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航空科学技術委員会(第31回) 議事録

1.日時

平成21年8月6日(木曜日)10時~12時

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)16階特別会議室

3.議題

  1. 平成21年度の中間評価の進め方について
  2. 静粛超音速機技術の研究開発の中間評価について
  3. 航空科学技術に関する研究開発の推進方策の検討について
  4. その他

4.出席者

委員

杉山主査、石田委員、大林委員、鐘尾委員、河野委員、谷委員、知野委員、萩原委員、松尾委員、宮部委員

文部科学省

(研究開発局)森本審議官、松尾参事官、中村参事官補佐

オブザーバー

(宇宙航空研究開発機構(JAXA))石川理事、鈴木航空プログラムディレクタ、中道統括、吉田チーム長

5.議事録

【河野主査代理】 おはようございます。主査が交通渋滞の関係でおくれているのですが、私、代行ということになっておりますので、時間もありますので、とりあえず始めさせていただきたいというふうに思います。主査になりかわりましての発言ということでございますので、ご了承いただきたいと思います。

 本日は、ご多忙の中、ご参集いただきましてありがとうございます。本日は、主な議題といたしましては、議事次第のところにございますように平成21年度の中間評価の進め方について、2番目として、静粛超音速機技術の研究開発の中間評価について、それから3番目、航空科学技術に関する研究開発の推進方策の検討についてということでご審議をいただきたいというふうに思っております。

 なお、本日の委員会は公開となっております。

 それでは、初めに文部科学省に人事異動がございましたので、連絡を申し上げます。

 研究開発局審議官が田中審議官から森本審議官に、それから、研究開発局参事官が信濃参事官から松尾参事官となりましたので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 ごあいさつをいただくということですので、よろしくお願いいたします。

【森本審議官】 ただいまご紹介いただきました大臣官房審議官の森本と申します。よろしくお願いいたします。この7月14日付でかわったばかりでございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。ちょうどこの航空科学技術委員会、科学技術基本計画を反映するためのご議論といたしまして3回目というふうに伺っておりまして、いよいよアンケートの結果もまとまりましたし、これから取りまとめに向けて、ぜひ先生方のお知恵をいただいてよりよいものをつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【松尾参事官】 同じく7月14日付で航空宇宙政策担当の参事官を拝命いたしました松尾でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【河野主査代理】 どうもありがとうございました。引き続き委員の面倒を見ていただくということでございまして、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、議事に入る前に事務局から配付資料の確認をさせていただきたいと思います。

 では、事務局、お願いいたします。

【中村補佐】 それでは、お手元の配付資料によりご確認させていただければと思います。

 まず一番上からですが、議事次第があります。その下に座席表、その下に資料1といたしまして、航空科学技術分野の平成21年度研究評価計画(案)、その下、資料2-1といたしまして、静粛超音速機技術の研究開発の中間評価の進め方(案)、その下、資料2-2といたしまして、わが国における超音速輸送機実用化検討について、その下、資料2-3、静粛超音速機技術の研究開発の進捗状況と今後の進め方について、その下、資料3といたしまして、次期推進方策の検討における主要論点(案)、その下、資料3の別添、今後の航空科学技術政策に関する基本認識と方向性及び関係各界のJAXAへの期待・要望ということで、これまでのヒアリング結果、及び委員の皆様へのアンケート結果をとりあえず集計してまとめたものということで一次整理という位置づけでつけております。

 その下、以下、参考資料となりますが、参考資料1といたしまして、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針、参考資料2といたしまして、研究計画・評価分科会における評価の進め方、参考資料3といたしまして、航空科学技術委員会の当面の進め方について(案)、その下、参考資料4、ちょっと見にくいですが、A4一枚のポンチ絵でして、航空科学技術分野における平成22年度重点事項。

 以上となります。

【杉山主査】 杉山でございます。おくれまして大変申しわけございません。ご迷惑をおかけいたしました。ここから、それでは私が引き継がせていただきます。

 早速ですけれども、議事に入らせていただきます。

 議題の1番目ですけれども、平成21年度の中間評価の進め方についてということでございます。

 平成22年度予算の概算要求に向けまして中間評価を行うに当たって、その評価の進め方ということですので、まず事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【中村補佐】 それでは、資料1といたしまして航空科学技術分野の平成21年度研究評価計画(案)、こちらについてご説明させていただきたいと思います。

 例年、評価を行うに当たり、年度ごとに評価の計画についてご説明させていただきまして、年度計画について了解をいただいた上で評価を実施してきているところでございます。各委員会の評価計画につきましては、その親会であります分科会、あるいはその上に当たります文部科学大臣決定という評価指針がありまして、こちらのほうで規定されたものがありますので、それに基づいて各委員会ごとに計画をつくっているところでございます。昨年度同じような形で評価計画を委員会として決定しておりますので、昨年度からの変更部分について主にご説明させていただいて、今年の計画についてご了承いただければと思っております。

 まず評価の目的ですが、こちらについては例年どおりということで特に大きな変更はありません。

 2.の評価対象課題ですが、こちらについては、今年度から評価の対象課題を列挙して、各課題について当該年度及び以後の年度の評価の計画について表示するようにということになっておりまして、(1)、(2)と今回分けております。(1)が、対象課題を列挙したもの、(2)が今年度の対象課題というふうに整理して示しております。現時点で事務局のほうとして考えております課題につきましては、(1)の対象課題については例年どおりの4項目を継続して考えておりまして、平成21年度の対象につきましては、(2)にありますとおり、中間評価といたしまして、静粛超音速機技術に関する研究開発、この1点について評価をしたいと考えております。その注書きのところに書いてありますとおり、当委員会では、昨年度、平成20年度に上の(1)の4課題すべてについての中間評価を実施してきているところです。その際に、(4)の静粛超音速機技術に関する研究開発については、21年度に中間評価を実施するということが決定されておりますので、これについては21年度にやるということで考えております。

 その他、1から3の課題の取り扱いについてですが、下に書いてありますとおり、昨年実施いたしました中間評価からまだ1年間しかたっていないこと、今年については特に中間評価の対象とはしない。これらにつきましては、今後各課題ごとですが、情勢変化、進捗等を見ながら、委員会において必要と認められる場合には中間評価を行って、特になければ、3課題とも24年度が事業の終了年度となっておりますので、3年後、24年度に事後評価を行うものとする。

 ただ、これら4課題すべてに共通して言えることですが、当該年度に評価を行わない場合であっても、情勢変化や進捗を確認するために、実施主体のほうから報告などを受けることとしたいということを考え方として述べております。

 例年4課題の評価をしておりますが、今年度につきましては、事務作業の軽減、評価を受ける側の負担を減らすということを考えるようにといった全体的な評価に対する考え方が示されているところでもありまして、当委員会といたしましては、静粛超音速機の部分だけまずやりたいと考えているところです。

 3つ目の評価方法ですが、こちらについては例年と同じということでごらんいただければと思っております。

 4.評価日程ですが、こちらについては、今回と次回、31回と32回の2回にわたりまして、超音速機技術の研究開発の中間評価を行いたいと考えております。次回の8月25日の時点で中間評価票、別添にありますが、こちらの評価票を昨年のものなど既存の資料なども活用して作成してお示しさせていただきたいと思っております。次回審査をしていただいて決定の上、その後、8月27日に予定されております分科会でその評価結果について報告して承認をいただければと考えているところでございます。

 その他、5.6.につきましては例年と同じとなっております。

 以上となります。

【杉山主査】 どうもありがとうございました。

 それでは、今ご説明いただきました21年度の中間評価の進め方について、ご意見、ご質問等ございましたらお願いをいたします。いかがでしょうか。

 よろしゅうございますか。

 それでは、特段のご意見、ご質問がなければ、今説明のありました案を委員会決定としまして、今後、これに沿って評価を進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、続きまして議題の2番目ですが、静粛超音速機技術の研究開発の中間評価についてに入りたいと思います。

 これについても、まず事務局からご説明をいただきたいと思います。

【中村補佐】 資料2-1をごらんいただければと思います。今年度中間評価を行う対象といたしまして、静粛超音速機技術の研究開発と先ほどご了解いただいたところですが、これについての中間評価の進め方の案となります。

 まず1.はじめにというところにあります静粛超音速機技術の研究開発の審議の経緯をまず確認させていただければと思います。別添1をごらんいただければと思います。

 今年度の評価の視点となってきますが、過去の審議の経緯をご確認して頂ますと、静粛超音速機技術の研究機による飛行実験の取り扱いというものが、平成18年8月の時点で委員会において飛行実験機の基本設計着手前に再度評価を実施するといったことが決定されております。詳細については、その裏にあります資料、参考1というところに具体的な文言が書かれておりますので、こちらで確認いただければと思います。

 その後、19年7月の時点で「静粛超音速機技術の研究開発の推進について」という冊子になりますが、こちらのほうを策定して分科会のほうに上げて、審議の了解をとっておりまして、その冊子の中に飛行実験機の姿としては超音速飛行能力を有する無人機ということが記載されているところでございます。この冊子につきまして、19年8月にさらに研究開発計画をお示しさせていただきまして中間評価をいたしました。その中では研究機の設計検討に着手するといった内容を含めたロードマップが評価されておりまして、具体的には20、21年度に研究機の設計検討を実施すること、21年度に研究機による飛行実証の実施に向けた評価を実施すること、さらに、事業の終了年度を、当初平成24年度までとなっていたのですが、2010年代の中ごろ、平成20年代後半ごろにするということが了解されているところです。

 昨年度につきましては、中間評価を行っておりますが、これらの内容については特に変更なされていないということで、着実に実施すべきということになっておりまして、今回の評価を迎えるという流れになっているところです。

 今年の評価のスケジュールですが、今回8月6日の第31回委員会では静粛超音速機技術の研究開発の現行計画についての進捗状況の確認をすること、あと、今後の進め方ということで、後ほどJAXAのほうから説明がありますが、現行計画について見直し修正を幾つか加えるということを考えておりまして、その方向性、考え方、見直し後の計画の概要についてご説明させていただき、確認をとりたいと考えているところです。

 次回8月25日ですが、第32回委員会では、さらにその詳細について確認いたしまして、中間評価票の案を提示させていただければと考えております。第32回の委員会で、中間評価票の案についてご了解いただきましたものを、2日後になりますが、分科会のほうに報告しまして、審議にかけたいと考えているところです。

 3点目ですが、今回の中間評価の論点と考えておりますところは、下に書いてありますとおり、まず現在の計画に対する進捗状況の確認をするという点では、行程の管理がしっかりできているか、他機関との連携がしっかりできているか、目標に対する達成度は予定どおり達成できているか、あと今後の課題が明確になっているかといったところかと考えております。(2)の今後の進め方につきましては、現時点における研究開発に対するニーズ、設定目標、設定課題に変更を加えなくてよいのか、研究機の開発、飛行実験についてはどう考えているのか、実施体制、資金計画、スケジュールについてはどうするのか、将来への道すじについてはどうなっているのか、こういった点についてご確認していただければと考えているところです。

