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産業連携・地域支援部会(第21回) 議事録

1.日時

令和元年6月21日(金曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省15階15F1特別会議室

3.議題

  1. 産学官連携の最近の動向及び今後の論点について
  2. その他

4.議事録

【須藤部会長】  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから科学技術・学術審議会産業連携・地域支援部会を開催いたします。部会長の須藤でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の出席の委員の方々ですけど、定数17名のうち、現在12名の委員の方が出席されております。それから、30分程度遅れて佐々木委員が御到着されるということで、9名以上の定足数を満たしているということを確認いたします。
 それでは、最初に事務局から説明をお願いします。
【竹之内課長補佐】  初めに事務局の御紹介をさせていただきます。前回の出席者に加えまして、大臣官房審議官、高等教育局及び高大接続担当の玉上が出席しております。
【玉上審議官】  玉上でございます。よろしくお願いいたします。
【竹之内課長補佐】  続きまして、配付資料の確認でございます。本会議はペーパーレスとなっておりまして、タブレットの中に資料がございます。左と右のフォルダがございまして、左のフォルダの中に資料1-1、渡部委員御提出資料、そして資料1-2として鈴木様御提出資料が入ってございます。また右側のフォルダには参考資料が入ってございます。
 タブレットの資料に加えまして、本日、机上配付資料といたしまして1-3がございます。
 また、それに加えまして、御議論の参考としまして、これまでの部会での主な御指摘事項についても机上配付してございます。
 また本日、渡部委員からパンフレット2点についても机上に御用意しております。
 資料の確認は以上でございます。
【須藤部会長】  ありがとうございました。
 本日の議事でございますけれども、まず最初の議題としまして、産学連携の最近の動向及び今後の論点を議論したいと思います。それから次の議題の2といたしまして、その他ということで進めたいと思います。
 最初の議題1ですけれども、第6期科学技術基本計画の策定を見据えて、産学官連携の最近の動向、それから今後の論点につきまして議論いたします。
 まず本日、委員の皆様に加えまして、けいはんなリサーチコンプレックス事業におきまして、戦略ディレクタ・イノベーションハブ推進リーダーをお務めになっていらっしゃいます、株式会社国際電気通信基礎技術研究所、鈴木博之代表取締役専務に御出席いただいております。よろしくお願いします。
【ATR(鈴木)】  よろしくお願いいたします。
【須藤部会長】  渡部委員、それから鈴木代表取締役専務からの御発表の後、事務局からもう1つ資料がありまして、今後の産官学連携・地域科学技術政策の方向性の案につきまして説明してもらいます。その後、議論をしたいと思います。
 それでは最初に、渡部委員から説明をお願いいたします。
【渡部委員】  おはようございます。渡部でございます。お手元の資料1-1で説明させていただきますが、少し量が多いので、飛ばしながらやりたいと思います。
 最初のページ、一番右下のページ数で行きますが、3ページのところですね。これ、少し昔から私、こういうのに関わっているものですから、少し長い単位で見ますと、一番最初は1980年代から始まるんですけど、その当時って、大学と企業が何かやろうとすると、癒着という表現で新聞に書かれた時代がありました。30年で本当に、そういう意味では随分変わったと、そういう気がするんですけど。文科省の施策で、1987年で地域共同研究センターというのがあって、これが、雰囲気を少し変えるのに貢献したと思います。
 90年代は財政投入を科学技術基本法でするようになりましたので、その出口整備という意味で産学連携みたいなことが言われ始めて、知財の話も、そういうコンテクストで始まったわけですけど、この時点では、産学連携政策って、当時、まだやり方が政府も余りよく分かっていなかったんじゃないかと思います。結局、経済界というか、企業と大学の関係を、ゼロサムゲーム的になりがちなんですよね。ゼロサムゲームというのは、何か成長することがないと、結局どっちが得するみたいな話になって、当時、何か企業と大学を対立させて論点を作ろうとすることもあったと思います。そういうやり方で、ゼロサムゲームだった時代って、非常に不幸な時代がありました。
 ベンチャーはベンチャーで施策はやるんですけど、この当時、大企業とベンチャー企業との関係も、やや緊張関係があって、当時ベンチャー企業はスモールビジネスだから政策の対象にすべきでないという公式な発言をされた企業の幹部の方もおられたぐらいです。
 2000年代に入って、ベンチャーの施策というのが、平沼プランが一番インパクトがあったと思いますけれども、これが始まって、規制緩和の流れの中で、いろんなことが行われた。ただ、この時点でも、ベンチャー政策と、例えば共同研究推進とは別々の施策だったと理解をしています。
 次のページに入りますが、今、東京大学。きょうは私、未来ビジョン研究センターという研究者として出席していますが、大学の方の産学連携の責任者やっていますので、その関係の話を少しいたしますと、これ、東大の記事ですね。次のページ行っていただけますか。
 新聞記事で、私が担当したのは2015年からなんですけれども、まずベンチャーの記事を書いてほしいと思ったんですね。とりあえず、数えたことなかったんですけれども、ベンチャーの数、数えましたら200社ぐらいになっていたので、それを何とか発表しようというので、それが6月ぐらいに載ったわけですけど。その後ずっとベンチャーの記事と、それから大企業との連携の記事は別々に来るわけですけど、あるときから、本郷バレーという言葉なんかが出てきたときに、ここをエコシステム的な、後で御説明しますが、そういう捉え方を初めてしていただいたと。これが狙いですね。
 基本的に共同研究とか、ベンチャーとか、そういうようなことで1対1の関係ではなくて、エコシステムとして捉えて、それを大きくすることの中でプロフィットシェアリングをすると、そういう物の見方に変えていきたかったというのが、ある程度、実を結んできたところです。
 次のページでベンチャーの、東大の場合は、比較的早くTLOがベンチャーに対してライセンスするという活動ができたとか、あるいはUTECというベンチャーキャピタルと連携したとか、そういうのが功を奏したんですけど、比較的早くから立ち上がってきました。今、三百何十社かな。上場している会社が17社超えていますので、5社だけで今1兆円超えていますけれども、こんなレベルにはなってきています。ただ、アメリカのトップレベル、例えばMITのボストンのところの規模で比べると、桁1つ以上、まだ小さいという状態にはなっています。
 一方、次のページですけれども、大型の組織間連携はずっとやってきていまして、日立さんとか、NECさんとか。最近、ダイキン、東大の産学協創ということで、これで10年100億という規模になりました。
 一番最初に始めた16年のときは、本部で契約するのって54万だったですけどね。54万、次の年に1,000万円台にして、数千万になって、100億までいきましたと、そういうことです。もう1件ぐらい、100億というやつを今やろうとしています。
 次のページなんですけれども、これ、ダイキンさんなんですけど、10年の100億の中に、実は、右下のところでベンチャー企業との連携、東大発ベンチャーとの連携というのが入っています。これも重要で、そういう資源を大学の資源として見て、エコシステム全体の資源として見ていただいて連携をすると、そういう形をとっているということでありまして、これがなかったら、この規模、なかなかいかないかもしれないですね。
 次のページお願いします。オープンイノベーション機構もベンチャー創出とうたっているところがあります。
 次のページお願いします。結局、こういう形ですね。大学とベンチャーキャピタルとベンチャー企業と大企業が連携して、知識と人材と資金の循環をいかにして活発にしていくかということです。これだと市場が大きくなりますので、大きくなった市場の中とのプロフィットシェアリングを大学も受け取ると。そのプロフィットシェアリングの方法としては、例えばベンチャーのエクイティもありますし、いろんな形、知財のライセンスもありますし、そういうもののつながりを少しずつ、薄く広くつながりを作っていって、プロフィットシェアリングを大学に戻ってくるような形にすると、そういう考え方です。これはゼロサムゲームの世界は、もう超えているわけですね。
 次のページお願いします。ベンチャー関係、いろんな施策やっていますけど、これ飛ばします。起業家教育はベンチャー関係、非常に基本になる施策なので、これも大分前からやっていたので、非常にそういう意味では良かったと思いますけれども、この当時、いつだったかな。1999年ぐらいに、アメリカのこの起業家教育やっているところを、スタンフォードとか、いろいろ回ったことありますけど、その当時、日本は何やっているんだって、日本でこういうことをやっているのは聞かないと随分言われましたけど、今は向こうから日本の起業家教育は見えていると思います。
 次のページお願いします。今度は資金の方ですね。資金は今、特定研究成果活用支援事業という推進事業をやっていますけれども、これもコンセプトが、VC、ベンチャー企業、企業、大学の連携ということで、1号ファンド、今、250億の運用やっていますけど、これは直接ベンチャーに投資をしないんですね。ベンチャーキャピタルと連携すると。だから、4つのあれでいくと、大学とベンチャーキャピタルと連携して、1つは間接投資で、ベンチャーキャピタルのファンドにお金を入れて、そこから東大含めたベンチャーに投資するというスキームとか、協調直接投資という、ベンチャーキャピタルと一緒に投資をするというスキームとか、そういう形で、左上の三角形のところをやっているわけです。
 今度、2号ファンド。これ、出資事業、今、国会で何かいろいろ言われて、なかなか大変なんですけれども、2号ファンドは今度、大学と企業とベンチャー企業の関係で、企業と一緒にベンチャーを育てると、そういうファンドを作ろうとしていますが、これの規模を今、2014年ぐらいだと新規投資の規模って年額16億ぐらいで、今48億ぐらいいっています。2030年になりますと300億ぐらい。だから、企業数は今、東大は30社から40社ですけど、200社ぐらいにすると、ようやっとグローバル、米国のトップレベルに入ってくると、そういう計画です。
 次お願いします。そういうことをするために、やっぱり大企業さんとの連携というのは非常に重要で、経団連との関係では、当然、共同研究をどうするというのもあるんですけれども、東大と経団連でベンチャーを育成しましょうという会議を2016年からやり始めました。これが非常に良かったなと思うのは、もう本当にゼロサムゲームの世界ではない。だから、一緒に市場を作って、そこにコミットすることでリターンをもらうと、そういうので、横に並んだ共同作業という形になりますので、これが非常に今、全国の大学に広げてやりたいねという話を、ちょうど御相談をしているところです。
 次のページお願いします。SINETというので全国の大学つながっていますので、こういうのでデータとAIのビジネスプランコンテストをやりましょうというようなことをやって、これ4月に、AIサミットって日経さんのやつで、予選からやってみたんです。おかげさまで、北海道から、九州から、参加者があって、何か知らないけど、マカオ大学からも参加者があって、これは、来年度は規模拡大して、分野予選とか地方予選を経て全国大会ということにやろうとしています。
 次のページお願いします。ベンチャーに関しては、じゃあ大学がやる施策として何が重要かということですけれども、これはまずインキュベーション施設、これが非常に大事。起業家教育が基礎なんですけど、インキュベーション施設は非常に大事で、何かというと、バイオベンチャーなんかの場合は、大学だったらバイオの実験できるベンチャーが中に置けますけれども、東京の場合は、一歩外へ出て、どこかそういう場所を見付けようとすると、まず川崎か千葉まで行かないと無理です。だから、バイオベンチャーにとっては、大学の中に装置があるかどうかは全く大きな違いでありまして、さらに、ペプチドリームなんかもここにいましたけれども、学生さんですね。先生との共同でやるのが普通ですから、先生が近いというのもあるんですが、学生さん、それから大学の中にいることによって人が採りやすいとか、そういう意味で、インキュベーション施設ってクリティカルに重要だと。
 ところが、2007年に寄附で頂いたこの建物が、ずっと満杯状態だったんですね。だから、これを、もう拡充しないといけないということで、次のページお願いいたします。
