平成23年8月11日(木曜日)14時~16時
文部科学省旧庁舎第1会議室
大垣部会長代理、樫谷委員、小谷委員、伊藤委員、大島委員、長我部委員、小幡委員、神谷委員、川合委員、北川委員、高木委員、瀧澤委員、南波委員、二瓶委員、吉澤委員、若槻委員
戸渡大臣官房審議官(研究振興局担当)、柿田基盤研究課長、藤吉基盤研究課量子放射線研究推進室長、太田基礎研究振興課基礎研究振興分析官、阿部基盤研究課量子放射線研究推進室室長補佐、竹上基盤研究課課長補佐、粟辻基礎研究振興課基礎研究推進室融合領域研究推進官
雨宮東京大学大学院新領域創成科学研究科教授、太田立命館大学総合理工学研究機構SRセンター長、石川独立行政法人理化学研究所播磨研究所所長、熊谷財団法人高輝度光科学研究センター専務理事
【大垣部会長代理】 科学技術・学術審議会 先端研究基盤部会の第2回を始めたいと思います。本日は、部会長がご欠席ということで、私が代理で司会進行を務めさせていただきます。
本日は、「委員会における調査検討状況について」及び「先端研究基盤関係施策の事後評価について」の2つの議題を予定しております。
それでは、議題に入る前に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【竹上基盤研究課長補佐】 本日は、有川部会長、尾嶋委員、草間委員、中西委員より欠席のご連絡を頂いております。
また、本日の議題2におきまして、X線自由電子レーザー計画の事後評価結果を審議する予定としておりますが、本計画の事前評価、中間評価について、主査として取りまとめられました立命館大学の太田俊明教授、東京大学の雨宮慶幸教授にもオブザーバーとしてご出席いただいております。
加えて、事務局に異動がありましたので、ご報告いたします。基礎研究振興分析官の太田でございます。
【太田基礎研究振興分析官】 先月まで千葉大学で国際交流関係の仕事をしてまいりましたが、7月15日付で基礎研究振興課の分析官を拝命しました。よろしくお願いします。
【竹上基盤研究課長補佐】 最後となりますが、私、基盤研究課に課長補佐として7月より着任しております竹上と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。資料1、「先端研究基盤部会第1回議事録(案)」、資料2-1、「研究開発プラットフォーム委員会における調査検討状況について」、資料2-2、「数学イノベーション委員会における調査検討状況について」、資料3-1、「X線自由電子レーザー計画と開発状況について」、資料3-2、「X線自由電子レーザー計画の事後評価票(案)」。また、参考資料といたしまして、参考資料1、「先端研究基盤部会の体制について」、参考資料2、「X線自由電子レーザー計画中間評価報告書(本文)」、参考資料3、X線自由電子レーザー利用推進計画の中間報告でございます。更に、X線自由電子レーザー計画のパンフレットを机上配付させていただいております。
欠落等ございませんでしょうか。もしございましたら、事務局までお願いします。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
それでは、議題1の「委員会における調査検討状況について」に入ります。4月28日に行われました第1回先端研究基盤部会において設置されました研究開発プラットフォーム委員会、それから、数学イノベーション委員会における調査検討状況をご報告いただきたいと思います。事務局より資料2-1と2-2について説明をお願いします。
【竹上基盤研究課長補佐】 研究開発プラットフォーム委員会における調査研究状況につきまして、事務局よりご報告させていただきます。
お手元に資料2-1、参考資料1をご用意ください。参考資料1の1ページ目を開いていただきまして、左側に組織図がございます。4月に開催されました第1回先端研究基盤部会におきまして、研究開発プラットフォーム委員会並びに数学イノベーション委員会が設置されることが決定されております。その後、研究開発プラットフォーム委員会につきましては、二瓶委員を主査といたしまして、6月、7月の2回にわたって調査検討を行っていただきました。また、その下に知的基盤整備小委員会、先端計測分析技術・機器開発小委員会を設けることを決定いたしまして、先端計測分析技術・機器開発小委員会につきましても、二瓶委員を主査とし、6月、7月の2回にわたって調査検討を行っていただいたという状況です。
続きまして、資料2-1に戻っていただき、この研究開発プラットフォーム委員会は、今期より新たに設けられた委員会でございます。このため、まずは、この研究開発プラットフォームというものがどのような目標を有し、どのような範囲を調査検討の対象とするのかについて、意識の共有を図るための議論を進めていただきました。
研究開発プラットフォームの概念はここに記載されている通りでございまして、「科学技術イノベーションを支える多様な先端研究施設・設備、先端研究基盤技術等を俯瞰的、包括的に捉えた上で必要な取組を行うことにより、全体としての効果、効率を上げるとともに、新たな価値を生み出すためのシステム」と定義しているところです。今後、このシステムの構築に向けまして、委員会において様々な議論を行っていただく予定としております。
続きまして、「研究開発プラットフォーム構築が目指すもの」として、3つの大きな目標を立てていただいております。
1つ目は、「我が国の先端研究基盤の最適な活用を可能とするシステムの確立」です。具体的には、「研究分野・領域や機能分野毎の共用体系(ネットワーク)の確立」ということで、既にナノ分野等におきましては取組の先行事例も見られますが、まずはそれぞれの研究領域や機能分野において、先端研究機器・設備の共用を図っていこうというものでございます。
また、現在、第4期科学技術基本計画策定に向けた議論が最終段階に来ておりますが、今後は、今までの分野別振興から重要課題解決型の取組にシフトしていくということで、既存の研究分野を超えた、幅広い領域を横断していくような研究課題に対応できるよう、「研究分野・領域、機能分野を超えた成果の利用、新たな共用体系の確立」ということも課題として挙げているところです。
次に、「利用システムの改善、アクセシビリティの向上」も重要な課題の1つとしています。例えば、公募・選定の基本的な考え方や、利用者の負担軽減を図るための各種方策、適切な情報発信のあり方などについてです。これらにつきましては、必ずしも統一化すればよいという話ではありませんが、優れた取組、いわゆるグッドプラクティスを示していくことが重要であるということで、具体的な課題として挙げているところです。
また、本年3月に東日本大震災が発生しましたが、緊急時における先端研究基盤施設・設備のセーフティネットのあり方を明確にしていくことも、我が国の研究活動を止めないという観点で非常に重要であるということで、課題の1つに掲げております。
2つ目の大きな柱が、「先端研究基盤全体を俯瞰した戦略的整備の実現」です。現在、我が国には、様々な先端研究施設・設備が存在しておりますが、これらを安定的に運用するために、例えば、運転資金の確保、老朽化や高度化への対応といったことを、財政状況が非常に厳しい中で戦略的にどう実施していくか、ということを議論することが重要であるということで、ここに掲げております。
また、それらの先端研究施設・設備を俯瞰的に捉えた上で、新たにどのような施設・設備が必要となるのか、また、もし必要であれば戦略的にどう整備していくのかといったことについても今後議論いただく予定としております。
また、これら施設・設備の要素となる先端研究基盤技術等に関しましては、研究開発プラットフォーム委員会の下の各小委員会で議論しまして、それを研究開発プラットフォーム委員会の中の検討に加えていっていただくことを予定しております。
最後、3つ目の大きな柱が、「先端研究基盤を支える人材の充実・確保」です。これらの研究基盤を支える人材が不足していることから、これらの人材を我が国全体として充実・確保していくための方策、また、単に充実するのみならず、キャリアパスをしっかりと構築していくことが重要になるということで、この人材につきましても、研究開発プラットフォーム委員会での重要な検討事項の1つとして挙げていただいております。
続きまして、2ページですが、先ほどまでご説明しましたような調査検討を行っていくに当たり、それではどこまでを調査検討の対象範囲とすべきかということで、それにつきましてもご審議いただいているところです。それを図で示したものが別紙でございますが、我が国には、共用法に基づく大型の施設をはじめとして、多くの先端研究施設・設備、各種基盤技術などを有しております。この中から、まずは先端性を有しているもの、また、様々な研究領域で使える汎用性を有しているもの、更には、産業界を含めて幅広い研究者等の利用に供していくことがふさわしいもの、といった3要素を満たしたものを検討の対象として絞ることとしています。
また、これらの施設・設備は、「国の方針によりトップダウン的に整備したもの(黄色の部分)」と、「大学等の研究者の主体性によってボトムアップ的に整備されたもの(緑色の部分)」の2つに大別されますが、当面はこの黄色部分を対象として検討を進めていくものの、この緑色の部分につきましても、その運営は研究者コミュニティに委ねることがふさわしいという側面を考慮しながらも、国としての役割を検討することは必要である、としております。
資料の2ページに戻っていただきまして、研究開発プラットフォーム委員会では、先ほどご説明しましたような目標に向かいまして、これから調査検討を進めていっていただく予定にしております。なお、当面は、国、研究開発法人、大学等における施設・設備、技術であって、整備・運用に関する政策的関与の強いものを中心に、委員会では取り扱っていただくことを予定しております。
最後に、「今後の調査検討の進め方」ですが、まずは、本年冬頃までに、我が国の先端研究施設・設備に関する現状把握、課題の分析を実施していただく予定にしております。
