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産業連携・地域支援部会 イノベーション対話促進作業部会(第2回) 議事録

1.日時

平成25年4月15日(月曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省東館3F1特別会議室

3.議題

  1. 大学発イノベーションのための対話の促進について
  2. その他

4.議事録

【石川主査】  それでは、定刻でございますので、今日のイノベーション対話促進作業部会を開催させていただきます。
【石川主査】  聴衆の方には失礼な方向でお話させていただきますが、お許しいただければと思います。
 まずは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【鷲﨑専門官】  お手元の方、配付資料1から4まで御用意させていただいております。
 資料1といたしまして、企業における対話型プロセスの実践ということで、古谷委員から頂いております。
 資料2といたしまして、イノベーション創出に向けた試みといたしまして、並木委員の方から頂いている資料でございます。
 資料3といたしまして、白坂委員から頂いている資料が資料3でございます。
 その他、資料4といたしまして、今後の作業部会の予定。
 そして、参考資料1、2としまして、参考資料1の方は、この前、作業部会第1回の後に配付させていただきましたアンケートを入れさせていただいております。
 参考資料2といたしまして、大学発イノベーションのための対話の促進についてということで、第1回作業部会の資料を御用意させていただいております。
 もし過不足等ございましたら、会の途中でも結構ですので、お知らせいただければと思います。
 以上でございます。
【石川主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、今日の議論に移りたいんですが、前回、いろいろな議論をさせていただきまして、この作業部会自体が新しいアイデアを出さないとそれは失敗だという発言をしてしまいました。コントロールが強くきき過ぎたのかどうか、こういう斬新なやり方をするという形になりましたが、気をつけなきゃいけないのは、やり方自体にあまりフォーカスしますと、やり方が新しいことだけをもって満足してしまうということがありますが、あくまでも最終目標は産学連携の対話を促進して、最終的に新しい技術なり、分野なり、産業を興していこうということであって、そこの目標に対して役に立たないものは捨てるのであるし、その目標に対して役に立つものを採用するのであって、これがどうこうという議論にならないように、是非とも委員の皆様方には理性を持って判断いただければと思います。
 今日も前回と引き続き、こういった対話を促進し、新しいものをつくり上げていくにはどうしたらいいかという事例を中心にお話していただくということで、今回も3人の委員の方から御発表いただくことになっています。
 今日は古谷委員、並木委員、白坂委員から御発表いただくんですが、最初は古谷委員から、お願いいたします。
【古谷委員】  それでは、今御紹介にあずかりました日立製作所デザイン本部の古谷と申します。
 今日は大変イノベーティブな環境で話をさせていただくので、楽しみにしていますが、私は企業からの話題提供ということで、主に企業内で対話を促進するためにどのような取組をしているかというところをかなり矢継ぎ早に御紹介することになると思います。それらがどういう意味を持つか、あるいは何がポイントであるかというところは、むしろ後ほどの議論で皆様から御意見いただきながら整理していただくのかなと思います。よろしくお願いいたします。
 今日は、企業デザインの役割がどう変化してきたか、その中で対話型のデザインプロセスということを我々がどう実現してきたか、そのための方法論やツールはどんなものを使っているか、この辺をお話させていただきます。
 最初に、企業デザインの役割が変化しているという背景をちょっとだけお話させていただきます。
 まず、弊社のデザイン部署の位置づけでございますが、ちょっと変わっておりますのが、通常、デザイン部署というのは、ブランディングですとか、営業さんに近いところが各社さんは多いんですが、我々は研究所の中の一つとして位置づけられております。そういう経緯がありまして、実は、技術とデザインがかなり昔から密接に関わってきたという経緯がございます。
 デザイン部署におります人材も、メーンはインダストリアルデザインですとか、グラフィックデザインをやっておる人間なんですが、それ以外に建築、人間工学、あるいは十数年ほど前からですかね、認知心理学をやっている人、あるいは情報をやっている人等が集まって、かなり多種多様な背景の人たちが一緒に仕事をするという状況になってきています。
 これは沿革でございますが、デザイン部署はできましてから50年ほどになりますが、当初はいわゆる家電品のデザインから始まりまして、コンシューマー機器をやっておったんですが、だんだん情報機器、あるいはインターフェースデザイン、さらにはシステムのデザイン。今日お話をするデザインの変わり目が、2000年ぐらいから始まりましたソリューションビジネスと言い始めたころからデザインのやり方も変わってきたということで、ちょっと古い話もございますけれども、そのあたりの経緯を今日御紹介させていただきます。
 デザイン対象といたしましては、日立グループ内にあります金融自動機、医療関係等々、プロダクトデザインがデザイン活動のメーンでございます。
 それに加えまして、我々の中でコミュニケーションデザインという言い方をしておるんですが、いわゆる物でない画面のデザインですとか、あるいはサービス全体を含んだようなところまで、あるいはプロモーションに近いところとか、そういうプロダクトデザインとはちょっと違う領域も併せてコミュニケーションデザインという言い方をしております。
 これは一つの例なんですけれども、この指の先に小さい粒があるのがミューチップというRF-IDタグでございまして、例えばこういうものの使い方をどうするかというところに対して、デザイナー、あるいは研究者が一緒になって使われ方のシナリオを描いて、場合によっては生活シーンのビデオをつくって、それが使われるプロトタイプ、例えば鏡に情報機器が仕込んであって、RF-IDタグがついた商品をかざすと情報が出るとか、そういうことをつくりながら、展示会等で意見を聞きながらというような、そういうやり方を十数年ほど前から試しております。
 このように、もともとは製品の印象に関わるグラフィックスですとかプロダクト、外観をやっておったんですが、だんだん使われ方、サービス全体を含んだ経験全体をデザインするというふうに大きく役割が変わりつつあるということです。
 そのときに、対話型のデザインプロセスといいますのは、我々の仕事の仕方をある時期に見直したときに、これはデザインのプロセスをあらわしたものですが、情報を収集してアイデアを出して物をつくって、それを図面化する、あるいは完成模型をつくる、あるいは設計さんと密なやりとりをして物にするというプロセスなんですが、どうも全体の時間をはかってみると、ここに非常に比重が高かったと。図面化をしたり、設計とやりとりが全体のデザインの仕事のウエートの中で重かったということがわかりまして、これをデザインの中での上流に少しシフトしないといかんという問題意識で、このやり方を考えたといいますか、自分たちのやり方を見直したというのが対話型のデザインプロセスでございます。
 プロセスは四つから成っておりまして、場所はどこから入ってもいいんですけれども、「深く知るための対話」としてDeep Inquiry、現場知、これはいわゆる観察とか、社会潮流を読むというのもここに入っておりますけれども、そういうところから始まりまして、「創造的な対話」でIdeation、アイデアを出していく。まさに今日そこにつくられているような場所で皆さんでアイデアを交わしながら、「モノを通じた対話」、ここは可視化するということが非常にポイントになっておりまして、物でなくても、いわゆるソフトウエアでも当然構いませんし、場合によってはいろいろなサービスをお芝居でしますようなことも含めてPrototypingをしながら見える化をして、実際の事業や製品につなげていくと、こういう大きな四つのステップがありますよねという整理をいたしました。
 それで、2008年ほどから、これは我々のデザイン部署の中でもう一回確認して身につけようとするんですが、紙で書いても皆さんなかなかわからないといいますか、デザイナーだから全部できるわけではなくて、デザイン活動の中でもしみ込ませるためにはそれなりの仕掛けが必要でありました。
 最初にやりましたのが、これは場に埋め込みました。たまたま2008年にオフィスを変えるという機会がありましたので、オフィスの中自体をこういう観察をするためのユーザビリティラボを設けて、対話をしやすいようなインキュベーションスタジオと我々は呼んでいますけれども、やや広めでワークショップが簡単にできるような場所をつくって、これはあえて昔の工作機械を移していますけれども、実際、モデラーの方も身近にいますので、すぐ物はつくれるような状況にして、プレゼンテーション、あるいはお客様との交流を通じて物にしていくと、そういうような場所で、場に名前をつけて対話のプロセスを表現してしまうということをまずやりました。
 これは今申したインキュベーションスタジオの一部なんですけれども、日々、実際にこういう形で、そこにつくられているような机をいろいろなところで組み立てながら、パーティションで区切ったり区切らなかったりしながら、いろいろな人たちが会話しているという状況です。
 この中で、一つのワークショップの事例を御紹介しますと、これは2010年に行ったワークショップの例なんですが、サスティナブルな社会を研究するということで、大学の先生、あるいはシンクタンクの方、環境関係の日立以外の企業の方、それと日立の研究者、デザイナーなどが集まって、十数人で行ったワークショップです。ちなみにこれ、絵を描いていただいたのは社外の方で、やまざきゆにこさんというグラフィックファシリテーターで非常に有名な方なんですが、こういう方にも入ってもらいながら、ちょっと実験的なワークショップをやってみたということです。
 このワークショップ自体は、全体としては3か月で、かなり大がかりなものだったんですが、最初に基礎的な、サスティナブルな社会に関わるような社会背景ですとか知見を調査して、それをもとにワークショップを2回やっていったということです。そのワークショップの中では、あまり詳しくは述べませんけれども、これから環境意識が高まると、コミュニティーのスタイルやマナーが変わってくるだろう。あるいは資源のビジネスのモデルが変化するだろう、あと、ちょっと変わったところでは電力甲子園なんて言っていますけれども、こういう住民参加でエネルギーに関する意識が高くなって、自分たちが発電をしてそれを競い合うみたいな、そんな文化が生まれるんじゃないかということを、これは実は3.11の前にこんなようなことを議論しながら、こんなことになるのかなと言いながらも、だんだん近い状況に今なってきたのかなと思います。その他、幾つかいろいろ視点をもらいながら、ここで得た視点は後々の活動に一部反映されているものもありますし、ここでとまったものもありますが、こういうワークショップのやり方をしたという一つの例でございます。
 ちょっと駆け足ですが、飛ばせていただきます。
 それで、今、我々はどういう方法論とかツールを持っているかというところを御紹介させていただきますと、一つは、前回、櫛先生からお話していただきましたように、エスノグラフィーの調査というものをかなり大事にしています。弊社は社会インフラ企業ですので、コンシューマーもあるんですが、例えば業務現場、いろいろなプラントの配管に関する作業がどうなっているか、あるいはこれは海外ですけれども、鉄道の保守現場がどうなっているか、そういうところにデザイナー、あるいはリサーチャーが自ら赴いて、そこでの保守員さんたちが一体どういう人間関係で、どういう悩みを持ちながら、何で作業が遅延しているか、あるいは何で改善しているか、そういうところを、彼らの言葉で言うと弟子入りする姿勢で学んでくるという活動を今、広くやりつつあります。
 もう一つは、先ほどから述べております創造的なワークショップということですが、我々は企業ですから、企業のお客様と、そのお客様にとってのよいシステムがどうだろうというようなことをいろいろ探すわけですが、そのときに一つ我々が小さい発明をしたのは、1日ワークショップということを始めまして、皆さん忙しい方が多いですし、デザイナー自身もどういうものかよくわからないという人が多かったので、とにかく1日で全部やってみようと。この四つのプロセスを朝10時から始めて夜7時ぐらいまで、午前中に観察をして、午後、アイデア出しをして、プロトタイプをつくって、発表してフィードバックする、そういうのを1日で圧縮してやるというようなことをやりまして、かなりハードなんですけれども、これをやることで大部感覚がつかめるようになったかなと思っております。
