4-3.経営・管理人材分科会

【平成19年度のポイント】

○ 平成19年度、経営・管理人材分科会(注1)では、次世代経営リーダーの産学連携による育成方策を検討すべく、「大企業等×ミドルレベル」を対象として議論を展開。
○ 企業はミドルレベル以上の経営・管理人材の育成に必ずしも自信が持てていない一方、大学も効果的に学び直すことができるプログラムの提供が望まれる。
○ 平成20年度は、分野・地域ごとに複数の企業と複数の大学が横断的にコンソーシアムを形成し、産業界のニーズが高いテーマに関する「ミドルレベル以上の経営・管理人材を育成するモデルプログラム」を、若手教員のファカルティディベロップメント等も行いつつ、産学協働で開発する。

(注1)特にサービス分野と金融分野については、生産性向上のために、戦略的な専門人材の育成が喫緊の課題であることに鑑み、これらの点についても、「サービス産業生産性協議会」及び、「高度金融人材産学協議会」の場において別途議論を行い、「経営・管理人材」分科会と連携して進めることとしている。

【議論の概要】

○ 経営・管理人材はおおまかに下図(注2)のように分類されると仮定し、平成19年度は、喫緊の課題として「次世代経営リーダーの産学連携による育成方策」を検討することとなり、「大企業×ミドルレベル(部長、次長、課長クラス)」を対象とした議論を行った。

(注2)経営・管理人材分科会の議論の射程イメージ(斜線部分は平成19年度の議論の射程)
経営・管理人材分科会の議論の射程イメージ

○ 次経営リーダーに求められる能力等は変化してきているものの、必ずしも我が国は次世代を担う経営・管理人材を育成しきれていない。
○ 日本企業が経営力を強化するためには、経営・管理人材に対して現場経験等によるOJTのみならず、基礎的な人間力をベースとしつつ、経営リテラシーや経営に関する新たな知識を効果的に学び直せるような体制づくりが求められる。
○ 特に、企業はミドルレベル以上の経営・管理人材の育成に必ずしも自信を持てていない。そこで、例えば、役職が上がる時点など、マネジメントのフェーズが変わるタイミングで、効果的に学び直すことができるプログラムが提供されることが望ましい。

【平成20年度の具体的取組(注3)】

○ 分野・地域ごとに複数の企業と複数の大学が横断的にコンソーシアムを形成し、ミドルレベルの人材を対象とした短期教育プログラムを産学協働で開発する取組を推進する。
○ 大学界は優秀な教員によるプログラム開発への参加、産学の議論によるプログラム開発を通じての若手教員のファカルティディベロップメント、産業界側へのプログラムの提案等を担い、産業界は、OFF-JTニーズの明確化、最新の経営課題等の情報提供、講師の提供、学生の提供等を担う。
○ コンソーシアムは、産学双方の議論によってプログラムを開発すること、明確なコンセプトを掲げていること、企業と大学関係者の連携体制を構築していること、複数の大学関係者間連携の体制を構築していること等を必須要件とする。
○ こうした取組を通じて、経営分野の産学連携人材育成モデルを確立し、産業界や大学界双方にそのノウハウを広く普及する。

(注3)サービス分野については、「サービス産業生産性協議会」において、サービス産業界の人材育成ニーズと大学経営学部のカリキュラムに関して、どこにギャップが存在しているのかを明らかにし、産業界と大学等教育機関が、ギャップを埋める上で必要となる取組を推進する。また、金融分野については、「高度金融人材産学協議会」において、同協議会が平成19年度にとりまとめた、高度金融人材の育成・活用に関する課題解決の方向性を基に、高度金融人材育成のためのプログラムに求められる具体的な内容の調査・検討を行う。

【平成21年度以降の展開(注4)】

○ 平成19年度の「日本の次世代経営リーダーの育成に関する産学連携の在り方」の議論をさらに深めるとともに、平成20年度の具体的取組についてフォローアップを行う。
○ 「MBAプログラムの在り方やMBAホルダーの活用方策について」(大企業×ミドルレベル以下)や、「地域中小企業」「ベンチャー(急成長型企業)」に特有な議論も順次行っていく。

(注4)サービス分野については、「サービス産業生産性協議会」において、平成21年度以降も20年度に明らかになった産業界の人材育成ニーズと大学経営学部のカリキュラムに関するギャップを埋めるため、産学連携パートナーシップ事業を活用し、産業ニーズを踏まえた教育プログラム開発等、大学等教育機関における教育体制を充実していく。また、金融分野については、「高度金融人材産学協議会」において、平成21年度以降も平成20年度に検討した事項を基に、事業会社のための金融初歩コースや、金融工学トップ人材育成のための大学間連携プログラムの、モデルカリキュラムを開発・試行すること等により、イノベーションを担う高度金融人材の育成・活用をさらに推進していく。

※平成20年度事業のスキーム
平成20年度事業のスキームの図

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科学技術・学術政策局基盤政策課

(科学技術・学術政策局基盤政策課)

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