ここからサイトの主なメニューです

先端研究基盤部会(第13回) 議事録

1.日時

平成27年11月25日(水曜日)14時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 15F1会議室

3.議題

  1. 研究開発基盤の充実・強化に向けた推進方策に係る検討について
  2. その他

4.出席者

委員

岸本部会長、佐藤委員、田中委員、尾嶋委員、西島委員、宇川委員、原田委員、雨宮委員、山本委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、渡辺研究開発基盤課長、中川研究基盤課長補佐、吉川研究開発基盤課補佐、斉藤基礎研究推進室長、山本学術機関課専門官

オブザーバー

木川研究設備共用プラットフォーム委員会委員、江端先端研究基盤部会専門委員

5.議事録

科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会(第13回)
平成27年11月25日(水曜日)

【岸本部会長】  それでは、定刻の2時を過ぎましたので、ただいまから第13回科学技術・学術審議会先端研究基盤部会を開催いたします。
本日は部会に引き続き先端計測分析技術システム開発委員会も開催されます。部会も委員会も報告書の取りまとめを行います。両方御参加の委員の方々も大勢いらっしゃいますが、どちらも活発な御議論をお願いしたいと思います。
なお、本日の会議は公開の扱いといたしますので、御了承をお願いいたします。
それでは、事務局より出席者の確認、及び資料の確認をお願いいたします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、出席者の紹介と配布資料の確認があった。

【岸本部会長】  はい。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題「研究設備・機器の共用促進に係る報告書について」に入ります。事務局から資料の説明をお願いいたします。

中川研究開発基盤課課長補佐より、資料1に基づき説明があった。

【岸本部会長】  どうもありがとうございました。
それでは、この報告書(案)について質疑に入りたいと思います。どなたからでも結構ですので、御質問、あるいは内容について、このようなことを入れたらどうかという御意見を頂ければと思います。
これまでこの部会で議論してきたことについて、全般的にまとめていただいていますけれども、改めて御覧になっていただいて、御意見を賜ればと思います。
はい、どうぞ。

【西島委員】  このような厳しい時代性の中で、文部科学省として無駄のない効率でやると書かれている部分は、文部科学省が是非とも推進すべき形で、異論がないところですが、2点気になります。
1つは競争的資金で取ってきて、その競争を勝ち抜いてくる研究者の先生方は、売っている市販品を買ってきて測定して、計測して、トップジャーナルを取れるなどという世界にいる人ではないと私は思うのです。つまりその機器を磨き上げて、あるいはその機器のノウハウを高めて、一番使いやすいのはどのような状況かというものをやって取るわけです。それが公的資金に基づく機器として、多くの皆さんが使いやすいように共用促進することが本当に実施可能なのか心配です。それこそジェントルマンな方が競争的資金を取ってくるかどうかに対しては、大学の先生もいらっしゃるのではっきり言いませんが、競争的資金獲得者には意外と個性派が多いので、少し危惧いたします。つまりSPring-8やスパコン系のような、科内に作ったものをみんなで使っていきましょうよということは、共用促進を前提とした競争的資金の各テーマの取組なので、運用も簡単です。一方、今回の場合は、装置も含めて自分が予算を獲得したものですから、これから設計するものを初めから共用に出すことになると、そこにみんなに使ってもらうという前提があるがために、少しどうしても横並び的な機器が増えてくると予想されます。そのような状況が、学術研究としては望ましいかどうか。産業界からすれば、学術研究はどちらかというと横並びの大学の先生よりは、エッジな先生がいた方が、魅力があるわけです。どこに行っても同じような計測器であれば、はっきり言えばその先生と一緒にやるよりは、その装置そのものを企業が買ってしまった方がいいのです。企業とすれば、共同研究する意義はその装置を使っているエッジな研究なり、ノウハウなりに魅力があるというところです。そこのところが薄れないかなと、危惧するわけです。そこが1点です。
もう一つは、若手という言葉を使ったのですけれども、若手の研究者が来たときに最先端の装置が使えることに対しては、非常にいい点を考慮するし、是非ともそこの部分は推進してほしいのですが。もう一歩、専門スタッフの育成やキャリアパスについては、毎回このようにきれいごとが書いてあるのですが、具体的な方策がないですね。前々から言っていますけれども、機器が進んで、例えば産業界との共同研究をしたときに、大学施設のスタッフが非常に自分の将来を心配しているような、これをやっていても自分の将来はどうなるかと思っているようなスタッフに支えられている先端機器というのは、輝きが薄いとの印象です。海外に行くと、共同施設にはその機械にほれ込んでいて、それと心中してもいいような人たちが優れた研究をします。そのような専門スタッフやキャリアパスを築くようなものが、残念ながらここに具体性がないのです。文部科学省と言えば人材ですし、少子化のことを考えればそこのところはもう少し、できるできないは別で、キャリアパスをこのように考えるというものを掲げておかないといけないと思います。そこで働いている専門スタッフは、キャリアパスとか、自分の将来とかに対して、非常に不安を抱いていると思いますよ、という2点が気になりました。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
どうしましょうか、少し何人かお聞きしてからにしましょうか。

