4-7.化学分科会

【平成19年度議論のポイント】

○ 平成19年度、化学分科会では、研究開発人材の育成に資する教育(修士・博士課程)に焦点を当て、産学連携による方策について検討を実施。
○ 化学分野において企業ニーズの高い研究内容が変化・減少していること、求められる人材像や博士人材のキャリアパスが不明確であること等が産学の課題として認識。
○ このため、高分子化学や化学工学等の分野への産業界による必要な人的・資金的な支援、大学による学位授与審査基準の明確化、第三者を学位審査の審査員またはオブザーバーに入れた客観的審査の実施等、様々な対応策案を打ち出し、今後重点的に議論を進めていくべきとしている。
○ その中でも直ちに取り組めるものとして、まず平成20年度には、産学が、大学・大学院で学ぶ基礎学力等が化学企業において如何に重要であるかを伝えるための「企業出張講座」や、入社後のキャリアパス等を博士課程の学生に伝えるためのセミナーを実施していくこととしている。

【議論の概要】

○ 研究開発人材の育成に資する教育(修士・博士課程)に焦点を当て、産学連携による方策について検討。本分科会では、非常に幅広い問題意識が産学において共有された。
○ 例えば、修士においては、産業界から大学に対し、化学分野において求められる人材像が一部では明示されているものの、抽象的であるため、大学に伝わっておらず、化学企業の技術系社員として如何に重要であるかが説明不足である。
○ また、博士においては、化学企業が人材を引きつける魅力、入社後のキャリアパス等の情報の発信不足であるため、本来企業で活躍できる博士人材が大学のポスト待ちになっているケースもある。

【平成20年度以降の検討課題】

○ 化学産業の魅力向上策
(化学産業における最新技術動向の説明、インターンシップ 等)
○ 教員の教育力向上のための促進策
(産業界による教育分野の充実に必要な人的・資金的支援、大学による教員の教育への熱心さや実績の評価方法等)
○ モデル校における化学の体系的教育プログラムの編成・実践
○ 高分子化学や化学工学等の分野への産業界による必要な人的・資金的な支援、大学による努力の促進。
○ 博士課程修了者を巡る好循環の創出策

  • 優秀な人材が博士課程へ行くインセンティブの創出策(企業での優遇、産業界による選抜者への経済的支援等)
  • 大学による博士課程入学基準の明確化と、相応しい意欲・資質・能力を持った者のみの入学。
  • 大学による学位授与審査基準の明確化と、第三者を学位審査の審査員またはオブザーバーに入れた客観的審査の実施。
  • 大学による、博士課程修了者の産業界から見た付加価値がより高まる教育プログラムの検討。
  • 国は、上記に関する必要な取組について、普及・推進することを検討。

【平成20年度に実施する具体的取組】

○ 上記を含む課題への対応策として、産学は、ものづくりの面白さ、大学・大学院で学ぶ基礎学力、課題設定力・解決力や応用力等が、化学企業の技術系社員として如何に重要であるかを伝えるため、「企業出張講座」をモデル校で実施するとともに、その効果を見極めて、全国規模の取組への展開を図るシステム作りの検討を行う。
○ また、産業界は、産業界が求める基礎学力、課題設定力・解決力が具体的にどのようなものであるか、また、入社後のキャリアパス等を学生に伝えるため、学会等と協力しつつ、主に博士課程学生向けのセミナーを開催する。

【参考資料(平成20年度の主な取組のスキーム等)】

博士課程学生向けセミナーの図

企業出張講義の図

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科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

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