 次お願いします。これ、ちょうど昨年の10月から入居開始した新しいインキュベーション施設で、アントレプレナーラボという、病院の古い、東大は今、容積率がないので、古い建物を改修して造りました。余りどこまで言うかあれなんですけど、これ、実は借り入れで造っているという、それぐらいの覚悟でやっているということなんです。
 ここの特徴は、バイオ、共用ラボというもので、要は、手ぶらで来てもバイオ実験ができると。自分でバイオベンチャー創って、その中に実験室作る必要ないというようなところとか、幾つかそういう工夫をして。これも造った途端に、ほぼ、もう今、満杯になってしまいました。ですので、需要はここ、本郷関係は非常に需要があります。
 次のページお願いします。これもパンフレット。これ、お手元に置いてあります。
 次のページお願いします。今、これはアントレプレナープラザというのを一番最初、50年以上前の。今の新しく造ったアントレプレナーラボ。柏にも2,000平米。それから目白台の、これ病院の跡地なんです。ここに1,700平米。全部合わせますと、今年中に1ヘクタール。後楽園球場ぐらいの面積になるんですが、少なくとも本郷は、これでも需要が賄えないですね。本当は、だからビル1棟ぐらい建てても、多分あるんだろうと思います。
 今、MITのケンダルスクエアの辺りのとの比較をしていますけれども、発展過程から見ると、あそこの15年ぐらい前の感じで。MITはエンダウメントの5%で毎年、周りの土地買っていたんですね。買っていっている中で、じゃあ、こういう施設にするとか、そういうことをやっていましたけど、同じことができれば、それぐらいの規模になるだろうと思っています。
 次のページお願いします。今あふれちゃっているので、キャンパスの外に結構ベンチャーが集積始まっています。この左の、ちょっと見にくいかもしれない。キャンパスの外に、いろいろ三角の矢印が、ベンチャー企業がいますよとかですね。そのベンチャーを支援するコワーキングスペースというのを、民間が10か所ぐらいありまして、全部合わせると2,000平米ぐらいになっている。我々、知っているところもあるんですけど、中身よく分からないところもありまして、ちゃんとやっていただくところは仲間にしたい。だけど、怪しいところがあるかどうかというのが、ちょっと心配をするわけです。
 なので、そういう意味では、これ、東大だけがやるということじゃなくて、仲間と一緒に地域でエコシステムを健全に育てていきましょうと、そういう概念で、東大もやるんです。東大やるのは右側のスタートアップ支援プログラム。これ、外でやっていますけど。FoundXというのは、実は卒業生とのネットワークを狙っていまして、チーム形成されるところに支援をすると。
 大体、東大の場合、コンサルなんかに行くのが結構増えていますけど、10年ぐらいたつと、やっぱりベンチャーやりたいと。そういう人たちに戻ってきてもらって、ここに接続すると、そういうような概念で。東大のそばに昔、チムニーという居酒屋があったんですけど。これ、御存じの方おられる。地下にあったチムニーというところ、それが廃業したので、そこに、これ造った後。これが結構良かったのは、昔の卒業生はチムニー知っていますから、何かチムニーの跡地がベンチャー施設になったそうだぞといって、ツイッターか何かでつぶやかれて評判になったみたいな感じでした。
 こういうのを自分でもやっているんですが、これ、東大だけでやる話じゃないので、ブランドロゴを作りまして、仲間にみんな、本当にちゃんとやってくれるところには外にライセンスすると、そういうことをやり始めようとしています。
 次お願いします。ここまで実例なんですけれども、じゃ、施策として、どういうことが今必要かという話をさせていただきます。
 次のページお願いします。これ、東大の話しちゃうと、東大は別でしょうみたいに言われますが、私、もともと別に東大の研究していたわけじゃないので、地域のエコシステムのこととかもやっていました。
 これ、昨年、経産省でやった報告書の中に出ているんですけれども、山形のSpiberですね。このSpiber1社、ベンチャーで慶應がやって、そこから、やっぱりエコシステム的なものが生まれつつあると思います。周りにいろいろ波及してきて、そこは海外との接続があって、やっぱり外国人が来るとかですね。そういう意味では、規模が小さくても同じような捉え方はできるんじゃないかと思っています。
 次お願いします。何が足りないか。特に地域、地方に行きますと人です。人の供給ということが最も重要でありまして、放っておくと今、もう人口減少で人がいない。地域の既存の中小企業も事業償却難しいみたいなところになっています。そういうところに、大学が人を供給する。新卒の学生を供給するということもあるんですが、大学の場合は、先ほどお話ししましたように、卒業生のネットワークですとか、いろんなネットワークがある。そこに働き掛けると、地域に人を供給するということを、役割を果たすことができるのではないかと。
 これを、例えば山口フィナンシャルグループなんかが地域でサーチファンドという、これ、人を連れてくるときに、その人に投資するんですね。投資した人が株を持って、会社を継いで、そのキャッシュフローからリターンを得るみたいな工夫。金融と接続するというのも非常に重要じゃないかなと思います。
 次のページお願いします。そういうのをアイデアとして、こういうのを書いていますが、人材供給機能。人材供給を最後にやろうとすると、人材紹介業ですね。今、人材派遣業とかそういうものについては、大学は出資が認められていません。これは前回、指定国立のとき、ちょっと議論しましたけど、民業圧迫みたいな話があって、認められていませんけれども、やっぱり大学が、その特徴を生かして、このベンチャーとかそういうところに、例えば、ある程度限定して、規制のサンドボックス使ってもいいんじゃないかと思うんですけど、そういうことをやっていくと、地域は非常に、実はベネフィットがあるんじゃないかと思っています。
 次のページお願いします。カーブアウト、スピンオフも、これから増えてくると思います。既存企業がスピンオフする。あるいは、東大の投資対象も、HOYAと東大がやった共同研究成果でスピンオフした会社も投資対象になっています。これって多分これから増えてくると思いますし、出島からのスピンオフというのもあります。
 こういうのが、エコシステムの中の重要なプレーヤーになりますので、1つは、次のページお願いします。大学と大企業がジョイントベンチャーを簡単にできるような制度というのも必要だと思っています。
 これ、実は今、経産省の技組制度を少し運用改善して、準備会社みたいなものを作ってもらう、作れるようにすると。今、技組は、実はベンチャーに株式会社転換できますので、それを使ってやろうということで考えています。これ、最終的に大学が株を持つことになりますのが、基本的にできる方向だと理解していますので、スキームとしては成り立っているんじゃないかと思います。こういうものを使っていくということですね。
 次のページお願いします。あと、ちょっと話は飛ぶんですけど、デザイナー、これが大学には必要だという話です。ちょうど今、知財本部の会合というのがあって、官邸で価値デザイン社会というの、日本の知財の政策のキーワードになっているんですけど、デザインをしないと、コスト事実の積み上げだと、さっきの10年100億とか何とかって話になかなかならなくて、やっぱり、それは価値を大学が提案しないといけないんですね。このときに、どういう人材が必要かと。デザイナーが非常に役に立ちます。今、出向で企業からデザイナーの方に来ていただいて、物すごく活躍していまして、さっきのuTIEのこのパンフレット、これも企業から出向していただいて、デザイナーの方に1週間で作ってもらったんですけど、これがあるかないかで、全然訴求が違います。
 次のページお願いします。ということで、今、資金供給の担い手、それから知識の供給。知識の供給は大学だけかというと、そんなことないですね。ビジネスモデルは外から来ます。産業界から来ます。そういう知識の供給を、いかにしてうまくやるかと。それから人の供給。これ、先ほど言いました人材派遣業を最終的には考えた方がいいんじゃないかと。それからデザインを行う資質ということで、それがうまく循環するようなツールを充実させることが重要かと思います。
 大体ここまでなんですが、次のページ行っていただきますと、もう1つ次のページ。あと3分で話をしたいことは、こうやって派手なプロモーションの話だけすると、実は、うちのこの本部の組織って、3分の1以上がリスクマネジメントです。これ、ベンチャーとかいろんなことをやればやるほどリスクマネジメントが大事になりまして、これやっていないとひっくり返ってしまうというのは、実感で本当に分かります。
 なので、そこは、次のページ。これ、実は、こういうことを2015年から始めるときに、海外の事例を随分調べまして、リスクマネジメントと、それからプロモーション、完全に車の両輪という考え方で組織を作ってきました。
 次のページお願いします。これ、実は今、一番親しくしているハーバードのコンプライアンスオフィサーとコンサルみたいな形で、いろいろリスクマネジメントの個別のやり方を導入したりとか、議論したりとか、そういうことをやっています。
 次のページお願いします。これは最近、利益相反マネジメント、学内のやつですね。
 次のページお願いします。今、やっぱりベンチャーも海外にどんどん、即出ていきますので、これ結構、やっぱりリスクがあります。
 次のページお願いします。詳しくはきょうはやりませんけど、アメリカの新興技術、emerging technology規制ということが始まっていまして、そういうことも踏まえて、いろんなことを考えないといけない。ベンチャーも、もう最初から考えないといけないわけですね。
 次のページお願いします。これも詳しくは説明しませんけれども、新しい規制が出てくること間違いないので、そういったのを分かった上で戦略作らないといけないので。逆に言うと、そうやってしっかりしたハイトラストのベンチャーという言葉を使うとしますけれども、そういうベンチャーでないと、海外とできないということになってくるはず。大学も、そうなんですけどね。
 次のページお願いします。私たちは、米国大学のハイリスクパートナリングの管理みたいなものを勉強していまして、こういうものをいろんな大学とも共有していきたいと思っていまして。
 次のページお願いします。まだ、これ今、企画中ですけれども、9月10日に今のハーバードのコンプライアンスオフィサーと、もう1人ぐらい呼んでこようと思っているんですけれども、こういうリスクマネジメントがどういうふうに行われているかということについて学ぶ機会も作ろうとしています。
 次のページ、次のページお願いします。ということで、最後まとめのやつが、この後ろにあります。
 以上でございます。
【須藤部会長】  どうもありがとうございました。
 続きまして、鈴木代表取締役専務より説明をお願いします。
【ATR(鈴木)】  おはようございます。ATR鈴木でございます。本日、このようなお時間を頂きましてありがとうございます。
 私からは、けいはんな学研都市におけるスタートアップ支援・事業化支援活動というタイトルでございますが、きょうは文部科学省様とJST様から頂いている、けいはんなリサーチコンプレックスというプログラムがございます。それにおける我々の取組を御説明させていただきます。
 次お願いします。まずは、けいはんな学研都市について簡単に触れますと、京都と奈良と大阪のちょうど真ん中にございます。写真で見ていただければ分かりますように、メインロードの左右に民間企業の研究所等が並んでいるというところでございます。
 弊社ATRは、ちょうどそのセンターにございまして、いろいろな企業さんとも連携しながら進めているというところでございます。
 立地の研究開発関連の施設数が142、研究者、職員数が1万弱、学生さんも1万8,000というところでございます。
 東ですと、つくばというのがございますけれども、それに比較して、民間企業が立地しているというのが特徴でございます。
 次お願いします。もう1つの特徴が、住民の方が非常にレベルも高く意識も高いということで、様々な実証実験に、過去10年を見ても、ここに示しましたように、いわゆるスマートシティという切り口で、非常に多く参画をしていただいております。エネルギーですとか、ヘルスケア、アグリ、モビリティ等々ですね。ですので、新しい技術を使ったPoCですとか、パイロットですとか、データをとるには非常に適した場所であるというところでございます。
 次お願いします。リサーチコンプレックスでございますが、左側にある黒字の部分がホームページに書いてあるところでございますが、ちょっと整理しますと、オープンイノベーションをバックキャスティング的な手法でエコシステムを作って、将来、自立化をするように言われております。それから地方創生にも貢献しろというところでございます。