 参考といたしまして、前々回、前回に各界からのヒアリングを実施しておりまして、その場における委員からのご指摘事項、その後、7月にアンケートを実施させていただきましたが、その中で特に超音速機に関するご指摘が何点かございましたので、それについてご参考に添付資料の中に記載しております。

 あと、一番最後のページには、平成18年度に本研究開発が立ち上がったわけですが、その後の中間評価における指摘事項は、何点かは既に対応済みということかと思いますが、改めまして過去の指摘事項について列挙しているところでございます。こちらについても時間のあるときにご確認をいただければと思っております。

 以上となります。

【杉山主査】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまご説明のあった進め方に従いまして、今回は次世代超音速機の評価を行うということで、関係機関からオールジャパン体制のもとでの検討の取り組み状況についてヒアリングを行いたいと思います。

 まず最初に、財団法人日本航空機開発協会から、我が国における超音速輸送機実用化検討について、ご説明をちょうだいいたしたいと思います。質疑については、後ほどJAXAからのご説明とあわせて一括して行いたいと思いますので、よろしくお願い申します。

 それでは、よろしくお願いいたします。

【日本航空機開発協会(東主管)】 では、私、日本航空機開発協会で超高速機グループのグループリーダーをやっております東と申します。東のほうからご説明したいと思います。

 今日ここに書いておりますように、「わが国における超音速輸送機実用化検討について」ということでご説明したいと思います。

 まず最初に、財団法人日本航空機開発協会の概要についてちょっとご説明したいと思います。

 ちょっと字が小さくて読みにくいかもしれませんが、昭和48年の設立以降、現在までボーイング社との国際共同開発の日本側中核といたしまして、機体メーカーを取りまとめまして、767とか777の開発事業を成功させております。引き続きまして、平成16年より787の事業を開始して、現在に至っております。

 このほかに民間輸送機の市場調査を継続して行っておりますとともに、小型民間輸送機、YSXですとか、超高速輸送機の実用化開発調査、HSTPといったような調査につきまして機体メーカーの行う要素研究を取りまとめて機体統合の検討を行っております。

 この絵にもありますように、1973年、昭和48年に、最初は民間輸送機開発協会という名前でございましたけれども、途中名称変更がございまして、日本航空機開発協会、ジャパン・エアクラフト・ディペロップメント・コーポレーション、通称JADCと呼んでおります。

 先ほど申しましたように、ずっと一貫しまして航空機の市場調査ということで、需要の予測ですとか、どのぐらい売れたかといったような調査を継続して行っております。そのほか、要素研究といたしまして、ここに書いております複合材料とか軽量構造ですとか、アビオ、航空機システムといった要素研究を行いながら、先ほど申しました767、777、787の開発ということのほかにYSXですとか、ここに書いておりますのが、今我々がやっております超高速輸送機の実用化開発調査です。

 ここでYSXとして現在やっておりますのは、今防衛省さんのほうで開発されております、あるいは開発されましたC-Xですとか、XP-1、US-2の民間機への転用の検討もここで行っております。

 JADCの大きな機能の一つであります航空輸送の市場予測ということについて簡単にご説明したいと思います。ここに書いておりますようにJADCでの世界の航空旅客輸送の予測によりますと、2009年、今年は経済不況がありましたのでちょっと減少する見通しになっておりますけれども、その後回復いたしまして、20年後は現在の2.5倍ぐらいになると見ております。航空輸送量の増加に伴いまして、運航機数も、一時的な調整はあるとは思いますけれども、20年後には現在の2.1倍になりまして、新規の需要としては全体で2万6,000機ぐらいになると予測しております。

 こちらはJADCで予測しているもののチャートでございますけれども、これは縦軸が有償旅客キロと書いておりまして、通称レベニュー・パッセンジャー・キロメーターでRPKと呼んでおりますけれども、1人を1キロ運ぶと1人キロ、2人1キロ運ぶと2人キロ、1人を2キロ運ぶと2人キロという、そういった輸送量を書いておりまして、今年は少し調整があると思いますけれども、将来的には2.5倍になると見ております。地域的には幾つかに分けて予測しておりますけれども、特にアジア太平洋地域の伸びが大きいのではないかと予測しています。

 一方、新規の需要機数でございますけれども、これは若干2.5と2.1で差がございますのは、航空機の稼働率といいますか、我々はユーティライゼーションと呼んでおりますけれども、例えば1機で1日、極端に言えば24時間飛び続ければ非常にたくさん飛べるというようなことになりまして、そういったユーティライゼーションの向上ですとか、あと搭乗率、我々はロードファクターとよく呼んでおりますけれども、そういったものの改善なんかも見込みまして、輸送量の割合よりは少し低い2.1倍の機数になるだろうと見ております。

 次に、超音速輸送機連絡協議会について簡単にご説明したいと思います。

 超音速輸送機につきましては、国際規模の研究開発が行われておりますけれども、我が国でも実用化に向けて関係機関がさまざまな取り組みを進めているところでございます。超音速輸送機の分野において我が国の立場を確立するためには、各関係機関が一丸となって相乗効果を発揮しつつ、各事業を推進する必要があるということで、超音速輸送機実用化連絡協議会というのを設けまして、昨年、20年1月31日に官民を含めまして我が国の関係機関が一堂に会しまして、役割分担ですとか連携方法について協議いたしました。

 参加機関でございますけれども、財団法人日本航空機開発協会(JADC)、それから、財団法人日本航空機エンジン協会、JAECと通常呼んでおります。あと、社団法人の日本航空宇宙工業会(SJAC)、それから超音速輸送機用推進システム技術研究組合、ちょっと長いですから、通称ESPRと呼んでおります。あと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が参加しております。これだけのメンバーで参加しておりまして、オブザーバーといたしましては、エアラインと大学の有識者の方にも参加いただいております。あと、官庁オブザーバーといたしましては、経済産業省と文部科学省、国土交通省といった方々が参加されました。

 次に、超音速輸送機の研究開発における基本的な役割分担ということでございますが、連絡協議会と各参加機関においては、次のような役割分担を基本としつつ、有機的に連携しながら、それぞれの事業を進めるということを確認しております。

 主な項目でございますけれども、我が国といたしまして念頭に置く機体の検討というものについては、JADCが、先ほども申し上げましたような需要予測ですとか、設計要求条件の検討を含めて検討するということになっております。次の実用化に必要な要素技術、統合化技術の研究開発ということでは、基礎的な研究、基盤的な研究開発を含めましてJADC、エンジン関係といたしましてはJAEC、ESPRというところが行うこととなっております。それから、基礎的研究、基盤的研究ということで、静粛超音速機研究機の開発、飛行実験、技術研究ということで、ソニックブーム低減ですとか、空港騒音低減、低抵抗化、軽量化といったことも含めてJAXAのほうで行って、それぞれ連携しながら進めていこうということになっております。

 では、次に4.1といたしまして、超音速輸送機研究開発の必要性について、我々メーカー側として考えていることを簡単にご説明したいと思います。

 1つ目といたしまして、これまでジェット旅客機の大型化と長距離化ということで、主として経済性を向上してきております。A380という、実際には現状ではもう少し少ない人数で運航しておりますけれども、800人乗りという超大型機も誕生しておりまして、大型化はほぼ上限化してきていると思われます。航続距離も1万6,000キロを超える機体もあらわれておりまして、飛行時間は18時間を超え乗客の疲労度が大きくなるために、今後は航空機本来の高速性を飛躍的に向上させることによって利便性の向上が望まれていると思っております。コンコルドが開発されましたけれども、経済性と騒音の点で実用化にはほど遠い16機の生産で終わっております。

 次世代超音速機の研究が1990年代に世界各国で行われましたけれども、マッハ2~2.4ということで、経済性と騒音基準をクリアするには、さらに研究期間が必要ということで中止されております。

 今後は、現実的でより実現性の高いマッハ0.9~2の超高速輸送機の研究が必要であるということで、この絵でございますけれども、横軸はマッハ数、ここはマッハ1の音速でございます。縦軸は機体の規模ということで座席数を書いております。最初はここにも書いておりますように、プロペラ機からジェット機になることによって高速化が図られましたけれども、音の壁というものがありますので、大体ジェット旅客機であれは、ほとんどの機体が0.8マッハから0.85マッハといったもので、それを超える旅客機というのは今のところはなく、その範囲の中で大型化あるいは長距離化が図られているということでございますけれども、先ほど申し上げましたような長距離化というところに対応しても、やはり高速化ということが当然必要になってくるのではないかと考えております。

 次に、超高速輸送機の要求性能といいますか、どんな機体であるべきかということについてです。

 まず、最初に適合すべき要求といたしまして、現在の成熟した亜音速ジェット輸送機と共存し得る超音速輸送機の実現のためには、安全性はもちろんであると思いますけれども、コンコルドがなし得なかった経済性と環境適合性といったようなものは必要になると思います。

 まず環境性でございますけれども、SSTの環境基準というのを2013年をめどに制定しようという動きがあると聞いておりますけれども、おそらく亜音速と同等レベルになるのではないかと思います。

 したがいまして、それを達成するためにはエンジンの低騒音化、低エミッション化、あるいは機体を軽くするためにエンジン音を低減するための軽量なエジェクターの実用化。あと、機体・エンジンの軽量化ですとか、機体の低抵抗化ということで、機体自身を小さくして環境性を高めていく必要があると思います。

 次に経済性でございますけれども、超音速になりますと、やはりどうしても抵抗などは亜音速に比べて大きくなると思われますので、ある程度はやむを得ないと思うのですけれども、運賃というか、運航コストは従来の3割増し以下には抑えなければいけないだろうと考えております。このためにも、エンジンの低燃費化だとか、機体・エンジンの低コスト化、機体・エンジンの軽量化、低抵抗化といった技術が必要と思っております。

 ここは今申し上げたことを簡単に書いたものでございますけれども、平均運賃倍率、空港騒音ということで、コンコルドは非常に運賃も高く、またうるさかったのですけれども、将来のSST、超音速機といたしましては、運賃はせいぜい平均運賃の1.3倍ぐらい、騒音基準としては亜音速機並みということをターゲットにするべきではないかと考えております。

 続きまして、巡航速度の選定ということで、巡航速度としてはマッハ1.6を現在考えております。マッハ1.6で軽量化、低コスト化を図ろうということを考えておりまして、マッハ2.2に比べまして、空力加熱による機体表面温度低下により通常の高強度で低コストな複合材料ですとかアルミ合金が使用可能になると考えております。軽量化、低コスト化の可能性が高まって機体の経済性が向上するだろうと考えております。ここにちょっと絵で書いていますけれども、横軸がマッハ数で、縦軸が空力加熱による機体の表面温度をあらわしたものでございますけれども、マッハ2.2とか、そういうところですと150度ぐらいになってきますけれども、1.6であれば、ほぼ50度ぐらいで亜音速の航空機と同等の材料を使える可能性が高くなるのではないかと考えております。