【渡辺研究開発基盤課課長】  そうですね、はい。

【岸本部会長】  続けて、関連することもあると。

【尾嶋委員】  今、別に、文科省の代わりに私が答える必要はないと思うのですけれども(笑)。 外部資金を取ってくる場合は、僕は2種類あって、非常に一般には使いにくいけれども最先端の解析を狙うというのと、一般的なキャラクタリゼーションをやりたいというのと2つある。

【西島委員】  そうでしょうね。

【尾嶋委員】  2種類あるのですよ。実際カッティングエッジを追及するような装置は、一般の共用には出しません。それは自分のところで改良して、使い尽くして、それからでないと共用には出しませんし、その後に本当に使いやすくするかどうかはその研究者に任せられていると。ただ、我々の場合は東大の工学部の関連の3専攻、これらは運命共同体でやっていますが、一般にも使えるようなものに限っては、スペースが有効利用できるというので、それを拠出して、若干のメンテもやってみんなで使ってもらう仕組みでやっています。今まで目がカッティングエッジの方にしか向いていないのを、この共用事業は、そちらの方にも目を向けたと、僕はそのように理解をしています。
それからカッティングエッジについても、どこかのページの下にJEOLと東大の総合研究機構の連携が書いてありますが……。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  12ページですね。

【尾嶋委員】  12ページですか。その例が書いてありますけれども、産業界で非常にうまくコラボをやって、現在その装置も使いやすいような形で、ほかの方にも使ってもらっているといういい例もあります。全部が全部そう捨てたものではないのではないかと。

【西島委員】  いやいや、分かっています。そういうことなのだけど。
ですから、そこの部分が逆にカッティングエッジがなくなってしまうような方向になるのではないかなという。

【尾嶋委員】  そのような話ではないと、僕は理解しています。

【岸本部会長】  補足的に6ページの下のところに原則共用化に向かないものの例という形で、今おっしゃられたような特殊なカスタマイズをしたりしながら使っていくというのでしょうか、そこのところを向かないものの例とこのように書いてしまって理解していただくのか、もう少し書き込むのかというのはあるかもしれないですね。装置が出来上がって、その後でまた皆さんに使ってもらう、もう一回先に進めるというフェーズがあるのではないかと思います。

【尾嶋委員】  それで技術センターで人材育成という話もあるのですが、これはおっしゃるようにかなりきれいごとで、キャリアパスとしてという位置づけは相当難しいことだと思います。

【岸本部会長】  今、装置で適切装置かどうかということの観点と、人材育成のところを御指摘いただきました。何かその関連でとか、あるいはほかの面でということがございましたら、お伺いしたいと思います。

【雨宮委員】  これを読ませていただいて、ここで議論された内容が適切にまとまっているなと思います。あとはこの情報の発信の仕方だと思うのですね。結局西島委員が心配されることもよく分かるのですが、基本的に全部十把一からげでそれに倣えと、これでやれと、学術的なことは決して言っているわけではないです。今まで有効利用されていたものは有効利用しましょうということを加えて、そして本当に先端なぴかぴかなものはそれで今までどおりやってくださいと、読めばきちんとそのように書いてあるのです。世の中忙しくて、文科省からの発信が何かあるところを切り取りされて、ぽんと言ってこれでやるという形で、そこで誤解されないように。というか、これは多分機関側のマネジメントの能力にもよるわけです。ここから何を読み取るか。ただ、読み取るときに単に文字だけではなくて、フェイス・ツー・フェイスで、このようなフィロソフィでやろうしているのだというところのフィロソフィやマインドを伝えることが重要だと思います。
それからこのキャリアパスのことも、確かにきれいごとと言われればきれいごとですけれども、ない袖は振れない。ないにもかかわらず、何かポストがどうのこうのという議論をするのではなくて、このようなことをやる人を大切にすることが重要だときっちりメッセージすれば、後はそれぞれの組織の中でそれを運用する。今、法人化されていますから、それぞれの法人のインテリジェンスを使うという、私はある程度ファジーなところがあってしかるべきで、逆にきちきちにやらないところにこのような文科省のメッセージの重要性があるのだと思います。余り画一的なことでない、読み取り方によって解釈が変わり得るところが、私は適切なところであろうと思います。別に文科省を弁護する気で言っているわけでは全然なくて、このようなことを考えるならばそうならざるを得ないな、というのが私の気持ちです。
ですからとにかく最初の一言は、これをきっちりとその趣旨が現場に伝わるようなメッセージの発信の仕方が重要だと思います。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
続けて……。田中先生いらしていま……。