 プログラムとしては今年度で終了ですので、今、かなり自立化を意識しながら進めているというところでございます。
 次お願いします。それぞれ今、我々のほかに神戸と、それから川崎の殿町、3地点が選ばれてやっております。それぞれゴールを決めてやっておりますが、我々としては、スマートシティというところに着目しております。ただ、従来のスマートシティというのは、かなり技術にオリエントしておりますけれども、もっと人間中心のスマートシティを作ろうと。特にけいはんな地区というのは、脳科学ですね。ブレインテックが非常に強いと。実際には、ブレインテックをもう少し幅広に捉えて感情計測とか、睡眠等々の技術を基に、ICTと組み合わせて、人間中心のスマートシティーをつくろうとしております。
 具体的に言いますと、いろんなサービスですとか製品を使っているときに、そのユーザーがどういうふうに実際感じているのかというのを測定して、サイエンティックバックグラウンドをとりながら新しい商品開発、サービス開発をしていこうと。さらに、その取組をサステーナブルにするためにエコシステムを作っていこうと、こういう考え方で進めております。
 次お願いします。この狙いを達成するために、リサーチコンプレックスの仕組みとしては、3つのチーム、ツールと呼んでおりますが、作って実施しなさいと言われております。異分野融合研究開発、人材育成、それから事業化支援というところでございます。けいはんなRCは、さらにイノベーションハブという新しいツールを作って、それぞれNICTさん、同志社大学さん、それから事業化支援は弊社と日本ベンチャーキャピタル、それから全体のイノベーション・エコシステムの構築としては学研推進機構さん、それと我々ATRで進めていると、こういうことでございます。
 将来的には、日本も随分豊かになり、物は豊富ですけれども、心の豊かさが随分欠けている。心の豊かさにつながるような事業を作っていく。将来は、いろんな方が、けいはんな学研都市に集まっていただく。特に、例えばブレインテックですとか、人間の感情ですとか、そういったものに基づいた新しい事業を起こしていく、あるいは研究をするというときに、是非けいはんなに来ていただくと。こんなことを夢見ながら進めているというところでございます。
 次お願いします。いろんなタイプのプレーヤーが参画しておりますが、一番キーとなるプレーヤーは、いわゆる参画機関と呼ばれているところでございまして、現在45機関が参画しております。ごらんいただけば分かりますように、先ほどの写真にもございましたが、けいはんな学研都市に立地する大企業、それから大学ですね。さらには東大さんも入っていただいておりますが、いろいろな種類の皆様が参画して、先ほど申し上げたようなことを期待して、オープンイノベーションを進めているというところでございます。
 次お願いします。我々は、先ほど言いましたように事業化支援と、それからイノベーションハブを構築していくというところで、何をしているかといいますと、いろんなプレーヤーがおりますので、そのプレーヤーの多様性を座組みの多様性といたしまして、さらに今、住民が参画する実証フィールドというけいはんなの強みを生かして、オープンイノベーションを促進していこうと思っております。
 もう少し分かりやすく言いますと、この式というか、グローバル掛ける企業掛けるベンチャー掛ける住民掛ける云々とございますが、それぞれ個別の数と、それから質を高めると。さらには、お互いのインタラクション、連携を強めるということで掛け算を付けておりますが、この積を最大化していくということを目標にしております。
 少し数字的な、これまでの成果を述べますと、過去2年半ぐらいでの成果ございますけれども、会社あるいは企業内のプロジェクト設立が10社、それから関連企業、ベンチャーを中心に資金調達は今7億5,000万ぐらいに来ているということでございます。
 我々の具体的な活動は、グローバル連携ネットワークを作りまして、もう日本だけで勝負してもしようがないということで、最初からグローバルを狙っております。スタートアップ支援、事業化プロジェクト創出支援、人材交流支援、それからコミュニティ形成・ブランド構築という活動をしております。
 次お願いします。まずグローバル連携の構築状況でございますが、国内161、国外100ということ。12か国でございますが、かなり濃淡ございますけれども、多様な連携、それから協力関係を構築しております。
 そのとき、どこでも組めばいいというところでなくて、一応、原則を3つ並べておりまして、相手もやはりイノベーションの力があること、それから、マチュアなところでなくて、我々と一緒に成長していくということで、成長の過程である場所ですね。さらには、けいはんな地区とマッチングがいいところということで、一緒に流れを作って、流れに乗って、パートナーとなっていこうと、こういう視点を定めまして、連携先をセレクションしているというところでございます。
 現在まで、キーの連携先としては4つございます。スマートシティでバルセロナ、それからブレインテック関連、それからスタートアップということでイスラエル、それからスタートアップ支援。これ、ERAというアクセラレーターと組んでおりますが、ニューヨークシティですね。それからAI、ロボットでカナダというところでございます。
 次お願いします。少し簡単に御説明いたしますと、バルセロナの、これはActivaというインキュベーターですね。バルセロナ市が行っているインキュベーター。2017年の11月にMOUを結んでおります。
 次お願いします。イスラエルイノベーション庁は、イスラエル経産省の傘下の組織でございまして、今年の1月に両国経産大臣立会いの下でMOUを結ぶ機会がございました。
 次お願いします。ERAとは、後で御説明するブートキャンプを毎年やっておりますが、今年行きましたときにMOUを締結したというところでございます。
 次お願いします。カナダとは、これもひょんなことから、大変レアなケースで、こういう機会を頂いたんですけれども、安倍首相とトルドー首相が、いろんな協力関係をディスカッションしている際に署名をする機会を頂いたというところでございます。
 次お願いします。具体的に何をしているかということを少し御説明させていただきますと、まずスタートアップ支援としては、いわゆるフィジカルな世界のアクセラレーションプログラム、これはKVeCSと呼ばれるピッチ会、それからメンタリング、投資家マッチング、さらには海外特別プログラム、ニューヨークあるいはバルセロナにスタートアップを連れていくということをしております。
 さらには、ウエブ上で各ベンチャーの2分間程度の紹介ビデオを掲載して、世界中から、24時間見られるような形を作っております。
 次お願いいたします。この2か年やってきたことでございますが、マンスリーのピッチのコンペティションをしております。毎月5社を選択いたしまして、これは日本語でピッチをしていただくと。その中から優勝あるいは特別賞含めて1社あるいは2社を選別いたします。そして、一昨年度ですと、1月19日にグランドフィナーレ。これはグランドチャンピオン大会。これは海外に連れていくことを前提としておりますので、この場合は英語でピッチをするということでございます。準優勝、優勝を決めて、さらに3社、合計で5社をニューヨークに連れていくと。昨年度も同様なことをやっております。
 次お願いします。具体的に、例えば昨年度何をしたかということですが、3月に1週間、5日間連れてまいりまして、これは我々のためだけに作ったプログラムでございます。朝9時から夜の9時までと書いておりますが、実際は木曜日の夜にニューヨークの投資家、エンジェルの100名程度集まっていただきましたけれども、その前で英語でピッチングをするということですので、ほぼ徹夜で皆さん、ピッチデッキをインプルーブしていくということを続けて、大変タフなプログラムでございます。
 その他いろいろなグループミーティング、それから個別ミーティング等、かなりシビアな状況で進めております。
 次お願いいたします。それが先ほど御紹介したSTARTUPSというピッチングサイトでございますけれども、我々としては、これを使って、日本のスタートアップと世界のマーケットをつなげていきたいということを期待しておりまして、現在73社を掲載しております。ユーザー数4,000弱、ページビューが3万、それからアクセスは54か国ですね。一番多いのがインド、2番目が日本という形になっております。
 2分間のピッチビデオのほかに、どこの国からの閲覧か、あるいはコメント等も記載できる、あるいは「いいね!」もマーキングできるということで、閲覧をしていただいた方々の情報や評価も見られるようにしているという状況でございます。
 次お願いします。このようなシステムを使いまして、バルセロナのActivaからも、このSTARTUPSというサイトを見て、バルセロナのエコシステムとマッチングの良い我々のスタートアップをセレクションする際の協力を得まして、昨年の11月に、けいはんなから5社のスタートアップを、バルセロナのSmart City Expo World Congressというスマートシティでは最大規模の展示会、それからカンファレンスがございますけれども、そこでブースを構え、さらにはピッチをし、あるいはB2Bミーティングをするということをしております。
 その前、10月にはバルセロナから3社のスタートアップをけいはんなに招きまして、同様な、けいはんなで行われる京都Smart City Expoというものに展示、ピッチ、それからB2Bミーティングをしているというところでございます。
 次お願いいたします。これは、先ほど言いましたように、けいはんなというのは大企業が立地しているものですから、いかに、この大企業の力をうまく活用して、さらにはスタートアップとのマッチングをするかという1つの取組でございまして、KOSAINNという日本人には覚えやすい名前を付けてございます。Keihanna Open Global Service Platform for Accelerated Co-Innovationというものでございます。
 この意図は、我々も実はいろんな失敗を繰り広げておりまして、もともと最初、まずシステムから作りました。ところが、このシステムに無理やりに大企業の方を協力を得ようとしますと、全く興味を示していただけなかったのですね。
 それからもう1つは、実は弊社も、けいはんなATRファンドという、我々の技術を世の中に出していくための47億円のファンドがございます。その活動をしておりましたときに、研究者というのは、やはり研究に興味があるものですから、事業化になかなか興味を持たさない。その際に、研究者に頼っておりますと、なかなか進展はしないんですね。ですので、いわゆるバックキャスティングじゃないですけれども、まず企業のニーズは何かというのを把握して、それを解決するために研究者あるいは事業家を組み合わせると、そういう仕組みでございます。
 ですので、企業は、自分のコアのテクノロジー、それからオープンのところ、オープンとクローズをうまく分けて、必要ならば海外のベンチャー、それからいろんな事業家の力をかりて、スピーディーかつ効率的に課題解決を進めていくと、こういう仕組みでございます。実際うまくいっておりまして、昨年度6件、現在はさらにプラスアルファ数件が動いているという状況でして、昨年度はなかなか、こっちから依頼して、是非やりませんかということだったんですが、1年やりまして、今はいろんな企業さんから是非やらせてほしいというところまで来ております。
 次お願いします。その中の1つで、砂を使って、しかも高床式、70センチぐらいの高さで農業をするという取組がございます。これをやりますと、ちょっと障害をお持ちの方も大変元気が出て、例えば車椅子の方が立ち上がったりする、あるいはストレスが減るというようなことは経験的に分かっておりました。あるいはホルモンの計測でも、そういうことも分かっておりました。それをリアルタイムに是非、感情計測とか脳活動の計測で、それを証明していこうということで、そのような技術を持っているイスラエルのベンチャー5社とシリコンバレーのベンチャー2社と連携し具体的には、例えば表情ですとか声、脳波、それからバイタルデータ、あるいは呼吸等の測定によって、これを確認していこうということでございます。
 次お願いします。さらには、やはりベンチャーというのも、ただ来てもらうというのも、なかなかいかなくて、来ると、こういういいことがありますということを言わないと来てもらえません。お金としては旅費と滞在費しか払っておりませんので、彼らにとって、その他のメリットがないとだめなんですね。そこで、我々けいはんなでは、ICTフェアというのを10月にやっておりますので、そこでピッチをして、いろんな企業さんとマッチングができるよというような話とか、展示もあるよということで、参加を頂いたというところでございます。