 今ご説明したのは技術的なシーズのほうの話でしたが、マッハ1.6でも十分な飛行時間短縮ができると考えております。マッハ1.6では、もちろんマッハ2.2よりも飛行時間は長くなりますけれども、亜音速機に比べて最大45%の飛行時間の短縮が可能になると考えております。例えばニューヨーク-パリ間の大西洋線では、1日2往復も可能であり、東京-ニューヨークでも1日1往復が可能になりまして、亜音速機よりも運航の生産性が非常に向上すると考えられます。

 これはサンプルでございますけれども、横軸はマッハ数で縦軸が飛行時間で、上がロサンゼルス-東京、こちらがニューヨークとパリで、両者の比率はほとんど一緒だと思いますけれども、こちらのニューヨーク-パリで見ていただいても、亜音速機に対して1.6で飛べば、約45%の飛行時間短縮になります。確かに2.2で飛べば60%ぐらい減りますが、いずれにしても、現状の亜音速機に比べて半分程度の時間短縮になるということで、例えば今の亜音速機でニューヨーク-パリ間ですと、1機で1日1往復、2往復しようとすれば2機運航しないといけないということですけれども、超高速の1.6マッハで飛べば、うまくこのような昼間の時間帯も2往復できる可能性ができまして、エアラインにとっても運航性が非常に上がるのではないかと考えております。

 こういったことを我々なりに考えて検討しておりますけれども、エアラインさんの意見もいろいろ聞かないといけないということで、意見調査をした結果の概要でございます。

 まずSST全般としては、経済性さえよければという条件つきではございますけれども、利便性から将来性があるだろうと聞いております。

 ただ、速度は、先ほど申し上げたようなことで、マッハ1.6でよく、1機で亜音速の2機分の運航ができるということで非常に効率的であるということでございます。

 あと、航続距離につきましては、大体6,000ノーティカルマイル程度の直行可能な航続距離が必要であると聞いております。

 あと、座席数もエアラインによって多少幅がありますけれども、100から300席ぐらいが適当ではないか。

 運賃も、平均運賃の30%アップぐらいであれば速度向上を選択するだろうと。これももちろんエアラインによって若干差がありますけれども、20~30%が大体のオーダーになっているようなところでございます。

 あと、環境性については、当然騒音も排ガスも規制値を満足すること。

 あと、居住性については、これはちょっとプレミアムな機体になりますので、ビジネスクラスを中心とするべきではないかという意見が多うございました。それから、同じようなことですけれども、エコノミークラスは不要で、あるとしてもプレミアムエコノミーならあり得るのかなという意見が多うございます。あと、5時間程度以上の飛行では、ビジネスクラスにフラットシートが必要ではないかというようなコメントもいただいております。ただ、5時間程度といいましても、超音速機で5時間ということは、亜音速機であれば、先ほど申しました大体2倍弱ですので8時間とか9時間とか飛行する必要がある距離となり、亜音速機だったらフラットシートが必要なんだけれども、超音速機では必要なくなるという可能性も含めたことになっております。

 次に、航続性能の選定でございますけれども、航続距離も超音速のメリットを生かすためには、できるだけ長いほうが望ましい。やはり超音速でたくさん飛んだほうが、それだけ時間メリットも多くなりますが、機体サイズとしては、重量、運航費の増加を招きます。6,000ノーティカルマイルであれば、代表86路線と書いてありますけれども、実際には545路線という世界中の主要路線を分析いたしまして、輸送量の93%を6,000ノーティカルマイルであればカバーできるということで、東京-ニューヨークの直行も含めて欧州、北米のほとんどが運航できると考えております。

 ここに出ているチャートでございますけれども、これは航続距離と、縦軸はRPK、輸送量の累積の量を書いているものでございます。距離が短ければ、当然あまり輸送量が運航されていなのですけれども、だんだん距離が伸びまして輸送量が累積してきますと、こんな形になります。6,000ノーティカルマイルあれば、先ほど申し上げましたような世界中の輸送量の93%をカバーできるということで、十分な距離になるのではないかと考えております。

 あと、座席数でございますけれども、エアラインのコメントということで、先ほどもお話しいたしましたけれども、大体機体規模としては、100から300席程度の中、大型機がいいだろう。これは座席数が多いほど、当然経済性は向上してきますのでいいのですが、逆に多過ぎると重量増とか、1機当たりのコスト増の問題等が出てくるということで、250席程度であれば、現状の実勢運賃の1.3倍の割増運賃で将来的には運航可能になるのではないかと考えております。あと、現在運航中の長距離機、国際線用の旅客機のサイズにも適合すると考えております。

 これは横軸が座席数で縦軸が運賃倍率といいまして、亜音速機に対して何倍ぐらいになりそうかというものでございますけれども、まあ250席であれば1.3倍ぐらいに将来的にはならないかなと考えておりますが、当然座席数が少なくなってきますと、1人当たりの運航費も高くなってきますので、やはりこれぐらいのところを目指したほうがいいのではないかと考えています。

 あと、こちらのチャートでございますが、これは横軸が航続距離で、縦軸が座席数で、この辺に書いておりますのが、今運航されている機体でございます。あと、ちょっと色分けして書いておりますものは、上の黄色いものが、10年前まで運航していた機体と、その後、運航開始した機体というふうに色分けしておりまして、こちらで見ていただきましても、距離が長くなれば当然座席数も大きくなってきますし、最近の傾向としては、先ほども申し上げたような長距離の機体が新しく投入されているということになっております。

 今、我々の考えているSSTといたしましては、6,000ノーティカルマイルで、大体250席ぐらい、この辺のところを考えているものでございます。

 次に、超高速輸送機の需要機数の推定ということでございますけれども、世界の主要な航空路線の中からSSTの運航に適した545路線、先ほど代表86路線と申しましたけれども、実際には545路線を抽出いたしまして需要予測を行っております。

 250席、航続距離6,000ノーティカルマイルの超高速機の運賃は、現状の1.3倍相当を仮定して、将来の需要としては、地域差がありますけれども、合計では1,600機ぐらいになるのではないかと考えております。

 ここに一応1.3倍等を考えて、地域ごとの需要機数を見ますと、大西洋線が一番多うございますけれども、その他いろいろな世界のところを合わせますと、1,600機ぐらいになるのではないかと考えております。

 現在、我々が考えております超高速輸送機の仕様案でございます。先ほどからご説明しておりますけれども、巡航速度は1.6マッハ、右側にコンコルドを載せておりますけれども、コンコルドはマッハ2.05。航続距離は6,000ノーティカルマイル、こちらは約半分強の差がございます。席数も約2倍程度の3クラスで226。それから、最大離陸重量は、コンコルドの200トン弱に対して、今のところ300トン弱というようなもので考えております。全長とか平面形については、この辺を見ていただければわかりますように一回り大きな機体を考えております。

 次に、客席の配置の検討でございますけれども、ここに書いてありますように、エアラインに標準配置として提示した、3クラスで226席というものでは、現在主流の長距離機の配置と比べて、座席幅、ピッチが狭いという意見がほとんどでございました。超音速機といえども、亜音速機と同等の快適性が求められているということが言えるかと思います。

 先ほどのエアラインのコメントでも申しましたけれども、5時間以上の長距離路線用にビジネスクラスには60インチピッチで、フルフラットシートの座席が必要だということを言っています。60インチといいますと、大体1.5メーター強、小さい方ですと、ほぼ身長で、背の高い方ですと、ちょっと短いのですけれども、大体今の国際線のフルフラットシートといったものは60インチピッチのシートでございます。ただ、5時間程度以下であれば、必ずしもそれだけなくてもいいということで、中距離用のビジネスクラスでは50インチピッチというものを検討しております。

 最初に申しました3クラスで226席、ファーストで40インチ、ビジネスクラスで36インチということで、最初エアラインに提示しましたけれども、ちょっと狭いなということで、同じく3クラスで、ファースト70インチ、ビジネス60インチ、プレミアムエコノミー40インチということで考えますと、118席になってきます。

 オールビジネスで考えますと、ちょっと座席数が減って、100席強となります。それから中距離用といたしまして、ビジネスクラス50インチ、プレミアムエコノミー36インチとしますと、170席のこのような配置も考えられます。

 こういった長距離用とか中距離用ということで、運航時間に合わせた座席配置案を検討しエアラインへの提案を考えております。

 最後になりましたけれども、超高速輸送機実現に必要な技術開発ということですが、亜音速機と経済的な競争力を持ちつつ、厳しくなる環境影響への要求を満足させるには、軽量化、低抵抗化、低コスト化、低騒音化といった技術開発が必要であると思います。

 ただ、それらは密接に関連し合い、かつ相反する影響を及ぼすことが多いので、それぞれの要素技術だけではなくて、機体とエンジン、空力、構造といったような統合的な技術開発が必要と考えております。

 ここでは経済的な競争力だとか、環境適合性ということで、それぞれ低燃費化ですとか低価格化というようなものがありますけれども、突き詰めれば軽量化、低抵抗化、低コスト化といった技術開発、あと高効率のエンジンで低騒音の技術ということになってくるかと思いますけれども、それぞれ全体を見た統合的な開発が必要となります。

 それぞれの要素といたしましては、先ほどから言っております空力、構造、エンジン、システム技術といったようなもので、代表的に言えば、低ソニックブームの設計技術ですとか、低抵抗にするような自然層流化技術ですとか、構造であれば、軽量の複合材構造とか、チタンの低コスト技術ですとか、エンジン低騒音化などいろいろとあると思います。

 こういったところでJAXAさんへの我々の期待といたしましては、超高速輸送機の実用化にはさらなる技術革新が必要で、現状の技術ではまだまだ先ほど申し上げたような機体の仕様のものはできませんので、さらなる技術革新が必要と考えておりまして、こういった各技術課題に対しては、JAXAさんの得意とする革新的な基礎的研究、基盤的な研究の推進を、解析技術、試験技術、新材料ということでお進めいただいて、そういったJAXAさんの研究成果の産業界への技術移転、例えば共同研究など、今も進めさせていただいておりますけれども、そういったことで、メーカー側に技術移転をしていただきたいと考えております。

 また、技術的な実現性にも配慮した環境基準等の策定ということで、将来的にそういう超音速機を開発するといたしますと、先ほども申し上げたような2013年には環境基準を設定しようという動きもありますので、その場合にはぜひ技術的な実現性も配慮して決めていただきたいと思っておりますので、そういった面でも積極的な貢献をしていただければなと考えております。

 以上、早口になって恐縮でございますけれども、JADCのほうからの説明を終わりたいと思います。

【杉山主査】 大変ありがとうございました。

 それでは、続きまして、JAXAから、今回の評価対象案件であります静粛超音速機技術の進捗状況と今後の進め方についてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【JAXA(鈴木PD)】 それでは、JAXAのほうから現行の計画の進捗の状況と、それからその成果を踏まえたことと、それから昨今のSSTをめぐる情勢が変わっておりますので、その2つを検討しまして、多少現行の計画を変えた提案をさせていただきたいということで、今日ご説明いたしたいと思いますので、ご審議をよろしくお願いします。