 そういう場面で幾つかやった取組として、我々、Business Origamiというちょっと不思議な名前をつけておるんですが、今お手元にあるようなこういう場面で、こういう折り紙状のツールを使って、ビジネスとかサービスでどういうステークホルダーがいて、どういう価値がやりとりされているかというところを可視化しながら、そこでどういう関係がよいだろうかというアイデア出しをするツールです。
 簡単な映像がございますので、ちょっとだけ様子を見ていただきますと、これは名刺サイズの紙に切り込みが入っていまして、それを折ると、こういう人型になったり建物になったりする、そういうちょっとした仕掛けなんですが、それにいろいろ書き込みながら、机の上に置きながらということをやっています。これは最初は実はレゴを使ってやっていたんですけれども、レゴを使ってやると、デザイナーがやけにつくり込んでしまうという問題がありまして、話が全然違う方向に行ってしまうということがわかりまして、デザイナーの作業を封印する意味でも皆さん共通でやると。それで、今日まさにそういう形で横に置かれていますけれども、このときの発明のもう一つはホワイトボードを横に置いたというところで、通常、縦だと、誰かがホワイトボードを支配してしまうんですけれども、横にすることで四方八方から皆さん意見が言いやすくなると、そういう効果もあったかと思います。
 そして、もう一つが、今ビジョンデザインという言い方を仮に我々はつけておるんですが、社会潮流ですとか、先々どうなるかという兆しを読み取ろうと。PEST分析ということは、多分皆さん、常々されていると思うんですが、横軸が時間軸なんですが、先々社会がどうなるかということを自分たちで調べて共有しようと。そこでは、例えば再生可能エネルギーの比率がどうなるという統計的な情報もありますし、一方で、今の小学生は環境の意識が非常に高く教育されていますので、彼らが大人になったときは、彼らはある意味ネイティブになるだろうとか、どちらかというと文化的というか、生活文化的な側面を捉えたりとか、統計的なもの、感覚的なものを併せて先々の兆しを感じ取ろうという取組をするようにしています。
 これは弊社のホームページのデザインのところに一部上げさせていただいておりますので、例えば所有から使用に変わるよとか、社会がDo It Yourselfで自分たち、新しい公共という言い方もされますが、そういうことが起きるよとか、いろいろ我々なりの気づきを上げさせていただいています。
 そして、今述べたような方法論というのは、使いこなせる人が我々の中でも限られておりますので、こういうガイドラインといいますか、ハンドブック化を並行して進めている最中です。
 また、細かいことですけれども、ツールとしては、これ、会議室に今張ってあるんですが、会議の仕方で10個ぐらいルールがあるよねと。共有して、リズミカルに、アイデアは質より量だとか、あと、これは研究者の方はなかなか難しいんですけれども、人のアイデアに乗っかるということを意図的にやりましょうとか、そういうことをこんなポスターをつくって張ったとか、そういう細かい気配りですけれども、そういうこともやっております。
 最後、まとめというわけではないんですけれども、1995年にコミュニケーションデザインの研究ということを社外の方、これは実は編集工学研究所の松岡正剛さんとやらせていただいたんですが、そのときに、ビジネスの仕方が変わると、先ほど申したように課題はお客様にあって、解決手段は企業側にあると。問題解決というのはコミュニケーションを通じてされるものであるという、これはある意味当たり前ですが、そういう問題意識のもとに、問題解決のプロセスがこうあると。気づいて、理解して、納得、腑に落ちて、共感して、更に実行すると。これは前段がある意味情報的ですね。これは情報の世界。最後が行動の世界で、それらをつなぐのが情動とか感動であるんじゃないかということで、最初に今日述べたような幾つかの事例というのは、実は共感をどうやって得るかということを非常に大事にしておったのかなと、振り返って思う次第です。ですから、ある意味エモーショナルな部分で参加する人たちの意識を変えるとか、あるいは納得感をどうやって得るかとか、その辺の心理状態をうまく導くようなツールを考えてきたのかなということを振り返って思っております。
 以上をもって話題提供とさせていただきます。ありがとうございました。
【石川主査】  どうもありがとうございます。御質問等は3件の御発表の後にさせていただきますので、引き続きまして、並木委員にお願いいたします。
【並木委員】  それでは、電通、並木でございます。よろしくお願いします。
 私、この会に参加させていただきまして、1人だけ毛色が違ったところから来ておりまして、非常に肩身の狭い思いをしているのですが、逆にそういうことでありますので、今回は皆様とは全く違ったようなアイデアといいますか、こんなことがあるのだということを幾つか御紹介させていただこうと思います。
 冒頭ございましたが、使えるところは使っていただき、使えないところはどんどん切っていただくということでお話させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に、前回の会議でかなりソーシャルデザインという言葉が出ておりましたけれども、今、そういったソーシャルデザインといったようなことが、民間企業の経営の中では非常に大きな意味合いを持っているんだということからお話させていただこうと思います。
 CSVという言葉は皆さん御存じでおりましょうか。もとはCSRから来ている言葉でございまして、CSRというのは企業の社会的責任ということです。企業の社会的責任は、一番下にありますが、ベーシックなCSR、ガバナンスですとか、コンプライアンスとか、要は悪いことをやっちゃいけないというようなことがあるのですけれども、それと同時に、しばらく前に注目されましたのが一番上の慈善的CSR、メセナ、フィランソロピー、寄附。NPOに寄附したり、文化活動に協賛したりということです。
 今、注目されておりますのが戦略的CSR領域というところでございまして、これはむしろ現業と密接な関連の中で展開する社会や環境への取組というところです。こういうところが今非常に注目されてきております。
 それはハーバード大学の泰斗でありますマイケル・ポーター教授が、CSVという言葉でこの言葉を新しい概念づけをしております。CSVというのはCreating Shared Valueということでございまして、社会のニーズや問題に取り組むことが社会的価値を創造し、経済的価値をも創造するという意味での「共通価値の創造」ということでございます。
 どういうことかといいますと、企業の本業でできることと社会に役立つこと、これを両立させるような経営をしていくということがこれからは重要なのだということをポーター教授はおっしゃったわけでございます。CSVの領域としましては、もちろん節電型商品やハイブリッドカーをつくるというような商品で解決するということもございますし、あるいはリサイクルシステムということもございます。それから、フェアトレードみたいなバリューチェーンの中でできることをやるということもございますし、流通の現場でも、流通の場という資源を使いましていろいろな社会貢献活動ができるなど、いろいろ多岐にわたっております。
 今、我々、この会では議論しなければならないことはむしろ一番上の商品開発周りではないかと思います。CSVとCSRの比較なのですが、CSRというのはどちらかというと企業イメージの向上とするならば、CSVになりますと、まさにこれはイノベーションによる競争力の向上というような意味づけでございますし、経営上の位置づけも、CSRはやっても周辺課題という捉え方もありますが、CSVになりますと、まさに中心課題になります。それから、費用の位置づけもCSRはコストと言われているのですが、CSVは投資というような、まさに経営の根幹という形で捉えられています。
 これにつきまして、私どもの方にも、こういったCSVの施策をつくってほしいというような御相談が結構来ておりまして、社会課題を洗い出して、その企業さんがお持ちの解決シーズをマッチングさせて新しい事業なり商品をつくっていくということを、コンサルティングとしてお手伝いをさせていただいているということでございます。
 それでは、どういったことを例えばやるのだろうかということですが、これはまた一つの手法なんですけれども、バックキャスティング発想ということを御説明させていただきたいと思います。
 2010年の9月に、『キミが大人になる頃に。』という本を出させていただきました。これはたまたま有識者ヒアリングで知り合いになりました東北大学大学院の石田秀輝先生と、たまたま私どものメンバーが意気投合しまして、つくった本でございます。
 どういった内容かと申しますと、これからの環境制約のことを見据えた形で商品開発を考えていこうということでございます。石田先生は地球は一つしかないんだということを前提に、人と地球を考えた新しい暮らしの形というのを発想していこうじゃないかと。そして、それを構成するライフスタイルを1回考えてみようと。そういったようなライフスタイルを考えてみて、それに必要な商材の開発・投入をしていくことが必要なのではないかということです。暮らしの形、それをつくり上げるライフスタイルをバックキャスティングで考えて、それに向かってフォアキャスティングで進むのだというような発想でございます。
 ステップでございますけれども、最初に、将来、2030年を仮に置いておりますけれども、このときの環境制約条件を無意識で判断するぐらいに頭に刻み込むと。ここがポイントでございまして、とにかく2030年はこうなっちゃうのだということをとことん議論して頭の中にすり込むということが一つ目のポイントでございます。
 次に、この環境制約条件のもと、考えられる社会状況、具体的な暮らしの形を描くということでございます。今、フォアキャスティングでものを考えると、どうしても夢を語りますので、どんどん夢が広がっていくと。そうすると、地球が幾つあっても足りないという状況になります。逆に地球は一つしかないのだという制約条件のもとで考えると、どうしても人間は暗い方向に考えます。こんなこともできないのか、あんなこともできないのかという暗い方向になりますが、そこを暗く考えずに、ポジティブに前向きに考えるというようなことをやるのがこの作業の一つのポイントでございます。なるべく明るく捉えていく。
 ステップ3としましては、2030年にいる自分を設定いたしまして、現在のままでは大変なことになってしまうという問題は何なのかということを発見し、その解決策を具体的に考えるということを行います。
 そして、その解決策を実行するために、我々の今の暮らしの形を変える必要があるかどうかということを考えます。変える必要があれば、そこにビジネスチャンスがあるんだというような捉え方でございます。
 そういったことを踏まえまして、今まで申し上げたような4点を全部整理いたしまして、魅力的なライフスタイルに仕上げるということをやっていこうということが一つのバックキャスティングの考え方です。
 この本の中には22のいろいろなライフスタイルのヒントがあるわけですけれども、例えばこういったようなことが幾つか出てきております。具体的に申し上げますと、例えば、「『電気、貸してください』とお隣さんが訪ねてきます」というようなこと。「人々はかつて、しがらみを断ち切るために長屋の暮らしを止め、プライバシーを極力守る住居を選びましたが、そうした進化の中で地域の絆はなくなっていきました。その傾向に歯止めがかかったのは、プライバシーを保ちながらライフラインとしてのエネルギーを分け合う『地域共用電池』の設置が発端でした。日常的には、家ごとに太陽光発電パネルが設置され、発電した電気は棟ごとの電池に蓄電され使用します。しかし、旅行に行くときなど、自分が発電した電気が余る場合には、共用電池に自動的に貯まるようになっています。この電池が、雨が続いたときに住民たちを助けます。電気を売買するのではなく、溢れ出た自然エネルギーはみんなで分け合うという日本的なおおらかさによって、『プライバシーを保ちながら助け合うコミュニティ』が生まれています」といったようなことを例えば考えてみる。
 それから、「ダークな世界を人々は楽しんでいます」。エネルギーの高騰によりまして、早く電気が消えてしまうということなのですが、ただ、かわりに、昼間の太陽光エネルギーをためて自動発光できるような太陽エネルギー蓄電型の明かりだけが残っていて、歩くとその周りだけを明るく照らすスポット街灯や、やわらかく光るような壁面が出てきます。あるいは、人々の生活も月見台や星空観測所が置かれていますとか、ほの暗さを楽しむ文化が生まれていますと。『陰翳礼讃』、谷崎潤一郎さんみたいな世界が生まれるというようなことを考えてみる。
 それから、「『土ミシュラン』が、過疎をなくしています」。今までは駅からの距離ということしか不動産の世界はなかったのですけれども、土の質を評価したような土ミシュランということが始まって、ベランダ農地つきマンション、農地つき住宅が分譲されて人気になっているんだと。それについて、いろいろな学校でも農業が必修科目になっているのだといったような、こういうような発想で、制約条件を逆手にとって、こんな豊かな暮らしが起こるのだということを発想していくということをやりました。