 次お願いします。先ほど参加していただいた1社のTEM、これThe Elegant Monkeysというスタートアップですが、バイタルデータを使ってストレスをゼロから10までの数字としてデジタル化するという技術を持っております。これ、実は日本の企業との協働も非常に経験がありまして、日本の企業ともマッチングがいいんですね。そこで我々、彼らから求められまして、是非MOUを結ぼうということで、1月16日ですけれども、結んでまいりました。
 次お願いします。これに基づきまして、さらに砂栽培による農業を使った大規模なPoCをやろうということで、今、5月から8月まで数百人規模の実証実験を進めております。
 少しだけ余計なことを申し上げますと、大企業とスタートアップをやるときの難しさは、先ほど渡部先生も関連のことをおっしゃいましたけれども、大企業はスタートアップを外注先と思うんですね。下請的な発想をします。ですので、日本の市場での経験はどうだとか、この会社はどうなのかということが求められ、なかなか難しいところがあります。それで弊社が、この会社は大丈夫だということを1枚紙を書きまして、それでうまく進んだというところでございます。ですから、なかなか、大企業がスタートアップと組む際に、そういう意識を改革していくということが非常に重要かなと思っております。
 次お願いします。我々イベントも、この2年半で90回以上開催してまいりまして、参加者が4,600名ぐらい。おかげさまで企業からの参加者が7割弱を占めるということでございます。スタートアップ関連が53回、参加者3,000名で、企業7割ということで、かなり興味は持っていただいて、これらのイベントで我々の考え方ですとか、事業内容を情報発信するということで、ブランディングということも、少しずつですけれども、できてきているかなと思っております。
 次お願いします。それから、コワーキングスペースも弊社の建物の地下に、小さいですけれども、作っておりまして、毎月5,000円を頂きながら運営をしております。おかげさまで、会員数は少ないんですけれども、今この5,000円の会費だけで回せるような状況になっております。
 リサーチコンプレックスのイベントもしておりますけれども、私として一番うれしかったのは、企業の若手が会社の仕事が終わった後にここに集まりまして、新しいプロジェクトを自ら進めているという自立的な、ボトムアップ的な動きが出てきているというところでございます。
 次お願いします。それから人材も、渡部先生おっしゃったように大変重要でございまして、実は弊社ATRは、1986年に設立されておりますが、それ以来、2,600名を超える外国人の研究者を雇用してきております。現在でも23%が外国人研究者というところでございます。特徴的には、アジアに偏らず、欧州、アジア、それから北米と、非常にうまく分散しているということでございますが、MIT、スタンフォード、それからフランスのグランゼコール2校ですね。それからカナダのCJCPというところと連携しておりますが、これを拡張して、ATR外のけいはんなの会社、それからさらには東京の会社まで、我々のノウハウと経験を提供して、人材を呼び込もうということをしております。さらには、研究だけではなくてビジネススクールとも、スペインを中心に組みまして、そういった人材も呼び込もうということをしております。
 次お願いします。ということで、昨年度までに、けいはんなリサーチコンプレックスを中心に、コアとなる4つの地区と、いわゆるインタラクティブな線的な連携というのはできてきたかなと思っております。これはこれでいいことですけれども、今年度これを更に改良したいと思っておりまして。
 次お願いいたします。何を狙っているかといいますと、もっと面的な連携にしたいと。例えば、けいはんなを経由して、イスラエルのベンチャーがニューヨークあるいはカナダで資金調達する、あるいはバルセロナで資金調達する、あるいはカナダのベンチャーがけいはんなを経由してバルセロナ、イスラエルに行くというようなことを実現しようと思っております。
 次お願いいたします。そのために、これ7月22日から開始しますので、今、一生懸命立ち上げているんですけれども、新しいアクセラレーションプログラム、KGAP+というものを作っております。これは、けいはんなの特徴でございます、企業とのPoCをゴールと設定いたしまして、日本あるいは海外の企業、スタートアップを10社を選んで、年に2回バッチを回すということを計画しております。
 現在、7月22日から開始するために、参画するスタートアップ等をセレクションしておりますが、今のところ、カナダ、ニューヨーク、イスラエル、バルセロナ、シリコンバレー、日本、全部から参加していただけそうな感じでございます。これをうまく実施して、ニューヨークあるいはバルセロナ等に連れていくということで、先ほどもくろんでおります面的な連携というものを、是非けいはんなをハブとして作ってまいりたいと思っております。
 次お願いします。ということで、我々の取組を御紹介させていただきました。どうもありがとうございました。
【須藤部会長】  ありがとうございました。
 それでは続きまして、資料1-3に基づきまして、事務局から御説明をお願いします。
【西條課長】  それでは、お手元にお配りしております資料1-3に基づきまして、今後の産学連携・地域科学技術政策に関する方向性についてということで、事務局の方で資料を用意させていただいております。
 前回、5月24日の部会におきまして、我が国を取り巻く社会環境の変化、特に6期として見据える対象となります2030年、これを中心にデータなどをお示ししながらお話をさせていただきました。その上で5期の達成状況、これも数字も出した上で見ていただいて、その中で特に産学連携・地域科学技術の成果を振り返った上で次期、次の期に必要となるものは何かということで前回も議論を頂いたところでございます。
 この御議論いただいた御指摘も含めてまとめたのが、この資料となってございます。
 それで、まず1枚目のところでございます。現状認識と書いてありますけれども、第5期基本計画策定時から、今までのところ、そう年数はたっているわけではございませんけれども、どういったような変化が起こっているかというところを、まず1)では、我が国と世界の構造変化という形で、上のところからサーッと下がる形で、どういう形の変化があって、それに対してどう対応していかなきゃいけないかというところを現状認識として、まず1枚目にはまとめてございます。
 我が国と世界の構造変化というところでございます。これはデジタル革命の加速度的進展ということで、知識集約型への変革の加速ということでございます。これは変革自身は当然起こってきているものでございますけれども、これがかなり加速をしてきているのではないかというところでございます。
 ②でございますけれども、いわゆるデジタル革命やグローバル化の進展によりましてイノベーションサイクルの加速。加速が起こっている、さらに、それによる将来の不確実性の増大と。こういったものに、どう備えていくかという視点も必要じゃないかというところでございます。
 それから3つ目は、まさにSDGs、持続可能な開発目標の企業戦略への取り込み。これまでも、こういった取組ございましたが、どちらかというと社会課題についてはCSR活動というようなところから、かなり最近は、もう企業戦略、経営の中核というところに入ってきていると。これはESG投資の加速というところも、そういった視点かと思います。
 また、これに加えまして、いわゆる少子高齢化、都市部への一極集中とか、労働力不足等の加速、それを背景とした地方創生の取組ということで、特に1つ、期待の高まりとも書いてございますけれども、地域の問題、課題というところが、この解決を図ることが、どちらかといえば課題であったものが、1つの強みになり、そういったものが世界、グローバル規模でいえばSDGsのゴール達成みたいな強みになっていくと、こういう変化も起こってきているというところだと思います。
 それから4つ目といたしましては、いわゆる新規事業の担い手として、きょうもお話しいただきましたが、スタートアップに対する産業界からの期待の高まり。経団連からの報告書におきましても、今年の2月に出されておりますけれども、Society5.0実現に向けたベンチャー・エコシステムの進化というような形で、いわゆる大企業掛けるスタートアップというような形で、先ほどもお話ありました、どちらかといえばバーサスというのではなくて、そこをどういう形でやっていくかと。先ほど渡部先生のお話も、東大と経団連の例のようなところもございます。こういったような、企業側から、産業界からの期待の高まりも、より大きくなってきているのではないか。
 また5つ目としては、企業における採用・処遇の在り方。複線的で多様な採用・雇用形態への移行の動き。特に通年採用の動きが出てきておりますので、そういったところが、大きな目で見た上での我が国と世界の構造変化ということで、その現状認識ということで書いてあります。
 それを踏まえた上で、産学連携・地域科学技術、こういったところに何が起こっているのか。特に前回示した5期策定時からの変化ということございます。
 1つ目は、価値創造に対する産業界から大学・国立大学法人への期待の高まり。これ自身はもともとありますが、これがより本格化していると。特に価値創造や社会的課題解決、これを目的とした大型の共同研究の増加。これ着実に今、増加傾向にあるという状況でございます。
 また、産学官におけるオープンイノベーションの進展や、様態の多様化と書いてあります。まさに1つのシンプルなモデルではなく、かなり複雑化している中で様々な形式があるというところが変化として出てきているところ。
 それから3つ目といたしまして、これは民間、大学、産学官と言っておりましたけど、そこに市民や顧客やユーザーも巻き込んでの社会的課題の解決を目指す活動の活性化。特にこれ、地域課題などについては、こういった動きが出ているというところ。
 それから4つ目といたしまして、本日もいろいろと発表いただきましたけれども、大学等における起業家教育・人材育成等を起点としたスタートアップ・エコシステム、これがかなり出てきているというところ。特に第5期からの進展という意味では、大学を起点とした、割と第5期のところでは中小企業と、またベンチャーみたいなくくりをしていたんですが、大学を起点として、かつスタートアップ・エコシステムという形になってきていると。こういったところが挙げられるのではないかというところでございます。
 次のページ、2ページでございますけれども、これを踏まえまして、次期科学技術基本計画に向けて特に議論が必要な部分というところで、これまでの御意見なども踏まえて取りまとめてございます。
 1つ目の丸は、第5期のポイントを書いてございます。まさに超スマート社会のモデルとしてのSociety5.0を提唱していくという形で、新たな社会を科学技術イノベーションが先導して生み出していくことを宣言というのが第5期のポイントでございますけれども、これを受けた第6期。もちろん、この流れを念頭に置いた上で、Society5.0の具体化を引き続き強力に推進すると。それの中で、大学等が中核となって価値を創造して世界をリードしていくために、以下のような取組が必要ではないかということで、大きくは4つのカテゴリーに分けて書いてございます。これまでの議論を通じて出た意見、こういったものを取りまとめた形にしております。
 1つは知識集約型社会を見据えた産学官連携の推進ということで、1ページ目の書いてありますところの、①、②、③の視点というところで書いてございますけれども、1つ目は、組織トップが関与する組織対組織の本格的な産学官連携の一層の推進ということで、これは第5期の中で、まさに組織対組織うたっておりますけれども、これを更に力強く進めていくと。OI機構などもスタートしておりますので、これを着実に進めていくことというところでございます。
 2つ目は産学連携施策、地域科学技術施策、スタートアップ政策の一体的推進の検討ということで、本日、渡部先生からもお話ありました、今までは産学連携、地域、スタートアップ、こういった形で、割とばらばらにやってきているのではないかと。そこを、ばらばらではなくて、イノベーション・エコシステムの要素として一体的に、これ取り組んでいく。きょう御発表いただいたところでは、まさにそういった動きが出ているということでございますけれども、そういったところをしっかりと進めていくということ。
 3つ目のところでは、価値創造に着目した民間企業との共同研究の在り方の検討ということで、いわゆる大学、研究機関でこその価値創造、こういったところを、どう民間企業とやっていくかというところの部分でございます。
 それから4つ目は、地方大学を含めた全体産学連携の底上げ、研究大学に特化しない支援の在り方。これは御意見頂いておりますけれども、いわゆるトップ層だけではなく、次の層への支援のシフトというか、こういったことをしっかり考えていくべきじゃないかということでございます。
 また大学等及び民間企業双方におけるインセンティブ設計の観点からの産学官連携を行う主体の在り方の検討。これは、ある意味、今少し話題にも出ております外部化というのもございますけど、こういった新しい体制、組織、こういった在り方をもう少し検討していってはどうかということでございます。