 まず第1ページ目に、現行計画の概要ということで、これは委員の先生方は既にご承知かと思いますが、いわゆるウーメラで14メートルぐらいの長さの超音速無人機を飛ばしてソニックブーム、それから軽量化、経済性、そういったものも総合的に評価しようという現行の計画の概要でございまして、これは本来目的はここに書いてありますとおり、国際的な共同開発が始まったとき、日本として主体的に参画できることということで、キーテクノロジーのソニックブームの低減技術を中心とした環境適合性、それから経済性の両立を目指したものでございます。

 これにつきましては、現在、この委員会で決めていただいた進め方につきましては、右上の図に書いてありますように、研究開発のロードマップで、こういった研究機による飛行実験を平成20年度、21年度、これでフロントローディングをして設計検討をして、ある程度見きわめをつけたときに、2009年の夏、今でございますけれども、評価をしていただいて、次のフェーズをどういうふうにするのかということを決めていただくということで、それがオーソライズされた進め方でございます。

 この計画に沿って、JAXAは進捗をしてきた報告を次のページでございますけれども、技術目標は4つございまして、ソニックブームの低減、それから離着陸時の騒音低減、真ん中のほうでございますけれども、あと、低抵抗化、軽量化、こういった4つの技術的な目的に対しまして、風洞試験、それからシミュレーションでもって、真ん中に書いてありますように、JAXAにおける達成状況、そういったところで、大体ブームを半分以下、それから騒音低減のめどをつけた。あと揚抗比8.0を達成した。それから、低コストの複合材を適用するめどをつけたとか、そういった技術的なめどを風洞試験とかシミュレーションのレベルでは達成しております。

 特に飛行実験につきましては、その下に書いてありますように、設計検討を20年度から21年度にかけて行いまして、実際に研究機を飛ばすことによってソニックブームの技術を検証できるのだと、そういうめどをつけてございます。

 こういった今までの現行計画で進めてきた成果を考えますと、今後の課題としましては、やはりソニックブームというのは、実際に飛行して大気を衝撃波が伝播することによってソニックブームの減少を最終的には実証していかないと、低ソニックブームになっているかどうかというのは確認できないということで、やはり何らかの形で飛行実験が必要である、そういう課題を我々は強く認識をしてございます。

 以上の成果と、それから国内外の情勢を考慮して新しい提案をさせていただくのですが、そのページが次の6ページの現行計画の見直しの必要性のところでございまして、我々はどういう視点で見直しが必要かということをここに述べさせていただいています。

 まず成果を早期に出さないといけないということで、NASAと国外的にかなり超音速のソニックブームの研究等の加速が見られているということ。それから、せっかく日本で技術研究に基づいて、ちょうど海外の研究機関に対しての優位性を持っている技術を飛行実験できちっと確立して、それを示す必要があるということ。それから、先ほどJADCさんが発表のときに触れられたように、ICAOのソニックブーム関係のレギュレーションを2013年に、CAEP9ですけれども、そこで決めるということ。そういったことで、どうしても2012年ぐらいまでに何らかの成果を出す必要がある、そういう認識に立っております。

 2番目として、これは実質的に非常に大きいのでございますけれども、必要な研究資金の確保がなかなか難しい。先ほどのウーメラで超音速無人機を飛ばす資金規模というのはかなり大きいものですから、その資金規模をやはり少し圧縮したような形でやらなければならないだろう、そういうことが第2点でございます。

 第3点につきましては、研究開発の連続性、今までせっかくこういった研究をやってきたのを、ここで途切れるというのは非常にまずいということ。それは特に人材育成、それから、せっかくSST、こういった最先端の研究開発に携わっている人たちをきちっと確保しておくこと、それはひいては、現在のMRJとか、在来形の研究開発にも非常に重要なことであるということで、そういう3つの視点から見直しをかけたいと思っております。

 見直しに当たっての基本的な考え方を下のページに書いてございますけれども、まず成果の創出については、やはりICAOの基準策定への貢献と、次世代のSST機体設計技術の獲得、こういうことで国際プレゼンスをきちっと確保していきたいということ。

 それから、2番目に人材育成、これはMRJに象徴されるような、そういった研究者あるいは開発をする方々の技術レベルを上げること、それから大学等の今後そういうところに入ってくるような人材がそういった新しい先端的な研究開発に触れることができるような、そういう環境を提供することというような目的を我々は考えのスタート地点に置きたいと思っております。

 実施期間につきましては、これは研究計画の変更でございまして、実際の目的とか、そういったものについては変更ございませんので、期間はあくまでも平成18年度から平成20年代の後半ごろということで従来どおりですけれども、ただ、飛行実験につきましては、先ほど申し上げましたとおり2012年度までに3年間できちっとした成果を出したいということで、飛行実験につきましては、平成22年度から24年度に実施ということで実施期間をしたいと思います。

 それから、実施体制につきましては、今まで我々なりに産官学と連携をしてまいりましたけれども、もう少し戦略を共有しまして、それを強化してやっていきたい。その中に、当然先ほどの大学等を含めた航空教育の活性化、それから航空技術者の確保に貢献するような形でこのプロジェクトを進めていきたいと思っております。

 資金計画につきましては、当然、現在MRJとかエコエンジン、そういったものの開発が進んでおりますので、SSTはその中に入れる場合に、全体としてのバランスを考えた資金配分を考えていきたいと思っております。

 なお、一番下に書いてございますけれども、この3年の飛行実験をやった後に、やはりその時点でその成果を踏まえて、その次のステップについては、また新たにそれ以後の超音速機の研究開発はどうあるべきかということを、この委員会でお諮りして、それ以降のことはまた新たにその時点で決めていきたい、そういうスタンスで変更をかけてございます。

 次のページをちょっと飛ばしまして、実際にどういう計画なのかということを先にお話ししたほうがいいかと思いますので、11ページにそれが書いてございます。一応実際の実験はウーメラのようにエンジンを使って超音速機、無人機を飛ばすのではなくて、それですとコストが非常にかかってしまうということで、落下を使って超音速を達成して、そこから衝撃波を発生させてソニックブームをつくって、それについて計測しよう。そのときに落下させる模型が、先ほど来研究をやってきました低ソニックブームの機体形状をそこに適用することによって、その低ソニックブームのコンセプトが実証される、そういうようなプロジェクトにしたいと思います。

 これは、実際今考えていますのはスウェーデンのNEATという実験場でございますけれども、そこで大体高度30キロぐらいまで1トン弱のこういった模型を気球でもって持ち上げまして、そこで切り離してマッハ1.6ぐらいまで加速してソニックブームを出そうということでございます。

 実験は大きく2段階に分かれておりまして、まず、第1段階としましては、普通のN波がきれいに出るような、そういった模型をまず落下させまして、D-SEND1でございますけれども、それをはかるということ。それから、そのときにもう少し長い低ブーム波形用の軸対象の模型を落としまして、その低ブームの波形をはかって、空中での計測、それからソニックブーム全体の計測をしまして、N波から低ブームの波形の、その有意の差というのをまず実験で確かめる。そういう予備実験的なことをやりまして、第2段階としましては、これはきちっと我々の今出しております低ブームの機体形状を適用したものを落下させて、そこで実際のソニックブームをはかります。これは模型としましては、そこに書いてありますように7メートル弱と、それから1トン未満の機体でございますけれども、これを落としまして、実際に揚力をかけませんと、我々のコンセプトが確認できませんので、実際に超音速化したところで少し揚力をかけるような飛行制御をしまして、それでソニックブームを発生させるということでございます。

 この実験によってどういうことがわかるかということが下に書いてございまして、ソニックブームの低減技術の中で、ブームの解析・予測技術、それからCFDの機体設計・解析技術に基づくこういった低ブームコンセプトを実証できるということ。それから、もう一つはソニックブームの計測・評価技術の確立ということで、これはいずれもICAOのソニックブームの国際基準にこれらの成果の利活用ができるということ。もう一つは、国際的な共同研究の主な相手でありますNASAとのソニックブームの共同研究でいわば日本の持ち駒として使えるということで、2012年までにこの実験をやることによって、成果が非常に効果的に利活用できる、そういう考えでございます。

 この実験につきましての全体の計画のスコープが10ページのほうにあります。資料が前後しましてすみません。まず現在のところで、この計画をやりますと、ちょうど2012年、これはCSTPで、我々が約束しております2012年までに成果を出せるということ、それからJAXAの中期計画がちょうど2012年で終わりますので、そういった非常に節目にきちっとした成果が出るということ。もちろん先ほどの2013年のICAOへの貢献というのが一番初めにありますけれども、こういうことでやはりこのD-SENDという計画をここに入れることによって成果が非常に有効に活用できるということでございます。現在の時点で今の現行計画をやっても、その成果がおくれてしまうということ、それで、ぜひこういったD-SENDで有効な成果を国際的な日本のこの分野におけるプレゼンスを示したい、そういうふうに考えております。

 次のページに一応国際的な現在の動向、それから我が国における推進体制、そういったものを、ちょっと字が小さいのですが書いてございます。特にアメリカのNASAにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、こういったソニックブームの研究開発が加速されておりまして、実際F-16戦闘機を改良しまして、そういったものを飛ばすことによってソニックブームの評価試験をするということ、それから、ソニックブームシミュレーター設備、そういったものを使って研究を加速している。これはJAXAとの共同研究をやっておりますけれども、一方、ヨーロッパにおきましても、現在HISAC計画が進んでおりまして、これはことしの秋に一段落しまして、その後、次のフェーズをどうするかということを検討した後、実際にまたヨーロッパのほうも進めていくと我々は考えております。

 ヨーロッパのほうにつきましては、先ほどJADCさんの報告にありましたとおり、日仏の航空宇宙工業会SJAC、それからGIFASと共同研究、これはJAXAも参加しておりますけれども、こういったヨーロッパとも超音速機の分野におきましても協力をしております。

 我が国の推進体制でございますけれども、超音速輸送機連絡協議会のともにオールジャパンとして今後どういうふうな最終目標、それから役割分担、これは先ほどのご報告にあったとおりです。

 それから、JAXAは独自の委員会としまして静粛SST技術の研究開発に関する外部有識者委員会というものを持っておりまして、JAXAの持っている超音速機の研究開発を推進するための外部の方々の知見の助けを得るということでこういった委員会も活用しまして、我々の超音速機の進め方を最適な方向に持っていく努力しております。

 この計画を進めるに当たって、先ほど産学官連携の強化ということ、それから人材育成に貢献するということで、その次の13ページに実際の実施体制について述べてございます。これは現在調整中でして、まだこれはフィックスしたわけではありませんけれども、このプロジェクトをやることを核にいたしまして、我々は現在個別に、例えばJAXAとNASA、JAXAとONERA、それからJAXAと産業界、それからJAXAと各大学を共同研究とか研究委託、それから、大学ですと連携大学院、そういったもので一緒になってやっておりますけれども、それだけですと、やはり全体としての有機的なつながりが不足しておりますので、やはりこの超音速機に対する戦略の共有化をして、実際にそれぞれ役割分担等をもう少しきちっと実際に実行しているときにも有機的につながりを持ってやりたいということで、まあ調整中でございますけれども、もう少し産業界につきましては、SJACさん、それからJADCさんを中心とした窓口をしていただいて、我々とこのプロジェクトを契機に連携していきたいと思っております。