また、その分析を踏まえまして、来年夏頃までに、先端研究基盤の最適活用や人材の充実・確保のための支援のあり方、今後の先端研究基盤の戦略的な整備のための基本的な考え方など、研究開発プラットフォーム構築のための具体的方策を取りまとめていただく予定としております。
なお、冒頭申しましたように、先端計測分析技術・機器開発小委員会につきましても、これまでに2回開催しておりまして、主に平成24年度概算要求に向けた「先端計測分析技術・機器開発プログラム」のあり方の検討を実施しているということを最後にご報告させていただきます。
以上でございます。
【大垣部会長代理】 ありがとうございました。続けて数学イノベーション、お願いできますか。
【粟辻推進官】 はい。続きまして資料2-2につきまして説明をさせていただきます。私、数学イノベーション委員会の事務局をしております基礎研究振興課の粟辻と申します。
まず資料2-2でございますけれども、冒頭にありますように、数学イノベーション委員会は、本年の6月30日に第1回目を開催しております。委員のメンバーにつきましては、先ほどの参考資料の1をご覧いただきますと、参考資料1の5ページに数学イノベーション委員会の委員の名簿が出ております。11名の委員の先生方で構成されておりまして、主査は九州大学の若山先生が指名されておりまして、主査代理として京都大学数理解析研究所所長の森重文先生を選出いたしました。
資料の2-2に戻っていただきまして、議論は1回でございますけれども、その1回の議論を踏まえて、今後どのような項目について検討していくのか、どういった計画で進めていくのかの大筋を決めさせていただきましたので、本日報告させていただきます。
まず最初に、1.にありますように、審議の背景となる事情を整理しております。まず1.の(1)でございますが、まず社会の中で数学あるいは数理科学の占める重要性というものが非常に高まってきておるという事情がございます。具体的には、様々な研究活動、あるいは産業活動においても、これまでになく大量で複雑なデータが得られるようになってきているわけですけれども、そういったデータから有益な情報をいかに引き出していくのかということが極めて重要になってきているわけでございます。そのためには、こういったデータを生み出すような様々な現象の背後に潜む原理、あるいは法則といったものを見出す、あるいは数理モデルをつくるといったことなどが非常に重要でありまして、数学や数理科学的なアプローチというものが不可欠であるという認識が、これは数学だけではなくて、諸科学分野、あるいは産業界でも高まってきているという事情がございます。
また、別の視点ではございますが、数学・数理科学が直接用いられているような分野、ここで例示として挙げていますのは、シミュレーションが非常に普及しておるといった話ですとか、あるいは、情報セキュリティなどに用いられる暗号の強化、あるいは、コンピュータ・グラフィックスの高度化、こういった事情もありますように、数学・数理科学が直接用いられる分野というものの社会の中での重要性、インパクトというものが非常に増大してきているといった事情がございます。
こういった状況を受けまして、諸外国でも、数学・数理科学というものが近年非常に重要視されるようになってきておりますし、また、我が国におきましても、一部ではありますけれども、JSTの戦略的創造研究推進事業における取組ですとか、数学・数理科学と諸科学、産業との連携・協力による研究活動というものが幾つか行われて、研究成果の芽も生まれつつあるわけですけれども、いまだ数学・数理科学側においても、あるいは諸科学分野・産業側においても、こういった動きは一部にとどまっているというのが現状ではないかと思っております。
こういった現状を打破して、まさに数学や数理科学的なアプローチによって諸科学や産業界における課題の背後に潜む原理、あるいは法則性といったものを見い出したり、あるいは、現象をきちんと記述してくれるような数理モデルを構築するといったことによって、そういった諸科学・産業における諸課題の解決に貢献して、新たな価値を生み出すといったことがまさに必要になってきているわけですけれども、そのためにはどういった方策が必要なのかについては今後検討しなければならないと考えております。
こういった状況を踏まえまして、数学イノベーション委員会におきましては、2.にありますように、3つの検討項目について当面検討を進めることといたしました。
1つ目は、「重要研究課題の検討」ということで、今年度数学・数理科学と諸科学・産業との連携・協力によるワークショップなどを幾つか、約20程度、文部科学省と大学などとの協働で開催をすることを計画しておりますけれども、そういったワークショップなどでの議論の中身ですとか、あるいは今後、数学イノベーション委員会で諸科学や産業の研究者の方から数学や数理科学に対してどういうような期待があるのか、あるいは数学・数理科学を活用して解決が期待できるようなテーマ、課題としてどういうものがあるのかといったものを紹介していただくことを予定しておりまして、こういった諸科学や産業の方からお聞きした意見、こういったものを参考に、次のページに行きますけれども、諸科学や産業における諸課題の解決に貢献して、新たな価値を生み出す上で非常に重要となる具体的な研究の課題、テーマを明らかにしていきたい。これが1つ目の検討項目でございます。
2つ目は、このような数学・数理科学とそれ以外の学問分野、あるいは産業との間で連携・協力をしていくに当たっては、当然様々なコミュニケーションギャップをはじめとする障害となるような問題点などがあるわけですけれども、そういったものを、過去の文部科学省が大学などに委託してやりました調査結果なども参考にしながら、抽出し、それを解決するにはどうすればいいのかといった具体的な方策の検討をしていきたい。これが2つ目の研究を促進する環境としてどういったものが必要なのかの検討でございます。
3つ目は、これは過去、他の学際研究や、あるいは異分野融合といったものの先行事例、あるいは先ほど申しました数学・数理科学と諸科学・産業との連携によるワークショップの企画運営の実例、経験なども踏まえまして、こういった数学・数理科学と諸科学・産業といった、様々な意味でカルチャーが異なる世界の方々が相互理解を深めて、互いに問題意識を共有して協力していく上で、どのような手法、ノウハウ、具体的にはワークショップの企画運営や、あるいは議論の進め方など、そういったところで様々な工夫が必要になると思うわけですけれども、そういったものをうまく抽出して整理していきたい。これが3つ目の項目でございます。
当面このような3つの項目につきまして、3.にありますように、数学イノベーション委員会で検討を進め、最後にありますけれども、来年の夏ごろまでに一定の取りまとめを行うことを目指して調査審議を行うこととしております。
以上でございます。
【大垣部会長代理】 ありがとうございました。ただいま2つの検討状況をご報告いただきましたが、これに関しまして、委員の皆様からご質問、あるいはご意見をいただきたいと思います。始めに研究開発プラットフォームの方からご意見、ご質問を受けましょうか。いかがでしょうか。どうぞ。
【南波委員】 研究開発プラットフォームのところのいわば調査対象の範囲に関してですが、この別紙のところを見ますと、一番上にございますSPring-8、SACLA、J-PARC、スパコン、これは明らかに共用促進法の4つの案件。その他の先端研究施設・設備、これをどの程度までカバーするか、これが多分一番大きい問題になるだろうと思いますけれども、その辺に関して、ここで考え方のところは整理されておりすが、具体的にどのようなことを考えられているのか。あと、いま1つ、文部科学省が進められております先端研究施設共用促進事業がございますね。そういった案件との関連、この2点を教えていただければと思います。
【柿田基盤研究課長】 基盤研究課長の柿田でございます。概念的に申し上げますと、この絵の黄色の部分になりますが、先端的な機能、性能に加え、本来の整備目的に限らず広く共用の対象になりうるような施設を念頭に置いております。端的に申し上げますと、今委員が仰った先端研究施設共用促進事業の対象となるようなものです。また、ナノテクノロジーネットワークも同様と考えております。このように、先端性があり、かつ、広く利用される潜在的なポテンシャルを持っているものがプラットフォームの構成要素であると考えております。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
他にはいかがでしょうか。
【神谷委員】 すみません。よろしいでしょうか。2点、あります。
別紙のところの緑の部分、これは大学や、大学共同利用機関の施設というように見てよろしいかと思うのですが、2ページのところに運営は研究者コミュニティにゆだねる云々とありまして、国としての役割を検討するとあります。実際上、この緑の部分のお金のほぼ100%は国に出していただいているにもかかわらず、文章が何となく若干冷たい印象を受けますが、どういうことを検討される予定なのかという点が1点。
もう1点は、1ページ目の1.のところです。最適な活用を可能とするシステムというのがありまして、共用、公募・選定の云々と記述されておりますが、ご存じのように、大学共同利用機関の4機構では、20年、30年も前から、いわゆる共用ではなく共同利用と言われている実績があり、たくさんの研究者の方に施設が使われておりますので、そのような実績についても、一応調査検討をして、それを生かしていただきたいということです。
以上です。
【大垣部会長代理】 いかがですか。
【柿田基盤研究課長】 最初のご質問ですけれども、学術研究のための先端的な装置や機器が、今日、日本全国の大学や共同利用機関に多数整備されている現状、また、様々な課題の達成に向けて産学が連携等しながら研究開発に取り組む重要性などを考慮した場合、これらの先端的な装置等についても、本来目的に限らず、広く利用していくことがその価値を更に高めることになると考えます。もちろん、学術目的で整備されたという当初の趣旨を十分踏まえた上で、日本の科学技術のために更に効果を上げるような使い方としてどのようなことが可能か、国の政策として考えていきたいと、そういう趣旨で、国としての役割を検討すると表現しているものです。もう一点につきましても、ご指摘を踏まえて今後の調査検討を進めることが必要であると思います。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