 こういったこともやって、実は曼荼羅というのをつくっておりまして、この本の中にありますけれども、これは真ん中に2030年の制約条件を置きまして、その場合に、職業はどう変わるのだろうかとか、人々の行動というのはどう変わるのだろうか、あるいは人々の欲求はどう変わるのだろうかということを置きながら、前後を行ったり来たりしながら、この周りにいろいろなサービス、商品、アイデアをつくっていくというようなことで整理しております。
 これはたまたま理系の先生方と私どもの広告表現をつくっているクリエイターとか、キャンペーンをつくっているようなプランナーという頭のやわらかい人間がコラボするとこのようなことができるわけでございまして、もしかすると理科系の先生方と同時に文系の先生方、あるいはもっと幅広い人たち、そういう発想を加えると、こういったようなユニークな曼荼羅がたくさんできるのではないかなと。こういったような進め方もあるのではないかなと考えている次第でございます。
 また毛色の違った話をさせていただきます。私どもがいろいろなクライアント様の商品開発を手伝わせていただきますけれども、いろいろなやり方があるのですが、大きく分けると二つに分けられる。それについてお話させていただこうと思います。
 一つがContents Oriented法ということでございまして、これは初めに商品の核をつくりまして、順を追って他の要素を付加していく方法でございます。もう一つがOne-set Communication法といいまして、あらゆるベネフィットを同時に開発し、取捨選択しながらその精度を高める方法というようなやり方でございます。
 例えば、これはあるパッケージグッズの例でございます。もともとその会社さんがつくっていた商品が全然売れなかったというところがスタートになっています。「コンテンツ開発」でまずやったことは、お客さんがどうなのかということを徹底的に調べたと。そうすると、今までターゲットとして捉えた層が実はリアルターゲットではなく、全く違う層が良く買っているということがわかりました。次に、そのリアルターゲットの嗜好を徹底的に調査しまして、その結果に基づいて、商品設計を大幅に作りかえる。次に、「アイデンティファイア」という価値をつけるわけですけれども、リアルターゲット層の価値観を徹底的に調査して明らかにし、それを体現するようなネーミング、パッケージを開発する。これで付加価値がつきました。さらに「コミュニケーション開発」では、その商品特徴、ターゲットの価値観に基づいて、キャッチコピーやタレントを選定して、広告を作っていきます。
 このように、最初から出てきたものにどんどん付加価値をつけていくという形で商品をつくっていくわけです。このときの問題点は、「コンテンツ開発」というのはまさにメーカーの開発セクションの方々がやっている。「アイデンティファイア」というところはマーケティングセクションの方々がやっている。「コミュニケーション」は宣伝セクションの方がやっている。これはたまたまうまくいった例なので、こういう形でうまくキャッチボールができたのですけれども、通常は「コンテンツ」から「アイデンティファイア」、「コミュニケーション」に行くときにそれぞれイメージがずれていくんですね。このずれていくところでどんどん話があらぬ方向に行ってしまうというようなことがあります。ですから、そこについてどういうふうにちゃんとイメージを伝えるかということで、前回の話にもありましたけれども、共通のイメージを持たせるためにビジュアルを用いたりしています。例えば、ターゲットをブルーカラーと置いたときに、それは工事現場で働く人なのか、タクシーの運転手さんなのか、タクシーの運転手さんといっても、若い運転手さんもいれば、年配の運転手さんもいる。どういう人たちがターゲットなのかということを具体的に、なるべくビジュアルでわかるような形で整理していくということをしないと、この間が埋まらないという弊害がございます。
 それに対してもう一つのやり方というのがOne-set Communication法というものです。これは、ステップごとにまた違った論議が出て、また違ったようなイメージを持たれるのだったら、最初に一堂に会しちゃおうじゃないかということで、クライアント様の研究者、営業担当者、宣伝担当者、私どものマーケッター、プランナー、コピーライター、デザイナーが一堂に会して、とにかく定例的な会議を持っていくやり方です。
 例えばこれもあるパッケージグッズの事例ですが、他社の商品がヒットして、自社のトップブランドの地位が脅かされていたというような状況がございました。それに対抗するために新商品を開発しようとしたわけですが、研究者の方から、実は明治時代のマイスターの文献を見たら、変わった作り方がでていた、これはいい商品になりそうだ、それについて検討しようじゃないかということになった。まず、研究者から、この手法で作ると、味が重くなるんだよ、どうしたらいいですかねと言うと、コピーライターがそれを本格感ということで言いかえればいいんじゃないですかと。それから、この手法で作ると従来よりコストがかかりますので、定価を少し上げなきゃもうからないんですよという話をする。そうすると、マーケッターの方から、いやいや、今問題は、他社にシェアをとられているのだから、シェア奪還が急務じゃないですか。ということは、多少の損が出ても、それは目をつぶるべきじゃないですかといったような議論が出てくる。そして、宣伝担当者から、あまり本格感を前面に出すと、マニアに受けるだけの商品になっちゃって広がらないんじゃないですかという議論があると、いやいや、それを身近なコピーで表現してみましょうよというようなことをやっていく。こういったような形を整理しまして、いろいろな価値をまとめて一つのコンセプトにつくり上げます。これをダミーの新聞広告でつくったらどうなるかということで1回つくってみる。これを幾つかのアイデアを出しながら、いろいろなアイデアを試行錯誤しながらやっていって新商品が生まれたというような事例でございます。
 これは、いろいろな方が一堂に会して一気に話してしまうことによって、いろいろなことが解決できるという事例でございまして、私どもに依頼されるような作業はこの手のケースが多うございます。このポイントは、何もここで妥協という意味でのコンセンサスを得ることが目的ではなくて、いろいろな議論があって、いかにいいものにしていくか、常にいいものにしていこうということでまとめていっているわけでございます。妥協してつくられた商品というのは失敗することが多うございますので、なるべくいろいろな立場からいろいろなことを言っていいものをつくろうということがポイントでございます。
 それからもう一つのポイントは、それぞれの立場の方がそれぞれの役割を担ってこの会議に参加して、それぞれの立場で物を言うということでございます。まさにパネルディスカッションのように、それぞれの立場を代表して物を語るということで、こういった真摯な議論が出てくるし、前向きな結論に結びつくというところが大きなポイントです。ですから、今回の話でございますけれども、いろいろな立場の方々、エンドユーザーに近いところまで巻き込んだ形で議論していくというのが一つのやり方じゃないかと考えるわけでございます。
 それからもう一つ、アイデアを創発する手段としまして、オープンイノベーションということについてお話させていただきたいと思います。オープンイノベーションは今ブームでございまして、社内の他部署の方、お客様、あるいは取引先のアイデアを幅広く集めて、いいアイデアを出していこうというような手法でございます。
 私ども、システムとしまして、昨秋にD-hintsというような商品をリリースさせていただきました。これはアメリカ生まれのイノベーションマネジメントASPの定番でありますSpigitというシステムがあるのですが、これをコアエンジンに採用しましたオープン・イノベーション・プログラムでございます。
 今までのこういったアイデアを出していくSNSの問題点というのは、出しっ放しでなかなかそれを集約することが難しいということですが、Spigitというエンジンを使いますと、ある程度の優先順位といいますか、いいものを絞り込むことができます。例えば、皆さんからいろいろな課題について意見を出していただくと。それに対して「いいね!」ボタンとかいろいろな御意見が出されます。評価の高いものだけ自動的に上の方に出てくるような形になっています。高い順に並べると同時に、新しく入ってきたアイデアについても右側に出てくるような形で、常に新しいアイデアも出てくるようになっています。、支持されたアイデアが上位に上がってくるというようなシステムでございます。
 例えばそうやると、人気のあるアイデアとか、人気のあるコメントをしているユーザー名が出てくるので、それを参考にして、この人の意見を聞いてみようか、この人のほかの意見を聞いてみようかということが見えてきて、どんどん議論が深まっていきます。
 まとめますと、SNS上にいろいろなすごい数のアイデアと投票が出てくる。それをレピュテーション・アルゴリズムで優秀なものを上位に上げるような仕組みによって、人気のある意見が見えるような形になり、その結果、それを参考にしながらどんどん投票が促進される。加えて、ゲーミフィケーションを使いまして、更にこういったことに対して参画が高まるような仕組みが内蔵されている。それによりまして、結果としては、優秀なアイデアを選抜評価の高い順に精査することが可能で、アイデアの創発も起こりやすいというようなシステムでございます。
 私どもは去年の秋口からこんなサービスをやらせていただいているのですが、アメリカではこれは大成功しているというのですが、日本ではなかなかうまくいかない点もございます。日本人はオープンでいろいろな意見を出そうというと、意見が出てこないのですね。そこの工夫が今のこのシステムの課題だと考えています。「自由に意見を言って」というと出てこないのが日本人の国民性でございまして、ただ、考えていないわけではないのです。こういう会議で、「どうですか、あなた」って指すと「指されたから、答えるけど」というようなことが日本人の特質でございます。ですから、いかに指して、「あなた、どうですか」ということをシステム的にどうやっていくかというところが、こういったシステムを日本で定着させる上では非常にポイントなのではないかなと考えている次第でございます。
 最後、コンシューマ・インサイトについて簡単に触れておきます。私どもの広告代理店としましては、メーカーの方々がいろいろお考えになっていることに対して、いやいや、消費者はこう思っていますよということを御提供することが私どもの役割だと考えています。今、私どもでもスマート関連の作業にいろいろなコンソーシアムを組んで参加させていただいていますが、なぜ電通がスマートに入っていくのかというと、スマート技術というのはいろいろとあるのですけれども、それが実際の消費者、生活者の生活と結びついていないのではないかという問題意識があるからでございます。
 例えば技術的にはいろいろなことができるのですけれども、それが本当に我々の生活を豊かにしているのだろうかと。例えばトイレに行って用を足すと、センシング技術を用いていろいろな体調のデータが瞬時に調べられるそうです。例えば朝トイレに行って用をたすと、いきなり「あなた飲み過ぎましたね。ちょっと気をつけた方がいいですよ」とモニターから助言されたりするわけです。でも、言われた本人にしてみれば、「健康に悪いことはわかっているけど、俺だってつらいことがあるんだ、酒ぐらい飲みたいよ」というときだってあり得るわけですね。それを機械的に、「あなた酒飲みましたね」と言われることが生活者にとって本当にいい技術なんだろうかと考えると、もうちょっと生活者の発想を入れないといけないのではないかなと思います。
 そういったことで、私どもとしては、いろいろなレベルのターゲットごとのシンクタンクといいますか、データを集めておりますし、パネルを用意しまして、いろいろな御意見を聞いたりしながら、そういったことについてどうなのだろうかということを御説明するということをやっております。ここはたまたま「ママラボ」とか、「ワカモン」とか、「GAL LABO」とかありますけれども、これ以外にもシニアももちろんございますが、こういったような消費者の声をどういうふうに入れていくかということも一つの大きな課題なんではないかなと考えております。
 ちょっと雑駁な話でございますけれども、この中で幾つか取捨選択していただきまして、この議論に御活用いただけるものがあれば御活用していただきたいと思います。
 御静聴ありがとうございました。以上でございます。
【石川主査】  どうもありがとうございます。
 では、引き続き、白坂委員から。
【白坂委員】  続きまして、慶應大学の白坂が、慶應大学のシステムデザイン・マネジメント研究科というところでやっております取組について御紹介させていただきます。
 我々の大学院の設立のときにつくられたものなんですが、2008年にできた大学院大学でして、もともとはいろいろな課題を解決するのに、最近はよく言われていることですけれども、縦割りを越えていろいろな人たちが協力していかなきゃいけない。そのためのやり方というものを研究教育するところをつくっていきたいと。これは慶應大学が独自で考えたわけではございませんで、いろいろな企業さんですとか大学の方々にお声をお聞きしまして、その結果として、今までにあまりないような大学院としてそういうところも要るだろうということでつくられた大学院になります。