 それから、学界につきましては、日本航空宇宙学会にリエゾン委員会がありまして、そのリエゾン委員会を有効に活用しまして、それは次のページにありますけれども、今後の連携方策のところに日本航空宇宙学会の中のリエゾン委員会、ここに窓口を設けていただきまして、学会ですので、企業の若い研究者等もここに参加しておりますので、こういった窓口に対して我々は研究委託、あるいは共同研究をしまして、大学が持っておられるリソースを有効にこういったところで活用して、オールジャパンとして効率のいい研究体制をつくっていきたいと思っております。

 次のページに研究開発のスケジュールが書いてあります。

 まず要素研究につきましては、これは着実に現在の計画のとおり進めさせていただくということでやりたいと思っております。

 研究機による飛行実証は、これは先ほどのように2012年に成果を出したいということで、D-SEND1、D-SEND2というものをステップを刻みまして、2012年度にブームの一応の成果を出すということで、現行の計画、その下に推力あり(超音速エンジン付)のその計画は一時凍結するということで、こっちの飛行実験のほうに移らせていただきたいと思います。

 予算につきましては、これは現在文科省さんといろいろご相談を申し上げて検討中でございます。

 それで、最後にその次の16ページでございますけれども、新計画の道すじと進め方でございますけれども、一番上にいわゆるミッションロードマップがございます。今回この実験の後、CAEP9で2012年に成果が出て、その成果を2013年のICAOに反映して基準が策定されますと、そういった基準の策定に基づいて次世代のSST開発というものが実際に実現することになります。今、ビジネスジェットにつきましては2015年前後にAERION、それからSAI等が計画を実行に移しておりますけれども、それが今後、旅客機のほうに移ってくるだろうと我々は考えておりまして、我が国の業界としては、こういった旅客機に移ってきたときに国際共同開発に主体的に参加するということが航空の全体のミッションでございます。

 こういったミッションロードマップに対して、NASA、それからJAXA、そういったところがどういうふうに貢献していくかということが下のほうに書いてございまして、JAXAは現在の要素技術につきましては着実にやっていきますので、それぞれいろいろな局面でその成果が活用されると。今回の計画につきましては、このD-SENDの成果がちょうどCAEP9のそこの技術的な基盤を提供するというところに赤い線が引いてございまして、それは当然自然に技術的なバックグラウンドとして提供されますので、そういったことで国際的な日本のプレゼンスが示される。それで、国際協力開発の参画を可能にするのではないかというような考えを持っております。

 右のほうに少し書いてありますけれども、SSTの国際フォーラム等の形成、そういったものについても今後努力していきたいと我々は考えてございます。

 まとめにつきましては、ただいま報告したことを要約して書いてございますので、重複する説明になりますので、これは省かせていただきたいと思います。

 JAXAからの説明は以上でございます。

【杉山主査】 どうもありがとうございました。

 それでは、先ほどの開発協会のほうからのご説明、今のJAXAからのご説明、あわせましてご質問、ご意見等ございましたら、いろいろお願いを申し上げます。どうぞ。

【河野委員】 最初のほうのJADCさんの説明の中で、6ページの絵で次世代のSSTというのがグリーンのところで示してあるのですが、これは平均運賃倍率と空港騒音基準というのは、そもそも関係があるのかないのか、それがちょっとよくわからないのですが、いずれにしても、次世代のSSTをここに位置づけられているということは、どこでどういう議論があってこういうことになっているのか、そこら辺をちょっとお願いしたいと思います。

【日本航空機開発協会(東主管)】 今のご質問でございますけれども、必ずしも空港騒音と平均運賃倍率がどういう関係かということはちょっとないかと思うのですが、要するに、目標としては、空港騒音としては亜音速機並みにしないといけないだろうということを絵にいたしました。あと、運賃倍率ですが、超音速機であれば、やはり亜音速機よりは運賃というか、運航コストと言ってもいいと思うのですけれども、高くならざるを得ないだろうと思っております。ただ、あまりにも高いとお客がつかないということですので、我々なりの判断、あと、エアラインにもいろいろと聞いてみても、速度が2倍ぐらいになるのであれば、30%増しぐらいの運賃だったら払ってくれるのではないかなというようなところで、我々の目標としてこういうところに置いているというものでございます。

【河野委員】 エアラインのほうの意見も大分参考にされているということですね。

【日本航空機開発協会(東主管)】 そういうことですね。

【河野委員】 それとあと、JAXAのほうで発表されたものに対して、新計画というのを出しておられるのですが、私としてはまあアイデアとしては非常におもしろいのではないかなというふうに思うのですが、これを必要最低限な規模、内容で実施という位置づけをされているのですが、これをやれば当初の計画の必要最低限部分はできるというふうに読み取れるのですけれども、それはやっぱりかなり旧計画でいかないと肝心なことはできないというようなことは、役所に出す文章としては書けないとは思いますけれども、そういうこともちょっと整理して説明していただくのが、この場でふさわしいかどうかわかりませんが、そこら辺はどうなんですか。口頭でもおっしゃっていただければ、こちらもサポートのしがいがあるということもあると思いますが。

【JAXA(鈴木PD)】 正直に申し上げて、我々はこのD-SENDだけで、この計画が満足な成果が得られるとは思っておりませんけれども、先ほど来申し上げましたとおり、2012年にある程度きちっとした成果を出すという、それを最優先にして今回このD-SENDの計画を提案させていただいているのですけれども、当然このD-SENDが終わったときに、新たに本来の超音速輸送機の実際の技術的なデータベースをつくるための、そういった定量的な研究開発にもし移る必要があるというご判断が得られれば、そういう旧来の現行の計画をもう少し高度化したような計画を我々としては一応持っておりますので、そういった提案をさせていただくことも選択肢になっているかと思います。それはやはりこのD-SENDの計画が終わって成果が出たときに、いろんなそこの時点での情勢を考えて審議していただくということになるかと思います。

 あまりはっきりと言ってなくて申しわけありませんが、今全体像をびしっと示せればいいのですけれども、とりあえずこういうことで、まずはD-SENDをやらせていただきたいというのが我々の希望でございます。

【鐘尾委員】 JAXAさんの計画についてなのですけれども、私はこの静粛超音速機の話を聞いたのがたしか三、四年前だったと思うんです。そのときから多分研究は継続されていたと思うのですけれども、今のご説明を聞いていますと、例えば10ページ、あそこに出ていますけれども、当初の想定ライン、黒いところから、今の現状ライン、青いところに来ていると、この差は一体何なんだろうなというのがちょっと疑問として浮かんでおります。

 それで、アメリカのほうで急にこのような計画が具体化しそうな気配が出てきたという事情が3年前にはなかったことだと思うのですけれども、ですから、12ページにあるNASAとかFAAのほうで飛行実証等をやるような動きがあると。だから、ここまで来るまでに、要するに、ほかのところでやりそうなところに多分追い抜かれそうになりそうだから、この計画を変更したような印象を受けたんですけれども、ですから、私が一番知りたいのは、あそこにある現状ライン、なぜ黒いとおりにいかなかったのかということと、もし黒いとおりにいっていれば、NASAとか、FAAとかの計画が出ていても先んじることができたのではないかというのがまず1点ですね。それを素朴な疑問として感じました。

 それで、今しようがなくてあの青いところにいるわけなんですけれども、ここで今計画変更したことによってほんとうに追いつけるのか、そこのところをまた1つ聞きたいというのが2点目です。

【JAXA(鈴木PD)】 まずここの図で黒の破線のとおりにいけば、当初のCSTPあるいは我々の中期計画どおりに成果が出せて、技術レベルもかなり満足のいくもの、十分なものに達成できたのですが、なかなかいろいろ予算の事情で、どうしてもそれが黒い破線のとおりにいかなくて、現時点のところで2012年というある節目のところに成果を出そうとしますと、このままですと、青いラインでやれればいいのですけれども、それでもやはり成果の創出につきましては、時期的にちょっと時期を失してしまうということで、やはり2012年に出したいということが一番最優先事項として我々としてはあります。

 それで、ここで、特にこの図ですと見直し案のところで、この次の計画が全然書いてないものですから、開発の進捗、技術レベルがここの段階でおしまいのように見えてしまうのですが、ここで2012年の3年後にこういったD-SENDで成果を出した、その成果を踏まえて、その後の計画につきましては、また別途審議をしていただくという姿勢で我々は臨みたいと思いますので、当然技術レベルをこの見直し案の低いレベルだけで我々は満足するわけではなくて、計画がおくれた分だけもう少し高いレベルで最終的なところは持っていきたいというのが、我々の正直な希望でございます。

【鐘尾委員】 わかりました。ちょっと後手後手感が否めないんです。それで、やはりこれからやるに当たっては相当の覚悟と努力が必要かなと思うので、どうかそこのところを留意していただいて、これからの計画をつくっていただきたいと思います。

【JAXA(鈴木PD)】 最大限努力したいと思います。

【杉山主査】 ありがとうございました。

 それでは、知野委員。

【知野委員】 JAXA計画への質問なのですけれども、現行計画と見直し後の新計画ですが、新計画では軽量化のデータが得られないということなんでしょうか。

 それと、当初計画だとものすごくお金がかかるということをおっしゃっていましたけれども、この計画に改めることによって、予算規模がどこまで減るのでしょうか。

 また、この計画では2回に分けて実験することを想定されていますけれども、これまでの経験則からすると実験が遅れることも考えられます。第1段階をやった段階で、もう2012年の到達目標時期に達してしまう可能性だってあるわけです。その場合、この第1段階でどの程度の成果を得られるのでしょうか。

 それから、これはすごく素朴な疑問なんですけれども、この研究を何のためにやっているのかということです。つまり、あくまでこれはICAOの国際基準策定に貢献することが目的なのでしょうか。というのは、現行計画がこのままいったら遅れるということで、計画を見直されましたが、当初描いた計画から得られるものとICAOのために取得するデータとの関係はどうなっているのでしょうか。要するにICAOに間に合わなければ、この計画はそもそもやる意味がないということになってくるわけでしょうか。逆にいうと、ICAOがあるから、実験回数を増やすということをおっしゃられているようにも聞こえるので、トータルの投資額というのは膨れ上がるのではないかという気がするので、そのあたりのところをちょっとお聞かせください。