【田中委員】  私、済みません。

【岸本部会長】  お願いいたします。

【田中委員】 はい。これまでこういった部会を通じて、このプラットフォーム化に関して非常にいいことだということで、さらにこの資料が微に入り細に入り、このようなことがある、ああいうことがあると書き加えて、かなりシステマティックになったことは非常にありがたい。と言いますか、このように書かれたことを逆に会社に持っていって、ですから会社もこのようにそれに対応しなければならない、という資料にもなると思います。
そこで今までになかった私からの話として、7ページ目の4ポツ2の上のセンテンスですね、「さらに国は共用の取組についての好事例」と書かれ、先ほども説明していただきました。「広く情報発信を行う」ということ。
実は先週の臨床検査医学会の前に、会社としてどういう取組を行っているか、特に産学連携の話をいろいろサーチしましたら、特に先端関係のものはぞろぞろ出てきました。これだけ産学連携がこの日本の中で根付き始めていることは非常によかったのですが、残念ながら私自身も全部を知らない。ということは、そのようなことに関して今まで、うまくいきそうだということを御存じない方がたくさんいらっしゃるのだと思えます。
ということで、私はある用事がありまして、JSTニュースを読み返してみました。そのJSTニュースでは、特に産学官の表舞台に立つような方々は出てきているのですが、それの裏方として特に大学のマネジメントですね、先ほどポイントされました点は、これはものすごく重要だと思います。そういった好事例を、例えばJSTニュースで既にあるものプラス、そのような大学の方にこのような実例があるのであればうちも取り組んでみよう、このようないい点があるのだと話す資料があったら、皆さんにとって、より日本の中でたくさんの事例をさらに拡大再生産できるのではないかと思います。と言うと、会社の人が大変になるかもしれませんが。
済みません、以上です。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
では、このあたりで事務局の方から何かコメントがございますか。