 どういうふうに考えたかと申しますと、いろいろなバックグラウンドを持った方々がいらっしゃるので、マルチディシプリナリーという形でいろいろな方々を集めるのにあわせまして、その間をつなぐインターディシプリナリー、つなぎ方というところを考えていきましょう、その仕組みをつくっていきましょうというのがもともとの概念です。
 何もないところには急にはつくれないということで、我々が最初に持ってきたのはシステムエンジニアリング、すごくかたい、ここではあまり似合わない言葉です。システム的に物事を考えることですけれども、システムエンジニアリングというものは、もともと工学系の中でのインターディシプリン、電気工学ですとか機械工学、そういった工学といったものをつなごうと、その上流での考え方のところをつなぐための学術としてありましたので、これを参考に、これだけではないんですが、これを拡張することで間をつなぐというベースにしまして、その上にデザイン学、デザイン思考で有名なデザイン的に物事を考えることと、あとはマネジメント、いろいろなものをマネジメントしていくという考え方をあわせていきましょうという考えでつくられたものです。ですので、我々の大学院のベースとなっているのはSDMのそれぞれありまして、システムというところとデザインというところとマネジメント、この三つを統合して一緒に教えていきましょうという考え方になっています。
 主に今回、話をしています新しいものをつくり出していくようなイノベーションというのは、SとDのところをコンバインしたところが我々では中心となっておりまして、それを実際に現実のものに落としていくところに関してはマネジメントというものを活用していくという流れになっています。これも後ほど説明をいたします。
 そういったインターディシプリナリーを目指すというところで、こちら側を見てもらうといいんですが、我々の六、七割が社会人学生でして、昨日、新入生合宿に行ったんですが、今年度は社会人割合がすごく高くて、7割社会人学生と、3割が新卒学生という形になっています。通常、土曜日と平日の夜に授業がかたまっていまして、平日の昼間は新卒向けの、あまり経験がない人により経験を積ますための授業を入れるという形になっています。
 バックグラウンドは多様でして、大体半分が理系バックグラウンド、半分が文系バックグラウンドということで、多種多様な人々が、これはちょっと古いデータなんですが、ベンチャーの社長さんが意外と多いです。最近増えてきたのがMBAを取られた方。MBAは修士なんですけれども、もう一回修士に入る方が結構いらっしゃいます。理系でも修士を取った方がもう一度入ってくる方がかなり増えていまして、理系半分、文系半分で、その中でも文系の方も営業からマーケッターから、理系、文系、どっちとも言いづらいんですが、アートの方から、いろいろな方々が入ってきていまして、そういった人たちで一緒にものをつくっていくというようなことをやっています。
 その中で、これ、ぱっと見、いっぱいあってわかりづらいんですが、考え方だけではなくて手法も教えていまして、日本人らしいといいますか、型から入って心を学ぶといいますか、いきなり抽象的なことを言ってもわからないので、手法もいろいろ教えていまして、それを使いながら、その裏にある何を考えるためにこんなことを用意してあるのかということを教えて、自分でそれを応用、変形しながら使っていくということをやっておりまして、置かせていただいたのを回しながら見ていただけるといいんですが、これは実はちょっと古い2011年バージョンなんですが、こういったカードがありまして、これはうちで教えている手法、1回学ぶと、これを見るとどんなことをやっているかわかるようになっているんですが、どんな手法をどういうふうに使っているのかというのをカード状にしたものです。これを新入生には配りまして、これを後から見れば、ああ、こんなだったねとすぐ思い出せる形にしてあります。
 基本的には、この辺のものは多視点から可視化するというのをすごく重要視していまして、自分の考えがどうなのかを人に伝える、あるいは人の考えがどうなのかというのを理解する、それらを組み合わせながら、みんなで協働しながら新しい考えを出していく、それを伝えていくといったようなことを行うための手法を集めると。
 我々が新しいことをやるときには、世の中は最近、デザイン思考というのが大変有名なんですが、そのデザイン思考と、我々のベースでもありますシステム思考、先ほどの多視点からの可視化というのは実はシステム思考の方でよく言われることなんですが、それらをうまく組み合わせることによって、より新しいことが生まれやすいんではないかというふうに考えて、両方を組み合わせて行うということをやっております。全体としての考え方ですとか、手法、あるいは実例も両方組み合わせる形でやっております。
 ただ、デザイン思考のコアの方々は大体三つの要素で成り立つんだという形で言われていまして、いわゆるアイディエーションと言われているブレーンストーミングですとか、あるいはオブザベーション、フィールドワーク、プロトタイピング、この三つでデザイン思考というのは構成されていると言われておりますけれども、これらに追加してこういった形のことをあわせることによって、より可視化しやすい、あるいは議論をやりやすくするということをやっています。
 もともとデザイン思考は欧米から出てきているんですが、我々、欧米の方々、MIT、スタンフォード、ヨーロッパですとアールト大学さんといろいろとやらせていただいていますけれども、先ほども話がありましたけれども、日本人と欧米の人の違いみたいなものがありまして、可視化ですごくいいのは、人を責めるんではなくて、可視化したものをたたくといいますか、それをベースに議論ができるので、日本人は議論をしていると、人格否定じゃないですけれども、自分が否定された気分についついなってしまうのを、可視化してお互いにそれに向かいながら、あそこがこうと言うとあまり自分が責められている気がしないので、言いやすくなるんですね。そういったこともありまして、日本人の方がこちらが訓練されていなくて、外人によく言われるんですが、日本人はもともといろいろな人たちが多様に集まってやるのは得意じゃないかと。今更デザイン思考なんか言わなくたってやっているじゃんというのがすごくよく言われることなんです。一方で、彼らは、システムとしてすごくロジカル、システマチックに考えていくというのは小さいころからやってきているんだけれども、こっちが苦手だから、こっちを強調しているんだというのが彼らの意見です。我々はもちろんこっちもやってきたんですが、やっぱりこっちと組み合わせて日本だとうまくいくなというのが実感でして、最近はずっとこういう形で話をさせていただいております。
 これは我々の研究でも何でもないんですが、デザイン思考側の協働するといいよというエビデンスで有名なもので、Harvard Business Reviewに出ているものですけれども、多様性があるほどイノベーティブなアイデアが出る可能性は上がるんですけれども、アベレージは下がるというエビデンスでして、確かにこっちも出るんですけれども、しょうもない意見もいっぱい出るというのはやっているとよく感じることなんですが、何とかしてこっちの可能性を上げるというのが我々のやっている取組という話をよくさせていただいています。なので、我々も多様性がすごく高い大学院なんですが、ほっておくとこっちにすぐ行ってしまうので、とにかく上げなきゃ上げなきゃというので、日々努力をしているところです。
 こちらはScienceの方で出ている同じく協働の方がいいという集合知、コレクティブインテリジェンスというもののエビデンスのデータですけれども、社会的適応度の高さ、人々とうまくやる、我々は空気を読む力と言っているんですが、空気を読む力のある人を育ててうまく協働を進めるということをやるような教育研究をやっています。
 システムエンジニアリングに基づくシステム思考側とデザイン思考と言われているものは相反するんじゃないかというのを実はよく言われていまして、我々が説明するとよく言われるんですが、確かに溶け込ますことはできないといいますか、同時にはできないんですけれども、これをうまく組み合わせてステップ・バイ・ステップで切りかえたりですとか、タイミングで使い分けていくような感じのことを我々は想定していまして、こういうふうによりシステム的に、俯瞰的に、あるいはシステマチックに、系統的に見ることも要る。例えば分析をしたりするときにはこちらが要りますし、一方で、協働的に新しいアイデアを出すときにはデザイン思考的なものが必要になってきますので、これらをうまく組み合わせてやっていくということをやっています。
 先ほどのデザイン思考では大体三つに分けてやるんですが、我々はよく四つに分けていまして、アイデア出しのところと収束、選ぶところ、まとめていくところは全然違う考え方なので、我々は四つに分けていっておりまして、発散のところ、収束、あとはフィールドワークとプロトタイピング、スタートがどこからかはケース・バイ・ケースだという認識なんですが、フィールドワークでデータに基づく場合もあれば、ある程度、コンセプトの何もないところでわざとつくっておいて、フィールドワークに出ていってから調べていくというパターンもやっているので、どちらから始まるかわからないんですが、大体この四つのところをやりながらやっております。
 次は、同じものをシステム的に見たときにどうなるかのマッピングですので、全く同じことを言っております。全く同じものを違う視点でわざとまとめておいて、どちらからでもアプローチができるような形をとっております。
 基本的な我々の考え方は、これを繰り返し、繰り返しやっていくと。実際にフィールドワークで何か気づきを得て、そこからアイデアを発散させて、収束させて、プロトタイピングをして、またフィールドに出て、新しいまた気づきを得てというのをどんどん繰り返していくことで、よくスパイラルアップと言っていますけれども、新しいアイデアをつくっていくということを授業の中でやっております。
 これが我々の考えるイメージなんですけれども、最初の方はデザイン思考の割合の方が実は多くて、ただ、システム的に見るところもある。それを現実に落とそうとすればするほど、デザイン思考の割合がちょっと減ってきて、システム的に考えるところが増えてきて、ここがシームレスになっているというのが我々のイメージでして、これを理解して、フェーズに合わせてどんどん割合を変えていきながら進めていって、実際、物に落としていくというところを授業の中ではやっておりまして、全部を一つになかなかできないので、前半のところをデザインプロジェクトというので教えて、この後、SDM学という我々がつくった考え方があるんですが、それに基づく序論ですとか実習といったものでカバーするというような切り分けで、我々の大学院では教えております。
 今日は前半のデザインプロジェクトというものを御紹介させていただきますが、我々の大学院ができたのが実は2008年でして、まだ卒業3期、今年やっと5年目を迎えておりまして、まだまだ実績もないので、今頑張ってつくっているところですけれども、今配らせていただいたのは実はALPSカードと書いてあるんですが、3年目までALPSと呼んでいました。Active Learning Project Sequenceという名前でALPSと呼んでいたんですが、名前が4年目から変わりまして、デザインプロジェクトという呼び方にしております。
 2008年から、一学年80名ぐらいがこの授業を受講していますので、5年で400名ぐらいが今まで受けてきているという形になります。この授業なんですが、スタンフォードとMITとTU Delft、最近はアールト大学さんとコラボレーションの調整をさせていただいていますけれども、つくったときはこの三つの大学と連携でつくらせていただきました。スタンフォードさんがデザイン思考的なところが強いので、そちらの要素を持ってきていただいて、MITさんがシステム思考的な要素が強いので、それを持ってきていただくと。デルフト工科大学さんは、我々のデザインのアプローチがプロダクトだけではなくてソーシャルシステムもターゲットにしていまして、まちづくりですとか、そういったものもターゲットにしていたので、そういったところに知見のあるTU Delftさんに入っていただいて、4大学で事業をつくり上げるという形のことをやらせていただきました。
 スタンフォードの大学の先生とMITの先生が喜んだのは、この二つの大学が一緒に授業をやることはアメリカでは不可能なので、日本でやるのはとても楽しいというので、実はそれで喜んで御参加いただけたというのがあります。同じ授業を一緒にやっていましたので、そういう機会はなかなかないんだよね、日本に来ないとできないよねというので、やってくださいました。
 どんな感じかといいますと、6か月間の授業でして、昨年度までは5月スタートの11月終わりぐらいだったんですが、今年度からは4月スタートの9月終わりという形になります。いわゆるワンセメスターには微妙に入らないような期間なんですが、どうやっても縮められなくてこんな形になっています。
