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P.7、「大学院の量的整備」について、まず器を作るということではなく、どういう人を育てるかという議論が大切。量的整備というと、単につくればいいというふうに誤解を受けがちなので、表現を工夫すべきではないか。
また、P.13の「学生への経済的支援等」について、「学生が安心して進学できる」という言い方はいかがか。進学した結果、いい研究ができたか、活動が活性化されたかということが大切で、単に経済的支援を進学率向上のインセンティブとするのは書き方としておかしい。インセンティブとしては、例えばいい成果を上げたと評価される学生には奨学金の返済を免除するくらいのことが必要ではないか。
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P.7の「大学院の量的整備」は、これまでの取組み。これからも大学院は量的に拡充する傾向にあるとは思うが、平成3年の大学審議会で提言された倍増計画について既に実現したということをここでは記述している。大学院における教育機能に関しては、P.12の2にあるように、今後は各大学院の課程の目的等を明確化した上で、各大学が教育の課程の組織的展開の強化を図り、それを自主的・自律的に示していく必要があると考えている。
学生支援については、進学率のインセンティブにしているわけではない。「学生が安心して進学できる」とは、大学院に在学している間、教育研究に専念できるようにしていこうという考え方。
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P.13にある「ポストCOE」の推進、「フェローシップの充実」など、2期での取組みを3期でさらに推進しようとするとき、例えば産業界にとって望ましい博士号取得者が生み出されてきているかどうかなど、成果についての実感を伴わないといけない。2期の施策で優遇されてきた人材が、産業側から見て実際に魅力ある人材に育ったというエビデンスを取った上で、更なる充実を言うべきであり、その上で産業側も協力すべきだと思う。
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P.12の5、大学院の視点から、大学共同利用機関や附置研究所を連携の対象として促進すべきとあるが、共同利用機関や附置研究所の研究所としての使命という視点から見たとき、場合によっては相入れない場面も出てくるのではないかと思うが、どうか。
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先ほどご指摘もあったが、大学院における教育研究は、国際水準からみて依然として弱体であると、中央教育審議会大学分科会大学院部会でも言われている。その教育課程を充実するための策としては、COEとの連携を図ることと、研究所における研究活動に直接触れさせることで大学院教育の多彩さを広げることの2つがある。それらを行う上で、研究所との連携を強めることは今まで以上に重要であると認識している。
大学院における具体的な取組みである前者の固まりと、今ご指摘いただいた点と、その両方を考えるべきだというのが、今まで我々が1年ほどかけて検討してきている方向性である。
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人材育成について、P.11でコースワークの促進ということが書かれているが、先ほど国立大学協会からもお話があったように、研究の一翼を大学院生が担っているというのが日本の実情。アメリカでは修士課程ではコースワーク中心、博士課程で実質的な研究の一翼を担うと聞くが、日本の場合は修士課程で既に研究の歯車になってしまっており、本当の意味の教育がなされておらず、ひいてはそれが産業界に望まれる人材が出てこないことの一因になっている。コースワークのような制度を導入して産業界で役立つ人材を育てようというのはわかるが、一方で資金を獲得するために研究成果を出すことが求められる現状の中で、現場においてジレンマを解消するのは大変難しい問題。実際にコースワーク重視の教育を試みている大学院について、そのフォローをし、問題点を洗い出して対策を練ることが必要ではないか。
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事務局案の基本的なところは、大学院部会などで相当ご議論いただいている。大学院が量的に増え、学生の入学動機や産業界が求める機能も非常に多様化している中で、従来の高度専門職業人か研究者養成かの二つという整理に代わり、今では、優れた研究者の養成、大学教員養成、高度専門職業人の養成、さらには、21世紀型の高度な知識基盤社会を支える知的な人材層の養成を大学院教育で考えるような姿になってきている。
