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基本計画特別委員会(第5回)議事録

1.日時 平成16年12月9日(木曜日)14時〜16時30分

2.場所 KKRホテル東京 10階 瑞宝

3.出席者:
【委員】 末松主査、小林委員、池端委員、笠見委員、岸委員、木村委員、小磯委員、小平委員、澤岡委員、真行寺委員、谷口委員、十倉委員、中西委員、野依委員、馬場委員、原山委員、平野委員、森下委員、山野井委員、若杉委員
【事務局】 結城文部科学審議官、有本科学技術・学術政策局長、清水研究振興局長、青山科学技術・学術政策局次長、丸山大臣官房審議官(大臣官房担当)、泉大臣官房審議官(高等教育局担当)、村田科学技術・学術総括官、岡計画課長、河村科学技術・学術政策局政策課長、森振興企画課長、榊原基盤政策課長、川端計画官、板倉整備計画室長、内丸計画官付企画官、佐藤基盤政策課企画官、安藤生命倫理・安全対策室長、佐藤材料開発推進室長 他
【オブザーバー】
  阿部総合科学技術会議議員、黒田総合科学技術会議議員、松本総合科学技術会議議員、黒川総合科学技術会議議員

4. 議事
(1) 科学技術と社会の関わり
科学技術に関する国民意識の醸成と研究者等の社会的役割
科学技術に関する倫理的・法的・社会的課題への対応
研究者・技術者の倫理
安全・安心、文化に資する科学技術の推進
(2) 科学技術振興のための基盤の整備(大学等の施設整備)
(3) その他

(配布資料)
資料   平成15年度 科学技術の振興に関する年次報告―これからの科学技術と社会―(概要) 
資料   科学技術と社会の関わり
2−1   科学技術に関する国民意識の醸成と研究者等の社会的役割
2−2   科学技術に関する倫理的・法的・社会的課題への対応
2−3   研究者・技術者の倫理
2−4   安全・安心、文化に資する科学技術の推進
資料   「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」報告書(平成16年4月)(概要)
資料   「文化資源の保存、活用及び創造を支える科学技術の振興」(平成16年2月 科学技術・学術審議会資源調査分科会)(概要)
資料   「知の拠点−国立大学施設の充実について -国立大学法人の施設整備・管理運営の方針-」(平成15年7月 今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議)(概要)
資料   科学技術振興のための基盤の整備(大学等の施設整備)
資料   今後の予定について

(机上参考資料)
平成15年度 科学技術の振興に関する年次報告―これからの科学技術と社会―(概要)
「安全・安心な社会の構築に資する科学技術政策に関する懇談会」報告書(平成16年4月)
「文化資源の保存、活用及び創造を支える科学技術の振興」(平成16年2月 科学技術・学術審議会資源調査分科会)
「知の拠点−国立大学施設の充実について -国立大学法人の施設整備・管理運営の方針-」(平成15年 7月 今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議)

5. 議事概要(○:委員、△:事務局 □:オブザーバー)
(1) 科学技術と社会の関わりについて
1 事務局より、資料1〜4に基づき、「科学技術と社会の関わり」に関する主な論点等について説明。
2 「科学技術と社会の関わり」について、以下のとおり議論。

委員 「社会との対話」というときの「社会」の範囲について、学生や一般国民という捉え方が一般的だが、政治家や行政官、財界人といった立場の人々も含めて対話を促すことも重要。

委員 資料2の2〜3ページにある「コミュニケータ」、「アウトリーチ」に関して、研究者には社会に対する説明があまりうまくない人が多く、研究に割くエネルギーが減る懸念もあることから、研究者本人にさせるよりも、むしろ通訳を置いたほうがいい。欧米、特にアメリカでは、サイエンス・コミュニケータ/ライターの養成が非常に盛ん。3年前、工業大学の情報学部の目玉としてサイエンス・ドキュメンテーションのコースを作ったが、高校生で将来この職業に就きたいという者が非常に少なく、現在存続の危機。コミュニケータ養成は大学院の修士くらいでやった方がよいのかもしれない。国レベルで、どこかの大学で科学技術コミュニケーション人材養成のための学科/コース/専攻をセンター的に作ってみてはどうか。