 これにも呼応しますが、大学等の出資法人、また出資制度。今の部分でも出資できる範囲ございますけれども、こういったものを広げるかというところに係る検討が必要なのではないか。
 また、その次には、この前、松尾総長のプレゼン頂きましたけれども、まさに国立大学の1法人複数大学制、また大学等連携推進法人、こういった新しい制度に対して、これを産学連携の部分で、どう活用していくのかというところです。
 一番最後のところにありますのは、まず民間での研究支援サービス、またESG投資、ソーシャル・インパクト・ボンド等の民間活用、特に民の活動の広がりというところが出てきております。官としても民を活用していくという観点で、こういった事業の新しい方式の検討が必要ではないかというところをまとめさせていただいております。
 2つ目のカテゴリーは、地域コミュニティが中心となって地域社会課題を解決し続ける好循環サイクルを実現する仕組みの整備ということで、こちらは先ほどの③の観点にはなります。第9期の、前期の産学連携・地域支援部会の中の地域科学技術委員会でまとめていただきました報告書で提言した地域科学技術の在り方ということでございますけれども、そこで提言された、地域を構成する多様なアクターが、そのセクターを越境して結集するABC、Actors-Based-Community、地域が抱える社会課題を大学等の人文・社会科学も含めた多様な知的資源によって自律的に解決し続けて、いわゆる社会的価値、こういったものを含めた価値創造による地方創生、ひいては地域の目指す将来像を実現するための仕組み、こういったものをしっかりと構築し定着していくべきではないかという点。
 それから次は繰り返しになりますのであれですけど、特にこういった活動をするには、ESG投資やソーシャル・インパクト・ボンドの活用、それから地域課題に取り組む新たなソーシャルビジネスの創出、こういったものが必要ではないかというところが2つ目のカテゴリーになります。
 3ページ目では、大学等を中核としたスタートアップ・エコシステムの形成ということで、こちら④の視点となりますけれども、起業家教育の中心となる大学を中核としたスタートアップ・エコシステムの形成ということで、大学における、特に起業家教育の裾野の拡大や中核大学へのアクセラレーター機能。先ほど鈴木さんからもお話しいただきましたが、こういったアクセラレーター機能、こういったところをどう充実していくかという点。
 2つ目のところは、またこれも繰り返しになりますが、新しい制度の活用。それから、これは特に今議論もありますような外部化みたいなところをどう考えていくかというところでございます。
 特に最後のところのESG投資、ソーシャル・インパクト・ボンド等の民間活用、これも繰り返しにはなるんですが、特にスタートアップ・エコシステムの形成というところでは、拠点化の際の自治体との関係、より自治体が主体となるような取組も必要になってくると思います。そういった中での、こういった活用が考えられるのではないかということで、ここにも書かせていただいております。
 4つ目が最後、研究マネジメント人材も含めた人材流動化の促進・キャリアパスの多様化ということで、1ページ目の⑤の視点ということでございます。これは、ここの委員会だけでクリアできる問題ではないと思いますが、これ非常に重要な視点でもございますので、こちらに挙げさせていただいております。
 リサーチ・アドミニストレーターの質保証に資する認証制度の構築。また、特に博士課程学生におけるインターンシップの活用の活性化。これ、橋本委員から前回お話も頂いております。
 また、クロスアポイントメント制度の一層の普及促進。
 それに加えて最後、これも繰り返しにはなりますけど、新しい大学の制度に対して、どういった活用をしていくか。特にマネジメント人材の流動促進みたいなところですね。これ、こういった複数大学制などが出てきますと、事務局の共同実施等も出てきますし、そこに伴う人事交流の活性化という、1つの大学では閉じない仕組みという形になってくると思いますので、こういったところも人材の流動化、また人材への対応ということで挙げさせていただいているところでございます。
 その他の視点といたしまして、特にこれは前回、高木委員のプレゼンの方でもお話ありましたけれども、特にイノベーションサイクルが加速したり、将来の不確実性が増大している中で、柔軟性を確保するという観点から、手法として、国の施策自身もトライアル。世の中の流れがスピードを持って、行政にもリーンスタートアップ的な手法を導入していくところも視点としては必要ではないかというところでございます。
 一応、これまで頂いた御意見等もまとめて、こういった形にしてはございますけれども、本日の議論を通じて足りないところ、また、ちょっとここが違うんじゃないか、また、こういうところを修正した方がいいんじゃないかというところがあれば、是非御議論いただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。
【須藤部会長】  ありがとうございました。それでは、ここから2件の御発表と事務局からの説明を受けまして、少し議論を進めたいと思います。御発表いただいた2人に対する質問でも構いませんし、御自身の御意見でも構わないと思いますので、よろしくお願いします。渡部さんは、もともと委員ですので、是非参加していただきたいんですけど、鈴木さんも是非、この意見の中に入っていただいて、議論を進めていきたいと思います。
 それでは、どなたかいらっしゃいますか。はい、お願いします。
【宝野委員】  けいはんな学研都市のスタートアップ支援のアクティビティー、国際的な連携をやっておられて、非常にインクルーシブなんですが、現在のところ、どの程度の出資金等が動いているんでしょうか。
【ATR(鈴木)】  国際的なところの出資は、まだございません。けいはんなに我々が何らかの関係で、支援ですとかサポートを含めて関係のある会社等の資金調達という意味では、7億5,000万ぐらいという形でございます。
【宝野委員】  じゃあ、それは連携のアクティビティーに使っていらっしゃる。
【ATR(鈴木)】  済みません。それは投資をされたお金でございますね。
【宝野委員】  それ、けいはんなさんが外国のベンチャー……。
【ATR(鈴木)】  済みません。外国についての投資、出資は今のところ、まだございません。そういう……。
【宝野委員】  現在は交流をやっているという考えですか。
【ATR(鈴木)】  はい。それを実現するための準備段階と言っていいか分かりませんが。
【宝野委員】  ですから、最終的な目的としては、投資を呼び込むという理解でよろしいんですか。
【ATR(鈴木)】  はい。是非呼び込みたいと思いますし、日本の企業が海外でビジネスをする際に投資ができるような仕組みというのも作れればいいかなと。それは、ただ、リサーチコンプレックスは、もう今年度で終了ですので、その後の話かなと思っておりますけど、そういったところまでできればいいです。あとは海外のベンチャーが日本でビジネスをするために投資できるような仕組み、両方兼ね備えられたものができたらいいかなということで、今、検討を開始したところです。
【須藤部会長】  じゃ、お願いします。
【三島委員】  今のお話に関連するんですけれども、これだけのアクティビティーを、これだけの企業、大学あるいは地域を巻き込んで、ここまでの活動をなさるときに、運営組織というんでしょうか、どうやって。こういうものを動かすのでしょうか。どのぐらいの人が、そういうことに専任しておられるのか。そしてどのように皆さんが協力し合っているのか。
【ATR(鈴木)】  ありがとうございます。それは大変、毎回受ける質問でございまして、我々の活動でいいますと、お金としては、けいはんなリサーチコンプレックストータルで今3億数千万、3億5,000万ですか。そのうちの半分弱ぐらいが我々の活動に来ております。きょう御紹介した活動については、人としては、メーンで動いているのは、私もかなり動いておりますが、3名とか、4名とか、そんなものです。
【三島委員】  ああ、そうですか。
【ATR(鈴木)】  はい。ですので、みんな、それ言うと驚かれるんですけど、めちゃくちゃ忙しいです。24時間メールも参りますし。
【三島委員】  いや、鈴木専務が御活躍なのは、お話伺っていて、よく分かりましたけど、合計で3名か4名で……。
【ATR(鈴木)】  もちろん、いろいろな別の仕事での肩書持った方々の協力を受けておりますが、メーンで働いているのは、本当に海外連携だと3名、そんなもんですね。
【三島委員】  はい、わかりました。ありがとうございます。すばらしいと思います。
【須藤部会長】  じゃあ、梶原さん、お願いします。
【梶原委員】  引き続き鈴木様へ質問させていただきたいのですが、先ほど今年で終わるので、自立化が重要だとおっしゃられましたが、自立化に向けて一番の課題になることは何でしょうか。
【ATR(鈴木)】  もちろん、いかにお金を、収入を得るかというところでございまして。ですから、サービスとして何を提供できるかということが重要になります。誰がお金を払うかというところもあるんですが、我々としては、できれば企業からもらいたいなと思っておりまして、そのためにサービス化をいかにしていくかということを考えております。
 最後に御紹介したアクセラレーション。アクセラレーションというと、もうちょっとシードとかアーリーのところを育て上げるというところがあるんですが、それですと、なかなか時間も掛かりそうですし、うまくお金も来ないだろうということで、もう少し進んだところのベンチャーというか、スタートアップを対象として、企業からお金を頂けるようなことを今、考えております。
 さらには、先ほどの三島先生の御質問ですかね。宝野先生ですか。我々、これ検討開始した話ですけど、投資できるようにベンチャーキャピタルを創れないかなと思っておりまして、かなり大きなものを創れないかということを今、検討開始しておりまして、それの管理費等も使いながら回していければいいかなと思っております。
 具体的には、例えばニューヨークのアクセラレーターと、そういう話はもう進めておりますし、あと、いろんな日本のそういう経験がおありな方とも定期的に話を進めているというところでございます。
 ピッチ会も今年度、実はもうやめたんですけれども、それは、お金にならないだろうと。イベントとしては非常にいいんですけど。ですから、その経験を巻き込んで、お金に換えられるようなKGAP+という、アクセラレーションという仕組みに作り替えたということでございます。
【須藤部会長】  どうぞ、高木さん、お願いします。
【高木委員】  引き続き鈴木様にお伺いいたしますが、リサーチコンプレックス推進プログラムのお話の中で、5年後、10年後のビジョンを描くというバックキャスティングのお話がありました。同じようなことを産業界、企業でもやろうとしますがなかなか難しい点があります。
 まず1点目は、研究者が研究を進めるときは、どうしても現在の研究の積み上げ、延長線上になります。バックキャスティングで下りてきた目標に対して、研究者がスムーズに研究に取り組めるようにするために、ガバナンス、あるいはマネジメントにどのような工夫をされていらっしゃるのかという点です。
 先ほどKOSAINNのところでも、研究費が事業化になかなか興味を持てないというお話がありましたが、この点を含めてお伺いします。
 それから2点目ですが、バックキャストでは将来実現させる姿を技術へブレークダウンする必要があると思います。例えばMOTの先駆者の児玉文雄先生のお言葉を使うと、需要表現ということになりますが、これは研究者とは全く違うスキルが要ると思いますが、専門部隊、専門家の方がいらっしゃるのかどうか。この2点について、お伺いできればと思います。
【ATR(鈴木)】  ありがとうございます。研究開発については別のチームがやっているというところもあるので、余り言えないところもあるかもしれませんが、まず企業、特にけいはんなというのは研究所がございますので。企業が興味を持っていただくというのは、そもそも自分たちができないもの、あるいはもっと、ですから先物ですよね、というものをテーマとして設定しない限り、こういう仕組みは、まず作れない。
 けいはんな、ありがたいことに脳科学ですとか、そういったところが強いものですから、人に関わるような、人がどう感じているのかということを主題にテーマ設定いたしまして、それが結果的に5年、10年後の企業にとっての事業のネタになるであろう。そういう、ある意味、うまくテーマ設定ができたかなと思っております。
 脳科学というのは、弊社も非常に得意でございますけれども、NICTさんですとか、いろいろなところも非常に盛んでございます。