【JAXA(鈴木PD)】 非常にたくさんのご指摘がありまして、まず今回のD-SENDによって、例えば軽量化とか何かの研究が抜けていくのではないかとのご指摘、そのとおりでございまして、我々はこのD-SENDでねらっている技術というのは、あくまでもソニックブームの低減という、今後超音速機のキーテクノロジーなるものを、今優位技術を持っていますので、早く飛行実験で確立したいというのが目的でございまして、そもそも技術目標は4つございまして、ソニックブームの低減、離着陸騒音の低減、それから低抵抗化、軽量化のうちの一番上にある1を今回は成果として出そうと。これこそ一番最優先の技術テーマですので、これを時期を失せずにICAOに間に合うように我々は出したいということでございます。

 それから、もう一つ2回に分けて実験をやると、やはり実験がおくれてしまうのではないかというご指摘なのですけれども、これに対しては、やはり2段階でやりませんと、むしろ予備的なこういった実験をやることによって、計測法とか実験の手法とか、そういったものにまず馴れますので、それが1つと、それから、第1段階のN波を出すこの実験は、実は不可欠でございまして、第1段階で基準になる、いわゆる何も方策を立てていないソニックブームをまず計測するという実験プロセスは不可欠でございます。それで、第2段階で実際に制御をかけた模型をやるというようなこと、この2段階はどうしても実験の成果を出すということで必要なプロセスでございます。

 先ほど言い忘れましたけれども、気球を使って落下させる実験につきましては、JAXAは既に経験を持っておりまして、リエントリーのときの高速飛行実証機でやってございます。そういった意味で、スケジュール管理とか、そういった実験のおくれを出さないということについてはある程度見通しを持ってやれるかなと思っております。

 それから、先ほどのICAOだけ目的に今回やっているのではないかというご指摘なのですけれども、あくまでもICAOというのは、みんなが技術的なバックグラウンドを出して集まる会合でございますので、ここに日本としてやはり実質的な技術を持って参画することで国際的なプレゼンスをそこで確保して、それで今後の国際共同開発に対して我々が主体的に参画する、そういう立場をここでアピールするということで、非常にここは重要な場でございます。そこに成果を間に合わせるということは、せっかくやった成果を有効に活用するという視点からどうしても必要なことかなと思っております。

【知野委員】 ということは、第1段階で仮に、実験が終わった場合でも、ICAOに十分提供できる状態になっているということですか。

【JAXA(鈴木PD)】 この研究自体である程度独立して成果をアピールできると。例えばこれだけで終わっても、この研究は単なる次へつなぐ橋渡しのものではないということで、独立して成果が出せるということ。

 それから、予算につきましては、これはちょっと今の段階で私どもから言えないのですが、かなり削減できる。これだと我々の今の航空が従来持っている予算の範囲内で何とかできそうな範囲かなと。大幅な増額をお願いしなくてもできそうだと、そういう見通しで今回計画を提案させていただいています。

【JAXA(石川理事)】 1点補足させていただいてもよろしゅうございますか。

【杉山主査】 どうぞ。

【JAXA(石川理事)】 先ほど説明のあった経験があるというところで、10ページのところに絵が書いてございまして、無推力と書いてある写真のようなものがございます。10ページの気球の絵のある、これがちょっと年数を忘れましたが、スウェーデンで実証いたしました、このときはHOPEという計画のリエントリーの中の一部のものでございましたが、そういうものをやっておりますので、その中の経験を持った人間を有してございまして、そういうことである種経験を持っているので、そういう意味でこの実験の計画についてはある程度マージンを持って、もし予算が許せば必ずできるであろうという計画を持って立ててございます。

 以上です。

【杉山主査】 よろしいでしょうか。どうぞ。

【大林委員】 ますJADCさんのほうにお伺いしたいのですけれども、エアラインというのは、具体的にはどういうところに調査を行っているんでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 エアラインとしては、例えば欧米を主体といたしまして、アメリカであればデルタ、コンチネンタル、アメリカンですとか、そういったメジャーなエアライン、あとジェットブルーですとかエクスプレスジェットといったリージョナルエアラインですとか、ローコストキャリアといったようなところも訪問して、意見をいろいろとお伺いしております。

 あと、ヨーロッパであれば、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズですとか、エールフランス、ルフトハンザとか、スペインのアイベリアですとか、そういった主な大手のエアラインを中心にして、あとはリージョナルエアラインですとか、そういったところも含めていろいろと意見をいただいております。

【大林委員】 そういったところがSSTができれば買うということですか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 まだ具体的に開発が始まっているわけではないですので、ちゃんと買いますというわけではないのですけれども、もしも実用化されれば、ローンチカスタマーというか、キックオフカスタマーになってもいいぞとか、あるいは1社が導入すれば、やはり競争上我々も導入せざるを得ないだろうなというような意見はいただいております。

【大林委員】 それから、この超高速輸送機については、国際共同の話はあまり書かれていなかったのですけれども、何か具体的にそういう国際的にやろうという話はあるのでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 国際共同開発で具体的な話は、現時点ではございません。ただ、将来的にこういうことが具体化をするとなれば、大きなプロジェクトになりますので、当然国際共同開発にはなるだろうと我々は考えております。

【大林委員】 ボーイングとこれまで実績があるということで、超音速機についても、何かボーイングとそういう話はされているんですか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 具体的な開発ということではなくて、技術的な交流ですとか、意見の交換、情報交換とか、そういうことはボーイングともやらせていただいております。

【大林委員】 ありがとうございました。

 じゃ、JAXAのほうにもお伺いしたいのですけれども、このD-SEND1、2とあるのですけれども、これは落下試験を2回やるという意味ですか。それとも、この期間で何回か繰り返し実験ができるのだという意味でしょうか。

【JAXA(鈴木PD)】 何回かやるということで、特にD-SEND2につきましては、これは模型を回収しますので、何回かやることで実験の再現性とか、そういった研究のデータを集積できるかと思います。

【大林委員】 いろいろお話を伺うと、大学からでもこういったプロジェクトであるとかなり参加しやすいと思えますので、大変すばらしい計画だと思うのですけれども、1つ希望を言わせていただくと、この観測のインフラができると、これはすばらしいと思うんですね。これがだから3年でぶちっと切れるとしようがないというか、ぜひそのインフラを維持していただいて、その後も大学のプロジェクトなんかに参加できる形をとっていただけると、ますます研究が活性化するのではないかというふうに思います。

【JAXA(鈴木PD)】 先ほど申し上げましたとおり、大学との連携を人材育成の面から我々は非常に重視しておりますので、ぜひ今後は相談しながら、終わった後ではなくて、これを一緒にやるとか、そういったことで連携していただけたらと思っております。よろしくお願いしたいと思います。

【大林委員】 よろしくお願いします。

【石田委員】 基本的には今の計画を聞かせていただきまして、さっき鐘尾委員からお話がありましたけれども、黒いラインから青いラインになったというのは、現状こうなっているというのは、端的に申しますと、これは何となく進んでいるように見えますけれども、これまで何遍か大規模な予算化をしようとしてうまくいかなかったということなんですね。したがって、このままいけば、しょせんプロジェクトとしてなかなか成立していない。それを何らかの形できちんとしたものにしていきたい、その第一歩がD-SEND1であり、D-SEND2であると。それで、何らかの形で3年間でまとめをつけて、少なくともある程度世界に向かっても日本国内でもしっかりしたプロジェクトにしたい、そういうご提案だというふうに受けとめたいのですが、多分実態はそんなことだと思いますが。今、要するに、非常に大事なプロジェクトだと思うのですけれども、確かに今年なんかは予算環境が結構大きく変わるということもありますし、実際、航空の隣の宇宙の分野は、本当は航空も宇宙もしっかりやればいいのですが、予算の原理というのは、隣の分野が拡大すれば、その分野は逆の影響を受けるという、大体そういうことになっておって、宇宙は基本計画が作られましたから、なかなか今宇宙の予算が減るとは思いにくい。航空も難しい状況にあるんですね。そういう状況があるということをぜひ認識しながら、しかも、今非常に大事になって、このまま放置すれば、なかなかこれはテイクオフできないで、ずるずるっとこの低い線の延長線上に行かざるを得ない。それを今何とかしなきゃいかんということだと思うんです。

 そういう意味では、今年は非常に大変な年だと思うのですけれども、しかもこの3年間でやるということになって、もしこれがおくれて、ことしまた予算獲得に失敗すれば、別のことをまた考えないといかんということになる。そういう状況になるということをよく認識して、これに対応してほしいです。私はこれは非常に大事なプロジェクトだと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思いますけれども、今年の予算環境全体をよく見ながらやっていただきたいということ。

 それから、航空機開発協会の資料を見ますと、JAXAの役割というのは基本的に基礎的研究、基盤的研究開発をやってほしい、こう書いておられるんですね。協会からごらんになれば、確かにJAXAのやっていることは基礎的研究であり、基盤的研究開発だと思うのですけれども、それは一般的に世の中で言いますと、まあせいぜい今のレベルでしっかりやっておれというのに近い受けとめ方をされる表現なんですね、協会さんからも、これは本当に不可欠な部分なんだから、もっとこれをしっかりやってほしいということをもっと強く言っていただかないと、とてもJAXAの協会からのサポートになりにくい。真意はサポートの強化だと思いますが、私自身が読ませていただきますと、そういうふうに読めるので、ぜひよく協会とも連絡をとって、これは非常に大事なプロジェクトなんだということを言っていただくということをぜひお願いしたいと思います。

【杉山主査】 大変ありがとうございました。今の石田先生のおっしゃったことに関して、何かございますか。

【萩原委員】 私も予算の制約がある中で、現実的な案をつくられたということで、これを進めようというのは、それでいいのではないかと思います。このD-SEND1というのは必要不可欠だと言われましたけれども、確かにJAXAのコンセプトを立証するには、簡便で効果的なやり方ではないかと思いますね。むしろ今までの案で、旧計画でこれが入ってなかったというのが不思議な感じがするので、1はいいのではないかと思うのですけれども、D-SEND2のほうは、飛行方法が上から下へ変わるというのは、マイクの位置を飛行線で合わせて補正するということを書かれていますけれども、これは地面の上で聞くのと、空中で地面の効果なしにこの衝撃波を受けるというのは、あんまり差がないものなんですか。

【JAXA(鈴木PD)】 実は、このD-SENDはやはり限界がありまして、今、萩原委員がおっしゃるように、定量的な議論をし始めると、やはり問題点が出てきます。ただ、先ほどお認めいただいたように、コンセプトがこういったコンセプトでやれば、ソニックブームのNのところがカットできて、低ブームのそういった特性を持つのだと、そういうところの確認はこの実験で十分できますので、我々が持っている技術の実証はできると、そういう判断でこの計画を立てております。

【JAXA(吉田チーム長)】 補足させていただきます。このバルーンを使うのは1トン規模ぐらいしか上がりませんので、機体規模で7メーターぐらいが限界です。そうすると、そういう機体の短い、本来は14メーターの機体を想定しましたが、4トンですね。7メーターですと、波形の長さ、デュレーションというものが短くなりますので、そうすると、その波形の先端部と後端部をいじるような設計技術ですので、その先端部をいじったところのはかる距離が短いですので、ほんの10ミリセックぐらいのところを見るようになります。そうすると、大気の500メーターぐらいまでの高度になると大気乱流の影響をもろ受けますので、地上、それから上空と両方の計測が必要になります。D-SEND1は、それをまず最初に低ブームにならないものとなるものと両方落としまして確認するということを経て、それでD-SEND2ということでちゃんと技術は移しました。そういうプロセスになっております。