委員 科学に対する理解が万人にとって必須である今の世の中では、文系でも大学受験において自然科学基礎は必修にすべきではないか。教養教育を重視し、科学に対する無知はあり得ないというのを常識にするような対策が必要。

委員 現在の科学技術振興に関する議論は、日本学術振興会ができた1930年代頃のそれによく似ている。当時の目的は富国強兵であり、今はそれが経済力の増強になっているが、政策提案自体は似ている。唯一当時と違うのは、現在は国民の科学に対する関心が下がりつつあり、対話が必要であるという点。対話は、単に科学技術が技術的利便性を高めるというレベルのものでは足りない。現代社会では、心の豊かさを求める声が高まっているにも関わらず、経済活力などからつながっていない。文化については、科学そのものが文化や精神的豊かさの大きな柱になっているという認識が重要。

委員 科学技術と社会の関わりは重要。一般国民の科学リテラシーが欠けていると言われるが、私は科学者にコミュニケーション・スキルがないことの方が問題だと思う。2〜3年前の『Nature』に、全ての理学者・工学者は大学に入った直後からコミュニケーション・スキルを磨く必要があり、大学院から始めるのでは遅いという記事があった。日本の研究者は、教養の幅が狭いように思う。大学の教授でも、教授は務まるが公立の中学校の理科の先生は務まらないというような人がたくさんいる。大学の教養課程からもっと教養を広めることが必要。
研究者が社会において「部品化」してしまっているのは、日本だけでなく多くの国で憂慮されている問題。鶴見俊輔先生は、若い将来のリーダーは「MAGEモデル(M;Mediative,A;Autonomous,G;General,E;Elite)」で育てる必要があると述べている。すなわち、日本で言う「T字型」人間を養成すべきということで、こういう理念に基づく研究者養成が是非必要。科学者コミュニティ自身が大いに反省しなければいけない問題。

委員 科学技術と社会の関わりにはいろいろな形がある。アウトリーチも必要だし、各学会等にプレス対応を担当するようなコーディネータ、あるいはコミュニケータも必要。これらの合わせ技で、いろいろな立場が協力してやらなければならない。
コミュニケータに関しては、その存在を評価することが大事で、時間がかかってもその重要性への理解を醸成する努力をしないといけない。また、アウトリーチ活動に関しては、研究者自身が行う以上、自分の研究に活かすという意識を持てること、若者にとって目指すべき存在となり若者にインパクトを与えられることが大事で、こういうことをできる人だけにやって欲しい。

委員 当大学では教養教育に力を入れているが、その中で理系の教員が文系の学生に対して授業をすると、意外に面白い議論が出てくることがある。教養教育について文系と理系で共有できることはいろいろある。逆に、理系の人間については、社会との関連や社会学、人間学への対応が抜けているところがあるので、もっと文系の講義を取らせて基礎素養を育てて行った方がよいのでは。科学技術の振興において、学術や文化の発展に資するようなところについては、理系・文系を含め大学全体が一体となって動かなければならない。

委員 科学技術を担う人材の幅広さという面については、安全・安心の問題と無縁ではない。安全・安心の確保には、科学技術面での備え・蓄積をすることに加え、そうした蓄積を理解し、活用できることも必要。安全・安心の確保は、往々にして時間との勝負でありながら、非常に複雑であることが多く、なかなか素人では対応できないという問題がある。日本では、技術的・科学的な知見と、それを実際に動かしていくところの間に大きなギャップがあり、そこを埋めるプロの人材が育っておらず、アメリカと随分異なる。科学技術面での蓄積を高めると同時に、それを理解し実際に対応できる人材の供給も併せて行わないと、安全・安心の問題には社会として対応できない。人材養成の問題になるが、安全・安心対策としても非常に重要。

委員 コミュニケータとしては、学部卒の人よりも、ある程度科学の知識や研究経験のあるポスドクを活用するのがよい。ポスドクの行き先をどうするかという話にもつながる。ポスドクの中にはコミュニケータに向いている人も当然いるので、そうした人向けにグラントや専門コースを充実させるなど、ハイレベルな人の再教育をもっと考えてよい。
生命倫理に関しては、社会とのコミュニケーション以前に、研究者間のコミュニケーションが進んでいない。文理一体型のプログラムの中で、実用化するためにはどういう基盤研究が必要か、それが社会に与えるインパクトはどのようなものか、生命倫理上どのような規制をクリアしなければならないのかなどを、出口を見据えた形で考える、基盤研究を行う研究者と文系の生命倫理専門家との有機的なつながりが必要。アメリカにはスタンフォードのBIO-Xのような科学技術の基礎的な面から社会に与える影響までを一体として研究する研究所があるが、日本の大学ではそれぞれが別々に動いていてシンポジウムくらいの交流しかない。もう少し密接なつながりを生み出す政策的な仕掛けが必要。