この中で、主に研究能力の基礎を養うためには、学生に性急に顕著な研究業績を求めるのではなく、国際水準の研究活動に豊富に接する中で高度な研究開発プロジェクトのマネジメント能力の元となる能力を育てたり、海外・企業での研究体験といった多様な学習をプログラムとして組み込むなどのコースワークが有効であると考えている。
文部科学省としては、まず来年、「魅力ある大学院教育イニシアチブ」と銘打ち、今申し上げたような体系的なコースワークを各大学の特色に合わせて提案してもらい、グッド・プラクティスを支援することを実験的に始めようとしている。その成果は大学界の共有財産にしていただき、それぞれの大学でバリエーションをつけて取り入れていただくことを想定している。
先ほどの研究所との連携も含め、体系的な大学院教育を可能にするような集中的な大学院教育の実質化の取組計画ができればと考えている。
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大学院生の能力が劣化している現状を見るにつけ、院卒の人材をこれ以上量的に増大することには非常に大きな問題がある。まず大学人が大いに反省し、抜本的に教育レベルを向上する覚悟を持つことが一番大事。また、文部科学省はいかにこれを誘導するかを考えねばならない。
本気で大学院教育の質を上げるには、大学院の国際化をやらざるを得ないのではないか。少子化が進む中、良質の院生の数を確保するためには外国から若者を招かざるを得ない。この点について、文部科学省として、あるいは日本国全体として、どういうふうに考えているか。また、大学人だけの取組みでは、実効がなかなか上がらないのではないかと危惧している。産業界では国際化の問題をどういうふうに考えておられるか。
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大学院の国際化については、単に外国人研究者の比率が増えるということではなく、国際的に見て魅力があり、優れた学生や研究者をひきつけるような拠点を作るという点が極めて重要と認識。厳しい財政状況の中、大学の自主的な活性化を促す21世紀COEプログラムのような研究教育拠点の形成と、先に申し上げた実験的な「魅力ある大学院イニシアチブ」のような体系的コースワーク開発とを組み合わせるような形で、国際的な拠点形成ができればと考えており、次期基本計画の中でも、その点を重視していただきたいと考えている。
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個人的には、大学院の国際化を図らないと、日本はだめになると思う。一方、産業界の考えを言えば、片方は非常にクール、片方は非常に熱い思いがある。クールというのは、世界最高水準の技術を求める産業界の舞台は世界全体であり、国境を越えて良い技術を求めようとせざるを得ないという面。しかし一方で、大学院に対し、我々が求めるのは研究成果よりも人材であり、日本の大学院で育てられる人材が絶対に必要。大学院生のレベル低下には同感で、その改善には産業界もサポートすべきだと思っている。
人材育成の場としてのCOEを含め、既に2期でやってきたいろいろな施策の成果は出ているのか。このままではますますだめになり、新しい施策をしてもまた失敗だろうという主張には、客観的データを持って反論した上で、次の施策を考えなければならないと思う。この議論は、産業界だけでなくアカデミアも含めて、2期の成果を検証した上でしないといけない。
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経団連としては、世界に冠たるCOEを大学と一緒になって作っていこうと提言している。21世紀COEプログラムは、今までに比べ、院生にRAとしてそれなりの処遇ができるようになったことはプラスだが、全てが世界と本当に勝負しているCOEとなっているかと考えると、なかなか難しい。日本全体がいかにして立派な人材を育てるか、10年計画くらいで考えていかないといけない。10年後にどういう世界が開けるかを、大学と産業界の優秀な人材が集まって、育てるべき人材、技術領域について徹底的に議論して初めて、世界に冠たるCOEの芽になる。
大学のマネジメント力を強化するために新しく法人化し、外の知を入れるために経営協議会を設置した大学について、今後どういう形でレビューするのか。COEをつくりましたというだけではなかなかうまくいかない。どうやって新しく自分たちの特徴ある、世界に冠たるCOEをつくっていくか。そのときにどういう人材を世界から、あるいは他の大学から集めてくるのか。そういうところから始めないと、解決にならない。
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「世界最高水準の大学院の形成」の方策に関して、3点ほど具体的にお聞きしたい。