【渡辺研究開発基盤課課長】  いろいろ御指摘と、文科省に代わりましてお答えいただいた部分もあるのですが、全くそのとおりでございます。何と言うのでしょう、一般的に共用を進めましょうというところから、今予算を一生懸命要求しておりますが、文科省は特に科学技術関係、大型の施設への無駄撲のようなものも含めて今大変風当たりが厳しいです。非常に厳しい状況です。
したがってすべての大学にこの導入のファンドが付くわけではないので、そこからさらに工夫をして、どこまでのことが、特色のある共用システムができるであろうかと。特に5ポツのところですね。様々なメリット、10ページに5項目、数パラグラフずつ書いてございます。ここのところは事務局で、あるいはこの委員会で出尽くさなかった部分も含めて、このようなことが私たちはこのシステムを導入することによってできますよというところを、どのように出していただけるのか。
それから、そのような意図なのですよということを、雨宮先生もおっしゃいましたけれども、どのようにすると伝わるのかなのです。それを大学のマネジメント側、つまり総長以下のところに必ず思いを伝えたいと思います。それから既にいろいろ取り組まれているセンターの皆様にも、伝わっていないといけない。いろいろなレベルで伝わっていかなければ、新しい取組――それなりに共用は行われているのですね、その方が効率的なものも当然ございますから――さらにこの仕組みは、いろいろな外部資金まで全部機器を共用するためのお金に回してもいいですよ、という一つの、非常にある意味大きなお金の使い方について物を申し上げるところなので、その趣旨がよく理解いただけるように。実施の面においては、いろいろな取組を支援できるように何とかして進めていきたいと。
キャリアパスの観点に関しても、ごく一部ではあるのですけれども、既存の研究大学の強化事業の中で、例えばこのようなセンターを、一部整備に着手されたような大学も実はございます。そのようなところでは、キャリアパスの作り方についても、非常に上手にやっていらっしゃる例などもあります。そこを余り画一的にするより、そのようなよい事例を皆様がどのような取組が行われているか網羅的に知ることはなかなか難しいので、よい取組について、あるいは非常にうまく回っていると。某京大さんの例では、キャリアパスの仕組みに加えて、使われている機器は料金設定を高くしてよりよい収入構造で、余り使われていないと安く設定して稼働率を上げて、最後使えるのか共有するのがいいのかどうかまで見極めるという。おかしいな、解剖学の先生なのに何でこのようなすごい経営をしているのだろうという事例もあります。済みません、予算がどのようになるか分かりませんけれども、一点物のおもしろい取組から、そういったシステマティックな例をよりよく皆さんに共用していただけるようなことを、今後採択された後の評価の視点というところにうまく盛り込んでいくことで、よりいい事例が皆さん方に浸透、届くようにしていきたいと思っています。
ということで、まずは関係する外部資金を出す側にどのように盛り込むと。まずは書こうとする先生はそれぞれ個人ですよね。研究費を取ろうとする個人になるので、それから組織のアクションにまでどのようにつなげるかというところが、まずはポイントかなと。それからこちらの共同利用の事業とどのように結び付けていくかは、なかなか率直に言って簡単なことではないと思いますが、そこをうまく結び付けるかだと思います。そこは丁寧にやっていきたいと思いますし、この部会の報告書として、ほかに科学技術学術審議会の方で岸本部会長からも御報告いただくことになると思います。こちらの基盤部会以外の関連する部会でも、先生方にそのようなことをお伝えする機会があれば、またお伝えさせていただきたいと思います。
あとはもし何かあるようでしたら、研究資金のCRESTやJSTの基礎研究の方の担当をしております斉藤室長も今日、同席いただいております。このようなものを入れるのがどのぐらいフィージブルか、リーズナブルか、難しい点などあれば、お話しいただいてもよろしいかと思います。

【岸本部会長】  そうですね。せっかくの機会ですので、斉藤さん、いかがでしょうか。

【斉藤基盤研究推進室長】  はい。今、御紹介いただきました斉藤でございます。JSTの戦略創造事業とWPIプログラムの担当をさせていただいています。
今回の報告の中に共用が原則だと書いていただいて、是非この方向で進めたいと思っております。けれども、先ほど西島委員からも御指摘いただいたとおり、カッティングエッジのもので、きちんとカスタマイズして使っていてノウハウが含まれているものの強みを、共用を強制することによってそいでしまうことは、全く本末転倒なことだと思います。共用が原則ということと、その機器や研究者に応じた使われ方のようなバランスをどのように取るのかが、非常に重要ではないかと認識をしております。
具体的には、今後公募のような形で出ていくときに、応募要領にどのようなことを書き込むのかという話と、具体的に審査が行われて、採択が決まって機器を購入する際に、どのような条件なり審査なりを行うのかは、非常に重要かと思っております。そこについては今申し上げたようなバランスを取りながら、適切な方向に行くように、具体的な検討を進めていきたいと思っております。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  技術支援のスタッフを今後どのようにしていくかということですけれども、今回報告書をまとめるに当たっていろいろな大学等を訪れたときに、いろいろな取組も勉強させてもらいました。私の中ではそれなりにいろいろな例も見えてきて、是非それをまとめる機会を、時間を頂いてやりたいなと思います。前回の部会のときに、資料で配らせていただいたアンケート調査などもやりまして、それなりに政策として、今後取り組むための材料は少しずつ集めているつもりです。原田先生に、作業部会でも議論させていただいています。
次はキャリアパスを可視化するといいますか、どういった職能であるとか、実は宇川先生のところのプラットフォームの委員会でも話が出てくるのですが、ある種のスキル認定のようなものでそれぞれの人をしっかり評価してあげて、その評価が次のポジションにつながるような。そこはポストの数も限りがあるのでかなり難しいと思います。あとはこれからの人口減少の中で、技術職員のポストが劇的に増えるとも考えにくいので、そういったところでの民間との連携、どのようにメンテをしていくか。そこでは部会でも議論がありました企業のスペシャリストを、シニアの方を招聘するなど、いろいろな手は考えられると思います。今まで議論したことを少しまとめつつ、そのような技術者のキャリアパスについては、少し作業部会でも調査もしたいなと江端委員とも相談を始めてはいるところなので、次の課題として早急に取り組みたいと思います。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
もう少し時間がございますので。佐藤委員。