委員 近年の自然科学の著しい進歩がもたらす様々な社会的問題に対し、人文社会科学が解決策を提示すべきだということで、日本学術振興会において、人文社会科学振興プロジェクトというものが実施されている。現代社会が直面する諸問題に関わる融合的な研究を進めるため、人的ネットワークを組み立てながら、マネージメントができるリーダーを育てようということで、昨年スタートしたものだが、現在非常に良いプロジェクトがいくつも出てきている。本日の議題に関わるもので言えば、科学技術ガバナンスや生命倫理に関するプロジェクトなどがそうで、いずれも人文社会系と自然科学系の人間が一体となって取り組んでいる。このように、異なる領域と対話ができる、言葉を持っている人間、そしてそれを行動に移せる人間を育てることが重要。

委員 文系・理系の2つに分けるという日本独特のやり方からは卒業しなければならないという意見に同感。
資料2−1の3ページ、双方向のコミュニケーションの推進に関しては、アウトリーチをしなければならないという前に、アウトリーチとは何かという理解を広めなくてはならないと思う。具体例なしにやれとだけ言っても、事は進まない。基本的なところとしては、既に皆さんがおっしゃった研究者のコミュニケーション能力の向上が必要で、これは最低限、学部レベルから始めなければならない。また、いい事例を取り上げてそのやり方を広めていくことも一つのやり方。
研究者・技術者の倫理に関しては、資料にあるようなトラディショナルな取組みに加えて、産学官連携の視点から、利益相反・責務相反の問題への対応も必要。この基準の明確化はなかなか難しいが、倫理という視点から、研究者がどういうミッションで研究・教育を行い、それに加えて経済的貢献をするのであればどこまでが自分の責務なのかを考えることも必要。

委員 国民、特に20代の若者の科学技術に対する関心が落ちていることは大きな問題。第3期科学技術基本計画において一番重要なことは、科学技術創造立国の中身。すなわち、なぜ日本は科学技術創造立国であり、なぜ科学技術が重要なのかということを、もう少しブレークダウンして具体的にわかりやすくしていかないと、各論だけをいくら議論してもなかなかそういう価値観に結びつかない。初回の全体議論でも出たように、20〜30年後の我が国の姿に科学技術がこう寄与しなければならないということをアピールすることが第3期基本計画のスタートではないか。

委員 初めに出た、経済界や政界の意識も高揚させるよう働きかけるべしという意見には賛成。今夏、三菱重工と日本郵船の経営トップと海洋科学技術センターとが一緒になり、文部科学省の幹部も参加して、長崎で地球探査船「ちきゅう」を見学したり、小学生相手に講演会を行ったりしたが、非常に盛り上がった。これは広報のプロが仕掛けたからこそ成功した事例で、こうしたアウトリーチ活動は実は産業界の方がやりやすく、成功する。社会からも大変評価される試みなので、今後、産業界からのアウトリーチ活動を是非積極的にやっていただきたい。
科学技術インタープリータの養成については、7、8年前から重要だと言われていながら、あまり進んでいない。先のポスドクをインタープリータに活用すべしという意見には賛成で、実際には研究費や助成金など活動の根拠を与えてやることが必要。また、インタープリータやサイエンス・ライターに活躍の場を与えるためには、研究者たちが率先して社会に働きかける、発表していくという意識を持つことが必要であり、研究者自身が社会とのコンタクトを求めようとする意識を涵養する施策がまず必要。

(2) 科学技術振興のための基盤整備(大学等の施設整備)について
1  文部科学省「今後の国立大学等施設の整備充実に関する調査研究協力者会議」の主査である木村委員より、資料5に基づき、「知の拠点−国立大学施設の充実について-国立大学法人の施設整備・管理運営の方針-」(平成15年7月)(概要)について説明。
2  事務局より、資料6に基づき、「科学技術振興のための基盤整備(大学等の施設整備)」について説明。
3  「科学技術振興のための基盤整備(大学等の施設整備)」について、以下のとおり議論。