他には。
【川合委員】 考え方の整理のところですけれども、別紙に書いてある黄色と緑の色分けというのは、現状の状況を表しているだけであって、全体としてこれもすべて含めて考えるということでよろしいですか。要するに、相変わらず昔の省庁合併以前のテリトリーごとの分けた議論にはならないですよね。
【柿田基盤研究課長】 いわゆる目的指向型のイノベーションと、学術研究は研究の性格やアプローチが異なりますので、プラットフォームにおいて両者をどのように扱うかはよく検討しなければならないと思います。したがいまして、様々な装置の目的、特性、使われ方などをよく調べた上で、プラットフォームに求められる役割や機能を検討し、その中で、両者をどのように取り扱っていくかを整理する必要があると考えております。
また、黄色いところにあるものも、必ずしも緑色のところと無関係に存在しているわけではないと理解しておりまして、黄色い部分の装置群が下にあるような学術研究を支える、あるいは引っ張っていくという関係性、また逆の関係性もあると思いますが、そういったことも念頭に置きながら、プラットフォーム委員会の検討を進めていただいているという状況でございます。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
【伊藤委員】 同じ図ですけれども、特に研究分野、技術分野によるネットワークの形成がある場合に、光拠点のようなものは、研究設備・施設というよりは、人材育成や教育というものが中心になっています。したがって、研究設備・施設だけではなくて、これから人材育成や、新しいテーマを持ち込む際のネタを仕込む場所がネットワークだと思います。ネットワークから出てきて、大きな施設で展開しいたいことが出てくると思いますので、ぜひその辺も、大きさではなくて、調べていただきたいと思います。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
【柿田基盤研究課長】 はい。
【大垣部会長代理】 プラットフォーム関連の委員の方もいらっしゃいますが、よろしいですか。
【川合委員】 文部科学省系のところは全部出ていると思いますけれども、前も少し指摘していただきましたが、他省庁で整備されているものもあわせて横に置いてぜひ議論していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
【大垣部会長代理】 よろしいでしょうか。数学に移ってよろしいですか。
それでは、数学イノベーション委員会の調査検討状況について、何かコメント、ご質問、いかがでしょうか。どうぞ。
【北川委員】 委員なので、かえって言いにくいですが、当日の議論で、私も申し上げましたが、この3つの課題に初めから限定すると、あまりイノベーションとはならないと思います。やはり現在、社会の中で何が変わっているか、それから、社会、あるいは研究、それに対して数学がどのように変わっていかないといけないかといったところから考えるべきだと考えておりますので、この3つの1から3に加えて、そういう根源的なところもぜひ考えていただきたいと改めて申し上げたいと思います。
【大垣部会長代理】 特にコメントありますか。事務局からもいいですか。
【粟辻推進官】 今、北川先生からコメントがありましたとおり、数学がこの社会、あるいは諸科学の中でどういった役割を今まで果たしてきていて、今後の変化に即してどのような役割を今後果たしていくべきなのかという、もう少し根源的なところも見据えた上で、今後必要な方策というものを議論していきたいと思っております。以上でございます。
【大垣部会長代理】 他にないようでしたら、よろしいでしょうか。
それでは、ありがとうございました。本日いただきましたご意見等を踏まえて、今後の委員会での調査検討を進めていただきたいと思います。
それでは、議題の2に移りまして、「先端研究基盤関係施策の事後評価について」に移ります。本日はX線自由電子レーザー計画の事後評価を行います。X線自由電子レーザーは、第3期科学技術基本計画における国家基幹技術として、平成18年度から平成22年度までの5カ年間で開発・整備されてきました。開発・整備計画の終了に伴い行われる事後評価を、後日開催される予定の第38回研究計画評価分科会で審議するに当たり、この先端研究基盤部会において事前に審議することになっております。
それでは、X線自由電子レーザー計画について、事務局より資料3-1で説明をお願いいたします。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 資料3-1をご覧ください。こちらの資料は、まずそもそもX線自由電子レーザーとは何かについて概要等を最初に説明させていただきまして、これまでの経緯、事前評価、中間評価での指摘事項、その指摘事項に対する取組状況についての説明資料となっております。
それでは、2ページをご覧ください。X線自由電子レーザー施設、これは愛称をSACLAと名づけておりますけれども、兵庫県にあります世界最高のX線レーザーを生み出す施設でございます。写真にありますように、大型放射光施設SPring-8に隣接する形で建設されておりまして、全長が約700メートルという大きさのものでございます。
このX線自由電子レーザーの構成につきましては、下に絵で説明しておりますけれども、簡単に申し上げますと、電子を非常に速く加速して、そこからX線レーザーを生み出すというようなものでございます。
この施設、最大で5本のビームラインを引くことができますけれども、今現在は、当初2本を使えるように整備を進めているところでございます。
第3期科学技術基本計画の国家基幹技術に指定されておりまして、平成18年度から平成22年度にかけ開発・整備を進めてまいりました。欧米に比べ、最もコンパクトかつ低予算で完成を目指すということでございました。
SACLAの特徴ですけれども、これは非常に短い波長ということで、電子レベルでの解析が可能になると。また非常に短いパルスであるということで、化学反応等の極めて速い動きの解析が可能となる。また、質のよい光というところで、試料を調製しなくとも生きたままでの解析が可能になるということが期待されているところでございます。
現在整備を順調に進めてまいりまして、本年6月には世界最短波長となります0.10ナノメートル、またその後の調整で7月には0.08ナノメートルという短い波長を出すところまで達しているところでございます。
この施設ですけれども、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律というもので、多くの研究者等に対してその利用を提供していくという、共用を促進するための施設として位置づけられているところですが、来年の3月にはいよいよ運用を開始できるという段階になっております。
次に3ページをご覧ください。このX線自由電子レーザーの特徴を少し簡単にご説明させていただきますけれども、これまでレーザー、それから放射光、そういったものについては非常に研究が進んできたところもございますが、その両方の特徴を備える光がこのX線自由電子レーザーになります。
化学反応など物質の極めて速い動きを原子レベルで解析することが可能になるというところで、ライフイノベーションやグリーンイノベーションといった分野をはじめまして、イノベーションの推進、そして我が国の国際競争力の強化に貢献することが期待されているところでございます。
4ページをご覧ください。これまでどのような形で取り組んできたかということを年表形式でまとめさせていただいております。まず平成17年に科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会におきまして、事前評価の中間取りまとめというものをまとめさせていただいております。
その後11月には総合科学技術会議におきまして、大型プロジェクトということで、事前評価をいただいております。
平成18年にはその事前評価を踏まえまして、プロジェクトを推進するための協議会を設置しております。その協議会におきまして、利用推進方針というものを取りまとめ、今後の推進体制等々につきまして、方針を決めたところです。
その後、XFELを着工し、平行して設置者であります理化学研究所と高輝度光科学研究センターが協力しまして、合同推進本部を設置しております。
平成19年には、総合科学技術会議におきまして、事前評価に対するフォローアップということで中間評価をしております。
平成20年には、こちらの研究計画・評価分科会において中間評価を実施しているところです。
その後、各施設の建設が順調に進んでまいりまして、平成22年には、XFELの実験研究棟が完成しているところです。
平成23年に、平成18年につくっておりました利用推進方針をその後の研究状況等を踏まえまして改定をさせていただいております。その改定とあわせて、国が定めます基本的な方針などについて改正をして、制度的な担保を図ったところです。
その後、3月に推進方針の改定を踏まえまして、共用開始後の戦略的な推進方針をどのようにやっていくのかということを検討するために、戦略会議というものを設置しております。
その後、年度が明けまして、本年6月には最短波長のレーザーの発振に成功し、また戦略会議におきまして中間報告の取りまとめというものをまとめさせていただいたところです。
5ページでございますが、平成17年、最終報告は平成18年になりますけれども、そのときの事前評価の指摘事項でございます。総合評価としましては主に3点ございますが、本計画は積極的に進めるものであり、早期に着手すべきであること。それから、装置の完成後、速やかに利用に着手できるよう、利用研究の推進体制の確立が特に重要であること。そして最後に、国民に対する説明責任があることを自覚し、本計画に対する理解増進に努めるべきであることが指摘されておりました。