 ちょっと余談になりますけど、我々も研究施設のfMRIが日本全国でどのぐらい各地にあるかというのを調べました。その結果、都市伝説では関西は脳研究強いんだというのがあったんですが、実際調べてみますと、関西にfMRIが多いんですね。研究用です。ですので、それは多分間違いないというところもありまして、関西の特徴、さらにはけいはんなの強みを生かせるテーマ設定をしたということで、企業にとっても将来的な価値創出という期待がうまくできたというところでございます。
 それから、その一方で、企業さんは個別の課題を持っております。それはもう少し直近な課題でございまして、それは必ずしも研究機関が今進めているような最先端の技術を必要としないものもございます。その結果下手しますと、研究所にとってコンペティターになってしまうんですね。ですので、ベンチャーと研究所がコンペティターにならないような形で、どううまく設定するのかというのは非常に重要でございまして、考えたのは、技術があるから何かやりませんかというよりは、企業の課題をまず先に設定して、企業の強みをクローズにするところと、足りないところはオープンにして、外から持ってきて早くやってしまうという、それが弊社の課題でもあり、けいはんな学研都市の課題なのではないかということで、KOSAINNというものを作りまして、これが、やっぱり日本の企業ってなかなか当初は食い付きは良くはなかったんですけれども、おかげさまで今年度になりまして、東京の企業も含めて、向こうからお話を頂けるようになってきたというところでございます。
 それから専門は、そうですね。あえて言えば、いろいろな企業のOBの方、特に研究のOBの方、あるいは事業を国際的に活躍されたOBの方が、あの辺の地区にはおりますので。ですから、いろんな研究、各テーマにはコーディネーターという形で就いていただいていますし、あと私も実は研究者でずっとやっておりまして、あと自分で勉強してやっていると。試行錯誤しているというところでございます。
 回答になっているでしょうか。はい。
【須藤部会長】  ほかにございますか。はい、どうぞ。
【宝野委員】  渡部先生に1つ、お尋ねしたいんですけど。大学の場合、ベンチャーにつながるような研究成果というのは、大学院生の方が貢献していらっしゃることが多いと思うんですけど、例えば教員の方が起業されたりした場合に、大学院の学生さんがそのベンチャー活動に参加する、あるいは大学院の学生さんが自らベンチャーを立てる、そういったケースはあるんでしょうか。
【渡部委員】  あります。ありますが、教員が創ったベンチャーについて、その研究者の大学院の学生が参加するという構造は、一応、その利益相反のマネジメントの対象になりますので。これはアメリカの場合でも、MITでも、アカマイですね。アカマイに自分の研究室の学生を送って、そこで秘密情報に接して、大学で試験をやったら、それはコンフィデンシャルアグリーメントに引っ掛かるから試験には書けないとかという事件が、1990年の初めぐらいにあったんですよね。その手のマネジメントは基本的には重要なので、それは対象にしていると、そういう考え方ですね。
【須藤部会長】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ、はい。
【栗原部会長代理】  渡部先生に質問させていただきます。大企業とベンチャー企業の結び付きが非常に強くなってきているというお話があったかと思いますが、その中で1つの資金的なエコシステムとして、大学と大企業がベンチャー企業に共同投資をするというやり方もあると思うのですが、その際の大学が出資をする時の課題、それから逆に大企業が出資をする時の課題について、何かお感じになることがあったら、教えて頂きたいです。なかなか、大学側も出資のしづらさもあるかと思いますし、大企業も出資の出しづらさというのもあるのではないかと思います。
【渡部委員】  まず言葉の整理です。出資ということと、それから大学が現在ベンチャーに対して投資をしているという、これはスキームがちょっと違うわけです。いわゆる出資については要件が、例えばTLOに対する出資あるいは特定研究成果活用支援事業に対する出資、株を持っていいと。それはあるんだけれども、それ以外がだめですよね。そこの意味では、自由に、いろんな事業法人に対して大学が出資をしてということが今できませんので。
 それに関して、先ほど人材派遣業は、そういう意味では対象にしてもいいんじゃないかと。これ、指定国立のときにちょっと議論したことあるんですけれども、さっきの話で、これは、厚労省関係にもなるからかもしれないんですけど、民業圧迫みたいな話になったんだけれども。でも、そのときはざくっとした形だったから、例えば、このベンチャー・エコシステムで、特定の要件の人材派遣業みたいなことであれば、例えば、それを認めるという考え方でやるのか、あるいは規制のサンドボックスみたいな考え方でやる考え方もあると思うんですが、そういうことで認めていっていただくといいんじゃないかなと思います。
 投資の方も、これは今、大学が出資した会社の投資事業ということは、かなりやりやすくなっていますので。これは、例えば大企業との関係でいうと、まず共同でジョイントベンチャーができるかというと、今、そういう意味では出資の要件があってできないという問題がもう1つあって、それを今度、技組法を運用改善して。技組って一応、法人で、組合員がベンチャーに転換する、株式会社に転換するときに、株を持てるんですよね。それを使うと、事実上、株を持った形になると。今の文科省の長期保有、株の長期保有が基本的に認められればジョイントベンチャーができると。そこに対して投資を外からというか、大学の投資事業会社が投資をするみたいな、かなりいろんな自由度が、バリエーションが出てくるので、そこまで持っていければいいかなという感じがします。
【須藤部会長】  はい、どうぞ。
【江戸川委員】  江戸川でございます。関連するところでコメントさせていただきたいんですけれども。
 大学が今エクイティを保有するって、ベンチャー企業のエクイティを保有する手段としては、主にライセンスの対価として、新株予約権を取得する。あとライセンスの対価じゃないケースも最近は出てきているわけなんですけど。
 ここですごく議論になるのは、ベンチャー企業でベンチャーキャピタルから投資を受けているような会社というのは、大概、日本の場合は上場を目指しているわけなんですけれども、上場時にストックオプションプール、ストックオプションの比率が10%以内に収まっていることが望ましいと。それはなぜかというと、ストックオプション持っている方は、ストックオプションの行使価格よりも株価が上がれば、権利行使をして株式市場で売ると確実にもうかりますので、やっぱり、その分だけ売り圧力が掛かってしまうということで、その比率が高過ぎると、上場してすぐに株価は下落するという現象が起きる可能性があるので、その比率は高くならないようにということで、今10%を目安とした資本政策を組むわけなんですけど、そのせいで、大学がエクイティを持つ、持てるパーセンテージというのは、従業員とか役員へのインセンティブとして、そのストックオプションの10%を使おうとしているので、どうしても、すごく低くなるんです。会社を創ったときに、大学の知財の寄与度というのは極めて高いわけで、例えば1%は低過ぎるんじゃないかと大学の方、おっしゃるケースが多いわけなんですが、事例としては1%ぐらいのケースが多いということで。この辺のバランスをとっていこうと考えると、渡部委員の御提案されたジョイントベンチャーの、こういう新しい技組を少し改正して、大学が持ち分を持てるような仕組みというものを導入していくというか、活用していくということは、すごく重要だと思います。
 一方で大学が、例えば議決権の過半数を握るなんていうことがあると、非常に大学としてもマネジメントが難しくなると思いますし、ベンチャーの経営としても、余り望ましい体制じゃないということはあると思うので、何%ぐらいだったら持ってもいいのかというところの議論は今後必要かなと思いますけれども、先ほどの課題をクリアするという意味では非常に有効な方策かなと感じております。
 以上です。
【須藤部会長】  ほかにございますか。
 今の上場の話が出ているんですけれども、例えば上場するときの基準みたいなのは、おのおのお持ちなのかどうか。それは完全に各社に任せちゃっているのか、あるいは、例えば東大なり、けいはんなで、ある程度基準を持っているのか。そういうのはいかがですか。
【渡部委員】  基準。基本的に上場するかどうかというのは市場の方の問題。ベンチャー自身が、例えば上場を目指すか、あるいはM&A。イグジットは上場だけではありませんので、M&Aでやっていくのか、あるいは、これはベンチャーじゃないんだけど、中小企業になると、そういう3つぐらいあるわけですよね。それは会社の経営の考え方なので、そこに対しては我々は、例えばインキュベーション施設に入ってもらうときに審査をするわけです。入居審査をするときには、基本的には成長性のあるところを中心に入居していただくことにしますので、やっぱりイグジットを目指している会社ということを念頭に置いて事業計画を見ます。
 ただ、大学の支援するべき事業というのが全てイグジットを目指さないといけないわけでもないなということは一方であって、エコシステムの中で、中小企業なんだけど非常に重要な役割を果たすと、そういう会社もあるんですよね。
 今、話がちょっとあれするんですけど、基本的に今のインキュベーション施設は、やっぱりイグジットを目指す会社にいてもらうつもりなので、そういう会社になるんですけど、今みたいに非常にエコシステム上重要なんだけど中小企業になるという会社も、何かの形でサポートしないといけないなということは一方であります。今、学内のインキュベーション施設満杯なので、そういう会社用には外に何か施設作ろうかと思うんですね。そういうことも考えます。
 いずれにしても、それは会社の考え方です。
【須藤部会長】  何か最近、余り売り上げも伸びていないのに上場を目指して、安易に上場する例が本当多いなと思っているんですよね。だから、その辺は、もうちょっと。ベンチャーの在り方なんですけどね。
【渡部委員】  上場も早ければいいというものでは必ずしもないです。
【須藤部会長】  そうですよね。
【渡部委員】  これ、やっぱり上場してしまうと、株主さんに対する責任があって、いろんな意味で思い切った研究開発戦略が続けられなくなったりとか、そういうことはあり得るので。そこは資本制度、VCが入ると、どうしてもイグジットは急ぐ方向になるんですけれども。そういう意味で、逆に言うと、出資事業のようなお金が、例えばあれ、ファンドが15年ファンドですから、少し中長期で支えてあげて、無理して早く上場しないでもいいような環境は。大学発ベンチャーの場合、特にバイオと、それから宇宙が今、東大多いんですけれども、そういうのは必要ということで、それは役割は分担してやるべきだと思いますね。
【ATR(鈴木)】  けいはんなというか、ATRの取組ということになるんですけれども、先ほど申し上げたように、けいはんなATRファンドというのは2015年の2月に47億円、何とか集めまして作りまして、そこの出資、今、十数社ですね。15億円強ぐらいでしょうか、20億円弱ぐらい。これは実は10年のファンドなものですから、その間にベンチャーキャピタルとしては、どうお金に換えていくかというところは求められます。
 それで、大きく分けまして2つぐらいあるんですけれども。そうですね。それでGPは日本ベンチャーキャピタルさんがやっておりまして、弊社はLPであり、弊社の技術を使っているか、あるいは将来使いますかというのが投資の条件ですので、そこの認定をしているというのが我々の役目でございます。
 それで会社としては2種類ありまして、1つは弊社の技術を使う、既にある既存の会社に投資すると。社長さんを連れてくるというよりは、既に既存のある会社に新しい事業、あるいはその既存の事業を強化するために弊社の技術を使うと。そういうところへ出資ですね。
 もう1つは、弊社の所長が自ら起業家となって会社を創るというのも実は2件ぐらい出てきておりまして、それも大変、我々としてはありがたいなと思っております。
 今狙っているのは、もちろん会社の社長次第、あるいはベンチャーキャピタリストの見込み、それから先ほど言いましたように10年、2024年までに、どういう絵が描けるかということですので。もちろんIPOを狙っているところもありますし、なかなか弊社だけではできそうもないところは多分M&Aになるのか。それは、例えばですけれども、既に会社さんが人とお金を、そのベンチャーに送ってきていまして。ですので、多分そこの会社がM&Aをするのかなと思っているところもあります。
 それから、もちろんこれは10年以内にうまくいきそうもない会社もありますので、それはどこかに、譲渡すると言ったら変でしょうかね、少額のお金に換えると。今そのぐらいの3つに分かれて、早いものですと多分、ここ一、二年で上場できるかなというのが見えてきていると、そんな形でございます。
【須藤部会長】  ありがとうございました。