 三つのフェーズに分けていまして、ラーニングフェーズというのが考え方とか手法をとにかく学ぶフェーズで、実際に授業では座学的に教えて、その場で演習でやってみるということを繰り返しやる予定です。大体これが2か月ぐらいかかります。ちょうど先週末も合宿で、2泊3日のうち丸2日間、これを朝から晩までやり続けるという合宿をやってきたんですが、そういった感じです。
 第2フェーズ、アクティブラーニングフェーズというのは、実際に企業さんからお題を持ち込んでいただいて、それに対するソリューションを提案するというのが最終アウトプットになるんですが、お題は同じなんですけれども、教えたことを教えたとおりにやってみなさいというフェーズが第2フェーズになります。これが大体一月から一月半ぐらいをかけてやります。
 残りの期間をかけて、第3フェーズ、デザインフェーズというのがあるんですが、手法は使いたいものだけを使って、自分で変形してもいいですと。全然違うツールを持ってきてもいいです。我々の大学院でもいろいろな手法からも教えているので、自由に組み合わせてくださいと。とにかく提案者に対するソリューションの高い質のものをアウトプットしてくださいというフェーズがここになりまして、ここが最も過酷な、学生たちにとっても、先生も結構過酷な時期なんですが、そういうフェーズになります。ここになりますと、社会人学生が多いので、大体、皆さん夜、週末に集まってくるんですが、夜な夜なグループワークをみんなやっていまして、昨年度までは各グループが六、七人、今年度からは3名から8名で自由で自分たちでつくれるようにしたんですが、いろいろなチームがいろいろなところで先に進まなくて壁にぶち当たっているところに、我々教員が夜回り先生と呼ばれているんですが、夜な夜な回っていって、すごく悩んでいたらそこに入っていって、「何が起きている?」といろいろ聞きながら、それに対して一緒に議論していくというのをやっているフェーズがここになります。
 今年度はちょっと違うんですが、2012年度のプロポーザ企業さんというのはこれらの6者の会社になります。昨年度は12チームをつくったので、各プロポーザに対して2チームずつがつくという形でやっております。同じお題なんですが、もちろん言われたとおりのことをやるんではなくて、例えばNECさんの場合、NECさんの研究所だったんですが、研究所まで行かせていただいてオブザベーションをやらせていただいたりですとか、ツネイシホールディングスさんは広島県の造船業をやっている会社さんなんですが、広島まで学生が行って、泊まり込みでオブザベーションをやるというところからやっていますので、実際、問題は本当は何なんだろうというところから始めるということでやります。
 先ほどの第3フェーズのところは大体三、四か月あるんですが、大体2週間でワンサイクルを回すようなイメージですので、五、六回ぐらい、先ほどのオブザベーションをやって、アイディエーションをやって、プロトタイピングをやるのを回していくと。最終的に五、六回終わったところで最終のアイデアを提案するという形の流れになります。
 この授業以外にも、2012年度、我々がこの関係のワークショップを大体60回やらせていただきまして、参加者は延べ3,500人、250時間ぐらいのワークショップをやりました。テーマも多岐にわたっていまして、新商品開発、ビジネス開発から、まちづくりから、自分の人生プランづくりといったところまで、本当に多岐にわたるテーマに対して、そのたび、そのたび、ワークショップのやり方を変えるんですが、いろいろな手法を組み合わせたり、あるいは、実は慶應の先生だけではなくて、ほかの大学の先生、あるいはほかの会社の方にも来ていただいたりして、ファシリテーションをやっていただきながらやっております。タイプもデザイン思考タイプから、フューチャーセッションとありますが、いわゆるワールドカフェ型式なものから、そのコンビネーションから、いろいろなパターンでやらせていただいています。
 特に公開でやるときには、慶應イノベーティブデザインスクールで頭文字をとってKiDSと呼んでいるんですが、KiDSというデザインスクールで、集合知を生かした方法論ですとか手法のワークショップをやっております。
 あと、日比谷図書館さんで全6回のワークショップもやらせていただきました。この6回は全て社会人の方々が参加していただいて、こういったテーマで毎回2時間ずつぐらいでやっております。これは1回につきたしか30人ぐらいだったと思うんですが、それぐらいの規模でやっております。大きいのは、スーパーサイエンスハイスクールなんですが、福島高校さんの一学年300人の同時ワークショップというのをやりまして、体育館で地べたに座ってやると。残念ながらテーブルも用意できないぐらいの人数だったので、それぐらいのものから、小さいのは10人ぐらいの規模まで、大きさは多種多様です。
 あとは、高校生は福島高校さん以外にも高木学園さん、私立の学校なんですけれども、正式な授業の中で今年度からやらせていただきまして、福島高校さんは昨年度は1年生だけだったんですが、今年度は1年生と2年生別々にやるということで、350人ずつの合計700人を1日でやる予定になっています。
 あと、ファシリテーターなんですが、30人ぐらいまでは1人でもやるんですが、300人規模はとてもできなくて、10人ぐらいで行きます。うちの非常勤、あるいはなれたTAが一緒に行って、かなり入り込みながらやる形になりますので、テーマによります。この後紹介する難しい手法とかやり方、考え方を使う場合には、1チームに1人つける場合もありますし、ブレーンストーミングみたいな簡単な場合は、1人でかなりの量を見られるので、10人ぐらいで300人、400人ぐらいを見たりという形をやったりします。
 企業さんの場合も数パターンありまして、企業研修は、一つはやり方を知りたい、考え方、方法論を教えてくれという研修ですね。この場合は1日、2日で大体終わります。研修を通じて最終的には結果まで出したいという場合は、ソニーさんはしゃべってもいいことなので大丈夫なんですが、ソニーさんのクリエーティビティ研修の場合は、最終結果を社長に対して提案していくという結果を出すことが一つの目的だったので、3か月間隔週で、2週間に1回、日曜日に朝から晩までやるというのをやりまして、その間はソニーさんの中でつくったグループがそれぞれ動いているという形でやらせていただきました。それは今、社内プロジェクトで、社長直轄プロジェクトで動いていますけれども、実際提案したのを商品開発をやっているというフェーズになっています。
 あとは実際に共同研究という形で、教える方ではなくて結果を出す方の共同研究もありまして、これは日経コンピュータさんでイノベーション特集があったときに出たんですが、デザイン思考でやりますという挑戦のところに新規事業開拓の案件でして、日立さんとの間で話題になっている例の電力系の部署の人たちなんですが、新ビジネスの開拓をするというので、企業さんの新規ビジネス提案で難しいのは、企業さんのやりたい方向というか、例えば三菱重工さんがまさかシャーペンの提案をしても、やはり社内では通らないので、会社のやりたい方向性との一致をするというのが結構内部で苦労されていたというのがあったので、このときはちょっと変わっているんですが、企業の社是、企業理念みたいなところとアイデア出しとをうまく合わせていって、方向性がずれない方向の出し方を一緒に研究して、実際にアイデアを出していくというところまで持っていくというやり方をしました。なので、結果を出しながら、仕組みを一緒に考えていくというような共同研究をやっています。これもまだ継続しております。
 こういうのをかなりやってきて、実際にファシリテーションはかなりいろいろな人間ができるようになったんですが、ワークショップをデザインする人が五、六名しか我々もいなくて、これでは我々自身が立ち行かなくなってきたというのがありまして、ワークショップをデザインできる人を育てようというので、やっとここ5年ぐらいをかけて知見がたまってきたので、それを教えていくというのを今年の秋学期ですけれども、今年の1年生が9月までデザインプロジェクトで実際に使う方を学ぶので、今度はそれをデザインする側に回れる人を育てようというので、今年の秋学期からワークショップデザイン論というのを立ち上げて、その中で何を考えてデザインしていくべきかみたいなことを教えるというのを始めようとしています。これはまだ始まっていない、これから始めようとしています。
 この後、二つだけ御紹介させていただくのが、我々もスタンフォード、MIT、デルフトさん、あるいはこれまで世の中にあるいろいろな考え方とか手法とかを使っていたんですが、足りないものとか、あるいは研究の中で生まれてきたものもありまして、その一つが、今日、皆さんのところにお土産として配付させていただきましたこれなんですが、欲求連鎖分析というやり方になります。これはもともとは人の行動を促すための欲求をどのように考えて捉えていこうか、それを可視化するための手法でして、ちょっと変わっていますのは、2掛ける2のマトリックスにやっていまして、欲求の主体と対象という形で、自分が自分に対して何かしたいのか、自分が他人に対して何かしたいのか、自分は他人から何かをしてほしいのか、自分は誰かがほかの人、例えば先生が自分の子供に何かしてほしいのか、自分と自分以外というので、主体と対象って単にそれだけを分けただけなんですが、その四つで分けて、自分がメリットを得るような利己的なものには赤い色で、他人がメリットを得るようなものは利他ということで緑の色、自分が何とかしたい場合には色を塗り潰して、誰かから何かしてほしいものは白抜きにするという、単にその組合せで、この四つで欲求の構造をあらわしているんですが、これとマズローの欲求を組み合わせる形で、どのような欲求の組合せでサービスが実現されているのかというのを分析、設計するための手法として開発したものであります。この裏に御紹介が書かれていますので、興味があれば是非見てください。これはポスト・イットです。スリーエムさんにつくっていただいたポスト・イットになります。
 こちらはごく普通のポスト・イットを使っているものなんですが、構造シフト発想法ということで、いろいろなアイデアを出すんですが、アイデアを構造化していって、ブレーンストーミングをよく使うんですが、ブレーンストーミングって自由連想法で自由に出しているはずなんですが、それでも意識しない自分の枠みたいなのがあるので、その枠を見つけ出していって、その枠から強制的にずらしていくという自由連想法と強制連想法を一つの中でまとめてやってしまおうという構造シフト発想法というのを最近使っておりまして、そういった手法のやり方をここに紹介させていただいています。
 こういうふうに、世の中にはたくさん手法があるので、勉強させていただいてそれも使いますし、我々のオリジナルもうまく組み合わせながら、全体のワークショップというのを考えてデザインしていって、何とか結果が出るまでやっていこうというのが我々のデザインプロジェクトの授業という形になっています。
 ということで、以上で説明を終わります。どうもありがとうございます。
【石川主査】  どうもありがとうございます。
 まずは席にお着きいただいて。
 今日もお三人の方から、今日は特に現場でのデザインをなさっている、デザインでも意味がいろいろですけれども、なさっている方からの御発表があったと。まずは3人の方への御質問等を承りたいと思います。その後、多少その先の話をさせていただければと。いかがでしょうか。
【鳥谷委員】  古谷さんに質問をさせていただきたいんですけれども、ワークショップで最初に社会の新しい姿というものを皆さんで話し合われたと思うんですけれども、それで具体的にどういう製品をつくっていくかに落とし込んでいかれるんだと思います。
 で、エスノグラフィーというのはどのポイントで用いられるのか、新しい社会の姿を創造して、それに対してどういうことができて、どういう解決を製品なりシステムでやっていこうかというところで、現場に行ってエスノグラフィーを使うのか、それともまずエスノグラフィーを用いてから、そこから上流に上がって新しい社会をイメージしていくのか。どういうポイントでエスノグラフィーが使われるのか、という意味でお聞かせください。
【古谷委員】  まず、エスノグラフィーの使われ方はいろいろな場面があります。エスノグラフィーが使われる場面は、事業の最上流でまず現状把握をするという場面もありますし、アイデアを考えてプロトタイピングして、それを落とし込んだときにそれがどうであるかというふうに使われる場面もあります。ですから、最初に何か新しい気づきといいますか、課題を発見する場面で使われることが、今は実際には多いと思います。
【石川主査】  ということでよろしいでしょうか。
【鳥谷委員】  はい、ありがとうございます。
【石川主査】  ほかはいかがですか。