次に6ページをご覧ください。平成20年に行われました中間評価の指摘事項でございます。こちらにつきましては、主に4つの柱で構成されておりますが、開発につきましては、建設等は順調に進んでおり、今後リスク管理を適切に行って、計画を着実に進めていくことを期待すること。
利用推進研究につきましては、一定の評価はできる。新しい研究分野の開拓や長期的な展望に立った研究を遂行していくべきであること。
情報発信につきましては、評価できる。引き続きXFELの意義や状況をわかりやすく発信し、プロトタイプ機の成果等についても発信していくことが産業界も含めた新たなユーザーの発掘という観点から重要であること。
運用等につきましては、今後本格的な検討を実施すべきである課題である。国においては、共用促進法が求める体制を構築するために必要な検討及び制度改正等を早期に開始すべきである。ただし、それまでの間、施設の設置者である理化学研究所においては、運用体制のあり方、ユーザーニーズを把握するためのシステム、そういったものを構築していくべきであること。
以上のことから、中間評価におきましては、開発等は順調に進められており、また、事前評価における指摘事項にはおおむね対応できていると評価できる。引き続き本計画を着実に進めていくことが期待される、といった形で評価がまとめられていたところです。
7ページ目からは、今申しました中間評価の4つの柱それぞれに対しまして、どのような形で取り組んできたかということを簡単にまとめさせていただいております。
まず開発については、開発体制がどのような形だったかということを示しております。「開発・建設体制」ということで、理化学研究所、高輝度光科学研究センター、それから高エネルギー加速器研究機構など、日本の加速器、放射光分野の人材を中心とした連携・協力による人材育成も含めた建設を推進するということで取り組んでおりました。
また、「利用研究推進体制」としましては、利用推進協議会というものを設けまして、議論しながら方針を決め、取り組んできていたところでございます。
8ページ目をご覧ください。開発につきまして、事前評価のときにどのようなスケジュールを組んでいたかというものでございます。ポイントとなるところは、一番上の全体計画の矢印のところですけれども、平成22年には硬X線の発振を当初は計画しておりました。その後平成23年から調整運転をして、共用を開始しようという計画でございました。
9ページをご覧ください。こちらが中間評価のときのスケジュールでございます。ここのポイントとしましては、発振時期につきましては、平成22年度を計画していたところですが、実機の試験運転を平成22年から平成23年にかけて行い、平成23年度の中頃から共用施設としての運用を開始するといったスケジュールが組まれていたところです。
次に10ページをご覧ください。こちらが実績ベースでどのような形で開発が進んできたかというところでございます。発振時期につきましては、2011年、平成23年度の6月に発振することになりました。しかしながら、今調整を順調に進めているところでございまして、共用開始につきましては、平成23年度中にできるのではないかというところです。
それから、一番右下でございますが、建設経費としましては総額388億円。ただ、利用開発等にかかる経費を除きますと、358億円かかったというところでございます。
次に11ページをご覧ください。こちらがヨーロッパ、アメリカ、そして日本のSACLAの施設を比較したものでございます。ポイントは、このうち上の3つ、全長、発振波長、総コストになりますけれども、全長につきましては、比較を見ていただくとおわかりのとおり、約700メートルということで、最もコンパクトに完成しています。波長につきましても、6月に0.1ナノメートルという波長を発振しているということで、世界最先端を実現しているというところです。総コストにつきましては、最近非常に為替相場が動いておりますけれども、そういった状況を加味しましても、他施設と比較して最小コストを実現しているというところでございます。
続きまして12ページをご覧ください。こちらは中間評価の2つ目の指摘事項に対応します利用研究開発になります。この線表の下の方になりますけれども、利用推進研究課題ということで、施設の建設初期から要素技術開発についての課題を公募しまして幾つか取り組んでまいりました。
平成21年には、それまで取り組んできました課題について、中間評価の結果なども踏まえまして、統合・絞り込みを行いまして、5課題に取り組んできました。
平成22年にはその成果を順次実機に入れていくということで、XFEL実機の方に様々な開発装置を持ち込んで順次調整を進めているという段階でございます。
実際に最後に取り組んでおりました5課題というのがどういったものかというものが13ページに簡単に資料として入れさせていただいております。この5課題のうち2課題、4番目と5番目のものですけれども、こちらは基盤技術開発ということで、装置自身の開発要素といったものになっておりますが、いわゆる利用研究に資するというものは色をつけております1、2、3番のところになります。
こちらは、まず1番ですけれども、東京大学の山内先生が代表として取り組んでいただきましたポンプ-プローブ手法に関する研究開発。それから2番目、京都大学の松原先生が代表として取り組んでいただきました化学反応過程におけるイメージングに関する研究開発。それから3番目としまして、慶應大学の中迫先生に代表になっていただきまして取り組んでいただきました生体分子の構造解析、機能解析に関する研究。こういったことについてやってきたところでございます。
次に14ページをご覧ください。本年の6月に戦略会議におきまして取りまとめました中間報告の概要でございます。この中間報告は、SACLAの供用開始以降の、実際に供用が開始されてからの推進方策について優先順位をつけまして取りまとめたものでございます。
ポイントは、下線を引いているところでございますけれども、重点戦略分野、それから重点戦略課題といったものを設定し、そこを強力に推進しようということ。それから、当面、成果は公開していくことを原則にしようということ。それから、公募は年2回としますが、状況に応じて臨時募集を行うなど臨機応変に対応していこうということ。それから、利用者視点に立った運営をするといったことを原則としまして、支援体制の確立を目指していくということ。それとあわせて、人材育成に努めるということ。それから、産業界の積極的な参加をどんどん促していくことが重要であること。そして、すべてのユーザーが参加するコミュニティというものも、環境を醸成しながら構築していくことが大切であるということ。それから、成果等をわかりやすく公表して、潜在的利用者等の掘り起こしを図っていくということ。そして最後になりますが、装置等の開発・整備を最優先としながら、京速コンピュータ「京」などの高性能スパコンとの連携や、SPring-8との相互利用実験基盤施設の整備を優先的に進めながらやっていくということが重要であるという形で中間報告をまとめております。
この中間報告の中で、重点戦略分野、重点戦略課題というものが今後特に重要なポイントになりますが、それにつきまして15ページをご覧ください。2つの重点戦略分野を指定しております。左側がいわゆるライフイノベーション分野でございますが、「生体分子の階層構造ダイナミクス」ということで、1から5、今までの開発してきた利用研究の成果や、また海外の先行しておりますアメリカの開発状況なども加味しまして、この5つの課題を戦略的に取り組んでいくことが最もいいのではないかということで挙げさせていただいております。
また、右側がいわゆるグリーンイノベーションのものでございますが、「ピコ・フェムト秒ダイナミックイメージング」ということで、こちらも5つの戦略課題を設けさせていただいております。
これらの先導的な研究開発課題を推進していくことによりまして、利用分野を開拓して、イノベーションの推進及び国際競争力の強化に貢献しようということを目指しているところでございます。
そして、資料の最後になりますけれども、中間評価で指摘されておりました情報発信の取組状況についてでございます。こちらにつきましては、XFELのプロトタイプ機と実機、その両方を合わせてですけれども、平成17年から平成22年度まで、延べ3万人の見学者が訪れているという状況です。また、新聞、雑誌、広報誌、そういったところにおきましても、毎年のように取り上げていただいております。こちらには今データで示しておりませんけれども、本年の6月にレーザーが発振したということもありまして、特に平成23年度につきましては、様々なところでマスコミ等に取り上げていただいているという状況になっております。
資料3-1の説明につきましては、以上になります。
【大垣部会長代理】 ご苦労さまでした。
それでは、ただいまの説明に関しまして、ご質問等ございましたら、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【北川委員】 門外漢が最初に発言するのはどうかと思いますが、短波長のレーザー光の開発ということで、門外漢からも非常にすばらしいものだという感じがして、基本的によろしいのではないかと思うのですが、ただ、この評価票を、その字面というか、これだけを読んでいったとき、多少腑に落ちないところがあります。それは、計画の概要のところですと、輝度や、コヒーレンシー、あと波長ですね。具体的に10億倍とか、そういった数字が書いていますが、成果になるとあまり明確に書かれておらず、今年度に入って、0.1ですから、最近は0.08ですとか、そこができたということがありますが、例えばコヒーレントのことについては、次のページにプロトタイプの開発が進められているという感じですし、輝度のことになると、3ページの下の方ですか、下から20行目あたりは、所期の目標である高い輝度・コヒーレントの波長を実現することが望まれるというような書き方で、少々何か書き方に問題があるのではないかという気がするのですが。