 ちょっと時間も迫っているので、3番目、西條課長から説明のあった資料なんですけど、これを次回あたり、まとめなきゃいけないので。特に2ページ目、3ページ目に第6期の基本計画に向けて、この会として何らかの提言みたいなのをまとめたいと思っていますので、この辺に対する御意見をお聞きしたいんですけれども。先ほどの2件の発表を踏まえた上でも結構ですので。じゃあ、佐々木委員、お願いします。
【佐々木委員】  九大の佐々木です。2つの発表ともすばらしかったと思いますし、いろいろ議論も聞かせていただきました。
 それで、この3の資料で感じたことなんですけれども、きょうの冒頭の2つの講演で改めて思ったのが、世界の動きに東大さん、それからけいはんなさんが必死に頑張られているというのはすごく感動いたしました。他方、これ話聞いて、多分、東京と関西はできるかなと。三大都市圏以外が、これにどこまでついていけるかなというと、かなり厳しいなというところを感じますし、地方ですと、こういうのをできる人材もなかなかいないというところがあると思います。
 なので、是非、今後のこの施策を考えるときに、多分、東大さんみたいなところですと、むしろどんどん建物も造ってとか、そういうところで国の方もサポートしていただければと思いますし、地方と三大都市圏で共通するものとしては、例えばアクセラレーターを作るとか、外部化をしやすいように制度を整えるというところもありますし、地方の方では三大都市圏みたいなことはできませんけれども、むしろ三大都市圏から経験のある方が来ていただく、そういうのをポストを作れるような、何らかのそういう支援をしていただければ、日本全体でバランスよく、こういう施策が広がっていくのかなと思います。
 そういうことも少し書いていただいておりますけれども、是非そういうところで、うまく三大都市圏とそれ以外を分けていただいて、それぞれの地域ができることをやれるような施策にしていただきたいのが1点目です。その中で当然、外部化というのも議論になってくると思います。
 2つ目は、この話を聞いて、きょうの議論を、例えば我々の教員の現場の会議に持っていきますと、多分、誰もついていけないような教員が実は9割以上と思います。ですから、ちょっと日本の大学の現場から議論が乖離しているなという印象も同時に持っております。なので、こういうようなイノベーションの取組をしていることが、現場の先生方になかなか伝わらないんですよね。ですから、大学の中に、こういうことをやっている方が、いろんな現場に入っていただいて、是非、ある種の内部化というか、やっぱり中に入っていただいて、そこから大学の意識も変えていくという両方もあってもいいかなと思います。今、外部化の議論もありますけど、内部にこういうのを取り込んで、大学の中を変える動きにもなっていただければなと思います。
 そこは私、非常に楽観的でして、むしろ学生さんは、大企業に就職して、勉強して、将来は自分の会社を創ろうというのが彼らの夢になりつつあります。ですから、学生は、実はどんどん変わっているんですね。だから、一番変わっていないのが大学の教員かなと思いますけど、是非こういう動きを、まず成功事例を日本で作っていただいて、日本の大学の現場にも波及させていただくような施策にしていただければと思いました。
 ちょっと全体的なことを発言させていただきます。
【須藤部会長】  ありがとうございました。梶原さん、お願いします。
【梶原委員】  1ページでは、デジタル化やグローバル化が進展しているという表現がありますが、2ページ、3ページには、グローバル化という観点が余り見えていません。日本からグローバルに出ていく、あるいはグローバルから人を呼び込むという人材の流動性の観点もあると思います。また、どのような知を使っていくのか、あるいは先ほど地方創生の話がございましたが、それぞれの特性をいかして地方を興すために人を呼び込むという観点もあると思います。先ほど渡部先生からもグローバルの話がいろいろありましたが、2ページ、3ページのところで、もう少しグローバル化の視点を入れてはいかがでしょうか。
【須藤部会長】  ありがとうございます。どうぞ、鈴木さん。
【ATR(鈴木)】  ありがとうございます。先ほど佐々木先生がおっしゃったこととグローバルも絡めてなんですけれども、けいはんなというのは三大圏からすると、実はかなりリモートな場所にございまして、なかなか都市、東京とか、大阪の中心、あるいは京都の中心と、ちょっと違うんですね。30分、あるいは1時間弱で来れるんですけど、やはり私も最初行ったときは遠いなと思ったところでございます。
 ですので、そのためにアクセラレーションプログラムを作る際に、ほかとどう差別化、あるいはけいはんなの特徴を生かせるかということで、PoCですね。それは実際、生活現場を使って、いろんなPoCができるというところが、なかなか実証実験を、都市部ですと、できにくいのかなと思っておりますので、そういう各ローカル、地方都市でも、その特徴を生かしたようなゴールを設定することで出せるのかなと思いました。
 例えば我々もニューヨーク等も付き合っていますと、ニューヨークはテクノロジーなんかどうでもいいんですよね。テクノロジーなんかデッキの中では書かなくていいから、どういう御利益があるか書けと。シリコンバレー行くと、もっとテクノロジーになると思うんですけど。
 それからイスラエル、我々、実は組もうと思ったら、スタートアップも、それからブレインテックも強いというのはあるんですが、我々としては、やっぱり人をこちらに呼び込みたかったものですから。イスラエルって、御案内のようにマーケットがすごく小さいので、そもそもビジネスを国内でやっていくという視点はないんですね。ですので、今いろんなところに出ているイスラエルの連中を、けいはんなが魅力的だと思ってもらえれば、けいはんなに来てもらえるだろうと。
 それが少しうまくいきつつあって、今実際、先ほど御紹介したように実証実験も進んでおりますし、ほかの企業も、けいはんなに随分興味を持っていただいているということですので、デメリットをメリットに変えるというか、特徴化するというようなことを、それからどこをターゲットするか。シリコンバレーですと、なかなか来てくれないと思うんですけれども、それぞれ場所によって特徴、外国もありますので、その辺を逆手にとって、うまく利用するということもあり得るかなと思います。
 以上です。
【須藤部会長】  ほかに。じゃ、渡部さんからお願いします。
【渡部委員】  資料の中にSDGsのコメントが入っていましたので。これ、やはり非常に重要で、ここ1年ぐらいで企業のSDGsに対する認知というのは大分進みまして、一昨日、ちょうど私、会長やっています日本知財学会という学会で、新規シンポジウムでSDGsと知財で企業の人たちが300人来るようになっています。これをどういうふうに産学連携の中で取り上げていくかということなんですけれども、MDGsと違って、それは先進国の含めた話であるんだけど、一方で、やっぱり発展途上国系の話って、産学連携の中でも、実は案件は、そんなに多くはないけど、結構あるんですよね。東大の場合はWASSHAという会社が、アフリカの電気のランタンみたいなやつを供給するようなビジネスとかやっていまして、ほとんど事業はアフリカ市場しかやっていないんだけれども東京にいます。
 というようなベンチャーとかとうまく、その考え方、SDGsに沿ったような施策を展開するときのパートナリングとして、本当はJICAがもう少し連携をしてくれるといいなと思っているんですけれども、JICAさんも余りそういう経験が今までなくて、東大との関係でいうと、まだ成果がうまく出ていない。この辺なんかは政府の何か枠組みの中で、そういう仕組みを作っていただくと、本当はいいんじゃないかなと思います。JICAも結局支援はするんだけど、最後ラストワンマイルで、本当に事業になって定着してサステーナビリティになるところまで余りやれていないんだと思うんですよね。本当は、そこはベンチャーが担うといいんだろうと思うんですけれども、そこはちょっと工夫をするべきだなと思います。
 それから、この1ページのところですね。下から③の、これ大事なのは、市民と書いてある一言のキーワードが非常に大事なんですけど、ここを、やっぱり、まだ施策としてですね。東大も、ここはやらないとなと思っているんですけれども、どういう形で、この市民を産学連携活動のようなものに巻き込んでいくかというスキームは、ちょっと工夫しないといけないのではないかなと思っています。
 これ、実はちょっと検討していることがあって、あれですね。お笑い芸人を使った何か施策とか、ちょっとそういうのも今、検討しようとしているところもあるんですが、これも少し、いろいろアイデア出して、施策にしていく必要があるんじゃないかなという感じがします。
 それから、一番最後のその他のところで、イノベーションサイクルの加速及び将来の不確実性の増大と。国の施策へのトライアル的・実験的観点の導入って、これも一言書いてあるのは非常に大事な話で、基本的に、さっきの指針の話もそうなんだけども、全部を変えるというのが、やっぱり、すごい重いんですよね。日本の法律って、そもそも、そういう意味では欧米、大陸法系で、物すごく、そこ重くてですね。これは今、突破しようとすると、さっきちょっと触れましたけど、規制のサンドボックスは、1つは、そういう規制系のものだと、そういうのがあるなと思っています。これは内閣府でやっていて、まだ件数それほど多くないですけれども、法解釈していくわけですね。法解釈していって、この案件で、これに限定すれば、そこには当たらないからというので突破するというような格好なんですけど、そういうようなツールを規制緩和系以外でも、少し試しにこれはやってみようみたいな。大体、規制緩和系でも読めるんじゃないかと思うんです。さっき林先生と、それこそ法務省の施策にも、そういうのができないかみたいな話があるんですけど、こういうのは、やっぱり、ちゃんとチャネルがあって、こういうことをやりたいので、ここ引っ掛かるといったときに、割に、そこは抜けるかどうかというのはベンチャーにとっては極めて大きいですよね。
 ベンチャーの方々のニーズって、いろいろなニーズがあるんですけど、規制をやっている政府の人とつないでくれって結構多いです。逆に言うと、それぐらい、やっぱりネックになっている。厚労省系のやつとかですね。そういうのがありますという話です。
 それから、ここに、もし加えるとすると、さっき地方の人材不足の話というのは私の話の中でも、人材供給をいかに地域にしていかないといけないかということがネックになるわけですけれども、経団連は兼業、副業に関して、ベンチャーとかの関係でいうと、比較的そこは前向きに進めようとしている。この間の2月の報告書にも、そこ書いてあると思うんですけれども、そういう兼業、副業ですね。
 それで大企業の、例えば地域の拠点にあるようなところとか、いろいろある。それから、自分の出身地ですね。出身地の仕事をやっぱりしたいみたいな話もあって。これ、山口フィナンシャルグループに聞きますと、そういうことで呼び掛けると結構、やっぱり兼業、副業の話で、地域に役に立ってもらう。これ、中小企業の支援という格好でやっているケースもあるようです。だから、兼業、副業みたいなものも1つ、その地域の人材供給のツールとして、あり得るんじゃないかということを加えさせていただければと思います。
【須藤部会長】  ありがとうございました。先ほど手を挙げ……。じゃ、林さん。
【林(い)委員】  ありがとうございます。大分、渡部先生のお話とかぶるんですけれども、まず第1点目としましては、この次の計画を立てるに当たっては、スピード感ですね。結果を出すスピード感の観点というのを入れるべきだと思います。その意味で、新しいことについては、先ほどサンドボックスというお話もありましたけれども、全国一律の制度設計についての全員の合意形成ができるまで始められないということではなく、まずは先端を行っている分野、地域からスタートして、それを選択肢として増やしておいて、手を挙げるところの方々は使えるようにしていくと。その状況において、競争の観点から自分もやっていかなきゃいけないと思うところは、そこに参加していくという在り方が、自主的な努力を促す意味でもよろしいのではないかと思います。そのスピード感の観点を、この計画の中に盛り込んではどうかというのが1点目です。
 それから2点目。先ほどグローバルという視点とおっしゃりまして、私も、まさに、そのグローバルという視点が大事だと思います。「グローバルに出ていく」とか「人の交流」ということに加えて、「グローバルに考える」という視点も是非入れていただきたいと思います。皆様も海外で研究されたり仕事されたときの御経験からもあると思うんですけど、今でも、一旦海外に行くと、いかに日本が日本だけで考えていて、日本以外のところで考えているのと、本当にパラレルワールドのようになってしまっている分野がたくさんあります。政策考えるときに、「グローバルに考える」という視点を持つべきではないかと思います。