【佐藤委員】  今までの話と少し視点を変えて話したいです。皆さん、委員の先生方が言われたように今までの議論をよくまとめて、このようにいい形にできたなと私も思います。これが絵に描いた餅にならないようにしたいです。
少し視点を変えると、結局予算が少ないです。予算が少ない。科学技術でしかイノベーションは起こせないのですから、それに対する予算がこのレベルの話では。それは今後の課題ですけれども、話にならないなと。キャリアパスの問題も結局現場のものを見ていると、予算がほとんどない。あるいはポストがないということがずっと続いてきているので、今の日本の科学技術予算がいかに少ないかを象徴しているのだと思う。この部会に限らない話です。
そうすると、そうばかり言っていてもしようがないので、今までも共用からとか、いろいろな大型設備、施設、計算機も含めてやってきているでしょうと。それによってどのような効果が得られたのかという経済的な効果と、社会的・教育的・人的な波及効果などいろいろな効果があるはずで、その効果を明快にして、これだけの成果が得られたのですよと。ですから、次にこのようにすれば、もっとこのように成果が出ますよという話を、次の段階で盛り込んでいかないと、ファイナンスが付かないですよ。恐らくね。
多分、今までのいろいろな行政の評価・アピールする仕組みが弱いのではないか。先端計測の方でも、いろいろ評価をどのようにするかというのを言っています。このやり方をきちっと考えて、財務省をはじめとした行政の判断するところが、「なるほど、これか」とうならせるぐらいのアピールの仕方を多分しないといけないという話。
それをもって大学などで見ていると、研究者・技術者はいろいろなことがうまくできて、研究が加速できれば物すごくうれしいし、すごくいろいろな成果が出てくるわけですから、感動するわけです。そのようなことを促すような仕組みになっていれば、多分やるであろうと。自然にやっていくのではないか。そのようなことを全部含めて、最近私はいろいろなところで言っているのですが、収穫加速の法則が成り立つような取組をしないといかんなあという気がしています。単発ではなくて、いろいろなことを組み合わせて、オーダーが違うぐらいの成果が出てくるね、という取組の仕方をしなくてはいけないという気がします。
ですから今ここで、では現実にどのようにするかなかなか難しいので、次のステップでこのような評価方法やこのようなやり方を考えて、次にアピールできる形にして持ってこようということを是非この次の段階で検討して、よろしくお願いします。

【岸本部会長】  続いて宇川委員、よろしくお願いします。

【宇川委員】  私の見方ですけれども、スパコンをはじめとして非常に大型の機械、それからNMRなどある種中型の機械に関しては、みんなで使うことはある種前提として作られていると思います。そのための仕組みも次第に整ってきていると思うのですよね。
私自身はそのような大型のところに携わってきたので、今回のことを見るとそれとは違っていて、研究室レベルのものを共用するようにしようということですね。西島委員もおっしゃっていましたけれども、それはそもそも今までは共用することは考えないで、一番いい機械を自分が欲しくて購入して、運用してきたわけです。だけど一方で、そのようなものを運用したときに、運用のための経費や、それからそれを運用するためのスタッフが、その研究室の負担になってきていることも明らかです。ですから各研究室も、あるいは研究科も大学も、そのようなものを共用化していきたいと希望は持っていたと思うのです。
ですからそのあたりのことを、考え方としてこの文章によくまとめていただいたと思うのですけれども、恐らくそれだけでは全く不十分で、今概算要求されている額が少ないという話がありました。けれども、その施策でどこが研究側にとって一番大事なところかを見極めて施策を打たないと、絵に描いた餅になってしまうのではないか。随分と調査もされてかなり見えてきていらっしゃるというお話なので、そこのところが私は一番大事なところではないかと思います。各大学はこれを期待していると思います。
以上です。