【大垣部会長代理】 3-2を先に説明していただきましょうか。
【北川委員】 そうですね。
【大垣部会長代理】 実は議事進行上、3-2はこれから説明が……。
【北川委員】 ああ、すみません。
【大垣部会長代理】 ですが、確かに一緒の方がわかりやすいですね。
【北川委員】 すみません。
【大垣部会長代理】 それでは、3-2を説明してください。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 では、引き続き資料3-2、事後評価票を説明させていただきます。少し時間もあるようですので、少し丁寧に説明させていただこうと思います。まず、事後評価票の構成ですけれども、(1)「課題の達成状況」ということで、計画の概要と達成状況が記載されております。
その次、(2)「成果」ということで、「成果」と書いてありますけれども、こちらがまさにこれまでどう取り組んできたかの中身でございまして、中間評価のときの4つの柱に対応して、開発・利用研究・情報発信・運用等ということで、それぞれどのような評価ができるのか、中間評価の指摘事項に対して対応できていたのかどうか、それから、今後更に取り組んでいくべきことはないか、課題であったり、展望であったり、そういったことを記載させていただいております。
(3)「今後の展望」、課題も含めてになりますけれども、(2)で記載されていることをまとめさせていただいているという構成になっております。
まず(1)の「課題の達成状況」、「計画の概要」でございますけれども、本計画は、「人類がいまだ手にしたことのないX線領域のレーザー光源を開発し、その装置をナノテクノロジー材料分野やライフサイエンス分野をはじめとする幅広い分野における研究者・技術者の利用に供する計画」ということが中間評価書の中に書かれているわけでございます。
具体的には、「従来の放射光源と比べ、飛躍的に高い輝度、コヒーレント性、極短パルスで、波長0.06ナノメートルのX線を発振することができる施設について、コスト及びサイズともに、欧米の同様の計画の半分以下で開発・整備を目指すものであって、開発期間は平成18年から平成22年度、プロジェクト総経費としては389億円」――これは中間評価時の数字でございます、「である。」なお、供用開始については、平成23年度中の予定というものでございます。
それに対する達成状況でございますが、「平成22年10月に波長0.06ナノメートル、パルス幅100フェムト秒以下の超高輝度X線レーザーの発振を目指したX線自由電子レーザー施設SACLAの本体施設の整備が完了しまして、平成23年度中の供用開始に向け、現在調整を進めているところであり、平成23年6月には世界最短波長のX線レーザーの発振に成功した。また、欧米施設に比べ最もコンパクトかつ最小経費で実現するとともに、我が国独自の特徴となる大型放射光施設SPring-8の放射光との同時利用を可能とする施設を整備した。開発・利用研究・情報発信・運用等について、一部今後への課題は残しているものの、中間評価における指摘事項に対してはおおむね適切に対応できている」のではないかということです。
「以上より、我が国独自の特徴を多数有した世界最高性能のX線自由電子レーザー施設について、X線レーザーの発振時期は当初予定より若干遅れはしましたが、予定開発期間内に所期の目標どおりの本体整備を完了しており、当初計画は達成されたと評価できる」のではないかということで事務局としては記載させていただいております。
次に(2)でございますけれども、「平成21年度に加速器棟及び光源棟が完成するなど、当初計画どおり平成22年度中に本体施設が完了したこと。平成23年6月には、この時点で世界最短波長となる0.10ナノメートルのX線レーザーの発振に成功したことから、所期の目標に即した開発が行われたものと評価できる。」
ページをめくっていただきまして、Hからでございますが、「また、国内外の関係機関との連携・協力体制の強化など中間評価における指摘事項につきましてはおおむね適切に対応できているものと考える。なお、XFELの光源の更なる安定化と高品質化を実現し、コヒーレント性を高めるシーディング技術につきましては、プロトタイプ機による開発が進められているが、引き続き実機への実用化に向け取り組むことが望まれる。また、ビームラインの増設など、今後の開発・整備や開発技術の汎用化等については、利用者のニーズを十分に把握しつつ検討を進めることが必要である。今後、リスク管理の更なる強化に努めるとともに、平成23年度中の供用開始に向け、質の高いビームを安定的に供給できるよう十分な調整を進め、我が国から世界初となる画期的な成果が早期に創出されることを期待する。」
次に、「利用研究について」でございます。「供用開始後速やかに研究成果を創出するため、産業界を含めた関係分野の有識者からなる利用推進協議会において定められた方針に基づき利用推進計画が推進された。平成20年の中間評価を踏まえ、統合システム開発期間として早期に実現すべき研究課題等の観点から、課題の統合・絞り込みを行いまして、平成22年度から順次実機へ据え付け・調整が進められたことから、一定の推進がなされたものと評価できる。特に成果の創出が期待されている化学反応の超高速動態変化のイメージングと結晶化困難な膜たんぱく質等の生体分子の構造解析にかかる研究に必要な技術・装置については、SPring-8やプロトタイプ機を活用してXFEL実機の完成前に開発ができたということは評価できる。また、平成23年1月に利用推進方針を改定し、調整運転期間を利用した事前実験・研究を進めることなどを決定するとともに、供用開始以降の戦略的な利用研究の推進方策等について検討するため、利用推進戦略会議を立ち上げるなど、中間評価における指摘事項についてはおおむね適切に対応できているものと考える。今後、これらの技術・装置が、実際のX線レーザーを用いて実験した際にもあらゆる利用者にとって広く使いやすいものとなるよう、更なる高度化・標準化とシステムとしての統合を進めていくことが必要である。また、研究成果の早期創出には、利用支援を行う登録施設利用推進機関」――これは通称登録機関と言っておりますが、「による利用者支援が非常に重要であることから、施設設置者と協力・連携しつつ必要な体制を構築していくことが必要である。なお、欧米との激しい競争状況の中、利用研究を強力に推進し先導的な成果創出を実現するには、競争的資金による研究資金の集中投資などを通じて、優れた利用研究を着実に実施できるよう努めることが必要である。」
次に「情報発信について」でございますが、「様々な分野の研究者等へのワークショップをはじめ、一般市民への施設公開や各種イベントへの出展、将来の利用者である大学生・大学院生に対するシンポジウム等を40件以上開催し、XFELの利用研究開発やプロトタイプ機を活用した成果等について積極的に広報しており、幅広い利用者の掘り起こしに努めるなど、評価できる。また、XFELの意義や推進状況等について、一般市民に加え企業約300社に対する説明会を開催するなど、産業界も含め積極的に情報発信をしており、中間評価における指摘事項については適切に評価できるものと考える。今後、利用研究の推進や潜在的利用者の掘り起こしに当たっては、施設設置者、報道機関及び利用者が一体となってXFELの利用を牽引する先導的な研究成果を早期に創出し、その取組状況や成果等を積極的に広報していくことが必要である。」
最後に、「運用等について」ですけれども、「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律、共用法における特定放射光施設として、XFELの運用に際し必要となる施行規則及び基本的な方針の改定が行われ、施設設置者及び登録機関の役割等が明確にされるとともに、利用推進業務を実施する登録機関が選定されたことから、着実に推進されたものと評価できる。また、登録機関が課題採択や利用支援のあり方などの制度設計をする際に、基本的な方向性等について、中間評価で指摘されている施設設置者による検討が遅れてはしたが、協議会及び戦略会議において検討が進められるなど、中間評価における指摘事項についてはおおむね適切に対応できているものと考える。今後、国内外の研究動向等も踏まえつつ、施設設置者及び登録機関が協力して、産業界も含めた利用者のニーズを適時的確に把握し、効率的・効果的に利用者本位の運営がなされるよう努めることが必要である。」
今後の課題を含めた今後の展望(3)でございますけれども、「XFEL実機について、質のよいビームを定常的に供給できるよう引き続き調整を進め、所期の目標である高い輝度・コヒーレントな波長を実現し、予定どおり平成23年度内に供用を開始することが望まれる。また、XFELの利用を牽引する先導的な研究成果を早期に創出し、国内外の利用者を引きつけ、継続的に欧米に先んじた革新的な成果を創出することが重要である。そのため、プロトタイプ機の有効利用を含め、利用技術の開拓・高度化・標準化を進めながら、利用研究の成果創出を目指す研究開発を施設設置者、登録機関及び幅広い利用者が一体となって強力に推進していくとともに、引き続き積極的な情報発信をしていくことが必要である。更に、中長期的な我が国独自のイノベーション創出、国際競争力の強化の観点からも、戦略会議で指摘されているSPring-8との相互利用実験基盤、高性能スパコンとの連携、シーディング装置など我が国独自の特徴を生かす研究環境の整備・充実を、国内外の研究動向等も踏まえつつ、引き続き推進することが望まれる。」
以上の形で事務局としては、まず案として書かせていただいたところでございます。
【大垣部会長代理】 ありがとうございました。ということで、3-1と3-2で、3-2に事後評価票の案の説明も今していただいたところでございます。これに関しましてご意見、ご質問、あわせてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。北川委員は、今の説明を受けた後、特に……。