【平川委員】  並木さんの御発表の方の質問なんですけれども、後半の方で出てきましたD-hints、実は以前、こちらのお話、電通さんの担当者の方に伺ったことがあったんですけれども、そのときにも少し伺ったお話の中で興味を持ったのは、かなりの部分がSNSを使うという形で自動化というか、例えばアイデアへの投票の仕組みとかというのがシステムとして入れ込んであって、更に先ほどの御説明でもありましたけれども、例えば優秀メンバーを評価してポイント付与、ゲーミフィケーションを取り込むことで参加へのインセンティブをつくっていらっしゃるという工夫をたくさんされていて興味深いんですけれども、そうした工夫をしてもなおうまくいかないケースというのは、どういったような要因が働いてしまったときにうまくいかないのか、また、逆にそうした状況でうまくいかせるようにするためにはどういうような工夫がなされているのか、日本で導入されてまだ間もないということなので、まだあまりそういった知見がないかもしれないんですけれども、何かそのあたり、自動化の限界といいますか、その自動化の限界を更に超えてうまく活用する、そのあたりの工夫のお知恵とかがありましたら、お願いいたします。
【並木委員】  まさに試行錯誤している最中でございますので、いろいろなことがあるのですが、一つうまくいかないのは、トライアルでやった場合には、どうしても関係している方々のサークルでやると、発想がそんなに広がらないんですね。ですから、どちらかというと幅広いところでやらないといけなくて、そうすると、どこまで広げるかということが課題になる。私どもはグループ会社に調査会社がありまして、その会社が結構感度の高い人間を集めたようなパネルが持っています。それを使ってみるという手もあるんですが、ただ、感度がよくても、そのテーマに全然関与がないとなかなかうまくいかないというのがありますので、そこら辺のさじかげんがすごく難しいなと思っています。ですから、ある程度、その議題に対して興味がありながら、全然違う人間を見つけてくるというところがポイントでございまして、そこをどういう形で見つけるかというところが非常に難渋しているところでございます。
 ですから、発言がなかなかないということ以前に、どれだけ参加していただく人を選ぶかというところが大きな課題になってきていると思います。
【平川委員】  ありがとうございます。
【石川主査】  ほかいかがでしょうか。
【鳥谷委員】  ちょっと感想を交えながら、白坂先生に質問させていただきたいんですけれども、今うちの大学でもある研究グループの目標設定をしようということで、まず新しい社会はどういったものかということを教員間で考えながら、研究の目標設定というのをしようとしているんですが、どうしても数人の研究者ではイメージに限界があって、企業の方、数人に入ってもらっても限界はあるだろうと。
 ちょっと今お話に出たんですけれども、D-hintsみたいなものを使って広くイメージを集めるということも一つのヒントになるのかなと思ったんですけれども、今度は逆に多様性が高まってくると、価値が低くなってくると。それをどうやって解決するかというのがシステム思考とデザイン思考の組合せだ、というような理解でよろしいんでしょうか。
【白坂委員】  はい。
【鳥谷委員】  そうすると、単なる平均値にはならずに、エッジのきいたものが挙げられるようになるというようなことでしょうか。
【石川主査】  いかがですか。
【白坂委員】  ありがとうございます。基本的にはそうです。あの平均値というのは、例えばとても有名なのはブレーンストーミングのルールとかがあると思うんですが、ああいったものが何もないような状態で、単に集めただけでやってしまうと下がるというのがもともとのデータでして、なので、ある一定のルールを持つことによって上に上げる、方法論を持つことによって上に上がることができるということなので、一番簡単なのは、ブレーンストーミングだと、ブレーンストーミングのルールで否定しないですとか、今日もありましたけれども、質よりも量だとか、あるいは多様性を確保して空気が読めるような人を入れるですとか、1人が意見をとり続けないみたいな、そういったのをちゃんと工夫するだけでも上がると思います。我々もそれは感じていまして、ただ、ブレーンストーミングって、やるとわかるんですが、練習するととてつもなくうまくなるんですよね。我々も2日に1回ぐらいブレーンストーミングをやるんですが、それは先生方と一緒にやる場合もありますし、生徒とやる場合もありますし、企業さんとやる場合もあるんですが、なれている人たちは見た瞬間にやっぱり違います。このサイズですと、5分あればいっぱいになるくらいのブレーンストーミングの結果が出ますし、ただ、出した後、どう扱っていくかというのもこれまた難しくて、収束していく過程でどううまく収束していくか、こちらの方がどちらかというと難しい方が多くて、そこで失敗すると、例えば平均値だとか、多数決とか、そういうのをやると、みんなが合意できるものだと平均的な結果になってくるんで、そちらでエッジを落とさないようにやる方が難しいかなというのが個人的な……。ただ、ちゃんと何らかの考えを持ってやると、平均値の方にだらだら行くんではなくて、少しでも上に可能性が行くというので、先ほどの理解で正しいと思います。
【石川主査】  今の議論はほかの方もいろいろと御意見があるのではないかと推測しますが、端的に言うと、自分の好みの人を集めちゃうと平均値以下になるからだめになる。だけれども、ほかの人を入れると時間はかかるという話ですよね。ただ、いいのが出る可能性は高まると。
【白坂委員】  はい。そうでございます。
【石川主査】  D-hintsなんかのお話を聞いても、今のお話、私にはちょっと衝撃的だったんですけれども、とるアンケートの先、母集団をどう決めるかが重要だということは幾らでも操作できるということと紙一重なわけですよね。その操作は、今の白坂委員の言うところによると、なるべく上の、本来持ち出したいものが出るところの確率を上げるような人たちを探さなきゃいけない。何かそこにちょっとしたノウハウがあるような気がするんですよね。そうお考えですかね。
【並木委員】  まさにそういうところでございまして、例えばブレーンストーミングになれている方は、大体質問すると、どういう答えをすれば受けるかということになれてしまうということがあるので、常にそれを防ぐようなフレッシュネスは必要だと思います。それから、操作するということではなくて、いかにこの手のものについてアイデアが出せる方々をどういうふうな形で選ぶかというところが大きなポイントだと思います。必ずしもセグメントの仕方だけではなくて、質的な問題を含めて、そこのところが課題になるかなと思っています。
【石川主査】  はい、どうぞ。
【平川委員】  今のところに関連させて言いますと、恐らく最初に集めるときにどういう意見を持っている人、どういうアイデアを持っている人かというよりは、どういう課題を抱えている人か、同じ課題、近い課題、共通して議論できるような、課題を抱えている、何かソリューションを探している、モチベーションを持っている人というふうに探していくと、ある種の操作にはならないというか、操作を超えて、確かにこういう課題に関するというところである種の傾向があるわけですけれども、実際に出てくるソリューションとしては様々なアイデア、想定外のものが期待できるということで、いわゆる操作にはならないのかなと思います。
【石川主査】  私が操作という言葉を使ったのがいけないかもしれないですが、産学連携の現場ですと、片や企業の方がいらっしゃって、企業の方の非常に固まった考え方がある。片や大学に逆の方向で固まった考えがある。その間で何かのシナジーを生み出そうとしたときに、操作というか、そうなっちゃうものをどうやって打ち破るかというのが必要で、そのときに新しいアイデアが出るようなどういった人を呼べば、そこでうまいシナジーができるかというあたりがポイントではないかと思うんですが。
 日立なんかはいかがですか。
【古谷委員】  そうですね。おっしゃるように、私は今デザイン部署におりまして、企業の中では比較的、研究者とか技術者と違う立場でいるつもりでいるんですが、実はそれである一固まりとして例えば大学さんとやると、本当に一固まりの枠に入っているなとよくわかるんですね。日立という、ある意味一色になると。逆にそういうときに、ほかの企業さん、全然違う方たちの一固まり、一固まりと言うと失礼ですけれども、そういうのがありますと、比較対照すると発想の幅が広がるといいますか、気づきが多くなるとか、あるいは工学系でない先生がいらっしゃるとか、そういう状況というのは非常に我々にとっても勉強になりますし、何か新しいきっかけを得やすいのかなと思います。
【石川主査】  何かそこらで失敗するということはありませんか。こういうメンバーを呼ぶと失敗する。
【古谷委員】  そういう意味ですと、失敗といいますか、例えば先ほど御紹介した将来のサスティナブルな社会を考えようということで、いろいろな関係者に集まってもらうんですが、失敗といいますか、ちょっと予想外だったのが、なかなか事業にならない感じのものが出てくるわけですね。とてもすてきなんだけれども、それはうちの会社の事業と何が関係あるんだろうというものがどうしても出てきてしまうし、それを途中で逆に誘導して何かに落とし込もうとすると、多分これはよくないなという感じもするので、その会はあえてそういうことをしなくて、かなりフリーにやったんですけれども、先ほど御意見もありましたように、そこから実際の活動にどうつなげていくかというところは、多分まだ非常に課題があるなと思います。
【石川主査】  大学の人間はわりと関係ないことを言いがちな人種ではありますが、それを排除し過ぎると、普通のアイデアしか来ないし。
【古谷委員】  予定調和といいますかね。
【石川主査】  ええ。ほかは。
 私、お三方のお話を聞いていて、それぞれに面白いモデルをお持ちですと。そのモデルがうまくいく例がこういうのがあります、失敗する例も多分あるんでしょうが、そのモデルを使うときに、幾つかのモデルのこのモデルを今、目の前の案件に対して適用しようと思ったときに、そのモデルを適用するための前提条件だとか、うまくいく、いかないの予測だとかというのが、誰か1人ノウハウを持っている人がいて、その人がそのモデルを選ぶ、選択するという作業で誰かが必要で、今その人がいない中で同じようなことができるかというところが心配なので、ファシリテーターでも誰でもいいんですが、モデルの選択をエキスパートとしてできる人がいなかった場合、そこに本が1冊置いてあって、A、B、C、Dのモデルがあるけれども、そこへ素人の人、あるいはブレーンストーミングの参加者が来てどのモデルがいいかって勝手に選べるのかどうか、あるいは条件を皆さんわきまえて議論できるのかどうかというのがお三方への御質問なんですが、どうでしょう。それができるとすばらしいんですけれども、できないんじゃないかという。
【白坂委員】  現状、我々では多分できないと思います。先ほどちらっと言ったんですが、今5人ぐらいが結局それを設計してワークショップの流れをデザインして、お題を設定することによって流れる仕組みになっています。例えば今日御紹介させていただいたハートマークのWCAというやつは、あれはステークホルダーが何人か関与するところでないと意味があまりなくて、複数の人たちが関与するからこそ、その間の関係の欲求というものを可視化することに意味が出てくるんですが、例えばプロダクトのデザインのところのある機能みたいなことになると、実はあんなことをやらなくたってもっと簡単にわかって、直感的にわかったり、観察でわかってしまうので、向き不向きというのがあるんですね。なので、今回はこれを使おう、今回はこれを使わなくてもいいよねとか、今回はこういう流れ、今回はフィールドワークを先に行こうとか、今回はフィールドワーク先をやめて、わざと後にしようとかというのは、そのデザインをやってきた5人のぐらいの先生の間にだけしか今はなくて、それを可視化して教えていこうというのがこれからやろうとしている事業になっていまして、それもこうやれば全てうまくいくとはもしかしたらならないと思うんですね。考え方を教えて、この場合、こう考えなきゃいけないという大きな流れを教えて、あとはそれなりに毎回設計をしないとだめなんじゃないかなというのが我々のイメージなんですが、それを今何とか教えるのをやろうということを考えています。ただ、まだやっていないので、うまくいくかどうかはまだこれからという形です。
【石川主査】  それというのは、将来、何らかの条件づけなり、ドキュメンテーションなり、デシジョンツリーなりはつくれるものなんですかね。
【白坂委員】  ある程度はできるかなと思います。ただ、すごいスペシフィックなものは多分できないんじゃないかなという気はしているんですが、大きな流れはできて、ツールの特徴はあるので、そこのコンビネーションをある程度パズル的に組み合わせないとできないと思うんですが、大きなパズルの枠とピースという設計はできるかなと思っていまして、それを組み合わせるのは多分、ワークショップの設計者になるかなと思います。ただ、対象をちょっと限定するとかなり楽になるので、我々は先ほど言いましたとおり、すごく多様な対象に対してやろうとしているので、すごく一般的な考え方しかなかなか規定できないというところに難しさを感じております。
【石川主査】  お二人、並木委員、古谷委員は、今のお考えで、どうですか。
【古谷委員】  今、白坂先生がおっしゃったのとほぼ同じで、我々も今現在、何か既にあるものでそこで誰もがワークショップを始められるということにはなっていないと思います。