【岸本部会長】  雨宮委員。

【雨宮委員】  先ほどどのような情報発信をするかということとの関係で、大学にいる側からのイメージで申し上げると、法人化してからは大学が自分の大学がいかに強くなるか、研究科が強くなるか、専攻が強くなるのか、本当に真剣に考えています。ですから、これが個人個人の研究者が申請しに行くときに、むしろ本部、研究科、その専攻長あたりから、今度このような仕組みをやるからこのようなもので取りに行けよという感じで、取りに行って付いたらこのような仕組みをやるからという、正にこれはいい意味で、いやこの仕組みに合うものに関してはですよ、先端のぴかぴかまでそれをやれなどということでなく、共用できるものはこれをやったらいいのではないかという形で、マネジメントする人の琴線に触れるという情報発信をすると。予算を取りに行きたい研究者は、何も言わなくても研究費を取りに行きたいわけですから、この情報を見てこのような作文をすれば少しいいなぐらいの、テンションは上がるかもしれない。でもそれが本当にプラクティスにつながるためには、マネジメントする人たちが「これ、やろう」と、そのような情報の発信の仕方をして、いい意味でそのようなことにセンスのある組織とない組織の、ある意味自然淘汰が出てくる。それはそれで今の社会、それしかないと思うのですよね。
という意味で、大学のガバナンス、情報の下り方というものをうまく活用して、これの広報というか情報発信をされたらいいと思います。

【岸本部会長】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。

【山本委員】  今のお話の続きですけれども、研究者個人で獲得、研究が個人の意識なのか組織の意識なのかというところの浸透が進んでいる大学、進んでいない大学で、大分違ってくると思います。先ほど言われていましたURAや大学、執行部や産学連携の部隊などが割としっかりしている研究大学のようなところですと、研究は個人の力だけれども、そうはいっても組織の力でやってこれだけ引き出せるのだという理解を進められる。先ほど出ましたそこでのよい事例を紹介されると、このような形で研究者個人に自分が取ってきたものとこだわらない方がプラスになるということが実感できるのかな。どこから理解を広げていくかに、そこの注目がいいかなと思いました。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
原田委員、何かございますか。

【原田委員】  いや、特にない。

【岸本部会長】  よろしいですか、ありがとうございます。
そろそろ予定の時間になりますけれども、委員の先生方のお話を伺っていると、この報告書をどういう形で読んでもらいたいのか、誰に読んでもらいたいのかがかなり意見としてあったと。うまくいろいろな方に読んでいただきたいと。1つは大学の執行部や研究者、あるいはファンディングエージェンシーなど、いろいろな形で読んでいただきたいと思ったときに、ひとつ工夫ができるといいなと思ったのは、今回本文の方は大分いろいろな形で書き込んでいただいたのですが、皆さんが概要だけ読むときに、この概要だと共用システムをやるところですよと書いてあって、誰に読んでもらいたいのかが。もう少し国はこのようなことをしてほしい、するべきだ、ファンディングエージェンシーがこのようなことをやってほしいとか、大学はこのようなことを考えてほしいというようなものを文章で、少しポイントを項目ごとに絞ってというか、ハイライトを当てて作る。すると、ここを読んでもらって、中まで読んでくれるのかなと思いました。この辺少し宿題にさせていただけるといいかなと思いました。

【渡辺研究開発基盤課課長】  承知いたしました。
余りにも具体的なお話になっていってしまうので恐縮ですけれども、この概要はこの報告書を説明するための概要だったので、今度は読んでいただくための概要で、最終的には具体のまず申請書の中にここのどこにアクセスすればいいのかを書き込みたいと思っています。具体のいろいろな競争的資金の書き方があるので、そのようなところに引用文献ではないですけれども、参考文献としていくと。ただ、参考文献としていったときに、それで「ああ、ではこれはこれでいいのね」といってそれで書いてしまうと、作文だけで終わってしまう。そのときに大学によっていろいろあるのですけれども、URAのどこに相談するのか、技術センターの誰々さんに聞いたらいいのかということがその次にあります。さらにこのファンドリソース自体はこのようなプロジェクトのお金も落ちていることがありますよ、ということが分かっていただけるということ。
それから、ファンドだけではなくて、大学としてのリソース配分が大学のマネジメントによっては可能になってきます。いろいろな使い方ができる中で、では自分が外部資金を取りにいくときに、直截には自分の研究にほかのリソースがどのように使えるか、ということになっていくと思います。大学の組織として、どのような形での関わりがあるかを何となく連想・想像できるような形に持っていきたいのですが。済みません、私は余りそのような申請書を書いたことがないので、どのようにするとそのようなビヘービアになるのかは、また具体に御相談させていただきながら実際のところ進めさせていただきたいと思います。少し概要の方については部会長のおっしゃった趣旨で、また見直してまいりたいと思います。