【北川委員】 まあ、繰り返してもつまらないので。
【大垣部会長代理】 他にはいらっしゃいませんか。どうぞ。
【長我部委員】 2点、資料3-2で質問があるのですが、1つ目は、1ページ目の計画の達成状況のEのところで、「一部今後への課題を残しているもの」という書きぶりがあるのですが、この「一部今後への課題」というのは具体的にどういうことかということと、2点目は、2ページ目のところの「利用研究について」項番Qのところに、「競争的資金による研究資金の集中投資」と書いてありますが、これは具体的に先導研究をやるための競争的資金のプログラムを走らせるべきだという意味でしょうか。
以上、2点です。
【大垣部会長代理】 お願いします。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 まず1点目、Eのところ「一部今後への課題を残しているもの」ということですけれども、(2)の成果の中で、それぞれ今後こういったことが必要であるとか、そういったことを書かせていただいていることすべてを含めた意味を込め、今後への課題といいますか、展望ということで書かせていただいているところでございます。
それから、2点目のQのところの競争的資金のお話でございますけれども、担当課の思いとしましては、先生の仰ったまさにそういった資金が必要ではないかということで、概算要求を目指しているところでございますけれども、ただ、様々な諸事情、財政事情であったりいろいろありますので、実現できるかどうかというのもあります。ただ、新しいものが仮にできなかったとしても、既存の様々な競争的資金がございますので、そういったところを活用するということも含めて、先ほど説明資料の中の最後の15ページのところで書かせていただいております、2つの重点戦略分野と10の戦略課題というものを強力に推進していきたいということで、このような形で記載させていただいているところでございます。
【大垣部会長代理】 どうぞ。
【長我部委員】 2個目はよくわかりました。1つ目の質問に関しては、今後への課題ということで、成果のところに今後やるべきことが書いてあるということですが、読んでみますと、あまり課題らしい表現はなく、ほぼ順調にやってくださいという書きぶりだったので、課題というと、何かもう少し重大なことがあるのかなというようにも読んだのですが、多少工夫した方がいいのかなとも思いました。
【大垣部会長代理】 はい。
【神谷委員】 よろしいでしょうか。先ほどの北川さんのご質問に対してSACLAの方への応援演説をさせていただきたいのですが、多分当初計画のスペックについて、今特に波長以外は何も書かれていないというご質問だったと思いますが、多分このような施設は、きちっと性能を出すのにまだ何年もかかると思います。当事者は性能を1年で出したいと思っておられるのかもしれませんけれども。それと、加速器の性能が上がったとしても、ここでいう基盤技術、光を利用する技術についても、多分何年もかけて開発していく必要があると思いますので、今後、達成するであろう性能や、当初の性能の達成度は現時点では書けないのではないかなと思います。
それと、年度計画の中で、調整運転のあと、24年から供用運転と書かれている表もありますが、実際は、数年間にわたって、調整運転という言葉が悪ければ、性能アップのスタディ運転といったものを並行して走らせるようにすべきだと思います。
以上が応援演説で、次に質問をさせていただきますと、SACLAの運用、利用形態について、文章では書かれてありますが、パッと見てわかるようなポンチ絵があるとよいと思います。組織的にみると、理化学研究所と、JASRIが関わっており、更に文部科学省でも利用の戦略会議などを設置されており、またコミュニティも当然関与してくるわけで、そこら辺が素人にもパッと見てわかるようなポンチ絵があるとよろしいのではないでしょうかと思います。
【大垣部会長代理】 何かコメントありますか。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 まず体制等々については、ポンチ絵の作成を検討させていただいて、なるべくわかりやすい形でお示しできるようにしたいと思います。
それから、スペックのところに関して若干補足させていただきますけれども、事前評価と中間評価の細かい文言を読み解くと、非常に微妙な書き方がいろいろされていたという経緯がございまして、そこのスペックについてどこまで細かく見ていくかというものも、確かに事後評価としてはあるのかもしれませんが、ただ、計画として目指していたものについては、最短波長が発振できる施設を平成22年度中に完成するというのが端的に言った目標だったと思います。これにつきましては、施設の完成は一応平成22年度中にできた。ただその後の発振が平成23年度に入ってしまい、0.06ナノメートルまではまだいっておりませんけれども、世界最短波長の0.10、その後0.08ナノメートルまで達成しているということで、当初考えていた施設の性能を持ち合わせた施設というものは平成22年度中に完成したということが言えると考え、このような表現とさせていただいているところです。
実際今後の調整の中で、節電などいろいろある中で、最大のパワーをまだ出せてないところがありまして、それが今後秋からの調整で出していければ、当初言っていたような輝度であったり、パルス幅であったり、そのあたりが実現できていくのかと思います。ただ、何せ世界でも2つ目という施設、日本では初めての施設でありますので、そこは少し調整でいろいろ出てくるところはあるかと考えております。
それからあと1点、コヒーレント性についてですけれども、こちらも中間評価と事前評価のときも少し難しい書きぶりが幾つかされていたのですが、技術的なご説明をさせていただきますと、コヒーレント性、簡単に言うと波をそろえるというようなイメージですけれども、空間的な意味と時間的な意味が2つ入っているいます。空間的なものというのは、まさにいろいろな光の波というものが、普通ばらばらなものをレーザーとして1つにまとめ上げるといったようなイメージですけれども、こちらにつきましては、今の開発してきた施設の性能でかなりいいところまでいくのではなかいということで進めているところです。
一方、時間的なコヒーレントについては、これは新しい装置を開発しなければできないというのが当初計画からわかっていた話でして、この評価書の(2)「成果」の中にありますIです。なお書きで書いてありますが「コヒーレント性を高めるシーディング技術」と言っている技術、これがまだ世界的にもみんなが目指しているところでございますが、最先端の技術ということで、こちらのXFELの計画の中では、平成23年度以降、早期に実用化を目指しながら開発を進めていくというのが中間評価で書かれていた内容です。ですので評価においては、そもそも平成22年度までにこれを実現するということを目標にしていたわけではないというところがございます。よって、全体の評価としましては、最短波長が出る施設としての完成ができたかどうかという観点で、この事後評価というものをまとめていいのではないかと、今回記載させていただいているところです。
【大垣部会長代理】 ありがとうございました。よろしいですか。
他には。どうぞ。
【樫谷委員】 この事後評価というのは、開発をして、それが終了したというときの評価ということですね。今後の運用や展望等についていろいろ書かれていますけれども、この評価は、例えば理化学研究所がこれを実際運用すると思いますけれども、そこの評価でするということですか。つまり、今後の方向性、いろいろと書いてありますけど、これはそうなっているのかどうなのかは、どこでどう評価するんですか。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 今後の評価をどう進めていくかというお話であると思いますが、事後評価と書かせてはいただいておりますけれども、これだけの大きなプロジェクトでありますので、当然この部会で今後もフォローしていくということが大切になりますし、そもそもこういった大型プロジェクトにつきましては、文部科学省においては大体5年に1回評価をやっていくという形にもなっております。また、こちらで課題といいますか展望として今後こういったことをやっていくべきではないかということに書かせていただいていることについては、これを踏まえて、設置者である理化学研究所であったり、このプロジェクトを推進するためにつくっております戦略会議の方でもフォローしながらやっていくという体制になります。今後5年先なのかまだわかりませんけれども、適当な時期にまたこういった場で評価を行うということが考えられております。
【樫谷委員】 いいものができたらやるというのはありますけれども、今後の使い方の方が大事だと思いますので、ぜひフォローの方、よろしくお願いいたします。
【大垣部会長代理】 大勢挙がりました。そちらから順番に。
【若槻委員】 先ほどから出ています性能に関してですけれども、もともと最初に計画を立てたものに対してどうなっているかということに関しては、時間的に若干の遅れはあったものの、できたものに関しては非常に優れたものができた。世界的に見ても、アメリカ、ヨーロッパのものに比べて特によいものができているのだと思います。例えばパルス、100フェムト秒以下と書いてありますけれども、実際に何度かFEL、SACLAを拝見させていただいて、そこで開発された方のお話をお聞きすると、実際には10ぐらいまで出ているという話も聞いていますので。それから、強度も確かに、これはピーク輝度という意味で仰っていると思いますが、ピーク輝度で、10億ではないかもしれませんけれども、何桁も落ちているわけではなくて、結構近いところに到達していると聞いていますので、そういった意味ではもう少し具体的に数字を書いても十分に高い評価を得られると思います。