【杉山主査】 ありがとうございます。ほかにいかがですか。どうぞ。

【谷委員】 まずJADCの方にお伺いしたいのですけれども、先ほどちょっと関連する話が出ていましたけれども、5ページの絵で、今の民間の輸送機の開発というのは、ある程度高速化、大型化あるいは長距離化が進んできていると。その次は、今後のステップは超音速機だというふうな方向性が示されているのですけれども、例えば、ボーイングですとかエアバスがこれから開発しようと考えて、あるいは次世代、次の開発として、果たして超音速機というのは選択肢の中に入っているのでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 当面、例えばここ5年、10年といった面では多分ボーイングもエアバスも超音速機の実用化というか、今の後継機としてはないと私は考えております。ただ、両社とも長期的なものとしては当然そういった超音速機というものも視野に入れていると思いますので、先ほどもありましたようなボーイングですとかエアバスとも、そういう超音速機の技術については、情報交換ですとか技術交流とか、あるいは共同研究といった、そういったものでは話をさせていただいております。

【谷委員】 例えば今ビジネスジェットクラスですと、そのSSTを実際に開発しようというような動きがあるやに聞いておりますけれども、そういったところと共同しようとかいうようなことは全く考えておられないという理解でよろしいのでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 国際的な共同開発というふうになってきますと、やはり大きなプロジェクトになると思いますし、普通のエアラインは旅客機として開発していくということになれば、ある程度大量に運ばないといけないということを考えておりまして、我々としては、そういった先ほど申し上げたような200席前後のところに大きな市場があるのではないか。もちろん小さい機体で市場がないというわけではないと思いますけれども、やはり小さい機体では1人当たりの値段は高くなりますので、運航コストが高くなって、お金持ち対象の機体になってくる可能性が非常に高いということで、ナショナルプロジェクトとして考えるのであれば、やはり国民一般向けの利用できるものを目指していくべきではないかと我々は考えております。

【谷委員】 わかりました。

 次にJAXAの方にお伺いしたいのですが、これまでのソニックブームの低減技術の結果、54%の低減という数字が出てきていますけれども、そもそもブーム強度というのはどういうものなのかというのが1つと、それから、これはコンコルド技術に対して54%低減ということだと思うのですが、それはどういう意味なのかということ、それから、例えばブーム強度というのは、マッハ数とか、あるいは機体の重さ、大きさとかと相関関係があるのかどうかというあたりについて教えていただけますか。

【JAXA(吉田チーム長)】 相関関係はまずあります。コンコルドの技術というのは、これは我々はソニックブームを下げることを取り入れていない技術と考えております。つまり、コンコルドをつくるときにはソニックブームを下げるという技術は入っておりませんで、抵抗を下げるという技術で空力的には設計されています。それで普通に機体をつくったときに出るソニックブームの音というのがありまして、ソニックブームの強度というのは圧力の変動量です。大気圧に対して衝撃波が来ますと、圧力が変動いたします。その変動の差分を圧力変動と呼んでおりますが、それの高さがどれぐらいかというのを一応指標として見ています。54%というのは、その低ブームを考えなかった設計技術の出す圧力変動量と、我々が開発した低ブームを設計した技術の形状、それは両方とも風洞試験で確認できますので、それを遠方までどうなるかという伝播を推計いたしまして、そのときの波形の圧力変動量の差がどれだけ下がったかというのを定量的に示して半分以下になるというのを確認したという意味です。機体重量、マッハとは相関があります。

【谷委員】 もう一つ、ICAOで、国際標準化をしようという動きがあるというご説明でしたけれども、例えばここで言われているような従来機、といってもコンコルドしかないわけですけれども、に比べて半分ぐらいの程度のブーム強度であればというのが、仮に国際標準として設定された場合には、これは地上というか、陸上というか、陸地上空を超音速で飛行することが許容されるというふうなことになるのでしょうか。

【JAXA(吉田チーム長)】 これは半分ということではなくて、やっぱり実際にどれくらいの圧力のオーダーであるかというのが、多分基準としては決まると思います。コンコルドは、ちなみに2PSF、PSFという単位は1平方フィートに何ポンドかという値なのですけれども、1PSFというのは48パスカル、コンコルドはその2倍、2PSFと言われています。2ではもううるさいということで、当初1ぐらいというターゲットが、今やもう0.5とか、それぐらいに多分下がるだろうと。それをどう決めるかというのは、技術データに基づいて、人間がどう感じるかということの膨大な調査をしないと決まらないもので、そういう作業をまさにやっているわけです。どこら辺に決まるかというのはまだ見えないのですが、少なくともやっぱり0.5とか、その辺だろう。そうすると、我々は半減できる技術がありますが、それはどういう機体規模かによってその半減の量は変わります。その基準がどこに決まるかというのとあわせて、我々の技術で半減、できれば半減以下に下げる技術を我々は開発しておりますが、そうすると、適用できる機体規模がおのずとまた見えてくるわけで、今我々が想定しておりますのは、非常に大型のものですと、0.5とかいうのはなかなか難しいかと思いますが、我々が当初掲げておりました小型から中型までいければいいのですけれども、その辺規模ですと、0.5とか.0.4ぐらいにはいくのではないかと思いますが、これは我々の技術の進歩もそこに合わせておりますので、我々の今54を例えば60とか、もう少し下げる技術があれば、機体規模もその辺がアジャストされてくると思いますので、技術研究はひたすら進めていくということと、それからあと、ICAOが2013年にどの辺の基準を決めるかに連動してくるのだと思っております。

【杉山主査】 ほかにいかがでしょうか。

【松尾委員】 JADCさんのほうにお聞きしたいのですけれども、仕様の案としては、座席数が226ということで、12ページに提案があったかと思いますけれども、その次の13ページのほうでは、結局その数では不十分であるような感じで書かれているかと思うのですが、これは姿勢としては問題がないということでよろしいのですか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 当初こういう機体規模として250席クラスということで実際に3クラスで絵を書いてみましたら226席ということで書けましたので、そういったところでエアラインに一度持っていきまして、こういった座席配置でどうかなというようなことで話をしてみました。

 その結果、エアラインのほうから、ちょっとご説明したと思うのですけれども、これはシートピッチが、かなり数年前というか、10年ぐらい前のシートピッチだったらこのくらい、コンコルドもたしか38インチぐらいだったと思うのですけれども、その当時はよかったのかもしれませんけれども、現在のところ、ビジネスクラスでは、先ほど申し上げた60インチが当たり前なので、長距離機あるいは数時間飛ぶ機体であれば、やはりそれぐらいの座席を配置しないと、ちょっとお客さんにも乗ってもらえないよというような意見がありまして、そういった目で座席配置を見直してみますと、100数十席ですとか、100席から150席、まあ200席ぐらいの座席配置になるなというような検討になっているところでございます。

【松尾委員】 ということは運賃が1.3倍ではおさまらないということなのでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 1.3倍という考え方でございますけれども、一番単純に言えば、エコノミーですとかビジネスクラスですとかファーストクラスですとかありまして、今我々は全体の平均の1.3倍ぐらいを目指そうと思っております。したがいまして、一番わかりやすく言えば、エコノミーの料金が1.3倍になるし、ビジネスのクラスも1.3倍になるし、ファーストも1.3倍になれば、全体も1.3倍になると思うのですけれども、それをどういうふうに座席配置をしていくかということで、例えばビジネスクラスが当然増えれば、エコノミーも全部含めた1.3倍はなかなか難しいと思いますけれども、少なくともビジネスクラスの1.3倍以下というのは目標にはしていかないといけないと思っております。

【松尾委員】 わかりました。

 今回の超音速輸送機実用化検討ということで調査をされたということですので、実際に動きがあるということではないかと思うのですけれども、日本の企業の中で先頭に立って推し進めるとか、動きが日本から出ていくということはあるのでしょうか。

【日本航空機開発協会(東主管)】 JADCは機体メーカーで構成されている組織でございまして、当然我々の研究の中では実際のメーカーとJADCとが分担しておりまして、機体の全体の構想といいますか、機体仕様などは、JADCの中でやっております。それを実現するための要素研究、例えば構造ですとか、空力関連ですとか、そういったものを実際に、機体メーカーである三菱、川崎、富士、新明和、日飛といったところにもやっていただいておりまして、そこを含めて全体の機体の構想を固めているということで、メーカーも一緒になってやっております。

【松尾委員】 とはいっても、ほんとうに動きがあるとすれば、海外の大きなメーカーと一緒でなければ、やはり難しいという。

【日本航空機開発協会(東主管)】 将来的に実用化するということになれば、多分そういうことになるだろうと考えております。

【松尾委員】 はい、わかりました。どうもありがとうございました。

 あと、JAXAのほうにちょっとお聞きしたいのですが、今回は先ほど来よりちょっと、10ページの図を見ると、技術が目標の半分程度に見えているところであるのですけれども、特にまた4つの要素技術研究として挙げられているところの1点目だけに集中されているかと思うのですが、要するに、残りの3つの部分があまり見えない形になっていて、技術が半分かというふうなところなのですけれども、残りの3点につきましても、実際に進めないと次のステップはないかと思うのですが、その辺の取り組みについてどう考えていらっしゃるのでしょうか。

【JAXA(鈴木PD)】 基本的には、2、3、4は、例えば技術研究である程度成果を、かなりのところまで詰められるということで、ソニックブームはこれは特に飛行実験をやらないと技術実証にならないということで、あとの3点については技術研究で着々とやると。先ほどの計画のところにあります、15ページでございますけれども、1の要素技術の研究開発、いわゆる技術開発と呼んでおりますけれども、ここで軽量化とか、空力特性とか、そういったものについてはここで引き続きやっていきたいと、そういうことでございます。

【JAXA(吉田チーム長)】 補足させてください。我々の4つの技術目標はすべて旧計画におきましても、要素技術研究ですべて流してやっていくというのがありました。ソニックブームに関しては、14メーターの4トンの機体を離着陸エンジンにつけて飛ばすことによって設計技術としての全体を実証しようという計画でした。ところが、今回は、それをエンジンなしでバルーンで小さな機体にして、軽い機体で落とすということですので、そういう意味で当初のものよりは、得られる成果というか、技術レベルという点では少し届かないという意味がこの10ページの縦軸の意味するところでありまして、低ブームの技術としても、今回は飛ばす機体はもちろん低抵抗の考え方を入れた低ブームの設計をしたものを落としますので、そういう意味ではそのコンセプトの実証はできるものだと思っておりますが、設計技術として本当にすべてを網羅して確立というのは、残念ながらエンジンのついた機体を飛ばすことはできませんので、そこはたどり着かないという、そういう認識です。