委員 大学施設については、老朽化・狭隘化対策といった量的改善だけでなく、質的改善をお願いしたい。大学は工場でも倉庫でもなく最高の知の府なのだから、安全性や機能だけでなく、格調高い施設によって若者の知的活動を鼓舞するという面がもっと前面に押し出されてよい。そのためには、学長のリーダーシップでアカデミック・プランを作っていただき、それに基づいたキャンパス・プランを作った上で建てていただきたい。大学は研究所と違って、教育機能がある分、分散性・多様性の確保が重視され、結果として経済的な非効率をもたらす面がある。教員のわがままがこの非効率性を助長する面もあるだろう。学長のリーダーシップできちんとプランを作り、施設整備の評価に当たってはプランそのものの合理性をきちんとその対象に入れる必要がある。
また、建てるだけでなく、その何倍もかかる維持費・運営費を十分に確保していただきたい。その際、研究の分野や特性に応じた費用をつけていかないと、維持・運営にお金がかからないところの研究ばかりが増えるということにもなりかねない。
さらに、学生、院生、ポスドク、その他諸々の研究従事者の安全を確保するためには今よりはるかに広大な施設が必要で、そこも是非考慮してもらいたい。

委員 これまで厳しい予算状況の中、大学のために努力してもらっていることに感謝する。ここ数年は補正予算の措置が非常に大きな要素であったが、今後はそれが予測もできない状況。その中で最も重要になるのは、やはり老朽施設の改善。格調高い建物はもちろん必要であるが、まずは今日の資料に書かれた対策を是非しっかり進めてもらいたい。これまでのところ、残念ながら基準面積には全く届いておらず、海外の研究者を呼んでも大変ショックを受けられるし、国際水準には程遠いと言われる。大学内のマネージメントの柔軟化にも取り組むつもりだが、設備の充実には今後とも努力をお願いしたい。

委員 昨日、国大協の臨時総会で施設整備について議論があり、地方の大学の学長から、地方では特に施設の老朽化が著しいという訴えがあった。老朽化解消の状況について、全国を平均値で括った話だけで済まされては困るという、大変力強い訴えだった。当大学の施設整備は恵まれた状況だが、それに見合う教育研究上の実績を上げており、周囲にもそう認識されている。建物の老朽化は教育の質の低下につながるということを、十分に理解する必要がある。安全衛生上の問題もあるが、教育の質の低下がより本質的な問題であり、必要な整備面積を着実に整備してもらいたい。

委員 私立大学の施設は国立の地方大学より十分でないことが多い。今回の議題の中心ではないものの、下には下があるということだけ申し上げておきたい。

オブザーバー 施設の建設費について、民間企業がやる場合と比べてコンペティティブにやっているのか。

事務局 コストは適正だと考えている。平成15〜19年にかけて、15%のコスト削減を進めているところである。

オブザーバー 初期のプロダクト・マネージメント、コンセプトづくりの段階が非常に重要で、そこに時間をかける必要がある。学長がプランを作っても、それをマネージする人がいないといけないし、しっかりとマネージメントできれば大きなコスト・セービングになるはず。

委員 私がいる東京大学理学部の建物は非常に古く、4階建てでエレベータもなければ、ネットワークや電気も足りず、トイレの配水管も年に何度も故障していて、それでも改善が進まない。そういうところもある。
施設整備をする人たちは研究者のニーズを理解されていないと感じる。女性への配慮という視点からは、例えば建て替え中の理学系の建物で女性用トイレの数が大変少なく、聞けば今の女子学生の割合から言って十分だと言う。男女共同参画が叫ばれる中で、今後女子学生が増える可能性を想定すらしていないという事態に誰も気づかず意見も言わないことに驚いた。授乳室の新設についても最近申し入れたが却下された。建築の専門家は建築的な視点しか持たないため、科学者のニーズや現状がわからない。その解決にはまず情報のやり取りが必要。