【岸本部会長】  はい、ありがとうございます。
それでは、一通り議論いただいて、全体的にこれで御承認いただけるのではないかと思います。よろしゅうございますか。

【尾嶋委員】  1点追加のコメントです。
この報告書は文章ばかりですよね。

【渡辺研究開発基盤課課長】  そうですね、はい。

【尾嶋委員】  普通人に読んでもらうためには、挿絵や組織図などが当然あってしかるべきで、最後まで文章ばかりです。それで最後の付属資料に付いている絵がありますが、これに関係しているのが実は17ページの下の絵だけですからね。

【渡辺研究開発基盤課課長】  はい。ええ、しかも絵が1枚だけですね。

【尾嶋委員】  ええ。ほかはいい絵が描いてあるなと思ってよく見たら、これは分子研の例です。もう少し読みやすい形にするため、気合いを入れて描いていただいた方がいいのではないかと思います。

【岸本部会長】  可能な限りということで。

【雨宮委員】  読みやすさという意味では、最後のまとめの今後の展望、このようなものは最初に概要を読んで、後ろのまとめ、展望を読むのですよ。そして読みたくなるかどうかだけれども、少なくとも今のまとめ、今後の展望を読むと、何か余り読みたくなるような文章になっていないというか。いや、ずっと今日中川さんから説明していただいたところはすっとよく精査されたのだけれども、このまとめのところは少し物足りないと、メールで送っていただいたときから感じていますよ。ですから後ろで少し力尽きてしまったのではないか、という感じがします。とにかくここは非常に重要なので、精査していただければと思います。

【岸本部会長】  それではありがとうございました。全般的には認めていただいたということと、もっと皆さんに読んでいただけるように修文せよということでございます。
それでは、この辺の修正については事務局と部会長で相談して、最終的に仕上げをさせていただきたいと思います。それができた時点でになりますが、次回の全体の総会の方でも御報告させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
時間が大分迫ってきているのですけれども、もう一つ参考資料1がございます。これは、大学等研究機関の枠を超えた全国的な共用システムの構築についてでございます。学術機関課の山本専門官から、この件について御説明をお願いしたいと思います。