 それで、例えば目の前の案件ということで言いますと、この委員会自体、ひょっとしたらエスノグラフィーとは言わないんですけれども、問題の共有認識を最初にやった方がいいのかなということを私自身は思うわけなんですが、多分、私の同僚といいますか、ほかのメンバーはそうでないやり方を始めることでうまく持っていくこともできますでしょうし、必ずしも最初に何かしなきゃいけないという形式的なものではないかなと思います。それこそ空気を読むといいますか、状況を見ながら何を出していくかというのは考えられるのではないかなと思います。
 そうは言っても、問題意識として、ワークショップの質を上げたり、できる人を増やしていかなければいけませんので、一つ、パターン化はいずれ考えなきゃいけないかなと思っているんですね。このパターンにおいては、さっきのワークショップのデザインにつきましても、大体A型であるとか、B型であるとか、だったらこれだと、それぐらいの少し粒度は粗くなるかもしれませんけれども、それぐらいのことはやっていかないといけないのかなという問題意識は持っております。
【石川主査】  私なりの解釈では、一つにまとめることはやらない方がいいけれども、幾つかのパターンにやって、参加者がそこそこ上げるけれども、一つ二つ失敗はして、セカンドチョイスなりを選んでいくプロセスが必要かというふうに思うんです。
 並木委員はいかがですか。
【並木委員】  私どもの会社では、どちらかというと、クライアント様がまずいらっしゃいますので、クライアント様の問題意識がどこにあるかというところから発想すると、そんなに選択の幅というのは狭くなるというところがございます。
 それからもう一つは、今申し上げた事例はパッケージグッズでございますので、どちらかというと世の中を変えるイノベーショナルな商品が出るということよりもて、微妙な差異の中でどれだけのものが出てくるかということがあるので、そこは我々が広告会社としてやっている商品開発と、大きな意味でのイノベーションを起こそうというところには大きな差があるのではないかなと思います。ですから、今のやり方というのは、あくまでもある程度課題が見えているときには有効な手段でございますので、これが逆に言うと、大きなイノベーションを起こすときにどれだけ使えるかというところで御参考になればいいかなと考えております。
【石川主査】  江上委員。
【江上委員】  ありがとうございます。大変参考にさせていただきました。
 私は並木委員のOne-set Communication法というのを活用するポテンシャルが非常にあると思っています。私どものように医と工、あるいは産と学が新たな治療開発活動を行う中で、官がベネフィット、リスクを一つのテーブルに出して、実際にそのイノベーションを実現するまでの共通の方策であるとか、あるいは特に課題解決策を相談する場合、より多様な専門分野を持っている同士で、ここにも書いてあるように、ベネフィットとリスク、課題なのか、チャンスなのか異なった専門分野から見て、両方の議論への課題出しを議論しています。先端的な研究に関してある状況が起きたときに、それが本当に課題なのかどうかということを、参加する多様な専門性を持ったメンバーで両面を見る努力はしているんですね。それをもっとシステム化できるのではないかと思います。一方、例えば異なった競合企業、例えば再生医療イノベーションフォーラムという産業の団体の準備委員会を1年間やったときというのは、委員がそれぞれ所属企業を背負っているために、新しい再生医療というものをどうイノベートするかということについては、情報を持って帰るというインセンティブはあっても、先行してアイデアを出すというインセンティブはなかなかない。そういう集団の場合は、先ほどの慶應大学白坂先生がつくられたポスト・イットのようなものを使って、とにかく体を動かしてもらい、まさに一人格として動くことで所属する企業と分断する工夫をしました。それぞれが個人のパーソナリティーのある参加者として共通の作業活動を行うことによって、一体感が生まれ、その後は、より自由ないろいろな意見が出てきました。One-set Communication法を元にしながら、参加する人達がより相手にインフルエンスを与えようというタイプの集団なのか、それとも何か情報だけ持ち帰ろうとするメンバーが多いのか。それによってもう一工夫が加わると、このOne-set型というのは非常に効果があると見ています。今までの御経験から、集団のタイプによって加えていらっしゃるノウハウがあるんじゃないかと私は思うんですけれども、何か事例出しでもしていただけると大変助かります。
【並木委員】  ありがとうございます。まさにおっしゃったとおりだと思います。よくある失敗するパターンというのは、結局、みんな意見を出し合って、物事が何も前に進まないという会は必ず失敗します。ですから、その会に出すことによって何か物が進んでいくと思うと、皆さん参加するし、参加意欲が高まるし、いろいろな議論も発展するのですが、意見だけ言って情報共有だけで終わってしまうという会議は、大抵2か月もたないですね。ですから、こういう会議に出た場合に、そこで何かお土産として持って帰るものがあって、なおかつそれが自分の商売に結びつくというようなことがあれば、モチベーションは高まると思います。
 それはどうすればいいかというと、まさに我々は「背広を脱がせる」という言い方をするんですけれども、いろいろな利害を持っている方の上着を1回とって、一個人として参加していただくような雰囲気づくりというのは大事ですし、端的に言うと飲みに行くのが一番いいんですけれども、そうもいかないので、できれば会議の場でそういうことをやっていくことが必要なんでしょうけれども、それは参加されている方とファシリテーターの力量にかかってしまっているというのが現状ではないかと思います。
【石川主査】  何か主査が責められているようであれですけれども、久保委員、どうですか。
【久保主査代理】  お三方、どうもありがとうございました。それぞれ工夫してやっておられるんで、非常に勉強になりました。
 そういうやり方というのは我々も非常に勉強させていただいて、こうやってミーティングをやっていると、ある程度の結果が出ます。そういう研究テーマを選ぶときに、当然のことながら、近いテーマを選べば達成できますよね。ところが、遠いテーマを選ぶと、それを達成するのはものすごく大変で、我々としては、できるだけ達成できて、なおかつ遠いテーマを選ばせるようにしなきゃいけない。だから、こういうのを何回もやっていると皆さんわかると思うんですけれども、はるかかなたのテーマのアイデアはいっぱい出てくるんですね。でも、それを誰がやるのといったときに、誰かがやってくれるだろうという話で終わってしまうと、トレーニングとしてはいいんですけれども、イノベーションにはちっともつながらない。うまくいくかどうかは別にして、とりあえず本人は何が何でもやるぞという気でやってもらわないと結果は出ないんで、何が何でもやるぞというイノベーションを持った人がついているテーマをどうやって選ぶかというのをもし教えていただけたら有り難いんです。当然そういうのを目指しておられると思うんですが、そうするためにどういう工夫をしておられるのか、これは是非お三方に教えていただければ。
【江上委員】  一つ質問ですが、今おっしゃったケースでの企業参加者というのは、貴社はどういう視点でこのプロジェクトを評価してみてくださいとか、最初に参加するときの位置づけをどのぐらい設定して参加をしてもらっているんでしょうか。とりあえずやる気が出そうなものがあったらやってくださいということなのか。貴社にはできればここを本来は見てほしい、その検討をやれるのか、やりたくないのか、やるとすればどういうやり方や技術課題があるのかというふうに、自主的に評価しなければいけないモードに意識づけてくるかどうかで大分違うかなと思うんです。特に企業の場合ですね。一般個人の場合では、主婦であったり、患者であったり、自分が参加者として体現する立場がある程度わかっていると思いますが、企業というのは様々な間口があるものですから。
【久保主査代理】  私の先ほどの質問は、大学人なので、大学をイメージしています。大学の研究者がどういう研究テーマを選ぶかということで今イメージをしているんですが、当然のことながら、企業と一緒にやるケースはあります。企業の場合はわりとトップダウンで、君のところのチームはこれをやれということで言えるんですが、大学の先生というのはなかなかそうはいきません。一緒にやる場合でも、当然のことながら、そういうやり方はできるんですが、モチベーションが上がらない。だから、とりあえずやっておきましょうということではなかなか前へ進まないんで、企業の場合でも自主的に、私はこれを何としてもやりたいよというボトムアップ的な形でやるのをイメージしています。だから、企業の人だから、もちろん意識は高い、当然、これをやりたいと思ってこられると思います。江上委員の質問に戻れば、テーマを選ぶときに、そのテーマをやりたいということで来ている方をイメージしています。何かあったらということではないです。必ずその中で自分がやりたいというテーマを見つければ、それは一生懸命そこに向かってみんな頑張ると思います。そういうテーマを何とかして選びたいと思っているというときに、どうするかはなかなか難しい質問で、でも、一部、それらしいヒントらしきものはお聞きしたような気はするんですが。白坂先生、あったような気はするんですけれども。
【白坂委員】  結構いろいろなケースがあってあれなんですが、一番難しいのはモチベーションがない場合で、強制の場合なんですね。企業研修というのは実はかなり厳しくて、それをやりたくて手を挙げてきていなくて強制で来た場合には、すごく苦労しています。自分で手を挙げてくる場合の企業研修と、公開講座で自由に来てほしいときには、募集の仕方を工夫しています。募集の仕方で、今回、これをやって何が得られるかというのがちゃんとわかる形でやらないと、そこの募集で想定してきたものと、実際、こちらがデリバーするものとがずれると、満足度がすごく下がるので、そこはすごく気にして募集から設計をして、何て募集をかける、こういうのをやるのにどういう募集をかけるかとか、今回はこういうことをやりたいから何て言って募集をかけるかというのは、ワークショップのデザインと一緒にデザインをするようにしています。
 大体、我々が一緒にさせていただくのは新規事業部の部署の方々が多いんですが、そういう方々は、仕事として新規事業をやらなきゃいけないというモチベーションが高いんですが、本当におっしゃるとおりで、たまたまテーマが自分がやりたいものとずれていると、やはりモチベーションが急速に落ちていくので、そこはワークショップの中で結構探りながらテーマを決めていったりするのを、ファシリテーターの力量にもなってくるんですが、反応を見ながらやる場合があります。テーマが決まっちゃっている場合には、モチベーションを上げようがないので、うまくいかない場合もあります。
 研究の方も、研究のテーマを決めるというのであれば、実際にやる人が好むテーマの方にうまくワークショップの中で持っていくことができるんですが、そもそもお題がそれに合っていない場合には、やっぱりうまくいかないので、そういう場合には、うまくいかなかったら話をして、これはそもそも違うねというようなことをやってテーマを切りかえることをやらないと、今のところは残念ながらうまくいっていないというのが本当のところです。
【久保主査代理】  ありがとうございます。
【並木委員】  先ほどバックキャスティングの本を御紹介させていただきましたが、この本にどういう反応があるかというと、現場レベルの人からはあまり評価は高くないのです。経営者クラスになると、これは非常に高く評価されて、非常にこれがいいのだという話になります。というのは、経営者の方々は、もうけることと環境にいいことをすることを同じ土俵で考えていらっしゃるのですね。上の方に行けば行くほどそういった経営意識というのは高くなっています。私どもが一番悩みなのは、こういう話をしたときに、現場からボトムアップでいくとうまくいかないです。トップの方にお話させていただいて、こういうことですよねということからだんだん落ちてきて、だんだんそういう話が現実化していくという話が多い。やはり、レベルの違うところから目線がないと、御反応いただけないというところが現実問題としてはあります。
 ただ、そうは言っても、実は日ごろクライアントとかとお話をしていて、「おたくの会社だったら、こんなことをすると社会にこんないいことができますよね」と言うと、「ああ、そうなの」という気づきがある場合が結構あるので、そういった気づきをどういう形で御提供できるか。そういうことに納得していただくと、面白いねと乗ってくれる方もいらっしゃる。一つはトップダウンでやるということと、一つはボトムアップでも、そういう意識を持った方をいかにオルグするかというところがポイントになってきているかなという気がいたします。
