を強調していかなきゃいけないと思うわけです。もう一つ、その関連で、研究開発の成果をどうするかという問題があって、これが科学技術基本計画でも必ずしも明快でないような気が私はするのです。一方で、国でやったものはパブリックドメインにおいて公開の情報として使わせるべきだという議論と、もう一方では特許、知財をよく使って収入を上げなさいとかいう話が出てきているわけです。そういう意味で、ここでこの問題についてどこまで書き込むかはなかなか難しいところがあるわけですが、少なくともそういうことをある程度、もうちょっと議論して明確にする必要があると思いますし、少なくともトランスペアレントになっていなければいけないと思います。特定の企業とか、いわゆるファミリー企業的なところとだけツーカーになって、外には何もわかっていないということになるのは非常によくないのだろうと思うのですね。特許になったら特許になったでも、これは明確に、そのかわりだれでもちゃんとライセンスしますよということでないといけないと思うので、今回の推進方策ではそういう話をどこまで書き込めるかよくわかりませんが、今後ともそういう成果をどう生かしていくかについてのもう少し明確な基準というのでしょうか、そういう表現がないとやはりいけないと思っています。もう一つ、ちょっと別の話ですが、人材育成という話が盛んに出ていて、以前のこの会議で出ているのかもしれませんが、現実に人材不足という問題は起きているのでしょうか。つまり、大学にいる人間としては、今、就職難とかオーバードクターという問題が非常に深刻な状況なものですから、この分野での人材の状況、需要と供給の関係を私は理解できていないのですが、現実問題で深刻な問題があるのでしょうか。それを教えていただければと思います。
【石川理事】 それは、一応、航空のサイドにおるもので。例えば、今、三菱がMRJという40年ぶりの国産機をやっておりますが、三菱重工なんかは、名古屋地区へ行きますと、電車の中に求人広告が非常にたくさん出ております。これは、例えば構造物ですと土木とか似たところもございますので、極端に言うとそういうところからも人をかき集めているという状況が現在は起きております。一番厳しいのは一、二年前で、今は少しあれですが、それでも人材不足ということは、現に三菱の方はおっしゃっておられますが、この分野では、この数年だけかもしれませんが、現状、起きております。本来は航空でもっとしっかりした基礎を持っている人間が行くべきなのですが、ちょっとそれが間に合わないという側面も現状は起きてございます。
【石田委員】 よろしゅうございますか。一言申し上げます。今、小田切先生がおっしゃったことにつきましては、就職したい人はいっぱいおると思うのですね。が、全体に科学技術・学術審議会の議論でもこれまでずっとやってきておりますのは、ある程度クオリファイされた、しかるべきターゲットに向かってちゃんとコントリビュートできるような人材がたくさんいるかとなりますと、それぞれの分野において、皆、何となくあまり満たされないものを覚えておる。私は原子力関係ですが、やはりこれも人材不足的な状況はあるのですね。その辺、何とも言えないミスマッチがあって、そういう意味では若い人たちを、養成という言葉もよくないかもしれませんが、いかにエデュケートしていくかについては、これから相当必要であるというのが、ずっとこれまでの議論の流れであったように思うわけです。今もそれがどうも当たっておるという感じだと思います。
【河野主査】 貴重なご意見、ありがとうございました。人材不足については、新しいことをやると、必ず新しい人材がたくさん必要とされるということはあるのだと思うのですよね。だから、それが今、複合材料とか機体の関係のいろんな関係する人材がそこらじゅうで求められている、航空の分野ではそういうことが起こっているということだろうと思います。それより前に小田切先生がおっしゃった、基盤は重要である。これはご理解いただいているのだと思うのですが、あと成果の利用については、JAXAでも、そういうことも非常に重要ですので、念頭に置いて考慮して書いていただくことを今後お願いしたいと思います。それから、主査代理としては、そういう観点でどんどん審議に参加していただければ、審議に加わっていただいている意味が大いにあるのではないかと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。航空ファンになっていただくかどうかは、その経過次第ということで、強制はできませんので、よろしくお願いしたいと思います。ということで、時間が参りましたというか、過ぎて・・・。
【青山室長】 すいません。最後に1点だけ、JAXAからお知らせをしたいのですが、現在、JAXAで災害監視無人機というのを研究開発していまして、2010年までにCSTPにどういうコンセプトがいいかを提案することになっておりまして、何回か前のこの会議でそのコンセプトをお知らせしました。そのときは、無人機でまず初動監視をして、監視すべき場所が分かったら、後から飛行船が飛んでいって連続監視をするというコンセプトを提案しまして、皆さんにご披露したのですが、その後、先ほどのような仕分けの影響もありまして飛行船がJAXAで主体的にできなくなった関係で、現在、連続監視のほうは有人機等の利用も含めて全体の計画をちょっと見直しております。その辺、皆さんに情報を上書きしておいたほうがいいかなと思いまして、一言、つけ加えさせていただきました。よろしくお願いします。
【河野主査】 それはおいおい出てくる?
【青山室長】 はい。いずれちゃんとした計画を出したいと思っております。
【河野主査】 はい。一応、そういうことを承りました。それでは、もう時間がちょっと過ぎておりますので、本推進方策の今後の取りまとめ方について、事務局からご説明をお願いしたいと思います。これは先ほどから出ている話ですね。
【植木参事官補佐】 ええ。先ほどのお話と一緒でございますが、今日、いただきました意見を反映させまして、さらに推進方策をちょっと修正いたしまして、皆様に、電子メールになると思いますが、再度、意見照会させていただきたいと思います。何回かキャッチボールさせていただきまして、収れんに向かいたいと思っております。今後ともよろしくお願いします。
【河野主査】 どうぞよろしく。はい、どうぞ。
【谷委員】 すいません。ちょっと確認を。今、言っておられるのは、概要版の2枚紙のことを言っておられるのか、あるいは参考資料でついています7ですか。
【植木参事官補佐】 本紙でございます。大事なのは本紙でございまして、参考資料はサマリーを書いているだけでございますので、本紙が変われば当然サマリーも変わってくるということでございます。
【谷委員】 本紙につきまして、若干細かいところで気になる部分もありますので、それについてもメールか何かで意見させていただきます。
【植木参事官補佐】 細かい部分もいろいろあると思いますので、メールでいただければと思います。
【河野主査】 そうですね。こちらで用意していた議事は以上のとおりですが、皆さん方から格別のご発言ございますでしょうか。なければ、これで第36回航空科学技術委員会を閉会したいと思います。本日は、長時間にわたりまして活発なご審議をどうもありがとうございました。
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