それから、欧米との違い、競争という、装置の方に関しては、スタンフォードが先行していますけれども、スタンフォードのやり方とSACLAのやり方、実際の光を使って性能を評価している、電子ビームの評価だけではなくて、そこから出てくる光の評価をしているということからすると、随分前に進んでしまっているのかなと思うのです。そういったことはもう少し積極的に書いてもいいかなと思います。具体的な数字は、私、かなりアバウトな数字しか今申し上げてないですけれども、その辺は補足をされた方がいいかなと思います。
【石川所長】 理化学研究所の石川でございます。今具体的な数字ということがございましたが、ある意味でこれだけ強くなりますと、正確な数字を出すところが非常に難しゅうございまして、大体オーダーとして目標としているところの非常に近くにいるなということは、我々、かなり確信を持っているのですが、きちんと論文に書けるような数字を出しなさいと言われると、もう少しいろいろなことをやらないとしっかりと論文に書けるような数字が出ないという状況であるということをご理解いただきたいということでございます。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。
【二瓶委員】 広報についてですが、資料3-1の最後のページに大変ご努力されているという様子が記されておりますが、いよいよ供用の時期に入るというタイミングにおいて必要な広報とは何かといえば、やはり利用研究の促進のための広報。そうすると、開発段階から、性能がどこまで来て、利用状況がどうなって、それがウェブ上でスパッと見えるようなことが必要だろうと思います。それと、ターゲットを決めて、ある学会に集中的に広報するとか。一般的なシンポジウムをなさっているようですけれども、そういった努力をするのが大事だと思います。私の立場としては、研究開発プラットフォームを検討している者から言いますと、ウェブ上の広報をもう少し具体的に検討していただいて、形をつくっていただくと。それが積み重なって全体のプラットフォームができると私は考えておりますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
【大垣部会長代理】 特によろしいですね。はい、どうぞ。
【南波委員】 先ほど話がありましたが、Eのところの書き方が多少強過ぎるのかなというところがありまして、先ほどのご説明のところからいいますように、Eの部分のところ、開発・利用研究・情報発信・運用、それぞれの部分のところに関して取りまとめて書かれた文章であると。先ほどのご説明ですと、特にシーディングの部分のところに関連して、開発の部分で中間のことに関連し、未達成――未達成と言うべきなのかどうか私も少しわからないのですが、もしそういった心配があるなら、ここのところをもう少しやわらかい形にして、例えば開発課題に関して一部今後の課題を残しているものの、利用研究・情報発信・運用等についてはすべて中間評価における指摘事項に適切に対応ができているというような感じにした方がいいような気がいたします。
【大垣部会長代理】 今の件に関して。どうぞ。
【若槻委員】 先ほど阿部さんからご説明があったとおり、私の理解では、世界的に見ても、SESE-FELでは、時間方向のコヒーレンスはないというのが最初からの出発点なので、一部の技術課題を残してといった言い方、もしそれがそこの部分を指すのであれば、それはむしろ当たらなくて、それは言ってみれば第2期計画でもともと考えられていたことなので、だから、ここまでの評価では、それに関してということであれば、私はむしろなくていいのかなと思うのです。それ以外のものということであれは、もちろんいいのかなと思うのですが、そこは具体的に、先ほど長我部先生からもありましたので、後から読まれる方が誤解されないようにしておいた方がいいかなと思います。
【大垣部会長代理】 今の件に関して何かご意見、よろしいですか。
そうしますと、開発のみ課題というので、それも要らないということで、「一部今後への課題を残しているものの」というのは必要ないのではないかというようにご意見が出たと理解できますが、よろしいですか。特に支障なければ。どうぞ。
【長我部委員】 もし書くなら、一部課題をという書き方ではなくて、具体性を持って書いた方がいいと思います。
【大垣部会長代理】 この様式が計画の達成状況とまとめて書くのと、あと成果と分かれていて、二重、三重に出てくる感じはあるので。後ろに出てきますよね、今後のそれぞれの、課題じゃないですけれども、今後すべきことで。そうすると、なくてもいいというのが今の皆さんのご意見のようですが。よろしいですか。
それでは、お待たせしました。
【瀧澤委員】 この事後評価案の具体的な文字面の話でなくて、質問ですけれども、情報発信に関しては、今後新たな成果が具体的な研究の中で出てくる上で、世界1位のものが出てくるのではないかと思って、一国民として非常にわくわくしています。
それから一方で、SACLAにおいて期待される研究成果ということで、この緑の図の横紙の3-1、それの15ページ目に重点戦略分野、2つ挙げていられますけれども、こういったことをやられると、今まで見ることができなかった世界を見ることができる。新しい世界が見ることができて、世界的な学術の分野で非常に貢献していくのではないかと期待しているのですが、一方で、ここで書かれているように、産業化、それからイノベーションの推進といったことが強調されていると思いますが、具体的に利用研究のこちらの事後評価票のQのところ、利用研究のところで、「欧米との激しい競争状況の中、利用研究を強力に推進し先導的な成果創出を実現するには、競争的資金による研究資金の集中投資などを通じて」と書いてありますが、この内容が少し私には、具体的にどういったことを目指されているのかというのがわかりにくいように感じました。私なりに2つイメージしまして、どちらかではないかと思いましたのは、これだけの施設をつくったので、やりたい人はどんどん集まってきてくれと、で、自由にやってくださいというような基盤をつくりましたので、さあ、どうぞ、とやっていくのか、それとも、もっと国が更に積極的に関与して、誘導していく形で新しい産業界との結びつきまでして、積極的にそういったことをやられていこうとしているのか。その辺の立ち位置というのが、私の勉強不足もあってわからないのですが、今後国としてはどのようにこれを実際の産業化に結びつけていくために推進していこうとしているのかどうか、ということを教えていただけたらと思います。
【大垣部会長代理】 それでは、2ページのQの件ですね。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 まず産業利用につきましては、将来的に是非、利活用していってほしいというところがありますので、当初からそういったことを念頭にいろいろなことを進めるべきではないかということを戦略会議等々でも議論してまいりました。戦略会議、それからその前にあった推進会議においても、産業界の方にも一緒に参加していただいていましたけれども、その際に出てきた声としましては、産業界としてはまだ成果が出てない施設、何かすごそうだけれども成果が出てない状況下においては、企業としてすぐに投資するというのはなかなか難しいところがあると。ですので、できるだけ早く目に見える成果を出してほしいと。そうすれば、企業でも、これを使うということを積極的に考えられる、そのようなお話をいただきました。そういったことも踏まえまして、また、まさにこれをどう使っていくかという利用方法そのものも一緒に開発していかなければならないというのが、多分この当面数年間の課題になってくるものと思いますので、その意味では、競争的資金も含めて、国としてこれを積極的に、できるだけ早期に、何か成果を出していただくという体制を構築していくというのが非常に重要ではないかと考えているところです。
その中で、競争的資金も含めてどう活用していくかというところですけれども、おそらく競争的資金ができたとしてですけれども、1人の研究者の方がたった1人でこのSACLAを使って研究ができるのかというと、多分そういったことにはならなくて、アメリカであれば、50人、60人ぐらいの体制を構築するようなチームが研究をやっているような状況でして、試料をつくるだけのために研究をする方や、解析する方、出てきたデータをソフトウェアか何かで解析するとか、いろいろなチームを組んでやっているという状況もありますので、そういったチームを組むような体制で是非やってほしいと考えています。そのあたりを文言的には、設置者、登録機関、利用者が一体となって進めてほしいということがそこに込められた思いであります。
この辺の方針につきましても、戦略会議の中間報告におきまして、こういった方向性でやっていくことが当面必要だということを明記させていただいておりまして、この方向で進めていこうと考えているところです。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。どうぞ。
【瀧澤委員】 国民的な期待としては、これだけすばらしい施設をつくっていただいたので、創薬ですとか、グリーンイノベーション関係の産業分野に一日も早く役立てていただくように、効率的な仕組みづくりを含めて、国でぜひ強く関与して進めていただければと思います。
【大垣部会長代理】 どうぞ。
【小谷委員】 情国民に向けて沢山の情報が発信されているのは感心いたしましたけれども、外国への情報発信はどの程度やられているのでしょうか。研究者コミュニティだけでなく、産業界等も含めてということで。
【石川所長】 一般的な意味での海外への情報発信という意味ではそれほどたくさんあるわけではなくて、英語のホームページがあるのと、あとは、ほとんどがいわゆる学会、ワークショップ等を通じての発信になっております。
ただ、そうはいっても、このSACLAのためにアジアの国々と毎年定期的なワークショップをいたしておりまして、台湾、韓国、あと最近では中国、オーストラリアが入って、そういった方々にこれからどうやって使っていただくかということをかなり戦略的に考えるようなワークショップを毎年行っております。