【山本学術機関課専門官】  それでは、学術機関課の山本でございます。参考資料1ということで、ページ番号が右下の方に指しておりますので、そこを御参照ください。
我々の課はこの部会で初めていろいろ御紹介させていただきますが、基本的に国立大学の研究機関、若しくは研究設備の整備を担当している課でございます。いろいろ御議論もありましたけれども、主に設備の整備・利用に関しては2点あると思っております。
1点目は先ほど御議論もありましたけれども、もともと設備の整備に関しては全国的な共同利用を念頭にしたような、例えば我々で言うとすばる望遠鏡であるようなものや、大型の加速器、若しくは学内的には学内で使うようなヘリウム液化装置のようなところ。そういったところにつきましては、もともと設置自体が共同利用を念頭にしているということで、我々としては整備をしてございます。
今回の議論の中心になっているのはそれではなくて、例えばもともと設置者が意図しない形の共同利用を促進するという意味で言いますと、それがまさしく共用的議論だと考えておりますが、我々といたしましては設置者以外にどう利用していくかに関しては、学内というところ、まさしくマネジメントのところを中心にこれまで施策をやっております。施策の段階といたしまして、学内の設備の整備についてどのようにうまく効率的にやるかという整備の段階と、あとは次、今議論になっておりますが利用の段階と考えております。
その整備に関してどのようにやってきたかといいますと、実は4ページの方に、これは法人化以後、大学の方にどのような形で新たな研究設備を整備するかということで、学術分科会の下に設備の作業部会を設けました。概略だけでございますけれども、中段のところに早期の対応を検討すべき事項ということで、学内的にも予算的にも設備の整備のお金が非常に厳しくなっている状況を鑑みまして、例えば分野を超えて利用していきましょうとか、再利用・リユースを推進していきましょうということです。それから設備の整備に関しても、学内の設備をまず俯瞰していただいて、どのような設備がまず必要なのかを重点化してくださいといったことを、審議会で議論しました。
そういったことを受けまして、我々といたしましては、3ページでございますけれども、設備マスタープランというのを各大学に作ってくださいと。これはあくまで大学が我々の概算要求に際して、マスタープランを条件にして要求をしてくださいという施策をしておりました。意図といたしましては、競争的資金で購入するなど、今までの学内にあるような設備などいろいろなものが混在する中で、まず大学に俯瞰的にそういった設備を見ていただきます。その中で計画的に戦略を立ててください、それは我々としては設備整備に対する考え方として、設備マスタープランという形で戦略図を描いてください、その中で必要なものを重点化して要求してくださいということで、整備に関してまず重点化を、マネジメントを図ってきたという状況でございます。
ただ、それだけではいけないということで、昨今我々の方でやっておりますのが、学内的に、まず利用の方につきましても共同利用していきましょうということで、利用の段階に立って我々が施策を打っておりましたのが、2ページ目の設備サポートセンター整備事業でございます。こちらについては設備整備をそのものとしているのではなくて、今いろいろ御議論いただきました設備のマネジメント、大学単位のマネジメントということで、真ん中に図がありますようになかなか設備のお金が減っている中で、マネジメントを強化していかないといけないと。その中で大学の中にはこういった研究環境基盤を支えている組織があるところとないところ、まさしく弱体化しているところもあります。ということで、予算を一時的に支援して、大学にこういった共同利用するような仕組み、マネジメントを根付かせていこうということで、3年間の支援を限定的にやってきております。
内容としましては右下にありますように、学内共同利用するためのシステムの構築のお金や、専任スタッフを付けていくとか、技術的なサポート体制をどのようにやっていくかなど。そういった設備の回り、共同利用に関しての仕組みを応援するという形になっております。現在までにこの部会でも、いろいろ北海道大学の取組も御紹介されたと思います。今ここに書かせていただいたような、全国的な中核になるようなところを中心に、今整備をしています。現在も28年度概算要求につきましても、こういった事業を継続的に要求させていただいている状況でございます。これが学内の話でございます。
さらにもっと超えて、全国的な共同利用という観点でやっておりますのが1ページ目になります。これはもともと化学系の全国の研究者が予算の状況を見て、設備を有効的に全国の大学の枠を超えて使っていくべきであろうということです。まずその設備の整備や全国的な共同利用をするようなシステムがないこともありまして、そういったシステムを標準モデルとして構築しようということで、分子化学研究所が大学共同利用機関として、全国の拠点になるような大学をハブにして、全国的なネットワークを作って、平成19年から当時は概算要求を通じて予算措置をしておりました。現在は分子研の運営費交付金の中で、きちっと本来業務としてもやっていただいています。
中身としては、コンソーシアムを作ってこういったシステムの運用をしております。その中には、まだ大学の設備の中にこのように全国的な展開を図っていないようなものもあります。最終的には、学内のマネジメントを経た上で、さらに学外に利用するような場合にはこういった仕組みがございます。ここと今後は連携していけば、今御議論いただいている競争的資金改革のところのボトム的に研究室レベルから学内、さらには全国ということでつながりが出てきます。そういったところを我々としては念頭に協力していきたいと思っております。
あと最後ですが、情報発信に関しましては、大学の中には機器分析センターのようなところも多々あります。そういったところについては、たまたま今週末もこういった会議の全国的な集まりを我々は担当しておりますので、そういった場で説明をしていくとか、研究外部資金を担当しているような会議の場等全国的なものがございます。そういった場を活用して、我々も大学の事務局というかサイドにどんどん情報発信をしていきたいと考えております。
以上でございます。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  少し補足しますと、資料1の報告書の方の1ページのところで、今までの取組ということで、今説明いただいたような大学を中心とする学術分野の研究ということも触れさせていただいております。1ページの1の2の最後の段落です。「また」以下のところ。さらに13ページのところでも、こういった取組との連携、既に今説明があった分子研の設備を活用して共用を取り組まれている大学も非常に多くございます。そういったところは、新たな追加的なシステムの投資なくして共用を進められるわけですので、是非こういったところは活用していただくこともいいのではないかと思っております。

【岸本部会長】  ありがとうございました。
時間が参っているので、御質問はまた次回のときにでもしたいと思います。
それでは、本日の議題は以上になります。事務局から連絡事項についてお願いいたします。

【中川研究開発基盤課課長補佐】  次回についてはまた日程調整させていただいて、連絡させていただきます。議事録についても、また送付しますので御確認の方をお願いいたします。

【岸本部会長】  それでは以上をもちまして、この部会は閉会としたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発基盤課

橋本、麻田、加藤
電話番号:03-6734-4098(直通)
ファクシミリ番号:03-6734-4121
メールアドレス:kibanken@mext.go.jp

(文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発基盤課)

-- 登録:平成28年02月 --