【古谷委員】  どういうお話ができるかなと思って考えておったんですが、社内研修の事例なんですが、社内でもイノベーション研修がありまして、いろいろな事業体から、自分はこれをもって事業をやりたいという人がまずそこに手を挙げて、1年間やるというかなりハードな研修があります。その中で、今日御紹介したような、兆しといいますか、社会潮流を読むようなところからコンセプトを立ててというところをずっと一緒にやっていくんですけれども、まず一つは、そこに来る人は研究者だったり事業部の人だったりするので、ある意味、自分の課題は持ってくるんですが、それを1回読みかえるんですね。社会にとってそれはどういう意味があるんだ、本当にやる意味があるのか。それを突きつけていくと、起きる現象というのは、1回その技術から外れるんですよね。本当にやるべきことはそこじゃないなと。それをやっていくと、今度は逆に何でそれをやるんだということがわからなくなってきて、再度そこに技術とどう組み合わせるかというところをつないでいく、あるいはほかの技術を持ってくるという再編集みたいなことをやるんですけれども、ですから、そのプロセスをその人たちと一緒にやると、もともとモチベーションがある人ですし、そのモチベーションが更に1回高次のものといいますか、社会課題レベルまで上がった上で、更らに自分の技術を見直すというようなことで、非常に強いモチベーションは維持できたかなというケースがありました。実際に、そのまま研修を終わった後にそれで事業を始めている人もいますし、そういうことができれば、一つは可能かなという気がします。
【石川主査】  どうぞ。
【杉原委員】  お話をいろいろ伺っていて、ファシリテーターの役目はかなり重要かなと思っております。白坂先生にお聞きするのがいいかもしれないですけれども、一般的に例えば大学院教育等で育成した場合、ファシリテーターとして、本当に能力が、皆さん、ある程度のレベルまでいくものなんでしょうか。それとも個人差がかなり大きくて、センスがかなり出てくるようなものなんでしょうか。
【白坂委員】  個人差はあると思います。全員ファシリテーターにしようと我々はしていないので、ファシリテーター向きの人もいれば、ファシリテーターじゃなくて、その中に入ってコントリビュートする方もいらっしゃるので、向いている人はどんどんファシリテーターになってもらうし、ファシリテーション能力を身につけていただきますし、そうじゃない人は無理にそっちには行かないような形です。先ほどのデザインプロジェクトは必修なので、全員参加なんですが、ワークショップデザインの方は選択科目になっていまして、そっちの方向をやりたい人がやるような形になっています。
 ただ、我々は、デザインプロジェクトの中で、あと、コミュニケーションという授業も別途あるんですが、どういうことを考えて、何を伝えてみたいな、そういうことは一通り教えて、たとえファシリテーターじゃなくても、ファシリテーターが何を考えてどういうことをやろうとしているかは理解できるようなことは、教育の中では実践を通じて行うということはやろうとしていますが、ストレートな回答からすると、全員はちょっと違うというか、人の特性の差というのはかなり大きいかなと個人的には思います。
【石川主査】  それを、Aさん、Bさんがいたときに、Aさんは合っている、Bさんは合っていないというのを、何らかの判断基準をディスクリプションとして書けますか。これ、なぜ申し上げているかというと、この委員会で私はわかったと言っても、これが全国の大学に普及するときには文章で行くので、そこに落とし込めるかという質問なんです。
【白坂委員】  むしろどちらかというと、我々はやりたいかどうかの方を見ていまして、やれるかどうかではなくて、やりたいという人には教えて、ただ、やりたいという人にはできるように教えるんですが、確かに結果の差はばらつきはあると思います。ただ、もともとやりたいと思っていない人よりは圧倒的にできるので、そういった人でできるファシリテーションと、そうじゃない、やっぱりすごい人もいらっしゃるんで、すごい方ができるファシリテーション、それはちょっと質は変わるとは思うんですけれども、でも、教えるとできるようになるレベルが変わってくるので、ある程度教えることはできるかなと思います。ただ、残念ながら天才を教えることはできなくて、ある程度までは引き上げることはできるんですが、そこから上はその人のセンスだったりするところが結構ありまして、とてつもない人は何も言わなくてもできるんですけれども、我々がやろうとしているのは、ここのレベルを何とかまずは最低限にということは教えることはできると。
【石川主査】  私の質問は、そのできる、できないを、何かちょっとしたディスクリプションで判断する基準を示せますかと。
【白坂委員】  事前には多分、我々はやれていないです。
【石川主査】  事後ならばわかる?
【白坂委員】  やった後のものを評価はできるんですけれども、事前にこの人がそこへ行けるかどうかとか……。
【石川主査】  事前だと、多分試験をすることになる。
【白坂委員】  はい。それは多分、今のところはできるとは思ってはないです。やろうと思ったことがないんで、本気で考えてみないとわからないですが、それをやろうとしたことはないです。
【鳥谷委員】  状況によってファシリテーターのレベルとかタイプが違っていいと思うんです。例えば雑多な人が集まって、非常に広い、それぞれの異なった立場に立ったものをまとめていくとなれば、ファシリテーターの力量というのは非常に重要かと思うんですけれども、しかもそういう場合は、科学技術に対する専門的な知識は要らない。ただ、議論が煮詰まってきて技術的なところに来ると、逆にファシリテーションのプロじゃないURAとかコーディネーターの出番になってくるんだと。そういう場合は、そんなにプロフェッショナルなスキルでなくとも、ある程度の型を覚えていればできるようなところに持っていけるんじゃないかなと思います。
【石川主査】  どうぞ、是非とも御意見を頂ければと思います。
【阿部委員】  別の質問になるのですが、大学の現場で仕事をしている立場からみて、新しい何かを生み出そうということで、新しい社会ニーズに大学が持っている技術を当てようという形のものでは非常に有効だと思うし、すごく面白い話がたくさん聞けたのですが、実際のコーディネーター業務では、既に大学の持っているシーズと、企業のニーズというか、社会的なニーズをどこまで反映しているかわからないのですが、企業さんがちょっと試してみようという程度で緩く企業と連携しているものがたくさんあるのです。それを進めるなかで、このままじゃ事業化は厳しいんじゃないのか、どこかで大きな転換点を迎えて、事業化だとか、社会に貢献できるものにならないかなと思うものがたくさんあるのです。
 今回の手法が、連携しているけれど、これからの方向性や具体的な事業化イメージも見えないまま進めているプロジェクトを伸ばしたり、ブレークスルーを与えて大きなものに育てていくために使えないかなと期待して、前回も今回も聞いていました。ですが、既に先生と企業と連携しているプロジェクトの場合、メンバーが限定されてしまうんですね。担当の先生と、連絡先企業さん、入れたとしてもコーディネーターとかURAくらいで、オープンではやれないような状況にあるのです。そういう場合に、どんな人や、どういう要素を加えてると、ただの共同研究の打合せとかミーティングの延長ではなくて、今回御紹介いただいたワークショップ的なものにして、新しい発想や方向性を生み出せるようにと思っているのですが、いつものミーティングにどういう要素を加えたら、新しい考えが生み出せるものへステップアップさせることができるのか、御意見を伺わせていただければと思います。
【石川主査】  非常に難しい質問だと思います。
【阿部委員】  難しいです。
【白坂委員】  よくありますよね。よくあるんです。どれぐらいオープンにできないかによって厳しさは変わってくるんですが、その企業さんの社内のリソースがもし使えるのであれば変わります。我々も、ちょっと企業さん名は言えないんですが、当初はある部署さんとやっていたんですが、そこはそこそこな規模の会社さんだったので、社内にいる方々を実際のユーザーだとか、要はその社内の中で多様性を何とかつくり出すというのをやった例があります。
 あとは、外から人を呼ぶ形でやった場合には、出せないレベルをちょっと変えるんですね。技術そのままではなくて、技術というのは、それをちょっとメタ的に見ていくと、視点をちょっと変えていくと、機能だったりですとか、もたらす効能だったりするんですが、そういったところまで上げてしまって、詳細が見えない形にした状態でのお題を出してあげて、そこからのブレーンストーミングであれば、実際、どの企業が何をやっているかわからない形で、例えば大学側が主体になって、大学の公開のアイデア出しワークショップみたいな形で多様な方を呼ばせていただいてやるということもやったことがあります。
 やはりそういうのはよくあるので、何か工夫ができるところで何とかやるというのはできるかなと思います。ただ、厳しさによって本当にそこしかできなければ、その範囲の中でブレストのやり方、あと、我々が構造シフト発想法というのをつくったのは実はその理由でして、限られたメンバーでやると、どうしてもアイデアも固定化してくるんですが、それを強制的に動かす、自由連想法のブレーンストーミングで出せないときに強制的にアイデアを出すやり方なんですが、そういうのをうまく活用しながら、少しでもアイデアの発散ぐあいを広げるというのをやるのに実はつくったんですが、そういうのも利用しながら、今よりは少しは改善できるかもしれないかなという気はしました。
【石川主査】  時間もそろそろなので、2回ほど、現場で御苦労なさっている久保委員なんかの御発表があり、今日は実際の企業の中でわりと実績を積まれたような議論がありましたと。
 ちょっとここの場の大げさに言うと世界観みたいな、あるいはもっとやわらかく言うとみんなの共通認識という意味では、いろいろなところで面白いモデルなり手法が幾つかやられている。ただ、それはある条件とあるメンバーとある目的に対していい例が幾つかある。それで、私の聞いた限りにおいては、それを全部包含するようなスーパーモデルはどこにもない。だから、いろいろなモデルの各論併記というか組合せで、それの選択をとっていくんだろうと。条件はいろいろあって、現場の方が悩んでいる条件の中でどうするかというのもあるし、その条件を一度殻を破って違う条件の中でもっと広くやってみましょうという手法も幾つか出たと。そういったものが出て、アンケートもさせていただきたいんですけれども、手法と現場の問題点もある程度出てきましたというのが今日の状態かなと。
 これ、並木委員が後で収束させなきゃいけないとおっしゃっていたので、これを収束させるんですが、私の現状認識としては、一つのものにまとめるのは無理だと。ただし、各論併記で大体中心にはこんなものがありそうだ、それがこういう条件とこういう目的のためにはいけそうだというような複数の案が幾つか出そうかなと。それから、それの境界領域のあたりに変なものがあるらしいと。ただ、ここまでやるにはちょっと時間が足らないかなというので、その辺に関しては少し不問にして、中心のあたりにこういうモデルがありますよというアピールをこの作業部会からはできそうかなという感覚を持っていますが、そんなまとめではいかがでしょうか。
 次回ですが、それを事務局の方に、今までの議論と今の世界観というか、現状認識に基づいたまとめをつくっていただいて、それを少し手直しというか、追加、修正をしていくかなと思います。ちょっとテンポが速過ぎるという批判は受けるかもしれませんが、そのくらいやってみるのがいいかなと。
 それで、もう一つは、現場あたりで、今までの議論の中でないような視点をお持ちの方には是非とも御発表をしていただきたいんですが、20分ぐらいの発表なので、2人あるいは3人あたりをお願いできればと思いますが、やられますか。お持ちであればなんですけどね。
 じゃ、江上委員。お持ちでなければあれですけど。
【江上委員】  今までにない視点というのは……。
【石川主査】  だから、モデルの視点はあったんですけれども、現場でこういう場にはうまくいかないんだ、あるいはこうやるとうまくいくんだ。久保先生のがいい例だと思うんですけれども、そうすると、現場サイドと一般論としてのモデルとがつながるような気がする。無理につなげる必要はないんですが、申し上げると、条件と目的とに応じて、これだとこの辺のモデルが使えるかもしれないという議論ができればいいかなと。それが全体の議論を、ある程度ですけれども、収束させる方向に行けるかなと思っているんです。
 では、ちょっと後で御相談させていただこうと思います。次回は少し収束の方向へという方向で議論させていただきますし、周辺の部分に関してはまだまだ議論が足らないと思います。そこのあたりもやらせていただこうと。
 事務局から何かございますか。
【鷲﨑専門官】  では、お手元の資料4を御覧ください。
 次回、第3回の日程を書かせていただいてございます。次回、第3回でございますが、5月1日水曜日、15時から、会場としましては、今日と同じ場所を予定してございます。また、先ほど主査の方からアンケートというお言葉も頂きましたけれども、またもろもろの連絡等を併せて事務局より御連絡を差し上げたいと思います。
 以上でございます。
【石川主査】  どうもありがとうございます。
 では、今日の作業部会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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