大学院生の学力低下に対処するため、私が所属する私立大学では、単位制のコースワークを充実してきており、所定の単位履修後、後期課程であれば博士候補試験を受け、それが通り今度は博士論文を書けるところまでの試験を受けていくという3段階方式になっている。一つ大きな問題点は、博士論文を書くまでには、かなり時間がかかってしまうということ。とりわけ人文・社会科学系において、アメリカのようにPh.D.candidate(博士候補者)という一つの身分が認知されないと、学生の就職が難しいということも起こってくるが、この点については具体的に何か考えているか。
2点目に、私学でコースワークを充実してきた結果、教育方法の見直しのために教員に重い負担がかかった。TAの充実が重要だが、残念ながら日本の中でTAを体系的にトレーニングするシステムがない。TAセミナーをいろいろな場所で開くなど、国が新しい制度を設けない限り、教員だけでは教育を充実できない。大学院生を使ったTAの充実性というシステムはいかがか。
3点目は、専門職大学院の産業界との連携について。専門職大学院を修了した方々が果たして産業界で妥当な評価を受けるシステムが本当にあるのか。経済的に厳しい中では企業内の選択と集中があるため、将来を担う人たちを外に出さないという構造も見られる。そうした中、企業が今まで内部で行ってきた研修制度を大学が担うような制度はつくれないものなのか。企業ではこの点をどのように考えか。
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1点目のPh.D.candidateについては、今現在具体的に議論していない。しかし、大学院部会の中でも、カリキュラムの体系性、コースワーク等は博士課程も含めての話であるため、将来どうするかということは検討していく余地がある。
TAの体系的な実施について、一律に各大学に配ることはできないというのは理解いただけるかと思うが、大学院生の訓練の中で、例えば大学教員を養成するなど大学の目的に従った取組みに対しては、競争的なものとなるかもしれないが、国公私を通じて支援していくことになると考えている。
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3点目のご質問について、専門職大学院制度ができて2年目であり、各大学とも手探りの状態。産業界をはじめとして関係業界とカリキュラムづくりの段階から密接に連携をし、サプライサイドだけでなくデマンドサイドもよく考えた上でつくられるべき大学院ではあるが、現状ではそれが若干弱い。制度ができたばかりということもあるが、産業界をはじめ関係方面とよく中身を連携し、指導や評価にも関わってもらうところがないと、そこを卒業した人材について、必ずしも関係業界から必要と言ってもらえない。多くの大学院は努力しているが、出口だけではなく入口の段階から、関係業界と連携する仕組みをさらに深めていくようにしていただくと共に、我々もいろいろな形でサポートしていきたいと考えている。
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世界水準の大学院づくりに関しては、地域における研究の中から世界水準へ発展できるようなものに対する支援についても、基本計画で是非見落としなく入れていただきたい。
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経団連で調べた範囲では、新卒で経団連会員企業が採用する学生の3〜5%が博士号取得者であり、彼らに対する評価を見ると、85%の企業がいい評価をしている。本人の希望やフィルターを通して企業人になった博士卒は好評なのである。修士の場合に比べていい評価をする企業の比率が高い。産業界は、決して博士号取得者を拒否しているわけではなく、いい人はどんどん来てもらいたいということを申し上げておきたい。
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大学院大学も、21世紀COEプログラムも、始まったときは危機感があったが、量が広がる中で安心感が出てきて、先行して入ったところでは、逆に最近になってあまりメリットがなくなってきている感じがある。
予算全体について、最近は評価結果による減額や打ち切りがかなり増えてきているが、逆に、評価がいい場合の増額や継続がない。3年目の評価等で、先端的なより高みに達したところに対してはもう一つ上のプログラムに移行できるような支援をする必要があるのではないか。5年間で終わって、その代表が優れているのであれば、2倍の金額を与えて次の5年間も継続させるなど、成果を出した人にメリットがないと、プロジェクト継続中の人は最後の4〜5年目になって力を抜き始める傾向がある。支援にもっとメリハリをつけ、増額・減額の理由については定量的評価をしっかりして外に対し明確にする。逆に減額した分を増額分に回すことで、もっと競争が促進するような制度に切りかえる必要がある。