 それから3番目ですが、新しい計画の下で新しい政策を入れるということと同時に、前の計画で入れた施策についてのPDCAとして、どんな課題があって、その政策の成果が出ているのか、いないのかということをしっかり捉えたうえで、その政策を改良して書き換えていくべきではないかと思います。例えばクロスアポイントなど。先ほどの兼業のお話も、今期の規制改革でも答申の1つに入れているんですが、クロアポの件も、もっと進めるためには、どこが課題になっているので、どういう形で発展させるかということを検討してはどうかと思います。
 4点目、最後です。先ほど「けいはんな」のお話の中で、住民の方が、例えばスマートシティの観点でバイタルデータをとることに協力したりとか、いろいろされているという良いお話がありました。そういう市民の巻き込みという視点では、特に人生100年時代と言われるシニアの方たちが、本当のバリバリの研究とか、バリバリの企業人というのでなくても、市民とそことの中間ぐらいで、完全な収入ではないにしても、お金ゼロではないという形で関われるような、そういうプログラムをもっと増やしていけると、毎日家にいて暇で病気になっちゃうより、今までの経験を生かして、みんなが生き生きと健康的に長生きできるというのにもつながるんじゃないかと思います。
 以上4点を御提案したいと思います。
【須藤部会長】  ありがとうございました。第5期のPDCAの件は私も気になっていて、前回、たしかいろんな資料をデータベースで出してもらったんですけれども、やっぱり、まだ途中の状態なので、どうしてもデータとなると、2年ぐらい前、3年ぐらい前のデータしかそろっていないので、なかなか第5期がどうなっているのかって難しいんですけどね。やっぱり、それをちゃんと評価しながら第6期作っていかないといけないと思いますので。いろいろと事務局には私の方からもお願いして、前回あれだけ資料出してもらったんですけど、今後、さらにその辺は注意してやっていきたいと思っています。
 どうぞ、はい。
【宝野委員】  前回もちょっと申し上げたんですけど、やはり企業と共同研究をやっていく過程で、研究に従事する人ですね。大学等であれば、やはり主に大学院生になると思うんですけど、信頼できる、持続的に研究をやっていくには博士課程レベルの学生が必要であるということになってくると思います。その中で、やはり博士課程学生におけるインターンシップの活用とか活性化とかには言及されているんですけど、日本で博士課程の学生が圧倒的に不足している、多くの大学院で定員が割れているというのは、博士課程の学生に対して正当な給料を払っていないということだと思いますね。ここをクリアにすることによって、博士課程に進学する学生も増えて、それで産業界との共同研究にも充てていけるということで、かなり重要な案件だと考えます。
【須藤部会長】  ありがとうございました。木村委員。
【木村委員】  資料の3の視点のところで、地域を構成する多様なアクターが、そのセクターを、結集してというところがあるんですけれども。けいはんなの事例が先ほどいろいろご紹介がありましたが、けいはんなが面白い事例だなと思うのは、大学が中心になっているというよりは、例えばATRさんをはじめ、研究所が中心になりながら、地域巻き込んで進めているというところです。
 委員の事前のコメントの中にフラウンホーファーの事例がありましたが、大学だけの中に産学関連の全ての機能を結集するとなると、いろいろひずみが出てくる部分がある。ATRさんは完全に株式会社ですので、実はリサーチコンプレックスのプログラムは、株式会社には研究費用は出せないというルール上の規定があって。ATRさんが持っているグローバル連携とか、ベンチャー支援に注力されるということで、プレーヤーとしてリサーチコンプレックスの中に入られている。研究所には実は研究だけじゃない、もっと違う多様な能力を持っていらっしゃる部分があって、今回、ATRさんの場合なんかは、ご紹介があった形で成果が出てきたのかなと思います。
 もちろん大学が持っているリソースというのはすばらしいものがあり、それは核とならざるを得ないだろうと思いますが、それプラス、もっと多様なアクター、たとえば研究所群等の能力をうまく引き込みながら、地域ならではのエコシステムを作っていくということができれば、非常に面白いエコシステムができるのではないでしょうか。けいはんなの場合は、そういう1つのモデルケースになってもらえればいいかなと思います。
【須藤部会長】  ありがとうございました。じゃあ、お願いします。
【江戸川委員】  スタートアップ・エコシステム、何回か表現がこの中に出てくるので、こちらについてコメントしたいんですが。確かに最近、大学を中核としたスタートアップ・エコシステムというのは出来上がってきて、非常に盛り上がっているわけなんですけれども、数年前と比較して見たときに、最近、やっぱりSaaS系とか、AIとか、割とすぐにキャッシュフローを生み出すような、軽いけど時価総額が高くなりそうな会社というのが増えてきているというか、そういうビジネスモデルの会社が出てきて、学生も盛り上がっているという印象を持っていまして、こういう流れの中では、やっぱりベンチャーキャピタルさんも、そういう会社に投資した方が、少額の資金で早く成果が出てくるので、そこに注目度が集中する可能性があるわけなんですよね。
 その反面、ディープテック系のベンチャー企業というのは、ずっと変わらず、やはり長い時間、多額の資金を研究開発に投じていかないと事業化までたどり着けないというような状況にあるので、やっぱり大学を中核としたスタートアップ・エコシステムを考えるときに、起業家起点とかベンチャー起点で考えるものと、会社を創る前の大学のプロジェクトをどう事業化していくかという、会社創る前の段階というんですかね、の大学のプロジェクトに注目した領域と、これ、2つ分けて、しっかり政策的にも見ていただく必要があるかなと思っていまして。特にディープテック系に関しては、例えばJSTのSTART事業なんかは非常にうまくいっていると思いますけれども、あれが始まったときに比べると、やっぱり大企業がかなり大学のプロジェクトをサポートしようという機運も高まっていて、大企業のオープンイノベーションの熱が高まったことを、ああいった事業にもきちんと反映していくというんですかね。大企業を巻き込んで、大企業の事業を大学のプロジェクトから創っていくんだというような目的意識を持ったプロジェクト運営というのも必要なんじゃないかなと思いますので、そのあたり、会社を創る前のプロジェクトのところのサポートというのも注目していただければと思います。
 以上です。
【須藤部会長】  はい、どうぞ。
【長谷山委員】  北海道大学の長谷山です。本日のプレゼンテーションをお聞きして、第5期で新たな社会を生み出すと宣言して進めてきたことの成果と感じております。
 一方で、九州大学の佐々木委員がおっしゃったように、三大都市圏以外で、どのようにして展開するかを考えると、大きな難しさを感じます。
 続く第6期には、第5期の成果である優れた拠点機能を、横展開するためのネットワーク化を促進し、スピード感をもって、価値創造を牽引することが重要です。個別の大学や地域で取り組んでも、スピード感は期待できませんし、 新しい社会に価値創造を生み出すためには、多様な視点が必要です。我々の地方の大学が持っている多用性とそのネットワーク化が、次の期の1つの戦略になるのではないかと思っています。
 あくまでも私見ですが、最近の産学連携による共同研究には、変化が生まれているのではないかと思います。今までは、共同研究は大学における資金の獲得の方策であるとして行われていましたが、共同研究契約時に予想される研究成果に投資される額が、大きな額となることは稀であり、資金獲得の方策としては、大きな成果が上がるものではありませんでした。
 しかし、最近は、地方の大学における共同研究を、先端研究による社会創造の実証と実装を同時に行う挑戦の場として捉えている動きがあります。それにより、投資される額は大きくなるだけでなく、取り組む課題も大きなものになります。
 私は、このような動きによって、多様な参画者が集い、Society5.0社会の創出のため、フィールドを地方に見出す新しい共同研究が始まっていると考えています。今後、さらに投資が加速すれば、社会創造のための価値創出拠点の形成が促進されるのではないかと思います。
 これは担当課の方からESG投資についてもお話しがありましたが、そこにも結び付いていくものと思います。
 
 最後に、もう1点だけお話しさせて頂きます。議題が今回の議論の範囲でなければ、申し訳ありません。地域創生を議論するとき、地方の活性化を生み出すなら、人口の流入が当然必要と考えるのが自然です。そのように考えると、雇用や就業の課題の解決が必須となり、人口減をとどめるためには、若い世代が将来に対して安心できる環境が、ひいては、地域に住んでいる皆さんがそこで次の世代を育てていく環境が、地域の活性化には必要ということになります。
 三大都市圏以外を地方と仮定しますと、産業がどれだけ地域に雇用を生み出しているのかを根拠に基づき分析する必要があると感じています。
 現状を知り、産業だけではなく大学の産業連携に関する活動においても、人材育成も含めて、地方創生に貢献する仕組みを検討する時期に来たのではないかと感じています。
 以上でございます。
【須藤部会長】  どうもありがとうございました。最後に、じゃあ、まとめてお願いします。
【栗原部会長代理】  まとめになっていないのですが、先ほど何人かの委員からお話のありましたコメントとも一部重なりますけれども、この部会が産学官連携あるいは地域科学技術政策の部会だということも踏まえてです。まず基本認識として、いろいろな社会構造の変化の中で、地方への期待が高まっているということでしたが、もはやそういう段階ではなくて、例えば人口減少を鑑みても地方の危機感が非常に高いという状況ではないかなと思いますので、地方においてどう産学官連携を進めていくかということ、あるいは社会構造の変化にどうイノベーションを活用していくかということが、ますます重要になっているのではないかという問題意識があります。
 それから2点目に、6次の計画ではSociety5.0の具体化とあるので、まさに産学が連携することが具体化そのものではないかと思うので、産学連携こそ進めていかなければいけないのではないかと思います。
 それから、もう1つの問題意識としては、まさにSociety5.0を源泉とするんですけれども、ある分野の深掘りだけではなくて、いろいろな異分野が連携していくことが、産業においても地域においても必要だと思うので、その観点で、この提言を少し肉付けしたら良いのではないかと思います。
 具体的には2ページのところですけれども、知識集約型の産学連携とか、地域社会の課題解決型と書いていただいているのですが、具体的な内容が手法の記述になってしまっていて、こういう手法によって、何を解決したいのか、どう連携したいのか、どう具体化をしていきたいのかというところが弱く、もう少しメッセージというか、方向感というものを書いてもいいのではないかと思います。
 それと、それによって産学連携が進むとすると、恐らく各地域でモデル的な事業が起きてくると思います。例えば農業の分野も、防災の分野も、あるいは最近いろいろと言われているMaaSとかもそうですけれども、これらは、大学と地方の企業と、それからいろんなコミュニティが連携して、新しい技術等で、変革を起こしていく分野だと思いますので、そういうところへの取組を発信していく、先端的な事例を発信していくことも重要ではないかなと思います。是非そういうところを織り込んでいただければと思います。
【須藤部会長】  ありがとうございました。時間になっていますので、この辺で議論を終わりにしたいと思います。まだ御意見ある方、あるいは追加コメント等ありましたら、メール等で事務局の方にどんどん送り付けていただきたいと思います。
 それで、それを併せて事務局の方でまとめてもらいまして、次回のこの部会におきまして、そこを構成の案を提示させていただきますので、またその場で議論をよろしくお願いいたします。
 それから、産学連携推進委員会というのは、この部会の下に作った委員会でしたっけ。
【西條課長】  はい。
【須藤部会長】  そうですよね。そこで恐らくこの議論を更に深める必要があると思いますので、その辺は是非、事務局の方でうまくつないでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【西條課長】  はい、分かりました。
【須藤部会長】  それでは、最後にその他として、今後の予定等をお願いします。
【竹之内課長補佐】  次回の開催は7月31日を予定してございます。また、本日の議事録につきましては、事務局から委員の皆様にメールにて確認を頂いた後に、文部科学省のホームページで公開いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【須藤部会長】  それでは、これにて本日の部会を閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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