1.はじめに

 第三次提言までの人材委員会の検討を踏まえ、第3期科学技術基本計画の策定に向けて科学技術・学術審議会基本計画特別委員会が取りまとめた「第3期科学技術基本計画の重要政策-知の大競争時代を先導する科学技術戦略-」においては、多様な研究者の活躍促進(女性・外国人の活躍促進)、若手の自立性向上(若手向き研究費の充実、テニュア・トラック制※の導入促進、任期を付さない職に就く前に少なくとも一回は所属する研究機関を変更する「一回異動の原則」の奨励)、大学院教育の改革、初等中等教育段階からの人材養成などの科学技術関係人材についての施策の推進が掲げられている。
 一方、人材委員会においては、前回の提言の後、少子高齢化を踏まえた科学技術関係人材の将来需給およびポストドクター(ポスドク)の実態に関する調査や、有識者からの意見聴取をもとに、何が課題であるか検討を行ってきた。
 検討の中で、将来的な人材需給の問題や、若手研究者の処遇に関する問題、博士号取得者の社会の多様な場面での活躍促進など、科学技術関係人材に関する問題の多くが、ポスドク等のキャリアパスの問題に集約されており、かつ、早急に取り組むことが必要と判断したことから、検討課題とこれに対する考え方を整理した。

※テニュア・トラック制:若手研究者が任期付で自立した研究者として経験を積んだ上で、厳格な審査を経て任期を付さない職(テニュア)を得る仕組みを指す。

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