【松尾委員】 世界的な、経済的ないろんな状況とか、いろいろ厳しいところもあるのですが、日本として何をちゃんと見るかということはあると思うのですけれども、最近、5年後に結果が出るものしか研究しちゃいけないみたいな、そういう変な話が多いので、そういうことはぜひやめてもらって、ちゃんと将来を見据えた研究が国として必要だなということを強く思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

【杉山主査】 ありがとうございます。ほかによろしいでしょうか。

【宮部委員】 1点だけ質問させていただきます。今、委員の皆様方からいろいろご下問がございましたけれども、この中で今回D-SEND1、D-SEND2というものをやるのは、今まで計画していたエンジンをつけた実証機と申しますか、飛行機のかわりとして実施されるというところであって、その達成度については、この10ページを見ましても、この場合にはこの半分ぐらいしか達成できないんだよというお話でございました。

 我々、やはりこの航空機について、我が国がすぐれたソニックブームの設計技術というものを引き続き維持していかなければいけない、そして発展させていかなければいけないということのお話については、25年度以降この辺のところを改めて検討していただけるのだという解釈でよろしいでしょうか。

【JAXA(鈴木PD)】 我々としても、研究の継続性ということで、ここで切れるのではなくて、この後の研究計画を、資金とかSSTをめぐる情勢を考慮しまして、このD-SENDが終わった後どうするかということは、今後考えていきたいと思います。そのときに研究をきちっと継続して、人材とか、そういったものがきちっと残るような形でやっていきたいと思います。

【宮部委員】 それに関してなんですけれども、今回のSSTの研究ということについては4項目の研究項目がありました。その際、今の段階でこの1から4の中で達成できないというものは1だけであるというふうに理解してよろしいんでしょうか。このSSTの研究全体の中でですね。

【JAXA(吉田チーム長)】 この4つの項目を当初、18年度に出させていただいたときには、6年のスパンの中でゴールを達成するというものでありました。それの技術研究は今進めている段階でありまして、それが予算のこともありまして少しおくれておりますが、当初計画を出した全体スパンのゴールにおいては、この4つの要素技術研究の目標を達成しようとして、我々、鋭意努力しております。その中の一番大きなものとして、ソニックブームに関しては研究機をつくって飛ばさないと実証ができませんので、それをずっと我々はトライしておりましたが、今回はD-SENDということで、できるところと、少し制限は入りまして、それを4年度には実証するという形にさせていただいたということです。技術研究の最初から引いたスパンの中の目標としては達成するために今我々は努力をしているということです。

【宮部委員】 そのご努力は非常にありがたいことなのですけれども、25年度からの計画についても、この飛行実験の残りの部分だけをやるということではなくて、その辺のところも見ながら、我が国のすぐれた技術というものを構成していっていただく、研究していっていただくという考え方で計画等を検討していただくということをぜひお願いしたいと思います。

【JAXA(鈴木PD)】 我々もそのつもりでございます。

【杉山主査】 よろしゅうございますか。いつもながらのことですが、時間が超過をしてまいりましたので、それでは、議題の2番目につきましては、議論はここまでにさせていただきたいと思います。大変貴重なご指摘やご質問をいただいてありがとうございました。見直しの方向につきましては、その中のいろいろな点を積極的に評価してくださる委員もいらっしゃいましたし、その一方で、また全体が背水の陣だという、そういうご指摘も多くありました。どうぞひとつよろしく着実にお進めくださるようお願いを申し上げたい。

 それでは、委員会としてはこの見直しの方向についてご了承いただいたということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【杉山主査】 ありがとうございます。それでは、その案を了承した上で、次回にまたより詳細な説明をいただいて評価を実施するということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、議題の3番目としまして、航空科学技術に関する研究開発の推進方策の検討について、事務局からご説明をいただきます。

【中村補佐】 それでは、事務局から資料3についてご説明させてもらいたいと思います。時間の関係もありまして、極めて簡単にご説明させていただければと思います。

 次期推進方策の検討における主要論点ということで、作業といたしましては、9月の末をめどに親会である分科会のほうに、次期基本計画の策定に向けて各分野ごとの重点化のあり方について検討して、その結果を報告することになっております。したがいまして、当委員会におきましても今回、そして8月25日に予定しております次回、それともう一つ、9月のどこかで開催することを考えておりますが、その9月に開催する次々回、計3回で航空分野における重点化のあり方等についての検討結果を報告書という形でまとめて出そうと考えておりまして、今回の位置づけですが、これまで行ってきました各界からのヒアリング、そしてそのヒアリング結果等を踏まえた委員の皆様方のアンケートの結果、これらを整理いたしましたものを今回主要論点という形でご提示させていただきまして、この整理したものについて、一番最後、資料の3ページ目の一番最後のところに次回の議論の中心と考えております「今後の重要化のあり方等」の検討にあたっての主な論点ということで幾つかピックアップしております。こういった方向で次回議論したいと考えておりまして、お時間の許す限りご議論いただければと思っております。

 全体についての説明ですが、そういった位置づけでして、今回のご説明内容といたしましては、基本的にはアンケートの集計結果を極めて簡単に整理したものとなっております。一番最初に、航空分野として認識をしております状況認識、あと問題意識、その次のページになりますが、2.の方向性で、今後の航空分野における将来のあるべき姿、将来に向けて解決すべき課題、次期推進方策においての重点的に推進すべき領域と推進にあたっての留意事項、アンケート結果からピックアップされる考え方あるいは視点の例ということでご紹介させていただいております。

 ちょっと代表的なものだけご説明させていただきたいと思います。

 最初の状況認識ですが、特に航空に関しては他の分野と比べまして大きなトピックといたしまして、やはり約半世紀ぶりに民間旅客機を開発することに今なったということが言えるかと思います。こういったことから、特に航空分野として状況認識しなければいけないことは、航空機製造業に対する日本の立ち位置の期待の高まり、あと世界全体、地球的な規模で問題となっている部分での、航空輸送に対する重要性の高まり、こういったところが航空に課せられた課題と認識すべきというのが代表的な例かと考えております。

 その次、問題意識ですが、そういった状況を認識した上で、今後航空分野としてどういう方向で問題を認識していくべきかということですが、上3つほど○印で書かせていただきましたが、情勢変化について今後どう対応していくべきか、特に航空機開発国となるということで、将来にわたり持続的に発展していくためにはどうすべきか。あと、航空機開発、航空技術に対するそもそもの認知度が日本の中では低いのではないか。こういった問題意識からどのように宣伝活動をしていくべきか。

 3つ目としまして、これから少子化とか、人口減少、これは日本固有の問題かと思いますが、これに対して航空機分野に人材をどのように供給していくべきなのか、こういった国家的な問題をちょっと代表的な例としてピックアップさせていただきまして、その下、捉えておくべき視点例ということで、アンケート結果から幾つか項目として箇条書きで4つほど挙げさせていただいております。

 1つ目といたしましては、航空機開発国としてどうしていくか。2つ目といたしましては、産学官連携体制で従来から一歩発展した新しい形が必要ではないかと言われています。こういった体制についての問題意識。3つ目といたしましては、国民的な合意形成、世論づくり。4つ目といたしましては、研究テーマを選択し集中する。資源の効率的活用と、あと研究テーマを選ぶ際には、環境重視、利用を重視する、こういった視点へのシフト、こういったものがアンケートとして挙げられておりまして、問題意識としては代表的なものになるかと考えております。

 以上を踏まえまして、今後の方向性の考え方ですが、こちらもアンケートの結果から幾つか代表的なものを整理して書かせていただいております。将来のあるべき姿、次期推進方策期間というよりも15年ぐらい先まで見据えた場合ですが、日本が環境にやさしい技術、新材料などの技術開発でトップランナーになっている。航空機開発国としても成功して存在感を発揮している。世界が求める新技術を先駆的に開発して、国際標準化もできるような国になっている。他産業にも、そういう航空の技術を波及させられる。若手が集まって日本の英知を結集できるような体制、システムが構築されていて、プロジェクトが実施されている絵姿、こういったものが寄せられております。

 解決すべき課題ですが、4つほどありまして、ロードマップをつくること、あと、JAXAの宇宙分野との連携を高めること、産学官を引っ張っていく中核機関として機能すること、あと教育機関との連携を強化する、こういった課題が挙げられております。

 重点的に推進すべき領域と留意事項ですが、こちらについては、基本的には現行の推進方策の考え方にそれほど差はないということですが、具体例といたしましては、そちらに箇条書きで幾つかありますが、こういった安全とか運航整備に関する技術を今後追加していくべきではないかといったことが寄せられております。

 推進にあたっての留意事項につきましては、特に体制に関しての話、あと研究リソースの話、あと、他産業への波及の視点での他産業分野との連携、こういった新しい形を創出していくべきだ、こういった留意事項の視点でのコメントが寄せられております。

 以上を整理したわけですが、次回の委員会では、今後の重点化のあり方等を検討したいと考えておりまして、特にそこに書かれております6つの項目、こういった点についてのご議論をさせていただきたいと考えているところです。

 詳細のアンケート結果、あとヒアリング結果といったものについては別添の資料にありますので、またご確認いただければと思います。

 以上です。

【松尾参事官】 先生、ちょっとよろしゅうございますか。

【杉山主査】 どうぞ。

【松尾参事官】 今日はお時間がございませんので、今日はこの事務局のペーパーのご紹介にとどめさせていただいて、もしお気づきの点があれば事務局に寄せていただければと思いますが、今日これは決めていただくものではございませんので、次回、これも含めてもう一回資料を整理して、次回ちゃんとご議論していただけるようにしたいと思いますので、今日はご紹介ということで結構かと思います。

【杉山主査】 大変ありがとうございます。今のご説明で尽きているかと思いますが、主要論点を案という形で一応こういうふうに整理をしていただきました。これをまた次回にいろいろご議論いただきながら深めていくということにさせていただきたいと思います。したがいまして、ここでは特にこれだけはというのがなければ、質疑は省かせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。

(「はい」の声あり)

【杉山主査】 ありがとうございました。

 それでは、その他ということで、6月16日に開催されました科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会について、事務局からご報告がありますので、よろしくお願いいたします。

【中村補佐】 1点報告となります。参考資料4になりますが、前回の委員会で平成22年度重点事項ということで一枚紙を了解いただいております。それをその後開催されました分科会のほうに信濃前参事官のほうからご報告いたしまして、特に異論なく承認されましたのでご報告申し上げます。

 以上です。

【杉山主査】 ありがとうございました。

 何かご質問等ございますか。

 それでは、そのほかに事務局から何かございますか。

【中村補佐】 次回の日程になりますが、8月25日(火曜日)の3時半から5時半までを予定しております。場所につきましては、今回と同じこの16階の特別会議室となりますので、またよろしくお願いいたします。

 以上です。

【杉山主査】 ありがとうございます。

 それでは、またよろしくご予定をいただきたいと思います。

 予定していた議事は以上でありますので、何か特段のご発言がなければ、これで終了ということにさせていただきたいと思います。

 今日は大変ありがとうございました。

 

―― 了 ――

 

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