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大学院の教育の改革について成果が出てこないという話があったが、現場にいる者としてはじくじたる思いがある。もう一度改めて見直し、検証しなければいけない。
また、海外の研究機関との連携大学院制度の導入が進み、専任制の枠が外され弾力化が図られてきているが、今後はもう少しそれを推奨する形で、枠を広げた大学院教育の実質化を推進していただきたい。
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資料は非常によくできているが、今のように今後も皆が同じ方向に改革してしまうのではという懸念が残る。皆同じ方向に改革すると、逆に今何もやらないで頑張っているところが、10年経って一番個性的な大学になるというような気がする。競争的資金のところは、よくお考えいただきたい。
また、今一番大事なのは、総資金を増やすことではないか。それは総合科学技術会議の仕事だと思うが、それに関する記述が弱い。全体の高等教育の資金を増やすべく全力投球するというのが最も大事だという点を、是非付け加えたいと思う。
大学院に関しては既に議論になったとおり、国際化と、学生支援の二つに尽きるような気がするので、そこをもう少し強く取り上げていただけないか。
また、競争的資金はやはり大事。特に、科学技術研究費補助金が重要。
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COEの拠点リーダーをやっている私の正直な感想として、21世紀COEプログラムの効果は確実に上がっていると思うが、始まって2、3年で教育プログラムの評価を下すのはあまりにも時期尚早であり、これはまだしばらく継続することが必要。しかしこのプログラムを始めるに当たっては、大学のトップの先生方がものすごい労力を使っており、確実に研究の時間が減っている。非常に大きな損失を日本が被っているということを是非認識していただきたい。
21世紀COEプログラムのプロジェクトは圧倒的に資金が足らない。少なくとも我々現場の感覚だと、ドクター1人当たりの資金が100万強であり、これで博士の教育と恒常的研究をするのは無理。研究は、これの恐らく10倍以上の競争的資金を取ってきているとは思うが、それが取れない初期の若手のアシスタント・プロフェッサーやアソシエート・プロフェッサーのスターティング・ファンドとして、非常に有効に働いている。アメリカ並みのスターティング・ファンドを与えるためには、今の交付金と同じ額を与えなければいけないが、ほとんどの場合、それを21世紀COEプログラムから出しているのが現状。ポストCOEにおいては、その金額の量をもっと拡充してほしい。
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科学技術基本計画との関係では、大学の財政基盤の議論が非常に重要。事務局資料にある基盤的な経費と競争的資金のデュアル・サポートについては、きちんと考え方を整理しないと難しい問題が出てくる。国大協のご発表資料(資料2)のP.6に「二重支援」とあるが、「二重」という表現はあまりよくない。考え方、目的が違うのであって、「二重」ではない。どういうものが基盤的経費であり、どういう考えで競争的資金とするかについて、相当きちんと議論し、今後の財政基盤を拡充する上で、説得力のある考え方をまとめておくことが必要ではないか。
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世界最高水準の大学院の形成では、制度や組織をつくるという視点よりも、社会全体が高度専門的な人材を活用する仕組みをつくっていくという視点が重要。ポスドクが社会に受け入れられないのは、多様なキャリアパスが社会的に認知されていないからであるし、外国人研究者についてもなかなか増えないのには理由がある。任期付が増えないのも、任期終了後の受け入れ先がない、あるいは不透明であるため。これらを社会的に認めていく仕組みをつくっていくことが必要。任期付きも外国人もポスドクも、流動性を持たない限りは社会全体が活性化しない。
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本日は大学の改革について高等教育政策の観点を中心に議論いただいたが、次回では戦略的重点化、次々回では科学技術システム改革のテーマの下、本日と同じような内容について、別の視点からご議論いただくことを予定している。
本日は、広い裾野をつくり、分厚い中堅をつくり、その上での世界最高水準の高いピークをどうつくるかという、三つの視点が錯綜しながらの議論になったが、次回・次々回と、世界最高水準の高い研究拠点・教育拠点をどうするのかというところを集中的に議論していただく機会があるので、是非引き続きよろしくお願いしたい。本日は身のあるご審議をありがとうございました。 |