【小谷委員】 どうもありがとうございました。特にアジアへの発信は大切だと思います。若い研究者が日本に来るようにということもありますし、日本の産業だけではなくて、アジア、もしくは広く世界の産業界にも利用していただけるような取組があるといいかと思います。
【大垣部会長代理】 ありがとうございます。
【長我部委員】 先ほどご説明のあった産業界への応用ですけれども、最初はコヒーレントなパルス光で観察を行うときに何が起こるかというフィジックスやケミストリーをきちんと理解できるような先導的なユーザーがきちっとこれをまず使うということが第一かと思います。それなくしてその後ろのアカデミックな研究も、おそらく産業利用もないので、まずそこをいかにクオリティの高い利用ができるかというところが鍵ではないかと思います。そういった意味で、戦略会議で利用の方法を検討されていますけれども、その中間報告に、いろんな方が一体となり利用研究を推進すると。そのとおりだと思いますが、一体となり推進するというのは、ある意味無責任にも聞こえて、誰が本当に責任を持ってこの装置に見合う成果を出すかと。そこのところの、実際はちゃんとしているのかもしれませんけれども、表現として、日本全体の中で一番クオリティ高く先導的な研究をできるユーザーに、この戦略分野で使っていい研究をするという具体的な、そこにお金をどのように入れるのかということも含めて、責任者であるとか、お金のファンドの充て方だとか、公募の仕方だとか、その辺が今の時点でどのぐらいクリアになっているか、教えていただけますか。
【大垣部会長代理】 いかがですか。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 まさに今制度設計といいますか、ご指摘のあったところについては、よく検討しながら仕組みをつくっていかなければいけないと考えております。一般的な公募については、秋から登録機関において公募が始まるため、現在それに向けた制度設計をしております。その中においては、この重点戦略分野、重点戦略課題にかかる提案をしてきているところについては、よくよく見て選んでほしいという話をしているというところもございますし、また実際にもし競争的資金という形になれば、課題の選抜がされると思いますので、そういった過程を踏まえて、よりよい仕組み、よりよい課題の選定というものを進めていければと考えておりますが、詳細につきましては、まだこれからよく検討していこうという段階にあります。
【長我部委員】 ありがとうございます。絡んでいる組織も、理化学研究所とJASRIと2つ絡んでいますし、これだけすばらしい装置ができたので、予算化も含めて、本当にいい体制をつくっていただければと思います。
【大垣部会長代理】 他には。どうぞ。
【伊藤委員】 これは平成18年から平成22年度の事後評価ということですが、それで終わりではなくて、これからまだ続くわけですね。平成22年度まではFELの発振を目指して装置が動かすということで大成功だったと思います。すでに平成23年からの次の5年計画が走っていると思います。今後、インジェクションシーディングによる世界にないFEL発振を期待します。これまで既に世界一の短波長発振は実現されましたが、SPring-8とのリンクやシングルモードFELが稼働すれば、オンリーワンのFELとして世界の研究者が播磨に集まることになります。FELは世界にあるけれども、播磨のFELでなければできないというような体制も必要です。また地球上に日米欧と3カ所ほぼ等間隔にあるFELの中で、播磨は特にアジアの方たちとの国際協力が不可欠です。アジアをまず核としてファンダメンタルな研究では世界を共同に引き込んでいくことが重要です。建設がまず成功した次の5年間は、そういった計画もこの会でも示していただけるとありがたいと思います。以上です。
【大垣部会長代理】 ありがとうございます。よろしいですか。
他には。
【樫谷委員】 この中の右下のほうに、XFELと何かというところ、右下の方に開発方針というものがあり、開発方針にコンパクト、安定性、信頼性と書いてありますが、これは達成できたと考えてよろしいですか。まだこれから検証しなければいけないものもあると考えてよろしいのでしょうか。
【石川所長】 現時点では非常にいいものができたと考えております。これは海外との比較でございますが。コンパクトというのは、先ほど申しましたように、外国施設の3分の1。安定性も非常にいいですし、信頼性も、少し難しい言い方ですが、フィードバックをかけないでもしっかりと動く装置ができたということでございます。これはフィードバックをかければもっと安定に動くような装置が間違いなくできたということでございますので、ここの開発方針のところに関しては完璧にできたと思っております。
【樫谷委員】 こういうのをここに書き込むことは難しいのでしょうか。開発方針に従って完成したわけですよね。一部書いてありますけどね。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 書き込むことは可能だと思いますので、今の視点も踏まえて修正させていただきます。
【大垣部会長代理】 どうぞ。簡潔に。
【若槻委員】 利用研究に関して私も、何人かの方が出されたように、これからどういう体制を立てていくかというのは非常に重要だと思います。欧米では、それなりの額の投資をすると、利用研究にそれに合わせた額のものを充てています。それから、同じサイトに研究センターを置く。ヨーロッパでいえばシーフェル、スタンフォードでいうとパルスや、幾つかの研究センター。播磨の場合には播磨研究所があるということだと思いますけれども、例えばスタンフォードの場合、私の記憶だと、たしか50億から60億ぐらいの研究費を競争的に出してきたと思いますが、本日の資料を拝見しますと、総額338億円。そのうち利用開発等にかかる費用を除くと358億と書いてありまして、その部分が、今10ページを見てお聞きしていますけれども、そこに書いてある差額というのが12ページに書いてある要素技術開発期、統合システム開発期で、10課題、5課題というとき、そこに使われた予算と思ってよろしいのでしょうか。仮にその答えがイエスだとすると、それ以上の額の研究費を今後数年にわたって、多分ヨーロッパ、アメリカとのアナロジーでいうと、少なくともそのぐらいはないといけないのではないかといった気がします。しかし、それをどうやって立てるかというのは、もちろん行政が考えることだと思いますけれども、こういった大きな新しい装置をつくったときの研究の体制というのはそのぐらいの規模のことではないかなと思います。
【大垣部会長代理】 阿部さん、何かコメントありますか。
【阿部量子放射線研究推進室長補佐】 額ですけれども、利用研究、12ページに書いております利用推進研究課題ということで、要素技術開発等に取り組んできた額については、今ご指摘のありました10ページの利用研究開発として黄色く塗られているところに小さく書いてある数字がそれでして、その額の合計というのが388と358の差額ぐらいになっております。
【大垣部会長代理】 よろしいですか。どうぞ。
【北川委員】 今後の展望のところにスパコン「京」との連携というのが書いてありますが、これは何か具体的なイメージがあって書かれているのでしょうか。というのは、スパコンのほうでは、従来の第1原理というか、与えられた微分方程式、与えられた数式で計算するというのを超えて、大量なデータを取り込んでいくということが考えられつつありますが、こちらの方でもそのようなのを考えられると、そこをうまく連携すれば、想定外の成果が出てくるのではないかと期待しております。
【石川所長】 我々が考えています1つの大きなテーマは、スキャッタリングデータからアトミックレゾリューションのイメージを出すというところでございますので。実はこれは、ある意味でフーリエ変換です。ですが、フーリエ変換だけど、問題は、スキャッタリングデータは全部位相が消えてしまっている。ですから、位相をリトリーブしてフーリエを行うような、かなり大きな計算をしていく必要があります。というわけで、これを神戸とつなぐことによって、で、我々の光は今60ヘルツ、1秒間に60発で出ていますので、その60分の1秒の間に神戸で計算をやって、戻していただいて、次のパラメータを決めて、次のデータをとるようなことができればいいなと考えております。
【大垣部会長代理】 よろしいでしょうか。
この事後評価票の位置づけが曖昧ではないですか。というのは、過去5年の事後評価ですよね。それに今後のといった中間報告に入るようなことが書き込まれているので、非常に曖昧です。全部に一々今後への、今後へのというのが出ていて、最後の今後の展望にまとめればいいようなことがそれぞれ入ってきてしまう。今回はこれでいいと思いますが、事務局の方で一度事後評価票の考え方をもう1回整理していただいた方がいいと思いますが。と感じたものですから、申し上げておきます。
他になければ、よろしいですか。
それでは、どうも大変熱心なご議論ありがとうございました。
それでは、これでX線自由電子レーザー計画の事後評価案については、本日いただいたコメントを踏まえて、後日開催される予定の第38回研究計画評価分科会に諮ることといたします。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議題は以上でございますが、事務局から何か連絡事項等あれば、お願いいたします。
【竹上基盤研究課長補佐】 ありがとうございました。次回の会議日程は未定でございますが、年内には第3回の部会を開催したいと考えております。後日、日程調整等を行わせていただきますので、よろしくお願いします。
以上です。
【大垣部会長代理】 それでは、どうも長時間ありがとうございました。
―― 了 ――
鈴木、大野
電話番号:03-6734-4098
ファクシミリ番号:03-6734-4121
メールアドレス:kibanken@mext.go.jp
Copyright (C) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology