資料3 次期科学技術基本計画に向けた基盤技術の検討状況について

1.文部科学省科学技術・学術審議会における議論
(1)総合政策特別委員会
定義:広範で多様な研究領域・応用分野を横断的に支える共通的・基盤的な技術
分野の例:ナノテクノロジー、光・量子科学技術、情報通信技術、数理科学、システム科学

(2)先端研究基盤部会基盤技術作業部会
調査検討事項:広範で多様な研究領域・応用分野を横断的に支える共通的・基盤的技術の戦略的な研究開発の推進方策について検討を行う。
作業部会予定:5月上旬に報告書をとりまとめ。
検討の方向性:基盤技術の候補について委託調査を基にマッピングを行う。必要に応じて、個別の基盤技術開発戦略を検討。

2.経済産業省産業構造審議会における議論
(1)産業技術環境分科会研究開発・評価小委員会
定義:基盤戦略技術:幅広い分野での新産業の創造に展開可能性のある波及効果の大きい汎用型キーテクノロジー
分野の例:IT・新原理電子デバイス、新材料・ナノテク、AI、ロボティクス、新製造技術(レーザー、触媒、IoT、生物機能利用等)、先端計測

3.総合科学技術・イノベーション会議における議論
(1)基本計画専門調査会
定義:様々なシステム化の取組の基盤として重要である、IoT、ビッグデータ解析、AI等の研究開発を進め、新たな時代に対応する共通基盤技術
分野の例:IoT、ビッグデータ解析、AI
留意事項:未来社会を展望し、時代を先取りする「未来への投資」として、科学技術を活かし、新たな価値を生みだす統合的で効率的な社会システム(超スマート社会)を想定した基盤技術


(参考)

「我が国の中長期を展望した科学技術イノベーション政策について~ポスト第4期科学技術基本計画に向けて~(中間取りまとめ)」(平成27年1月)(抜粋、下線を追記)
第3章 イノベーション創出基盤の強化
2.イノベーションの源泉の強化
(2)研究開発活動を支える共通基盤技術、施設・設備、情報基盤の戦略的強化
1  共通基盤技術と研究機器の戦略的開発・利用
広範で多様な研究領域・応用分野を横断的に支える共通的・基盤的な技術(共通基盤技術)は、我が国の様々な科学技術の発展に貢献し、また、我が国の基幹産業を支える重要なものである。科学技術が複雑化する現代にあって、こうした共通基盤技術の機能あるいは技術の組合せによる研究施設・設備や研究機器の機能・性能が、新たな知識や価値の創出を決定付けることも多く、政府が、民間企業等が単独では実施できない取組を見極めた上で、研究開発と関連する人材育成を先導していく必要がある。
(共通基盤技術の戦略的強化)
共通基盤技術やそれを支える科学の発見は、最先端の研究施設・設備等の登場を可能とし、科学技術に飛躍的な進歩をもたらすなど、多種多様なブレークスルーを実現することから、共通基盤技術の研究開発について、持続的に強化を図っていく必要がある。
このため、政府は、ナノテクノロジー光・量子科学技術情報通信技術などの共通基盤技術に関する研究開発、数理科学システム科学等の複数領域に横断的に活用可能な科学に関する研究開発を推進する。なお、研究開発に当たっては、これらの分野の科学技術そのものの革新のための研究開発を実施することはもとより、研究開発手法、関連する人材育成などを含めた研究開発体制の検討を行い、基礎研究から応用研究、産業利用に至るまでの広範なユーザー層のニーズを十分考慮に入れた研究開発となるよう留意して進める。
(研究機器の開発、調達の促進)
高度な共通基盤技術の組合せで構成された先端的な研究機器は、我が国の科学技術の発展を支えるマザーツールであり、こうした機器を持続的に生み出していくことは、我が国が高度な科学技術イノベーション力を維持し続けていくことにつながる。他方、こうした先端研究機器に関して、ライフサイエンス領域を中心に外国産製品の割合が年々上昇していることは、我が国の公的資金の効果的・効率的利用の観点からも重要な課題となっている。
このため、政府は、研究現場における先端研究機器の導入状況の調査、諸外国の研究機器の開発状況、国内外のニーズ分析等を実施しながら、ユーザー視点に立った上で、焦点を定めた先端研究機器の開発、普及を促進する。
また、公的資金の効果的・効率的利用の観点から、研究費における研究機器の共同購入や共用を一層促進する新たな取組を検討、推進するとともに、大学、公的研究機関における合理的な調達を促進するためのルールの検討等を行う。

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発基盤課

橋本、麻田

(科学技術・学術政策局研究開発基盤課)