委員 国立大学は法人化により人事院から労基署の管轄に移ったため、設備の安全・衛生面の管理が喫緊の課題。これまで担当者として血のにじむような努力をしてきたし、費用的にもこれまで投資してきた以上の額がかかることがわかってきた。大学にいる人は安全面への意識が非常に低い。設計段階から安全衛生を最優先に考えた設計をして欲しい。

事務局 先ほどご指摘のあったコスト・セービングや、資料6の15ページにある「新たな整備手法の導入」など、税金を投入するだけでなくいろいろ知恵を出すことが大学のマネージメントにおいては非常に重要だと認識している。こうした点について、いろいろご意見を賜れればありがたい。

委員 資料6(15ページ)の中に日本の大学が施設整備関係で受けた寄附の額があるが、これはおそらくアメリカの著名な1大学くらいの規模でしかないのではないか。日本の大学が寄附を受けられない理由として、税制上の問題があると聞いたことがあるが、この点についてわかれば教えていただきたい。

事務局 税制については、国立大学法人への寄附の場合、国に対する寄附と同じく、企業なら損金算入、個人なら所得税控除の対象となっており、ボトルネックにはなっていないと認識している。

委員 確かに企業なら損金算入、個人なら25%まで所得税控除が受けられるようになってはいるが、あくまで国の税収が増えるような方向に政策が向いている。アメリカと比べると、同窓生など個人の寄附によって大学を盛り上げようというベースが弱い。
新たな整備手法の一つであるPFIの導入に関しては、導入に伴う制約がいろいろある。講義棟や研究棟の整備について、PFIを行い他の施設と同じ水準で維持管理しようとしてもバリュー・フォー・マネー(VFM)が出てこない。VFMが出るような維持管理をすると膨大な費用がかかる。これはある意味将来への借金であり、費用の先送りになってしまう。投資に見合う収入が見込めるような建物についてはPFIの手法を積極的に取り入れてもよいのだろうが。いずれにせよ、大学の管理者として、寄附される建物にかかる維持費や税制上の問題を含め、いろいろ勉強した上で、積極的に取り組んでいきたい。

委員 日本では、個人からの寄附も少ないが、企業からの寄附も少ない。その理由は、建物に寄附したからといって大学との連携が強まるわけでもなく、企業側にとってメリットが少ないからではないか。その意味で、前回話が出た大型共同研究を寄附した建物で行うことや、そこで行う研究に対して国がグラントをつけることなど、もっと総合的な支援の仕組みの中で施設整備を考えていく必要があるのではないか。
また、建てることだけでなく賃貸も考えられないか。数年間のプロジェクトであれば、必ずしも新規に建てなくても、企業の空き施設や自治体のインキュベータ施設を賃貸して使うことが可能であり、コスト・セービングにもなる。大学の外に連携サテライト的な施設を整備することも一つのアイデア。

委員 海外の研究機関とジョイントして研究施設を作るというオプションもある。その場合、建てた後の運営に関するルールづくりが少しネックになるかもしれない。
また、成果の活用まで考慮して研究施設を作る場合、インキュベーション施設も必要になるが、その場合、どこまでを大学内の活動とするかの線引きも併せて考える必要がある。

委員 現在、中教審で、助教授・助手の職を改めて新職を設け、若手研究者の独立を促そうという話が出ており、そのプラン自体は非常に結構だと思うが、それに伴うべき財政基盤の整備を考慮することなく議論を終えているところに問題がある。一つはスペースの問題で、若い人が独立すれば当然広いスペースが必要になる。研究費についても大幅な増額が必要になるはず。こうした点について大学分科会では全く議論がされていないのは問題。

委員 海外の状況ももっと調査して欲しい。例えばアメリカでは、ナノテクノロジーのイニシアチブで5つくらいの大学が拠点となっているが、その5つの大学がどううまく連携しているか。施設整備については、各大学が全部自分のところに作らなくても、情報を完全に共有することで、研究の効率も、大学間のインタラクションも、スピードも上がる。全てそうするわけにはいかないと思うが、少なくともイニシアチブものについてはその方が効率も上がるし、人材も育つので、是非この辺も勉強してみて欲しい。

(3) その他
 次回の日程として、事務局より、来年1月14日(金曜日)14時〜を予定している旨連絡。

以上

(科学技術・学術政策局計画官付)

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